JP2000320997A - 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機 - Google Patents

表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機

Info

Publication number
JP2000320997A
JP2000320997A JP11133642A JP13364299A JP2000320997A JP 2000320997 A JP2000320997 A JP 2000320997A JP 11133642 A JP11133642 A JP 11133642A JP 13364299 A JP13364299 A JP 13364299A JP 2000320997 A JP2000320997 A JP 2000320997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal oxide
heat transfer
evaporator
transfer tube
oxide layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11133642A
Other languages
English (en)
Inventor
Soichiro Tsujimoto
聡一郎 辻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP11133642A priority Critical patent/JP2000320997A/ja
Publication of JP2000320997A publication Critical patent/JP2000320997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、特に耐アルカリ性に優れた親水性
の表面改質方法、表面改質品、及び冷媒との接触する有
効面積が大きな蒸発器用伝熱管を備えた蒸発器及び蒸発
器用伝熱管表面改質方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 有機金属化合物成分としてチタンのアル
コキシド若しくはジルコニウムのアルコキシド又はその
混合物と、金属酸化物微粒子成分として酸化ジルコニウ
ム若しくは酸化チタン又はその混合物とを含有する処理
液を、金属製の被処理物1a表面にコーティングし、非
酸化性雰囲気で加熱して、被処理物表面に多孔質の金属
酸化物層1cを形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製の被処理物
表面の表面改質方法及び表面改質品に関し、特に蒸発器
の伝熱面の表面の改質に好適に用いることのできる蒸発
器用伝熱管表面の改質方法、蒸発器用伝熱管、及び蒸発
器に関し、特に水を作動媒体として用いる吸収式冷凍機
及び吸着式冷凍機等の冷却装置に使用する蒸発器用伝熱
管に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、蒸発器の伝熱管は、銅などの熱伝
導率の高い金属から製造されており、その伝熱管に冷媒
を接触させ、あるいは、その接触により前記冷媒を蒸発
させることにより、前記伝熱管の外表面で冷媒と顕熱、
潜熱タイプを熱交換させて前記伝熱管内の熱媒体を冷却
して、伝熱管内の熱媒体を循環させることによって熱を
運搬することができるように構成してあるものである
が、熱交換により熱を伝達するには、伝熱管表面の濡れ
性を改善すべく前記伝熱管の表面に凹凸を、あるいは伝
熱管の伝熱面積を増やすべくフィンを設けることによっ
て熱交換率を高めることができるように構成したものも
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の伝熱管
によれば、伝熱管にフィンを設けるために前記伝熱管を
厚肉に形成しておかなければならなかったり、それで
も、伝熱効率が低い場合には伝熱表面積を増やす、すな
わち、伝熱管の数又は長さを増やさなければ要求される
熱伝導率を達し得ないことが多かった。また、吸収式冷
凍機において、臭化リチウムを吸収材とし、水を作動媒
体とする場合、吸収液は強アルカリ性であるが、構造及
び運転方法によっては、伝熱管に該吸収液がかかるた
め、親水性表面表面改質方法として高い耐アルカリ性を
要求されるものが有り、これに対する改善が課題であっ
た。
【0004】従って、本発明は、上記欠点に鑑み、特に
耐アルカリ性に優れた親水性の表面改質方法、表面改質
品、及び冷媒との接触する有効面積が大きな蒸発器用伝
熱管を備えた蒸発器及び蒸発器用伝熱管表面改質方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機金属
化合物と金属酸化物微粒子を含有する処理液を、非酸化
性雰囲気で所定温度に加熱処理すると、金属酸化物微粒
子の凝集体を含有したきわめて水濡れ性の高い多孔質で
耐アルカリ性に優れた材料を形成できることを見いだし
た。そこで、伝熱管などの表面が金属材料製の被処理物
の表面に、前記処理液(ここに、特に断らなければ、単
に処理液と言えば有機金属化合物と金属微粒子を含有す
る処理液を言うものとし、下地処理液については単に処
理液とは言わないものとする。)をコーティングし、非
酸化性雰囲気で、例えば250℃以上の温度に加熱す
る。これにより、前記被処理物の表面に多孔質の金属酸
化物層を形成することができ、前記被処理物の表面を高
い親水性を有するものに改質する事ができるのである。
尚、250℃以上、より好ましくは400℃以上、更に
好ましくは500℃以上の温度に加熱するのは、250
℃以下では、非酸化性雰囲気において反応が不充分であ
り、多孔質の金属酸化物の形成が十分でなく濡れ性が悪
くなる。更に、非酸化性雰囲気を作るガスとして、炭化
水素を不完全燃焼させて作った還元性の燃焼排ガス、他
の燃焼排ガスや窒素ガス等で酸素濃度が0.1%以下、
より好ましくは0.01%以下のものが使用できる。該
燃焼排ガスは安価で好ましい例である。非酸化性雰囲気
で熱処理することによりアルカリに弱い金属の酸化膜の
形成を低減することができ、特にアルカリに弱い銅の酸
化膜の形成を大幅に低減することができる。すなわち、
この多孔質の金属酸化物層は、表面に開口した多数の孔
部を有し、金属酸化物層の表面開口部から、付着した水
が表面張力によって浸透し、そのため水と金属酸化物層
との接触角が小さくなり、表面が水の薄層で大部分が濡
れることになるからである。そして、濡れ面積比率が大
きくなれば、金属酸化物層から水への伝熱面積が増大す
るため、水の蒸発量が増え、総括伝熱係数が高くなる。
また、金属酸化物層に付着する水の層が薄いことから、
金属酸化物層表面から水に熱が伝わりやすく、水も蒸発
しやすくなり、総括伝熱係数(W/m2℃)も高くな
る。
【0006】また、本発明者らは、有機金属化合物を含
有する下地処理液を、蒸発器用伝熱管表面にコーティン
グし、前記処理液により形成する金属酸化物層と被処理
物表面との間に介在させておけば、前記金属酸化物層と
前記被処理物表面との密着性を強固にできることも見い
だした。このようなコーティングをしておけば、前記金
属酸化物層を、例えば伝熱管のような熱衝撃を受けやす
い被処理物の表面の改質に用いたとしても、前記金属酸
化物層を剥離しにくい強固なものに形成できて、耐久性
の高い改質を行うことができるのである。また、吸収式
冷凍機において、強アルカリの吸収液がかかっても伝熱
管の材料である銅の溶解を防止又は低減することができ
る。そこで、有機金属化合物を含有する下地処理液を、
蒸発器用伝熱管表面にコーティングしたのち、前記金属
酸化物層を形成してもよく、このようにすることによ
り、前記金属酸化物槽の伝熱管表面に対する密着性が向
上し、かつ、コーティング後の加熱処理及び使用中の吸
収液による伝熱管の腐食等も抑制できるからである。
尚、ここで前記下地処理液を、コーティングしてから、
処理液を用いて金属酸化物層を形成するには、前記下地
処理液のコーティングを加熱処理することが好ましい。
尚、加熱処理の温度は各処理液に含まれる有機金属化合
物が縮重合して金属酸化物を生成する温度を適宜選択す
ればよい。尚、処理液を構成する金属酸化物微粒子は加
熱によってもそのまま化学反応をしないで、金属酸化物
微粒子の凝集体として多孔質金属酸化物層を構成するこ
ととなる。ここで、金属酸化物微粒子は、有機金属化合
物と複合的に凝集するために、有機金属化合物が金属酸
化物微粒子同士を密な部分と疎な部分に不均一に凝集さ
せるとともに、凝集した金属酸化物微粒子同士の間に空
隙を形成することになり、この状態を経由して形成され
る金属酸化物層は、前記空隙等が水の浸透濡れを許容す
る良好な多孔質構造になるのである。また、下地処理液
のコーティングを行わなくても、処理液のコーティング
を小さい膜厚で形成した後加熱処理し、更に処理液のコ
ーティングと加熱処理を行うことにより密着性の高い多
孔質の金属酸化物層を形成することができる。
【0007】前記処理液の有機金属化合物と金属酸化物
微粒子との含有比率が1:5〜5:1であってもよい。
前記処理液の有機金属化合物(金属酸化物換算)と金属
酸化物微粒子との含有比率が1:5〜5:1であれば、
得られる金属酸化物層が表面に開口した多孔質で濡れ性
の高いものとなり、しかも、被処理物との高い密着性も
確保でき、処理液を取り扱い容易な粘度のものにできる
ので好ましい。尚、さらには、1:2〜2:1であるこ
とがより望ましい。
【0008】有機金属化合物成分として、チタンのアル
コキシド又はジルコニウムのアルコキシド又はその混合
物が適用される。チタンのアルコキシドの例としては、
テトラエトキシチタン((C25O)4Ti)、テトライソ
プロポキシチタン((C37O)4Ti)、テトラ(n−ブ
トキシ)チタン((C49O)4Ti)、ジルコニウムのア
ルコキシドの例としては、テ トラエトキシジルコニウ
ム((C25O)4Zr)、テトライソプロポキシジルコニウ
ム((C37O)4Zr)、テトラ(n−ブトキシ)ジルコニ
ウム((C49O)4Zr)が挙げられる。これらから、耐ア
ルカリ性に優れた酸化チタン及び酸化ジルコニウムを合
成することができる。好ましい例としては、テトライソ
プロポキシチタン、テトラ(n−ブトキシ)ジルコニウ
ムが挙げられる。金属酸化物微粒子成分は、酸化ジルコ
ニウム (ZrO2)又は酸化チタン(TiO2)又はその
混合物である。必要に応じて酸化アルミニウムを配合し
てもよい。この場合、金属酸化物微粒子量の70%以下
であることが好ましい。より好ましくは50%以下であ
る。該金属酸化物の少なくとも一種の金属酸化物微粒子
を混合した状態で加熱処理を行うと多孔質で親水性の高
い金属酸化物層を形成できるのである。また、この種の
処理液あるいは下地処理液の溶媒若しくは分散媒として
は、メタノール・エタノール・プロパノール・ブタノー
ル等のアルコール類、酢酸エチル、エチレンオキシド、
エチレングリコール、トリエタノールアミン、キシレン
等の有機溶媒を用いることができ、有機金属化合物の溶
解度等にあわせて適宜選択すればよいが、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ールあるいはこれらの混合物が好適に用いられ、特にエ
タノールを主成分とするものを用いれば、沸点が低いた
めに施工時の乾燥速度がはやい、毒性が少ない等の面か
ら好ましい。尚、溶媒若しくは分散媒に水を含有させる
場合には、有機金属化合物を加水分解させる当量以下、
つまり、有機金属化合物を全て加水分解できる量を最大
限として、それ以下にすることが好ましく、具体的には
2/3当量以下とすることが好ましく、更に言えば、1
/3当量以下であることが好ましい。
【0009】前記処理液中に前記有機金属化合物成分が
金属酸化物換算で1重量%〜20重量%含まれているこ
とが好ましい。より好ましくは、3重量%〜10重量%
である。1重量%以下では、一回のコーティングで得ら
れる膜厚が小さすぎて数回のコーティングを必要とする
ので実用的ではなく、また、20重量%以上では粘度が
高くなり、膜厚が大きくなり過ぎ剥離しやすくなるので
好ましくない。また、処理液のポートライフが短くなっ
てしまい好ましくない。
【0010】具体的には、前記金属酸化物微粒子が直径
20Å以上1000Å以下であることが好ましい。とい
うのは、直径20Å以下では、金属酸化物層は、十分な
水の浸透濡れを起こすような多孔質構造にならない。ま
た1000Å以上では多孔質層ができるが膜の強度が小
さくなり、剥離しやすくなるからである。尚、更に望ま
しくは50Å〜500Åであることが好ましく、この範
囲のものが前記処理液に対する前記金属酸化物の分散性
や前記処理液自体の粘度の調整等に役立つからである。
【0011】また、処理液等のコーティングは必要に応
じて複数回行ない、所望の膜厚を得るようにしてもよ
い。複数回コーティングを繰り返す場合には、各コーテ
ィング工程の間に乾燥工程を設けることが好ましく、こ
の乾燥工程により、前記被覆層の密着性を向上させるこ
とができる。乾燥工程は、室温にて自然乾燥してもよい
し、温風、熱風による強制乾燥であってもよい。尚、処
理液等をディップコーティングする際には、その処理液
等の組成にも依存するが、15℃〜30℃の環境で行う
ことが好ましい。というのは、15℃以下では、コーテ
ィング作業後に水分が凝縮しやすく、その凝縮した水分
によりコーティング不良や強度低下を招来するような不
都合を生じやすくなり、また、30℃以上では、処理液
等の劣化がはやく、実用上の問題となりやすいためであ
り、上記環境が、このような水分の凝縮による不都合、
処理液の劣化等を回避する上で有効である。ただし、コ
ーティング方法は、前記ディップコーティングに限らな
い。
【0012】また、前記処理液や下地処理液には、縮重
合を促進するのための触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸、フッ化水素酸、アンモニア等の酸、アルカリを添
加することが好ましい。中でも酢酸、塩酸が好ましく、
例えば、塩酸の場合、有機金属化合物100gあたり
0.02g〜5g、酢酸の場合、有機金属化合物100
gあたり0.5g〜30gの範囲が好ましい。また同様
に、前記処理液や下地処理液には、安定剤としてアセト
酢酸エチル、アセチルアセトン等のキレート剤を配合し
てもよく、有機金属化合物としてジルコニウムのアルコ
キシドや、チタンのアルコキシドを採用する場合に特に
有効である。このような安定剤は、金属アルコキシド
(多種用いる場合は、その総和)1モルに対して0.0
5モルから2モル配合することが好ましい。
【0013】〔蒸発器及び冷却装置〕また、前記目的を
達成するための本発明の蒸発器及び冷却装置は、構成1
に記載の蒸発器用伝熱管表面処理方法により金属酸化物
層を形成してある伝熱管を備えたことにあり、上述の蒸
発器用伝熱管表面処理方法によって金属酸化物層を設け
た伝熱管を設けた蒸発器は、濡れ性がよく、水が蒸発し
やすくなって熱交換が効率よく行われるので、例えば冷
暖房に用いるような場合に、省エネルギー化、装置のコ
ンパクト化などを図ることができる。
【0014】蒸発器用伝熱管表面に多孔質の金属酸化物
層を形成してあれば好ましく、また、有機金属化合物を
含有する下地処理液を、蒸発器用伝熱管表面にコーティ
ングした後、前記金属酸化物層を形成してあってもよ
く、多孔質金属酸化物層が金属酸化物微粒子群を含んで
もよく、また、前記金属酸化物微粒子が、酸化チタン、
酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種以上の化
合物が用いられる。これらの構成により、上述の蒸発器
用伝熱管表面処理方法により得られる好ましい効果が有
効に発揮される伝熱管を得ることができる。
【0015】尚、多孔質の金属酸化物層の厚さとしては
0.1μm以上50μm以下であることが望ましく、さ
らには、1μm〜30μmであることがより好ましく、
さらには、2μm〜20μmであることがより好まし
い。というのは、薄いと冷媒の浸透による濡れ性が不十
分になりやすく、分厚いと熱伝導率の悪化を招来しやす
くかつ剥離しやすくなるからである。また、伝熱管の形
状は、特に限定されるものではなく、円形、矩形、扁平
矩形(プレートタイプ)のものが挙げられる。更に、表
面に機械加工等を施し、微細なフィンを設けた加工管で
あってもよく、この場合フィンと被覆層との相乗効果に
よって、高い性能を発揮する。
【0016】多孔質の前記金属酸化物層を形成した伝熱
管を水平保持したときの0.03mlの水が30秒後に
水平方向へ濡れ広がる濡れ幅が10mm以上のものであ
れば、濡れ性として優れた性能であると言え好ましく、
更に、この濡れ幅は、15mm以上であることが望まし
い。更に、20mm以上であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ここに説明する伝熱管1、8を備
えた吸収式冷凍機は、図2に示すように、吸収器2や蒸
発器3を備えて形成してあり、吸収器2及び蒸発器3の
内部には伝熱管1、8を備えるとともに、吸収器2にお
ける臭化リチウム溶液(以下単に吸収液と称する)4や
蒸発器3における冷媒5を前記伝熱管1の上部から散布
させる循環ポンプ6,7を備えて構成してある。前記伝
熱管1は、図1に示すように、下地処理液を、銅管1a
の表面にコーティングして下地処理層1bを形成したの
ち、処理液を、前記コーティングの上にコーティング
し、例えば、250℃以上の温度に加熱して、前記被処
理物の表面に多孔質の金属酸化物層1cを形成して表面
を改質してある。伝熱管1は外径16mm・内径14m
mである。また、伝熱管1は、26mm間隔で、長さ4
0cmのものを5段に積層し、伝熱管1の有効長さを1
000mmとしてあり、前記吸収液4や、冷媒液5を最
上段の伝熱管1上方10mmの位置から散布自在に構成
してある。
【0018】前記処理液、下地処理液としては、表1、
2に示す種々の組成のものを用い、伝熱管1を構成し
た。また、表3の条件でコーティングを行った。尚、そ
れぞれの表については、全て本文の最終段落に示す。
【0019】上述の種々の伝熱管に冷媒5を散布した状
態で、伝熱管の表面の濡れ性と、内部を流れる冷水の入
口及び出口での温度差を測定して、その値から伝熱管1
の伝熱性能(総括伝熱係数)を求める実験を行った。
尚、濡れ性は、定常運転状態での伝熱管総表面積に対す
る濡れ面積の割合であり、伝熱性能の計算の際、伝熱管
の表面積としては銅管の裸管表面積を用いた。その他実
験条件は下記の通りである。
【0020】 水の散布量 12g/m・s 蒸発器内圧力 6mmHg 冷水流通速度 1.5m/s 冷水出口温度 7℃ 冷却水入り口温度 32℃ 臭化リチウム溶液入口濃度 65重量%
【0021】更に、表4に蒸発器用伝熱管の評価方法を
示す。
【0022】その結果、総括伝熱係数が1800W/m
2℃以上(好ましくは1900W/m2℃以上、更に好ま
しくは2000W/m2℃以上で、濡れ性が60%以上
(好ましくは70%以上、 更に好ましくは85%以
上)の値を示す強固な組成の金属酸化物層を形成すれ
ば、実用に耐える性能のよい伝熱管を得ることが判っ
た。濡れ幅については10mm以上、好ましくは15m
m以上、更に好ましくは20mm以上である。耐吸収液
試験の膜の剥離量については2%以下、好ましくは1%
以下である。コーティング品の評価結果を表5に示す。
本発明の蒸発器用伝熱管は優れた性能を示すことが判っ
た。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸発器用伝熱管表面改質方法を適用し
た伝熱管の断面図
【図2】蒸発器の概略図
【符号の説明】
1 伝熱管 1a 冷水器 1b 下地処理層 1c 金属酸化物層 3 蒸発器 5 冷媒

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属化合物成分としてチタンのアル
    コキシド若しくはジルコニウムのアルコキシド又はその
    混合物と、金属酸化物微粒子成分として酸化ジルコニウ
    ム若しくは酸化チタン又はその混合物とを含有する処理
    液を、金属製の被処理物表面にコーティングし、非酸化
    性雰囲気で加熱して、前記被処理物表面に多孔質の金属
    酸化物層を形成する表面改質方法。
  2. 【請求項2】 前記被処理物が銅若しくは銅合金製であ
    る請求項1に記載の表面改質方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱する温度が250℃以上である
    請求項1〜2のいずれか1項に記載の表面改質方法。
  4. 【請求項4】 前記有機金属化合物成分を含有する下地
    処理液を、前記被処理物表面にコーティングした後、前
    記金属酸化物層を形成する請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の表面改質方法。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物微粒子成分に酸化アルミ
    ニウムを更に配合した請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の表面改質方法。
  6. 【請求項6】 前記処理液の有機金属化合物成分(金属
    酸化物換算)と前記金属酸化物微粒子成分との含有比率
    が1:5〜5:1である請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の表面改質方法。
  7. 【請求項7】 前記処理液中に前記有機金属化合物成分
    が金属酸化物換算で1重量%〜20重量%含まれている
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面改質方法。
  8. 【請求項8】 前記金属酸化物微粒子が直径20Å以上
    1000Å以下である請求項1〜7のいずれかに記載の
    表面改質方法。
  9. 【請求項9】 前記被処理物が蒸発器用伝熱管である請
    求項1〜8のいずれかに記載の表面改質方法。
  10. 【請求項10】 前記蒸発器用伝熱管が、吸収剤を臭化
    リチウムとし、作動媒体を水とする吸収式冷凍機の蒸発
    器用伝熱管である請求項9に記載の表面改質方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の表
    面処理方法により金属酸化物層を形成してある表面改質
    品。
  12. 【請求項12】 請求項9又は10に記載の表面処理方
    法により金属酸化物層を形成してある蒸発器用伝熱管。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の蒸発器用伝熱管を
    備えた吸収式冷凍機。
JP11133642A 1999-05-14 1999-05-14 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機 Pending JP2000320997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11133642A JP2000320997A (ja) 1999-05-14 1999-05-14 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11133642A JP2000320997A (ja) 1999-05-14 1999-05-14 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000320997A true JP2000320997A (ja) 2000-11-24

Family

ID=15109601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11133642A Pending JP2000320997A (ja) 1999-05-14 1999-05-14 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000320997A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008516187A (ja) * 2004-10-13 2008-05-15 ヨーク・インターナショナル・コーポレーション 落下フィルム蒸発器
CN101929821A (zh) * 2010-08-05 2010-12-29 西安交通大学 一种通孔金属泡沫多孔螺纹管
US20110023470A1 (en) * 2008-02-29 2011-02-03 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Evaporation unit for producing a gas including at least one reducing agent precursor and/or a reducing agent and device and motor vehicle having the evaporation unit
US20110041484A1 (en) * 2008-02-29 2011-02-24 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Evaporation unit for producing gaseous ammonia and device and motor vehicle having an evaporation unit
CN111682281A (zh) * 2019-08-07 2020-09-18 兰州理工大学 一种基于热管冷却的圆柱形锂电池单体及电池组

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008516187A (ja) * 2004-10-13 2008-05-15 ヨーク・インターナショナル・コーポレーション 落下フィルム蒸発器
US20110023470A1 (en) * 2008-02-29 2011-02-03 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Evaporation unit for producing a gas including at least one reducing agent precursor and/or a reducing agent and device and motor vehicle having the evaporation unit
US20110041484A1 (en) * 2008-02-29 2011-02-24 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Evaporation unit for producing gaseous ammonia and device and motor vehicle having an evaporation unit
US8281573B2 (en) * 2008-02-29 2012-10-09 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Evaporation unit for producing gaseous ammonia and device and motor vehicle having an evaporation unit
US8407990B2 (en) * 2008-02-29 2013-04-02 Emitec Gesellschaft Fuer Emissionstechnologie Mbh Evaporation unit for producing a gas including at least one reducing agent precursor and/or a reducing agent and device and motor vehicle having the evaporation unit
CN101929821A (zh) * 2010-08-05 2010-12-29 西安交通大学 一种通孔金属泡沫多孔螺纹管
CN111682281A (zh) * 2019-08-07 2020-09-18 兰州理工大学 一种基于热管冷却的圆柱形锂电池单体及电池组

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2119996B1 (en) Aluminum fin material for heat exchanger
WO2022100361A1 (zh) 涂料及其制备方法、换热器及换热器的处理方法
JP4808827B1 (ja) ガラス容器の内面処理方法及びガラス容器
CN101654348B (zh) 一种耐高温封孔剂的制备及封孔工艺
US3846182A (en) Method of forming a hydrophilic coating over an aluminum surface
US20220250921A1 (en) Heat exchanger and manufacturing method thereof
JP2000320997A (ja) 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機
JPH10185488A (ja) 蒸発器用伝熱管表面改質方法及び蒸発器及び冷却装置
JP4941119B2 (ja) ヒートパイプ
CN112175485A (zh) 超亲水涂料、换热器及换热器表面处理方法
US20230358488A1 (en) Heat exchanger, manufacturing method thereof and thermal management system
JP2001050688A (ja) 表面改質方法及び表面改質品及び蒸発器用伝熱管及び吸収式冷凍機
US20120308775A1 (en) Hydrophilic surfaces and process for preparing
JP2008039377A (ja) 撥水部と親水部を有する物品及びその製法
US7790246B2 (en) Ultra hydrophilic Ti-O-C based nano film and fabrication method thereof
JPH09113181A (ja) 熱交換器用アルミニウム部材及びその製造方法
JP2003001746A (ja) 親水性、撥水性を有する銅部材およびその製造方法、並びに伝熱管
JP2004035924A (ja) 熱交換器用アルミニウム及びその合金製フィン材及びその製造方法
WO2022110357A1 (zh) 散热装置的制作方法及散热装置
KR100836055B1 (ko) 초친수성 Ti-O-C 계 나노 박막 및 그 제조방법
JP3986270B2 (ja) セラミックス被覆銅又は銅合金材、その製造方法及びセラミックス被覆銅又は銅合金管
JPH05223481A (ja) 熱交換器用フィン材
JPH0445181A (ja) 撥水性コーティング用塗料及びその塗料を塗布した熱交換器
JPH1143777A (ja) 撥水性及び着霜防止性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法
TWI286494B (en) A fabrication method for air conditioner heat exchanger fins that have high heat transfer efficiency for long period of time