JP2000328046A - 帯電防止用水性分散液及びその利用 - Google Patents

帯電防止用水性分散液及びその利用

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JP2000328046A
JP2000328046A JP11137680A JP13768099A JP2000328046A JP 2000328046 A JP2000328046 A JP 2000328046A JP 11137680 A JP11137680 A JP 11137680A JP 13768099 A JP13768099 A JP 13768099A JP 2000328046 A JP2000328046 A JP 2000328046A
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aqueous dispersion
copolymer
antistatic
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ethylene
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English (en)
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Kazuyuki Nakada
一之 中田
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高湿度から低湿度に渡って、非帯電性に優れ
た塗布膜を形成することが可能で、保存安定性に優れた
水性分散液を提供するにある。 【解決手段】 不飽和カルボン酸含量が10〜35重量
%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)を、該
共重合体のカルボキシル基を基準にして、70〜100
モル%に相当する量のカリウムイオンで中和した固形分
5〜40%の水分散液であって、グリセリン或いは分子
量が250以下のポリエチレングリコール(B)を共重
合体(A)当たり0.1〜9重量%の範囲で配合して成
ることを特徴とする帯電防止用水性分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広い湿度領域で優
れた帯電防止効果を示す塗布膜を形成することが可能な
帯電防止用水性分散液及びこれを用いた帯電防止被覆の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、繊維、紙等を取り扱う場
合、これらが帯電することにより、種々の静電気障害を
起こすことがある。これを防止するために、一般には帯
電防止剤が使用されている。帯電防止剤として、アニオ
ン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤のような低
分子型有機化合物が知られており、これらは、成形物の
表面に塗布したり、あるいは表面への移行性を利用し
て、材料を構成する高分子化合物に配合したりして、使
用されている。
【0003】このような低分子型帯電防止剤は、効力の
持続性に問題があるため、高分子型帯電防止剤を使用す
ることも行われている。この場合も、材料を構成する高
分子化合物に配合する方法と共に、成形物表面に薄い帯
電防止性膜を形成するために、液状の帯電防止剤を塗布
する方法が採用されている。
【0004】液状の帯電防止剤を塗布する手法は、材料
を構成する高分子化合物に配合する方法に較べ、幾つか
の優位点がある。例えば、高分子型帯電防止剤を配合し
た場合には、その相溶性不良により成形品の物性が大き
く変化してしまう可能性が高く、場合によっては成形加
工そのものが不可能になる場合がある。これに対し、塗
布タイプの帯電防止剤は、成形品のモルホロジーに全く
影響することなく、表面にのみ充分な非帯電性を与える
ことができる。また配合タイプでは、加工品に対して大
量の帯電防止剤を使用する必要があるのに対して、塗布
タイプのものを使用すれば、実際に必要なのは、表層数
μmの層を形成するのに必要な少量で足りる。このよう
な有利な点をもつ塗布型帯電防止剤、とくに環境、ハン
ドリング性を考慮した水性分散液は、様々な帯電防止用
途が期待でき、様々な種類の帯電防止分散液が開発され
てきた。
【0005】このような液状の高分子型帯電防止剤の一
つとして、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリ
ウム塩の水性分散液が知られている。この水性分散液
は、帯電防止効果の持続性が優れた塗布膜を形成するこ
とが可能であるが、乾燥状態では非帯電性が低下すると
いう欠点を有している。このような欠点を改善する目的
で、ポリオキシアルキレングリコールや多価水酸基含有
化合物を水性分散液に添加しておく方法が、特開平4−
339849号や特開平8−231791号の各公報で
提案されており、かなりの成果を挙げている。しかしな
がら、使用分野によっては未だ充分に要求を満たしてい
るとはいえず、使用分野拡大のため一層の改善が求めら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、低
湿度領域における非帯電性が一層優れ、また高湿度領域
においても高度な非帯電性を示す塗布膜を生成すること
が可能な水性分散液を求めて、鋭意検討を行った。その
結果、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウム
塩の水性分散液に少量のグリセリンなどを共存させる方
法が有効であることを見いだすに至り、本発明に到達し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、不飽和カルボ
ン酸含量が10〜35重量%のエチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体(A)を、該共重合体のカルボキシル基を
基準にして、70〜100モル%に相当する量のカリウ
ムイオンで中和した固形分5〜40%の水分散液であっ
て、グリセリン或いは分子量が250以下のポリエチレ
ングリコール(B)を共重合体(A)当たり0.1〜9
重量%、好ましくは0.5〜7.0重量%の範囲で配合
して成ることを特徴とする帯電防止用水性分散液に関す
る。本発明はまた、上記帯電防止用水性分散液と、平均
粒子径が0.1〜10000nm、固型分濃度が2〜7
5重量%、pHが7以上の他の重合体水性分散液とを、
固型分換算(重量比)で10/90〜90/10の割合
で配合されてなる混合水性分散液に関する。本発明はま
た、上記帯電防止用水性分散体又は上記混合水性分散液
を基材に塗布し、乾燥することを特徴とする帯電防止被
覆の形成方法にも関する。
【0008】
【発明の実施形態】本発明の帯電防止用水性分散液は、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイオン
中和物の水性分散液から成るが、グリセリン或いは分子
量が250以下のポリエチレングリコールを0.1〜9
重量%、好ましくは0.5〜7.0重量%の限定された
範囲の量で含有することが特徴である。
【0009】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカ
リウムイオン中和物の水性分散液から形成された被膜
は、電気抵抗の湿度依存性が極めて大きく、高湿度条件
下では満足すべき帯電防止性を示すとしても、低湿度条
件下では殆ど帯電防止性を示さないものである(後述す
る比較例1参照)。
【0010】一方、グリセリン等の多価アルコールは、
湿潤剤として広く使用されているものであり、一般には
被覆中への添加量が多くなれば保水性も向上すると信じ
られていたものである。ところが、エチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体のカリウムイオン中和物についていえ
ば、グリセリンなどの添加量が上記の特定の範囲にある
場合に限って、低湿度条件から高湿度条件までの広い範
囲にわたって満足すべき帯電防止性が得られ、むしろグ
リセリンなどの添加量が上記範囲を上回ると、低湿度条
件下での帯電防止性が著しく低下するのである(後述す
る比較例2参照)。
【0011】これは極めて特異で予想外の現象と認めら
れるが、その理由は、未だ推測の域をでないが、被膜に
保持される水分の内、被膜の電気伝導に寄与する水分と
この電気伝導に寄与しない水分とがあり、グリセリンな
どの量が一定値をこえて多くなると、電気伝導に寄与し
ない水分が多くなるためと考えられる。更に、グリセリ
ンなどの量が多くなると、上記の通り性能が低下すると
共に、被膜の耐水性も低下するので好ましくない。
【0012】[ベースポリマー]本発明の水性分散液の
ベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重
合体としては、不飽和カルボン酸含有量が10〜35重
量%、好ましくは12〜30重量%の共重合体である。
共重合体における不飽和カルボン酸含量が少なすぎる
と、水分散性良好な分散液を得ることが難しく、また帯
電防止性良好な塗布膜を形成することが困難となる。一
方、不飽和カルボン酸含量が上記範囲より多い共重合体
を使用すると、安定な水性分散液が得られないのみなら
ず、形成される塗布膜の耐水性、機械的強度の低下が起
こるので好ましくない。
【0013】このようなエチレン・不飽和カルボン酸共
重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体
のみならず、任意に他の単量体が共重合された多元共重
合体であってもよく、任意の他の単量体は、例えば、0
〜40重量%、好ましくは0〜20重量%の量で共重合
されていてもよい。
【0014】ここに、不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなど
を例示することができる。とくに好ましいのは、アクリ
ル酸又はメタクリル酸である。
【0015】上記の任意に共重合されていてもよい他の
単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよ
うなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボ
ン酸エステル、一酸化炭素、二酸化硫黄などを例示する
ことができる。
【0016】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とし
てはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフ
ローレートが1〜2000g/10分、好ましくは10
〜1500g/10分の範囲のものを使用するのが望ま
しい。すなわち、メルトフローレートの非常に低いもの
を用いた場合には、良好な水性分散液を得ることが難し
く、またその値が非常に大きいものを使用すると、水性
分散液から得られる塗布膜の強度が不足するので好まし
くない。
【0017】これらエチレン共重合体は、構成する単量
体を、高圧ラジカル重合法によって共重合することによ
り、得ることができる。
【0018】[中和成分]本発明の水性分散液は、上記
エチレン共重合体のカルボキシル基を基準にして、70
〜100モル%、好ましくは80〜99モル%に相当す
る量のカリウムイオンで中和してなるものである。
【0019】すなわち、カリウムイオンの代わりに、リ
チウムイオンやナトリウムイオンを用いても帯電防止性
に優れた塗布膜を生成しうる水性分散液を得ることがで
きない。また、カリウムイオンの量が前記範囲より少な
くなると、同様に帯電防止性良好な塗布膜を形成しうる
水性分散液を得ることはできず、またその量が100モ
ル%を越えると、安定な水性分散液を得ることはできな
い。
【0020】[アルコール系添加剤]本発明では、上記
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイオン
中和物にグリセリン或いは分子量250以下のポリエチ
レングリコールを配合する。多価アルコールの内でも、
上記の化合物を用いることが重要であり、例えばポリプ
ロピレングリコールを用いたのでは、低湿度条件下で満
足すべき帯電防止性を示す水性分散液は得られない(比
較例4参照)。また、ポリエチレングリコールを用いる
場合、分子量が250以下であることも重要であり、分
子量が上記範囲よりも大きいポリエチレングリコールを
用いたのでは、やはり低湿度条件下で満足すべき帯電防
止性を示す水性分散液は得られない(比較例3参照)。
【0021】[水性分散液]本発明の水性分散液を製造
するには、同時添加法や逐次添加法が用いられる。すな
わち、同時添加法では、原料のエチレン・(メタ)アク
リル酸共重合体と、カリウム化合物と、アルコール系添
加剤とを、各所定量使用し、80℃以上、好ましくは9
5℃以上の温度で、撹拌しながら、水中で反応させるこ
とによって得られる。ここに、カリウム化合物として
は、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、カルボン酸塩など
を例示することができる。
【0022】この方法においては、水と、固型分濃度が
5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%となる量
の上記した性状のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体と、該共重合体のカルボキシル基を基準にしてその7
0〜100モル%をイオン化する量の上記カリウム化合
物と、前述した量のアルコール系添加剤を、例えば撹拌
機付きのオートクレーブ中、所定温度で剪断力をかけな
がら反応させることによって、水性分散体を得ることが
できる。反応時間は、反応温度やその他反応条件によっ
ても異なるが、30〜120分程度である。同時添加法
では、添加操作や反応操作が簡単で、処理も容易であ
り、製造コストも低いという利点がある。
【0023】かくして得られる水性分散液は、例えば、
平均粒径が1〜500nm、好ましくは5〜400nm
の範囲にあり、また粘度(23±0.5℃)が10〜2
000mPa・s、好ましくは50〜1000mPa・
sの範囲にあり、長期保存においても、粒径や粘度が大
幅に変化することはない。粘度が2000mPa・sを
越える分散液は、ハンドリングが非常に困難で、基材に
均一に塗布することが難しい。また高粘度の分散液は、
長期保存安定性にも劣り、経時で増粘していく場合もあ
り、実用性に乏しい。また、粒径についても同様のこと
が言え、粒径の大きい分散液は、長期保存するうちに再
凝集してしまうことがあり、やはり実用性に欠ける。上
記のような平均粒径及び粘度を有する分散液を用いるこ
とによって、優れたハンドリング性及び長期安定性が得
られ、均一な塗布膜を生成させることが可能となる。
【0024】勿論、本発明の水性分散液は、逐次添加法
でも製造することができ、この場合には、予め調製した
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイオン
中和物の水性分散液に、アルコール系添加剤を配合すれ
ばよい。
【0025】本発明の水性分散液には、任意に種々の添
加剤を配合することができる。このような添加剤の例と
しては、エチレングリコールなどの他の多価アルコー
ル、水溶性エポキシ化合物、メタノール、エタノール、
nプロパノール、イソプロパノールのような低級アルコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル等のエーテル類、プロピレングリコールモノアセテー
ト、エチレングリコールモノアセテートのようなエステ
ル類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、
顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、接着剤、抗菌
剤、架橋剤、筆記性改良剤、無機充填剤、発泡剤などを
挙げることができる。
【0026】本発明の水性分散液は、コーティング剤、
接着剤、インク材料などとして種々の基材に塗布するこ
とにより、被膜を形成することができる。
【0027】本発明の水性分散液はまた、耐水性、耐水
密着性、基材密着性などの改良の目的で他の重合体分散
液により改質され、また他の重合体分散液の帯電防止性
等を改良する目的で、他の重合体分散液と任意割合で配
合することができる。一般には、固型分換算(重量比)
で10/90〜90/10、とくに20/80〜80/
20の割合で配合するのがよい。
【0028】このような他の重合体水性分散液として
は、pHが7以上のもの、あるいはアンモニア水等でp
Hを7以上にしたものであって、本発明の水性分散液と
混合したときにゲル化しないようなものを選択する必要
がある。またその固型分濃度が2〜75重量%、好まし
くは5〜75重量%程度のものであって、その平均粒子
径が0.1〜10000nm、好ましくは1〜5000
nmのものを選択することが望ましい。
【0029】このような他の重合体水性分散液として
は、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、水溶性
アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、メタアクリルアミ
ド樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタアクリロニトリル
樹脂、スチレン・アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレ
タン樹脂、水溶性スチレン・マレイン酸共重合体、スチ
レン・ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレ
ン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、酸化ポ
リエチレン、プロピレン・エチレン共重合体、無水マレ
イン酸グラフトポリオレフィン、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、EPDM、フェノール樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散液を挙げるこ
とができる。これらは勿論、2種以上使用してもよい。
【0030】本発明の水性分散液、あるいはこれと他の
重合体水性分散液の混合水性分散液は、任意の基材に塗
布することができる。このような基材としては、高−、
中−、低−密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エ
チレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体又はそのアイオノマー、ポリプロピレン、
ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンよ
うなオレフィン重合体又は共重合体、ポリスチレン、ハ
イインパクトポリスチレン、ABS型樹脂、スチレン・
ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物のよう
なスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートのようなポリエステル、ナイロ
ン6、ナイロン66のようなポリアミド、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル及びこれらの任意割合の混合物な
どの熱可塑性重合体、天然ゴム、合成ゴムのようなゴム
材料、フェノール樹脂、ポリウレタンのような熱硬化性
樹脂、鉄、銅、アルミニウム、ステンレスのような金
属、木材、紙、レーヨン、皮革等の天然素材などを例示
することができる。熱可塑性重合体にあっては、フィル
ム、シート、中空成形品、射出成形品、織布、不織布、
合成皮革など種々の成形品に適用することができる。
【0031】基材に水性分散液を塗布するには、公知の
方法、例えばロールコーティング、バーコーター、エア
ナイフコーター、刷毛塗り、スプレー塗布などによりコ
ーティングしたり、あるいは基材を水性分散液に浸漬す
る方法等を採用することができる。基材には、接着性等
を改良する目的で下塗り剤を塗布しておいてもよく、ま
たコロナ処理等の表面処理を施しておいてもよい。塗布
膜の厚みは任意であるが、通常1〜20μm、好ましく
は1〜10μmである。塗布膜には、耐水性、耐久性等
を改良する目的で、電子線照射による架橋処理を施して
もよい。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例において用いた水性分散体を構成す
る各成分の種類及び物性の測定法は次の通りである。
【0033】1.原料及び添加剤 (A)成分:エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(以
下単に共重合体と呼ぶ)
【表1】 (水酸化カリウム)
【表2】 組成 純度 製造元 水酸化カリウム KOH 86% 関東化学株式会社
【0034】(B)成分:アルコール系添加剤
【表3】 化合物名 分子量 製造元 添加剤1 グリセリン 60 和光純薬株式会社 添加剤2 ポリエチレングリコール 200 和光純薬株式会社 添加剤3 ポリエチレングリコール 600 和光純薬株式会社添加剤4 ポリプロピレングリコール 600 和光純薬株式会社
【0035】(他の重合体水性分散液) (1)無水マレイン酸グラフトポリプロピレン(無水マ
レイン酸を0.7重量%グラフトしたメルトフローレー
ト(230℃、21060g荷重)150g/10分)
の水性分散体 (2)エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(ケ
ミパールV−100、三井化学株式会社製) (3)塩素化ポリプロピレンエマルジョン(HARDL
EN EH−202、東洋化成株式会社製) (4)酢酸ビニル・エチレン共重合体エマルジョン(ス
ミカフレックス S−467、住友化学株式会社製)・
・・アンモニア水によりpHを8に調整して使用 (5)ポリエステルエマルジョン(ペスレジン A−1
20、高松油脂株式会社製)
【0036】各重合体分散液の性状を表4にまとめる。
【表4】 水性分散液 pH 平均粒径(nm) 固型分濃度(重量%) (1) 9.1 0.6 32 (2) 8 17.4 40 (3) 9 0.5 21 (4) 5.5 0.8 65 (5) 8.0 − 30 水性分散液(4)は、アンモニア水溶液にてpHを8に調整したものを使用す る。
【0037】2.物性測定方法 ・分散性 ○外観:目視により判定 ○粘度:JIS K6833準拠 単一筒回転粘度計を用いて測定(23±0.5℃) ブルックフィールド粘度計(Synchro Lectric Viscomet
er) ○pH:JIS K6833準拠 サンプルをそのまま市販のpH計を用いて測定 ホリバ カスタニー LAB pHメーターF12 ○粒径分布:レーザー光散乱式粒度分布測定装置 NICO
MP 370HPL
【0038】・表面抵抗率 基材として100μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用い、基材上に調製した塗布液をバーコータを
用いて塗布した。これを100〜150℃の熱風にて3
分間乾燥した。得られた試験片について表面抵抗率を評
価した。高抵抗・抵抗率計 三菱化学製「ハイレスタI
P」を用い、恒温恒湿槽内で23℃/所定の湿度で24
時間調湿後、500V、10秒で表面抵抗率を測定し
た。尚、表面抵抗率の表示に、例えば1E+09とある
は1×10の意味である。
【0039】(実施例1)300mLオートクレーブ中
に共重合体1、蒸留水、KOH、及び添加剤1を表5に
示す量を入れ、130℃で60min撹拌した。固型分
濃度は25wt%。分散性及び塗膜の表面抵抗率評価結
果を表6にまとめる。
【0040】(実施例2)実施例1に於いて、添加剤1
の代わりに添加剤2を用いた。分散性及び塗膜の表面抵
抗率評価結果を表6にまとめる。
【0041】(実施例3)実施例1において、共重合体
1の代わりに共重合体2を用いた。分散性及び塗膜の表
面抵抗率評価結果を表6にまとめる。
【0042】(比較例1)実施例1において、添加剤を
用いなかった。分散性及び塗膜の表面抵抗率評価結果を
表6にまとめる。
【0043】(比較例2)実施例1において、添加剤1
を10重量%使用した。分散性及び塗膜の表面抵抗率評
価結果を表6にまとめる。
【0044】(比較例3)実施例1において、添加剤1
の代わりに添加剤3を用いた。分散性及び塗膜の表面抵
抗率評価結果を表6にまとめる。
【0045】(比較例4)実施例1において、添加剤1
に代わりに添加剤4を用いた。分散性及び塗膜の表面抵
抗率評価結果を表6にまとめる。
【0046】
【表5】 共重合体 アルカリ金属 添加剤 樹脂濃度 (中和度) (重量%/ (wt%) 共重合体) 実施例1 共重合体1 KOH 添加剤1 25 (90) (5) 実施例2 共重合体1 KOH 添加剤2 25 (90) (5) 実施例3 共重合体2 KOH 添加剤1 25 (90) (5) 比較例1 共重合体1 KOH − 25 (90) 比較例2 共重合体1 KOH 添加剤1 25 (90) (10) 比較例3 共重合体1 KOH 添加剤3 25 (90) (5) 比較例4 共重合体1 KOH 添加剤4 25 (90) (5)
【0047】
【表6】
【0048】(実施例4〜10)実施例1の水性分散液
(A)と表4記載の重合体水性分散液を表7に示す割合
で混合した混合水性分散液から得られる塗膜の表面抵抗
率を同様にして測定した。尚、表面抵抗率の測定は、4
0%RHにおいて24時間調湿したサンプルについて行
った。また、塗膜の密着性及び耐水性については次のよ
うにして測定した。 [塗膜密着性の評価] JIS K5400準拠(碁盤目法 残数/100目を
示す) コロナ処理OPET又はOPPを基材として使用。製膜
条件は150℃/0.5分。 [耐水性]23℃の水道水に、1時間浸漬した後の塗膜
の外観を評価。評価基準は下記のとおりである。 ○:基材から膜は剥離しない。 ×:基材から膜が剥離する。 これらの結果を表7にあわせて示した。
【0049】(比較例4〜8)表4記載の重合体水性分
散液から得られる塗膜についても、上記実施例と同様な
評価を行った。結果を表7にあわせて示した。
【0050】
【表7】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高湿度から低湿度に渡
って、非帯電性に優れた塗布膜を形成することが可能
で、保存安定性に優れた水性分散液を提供することがで
きる。このような塗布膜は、成膜直後から非帯電性を示
し、10%RH程度の低湿度領域でも非帯電性を示す点
において優れている。また、水性分散液の粘度が適当で
あること、形成される塗膜が耐水性に優れていること、
非帯電性が半永久的に持続するという長所を備えてい
る。このような特長を生かし、本発明の帯電防止用水性
分散液は、プラスチック等の基材の帯電防止膜形成用に
使用できるほか、導電性を利用した電子材料分野、その
他選択透過膜、イオン交換膜、電池セパレーター、イン
ク、接着剤などに使用することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸含量が10〜35重量
    %のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)を、該
    共重合体のカルボキシル基を基準にして、70〜100
    モル%に相当する量のカリウムイオンで中和した固形分
    5〜40%の水分散液であって、グリセリン或いは分子
    量が250以下のポリエチレングリコール(B)を共重
    合体(A)当たり0.1〜9重量%の範囲で配合して成
    ることを特徴とする帯電防止用水性分散液。
  2. 【請求項2】 請求項1の帯電防止用水性分散液と、平
    均粒子径が0.1〜10000nm、固型分濃度が2〜
    75重量%、pHが7以上の他の重合体水性分散液と
    を、固型分換算(重量比)で10/90〜90/10の
    割合で配合されてなる混合水性分散液。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水性分散液又は請求項2
    記載の混合水性分散液を基材に塗布し、乾燥することを
    特徴とする帯電防止被覆の形成方法。
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