JP2000335824A - 糸条巻取り方法および装置 - Google Patents

糸条巻取り方法および装置

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JP2000335824A JP11149348A JP14934899A JP2000335824A JP 2000335824 A JP2000335824 A JP 2000335824A JP 11149348 A JP11149348 A JP 11149348A JP 14934899 A JP14934899 A JP 14934899A JP 2000335824 A JP2000335824 A JP 2000335824A
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  • Filamentary Materials, Packages, And Safety Devices Therefor (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パッケージの巻き層による応力状態が一定に
なるように、糸条巻取り張力を制御できる糸条巻取り方
法および装置。 【解決方法】 パッケージの内部張力が略一定になるよ
うに、巻取中のパッケージ径dがD0+(D1−D0)/1
6≦d≦D0+(D1−D0)/6に示す範囲において、該
巻取り中のパッケージ径dの時の巻取り張力T(d)が1.
15T0≦T(d)≦1.7T0を満たし、さらに巻き径が最外
径D1の時の巻取り張力T(D1)が0.5T(d)≦T(D1)
≦0.9T(d)を満たすように制御し、巻取り中の巻取り
径に応じた巻取張力の目標値が記憶できるようにしてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維糸条の巻取
り方法および巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維糸条を巻取り装置によって巻取
る場合、巻取り装置の巻き始めから巻き終わりまでの巻
取速度を制御する速度制御方法と、巻取り張力を巻き始
めから巻き終わりまで一定に制御する張力制御方法のい
ずれかの制御方法が用いられている。
【0003】前者速度制御方法においても、巻取り速度
を一定に制御することにより、巻き始から巻き終わりま
での巻取り張力は略一定になっている。ところが、従来
の速度制御方法および張力制御方法によって巻き取られ
たポリエステルPOYのパッケージを延伸仮撚加工機に
よって延伸仮撚加工する場合、パッケージの最内層のテ
ール糸と次に解舒するパッケージの最外層の糸を接続し
ておいて、連続的に次のパッケージの最外層へ移行する
テール移行の際、延伸仮撚加工機の加撚装置下流におけ
る解撚部の張力が糸条の接続部の前後で差が生じる。該
解撚部の張力は、パッケージの最内層で大きく、最外層
で小さくなる。該張力の変動現象は、パッケージ内での
巻き層によって応力状態が異なるため、糸条がパッケー
ジから解舒されて延伸仮撚加工機の延伸部に合成繊維の
持つ粘弾性特性から、パッケージの最外層と最内層の糸
が同じ状態で到達しないために生じる。従って、パッケ
ージの内層部と外層部を接続した部分を含む糸条をよこ
糸として織布すると、該接続部で染め差が生じて欠点と
なる第1の問題がある。また、パッケージ内での巻き層
によって応力状態が異なるナイロンFDY糸をよこ糸と
して織布すると、該ナイロンFDY糸が織布後応力緩和
するため織布の巾がパッケージの巻き層によって異なる
という第2の問題がある。一方、近年工程の合理化策と
してPOYパッケージの延伸仮撚加工機への供給回数を減
らすために、パッケージの大径化や高密度化が要求され
ている。具体的には従来の例えば123mm巾のパッケ
ージでは10kg巻を15kg巻に増加させる要求があ
る。又、パッケージの体積重量比である巻密度は0.9
以上の要求がある。かかる要求を満たすために、単に巻
取り径を増大させ、さらに巻密度を増大するために巻取
り張力を増加すると、巻上がりパッケージの側面に渦巻
き条に見える巻き層の円周方向へのずれ(以下スパイラ
ルと呼ぶ)が生じる。該スパイラルはパッケージの内層
におよび、後工程で糸を解舒するときに解舒張力が変動
し、また糸を構成する単糸が分離して糸切れが生じやす
くなるという第3の問題がある。又、パッケージの径と
重量を増大することにより、パッケージの搬送時あるい
は後工程で糸を解舒するためにクリールに取付ける際に
衝撃が加わると、パッケージの中層部分で巻き層が紙管
の長手方向にずれるテレスコープと呼ばれる現象が生じ
やすくなる。テレスコープが生じると、層がずれている
部分で糸切れを生じるという第4の問題がある。かかる
第1と第2の問題を解決する方法として、繊維機械学会
誌T105−117に記載の「ヤング率変化を有する巻
き糸体内部のひずみ解析理論」と繊維学会誌Vol.4
6,No3に記載の「巻き糸体の内部ひずみとその制御
法」に一連の報告がある。該報告では、パッケージ内部
のヤング率を実験的に求め、パッケージを極異方性弾性
体と仮定して解析をおこない、解析結果から、内部応力
すなわち完成したパッケージの内部の張力が一定となる
よう、巻取り張力を変化させる張力変化曲線が示されて
いる。さらに変化曲線に従って、張力を変化させるため
に、糸条に走行抵抗を付与するテンサーを備えた巻取り
装置で、242m/分という低速での巻き返し実験の結
果が示されている。又、特許第2854245号公報に
は、紡出されたポリエステル糸条を、最終的に2500
〜4000m/分で巻取る際、全巻糸量に対して10〜
40重量%の巻糸量になるまで巻取り速度を巻き始め速
度に対して0.1〜2.0%漸増して最高(最終)巻取
り速度に到達させ、次いで巻取り完了まで巻き取り速度
を該最高速度に維持するか、又は最高巻き取り速度から
漸減するようにした部分配向糸の巻取り方法が示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、合成繊維の
製造においては、3300m/分〜7000m/分という高速で巻
取りがおこなわれており、該巻取速度では、巻取り中に
パッケージの側面が膨れ出すバルジと呼ばれる現象が強
く発生し、バルジは糸層のすべりによって発生してお
り、弾性体としての解析である前述の報告に示されてい
る理論値では前述の延伸仮撚加工時における第1の問題
及び織布における第2の問題を解決することができず、
工業的に使うことができなかった。また、該報告に示さ
れる装置は糸条に走行抵抗を付与するテンサーを用いて
張力を制御するため、テンサーの下流の張力を高めるた
めにテンサーの抵抗を増すと、逆にテンサーの上流側の
張力が低下し、テンサーの上流側の糸道が不安定とな
り、隣接する糸条と接触したり、糸道案内ガイドから糸
条が離脱し、糸切れが生じることがあった。またテンサ
ーでの糸条の擦過によって糸条を構成する単繊維が切断
されて毛羽が生じるために品質を悪化させる問題があ
る。さらに、前述の特許第2854245号公報に示さ
れている方法においても3300m/分〜7000m/分の巻取速
度でパッケージの3倍を越える大径パッケージでは、前
述の第1、第2の問題は解決されなかつたし、前述の1
5kg巻のパッケージではスパイラルが多く発生し、前
述の第3の問題に対しても顕著な効果は得られなかつ
た。さらに第4の問題についても解決できなかつた。本
発明は、前述の第1〜第4の問題を解決すべく、パッケ
ージの巻き層による応力状態が一定になるよう糸条巻取
張力を制御する巻取り方法、および装置を提供すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに本発明の糸条巻取り方法は請求項1のように巻き始
め張力をT0、巻取り中のパッケージの径をd、該巻取
中のパッケージの径がdの時の巻取り張力をT(d)とし
て、巻取り中のパッケージ径dがD0+(D1−D0)/1
6≦d≦D0+(D1−D0)/6に示す範囲の少なくとも
1点において、該張力T(d)が1.15T0≦T(d)≦1.7T
0を満たし、さらに巻き径が最外径D1の時の巻取り張
力T(D1)が0.5T(d)≦T(D1)≦0.9T(d)を満たすよ
うに制御することを特徴とするものである。
【0006】又、本発明の糸条巻取装置は、請求項2の
ように張力信号に基づいて巻取り速度を制御する制御手
段に、予め設定した巻取り径に応じた巻取り張力の目標
値を記憶する記憶手段を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、合成繊維の巻取りにお
いて、従来の速度制御または張力制御によって巻取られ
たパッケージにおける糸条の張力をパッケージの巻き層
にかかわらず略均一にするために、巻取られたパッケー
ジ内部の糸条の張力を推定することによって、測定した
パッケージ内部の糸条の張力を略一定にできる最適な巻
取り張力を実験的に導く方法を見出すことによってなし
得たものである。すなわち、パッケージの内部張力は、
完成したパッケージを解舒しながら5%延伸し、この時
の延伸張力を測定し、該測定結果と、別途、変形しない
金属ローラに予め張力の判っている状態で巻かれた糸条
を5%延伸する時の延伸張力とを比較することで推定す
るものである。次に、前記パッケージの内部張力を推定
する手法を具体的に説明する。図1はパッケージの内部
張力を推定するための延伸装置の構成を示す概略図であ
り、パッケージ11から巻出された糸はテンサー12を
通って第1ローラ13へ導入される。第1ローラ13から
出た糸は重り14を通って第2ローラ15へ至る。第1
ローラ13と第2ローラ15の回転数と直径は同一であ
る。第2ローラ15を出た糸は張力計16を通って第3
ローラ17へ至る。第3ローラ17は第2ローラ15と
同回転数で回転するが、直径は5%大きくしてある。第
3ローラ17を出た糸はサクションガン18に吸引され
る。テンサー12は重り14が一定の高さになるように
調整する。第1ローラ13の周速は160m/分であ
る。図2は、巻き上がったパッケージの糸条と比較する
ための糸条を巻き取る校正用の巻取装置であり、モータ
21の軸に金属ローラ22を装着し、金属ローラ22は
所定の速度で回転する。金属ローラ22は切り欠き23
を有し、該切り欠き23部にはアーム24が取付けら
れ、アーム24にはストレンゲージ(図示しない)が貼
り付けられている。金属ローラ22に巻取られた糸25
の張力はアーム24に貼り付けられた前記ストレンゲー
ジで測定する。次に本発明の巻取装置の実施例を説明す
る。図3は本発明の巻取装置の構成の実施例を示す概略
図であり、該巻取装置はゴデーローラ51から送り出さ
れる糸条50を巻取るものであって該糸条50に沿って
張力計52がトラバースヘッド55から突出して設けら
れたブラケット66に取付けられ、張力計52の下流に
は振り支点ガイド53が前記糸条に対応して前記ブラケ
ット66に並設されている。又、張力計52は制御装置
63に接続されている。トラバースヘッド55にはトラ
バース装置54が内臓されており糸を綾振りする。トラ
バースヘッド55の下方にはタッチローラ56が回転自
在に設けられ、パッケージ59に所定の面圧で接触す
る。機台61に組み付けられている案内ガイド55Bに
支持されているトラバースヘッド55は、該案内ガイド
の作用によってパッケージ59の径の増大に追従して上
昇する。パッケージ59はスピンドル57に嵌着されて
いる紙管58上に形成される。スピンドル57は機台6
1に組み付けられているモータ60に直結されている。
インバータ62は制御装置63からの回転数指令に従い
モータ60を駆動する。タッチローラ56の回転数は制
御装置63に接続されたピックアップ65で検出され
る。モータ60の回転数は、制御装置63に接続された
ピックアップ64で検出される。次に制御装置63の構
成を図4で説明する。ピックアップ64、65は巻径演
算手段101に接続され、該巻径演算手段101からの
巻径データは目標張力記憶手段102へ送られる。又、
目標張力記憶手段102には設定器105が接続されて
おり巻径に応じた目標張力を設定する。目標張力記憶手
段102は、前記設定器105に設定された巻径に応じ
た目標張力を比較回路103へ出力する。一方張力計5
2で計測された測定張力は比較回路103へ入力され、
比較回路103で前記目標張力と比較される。比較回路
103での比較結果はスピンドル回転数制御回路104
へ送られ、該スピンドル回転数制御回路104は前記測
定張力と目標張力が一致するようにインバータ62の周
波数を制御する。次に本発明による巻取りの実施例を品
種別に下記詳述する。実施例1としてナイロンFDY7
0d24fの糸条の場合を説明する。図5はナイロンF
DY70d24fを使用し、内部張力を10g,20
g,30gの状態に変化させて図2の金属ローラ22に
巻取り、次いで図1の延伸装置で延伸した時に測定した
延伸張力のグラフを示す。又、図6は張力を巻き始めか
ら巻き終わりまで一定になるよう巻取り速度を制御する
従来の張力制御方法を用いて、ナイロンFDY70d2
4fをゴデーローラ51の送りだし速度4800m/分
で巻き取ったパッケージの糸を図1の延伸装置で延伸張
力を測定し、該延伸張力を図5のグラフに基づいて補正
した該パッケージの内部張力の推定値を示す。次に、巻
取りを行う前に図4の設定器105で、前記図6のパッ
ケージ内部張力が略一定となるように巻径ごとの目標張
力を設定する。該目標張力の内の巻き始め張力T0は、
巻取り速度と巻き始め張力T0の実験から得られた最適
値を示す図7のグラフから得る。T0の設定値は低すぎ
ると、紙管上で糸層が中央部へ寄る、糸寄りと呼ばれる
現象を生じ、最内層で解舒不能となる。逆に高すぎる
と、巻絞まりを生じ、紙管が変形しスピンドルから取外
せなくなる。図7の巻き始め張力値は、特開平9−65
479に開示された張力計で計測した固有値であるため
別の張力計を制御に使用する場合は、別の張力計と特開
平9−65479の張力計との差を実測して換算をおこ
なう必要がある。目標張力の設定は、次式の範囲でおこ
なう。ここで、巻き取られたパッケージの最外径をD1
パッケージの最内層の径をD0 巻き始め張力をT0、巻
取り中のパッケージの径をd、該巻取中のパッケージの
径がdの時の巻取り張力をT(d)、巻き径が最外径D1
の時の巻取り張力T(D1)とする。
【0008】 D0+(D1−D0)/16≦d≦D0+(D1−D0)/6 (1) 1.15T0≦T(d)≦1.7T0 (2) 0.5T(d)≦T(D1)≦0.9T(d) (3) 本実施例ではdを150mm、T(d)を1.47T0に設定し
ているが、目標張力の設定値が式(2)、(3)の範囲
より小さいと前述の問題が解決できないし、(2)、
(3)の範囲より大きいとバルジが大きくなりパッケー
ジ内部でスパイラルと呼ばれる巻き層のずれが大きくな
るため解舒性が悪化する。
【0009】パッケージ径dとD1以外のパッケージ径
のポイントは、好ましくは滑らかにスプライン曲線で結
ぶと良いが、図8に示すように多角形で結んでも、図9
に示すように直線的に結んでも良い。目標張力記憶手段
102へは、前記の設定器105で設定した目標張力を
記憶させる。この時、巻径と張力の関係を上記式
(1)、式(2)、式(3)の条件を満たす数式で表
し、該数式を記憶させても良い。巻取りにおいては、糸
条がゴデーローラ51から送り出され、張力計52と振
り支点53を経て、トラバース装置54で綾振りされな
がら紙管58に巻き取られる。巻取り過程において、巻
取張力は張力計52で計測され、制御装置63の比較回
路103へ入力される。ピックアップ65で検出された
タッチローラ56の回転数とピックアップ64で計測さ
れたスピンドル57の回転数は巻径演算手段101へ入
力される。巻径演算手段101では、スピンドル57と
タッチローラ56の回転数の比から巻径を演算する。演
算された巻径は目標張力記憶手段102へ送られる。目
標張力記憶手段102は、あらかじめ記憶した目標張力
の現在の巻径に対応する張力を比較回路103へ出力す
る。比較回路103での比較結果はスピンドル回転数制
御回路104へ送られ、該スピンドル回転数制御回路1
04が測定張力と目標張力が一致するようにインバータ
62の周波数を制御して巻取りが行われる。図10は前
述の実施例1で巻き取った時の巻取り張力とパッケージ
の内部推定張力を示す。ここで図6に示す従来の張力制
御方法で巻き取ったパッケージの内部推定張力と図10
に示す本実施例1の内部推定張力を比較すると、従来の
張力制御方法では、最内層で内部張力が増加している
が、本実施例1のように実験的に導いた式を満たすよう
に巻取張力を制御する方法ではほとんど増加は見られ
ず、内部張力は略一定である。さらに本実施例1ではパ
ッケージの内部張力を略一定にすべく目標巻取張力を予
め設定して巻取張力を制御したことにより、糸切れ、毛
羽の発生はなかったし、本ナイロンFDY70d24f
をウォータジェットルーム650RPMで織布したとこ
ろ、パッケージの層別の織り巾の変化も見られなかっ
た。本実施例1による巻取りの場合と、従来の方法によ
る巻取りの場合のスパイラルとバルジの発生状況の比較
を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】ここで言うスパイラルの本数は図14に示
すようにパッケージ側面の中心を通る直線を横切る本数
(4本)を数えた。比較例1は本実施例1の平均巻取り
張力である24cNで、巻き始から巻き終わりまで該張
力を変化させずに巻取った結果であり、スパイラルが7
本と多く、またバルジも6mmと大きかった。比較例2
は、前記特許第2854245号公報に記載された巻取
り方法で巻取りを行い、該特許の記載どおり巻取り速度
が最も高くなる径を234mmとして体積比が30%と
なるようにした。本実施例1は該体積比は7.3%であ
る。比較例2の結果は本実施例1に対し、スパイラルは
2倍以上であり、バルジも5mmと大きい数値であっ
た。
【0012】次に実施例2として、前記実施例1の要領
でポリエステルPOY120d36fを速度3300m
/分で引取り、直径110mmの紙管に、巻き巾123
mmで15kg巻き取った。この時のパッケージの直径
は420mmであり、巻き密度は0.945であった。
【0013】表1の比較例3は、前記実施例1の平均巻
取り張力である24cNで、巻き始めから巻き終わりま
で該張力を一定に制御して巻き取った結果であり、本実
施例2と比較すると、スパイラルの本数は11本である
のに対して本実施例2では4本と半分以下に減少し、バ
ルジも比較例3は7mmあるのに対し、本実施例2では
2mmと1/3以下の大きさになった。
【0014】図11は、延伸仮撚加工においてパッケー
ジの最内層から次のパッケージの最外層へテール移行さ
せた時の、延伸仮撚加工機の解撚張力を測定した結果で
ある。従来の張力制御では糸接合部通過前後で3cNの
張力差があるが、本実施例2のように実験的に導いた式
を満たすように巻取張力を制御する方法では、該張力差
は見られなかったし、前記延伸仮撚加工した加工糸を筒
編みし、テール移行前後の染め差を調べたところ、染め
差は見られなかった。さらに本実施例2ではパッケージ
の内部張力を略一定にすべく目標巻取張力を予め設定し
てスピンドル回転数を制御することで巻取張力を制御し
たことにより、糸切れ、毛羽の発生はなかった。
【0015】表1に示す比較例4、5は前記特許第28
54245号公報に記載された巻取方法で巻取りを実施
した結果であり、スパイラル、バルジとも実施例2が最
も少なく好ましい結果であった。
【0016】また、課題の一つである衝撃によるテレス
コープ現象についても、実施例2と比較例3で完成され
たパッケージを用いて衝撃試験を行つた。衝撃試験は図
12に示す案内ガイド70にパッケージを保持し、スト
ッパー72の上方150mmの位置からパッケージを落
下させてテレスコープの発生状況を調べた。衝撃試験結
果は、実施例2のパッケージはテレスコープは発生せ
ず、比較例3のパッケージは図13に示すとおり直径1
80mmで、12mmのテレスコープが発生した。該比
較例3のパッケージを800m/分で解舒したところ、
テレスコープ部分で糸切れが生じた。
【0017】
【発明の効果】本発明の糸条巻取り方法は、請求項1の
ように巻取り中のパッケージ径dがD 0+(D1−D0)/
16≦d≦D0+(D1−D0)/6に示す範囲において、
該巻取り中のパッケージ径dの時の巻取り張力T(d)が
1.15T0≦T(d)≦1.7T0を満たし、さらに巻き径が最
外径D1の時の巻取り張力T(D1)が0.5T(d)≦T
(D1)≦0.9T(d)を満たすように制御することによりパ
ッケージの内部張力が略一定になるように巻き取ること
ができる。その結果、巻取中の糸切れや毛羽が生じず、
巻き取られたパッケージにおいても延伸仮撚工程での最
内層と最外層の糸に加工張力差が生じないため染め差が
生じない効果がある。又、織布での織り巾の変化が生じ
ない効果もある。さらにパッケージの内径と外径の比が
3倍を越えるパッケージにおいて、スパイラルの発生が
少なく、テレスコープも生じにくいという効果がある。
【0018】本発明の糸条巻取り装置は、請求項2のよ
うに制御手段に巻取中の巻取り径に応じた巻取張力の目
標値を記憶させる記憶手段を設けているため請求項1に
基づく効果と同一の効果を確実に奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パッケージの内部張力を推定するための延伸
装置の概略図である。
【図2】 延伸張力から内部張力を推定するための校正
用巻取装置の概略図である。
【図3】 本発明を実施する巻取装置の概略図である。
【図4】 本発明を実施する制御装置の概略図である。
【図5】 延伸張力から内部張力を推定するための校正
用グラフである。
【図6】 従来の方法による巻取り張力と完成したパッ
ケージの推定内部張力のグラフである。
【図7】 合成繊維の巻取速度と巻き始め張力T0の関
係を示すグラフである。
【図8】 本発明である目標張力の実施例のグラフであ
る。
【図9】 本発明である目標張力の他の実施例のグラフ
である。
【図10】 本発明による巻取張力と完成したパッケー
ジの内部張力のグラフである。
【図11】 DTY加工におけるテール移行前後の解撚
張力を示すグラフである。
【図12】 パッケージの衝撃試験装置の概略図であ
る。
【図13】 衝撃試験結果のパッケージ形態の概略図で
ある。
【図14】 パッケージの側面の状態を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
11 パッケージ 12 テンサ 13 第1ローラ 14 重り 15 第2ローラ 16、52 張力計 17 第3ローラ 18 サクションガン 21、60 モータ 22 金属ローラ 23 切り欠き 24 アーム 50 糸条 51 ゴデーローラ 53 振り支点ガイド 54 トラバース装置 55 トラバースヘッド 55B、71 案内ガイド 56 タッチローラ 57 スピンドル 58 紙管 59 パッケージ 61 機台 62 インバータ 63 制御装置 64、65 ピックアップ 66 ブラケット 72 ストッパ 101 巻径演算手段 102 目標張力記憶手段 103 比較回路 104 スピンドル回転数制御回路 105 設定器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、糸条を綾振りしパッケージを
    巻き取る巻取り手段と、巻き取られる糸条の張力を計測
    する計測手段と、該計測手段からの張力信号に基づいて
    該巻取り手段の巻取り速度を制御する制御手段を備え、
    且つ、巻き取られたパッケージの最外径をD1 パッケー
    ジの最内層の径をD0とし、D1がD0の3倍を超えるパ
    ッケージを巻き取る糸条巻取装置において、巻き始め張
    力をT 0、巻取り中のパッケージの径をd、該巻取中の
    パッケージの径がdの時の巻取り張力をT(d)として、
    巻取り中のパッケージ径dがD0+(D1−D0)/16≦
    d≦D0+(D1−D0)/6に示す範囲の少なくとも1点
    において、該張力T(d)が1.15T0≦T(d)≦1.7T0
    満たし、さらに巻き径が最外径D1の時の巻取り張力T
    (D1)が前記T(d)に対して0.5T(d)≦T(D1)≦0.9T
    (d)を満たすように制御することを特徴とする糸条巻取
    り方法。
  2. 【請求項2】少なくとも、糸条を綾振りしパッケージを
    巻き取る巻取り手段と、巻き取られる糸条の張力を計測
    する計測手段と、該計測手段からの張力信号に基づいて
    該巻取り手段の巻取り速度を制御する制御手段を備えた
    糸条巻取り装置において、制御手段に予め設定した巻取
    り径に応じた巻取り張力の目標値を記憶する記憶手段を
    設けたことを特徴とする糸条巻取り装置
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