JP2000322820A - ディスク駆動用モータ - Google Patents

ディスク駆動用モータ

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JP2000322820A
JP2000322820A JP11131029A JP13102999A JP2000322820A JP 2000322820 A JP2000322820 A JP 2000322820A JP 11131029 A JP11131029 A JP 11131029A JP 13102999 A JP13102999 A JP 13102999A JP 2000322820 A JP2000322820 A JP 2000322820A
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Japan
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ball bearings
pair
rotating body
fixed shaft
fixed
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JP11131029A
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Osamu Wada
修 和田
Tetsuya Maruyama
哲也 丸山
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内輪・外輪が鉄鋼材から成り転動体がセラミ
ック材から成る玉軸受を備えたディスク駆動用モータを
高速回転させても回転特性が悪化しないようにすること
にある。また、ディスク駆動用モータにてディスク固定
用環状部材の取付けに伴い玉軸受の支持安定性及び回転
特性が悪化しないようにすることにある。 【解決手段】 円柱状の固定軸1と、固定軸1に嵌合さ
れるものであって内輪7a,7b・外輪8a,8bが鉄
鋼材から成り転動体9a…,9b…がセラミック材から
成る一対の玉軸受3a,3bと、一対の玉軸受3a,3
bにより回転自在に支持されると共に外周面にディスク
が装着される円筒状の回転体2と、一対の玉軸受3a,
3bの間であって固定軸1に固定されるステータ4と、
ステータ4に対向して回転体2の内周面に固定されるロ
ータマグネットと、を備え、一対の玉軸受3a,3bが
定位置方式により予圧が付加されて成るディスク駆動用
モータに於て、固定軸1の熱膨張率が回転体2の熱膨張
率よりも小さい材料から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクの
ような磁気ディスクを回転するディスク駆動用モータに
関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクのような磁気ディスクを
回転するディスク駆動用モータは、固定軸とディスクが
装着されるハブとの間に玉軸受が介装された構造であ
る。従来のディスク駆動用モータは、図4に示すよう
に、固定軸1と、ハードディスクが装着される回転体2
と、固定軸1と回転体2との間に介装された玉軸受3,
3とを備える。固定軸1はアルミニウムから成り、その
基端1bが(図示省略の)ブラケットに固定されると共
に、軸線方向中間部位の外周面にはステータコア4aと
ステータコイル4bから成るステータ4が付設されてい
る。また、固定軸1の内部にはステータコイル4bに通
電するためのリード線挿通用の挿通孔5が設けられ、先
端1a側へ突出する外鍔部6が基端1bの外周面に設け
られている。
【0003】また、固定軸1の先端1a側と基端1b側
にステータ4を挾むように一対の玉軸受3a,3bが設
けられる。玉軸受3a,3bは、内輪7a,7bと外輪
8a,8b及び転動体9a…,9b…とも鉄鋼材から成
る。基端1b側の玉軸受3bの内輪7bは、固定軸1の
外鍔部6の付け根部に設けられた段付部13に当接位置決
めされると共に、外輪8bはブッシュ10にて外嵌され
る。このブッシュ10はアルミニウムから成り、回転体2
と玉軸受3bとの間に位置し玉軸受3bの外輪8bを受
ける内鍔状の受部11を有すると共に、固定軸1の外鍔部
6が遊挿される凹周溝12を有する。ブッシュ10と外鍔部
6とが上述の如く凹凸状に重なることでラビリンスシー
ルを形成し、玉軸受3bからのオイルの漏れを防止す
る。
【0004】回転体2はアルミニウムから成り、円筒部
14と、円筒部14の先端に設けられると共に円筒部14の内
径寸法よりも小さい内径寸法の孔部15aを有する円環状
厚肉部15とを有し、円筒部14の基端がブッシュ10の外周
面に嵌合される。また、厚肉部15の孔部15aに玉軸受3
aが内嵌されると共に、円筒部14に磁性材から成るヨー
ク23が内嵌され、さらにヨーク23にロータマグネット24
が内嵌される。
【0005】また、回転体2の玉軸受3aとの取付部位
である厚肉部15に、先端側へ開口する環状凹部16が形成
される。環状凹部16は、溝幅がWである溝が厚肉部15の
厚み方向(径方向)のほぼ中間に形成され、それによっ
て環状凹部16を境に内径側突条部17と外径側突条部18が
形成される。
【0006】また、玉軸受3aの先端側には磁性流体シ
ール27が設けられ、この玉軸受3aからのオイルの漏れ
を防止する。固定軸1の軸先端側には、磁性流体シール
27を覆うように円板部材26が付設され、磁性流体シール
27の磁性流体の外部への飛散防止と外部からの接触防止
が図られる。
【0007】また、一対の玉軸受3a,3bは、固定軸
1と回転体2との間の所定位置に固定され、予圧を付与
する定位置方式により矢印P1 ,P2 の方向に予圧が付
与される。
【0008】ディスク29は複数枚あり、スペーサ28を介
して回転体2の円筒部14に積層して外嵌され、回転体2
の外径側突条部18の外面にディスク固定用の環状部材31
が焼き嵌めされる。環状部材31は、最上部のディスク29
を軸線方向に押圧すると共にその外径側突条部18を径方
向内方(矢印rの方向)に押圧することで回転体2に固
定される。このとき、回転体2に上記環状凹部16がある
ことで、その環状部材31の径方向内方への押圧力が直接
玉軸受3aに伝わって玉軸受3aに損傷を加えないよう
に配慮されている。
【0009】ところで、最近のハードディスクの高性能
化に伴ってモータの高速回転化が進行し、例えば、これ
まで約7000rpm であったものが 14000rpm まで上昇する
に至っており、種々の問題が発生している。即ち、モー
タの消費電力の増加による発熱、あるいは玉軸受におけ
る転動体の摩耗や摩擦熱により、部材の熱膨張によるは
め合い具合がかわる等のして早期に転動性が低下し騒音
の発生や回転特性の低下をもたらし、従来の回転数のと
きよりも早期にモータ寿命が短くなる問題が発生した。
このような現象は、ハードディスクにおけるデータの読
み書きに支障を及ぼすことになる。
【0010】このような問題を防止するために、モータ
における主要部品である玉軸受に、転動体の材質を鉄鋼
材からセラミック材に変更した玉軸受を使用することと
した。転動体がセラミック材であると、耐摩耗性及び耐
熱性に優れているため、転動体の摩耗や転動体及び内輪
・外輪の熱変形といった問題については解消される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、それで
もなお回転特性が悪化する問題が発生した。この原因を
種々検討してみると、二つあることが分かった。第1の
原因には、玉軸受3a,3bを構成する転動体9a,9
bと内輪7a,7b・外輪8a,8bの熱膨張率が異な
ることである。即ち、セラミック材(窒化珪素)である
転動体の熱膨張率は約3.4 ×10-6であるのに対し鉄鋼材
(SUJ−2)である内輪・外輪の熱膨張率は約12.5×
10-6であるため、玉軸受が熱膨張すると転動体と内輪・
外輪との間における押圧力が変動し、結果的に組立時に
設定された予圧量の低下を招き玉軸受における所定の剛
性が確保されない状態となる。この状態に於て、転動体
は所定の回転軌道を転動せず上述したようにハードディ
スクにおけるデータの読み書きに支障を及ぼすことにな
る。
【0012】第2の原因には、回転体2の環状凹部16で
ある。即ち、上述したように、ディスク固定用の環状部
材31からの押圧力が玉軸受3aに損傷を加えないように
回転体2に環状凹部16を設けているが、一方で玉軸受3
aを支持する回転体2の厚肉部15の肉厚がその凹部の溝
幅Wだけ減少し、玉軸受3aの支持剛性が弱くなるた
め、玉軸受3aの支持が不安定な状態になることが回転
特性の悪化を及ぼす。これらの原因に基づく改良を加え
ることで、より高性能なディスク駆動用モータが実現で
きることになる。
【0013】そこで、本発明の目的は、上述のような問
題を解決するものであり、その第1目的は、内輪・外輪
が鉄鋼材から成り転動体がセラミック材から成る玉軸受
を備えたディスク駆動用モータを高速回転させても回転
特性が悪化しないようにすることにある。また、本発明
の第2の目的は、ディスク駆動用モータにてディスク固
定用環状部材の取付けに伴い玉軸受の支持安定性及び回
転特性が悪化しないようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るディスク駆動用モータは、円柱状の
固定軸と、該固定軸に嵌合されるものであって内輪・外
輪が鉄鋼材から成り転動体がセラミック材から成る一対
の玉軸受と、該一対の玉軸受により回転自在に支持され
ると共に外周面にディスクが装着される円筒状の回転体
と、上記一対の玉軸受の間であって上記固定軸に固定さ
れるステータと、該ステータに対向して上記回転体の内
周面に固定されるロータマグネットと、を備え、上記一
対の玉軸受が定位置方式により予圧が付加されて成るデ
ィスク駆動用モータに於て、上記固定軸の熱膨張率が上
記回転体の熱膨張率よりも小さい材料から構成されたも
のである。
【0015】より具体的には、例えば、固定軸がステン
レス鋼(例えばSUS430 で熱膨張率は約10.4×10-6
のとき回転体がアルミニウム(例えばA6061で熱膨張率
は約23.6×10-6)である。また、固定軸及び回転体は、
単一の部品に限るものではなく複数の部品から構成され
ていてもよい。例えば、一対の玉軸受の外輪を回転体が
支持する場合、その回転体と外輪との間にブッシュを介
在するようなときはこのブッシュも回転体とみなす。
【0016】このように構成することによって、玉軸受
の転動体が耐摩耗性及び耐熱性に優れることに加えて、
回転時においてステータからの発熱や玉軸受内の摩擦熱
等により玉軸受が熱膨張し、転動体と内輪・外輪との間
に熱膨張差による隙間を発生しようとするが、玉軸受を
支持する回転体の熱膨張量が固定軸よりも軸線方向寸法
の拡大が大きいため、回転体に固定された一対の玉軸受
の外輪は回転体の熱膨張量だけ軸線方向に互いに離隔す
る。これにより、玉軸受のその隙間は発生せず熱膨張前
の予圧量の低下を招かないので、極めて高性能なディス
ク駆動用モータが実現できる。
【0017】また、本発明のディスク駆動用モータは、
円柱状の固定軸と、該固定軸に嵌合される一対の玉軸受
と、該一対の玉軸受により回転自在に支持されると共に
外周面にディスクが装着される円筒状の回転体と、上記
一対の玉軸受の間であって上記固定軸に固定されるステ
ータと、該ステータに対向して上記回転体の内周面に固
定されるロータマグネットと、を備えたディスク駆動用
モータに於て、上記一方の玉軸受の外輪と嵌合する上記
回転体の嵌合部位に軸線方向上方に開口する環状凹部が
形成されると共に、該環状凹部を形成する外径側突条部
の外周面に上記ディスクを固定する環状部材が嵌合さ
れ、さらに、上記環状凹部を形成する内径側突条部の外
周面に回転体と同材料から成る補強部材が嵌合されてい
るものである。
【0018】このように構成すると、その環状凹部が、
その環状部材に起因する玉軸受への過度な押圧力を回避
しつつ、環状凹部を設けたことにより玉軸受を支持する
支持剛性の低下を補強部材により抑制できる。
【0019】また、本発明のディスク駆動用モータに於
て、一方の玉軸受の軸線方向上方に磁性流体シールを配
設し、さらに、補強部材は、環状で内周面先端に凹部を
有するものであって上記磁性流体シールよりも上方に該
凹部が位置するようにするもよい。
【0020】このように構成すると、磁性流体シールか
ら飛散する虞れのある磁性流体を凹部にて捕捉すること
ができモータ外部への流出を防止できる。このとき、補
強部材に凹部を設けることで、回転体に直接にその凹部
と同形状を形成する場合よりも加工が容易である。
【0021】さらに、本発明のディスク駆動用モータ
は、円柱状の固定軸と、該固定軸に嵌合されるものであ
って内輪・外輪が鉄鋼材から成り転動体がセラミック材
から成る一対の玉軸受と、該一対の玉軸受により回転自
在に支持されると共に外周面にディスクが装着される円
筒状の回転体と、上記一対の玉軸受の間であって上記固
定軸に固定されるステータと、該ステータに対向して上
記回転体の内周面に固定されるロータマグネットと、上
記一方の玉軸受の軸線方向上方に配設される磁性流体シ
ールと、を備え、上記一対の玉軸受が定位置方式により
予圧が付加されて成るディスク駆動用モータに於て、上
記固定軸の熱膨張率が上記回転体の熱膨張率よりも小さ
い材料から構成され、さらに、上記一方の玉軸受の外輪
と嵌合する上記回転体の嵌合部位に軸線方向上方に開口
する環状凹部が形成されると共に、該環状凹部を形成す
る外径側突条部の外周面に上記ディスクを固定する環状
部材が嵌合され、かつ、上記環状凹部を形成する内径側
突条部の外周面に回転体と同材料から成る補強部材が嵌
合されているものである。
【0022】このように構成すると、玉軸受の転動体が
耐摩耗性及び耐熱性に優れることに加えて、回転時にお
ける熱膨張による回転特性の低下を防止でき、さらに、
ディスクの固定に伴う押圧力が玉軸受へ過度に付加する
ことの回避により、玉軸受の不具合の防止が図れる。故
に、玉軸受に各種対策が図られた極めて高性能なディス
ク駆動用モータが実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態は、図
1〜図3に基づき詳説するが、上述した図4の従来のデ
ィスク駆動用モータと同一部位は同符号とし、その相違
点を中心に説明する。なお、図1は本発明の実施の形態
を示す半截断面図であり、図2は図1の作用説明のため
の簡略作用説明図であり、図3は図1に示すモータの部
品断面図である。
【0024】図1における図4に対する相違点は二つあ
り、その第1の相違点としては、回転体2の環状凹部16
に補強部材30を固定するところにある。即ち、環状凹部
16の内径側突条部17は、その外周面の開口端縁に沿って
段付部20が設けられている。そして、図3に示すよう
に、補強部材30はアルミニウムから成る環状形状であ
り、その外周面30aは同一径である。また、補強部材30
の内周面は、径の大きな順に大径面30b、中径面30c、
小径面30dを有し、大径面30bと中径面30cとの間に段
付部30eが設けられると共に、中径面30cと小径面30d
との間に凹部(ポケット部)30fが設けられている。
【0025】図2と図3に示す如く、補強部材30を回転
体2の環状凹部16に嵌合した状態に於て、補強部材30の
段付部30eは環状凹部16の段付部20に当接し、補強部材
30の軸線方向の位置決めが行われると共に、補強部材30
の外周面30aと外径側突条部18の内周面との間には微小
間隙M(約0.15mm)が形成される。また、補強部材30の
凹部30fは、磁性流体シール27よりも軸線方向の上方で
あって径方向外方に位置すると共に、磁性流体シール27
の上方に位置する円板部材26は、補強部材30の小径面30
d付近まで接近する。
【0026】このように、環状凹部16に補強部材30を設
けることで、次のような作用効果がある。厚肉部15に環
状凹部16を形成することで(図4で説明した如く)回転
体2の外周面に外嵌した環状部材からの押圧力が直接に
上方の玉軸受3aに伝わらないことに加えて、玉軸受3
aを支持する部位(内径側突条部17)の肉厚が減少した
ことを補強部材により補強することができる。即ち、内
径側突条部17は、その肉厚L(約1mm)にて玉軸受3a
を支持するには剛性が小さく不十分であるが、補強部材
30により肉厚W1 (大径面30bに対応)及び肉厚W2
(中径面30cに対応)を加算して補強している。これに
より、回転体2の厚肉部15に直接に微小間隙Mを形成し
たのとほぼ同等の構成を実現し、玉軸受3aの支持剛性
は十分なものとなる。
【0027】この場合、微小間隙Mは回転体2を切削加
工により形成することが考えられるが、円筒部14の半径
Nが約12mmであって微小間隙Mの幅が約0.15mmのように
微小であると、その切削加工に高度な技術を要し、量産
性の低下及び製造コストの高騰を招き現実的ではない。
例えば、微小間隙Mの切削加工には、同幅の鋭角形状の
切削治具を使用することになり、それだけ治具の肉厚が
薄くなるため破損し易く困難な加工となる。本発明の如
く、回転体2に先ず環状凹部16を切削加工し、この環状
凹部16に別部材(補強部材30)を追加することにより微
小間隙Mを形成する方が、環状凹部16及び補強部材30は
空間的に余裕をもって切削加工することができるため加
工が容易となる。故に、環状凹部16及び補強部材30を高
精度に加工することができ、微小間隙Mを微小に設定す
ることが可能となると共に玉軸受3aを支持する部位
(内径側突条部17と補強部材30を合わせた部位)の肉厚
を最大限に確保でき、十分な支持剛性を得ることができ
る。
【0028】さらに、補強部材30に凹部(ポケット部)
30fが設けられていることで、磁性流体シール27の磁性
流体が何らかの衝撃により飛散すると遠心力により径方
向外方に移動するが、その途中にある凹部30fにて磁性
流体が捕捉され、ディスクがあるモータ外部への飛散を
防止することができる。この場合、例えば、回転体2の
内径側突条部17の先端を若干延長して凹部30fと同形状
のものを加工することも技術的には可能であるが、回転
体2にそのような形状を形成することは加工が緻密にな
るため、別部材(補強部材30)に形成した方が量産性及
び製造コストの面から有利となる。
【0029】このように、ディスクの取付けに伴う玉軸
受3aの損傷を防止できると共に、回転体2による玉軸
受3aの支持安定性が向上することにより、本発明のデ
ィスク駆動用モータは極めて高性能なものとなる。
【0030】次に、(本発明における従来との)第2の
相違点は、セラミック材から成る転動体9a…,9b…
を備える玉軸受3a,3bを支持する固定軸1と回転体
2及びブッシュ10の材料の組み合わせにある。即ち、固
定軸1がステンレス鋼(例えばSUS430 で熱膨張率は
約10.4×10-6)であるのに対して、回転体2及びブッシ
ュ10がアルミニウム(例えばA6061で熱膨張率は約23.6
×10-6)で形成される。
【0031】このような固定軸1と回転体2及びブッシ
ュ10の材料の組み合わせにすることにより、次のような
作用効果がある。モータを回転させると、ステータコイ
ル4bからの発熱、玉軸受3a,3bからの摩擦熱等に
よって各部品(固定軸1、玉軸受3a,3b、回転体
2、ブッシュ10等)が熱膨張し、玉軸受3a,3bに定
位置方式により付与された予圧に狂いが生じようとす
る。しかしながら、図2の簡略作用説明図をもって示す
如く、回転体2及びブッシュ10が玉軸受3a,3bの内
輪7a,7b・外輪8a,8b及び固定軸1よりも熱膨
張率の大きいアルミニウムにて形成されているため、回
転体2及びブッシュ10(熱膨張前の軸線方向長さをHと
する)の軸線方向の伸び(ΔH)と固定軸1(熱膨張前
の軸線方向長さをKとする)の軸線方向の伸び(ΔK)
との差(ΔH−ΔK)によって予圧の低下は防止され
る。
【0032】つまり、固定軸1の伸び(熱膨張量)ΔK
に対して回転体2及びブッシュ10の伸び(熱膨張量)Δ
Hが大きい(ΔK<ΔH)ため、一対の玉軸受3a,3
bの外輪8a,8bは、内輪7a,7b・外輪8a,8
bと転動体9a…,9b…との間に形成される隙間を相
殺するように(矢印F,Fにて示す如く)作用し、引続
き熱膨張前の予圧が維持される。
【0033】また、固定軸1、回転体2、ブッシュ10、
玉軸受3a,3bは径方向へも熱膨張するが、その熱膨
張量は軸線方向のそれに比べて少ないことと、玉軸受3
a,3bは夫々回転体2、ブッシュ10に圧入されている
ことから、その嵌合力に不都合が生じることはない。
【0034】なお、上述した玉軸受3a,3bの熱膨張
による予圧の低下は、弾性部材(皿バネ等)を用いて玉
軸受を押圧して予圧を付与する定圧方式にて防止できる
ことが公知であるが、寸法の制約等により弾性部材を設
けることができない(例えば、本実施の形態のようにス
テータ4と玉軸受3a,3bとが接近して弾性部材を設
置するスペースを確保できない)場合に、本発明は極め
て容易に問題を解決できる。また、玉軸受を転動体のみ
ならず内輪・外輪をもセラミック材にて形成すれば、上
述のような熱膨張差を生じさせないようにすることも可
能であるが、玉軸受のコストの高騰や金属部品(固定軸
と回転体)とセラミック材との接着状態の信頼性に欠け
る等の問題を招く。
【0035】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。
【0036】(請求項1によれば)内輪・外輪が鉄鋼材
から成り転動体がセラミック材から成る玉軸受を使用し
たことにより、玉軸受は耐摩耗性及び耐熱性に優れるこ
とに加えて、(従来の欠点であった)熱膨張による予圧
量の低下を防止できるため、高速回転しても回転特性が
悪化しない高性能なディスク駆動用モータが実現され
る。また、従来の構成部材の材料の組み合わせを変更す
るだけなので低コストで作製することができる。
【0037】(請求項2によれば)回転体の環状凹部に
よりディスク固定に伴う玉軸受の過度の押圧力を回避し
つつ、環状凹部を設けたことによる玉軸受への支持剛性
の低下を補強部材により抑制(補強)できる。しかも、
環状凹部の寸法が微小であったり加工が困難な場合に特
に効果的である。
【0038】(請求項3によれば)磁性流体シールの磁
性流体を捕捉する凹部を容易に形成することができる。
【0039】(請求項4によれば)玉軸受の予圧量の低
下を防止しつつ長寿命化を実現し、かつ、ディスクの固
定に伴う玉軸受の損傷を玉軸受の支持状態を損なうこと
なく回避でき、玉軸受に対して各種対策が図られた極め
て高性能なディスク駆動用モータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すディスク駆動用モ
ータの半截断面図である。
【図2】簡略作用説明図である。
【図3】補強部材を示す要部断面図である。
【図4】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定軸 2 回転体 3a 玉軸受 3b 玉軸受 4 ステータ 7a 内輪 7b 内輪 8a 外輪 8b 外輪 9a 転動体 9b 転動体 16 環状凹部 17 内径側突条部 18 外径側突条部 24 ロータマグネット 27 磁性流体シール 30 補強部材 30f 凹部 31 環状部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D109 BA04 BA14 BA16 BA18 BA20 BA28 BA32 BB04 BB13 BB16 BB21 BB27 BB32 BC14 BC18 5H605 AA05 BB19 CC01 CC04 DD09 EB10 EB28 EB39 GG21 5H607 AA04 BB01 BB14 BB17 CC01 DD02 DD09 DD17 DD19 FF12 GG01 GG08 GG28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状の固定軸と、該固定軸に嵌合され
    るものであって内輪・外輪が鉄鋼材から成り転動体がセ
    ラミック材から成る一対の玉軸受と、該一対の玉軸受に
    より回転自在に支持されると共に外周面にディスクが装
    着される円筒状の回転体と、上記一対の玉軸受の間であ
    って上記固定軸に固定されるステータと、該ステータに
    対向して上記回転体の内周面に固定されるロータマグネ
    ットと、を備え、上記一対の玉軸受が定位置方式により
    予圧が付加されて成るディスク駆動用モータに於て、上
    記固定軸の熱膨張率が上記回転体の熱膨張率よりも小さ
    い材料から構成されたことを特徴とするディスク駆動用
    モータ。
  2. 【請求項2】 円柱状の固定軸と、該固定軸に嵌合され
    る一対の玉軸受と、該一対の玉軸受により回転自在に支
    持されると共に外周面にディスクが装着される円筒状の
    回転体と、上記一対の玉軸受の間であって上記固定軸に
    固定されるステータと、該ステータに対向して上記回転
    体の内周面に固定されるロータマグネットと、を備えた
    ディスク駆動用モータに於て、上記一方の玉軸受の外輪
    と嵌合する上記回転体の嵌合部位に軸線方向上方に開口
    する環状凹部が形成されると共に、該環状凹部を形成す
    る外径側突条部の外周面に上記ディスクを固定する環状
    部材が嵌合され、さらに、上記環状凹部を形成する内径
    側突条部の外周面に回転体と同材料から成る補強部材が
    嵌合されていることを特徴とするディスク駆動用モー
    タ。
  3. 【請求項3】 一方の玉軸受の軸線方向上方に磁性流体
    シールを配設し、さらに、補強部材は、環状で内周面先
    端に凹部を有するものであって上記磁性流体シールより
    も上方に該凹部が位置する請求項2記載のディスク駆動
    用モータ。
  4. 【請求項4】 円柱状の固定軸と、該固定軸に嵌合され
    るものであって内輪・外輪が鉄鋼材から成り転動体がセ
    ラミック材から成る一対の玉軸受と、該一対の玉軸受に
    より回転自在に支持されると共に外周面にディスクが装
    着される円筒状の回転体と、上記一対の玉軸受の間であ
    って上記固定軸に固定されるステータと、該ステータに
    対向して上記回転体の内周面に固定されるロータマグネ
    ットと、上記一方の玉軸受の軸線方向上方に配設される
    磁性流体シールと、を備え、上記一対の玉軸受が定位置
    方式により予圧が付加されて成るディスク駆動用モータ
    に於て、上記固定軸の熱膨張率が上記回転体の熱膨張率
    よりも小さい材料から構成され、さらに、上記一方の玉
    軸受の外輪と嵌合する上記回転体の嵌合部位に軸線方向
    上方に開口する環状凹部が形成されると共に、該環状凹
    部を形成する外径側突条部の外周面に上記ディスクを固
    定する環状部材が嵌合され、かつ、上記環状凹部を形成
    する内径側突条部の外周面に回転体と同材料から成る補
    強部材が嵌合されていることを特徴とするディスク駆動
    用モータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006262666A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Casio Hitachi Mobile Communications Co Ltd モータの軸受構造
US8167495B2 (en) * 2008-03-12 2012-05-01 Siemens Aktiengesellschaft Device comprising a support structure and a rotating shaft and wind turbine
WO2021153540A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05 日本精工株式会社 モータ

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