JP2000319933A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 旋回作業車におけるエンジンの冷却構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クローラ式走行装置上に軸受を介して旋回台を配置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を配置してボンネットにて被覆した構成の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造において、ボンネット内のラジエータの側部に排風板を配設し、ラジエータ側方に吐出される熱風を旋回作業車の後方側に案内するよう構成したことを特徴とする旋回作業車におけるエンジンの冷却構造。
【請求項2】 前記排風板は、平面視で断面略へ字状の案内板を複数有し、該案内板による吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造。
【請求項3】 前記排風板は、下部に延設する仕切板を有し、該仕切板を燃料タンクとマフラを遮蔽する位置に配置する構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回作業車におけるエンジンの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クローラ式走行装置上に旋回台を載置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を内装する構成の旋回作業車が公知となっている。そして、エンジンの後部に配設された冷却ファンによりラジエータ内を通過する水を冷却し、ラジエータを冷却した後の熱風は旋回台の側方に吐出されるよう構成していた。また、ラジエータは旋回台上にフレーム等を介して支持固定され、該ラジエータに冷却ファンのシュラウドを装着する構成としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術においては、ラジエータの支持構造がラジエータの側部に位置するため、旋回台を平面視で円弧状として小旋回を可能とした場合には、その支持部がスペースの制約となって、エンジンが前方に載置される構造となり、重心が前方に移動してダンプ能力の低下となるとともに、ステップの面積も小さくなっていたのである。また、旋回台(作業車)の側方に熱風を吐出す構成となっているため、旋回作業車の側方に位置する作業者に熱風が降りかかったり、また、側溝堀り作業等において側部の植込み等の植物に熱風が降りかかり、植物を枯らしてしまうといった問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上が本発明が解決しようとする課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
第1に、クローラ式走行装置上に軸受を介して旋回台を配置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を配置してボンネットにて被覆した構成の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造において、ボンネット内のラジエータの側部に排風板を配設し、ラジエータ側方に吐出される熱風を旋回作業車の後方側に案内するよう構成したものである。
【0006】
第2に、前記排風板は、平面視で断面略へ字状の案内板を複数有し、該案内板による吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成したものである。
【0007】
第3に、前記排風板は、下部に延設する仕切板を有し、該仕切板を燃料タンクとマフラを遮蔽する位置に配置する構成としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。
【0009】
図1は旋回作業車の全体図、図2は旋回台の内部を示す平面図、図3はエンジン支持構造を示す正面図、図4はエンジン及びラジエータ支持構造を示す側面図、図5はラジエータ及びシュラウドの支持構成を示す斜視図である。
【0010】
まず、旋回作業車の全体構成について説明する。
図1において、旋回作業車は、クローラ式走行装置1の上部中央に旋回台軸受7を配置し、該旋回台軸受7により旋回台8を左右旋回可能に軸受支持している。また、該クローラ式走行装置1の前後一端部(図1に示す実施例においては後部側)において、排土板10を上下回動自在に配設している。
【0011】
旋回台8の上方にはエンジン30、燃料タンク38等を被覆するボンネット9と運転席21が配設され、該ボンネット9と運転席21の上方にはキャノピー22が設けられている。旋回台8の前端部へ左右回動自在に取り付けられたブームブラケット12には、ブーム6の下端部が上下回動自在に枢支されている。該ブーム6の先端部はアーム5を枢支し、該アーム5の先端部は作業用アタッチメントであるバケット4を枢支している。これらのブーム6、アーム5、及び、バケット4等により作業機2が構成されている。そして、前記ブーム6はブームシリンダ23により上下回動され、アーム5はアームシリンダ25により上下回動され、バケット4はバケットシリンダ24により上下回動される。また、ブームブラケット12は旋回台8内に配設された図示せぬスイングシリンダにより左右回動可能としており、これにより作業機2は上下及び左右に回動させながら掘削作業を行えるよう構成している。
【0012】
旋回台8の上部には、右側に作動油タンクや燃料タンク38が載置されており、全体をボンネット9により被覆している。該ボンネット9は平面視半月状に構成されて旋回台8の後部上に配置され、中央付近には運転席21とキャノピー22が取り付けられており、運転席21の前部にステップを形成し、左右どちらからでも乗降可能なウォークスルー方式としている。また、ステップの前部には操作コラム13を立設して、作業機2の操作と、クローラ式走行装置1の操作を行う操作レバー等を配置している。
【0013】
次に、図2を用いて旋回台8及びボンネット9内の構造について説明する。
旋回台8の後部(図2における矢視Aを旋回台8の前方とする)にはエンジン30が載置されており、エンジン30の前方(図2における矢視Fをエンジン30の前方とする)にはラジエータ35とオイルクーラが配置されている。エンジン30の後方には、油圧ポンプ32が付設されており、該油圧ポンプ32の側方位置には、バッテリー37が配置されている。
【0014】
次に、エンジン30の支持構造について説明する。
前述の如くにエンジン30は旋回台8の後部位置に配置されており、図2に示すように、該エンジン30は配置方向を左右方向よりもやや前後方向に傾斜させて載置されており、エンジン30の後端側が円弧状の旋回台8の後端位置付近にくるようにして、できるだけ旋回台8の重心が後方に位置するように配設している。
【0015】
エンジン30には、その後端部において図示せぬフライホイールを内在するフライホイールケース31がエンジンのハウジングに一体的に固設され、該フライホイールケース31の後部には油圧ポンプ32が配設され、エンジン30の出力軸(クランク軸)が連結されて駆動できるようにしている。また、フライホイールケース31の側部にはスタータモータ33が配設され、該スタータモータ33の出力軸に固設したピニオンがフライホイールのギヤに噛合するとともに、エンジン30の側方に載置されたバッテリー37より電力供給を受けて回転駆動できるようにしている。
【0016】
そして、エンジン30は支持部40A・40B・40Cの3点で支持され、図2及び図3に示すように、支持部40Aはエンジン30の後部の左右中央下部、つまり、油圧ポンプ32の下部付近に配置され、支持部40B・40Cはそれぞれエンジン30の前方の左右下部位置、つまり、エンジン30のラジエータ35側の左右下部位置に配置されている。
【0017】
支持部40Aは、図2、図3及び図4に示すように、ブラケット31a・41及び防振ゴム42等より構成されている。図3に示すようにブラケット31aは側面視において略U字状に構成され、前記フライホイールケース31の後下部に固設されている。この取付部の下方の旋回台8の底板8a上にブラケット41が固設され、該ブラケット41は側面視逆U字状となるように構成されている。そして、該ブラケット41の上部に防振ゴム42が装着されており、該防振ゴム42は上取付板43と下取付板44の間に挟まれており、該上取付板43と下取付板44は側面視略U字状に構成して、略相似形に構成して略平行に配置している。そして、上取付板43の中央にプレート43aが横設され、該プレート43aがボルト等によって前記ブラケット31aの下部に固定される。また、前記下取付板44がボルト等によってブラケット41に固定される。そして、上取付板43と下取付板44の両側は逆ハ字状に斜め方向の面となり、その間の防振ゴム42・42によって、上下方向及び左右(図3における左右)方向の振動を低減するように支持している。
【0018】
一方、前記支持部40B・40Cは、図2、図4及び図5に示すように、エンジン支持フレーム45、ブラケット46、防振ゴム46a等より構成されている。エンジン支持フレーム45は、背面板45a、左右の側板45b・45b、及びウィング45c・45cが一体形成されている。背面板45aは左右方向に立設されたプレートでエンジン30の前部を支持し、該背面板45aの左右端から後方に向けて側板45b・45bが延設してエンジン30の側面を支持固定するとともに、上下方向に配設された側板45b・45bの側部にはそれぞれ外方に向けてウィング45c・45cが延設している。
【0019】
ウィング45c・45cは、図5に示すように、エンジン30の前方側において下方に屈曲しており、該ウィング45cの下部には、前記同様に上取付板46がボルト等により固設されている。該上取付板46はエンジン30の側面視において図に示すように逆U字状となるように配設されており、該上取付板46と下取付板46bの間には防振ゴム46aが装着されている。
【0020】
また、旋回台8上に立設されたフレーム92には、側面逆U字状の支持プレート47が立設されており、該支持プレート47の上面において前記防振ゴム46aの下面に固定された下取付板46bがボルト等で固設されている。また、エンジン支持プレート45のウィング45cの上部には、旋回台側で支持された上ストッパ部材48Uが配設されており、また、背面板45aの下部には旋回台8の底板8a上から立設した下ストッパ部材48Dが設けられている。
【0021】
このように、本実施例の旋回作業車においては、旋回台8内に載置されるエンジン30の重心から略均等に配置した支持部40A・40B・40Cの3点で支持する構成としているため、図2に示すように、支持部40Bが旋回台8の後端付近に配置され、エンジン30をできるだけ後方位置に配置して、旋回作業車の重量バランスを良好なものとしている。
【0022】
そして、エンジン30は前述したように支持部40A・40B・40Cにおいて、防振ゴム42・46a・46aを介して旋回台8の底面8a及びフレーム92に載置される構成としているため、作業中及び走行中に受ける振動を吸収してエンジン30の保護が行えるのである。また、前述の如く、エンジン30左右の支持部40B・40Cには、上下にストッパ部材48U・48Dが配設されているので、凹凸の多い作業場等において、大きな衝撃を受けた場合にエンジン30の上下運動を規制して、エンジン30及び周辺の部材に損傷を与えないよう構成している。
【0023】
次に、ラジエータ35の支持構造について説明する。
図2に示すように、エンジン30の前端部には該エンジン30の出力を得て回転駆動する冷却ファン34が配設されている。該冷却ファン34は周囲をシュラウド60により被装されており、該シュラウド60はエンジン30側を開口している。また、シュラウド60のエンジン30とは逆側においてラジエータ35が配設されている。このような構成において、エンジン30のシリンダ等の外側周囲に設けられたウォータージャケット内を通過して熱くなった水がラジエータ35内に導入され、ラジエータ35内に形成されたフィンと冷却ファン34の送風効果により冷却されて、再びエンジン30に供給して循環させてエンジン30の冷却を行っている。
【0024】
そして、図2、図4に示すように、前記エンジン30の前端左右下部付近には左右のラジエータ支持プレート61・61が配設されている。ラジエータ支持プレート61・61は図示せぬ旋回台8上のフレーム等に支持されて、エンジン支持フレーム45の上部位置付近から前方(矢視F方向)に延設している。そして、前記ラジエータ支持プレート61・61の上面にはそれぞれ支持フレーム36を立設し、図5に示すように、2本の支持フレーム36・36の間に前記冷却ファン34のシュラウド60が配置されるように構成している。
【0025】
そして、図5に示すように、支持フレーム36・36は断面略L字状のプレートで、その中途部においてそれぞれ2つのピン穴36a・36aが設けられ、同様にシュラウド60の両側部にもピン穴60a・60aが設けられている。そして、シュラウド60と該シュラウド60を左右から挟持する支持フレーム36・36間に弾性体(防振ゴム)63・63・・・を介在させて、該弾性体63の両端に突出したピンをそれぞれ前記ピン穴36a・60a間に挿入し、ボルト等で固定するよう構成している。つまり、左右の支持フレーム36・36により弾性体63を介してシュラウド60を支持するように構成しているのである。
【0026】
そして、前記シュラウド60の前方にラジエータ35を取付ステー、ボルト等により固設するよう構成している。つまり、ラジエータ支持構造は、ラジエータ35を直接支持するのではなく、ラジエータ35の後部に配置されるシュラウド60をフレーム等を介して旋回台8上に支持固定し、該シュラウド60にラジエータ35を取付ける構成としているのである。
【0027】
このように構成としたことにより、ラジエータ35(実際にはシュラウド60)を支持する前記支持プレート36が、ラジエータ35の左右位置ではなく、シュラウド60の左右位置に配置されることになる。これにより、図2に示したように、ラジエータ35を、旋回台8の後端位置付近に配置することが可能となるため、エンジン30の配設位置が従来よりもさらに旋回台8上で後方(矢視Aとは逆方向)とすることが可能となり重量バランスに優れた構造となるのである。
【0028】
また、本実施例においてはラジエータ35はオールアルミラジエータを採用している。これにより、ラジエータ35の重量を大幅に小さくすることが可能となるとともに、コンパクトな構成をとることが可能となっている。そして、オールアルミラジエータを採用している場合には、構造上の強度は従来と同等以上であるが、本実施例においては、ラジエータ35の支持構造をラジエータ35ではなく、前記シュラウド60に設けるよう構成しているため、ラジエータ35がその支持構造から大きな力を受けることがなく、強度上さらに安定した構成となり、耐久性において優れた効果を発揮するのである。
【0029】
即ち、冷却ファンのシュラウドを旋回台上に支持固定するとともに、該シュラウドにラジエータを装着する構成としたので、ラジエータが支持構造から強い力を受けることがなく、ラジエータの保護が充分に行える構成となった。また、ラジエータの前後位置に支持構造を構成する部材が必要でなくなり、ラジエータの位置を旋回台上更に後方に配置させることが可能となり、全体としてエンジンを従来構成より更に後方に配置することができ、重量バランスが向上した。
【0030】
また、ラジエータ支持プレートを旋回台上に支持固定するとともに、該ラジエータ支持プレート上に立設された2本の支持フレームにより弾性体を介して前記シュラウドを支持する構成としたので、走行中及び作業中の衝撃を吸収して、シュラウド及びラジエータの保護が充分に可能となった。
【0031】
次に、ラジエータ35前方に設けられた排風板65の構成について説明する。
前述したようにエンジン30を冷却して熱くなった水はラジエータ35において冷却されるが、この際、冷却ファン34により送風された空気がラジエータ35において熱を吸収して、熱風となってエンジン30の前方(矢視F方向)に吹き出すこととなる。そして従来の構成においては、この熱風を旋回台8の側方にそのまま吐出す構成としていたため、作業側方に位置する作業者に熱風が降りかかったり、また、側溝堀りの作業等において側部の植込み等の植物を枯れさせてしまうという問題があった。
【0032】
そこで、この熱風を作業車後方側に吐出すよう構成している。図2及び図4に示すように、前記ラジエータ35の前方には排風板65で仕切られた排風室66が形成されている。排風板65は前面板65a、底板65b、案内板65c等により構成されている。前面板65aは、図2に示すように、平面視において旋回台8の中心から斜め後方に向かうよう形成されており、ラジエータ35から側方に吐出された熱風が作業車の側方に吐出されないよう規制するもので、底板65bは、図4に示すように、排風室66の下部に位置する燃料タンク38等へ熱風がかかるのを防止している。また、複数設けられた平面断面視で略へ字状の案内板65cが、作業車側方に吐出された熱風を作業車後方側へ案内するよう構成している。つまり、案内板65c・65c・・・は旋回台8の上下方向に配置し、前側は冷却ファン軸心と平行に、後側は前後方向となるようにして複数略平行に配設しており、該案内板65c・65c・・・の間隙によりエンジン熱風の吐出口を形成し、この吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成しているのである。
【0033】
以上の構成により、エンジン30を冷却した後、温度上昇したラジエータ35の熱は、冷却ファン34により冷却されるとともに、その熱風が図2における矢視W方向に案内され、作業車後方側に排出させることが可能となった。また、図4に示すように、前記排風板65の底板65bの下部には仕切板65dが装着されている。この仕切板65dによりエンジン30及びマフラ62側の熱が、排風室66の下部付近に位置する燃料タンク38等に伝わるのを防止しているのである。
【0034】
また、上記構成としたことにより、排風板65(65a・65b・65c・65d)を一体として取り除けば、マフラ62等を脱着することが可能となるため、メンテナンス性にも優れており、従来のように、エンジン30の取付構造を分解することなく簡単な作業でメンテナンスを可能としている。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏するものである。
【0036】
クローラ式走行装置上に軸受を介して旋回台を配置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を配置してボンネットにて被覆した構成の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造において、ボンネット内のラジエータの側部に排風板を配設し、ラジエータ側方に吐出される熱風を旋回作業車の後方側に案内するよう構成したので、作業車側部に位置する作業者に熱風が降りかかるのを防止することができた。また、側溝作業等において側部に位置する植込み等の植物に熱風を当てて枯れさせてしまう問題も解消できた。
【0037】
また、前記排風板は、平面視で断面略へ字状の案内板を複数有し、該案内板による吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成したので、エンジン側方に吐出される熱風が、確実に作業者後方側に送ることが可能となった。
【0038】
また、前記排風板は、下部に延設する仕切板を有し、該仕切板を燃料タンクとマフラを遮蔽する位置に配置する構成としたので、エンジン等の発熱から、燃料タンクの保護が可能となり、さらに安全性が向上した。また、排風板を一体として脱着することにより、マフラのメンテナンスが容易に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】
旋回作業車の全体図である。
【図2】
旋回台の内部を示す平面図である。
【図3】
エンジン支持構造を示す正面図である。
【図4】
エンジン及びラジエータ支持構造を示す側面図である。
【図5】
ラジエータ及びシュラウドの支持構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
8 旋回台
30 エンジン
34 冷却ファン
35 ラジエータ
36 支持フレーム
40 支持部
45 エンジン支持フレーム
60 シュラウド
61 ラジエータ支持プレート
63 弾性体
65 排風板
66 排風室
【発明の名称】 旋回作業車におけるエンジンの冷却構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クローラ式走行装置上に軸受を介して旋回台を配置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を配置してボンネットにて被覆した構成の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造において、ボンネット内のラジエータの側部に排風板を配設し、ラジエータ側方に吐出される熱風を旋回作業車の後方側に案内するよう構成したことを特徴とする旋回作業車におけるエンジンの冷却構造。
【請求項2】 前記排風板は、平面視で断面略へ字状の案内板を複数有し、該案内板による吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造。
【請求項3】 前記排風板は、下部に延設する仕切板を有し、該仕切板を燃料タンクとマフラを遮蔽する位置に配置する構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回作業車におけるエンジンの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、クローラ式走行装置上に旋回台を載置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を内装する構成の旋回作業車が公知となっている。そして、エンジンの後部に配設された冷却ファンによりラジエータ内を通過する水を冷却し、ラジエータを冷却した後の熱風は旋回台の側方に吐出されるよう構成していた。また、ラジエータは旋回台上にフレーム等を介して支持固定され、該ラジエータに冷却ファンのシュラウドを装着する構成としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術においては、ラジエータの支持構造がラジエータの側部に位置するため、旋回台を平面視で円弧状として小旋回を可能とした場合には、その支持部がスペースの制約となって、エンジンが前方に載置される構造となり、重心が前方に移動してダンプ能力の低下となるとともに、ステップの面積も小さくなっていたのである。また、旋回台(作業車)の側方に熱風を吐出す構成となっているため、旋回作業車の側方に位置する作業者に熱風が降りかかったり、また、側溝堀り作業等において側部の植込み等の植物に熱風が降りかかり、植物を枯らしてしまうといった問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
以上が本発明が解決しようとする課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
第1に、クローラ式走行装置上に軸受を介して旋回台を配置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を配置してボンネットにて被覆した構成の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造において、ボンネット内のラジエータの側部に排風板を配設し、ラジエータ側方に吐出される熱風を旋回作業車の後方側に案内するよう構成したものである。
【0006】
第2に、前記排風板は、平面視で断面略へ字状の案内板を複数有し、該案内板による吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成したものである。
【0007】
第3に、前記排風板は、下部に延設する仕切板を有し、該仕切板を燃料タンクとマフラを遮蔽する位置に配置する構成としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。
【0009】
図1は旋回作業車の全体図、図2は旋回台の内部を示す平面図、図3はエンジン支持構造を示す正面図、図4はエンジン及びラジエータ支持構造を示す側面図、図5はラジエータ及びシュラウドの支持構成を示す斜視図である。
【0010】
まず、旋回作業車の全体構成について説明する。
図1において、旋回作業車は、クローラ式走行装置1の上部中央に旋回台軸受7を配置し、該旋回台軸受7により旋回台8を左右旋回可能に軸受支持している。また、該クローラ式走行装置1の前後一端部(図1に示す実施例においては後部側)において、排土板10を上下回動自在に配設している。
【0011】
旋回台8の上方にはエンジン30、燃料タンク38等を被覆するボンネット9と運転席21が配設され、該ボンネット9と運転席21の上方にはキャノピー22が設けられている。旋回台8の前端部へ左右回動自在に取り付けられたブームブラケット12には、ブーム6の下端部が上下回動自在に枢支されている。該ブーム6の先端部はアーム5を枢支し、該アーム5の先端部は作業用アタッチメントであるバケット4を枢支している。これらのブーム6、アーム5、及び、バケット4等により作業機2が構成されている。そして、前記ブーム6はブームシリンダ23により上下回動され、アーム5はアームシリンダ25により上下回動され、バケット4はバケットシリンダ24により上下回動される。また、ブームブラケット12は旋回台8内に配設された図示せぬスイングシリンダにより左右回動可能としており、これにより作業機2は上下及び左右に回動させながら掘削作業を行えるよう構成している。
【0012】
旋回台8の上部には、右側に作動油タンクや燃料タンク38が載置されており、全体をボンネット9により被覆している。該ボンネット9は平面視半月状に構成されて旋回台8の後部上に配置され、中央付近には運転席21とキャノピー22が取り付けられており、運転席21の前部にステップを形成し、左右どちらからでも乗降可能なウォークスルー方式としている。また、ステップの前部には操作コラム13を立設して、作業機2の操作と、クローラ式走行装置1の操作を行う操作レバー等を配置している。
【0013】
次に、図2を用いて旋回台8及びボンネット9内の構造について説明する。
旋回台8の後部(図2における矢視Aを旋回台8の前方とする)にはエンジン30が載置されており、エンジン30の前方(図2における矢視Fをエンジン30の前方とする)にはラジエータ35とオイルクーラが配置されている。エンジン30の後方には、油圧ポンプ32が付設されており、該油圧ポンプ32の側方位置には、バッテリー37が配置されている。
【0014】
次に、エンジン30の支持構造について説明する。
前述の如くにエンジン30は旋回台8の後部位置に配置されており、図2に示すように、該エンジン30は配置方向を左右方向よりもやや前後方向に傾斜させて載置されており、エンジン30の後端側が円弧状の旋回台8の後端位置付近にくるようにして、できるだけ旋回台8の重心が後方に位置するように配設している。
【0015】
エンジン30には、その後端部において図示せぬフライホイールを内在するフライホイールケース31がエンジンのハウジングに一体的に固設され、該フライホイールケース31の後部には油圧ポンプ32が配設され、エンジン30の出力軸(クランク軸)が連結されて駆動できるようにしている。また、フライホイールケース31の側部にはスタータモータ33が配設され、該スタータモータ33の出力軸に固設したピニオンがフライホイールのギヤに噛合するとともに、エンジン30の側方に載置されたバッテリー37より電力供給を受けて回転駆動できるようにしている。
【0016】
そして、エンジン30は支持部40A・40B・40Cの3点で支持され、図2及び図3に示すように、支持部40Aはエンジン30の後部の左右中央下部、つまり、油圧ポンプ32の下部付近に配置され、支持部40B・40Cはそれぞれエンジン30の前方の左右下部位置、つまり、エンジン30のラジエータ35側の左右下部位置に配置されている。
【0017】
支持部40Aは、図2、図3及び図4に示すように、ブラケット31a・41及び防振ゴム42等より構成されている。図3に示すようにブラケット31aは側面視において略U字状に構成され、前記フライホイールケース31の後下部に固設されている。この取付部の下方の旋回台8の底板8a上にブラケット41が固設され、該ブラケット41は側面視逆U字状となるように構成されている。そして、該ブラケット41の上部に防振ゴム42が装着されており、該防振ゴム42は上取付板43と下取付板44の間に挟まれており、該上取付板43と下取付板44は側面視略U字状に構成して、略相似形に構成して略平行に配置している。そして、上取付板43の中央にプレート43aが横設され、該プレート43aがボルト等によって前記ブラケット31aの下部に固定される。また、前記下取付板44がボルト等によってブラケット41に固定される。そして、上取付板43と下取付板44の両側は逆ハ字状に斜め方向の面となり、その間の防振ゴム42・42によって、上下方向及び左右(図3における左右)方向の振動を低減するように支持している。
【0018】
一方、前記支持部40B・40Cは、図2、図4及び図5に示すように、エンジン支持フレーム45、ブラケット46、防振ゴム46a等より構成されている。エンジン支持フレーム45は、背面板45a、左右の側板45b・45b、及びウィング45c・45cが一体形成されている。背面板45aは左右方向に立設されたプレートでエンジン30の前部を支持し、該背面板45aの左右端から後方に向けて側板45b・45bが延設してエンジン30の側面を支持固定するとともに、上下方向に配設された側板45b・45bの側部にはそれぞれ外方に向けてウィング45c・45cが延設している。
【0019】
ウィング45c・45cは、図5に示すように、エンジン30の前方側において下方に屈曲しており、該ウィング45cの下部には、前記同様に上取付板46がボルト等により固設されている。該上取付板46はエンジン30の側面視において図に示すように逆U字状となるように配設されており、該上取付板46と下取付板46bの間には防振ゴム46aが装着されている。
【0020】
また、旋回台8上に立設されたフレーム92には、側面逆U字状の支持プレート47が立設されており、該支持プレート47の上面において前記防振ゴム46aの下面に固定された下取付板46bがボルト等で固設されている。また、エンジン支持プレート45のウィング45cの上部には、旋回台側で支持された上ストッパ部材48Uが配設されており、また、背面板45aの下部には旋回台8の底板8a上から立設した下ストッパ部材48Dが設けられている。
【0021】
このように、本実施例の旋回作業車においては、旋回台8内に載置されるエンジン30の重心から略均等に配置した支持部40A・40B・40Cの3点で支持する構成としているため、図2に示すように、支持部40Bが旋回台8の後端付近に配置され、エンジン30をできるだけ後方位置に配置して、旋回作業車の重量バランスを良好なものとしている。
【0022】
そして、エンジン30は前述したように支持部40A・40B・40Cにおいて、防振ゴム42・46a・46aを介して旋回台8の底面8a及びフレーム92に載置される構成としているため、作業中及び走行中に受ける振動を吸収してエンジン30の保護が行えるのである。また、前述の如く、エンジン30左右の支持部40B・40Cには、上下にストッパ部材48U・48Dが配設されているので、凹凸の多い作業場等において、大きな衝撃を受けた場合にエンジン30の上下運動を規制して、エンジン30及び周辺の部材に損傷を与えないよう構成している。
【0023】
次に、ラジエータ35の支持構造について説明する。
図2に示すように、エンジン30の前端部には該エンジン30の出力を得て回転駆動する冷却ファン34が配設されている。該冷却ファン34は周囲をシュラウド60により被装されており、該シュラウド60はエンジン30側を開口している。また、シュラウド60のエンジン30とは逆側においてラジエータ35が配設されている。このような構成において、エンジン30のシリンダ等の外側周囲に設けられたウォータージャケット内を通過して熱くなった水がラジエータ35内に導入され、ラジエータ35内に形成されたフィンと冷却ファン34の送風効果により冷却されて、再びエンジン30に供給して循環させてエンジン30の冷却を行っている。
【0024】
そして、図2、図4に示すように、前記エンジン30の前端左右下部付近には左右のラジエータ支持プレート61・61が配設されている。ラジエータ支持プレート61・61は図示せぬ旋回台8上のフレーム等に支持されて、エンジン支持フレーム45の上部位置付近から前方(矢視F方向)に延設している。そして、前記ラジエータ支持プレート61・61の上面にはそれぞれ支持フレーム36を立設し、図5に示すように、2本の支持フレーム36・36の間に前記冷却ファン34のシュラウド60が配置されるように構成している。
【0025】
そして、図5に示すように、支持フレーム36・36は断面略L字状のプレートで、その中途部においてそれぞれ2つのピン穴36a・36aが設けられ、同様にシュラウド60の両側部にもピン穴60a・60aが設けられている。そして、シュラウド60と該シュラウド60を左右から挟持する支持フレーム36・36間に弾性体(防振ゴム)63・63・・・を介在させて、該弾性体63の両端に突出したピンをそれぞれ前記ピン穴36a・60a間に挿入し、ボルト等で固定するよう構成している。つまり、左右の支持フレーム36・36により弾性体63を介してシュラウド60を支持するように構成しているのである。
【0026】
そして、前記シュラウド60の前方にラジエータ35を取付ステー、ボルト等により固設するよう構成している。つまり、ラジエータ支持構造は、ラジエータ35を直接支持するのではなく、ラジエータ35の後部に配置されるシュラウド60をフレーム等を介して旋回台8上に支持固定し、該シュラウド60にラジエータ35を取付ける構成としているのである。
【0027】
このように構成としたことにより、ラジエータ35(実際にはシュラウド60)を支持する前記支持プレート36が、ラジエータ35の左右位置ではなく、シュラウド60の左右位置に配置されることになる。これにより、図2に示したように、ラジエータ35を、旋回台8の後端位置付近に配置することが可能となるため、エンジン30の配設位置が従来よりもさらに旋回台8上で後方(矢視Aとは逆方向)とすることが可能となり重量バランスに優れた構造となるのである。
【0028】
また、本実施例においてはラジエータ35はオールアルミラジエータを採用している。これにより、ラジエータ35の重量を大幅に小さくすることが可能となるとともに、コンパクトな構成をとることが可能となっている。そして、オールアルミラジエータを採用している場合には、構造上の強度は従来と同等以上であるが、本実施例においては、ラジエータ35の支持構造をラジエータ35ではなく、前記シュラウド60に設けるよう構成しているため、ラジエータ35がその支持構造から大きな力を受けることがなく、強度上さらに安定した構成となり、耐久性において優れた効果を発揮するのである。
【0029】
即ち、冷却ファンのシュラウドを旋回台上に支持固定するとともに、該シュラウドにラジエータを装着する構成としたので、ラジエータが支持構造から強い力を受けることがなく、ラジエータの保護が充分に行える構成となった。また、ラジエータの前後位置に支持構造を構成する部材が必要でなくなり、ラジエータの位置を旋回台上更に後方に配置させることが可能となり、全体としてエンジンを従来構成より更に後方に配置することができ、重量バランスが向上した。
【0030】
また、ラジエータ支持プレートを旋回台上に支持固定するとともに、該ラジエータ支持プレート上に立設された2本の支持フレームにより弾性体を介して前記シュラウドを支持する構成としたので、走行中及び作業中の衝撃を吸収して、シュラウド及びラジエータの保護が充分に可能となった。
【0031】
次に、ラジエータ35前方に設けられた排風板65の構成について説明する。
前述したようにエンジン30を冷却して熱くなった水はラジエータ35において冷却されるが、この際、冷却ファン34により送風された空気がラジエータ35において熱を吸収して、熱風となってエンジン30の前方(矢視F方向)に吹き出すこととなる。そして従来の構成においては、この熱風を旋回台8の側方にそのまま吐出す構成としていたため、作業側方に位置する作業者に熱風が降りかかったり、また、側溝堀りの作業等において側部の植込み等の植物を枯れさせてしまうという問題があった。
【0032】
そこで、この熱風を作業車後方側に吐出すよう構成している。図2及び図4に示すように、前記ラジエータ35の前方には排風板65で仕切られた排風室66が形成されている。排風板65は前面板65a、底板65b、案内板65c等により構成されている。前面板65aは、図2に示すように、平面視において旋回台8の中心から斜め後方に向かうよう形成されており、ラジエータ35から側方に吐出された熱風が作業車の側方に吐出されないよう規制するもので、底板65bは、図4に示すように、排風室66の下部に位置する燃料タンク38等へ熱風がかかるのを防止している。また、複数設けられた平面断面視で略へ字状の案内板65cが、作業車側方に吐出された熱風を作業車後方側へ案内するよう構成している。つまり、案内板65c・65c・・・は旋回台8の上下方向に配置し、前側は冷却ファン軸心と平行に、後側は前後方向となるようにして複数略平行に配設しており、該案内板65c・65c・・・の間隙によりエンジン熱風の吐出口を形成し、この吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成しているのである。
【0033】
以上の構成により、エンジン30を冷却した後、温度上昇したラジエータ35の熱は、冷却ファン34により冷却されるとともに、その熱風が図2における矢視W方向に案内され、作業車後方側に排出させることが可能となった。また、図4に示すように、前記排風板65の底板65bの下部には仕切板65dが装着されている。この仕切板65dによりエンジン30及びマフラ62側の熱が、排風室66の下部付近に位置する燃料タンク38等に伝わるのを防止しているのである。
【0034】
また、上記構成としたことにより、排風板65(65a・65b・65c・65d)を一体として取り除けば、マフラ62等を脱着することが可能となるため、メンテナンス性にも優れており、従来のように、エンジン30の取付構造を分解することなく簡単な作業でメンテナンスを可能としている。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏するものである。
【0036】
クローラ式走行装置上に軸受を介して旋回台を配置し、該旋回台にエンジン、バッテリー、燃料タンク、ラジエータ等を配置してボンネットにて被覆した構成の旋回作業車におけるエンジンの冷却構造において、ボンネット内のラジエータの側部に排風板を配設し、ラジエータ側方に吐出される熱風を旋回作業車の後方側に案内するよう構成したので、作業車側部に位置する作業者に熱風が降りかかるのを防止することができた。また、側溝作業等において側部に位置する植込み等の植物に熱風を当てて枯れさせてしまう問題も解消できた。
【0037】
また、前記排風板は、平面視で断面略へ字状の案内板を複数有し、該案内板による吐出口が旋回作業車の後方側に開口するよう構成したので、エンジン側方に吐出される熱風が、確実に作業者後方側に送ることが可能となった。
【0038】
また、前記排風板は、下部に延設する仕切板を有し、該仕切板を燃料タンクとマフラを遮蔽する位置に配置する構成としたので、エンジン等の発熱から、燃料タンクの保護が可能となり、さらに安全性が向上した。また、排風板を一体として脱着することにより、マフラのメンテナンスが容易に行えるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】
旋回作業車の全体図である。
【図2】
旋回台の内部を示す平面図である。
【図3】
エンジン支持構造を示す正面図である。
【図4】
エンジン及びラジエータ支持構造を示す側面図である。
【図5】
ラジエータ及びシュラウドの支持構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
8 旋回台
30 エンジン
34 冷却ファン
35 ラジエータ
36 支持フレーム
40 支持部
45 エンジン支持フレーム
60 シュラウド
61 ラジエータ支持プレート
63 弾性体
65 排風板
66 排風室
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