JP3828458B2 - 動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピンドルモータのロータを回転自在に軸支持するための軸受手段として、例えば特開平8−105445号公報に開示されるように、固定シャフトの軸線方向上下部に一対のスラストプレートを配置し、これら一対のスラストプレート間に位置する固定シャフトの外周面とこれと半径方向に対向するロータの内周面との間に潤滑油(オイル)を保持し、ロータの回転によってこの潤滑油を所定の方向に移動させることでロータにかかるラジアル方向の負荷を支持するための支持圧を発生する動圧発生用溝を形成してラジアル軸受部を構成し、また、相互に対向する各スラストプレートの軸線方向内側面とこれと軸線方向に対向するロータの軸線方向外側面との間に潤滑油を保持し、ロータの回転によってこの潤滑油を所定の方向に移動させることでロータにかかるスラスト方向の負荷を支持するための支持圧を発生する動圧発生用溝を形成して一対のスラスト軸受部を構成すると共に、スラストプレートの外周面と半径方向に対向するロータの内周面との間に半径方向の間隔が変化する第1のテーパシール部を構成し、またスラストプレートの軸線方向外側面と軸線方向に対向するシールキャップの軸線方向内側面との間に軸線方向の間隔が変化す第2のテーパシール部を構成し、これら第1及び第2のテーパシール部によって潤滑油の軸受外部への漏出を防止する構造を備えたものがある。
【0003】
このような構成においては、軸受部の構造が対称であって如何なる姿勢に対しても同一の特性を与えるためスピンドルモータの安定した回転を得やすく、またスラストプレートの一面側にのみ動圧発生用溝を形成すればよいため、部材加工の歩留まりが向上するというメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例におけるオイルのシール構造では、第1及び第2のテーパシール部を連続して構成しており、通常状態のオイルの界面位置は、スラストプレートの外周面とロータの内周面との間に形成される半径方向の間隙の隙間寸法が変化する第1のテーパシール部内にあり、定常回転時には、遠心力の作用で、スラストプレートの上面とシールキャップの下面との間に形成される軸線方向の間隙の隙間寸法が変化する第2のテーパシール部内に侵入させ、シール部の容積を増大させると共に、オイル界面を半径方向内方に向かせることで、遠心力を利用してオイル界面をスラスト軸受部側に向かって押圧し、オイルの流出を防止する構造となっている。
【0005】
テーパシール部は、シール部内に形成される間隙の隙間寸法を軸受部から離間するにつれて漸次拡大させることで、オイル界面の形成位置によって毛細管力に格差を生じさせ、軸受部で保持するオイル量が減少した場合には、テーパシール部からオイルを供給し、また温度上昇等によって、軸受部内で保持されるオイルの体積が増加した場合には、その増加分を収容する機能を有している。
【0006】
しかしながら、スピンドルモータの回転速度が更に高速化した場合、オイルに対する遠心力の影響が強くなるので、第1のテーパシール部から第2のテーパシール部へのオイルの流入量が増大する。この時、寸法上の制約から、第2のテーパシール部を回転軸芯に対して直交する方向に設けた場合、十分な容積を確保することができず、オイルが軸受外部に流出する懸念がある。
【0007】
また、高速化による遠心力の影響の増大によって、第1のテーパシール部内では、スラストプレート外周面からオイルが引き剥がされ、ロータ内周面に張り付いた状態となる。
【0008】
高速回転時には、スラスト軸受部内では、遠心力によってオイルが半径方向外方へと移動し、オイルの保持量が低下した状態となっている。上述したとおり、テーパシール部は、軸受部内でオイルの保持量が減少した場合に、オイルを供給する機能を担っているが、遠心力の作用でオイルがロータの内周面に張り付いた状態となると、オイルの連続性が失われ、軸受部へのオイルの供給が不十分となる。従って、スラスト軸受部では、オイルの保持量が不十分となって軸受剛性が低下して回転の支持が不安定となるばかりでなく、スラストプレートとロータの接触摺動が発生し、焼き付きが生じる。
【0009】
加えて、第1のテーパシール部を形成するために、ロータには、スラストプレートの外周面と対向する内周面が形成されている。このような場合、例えば、ラジアル軸受部の仕様が共通であっても、負荷容量等の関係でスラスト軸受部の径が異なるような場合には、それぞれ異なった設計のロータとする必要があり、部材の共通化がはかれず、モータの低コスト化が阻害される。更に、スラスト軸受部の外周部にロータの内周面が位置することで、高精度な加工が必要なロータの軸線方向外側面の加工が困難になると共に、その加工方法も限定されるため、平面度や表面粗さに対する精度の向上の制限される。
【0010】
本発明は、更なる高速回転に対応して、シール強度を強化し且つスラスト軸受部へのオイルの供給を安定させることができ、またテーパシール部内の容積を増大させ、十分な量のオイルを保持することが可能であると共に、部品の共通化をはかることで低コスト化を可能とし、さらには、部材加工の高精度化が可能な動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の動圧軸受は、シャフトと、該シャフトの外周面から半径方向外方に突設される環状のスラストプレートと、前記スラストプレートの軸線方向の一方の面と対向するスラスト面と該スラスト面に連続し前記シャフトの外周面と微小間隙を介して半径方向に対向するラジアル内周面とが形成された中空円筒状のスリーブとを備えた動圧軸受であって、前記シャフトの外周面と前記スリーブのラジアル内周面との間には潤滑油が保持され、該潤滑油に動圧を誘起する動圧発生用溝が設けられることによってラジアル軸受部が構成され、前記スラストプレートの軸線方向の一方の面と前記スラスト面との間には潤滑油が保持され、該潤滑油に動圧を誘起する動圧発生用溝が設けられることによってスラスト軸受部が構成され、前記スリーブの前記スラスト面は、前記スリーブの軸方向端部に位置し、前記スラストプレートは、外周面の少なくとも一部が前記軸線方向の一方の面から遠離るにつれて外径が縮径するよう傾斜面状に形成された略円錐形状を有しており、前記スリーブには、内径が半径方向内方側から外方側に向かって拡大するよう内周面が傾斜面状に形成されたリング状部を有する環状のブッシュ部材の内周面が前記スリーブの軸方向端部の外周部に嵌合されており、該リング状部の内周面と前記略円錐形状のスラストプレートの外周面との間に、回転軸芯に対して半径方向外方側から内方側に向かって傾斜し且つ前記スラスト軸受部から遠離るにつれて間隙の隙間寸法が漸次拡大するテーパシール部が形成され、該テーパシール部内において前記スラスト軸受部に保持される前記潤滑油の界面が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0012】
本発明は、上記したとおり、オイル等の潤滑油を作動流体として利用する動圧軸受において、スラスト軸受部側のテーパシールを回転軸心に対して傾斜した形状とすることで、回転軸線と平行又は直交する方向にテーパシール部を構成する場合に比べて、テーパシール部内の容積が増大すると共に、高速回転時においても、遠心力による潤滑油の分断が生じることがなく、テーパシール部からスラスト軸受部に安定して潤滑油を供給することが可能な構造を採用する。
【0013】
斯く構成することで、高速回転時においても、遠心力で潤滑油がスラストプレートの外周面から引き剥がされることなく、スラストプレートの外周部で潤滑油の連続性が失われることはない。また、潤滑油の界面も回転軸芯に対して傾斜する方向に向くことで、遠心力が潤滑油の界面を押さえ込む方向に作用するので、シール強度も高く維持される。
【0014】
これに加え、スラストプレートと協働してテーパシール部を構成する部材を、スリーブとは別体のブッシュ部材とすることで、ブッシュ部材のリング状部内周面の加工が容易になると共に、ブッシュ部材の半径方向の寸法を調整することで、スリーブ側の設計を変更することなくスラスト軸受部の径を変更することができる。このため、様々な仕様の軸受でスリーブを共通して使用することが可能になる。
【0015】
更に、スリーブのスラスト面の外周部に壁となる構成が存在しないので、スラスト面の加工方法や工具等について、必要に応じて最適な選択を行うことができ、スラスト面の平面度や表面粗さ等に対する精度を向上することができる。
【0016】
また、本発明の動圧軸受は、前記スラスト面は、前記スリーブの軸線方向両端部にそれぞれ形成されると共に、前記スラストプレートは、前記ラジアル内周面の両端に隣接して一対配設され、また前記ブッシュ部材も該一対のスラストプレートに対応して前記スリーブに一対装着されていることを特徴とする(請求項2)。
【0017】
ラジアル軸受部が構成されるラジアル内周面の両端に隣接してスラスト軸受部が一対配置される構造とすることで、ラジアル軸受部の両端側からスラスト軸受部による支持力が軸線方向の相反する方向に作用することとなり、荷重支持が安定する。
【0018】
更に、本発明の動圧軸受は、前記ブッシュ部材には、前記リング状部の軸線方向外方側に中央開口を有する環状の平板状部材が配設されており、該平板状部材の内周面は、前記シャフトの外周面との間に微小間隙を介して対向し、前記テーパシール部は、該平板状部材の内周面と前記シャフトの外周面との間に規定される微小間隙を通じて外部に開放されていることを特徴とする(請求項3)。
【0019】
シャフトの外周面と平板状部材の内周面との間の間隙の半径方向の寸法を、可能な限り小に設定することによって、潤滑油が気化することによって生じた蒸気の外部への流出抵抗を大にして潤滑油の界面近傍における蒸気圧を高く保てるので、更なる潤滑油の蒸散を有効に阻止することができる。
【0020】
加えて、本発明の動圧軸受は、前記スラスト軸受部に形成される動圧発生用溝は、前記潤滑油に対して半径方向内方に向かって作用する動圧が誘起されるようポンプインタイプのスパイラル溝が形成されており、また前記ラジアル軸受部に形成される動圧発生用溝は、前記潤滑油に対して前記スラスト軸受部側に向かって作用する動圧が誘起されるよう、軸線方向にアンバランスな形状のヘリングボーン溝が形成されており、前記スラスト軸受部と前記ラジアル軸受部との間には、前記潤滑油が連続して保持されていることを特徴とする(請求項4)。
【0021】
スラスト軸受部の動圧発生溝を、ポンプインタイプのスパイラル溝とすることで、スラストプレートの外径が小径化され、周速を小とすることができ、また、スパイラル溝は、ヘリングボーン溝と比べて潤滑油の粘性抵抗が小であることから、軸受部での損失を抑制し、高効率化することが可能となる。
【0022】
さらにまた、本発明の動圧軸受は、前記シャフトの外周面と前記ラジアル内周面との間には、前記ラジアル内周面の軸線方向略中央部に外気に連通する空気介在部が形成されており、前記ラジアル軸受部は該空気介在部の軸線方向両端に隣接して一対構成されていることを特徴とする(請求項5)。
【0023】
シャフトの外周面とラジアル内周面との間に空気介在部を形成し、この空気介在部の軸線方向両側にラジアル軸受部を一対構成することで、ラジアル軸受部の軸受スパン(軸受間距離)が拡大し、半径方向の荷重の支持が安定するので、外的な振動や衝撃等が印加された場合に発生するシャフトの倒れや触れ回りを短時間で正常な状態に復元することが可能となる。
【0024】
また、本発明のスピンドルモータは、ステータを保持するブラケットと、該ブラケットに対して相対回転するロータと、該ロータに固着され該ステータと協働して回転磁界を発生するロータマグネットと、該ロータの回転を支持する動圧軸受とを備えたスピンドルモータにおいて、前記動圧軸受は、請求項1乃至5のいずれかに記載した動圧軸受であることを特徴とする(請求項6)。
【0025】
スピンドルモータの軸受として、上述の動圧軸受を用いることで、高速且つ高精度な回転支持が可能となるばかりでなく、軸受部の焼き付きの発生が防止されるので、信頼性並びに耐久性に優れたものとすることが可能となると共に、軸受構成部材の共通化をはかることができて、モータの低コスト化が促進され、また、スラスト軸受部を構成するスラスト面を容易且つ高精度に加工可能とすることができ、ロータを安定して支持することが可能になる。
【0026】
更に、本発明のディスク駆動装置は、情報を記録できる円板状記録媒体が装着されるディスク駆動装置において、ハウジングと、該ハウジングの内部に固定され該記録媒体を回転させるスピンドルモータと、該記録媒体の所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有するディスク駆動装置であって、前記スピンドルモータは、請求項6に記載したスピンドルモータであることを特徴とする(請求項7)。
【0027】
本発明のスピンドルモータは、高速且つ高精度な回転支持が可能となるばかりでなく、低コスト化が可能であるものであることから、高い回転精度並びにコストの低減が要求されるハードディスクを駆動するディスク駆動装置において好適に使用可能であるが、これに限定されず、ハードディスク等の固定式又はCD−ROM、DVD等の着脱式の記録媒体を駆動するディスク駆動装置においても同様に使用可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる動圧軸受及びこの動圧軸受を用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明するが、本発明は以下に示す各実施例に限定されるものではない。
【0029】
図示のスピンドルモータは、ブラケット2と、このブラケット2に設けられた中央開口内に一方の端部が外嵌固定されるシャフト4と、このシャフト4に対して相対的に回転自在なロータ6とを備える。ロータ6は、外周部に記録ディスク(図3においてディスク板53として図示)が載置されるロータハブ6aと、ロータハブ6aの内周側に位置し、潤滑油8が保持される微小間隙を介してシャフト4に軸支持されるスリーブ6bとを備えている。ロータハブ6aの内周部には接着等の手段によってロータマグネット10が固着されており、このロータマグネット10と半径方向に対向してブラケット2にステータ12が装着されている。
【0030】
スリーブ6bの略中央部には内周面がシャフト4の外周面との間に潤滑油8が保持される微小間隙を形成するようスリーブ6bを軸線方向に貫通する貫通孔66b1が形成され、シャフト4の上部及び下部には、半径方向外方に突出する環状の上部スラストプレート14及び下部スラストプレート16がそれぞれ取付けられている。
【0031】
スリーブ6bの軸線方向両端部には、上部スラストプレート14及び下部スラストプレート16に対応して、これら上部及び下部スラストプレート14,16の外径よりも大径な上部スラスト面6b2及び下部スラスト面6b3が形成されている。この上部スラスト面6b2及び下部スラスト面6b3の外周部には、環状で且つ中空円筒状の上部ブッシュ部材18及び下部ブッシュ部材20が装着されている。上部及び下部ブッシュ部材18,20の開放側端部は、上部シールキャップ22及び下部シールキャップ24によって閉塞されている。
【0032】
また、スリーブ6bの外周部には、上部及び下部スラスト面6b2,6b3の間に、半径方向外方側に突出する環状突部6b4が形成されており、この環状突部6b4の外周面とロータハブ6aの内周面とが、例えば圧入等の手段によって締結されている。
【0033】
上部スラスト部6b2と、上部スラストプレート14の下面(軸線方向内側面)との間には、潤滑油8が保持される微小間隙が形成されており、上部スラスト面6b2には、ロータ6の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するための動圧発生用溝26aが形成され上部スラスト軸受部26が構成されている。
【0034】
また、下部スラスト面6b3と、下部スラストプレート16の上面(軸線方向内側面)との間には、潤滑油8が保持される微小間隙が形成されており、下部スラスト面6b3の平面部には、ロータ6の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するための動圧発生用溝28aが形成され下部スラスト軸受部28が構成されている。
【0035】
これらスラスト軸受部26,28に形成される動圧発生用溝26a,28aは、発生する動圧がそれぞれ潤滑油8をシャフト4に向かって圧送されるよう、ポンプインタイプのスパイラル溝が用いられる。尚、動圧発生用溝は、上部及び下部スラストプレート14,16の軸線方向内側面にあるいは上部及び下部スラスト面6b2,6b3と上部及び下部スラストプレート14,16の軸線方向内側面の両面ともに形成することも可能である。
【0036】
このように、上部及び下部スラスト軸受部26,28の動圧発生用溝26a,28aをスパイラル溝とすることで、互いに逆向きの一対スパイラル溝を組み合わせて構成されるヘリングボーン溝を用いる場合に比べて、上部及び下部スラストプレート14,16の外径を小径化することができるため、下部スラスト軸受部28がロータマグネット10及びステータ12からなる磁気回路部に与える影響を少なくすることができ、十分な駆動トルクを得ることができる。また、スパイラル溝は、ヘリングボーン溝に比べてスピンドルモータの回転時に生じる潤滑油8の粘性抵抗が小さいため、上部及び下部スラスト軸受部26,28における損失を小さくし、スピンドルモータの電気的効率を高め、消費電力を抑制することができる。
【0037】
図2に部分的に拡大して図示するように、上部スラストプレート14の外周面は、軸線方向内側面の外周端部から、回転軸芯に対して略平行に延伸した後、半径方向内方に向かって回転軸芯に対して傾斜した円錐面14aに形成されている。また、上部ブッシュ部材18の内周面には、内周面が上部スラストプレート14の円錐面14aと半径方向に対向し且つ円錐面14aとの間に形成される間隙の隙間寸法が上部シールキャップ22側、すなわち上部スラスト軸受部26から離間するにしたがって漸次拡大するよう傾斜面18a1に形成された環状のリング状部18aが、上部ブッシュ部材18の内周面から半径方向内方側に突出するよう設けられている。尚、このリング状部18aは、上部ブッシュ部材18と別体に構成することも可能である。
【0038】
上部スラスト軸受部26に保持される潤滑油8は、上部スラストプレート14と上部ブッシュ部材18の内周面との間に形成された回転軸芯に対して略平行な隙間を経て上部スラストプレートの円錐面14aとリング状部18aの傾斜面18a1との間に形成された、上部シールキャップ22側に向かうにしたがって隙間寸法が漸次拡大する間隙内において、界面を形成して保持されている。すなわち、上部スラストプレート14の円錐面14aとリング状部材18aの傾斜面18a1との間に形成された隙間が上部テーパシール部30として機能している。
【0039】
この場合、後に詳述するとおり、上部テーパシール部30を形成する上部スラストプレート14の円錐面14a及びリング状部18aの傾斜面18aは、回転時に遠心力が潤滑油8を上部スラスト軸受部26側に押し込むよう作用する方向に角度が設定されている。
【0040】
尚、詳細構造は図示していないが、下部スラストプレート16の外周部においても、これと半径方向に対向する下部ブッシュ部材20との間に上部スラストプレート14の外周部と同様の構成にて下部テーパシール部32が形成されている。また、下部スラストプレート16周辺の構成についても、図2に図示される上部スラストプレート14周辺の構成と実質的に同一である。
【0041】
この時、上部テーパシール部30の最小の間隙寸法は、上部スラストプレート14の外周面と上部ブッシュ部材18の内周面との間に形成される、回転軸芯に略平行な隙間の隙間寸法よりも大となるよう設定されており、また、上部スラスト軸受部26の間隙の隙間寸法は、上部スラストプレート14の外周面と上部ブッシュ部材18の内周面との間に形成される、回転軸芯に略平行な隙間の隙間寸法よりも小となるよう設定されている。
【0042】
すなわち、上部スラスト軸受部26において、潤滑油8の保持量が減少した場合、毛細管力によって、上部テーパシール部30内に保持されている潤滑油8が、上部スラストプレート14の外周面と上部ブッシュ部材18の内周面との間に形成される、回転軸芯に略平行な隙間の隙間を経て上部スラスト軸受部26へと供給されることとなる。
【0043】
逆に、上部スラスト軸受部26で保持される潤滑油8が温度上昇等によって体積膨張した場合、潤滑油8の界面が、上部テーパシール部30のより隙間寸法が拡大する方向に移動することで、この体積増加した分の潤滑油8が上部テーパシール部30に収容されることとなる。
【0044】
また、上部テーパシール部30が回転軸芯に対して半径方向外方側から内方側に傾斜して構成されるため、潤滑油8の界面も、上部テーパシール部30の傾斜角に応じて半径方向内方を向いて形成される。従って、スピンドルモータの回転時には、遠心力によって潤滑油8の界面が上部スラスト軸受部26側に押圧されるので、シール強度が強化されると共に、上部テーパシール部30を構成する上部スラストプレート14の円錐面14a並びにリング状部18aの傾斜面18a1自体が相互に回転軸芯に対して傾斜しているので、遠心力の影響で潤滑油8が円錐面14aから引き剥がされ、傾斜面18a1に張り付くことはない。従って、高速回転するスピンドルモータにおいても、シール部からの潤滑油8の流出が阻止され、また上部テーパシール部30から上部スラスト軸受部26にかけて保持される潤滑油8の連続性が失われ、上部スラスト軸受部26に対する上部テーパシール部30からの潤滑油8の供給が不十分となることはない。
【0045】
加えて、上部テーパシール部30を回転軸芯に対して傾斜させることで、回転軸芯に対して平行あるいは直交する方向にテーパシール部を構成する場合に比べて、シール部の寸法をより大とすることができるので、容積が拡大する。
【0046】
更に、上部及び下部スラスト軸受部26,28の動圧発生用溝26a,28aを、それぞれ発生する動圧が潤滑油8を半径方向内方に向かって圧送するポンプインタイプのスパイラル溝とすることで、上部及び下部スラスト軸受部26,28で発生する動圧は、半径方向内方に向かうにつれて高くなる圧力勾配となるため、潤滑油8の充填時等に上部及び下部スラスト軸受部26,28に保持される潤滑油8中に生じた気泡は、圧力の高い軸受部の半径方向内方から圧力の低い半径方向外方へと移動し、最終的に潤滑油8が保持される間隙中で最も間隙寸法が大で最も圧力の低い上部及び下部テーパシール部30,32の潤滑油8の界面側へと移動し、空気中に開放される。
【0047】
また、上部及び下部スラストプレート14,16とともに上部及び下部テーパシール部30,32を構成する上部及び下部ブッシュ部材18,20をスリーブ6bとは別部材から構成することで、後述するラジアル軸受部の負荷容量等の仕様が同一で、上部及び下部スラスト軸受部26,28の仕様のみ変更するために、異なる径の上部及び下部スラストプレート14,16を用いる場合でも、上部及び下部ブッシュ部材18,20の半径方向寸法を調整する等を行うことにより、同一のスリーブ6bを適用することができるようになる。従って、異なる仕様のスピンドルモータ間でスリーブ6bの共用が可能になるので、モータの低コスト化が促進される。
【0048】
加えて、上部及び下部ブッシュ部材18,20を装着していない状態では、上部及び下部スラスト軸受部26,28を構成するスリーブ6bの上部及び下部スラスト面6b2,6b3の外周部には、何らの構造物も存在していない。よって、上部及び下部スラスト面6b2,6b3の平面度や表面粗さに対する加工精度を向上させることができると共に、動圧発生溝26a,28aの加工も容易になる。
【0049】
シャフト4の外周面の略中央部には、貫通孔6b1の内周面との間の間隙が拡大するよう、軸線方向内側に向かって傾斜する一対の傾斜面からなる環状の凹部4aが形成されており、この凹部4aにはシャフト4中に形成された空気と連通する連通孔36が開口している。
【0050】
この連通孔36はシャフト4中を軸線方向に貫通する縦孔と、この縦孔から半径方向に延設されたシャフト4の凹部4a内に開口する第1開口36aと下部テーパシール部32に連続し下部シールキャップ24の内周面とシャフト4の外周面との間に規定される微小間隙を通じて軸受外部に連通する空間に開口する第2開口36bとから構成される。尚、縦孔は、シャフト4の加工並びに洗浄完了後、シャフト4の両端に開口する開口部を例えばゴム等の弾性部材からなる封止部材38,40によって封止される。すなわち、上部及び下部シールキャップ22,24よりも軸受の内部側の空間は、上部及び下部シールキャップ22,24の内周面とシャフト4の外周面との間に形成される微小間隙を通じてのみ空気に連通している。
【0051】
この第2開口36bより連通孔36内に取り込まれた空気は、第1開口36aが開口する凹部4cと貫通孔6b1の内周面との間に環状の気体介在部42を形成し、この気体介在部42によってシャフト4の外周面と貫通孔6b1の内周面との間の微小間隙中に保持された潤滑油8は、凹部4aの一対の傾斜面と貫通孔6b1の内周面との間に形成されるテーパ状間隙内において、潤滑油8の界面が形成され、軸線方向上下に分割される。
【0052】
貫通孔6b1の内周面のこれら上下に分割されて保持される潤滑油8に対応する部位には、ロータ6の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するための動圧発生用溝44a、46aが形成され上部ラジアル軸受部44及び下部ラジアル軸受部46が構成されている。これら上部及び下部ラジアル軸受部44,46に形成される動圧発生用溝44a,46aは、それぞれ発生する動圧が、潤滑油8を軸線方向外側に向かって、換言すると隣接する上部及び下部スラスト軸受部26,28に向かって圧送するよう、軸線方向にアンバランスな形状のヘリングボーン溝が用いられる。
【0053】
上部及び下部ラジアル軸受部44,46の動圧発生用溝44a,46aを、それぞれ潤滑油8を上部及び下部スラスト軸受部26,28側に圧送する形状とすることで、潤滑油8の充填時等に上部及び下部ラジアル軸受部44,46に保持される潤滑油8中に生じた気泡が圧力の高い軸受部から圧力の低い気体介在部42との界面側へと移動し、気体介在部42から連通孔36を通じて軸受外部の空気中に開放される。
【0054】
この構成において、上部及び下部スラスト軸受部26,28には形成される動圧発生手段26a,28aはスパイラル溝であり、それのみでは十分な荷重支持圧を発生できないが、隣接する上部及び下部ラジアル軸受部44,46には軸線方向にアンバランスなヘリングボーン溝が動圧発生用溝44a,46aとして形成されているので、スピンドルモータの回転時に、潤滑油8はスパイラル溝及びヘリングボーン溝によってそれぞれ相互に対向する方向へと圧送されるので、両軸受部の協働によりロータ6にかかる負荷を支持するに必要な動圧を発生せしめて支持している。
【0055】
また、上部及び下部スラスト軸受部26,28とこれらに隣接する上部及び下部ラジアル軸受部44,46には連続して潤滑油8が保持されると共に、上部及び下部ラジアル軸受部44,46を分離する気体介在部42が連通孔36を通じて空気に連通していることから、上部及び下部テーパシール部30,32内に位置する上部及び下部スラスト軸受部26,28の潤滑油8の界面と凹部4aの一対の傾斜面と貫通孔6b1との間に規定されるテーパ状間隙内に位置する上部及び下部ラジアル軸受部44,46の潤滑油8の界面は同じ空気圧に晒されることとなる。
【0056】
このため、例えば遠心力やスピンドルモータへの外的な衝撃、振動の印加等に起因して、上部及び下部テーパシール部30,32内の潤滑油8の界面あるいは凹部4aの一対の傾斜面と貫通孔6b1との間に規定されるテーパ状間隙内の潤滑油8の界面の一方が軸受部から離間する方向に移動した場合、他方の界面も各界面が位置する各テーパ状間隙内を、潤滑油8の界面の曲率半径が等しくなる位置まで移動することで釣り合い、シール効果を損なうことなく安定して保持される。
【0057】
また、上部及び下部ラジアル軸受部44,46は隣接する上部及び下部スラスト軸受部26,28とは潤滑油8が連続し、片方の潤滑油8の界面から他方の潤滑油8の界面に至るまで動圧が極大となるのは1点のみで極小となる点は存在しないこととなる。従って、潤滑油8中に気泡が含まれていても自動的に圧力が最小となるテーパ状の間隙内に位置する界面から軸受外部の空気中に排除する構成とすることができる。
【0058】
このように、各軸受部に保持される潤滑油8中に生じた気泡は、順次低圧側へと移動し、各潤滑油8の界面より空気中に開放されるため、気泡が各軸受部に保持される潤滑油8中に滞留することがなく、スピンドルモータの温度上昇時に気泡が膨張し体積が増加することによって、潤滑油8が軸受外部に漏出することが防止される。また、気泡排出のための特別な構成を要しないので、スピンドルモータの構造を簡略化することができる。
【0059】
更に、上部及び下部シールキャップ22,24の内周面とシャフト4の外周面との間に規定される間隙の半径方向寸法を可能な限り小さく設定することによって、スピンドルモータの回転時に上部及び下部スラストプレート14,16と上部及び下部シールキャップ22,24との間に規定される軸線方向の間隙とシャフト4の外周面と上部及び下部シールキャップ22,24とによって規定される半径方向の間隙とで、ロータ6の回転に応じて発生する空気流の流速に差異が生じる。従って、潤滑油8が気化して生じた蒸気(オイルミスト)のスピンドルモータの外部への流出抵抗を大きくして潤滑油8の界面近傍における蒸気圧を高く保てるので更なる潤滑油8の蒸散を防止することができる。
【0060】
尚、これら各面に例えばフッ素系材料からなる撥油剤を塗布しておくと、潤滑油8に遠心力の作用しないスピンドルモータの停止時に、潤滑油8がオイルマイグレーション現象によってスピンドルモータの外部に漏出することをより効果的に防止できる。
【0061】
図3に、一般的なディスク駆動装置50の内部構成を模式図として示す。ハウジング51の内部は塵・埃等が極度に少ないクリーンな空間を形成しており、その内部に情報を記憶する円板状のディスク板53が装着されたスピンドルモータ52が設置されている。加えてハウジング51の内部には、ディスク板53に対して情報を読み書きするヘッド移動機構57が配置され、このヘッド移動機構57は、ディスク板53上の情報を読み書きするヘッド56、このヘッドを支えるアーム55及びヘッド56及びアーム55をディスク板53上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部54により構成される。
【0062】
このようなディスク駆動装置50のスピンドルモータ52として図2において図示されるスピンドルモータを使用することで、高速且つ高精度な回転支持が可能となるばかりでなく、信頼性並びに耐久性に優れたもの。
【0063】
以上、本発明に従う動圧軸受及びこれを用いたスピンドルモータ並びにこのスピンドルモータを備えたディスク駆動装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0064】
例えば、上部及び下部スラストプレート14,16と上部及び下部ブッシュ部材18,20の内周面との間に形成された回転軸芯に対して略平行な隙間は、上部及び下部スラストプレート14,16を加工する際等にこれを保持するため、上部及び下部スラストプレート14,16の外周部に平面を形成する必要性から設けられているが、そのような必要性のない場合には、これを設けることなく、上部及び下部スラストプレート14,16の軸線方向内側面の外周端部に連続して円錐面を形成することも可能である。
【0065】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の動圧軸受によれば、テーパシール部内の容積を増大すると共に、高速回転時においても、遠心力による潤滑油の分断が生じることがなく、テーパシール部からスラスト軸受部に安定して潤滑油を供給することが可能となる。また、異なる仕様の動圧軸受においても、スリーブの共用化がはかられ、低コスト化が可能なると共に、スラスト軸受面の加工精度が向上し、安定した支持が可能になる。
【0066】
本発明の請求項2に記載の動圧軸受によれば、ラジアル軸受部の両端側からスラスト軸受部による支持力が相反する方向に作用することとなり、軸線方向の荷重を安定して支持することが可能となる。
【0067】
本発明の請求項3に記載の動圧軸受によれば、シールキャップの内周面とシャフトの外周面との間に規定される微小間隙の半径方向の寸法を可能な限り小に設定することによって、潤滑油が気化することによって生じた蒸気の外部への流出抵抗を大にして潤滑油の界面近傍における蒸気圧を高く保てるので更なる潤滑油の蒸散を有効に阻止することが可能となる。
【0068】
本発明の請求項4に記載の動圧軸受によれば、軸受部での損失を抑制し、高効率化することが可能となる。
【0069】
本発明の請求項5に記載の動圧軸受によれば、外的な振動や衝撃等が印加された場合に発生するシャフトの倒れや触れ回りを短時間で正常な状態に復元することが可能となる。
【0070】
本発明の請求項6に記載のスピンドルモータによれば、高速且つ高精度な回転支持が可能となるばかりでなく、軸受部の焼き付きの発生が防止されるので、信頼性並びに耐久性に優れたものとすることが可能となると同時に、低コスト化が可能になる。
【0071】
本発明の請求項7に記載のディスク駆動装置によれば、高い回転精度並びに耐久性及び信頼性が要求されるディスク駆動装置において好適に使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のスピンドルモータの概略構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1において示すスピンドルモータの上部スラストプレート付近の概略構成を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図3】図1に示すスピンドルモータを備えたディスク駆動装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
4 シャフト
6b スリーブ
6b2,6b3 スラスト面
8 潤滑油
14,16 スラストプレート
14a 傾斜面
18,20 ブッシュ部材
18a リング状部
18a1 傾斜面
26、28 スラスト軸受部
26a,28a,44a,46a 動圧発生用溝
30、32 テーパシール部
44,46 ラジアル軸受部
Claims (7)
- シャフトと、該シャフトの外周面から半径方向外方に突設される環状のスラストプレートと、前記スラストプレートの軸線方向の一方の面と対向するスラスト面と該スラスト面に連続し前記シャフトの外周面と微小間隙を介して半径方向に対向するラジアル内周面とが形成された中空円筒状のスリーブとを備えた動圧軸受であって、
前記シャフトの外周面と前記スリーブのラジアル内周面との間には潤滑油が保持され、該潤滑油に動圧を誘起する動圧発生用溝が設けられることによってラジアル軸受部が構成され、
前記スラストプレートの軸線方向の一方の面と前記スラスト面との間には潤滑油が保持され、該潤滑油に動圧を誘起する動圧発生用溝が設けられることによってスラスト軸受部が構成され、
前記スリーブの前記スラスト面は、前記スリーブの軸方向端部に位置し、
前記スラストプレートは、外周面の少なくとも一部が前記軸線方向の一方の面から遠離るにつれて外径が縮径するよう傾斜面状に形成された略円錐形状を有しており、
前記スリーブには、内径が半径方向内方側から外方側に向かって拡大するよう内周面が傾斜面状に形成されたリング状部を有する環状のブッシュ部材の内周面が前記スリーブの軸方向端部の外周部に嵌合されており、該リング状部の内周面と前記略円錐形状のスラストプレートの外周面との間に、回転軸芯に対して半径方向外方側から内方側に向かって傾斜し且つ前記スラスト軸受部から遠離るにつれて間隙の隙間寸法が漸次拡大するテーパシール部が形成され、該テーパシール部内において前記スラスト軸受部に保持される前記潤滑油の界面が形成されていることを特徴とする動圧軸受。 - 前記スラスト面は、前記スリーブの軸線方向両端部にそれぞれ形成されると共に、前記スラストプレートは、前記ラジアル内周面の両端に隣接して一対配設され、また前記ブッシュ部材も該一対のスラストプレートに対応して前記スリーブに一対装着されていることを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受。
- 前記ブッシュ部材には、前記リング状部の軸線方向外方側に中央開口を有する環状の平板状部材が配設されており、該平板状部材の内周面は、前記シャフトの外周面との間に微小間隙を介して対向し、前記テーパシール部は、該平板状部材の内周面と前記シャフトの外周面との間に規定される微小間隙を通じて外部に開放されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動圧軸受。
- 前記スラスト軸受部に形成される動圧発生用溝は、前記潤滑油に対して半径方向内方に向かって作用する動圧が誘起されるようポンプインタイプのスパイラル溝が形成されており、また前記ラジアル軸受部に形成される動圧発生用溝は、前記潤滑油に対して前記スラスト軸受部側に向かって作用する動圧が誘起されるよう、軸線方向にアンバランスな形状のヘリングボーン溝が形成されており、前記スラスト軸受部と前記ラジアル軸受部との間には、前記潤滑油が連続して保持されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の動圧軸受。
- 前記シャフトの外周面と前記ラジアル内周面との間には、前記ラジアル内周面の軸線方向略中央部に外気に連通する空気介在部が形成されており、前記ラジアル軸受部は該空気介在部の軸線方向両端に隣接して一対構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の動圧軸受。
- ステータを保持するブラケットと、該ブラケットに対して相対回転するロータと、該ロータに固着され該ステータと協働して回転磁界を発生するロータマグネットと、該ロータの回転を支持する動圧軸受とを備えたスピンドルモータにおいて、
前記動圧軸受は、請求項1乃至5のいずれかに記載した動圧軸受であることを特徴とするスピンドルモータ。 - 情報を記録できる円板状記録媒体が装着されるディスク駆動装置において、ハウジングと、該ハウジングの内部に固定され該記録媒体を回転させるスピンドルモータと、該記録媒体の所要の位置に情報を書き込み又は読み出すための情報アクセス手段とを有するディスク駆動装置であって、
前記スピンドルモータは、請求項6に記載したスピンドルモータであることを特徴とするディスク駆動装置。
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