JP2000334716A - 脱水成形プレスと脱水成形方法 - Google Patents

脱水成形プレスと脱水成形方法

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JP2000334716A
JP2000334716A JP11154385A JP15438599A JP2000334716A JP 2000334716 A JP2000334716 A JP 2000334716A JP 11154385 A JP11154385 A JP 11154385A JP 15438599 A JP15438599 A JP 15438599A JP 2000334716 A JP2000334716 A JP 2000334716A
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dehydrator
plate
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dehydration
molding
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Sadao Kimura
定夫 木村
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Yamamoto Engineering Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱型のときに成形品の水が落下するのを有効
に防止する。成形品を速やかに脱型して、しかも高品質
な成形品を製造する。 【解決手段】 脱水成形プレスは、成形品Sの上面を、
多数の脱水孔8を有する脱水盤6でプレスし、脱水盤6
の脱水孔8を真空で吸引して脱水する。さらに、脱水成
形プレスは、脱水盤6の下面に、脱水盤6よりも薄い可
動多孔板9を脱水盤6から分離できるように積層し、可
動多孔板9を介して成形品Sを脱水成形している。脱水
成形プレスは、脱水成形された成形品Sを脱水盤6から
脱型するときに、可動多孔板9を脱水盤6から離して、
脱水盤6の脱水孔8に残存する水を真空で吸引して除去
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリー状の原料
を脱水成形するプレス装置と、このプレス装置を使用す
る脱水成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の脱水成形プレスを図1に示す。こ
の図の脱水成形プレスは、プレスベッド1の上面に原料
投入型枠2を設けている。この原料投入型枠2にスラリ
ー状の原料が供給される。スラリー状の原料は、たとえ
ば、相当量の水分を含有している珪酸カルシウム、セメ
ントモルタル、パルプ、汚泥等である。スラリー状の原
料を脱水するために、原料投入型枠2に脱水ボックス3
が圧入される。脱水ボックス3は、油圧シリンダー4で
押し下げられるスライドフレーム5に固定される。
【0003】脱水ボックス3は、脱水成形するときに絞
り出される水分を吸引するために、図2に示すように、
脱水盤6の上面を真空ボックス7とし、この真空ボック
ス7に連通して、脱水盤6を貫通して多数の脱水孔8を
開口している。脱水ボックス3が押し下げられてスラリ
ー状の原料を脱水成形するとき、原料の水分は、脱水孔
8を通過して真空ボックス7から吸引される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す構造の脱水
成形プレスは、用途によって加圧する面圧は一定ではな
いが、ほとんどのプレスは、加圧面圧を30〜100k
gf/cmと相当に高い圧力としている。スラリーに
含まれ水分を効率よく脱水して成形するためである。高
い圧力でプレスする脱水成形プレスは、脱水盤に強度が
要求される。このため、脱水盤には厚い金属板、たとえ
ば、30〜80mmの金属板が使用される。
【0005】この脱水成形プレスは、以下の工程でスラ
リー状原料を脱水して成形する。 原料投入型枠2にスラリー状の原料を供給し、脱水
ボックス3を降下して、真空ボックス7を吸引しながら
原料を脱水成形する。 脱水成形された成形品を脱型するために、真空ボッ
クス7の真空を停止し、あるいは真空ボックス7に加圧
空気を供給する。真空ボックス7を真空状態に保持する
と、成形品が脱水盤6の下面に吸着して分離できないか
らである。 成形品を脱水盤6から分離して、脱水成形プレスか
ら排出する。
【0006】以上の工程で、脱水成形された成形品を脱
型するとき、脱水盤の脱水孔に残存している水が、成形
品の上に落下してしまう欠点がある。それは、脱水成形
プレスが、原料スラリーに含まれる水分を、真空で吸引
して脱水するのではなくて、脱水盤で圧搾して絞り出す
ことに起因する。この状態でスラリー状の原料をプレス
して脱水成形する脱水成形プレスは、高い圧力でプレス
するために、脱水盤の下面に成形品が密着する。このた
め、成形品の脱水成形が完了した状態で、脱水盤の脱水
孔は、下端が成形品で閉塞される。したがって、真空ボ
ックスを吸引しても、脱水孔を空気が通過できず、脱水
孔には水が残存する状態となる。この状態で、脱水孔の
水を排水できない。したがって、成形品を脱水盤から分
離して脱型すると、脱水孔の水が成形品の上に落下す
る。
【0007】さらに、成形品を脱型するときに、真空ボ
ックス内を真空状態に保持できないことも、脱水孔の水
が成形品の上に落下するのを阻止できない理由のひとつ
である。真空ボックスを真空状態として成形品を脱型で
きるなら、脱型するときに脱水孔が真空ボックスに吸引
されるからである。真空ボックスを真空状態に保持する
と、成形品は脱水盤の下面に真空で吸着されて脱型され
ない。このため、成形品を脱型するときには、真空ボッ
クス内の真空を解除し、あるいは真空ボックス内を加圧
した状態とする。この状態になると、成形品を脱型する
ときに、脱水孔の水が真空ボックスに吸引されず、製品
の上に落下してしまう。
【0008】したがって、従来の脱水成形プレスは、脱
型するときに成形品の上に水が落下するのを有効に阻止
できない。この弊害は、成形品の上面を加圧する脱水盤
に脱水孔を設けず、成形品の下面にのみ排水してプレス
ことで解消できる。ただ、成形品の下面にのみ排水する
脱水成形プレスは、片面にのみ排水するために、スラリ
ー状の原料を効率よく脱水成形できないばかりでなく、
成形品を脱水盤から分離するのが極めて難しくなる。そ
れは、脱水成形させた成形品が、脱水盤の下面に密着す
るからである。とくに、脱水孔のない脱水盤は、水分を
下方にのみ移行させて脱水するために、成形品の上面に
は水分が少なくなり、成形品は脱水盤の下面に強く密着
して、脱型が極めて難しくなる。
【0009】成形品の上面を脱水孔のある脱水盤で脱水
成形する装置は、成形品を速やかに脱型できるが、脱水
孔の水が成形品の上に落下する欠点を解消できない。成
形品の上に落下する水は、成形品の局部を膨潤させて凸
部として綺麗な平滑面に成形できなくする。また、成形
品の表面にシミを付けて品質を著しく低下させる。さら
に困ったことに、水が落下してできるシミは、成形品の
深部まで浸透しているために、乾燥後に表面を研磨して
も除去できない。さらに、成形品の表面に付着した水
を、たとえば、脱型した直後に空気等で吹き飛ばして除
去しても、局部的な膨潤やシミを効率よく解消できな
い。それは、成形品の上に落下した水が、毛細管現象で
成形品の内部にほとんど瞬時に吸収されるからである。
【0010】本発明は、以上のような種々の弊害を解消
することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目
的は、脱型のときに成形品の上に水が落下するのを有効
に防止すると共に、成形品を速やかに脱型して、しかも
高品質な成形品を製造できる脱水成形プレスと脱水成形
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の脱水成形プレス
は、前述の目的を達成するために下記の構成を備える。
脱水成形プレスは、成形品Sの上面を、多数の脱水孔8
を有する脱水盤6でプレスし、脱水盤6の脱水孔8を真
空で吸引して脱水する。さらに、脱水成形プレスは、脱
水盤6の下面に、脱水盤6よりも薄い可動多孔板9を脱
水盤6から分離できるように積層して、可動多孔板9を
介して成形品Sを脱水成形している。脱水成形プレス
は、脱水成形された成形品Sを脱水盤6から脱型すると
きに、可動多孔板9を脱水盤6から離して、脱水盤6の
脱水孔8に残存する水を真空で吸引して除去している。
【0012】さらに、本発明の請求項2の脱水成形プレ
スは、可動多孔板9を、多数の貫通孔10を開口してな
る金属板としている。
【0013】さらに、本発明の請求項3の脱水成形プレ
スは、可動多孔板9が、シリンダー11を介して脱水盤
6に連結されている。
【0014】さらに、本発明の請求項4の脱水成形方法
は、成形品Sの上面を、多数の脱水孔8を有する脱水盤
6でプレスし、脱水盤6の脱水孔8を真空で吸引して脱
水する。さらに、脱水成形方法は、脱水盤6の下面に、
脱水盤6よりも薄い可動多孔板9を脱水盤6から分離で
きるように積層して、可動多孔板9を介して成形品Sを
脱水成形している。脱水成形された成形品Sを脱水盤6
から脱型するときに、可動多孔板9を脱水盤6から離し
て、脱水盤6の脱水孔8に残存する水を真空で吸引して
除去する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための脱水成形プレスと脱水成
形方法を例示するものであって、本発明は脱水成形プレ
スと方法を下記のものに特定しない。
【0016】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0017】図3に示す脱水成形プレスは、油圧シリン
ダー4で強制的に降下されるスライドフレーム5と、こ
のスライドフレーム5に装置される脱水ボックス3と、
脱水ボックス3に脱水成形されるスラリー状の原料を供
給する原料投入型枠2と、この原料投入型枠2を上面に
配設するプレスベッド1とを備える。
【0018】スライドフレーム5は、水平の姿勢を保持
して、油圧シリンダー4で押し下げられてスラリー状の
原料を脱水成形する。油圧シリンダー4は、たとえば、
脱水成形する成形品を30〜100kgf/cmの面
圧でプレスできる圧力で、スライドフレーム5を押し下
げる。成形品の加圧面圧を50kgf/cmとし、成
形品の大きさを1×3mとする脱水成形プレスは、油圧
シリンダー4が1500トンの力でスライドフレーム5
を押し下げる。
【0019】脱水ボックス3は、図4に示すように、下
面の脱水盤6と上面の天板12とをリブ13で連結し
て、内部に気密に閉塞された真空ボックス7を設けてい
る。リブ13は脱水ボックス3を補強すると共に、内部
に気密の真空ボックス7を設ける。脱水盤6は、多数の
脱水孔8を開口している。脱水孔8は、スラリー状の原
料を圧搾するときに、水を通過させる。脱水孔8は、ス
ラリー状の原料の種類を考慮して最適な大きさと数に開
口される。脱水孔8は、たとえば、内形を2〜15m
m、好ましくは3〜10mm、さらに好ましくは5〜1
0mmとし、隣接する脱水孔8との間隔を約5mm〜2
0mm、好ましくは5mm〜10mmとして開口され
る。
【0020】真空ボックス7には、真空脱水配管14を
連結している。真空脱水配管14は、図3に示すよう
に、開閉弁15を介して、脱水ボックス3の外部で真空
タンク16に連結している。真空タンク16は真空ポン
プ17に連結している。真空脱水配管14は、真空ボッ
クス7の内部で複数に分岐されて、分岐路14Aの下端
を真空ボックス7の底部まで延長して、真空ボックス7
の水を排水する。
【0021】さらに、脱水ボックス3は、脱水盤6より
も薄い可動多孔板9を、脱水盤6から分離できるように
下面に積層している。可動多孔板9は、多数の貫通孔1
0を開口している金属板である。可動多孔板9は、たと
えば、1〜5mm、好ましくは1〜4mm、さらに好ま
しくは2〜3mmの鉄板やステンレス板が使用される。
この可動多孔板9は、天板12に連結されたシリンダー
11を介して脱水盤6の下方に配設される。シリンダー
11は、可動多孔板9を水平の姿勢で上下に平行移動さ
せて、脱水盤6から分離し、あるいは脱水盤6の下面に
密着させる。
【0022】可動多孔板9は、脱水盤6の下面から分離
できるように連結されるが、必ずしもシリンダー11を
介して脱水ボックス3に連結する必要はない。たとえ
ば、図5に示すようにスプリング18を介して、あるい
は図6に示すようにカム19を介して、あるいはまた、
図7に示すようにクランク20を介して、脱水盤6から
分離できるように連結することもできる。
【0023】スプリング18を介して脱水盤6に連結さ
れる可動多孔板9は、脱水盤6がスラリー状の原料をプ
レスするときに、脱水盤6の下面に密着される。脱水盤
6が引き上げられると、スプリング18に押されて可動
多孔板9は脱水盤6の下面から離れる。カム19やクラ
ンク20を介して連結される可動多孔板9は、カム19
やクランク20を回転させて、脱水盤6の下面から分離
される。
【0024】可動多孔板9は、スラリー状の原料を脱水
成形するとときに、図8に示す状態で、脱水盤6の下面
に密着する。この図に示す可動多孔板9は、脱水盤6に
設けた脱水孔8と同じ位置に貫通孔10を開口してい
る。さらに、図に示す貫通孔10は、上方に向かって開
口面積が次第に大きくなるテーパー状としている。この
形状の貫通孔10は、可動多孔板9と脱水盤6の間に流
入される空気流が、貫通孔10に残存する水をスムーズ
に排出する。図9に示すように、空気流が、テーパー状
の貫通孔10の水を吹き飛ばすように流動して、脱水盤
6の脱水孔8に吸入されるからである。
【0025】図8に示す可動多孔板9は、脱水盤6の下
面に面接触する状態で、スラリー状の原料をプレスして
脱水成形できる。本発明の脱水成形プレスは、図10に
示すように、脱水盤6と可動多孔板9の間に金網21を
挟着することもできる。この構造の脱水成形プレスは、
可動多孔板9の貫通孔10を、脱水盤6の脱水孔8と同
じ位置に設ける必要がない。それは、スラリー状の原料
をプレスする状態で、脱水盤6と可動多孔板9の間を横
方向に空気が流動するからである。
【0026】可動多孔板9は、表面に金網22を積層し
て、スラリー状の原料を脱水成形する。金網22は、ス
ラリー状の原料を通過させないで、水を通過させる網目
のものを使用する。表面に金網22を積層する可動多孔
板9は、スラリー状の原料が貫通孔10に流入するのを
阻止して、原料を脱水成形できる。脱水成形するとき
に、スラリー状の原料が、可動多孔板9の貫通孔10を
通過しない場合、すなわち、貫通孔10が原料を通過さ
せない程度に小さい場合、金網22を積層しないで、可
動多孔板9で直接に原料を脱水成形できる。
【0027】プレスベッド1は、上面に金網を敷設し
て、供給されるスラリー状の原料に含まれる水分を排水
する。さらに、プレスベッドにも、スラリー状の原料の
上面をプレスして脱水成形する脱水盤と同じ構造のもの
を敷設し、その上に金網を敷設することもできる。この
構造のプレスベッドは、下面からも効率よく脱水でき
る。
【0028】以上の構造の脱水成形プレスは、以下の工
程でスラリー状の原料を脱水成形する。 油圧シリンダー4でスライドフレーム5を上昇させ
て、脱水ボックス3を上昇位置として、原料投入型枠2
にスラリー状の原料を供給する。 油圧シリンダー4でスライドフレーム5を降下させ
て、脱水ボックス3でスラリー状の原料をプレスする。
このとき、可動多孔板9は脱水盤6の下面に密着され
る。原料に含まれる水は、可動多孔板9の貫通孔10を
通過し、脱水盤6の脱水孔8を通過して、真空ボックス
7に流入する。可動多孔板9の表面に金網22を積層す
る装置は、スラリー状の原料の水を、金網22と可動多
孔板9の貫通孔10と脱水盤6の脱水孔8とに通過させ
て、真空ボックス7に流入させる。
【0029】真空ボックス7の水は、真空脱水配管14
で外部に排出される。真空脱水配管14が真空ボックス
7の水を排水するために、開閉弁15を開弁している。
真空ボックス7の水は、開閉弁15を通過して真空タン
ク16に吸入して排出される。この状態で、スラリー状
の原料は脱水して板状に成形される。ただ、本発明の脱
水成形プレスは、スラリー状の原料を成形する形状を、
板状に特定しない。原料は、プレスベッド1と脱水ボッ
クス3で脱水成形して、指定の形状、たとえば、配管の
断熱に使用される断熱材等は、アーチ状に湾曲する形状
に成形される。
【0030】 原料を脱水成形した後、開閉弁15を
開弁状態に保持し、可動多孔板9を上昇させないで、脱
水ボックス3を上昇させる。この状態で、可動多孔板9
と脱水盤6との間に、図9に示すように隙間ができる。
可動多孔板9が脱水盤6から離れた状態で、可動多孔板
9と脱水盤6の隙間に空気が流入される。隙間に吸入さ
れる空気は、脱水盤6の脱水孔8を通過して真空ボック
ス7に吸入される。脱水孔8を通過する空気は、脱水成
形するときに脱水孔8に残存していた水を真空ボックス
7に吸い上げる。さらに、図9の矢印で示すように、流
動する空気流が可動多孔板9の貫通孔10に溜っている
水も吹き飛ばして、脱水孔8から真空ボックス7に吸い
上げる。
【0031】貫通孔10の水を、残らず真空ボックス7
に吸い上げられる装置は、可動多孔板9を脱水成形され
た成形品Sから離すときに、可動多孔板9の貫通孔10
に残存する水が落下せず、極めて高品質な成形品Sを製
造できる。ただ、可動多孔板9は非常に薄いので、貫通
孔10に多少の水が残存しても、この水が成形品Sの品
質を低下させることはない。とくに、可動多孔板9に4
mm以下の極めて薄い板材を使用する装置は、貫通孔1
0の水を排水しないで、成形品Sに落下する水量を極め
て少なくできる。
【0032】 開閉弁15を閉弁した後、シリンダー
11で可動多孔板9を上昇させる。上昇する可動多孔板
9は、成形品Sの表面から剥離される。貫通孔10の上
方を開放しているために、可動多孔板9の下面が成形品
Sを吸着しないからである。この状態で成形品Sを可動
多孔板9から剥離できないとき、可動多孔板9と脱水盤
6との隙間に加圧空気に圧入する。圧入される加圧空気
は、可動多孔板9の貫通孔10から下方に流動して、下
面に密着している成形品Sを強制的に分離する。さら
に、可動多孔板9を脱水盤6に密着させる状態で、真空
ボックス7に加圧空気を圧入して、成形品Sを可動多孔
板9から分離することもできる。真空ボックス7に加圧
空気を圧入するとき、真空タンク16に連結される開閉
弁15は閉弁する。
【0033】 可動多孔板9から分離された成形品S
を原料投入型枠2から取り出す。
【0034】脱水成形プレスは、以下のようにしてスラ
リー状の原料を脱水成形することもできる。 との工程は前述の工程と同じ。 原料を脱水成形した後、開閉弁15を開弁状態に保
持し、可動多孔板9を脱水盤6から分離することなく、
図11に示すように、脱水ボックス3と一緒に上昇させ
る。この状態で、成形品Sは可動多孔板9の下面に吸着
して上昇される。
【0035】 その後、可動多孔板9をシリンダー1
1で降下させて、脱水盤6の下面から分離する。この状
態で、可動多孔板9と脱水盤6との間に隙間ができ、隙
間に空気が流入される。隙間に吸入される空気は、脱水
盤6の脱水孔8を通過して真空ボックス7に吸入され
る。脱水孔8を通過する空気は、脱水成形するときに脱
水孔8に残存していた水を真空ボックス7に吸い上げ
る。
【0036】さらに、脱水盤6から離れた可動多孔板9
は、貫通孔10の上方を開放して、下面で成形品Sを吸
着しなくなって成形品Sを剥離させる。この状態で成形
品Sを剥離できないときは、前述の方法と同じように、
可動多孔板9と脱水盤6との隙間に加圧空気に圧入す
る。圧入される加圧空気は、可動多孔板9の貫通孔10
から下方に流動して、下面に密着している成形品Sを強
制的に分離する。さらに、可動多孔板9を再び上昇させ
て、脱水盤6に密着させる状態で、真空ボックス7に加
圧空気を圧入して、成形品Sを可動多孔板9から分離す
ることもできる。
【0037】 その後、成形品Sを原料投入型枠2か
ら取り出す。
【0038】ところで、可動多孔板9に非常に薄い金属
板を使用して、図12に示すように、成形品Sを剥離す
るときに変形させることで、成形品Sをよりスムーズに
可動多孔板9から剥離することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の脱水成形プレスと脱水成形方法
は、脱型のときに成形品の上に水が落下するのを有効に
防止して、高品質な成形品を製造できる特長がある。そ
れは、本発明の脱水成形プレスと脱水成形方法が、脱水
盤の下面に、脱水盤よりも薄い可動多孔板を脱水盤から
分離できるように積層して、可動多孔板を介して成形品
の上面を脱水成形しており、脱水成形された成形品を脱
水盤から脱型するときに、可動多孔板を脱水盤から離し
て、脱水盤の脱水孔に残存する水を真空で吸引して除去
しているからである。この脱水成形プレスと脱水成形方
法は、成形品を脱型するときに、可動多孔板を脱水盤か
ら離して吸引するので、可動多孔板と脱水盤の間から吸
入される空気と一緒に、脱水盤の脱水孔に残存する水を
吸引して確実に除去できる。このため、脱水孔には水が
残存することなく、従来のように、脱型後に脱水孔から
成形品の上に水が落下するのを有効に防止して、高品質
な成形品を製造できる特長が実現できる。
【0040】さらに、本発明の脱水成形プレスと脱水成
形方法は、可動多孔板を脱水盤から離して成形品を脱型
するので、脱型時には可動多孔板の上面は開放されてお
り、下面は成形品を吸着しない状態となっている。この
ため、成形品を無理なく速やかに脱型できる特長もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の脱水成形プレスの正面図
【図2】図1に示す脱水成形プレスの脱水ボックスの断
面図
【図3】本発明の実施例の脱水成形プレスの正面図
【図4】図3に示す脱水成形プレスの脱水ボックスの断
面図
【図5】可動多孔板と脱水盤の連結構造の他の一例を示
す断面図
【図6】可動多孔板と脱水盤の連結構造の他の一例を示
す正面図
【図7】可動多孔板と脱水盤の連結構造の他の一例を示
す正面図
【図8】本発明の実施例の脱水成形プレスが脱水成形す
る状態を示す断面図
【図9】図8に示す脱水成形プレスの脱水盤と可動多孔
板を分割した状態を示す断面図
【図10】本発明の他の実施例の脱水成形プレスが脱水
成形する状態を示す断面図
【図11】本発明の実施例の脱水成形プレスによる他の
製造工程を示す断面図
【図12】本発明の他の実施例の脱水成形プレスによる
製造工程を示す断面図
【符号の説明】
1…プレスベッド 2…原料投入型枠 3…脱水ボックス 4…油圧シリンダー 5…スライドフレーム 6…脱水盤 7…真空ボックス 8…脱水孔 9…可動多孔板 10…貫通孔 11…シリンダー 12…天板 13…リブ 14…真空脱水配管 14A…分岐路 15…開閉弁 16…真空タンク 17…真空ポンプ 18…スプリング 19…カム 20…クランク 21…金網 22…金網 S…成形品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品(S)の上面を、多数の脱水孔(8)を
    有する脱水盤(6)でプレスし、脱水盤(6)の脱水孔(8)を
    真空で吸引して脱水する脱水成形プレスにおいて、 脱水盤(6)の下面に、脱水盤(6)よりも薄い可動多孔板
    (9)を脱水盤(6)から分離できるように積層して、可動多
    孔板(9)を介して成形品(S)を脱水成形し、脱水成形され
    た成形品(S)を脱水盤(6)から脱型するときに、可動多孔
    板(9)を脱水盤(6)から離して、脱水盤(6)の脱水孔(8)に
    残存する水を真空で吸引して除去するようにしてなるこ
    とを特徴とする脱水成形プレス。
  2. 【請求項2】 可動多孔板(9)が、多数の貫通孔(10)を
    開口してなる金属板である請求項1に記載される脱水成
    形プレス。
  3. 【請求項3】 可動多孔板(9)がシリンダー(11)を介し
    て脱水盤(6)に連結されてなる請求項1に記載される脱
    水成形プレス。
  4. 【請求項4】 成形品(S)の上面を、多数の脱水孔(8)を
    有する脱水盤(6)でプレスし、脱水盤(6)の脱水孔(8)を
    真空で吸引して脱水する脱水成形方法において、 脱水盤(6)の下面に、脱水盤(6)よりも薄い可動多孔板
    (9)を脱水盤(6)から分離できるように積層して、可動多
    孔板(9)を介して成形品(S)を脱水成形し、脱水成形され
    た成形品(S)を脱水盤(6)から脱型するときに、可動多孔
    板(9)を脱水盤(6)から離して、脱水盤(6)の脱水孔(8)に
    残存する水を真空で吸引して除去することを特徴とする
    脱水成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017536996A (ja) * 2014-11-03 2017-12-14 クィリッツ ホールディングス ゲーエムベーハー 成形絶縁部品の製造方法、該方法により製造された成形絶縁部品、及び該方法を利用する成形絶縁部品を製造するための鋳型
CN114516106A (zh) * 2021-05-13 2022-05-20 福建群峰机械有限公司 可密实制砖的制砖机压头及制砖模具

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