JP2000319168A - 局所麻酔用テープ剤 - Google Patents

局所麻酔用テープ剤

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JP2000319168A
JP2000319168A JP11131635A JP13163599A JP2000319168A JP 2000319168 A JP2000319168 A JP 2000319168A JP 11131635 A JP11131635 A JP 11131635A JP 13163599 A JP13163599 A JP 13163599A JP 2000319168 A JP2000319168 A JP 2000319168A
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local anesthetic
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tape preparation
local
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JP11131635A
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English (en)
Inventor
Katsunori Nakagawa
勝憲 中川
Takeshi Ishida
猛 石田
Mitsuhiro Sato
光洋 佐藤
Hiromi Koga
裕美 古賀
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Yutoku Pharmaceutical Industries Co Ltd
Original Assignee
Yutoku Pharmaceutical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】局所麻酔剤を不必要に多い量使用することによ
るコストの増大や皮膚安全性の問題、流通段階での薬物
結晶析出による経皮吸収性の低下、あるいは製造効率の
低下といった問題を解決し、かつ、少なくとも貼付の際
に自重により折れ曲がるなどして膏体同士が接着しない
程度の剛性を有することにより、取扱い性を向上させた
局所麻酔用テープ剤を提供する。また、支持体の色を例
えば白色等の目立ちやすい色にすることで、医療現場に
おいて製剤の貼付及び剥離の有無が容易に確認できる。 【解決手段】支持体上に局所麻酔剤5〜30重量%、ゴ
ム系粘着剤10〜50重量%、粘着付与剤10〜50重
量%、流動パラフィン10〜50重量%を主な成分とし
て含有した膏体を担持させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】皮膚表面における注射や水痘
を除去する等の処置の際に、あるいは静脈留置針穿刺
時、硬膜または腰椎または関節穿刺時、皮膚小手術前の
局所麻酔に利用可能で、処置時の疼痛緩和を目的とした
局所麻酔剤を含有するテープ剤であり、特に従来よりも
低い薬物含有量において経皮吸収性に優れ、かつ取扱い
性に優れ、副作用の少ない局所麻酔用テープ剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、リドカインに代表されるようなア
ミド型局所麻酔剤を含有する皮膚あるいは粘膜に適用す
るための外用製剤が種々検討されており、軟膏剤や液剤
が提案されている。
【0003】これらは主として表面麻酔のために使用さ
れているが、アミド型局所麻酔剤の皮膚透過性が低いた
め、十分な薬効を得ることが困難であり、静脈留置針穿
刺時、硬膜または腰椎または関節穿刺時、皮膚小手術前
の局所麻酔等に対しては満足な効果を得るには至ってい
なかった。また、軟膏剤や液剤では、投与の際に手指を
汚したり、投与後に衣服を汚す等の欠点があり、またそ
の結果、投与部位以外の皮膚あるいは粘膜に付着した薬
物が、その部分の感覚を麻痺させてしまう等の不都合が
起きることもあった。
【0004】また、特開昭60−16916号、特開昭
60−185713号、特開昭63−93714号、特
開平4−208229号、特開平6−145051号等
には、基剤中の薬物濃度を高くし、薬物の結晶を析出さ
せた経皮吸収貼付剤や、基剤に対する飽和溶解度を超え
て薬物を過飽和状態で存在させた経皮吸収貼付剤が開示
されている。
【0005】しかし、過飽和状態に薬物が存在するよう
な基剤においては、製品の流通段階において薬物結晶が
析出し、薬物の経皮吸収性が低下するという問題があっ
た。
【0006】また、薬物結晶を析出させた経皮吸収貼付
剤では、過飽和濃度以上に薬物を含ませる必要があり、
1製剤あたりの薬物量が多くなり、コストが増大すると
いう問題があった。特に特開平4−208229号及び
特開平6−145051号では、感圧接着性高分子系重
合体(具体的にはアクリル系感圧粘着剤)に対する経皮
吸収性薬物の含有量が40重量%以下では局所麻酔剤に
期待される短時間での局所麻酔効果発現を達成すること
が困難であるとし、薬物含有量40〜65重量%に設定
した製剤が開示されている。また、特開平11−496
70号公報には以下のことが記載されている。
【0007】「最近、貼付用局所麻酔剤として、リドカ
インを60重量%含有するリドカインテープ剤が市販さ
れるに至っている。このリドカインテープ剤は、アクリ
ル系感圧接着剤にリドカインを過飽和に含有させること
により、リドカインの皮膚透過性を確保しており、30
分間の貼付により、静脈留置穿刺時の疼痛緩和が認めら
れるとされている。しかし、臨床の場において、この種
の薬剤は、無痛状態が確実に達成されてはじめて効果が
あると判断されるため、従来のリドカインテープ剤の臨
床現場での使用法としては、患部へ90〜120分間程
度は貼付する必要があるといわれている(臨床麻酔−V
ol.20(2),p.195(1996))。したが
って従来のリドカインテープ剤は投薬管理や患者のコン
プライアンス上の問題があった。」
【0008】なお、過飽和濃度レベルに達した後に徐々
に薬物結晶を析出させておく経皮吸収貼付剤では、その
析出に要する時間のため製造効率が著しく低下してしま
うという問題があった。また、高濃度の薬物含有および
結晶の存在は粘着力の低下につながり、しかも、高濃度
の薬物適用は、皮膚安全性の面からも望ましくないもの
であった。
【0009】特開平7−126157号、特開平7−2
15850号あるいは特開平11−49670には、吸
収促進剤としてミリスチン酸イソプロピル、パルミチン
酸イソプロピル、クロタミトンやN−メチル−2−ピロ
リドンといったものを配合することで、薬物の皮膚透過
性を高めるといった技術が開示されている。しかし、こ
れらの吸収促進剤の配合は、一般に薬物の皮膚透過性を
高める一方で、皮膚への刺激性・安全性が問題となって
いる。
【0010】特開平7−233054号には、ゴム系感
圧粘着剤が皮膚から脂質成分を抽出するために、この脂
質成分が上記感圧粘着剤基剤中に移行し、これに麻酔薬
が溶解して溶解速度が上昇する結果、麻酔薬の皮膚透過
性が高まって十分に高い薬効が速やかに得られるとして
いる。しかし、微量の皮内脂質成分がこのような効果を
もたらすとは言い難い。また、ヒトの皮膚には個人差が
あり、そのためヒトによって、あるいは貼付部位によっ
て皮膚の脂質成分の感圧粘着剤基剤中への移行性が異な
り、その結果麻酔薬の皮膚透過性が大きく変化するとい
う問題があった。さらには、皮膚中の脂質成分が上記感
圧粘着剤基剤中へ移行し、麻酔薬の皮膚透過性が高まる
までに時間がかかるため、麻酔作用の速効性が不十分で
あった。
【0011】なお、当該公報には基剤として、場合によ
り本発明の膏体の成分構成に含まれるところの粘着付与
剤や流動パラフィンを含ませることができる旨の記載が
あるものの、実施例もなく、流動パラフィンが使用され
たときに発現する優れた局所麻酔効果を示唆する記載は
全くなかった。さらに、その実施例から得られる製剤
は、その組成から粘着性は全く無く、皮膚への固着が困
難であるため薬物の吸収に劣るものである。
【0012】特開平10−147521号には、本発明
の膏体の構成が一部記載されてはいるが、当該公報に開
示されているのは帯状疱疹あるいは帯状疱疹後神経痛の
持続性の痛みの軽減のために利用でき、該薬効成分を安
定的にかつ長時間にわたって経皮吸収させることができ
る持続性疼痛緩和用貼付剤に関するものであり、本発明
で開示されるような局所麻酔効果の速効性については全
く示唆がなされていなかった。
【0013】また、従来の製剤にあった取扱い性の欠
点、すなわち、製剤が柔らかすぎて、剥離ライナーの除
去の際あるいは貼付の際に、容易に折れ曲がり粘着面同
士が接着してしまい使用不能となることがあった。たと
え接着した粘着面同士を引き剥がしても、粘着面が破壊
されて再使用は困難であった。
【0014】
【課題が解決しようとする課題】局所麻酔剤を、より少
量または低濃度含有し、皮膚への刺激が少なく、皮膚の
状態に関わらず、安全な局所麻酔剤の皮膚透過性を有
し、かつ、取扱い性に優れた局所麻酔用テープ剤を得る
ことが本発明の目的であり、課題である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、局所麻酔剤を下記のテープ剤に配合すること
で、より低濃度で安全性が高く、製造効率及び製造コス
トに優れ、取扱い性に優れた局所麻酔用テープ剤が得ら
れることを見出し、本発明を完成した。
【0016】本発明の局所麻酔用テープ剤の優れている
点のひとつは、従来のように特別の経皮吸収促進剤を用
いることなく、ゴム系粘着剤組成物からなる膏体の軟化
剤としても用いられ、しかも刺激性がほとんどない流動
パラフィンの、図らずも局所麻酔効果を増強する作用を
見出した点にある。
【0017】本発明の局所麻酔用テープ剤のもうひとつ
の優れている点は、支持体上に膏体を担持させた構成体
が、適度な剛性を有するため、剥離ライナーを除去して
製剤を貼付する際に、自重により折れ曲がって粘着面同
士が接着してしまうことがない点である。さらに、粘着
剤が適度な凝集性を持つために、粘着面同士が接着して
しまっても、容易に引き剥がして再使用が可能である。
【0018】本発明の局所麻酔用テープ剤は、柔軟な支
持体上に局所麻酔剤5〜30重量%、ゴム系粘着剤10
〜50重量%、粘着付与剤10〜50重量%、流動パラ
フィン10〜50重量%を主な成分として含有した膏体
を担持させ、かつその構成体が適度な剛性を有すること
を特徴としている。
【0019】本発明の局所麻酔用テープ剤に用いられる
支持体は、高分子化合物例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、レーヨン、コットンポリエステル、ポリビニル
アルコールなどからなる織布、不織布、シート又はこれ
らにフィルムをラミネートしたものなどが用いられる。
とくに本発明では貼付時の取扱い性を向上させるため、
剥離ライナーを除去した製剤が、少なくとも容易に折れ
曲がって粘着面同士が接着してしまわない程度の剛性が
保たれるような支持体を選択することが必要である。例
えばJIS一般織物試験法における剛軟性としてドレー
プ係数で0.20〜0.65の支持体を用いるのがよ
い。0.20より小さいと、柔らかすぎて剥離ライナー
を除去した製剤が、容易に折れ曲がって粘着面同士が接
着してしまうおそれがあるし、0.65より大きいと皮
膚への追従が悪くなる。また、医療現場において製剤の
貼付及び剥離の有無が容易に確認できるように支持体の
色を例えば白色等の目立ちやすい色にすることが望まし
い。
【0020】本発明の局所麻酔用テープ剤に用いられる
基剤成分であるゴム系粘着剤としては、例えばスチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、
ポリイソブチレンポリマー、スチレン−ブタジエンブロ
ックポリマー、ポリブテン、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、天然ゴム等の中から1種または2種類以上用いる。
その使用量は10〜50重量%、好ましくはそれらの合
計が20〜30重量%を用い、少なすぎると凝集力が低
下し、粘着剤の凝集破壊を起こして品質の劣化や糊残り
する等の皮膚汚染の原因となり、また多すぎると硬くな
りすぎて適度な粘着力が得られず、好ましくない。
【0021】本発明の局所麻酔用テープ剤に用いられる
粘着付与剤は、粘着基剤と組み合わせることによりはじ
めて粘着性を生み出す樹脂である。この粘着付与成分が
含まれないと、粘着力が発生せず貼付剤としての機能を
果たし得ない。例えば脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペ
ン樹脂、ロジン樹脂等の中から1種または2種類以上配
合することができる。配合量は10〜50重量%を用
い、好ましくはそれらの合計が20〜45重量%を用
い、少なすぎると十分な粘着力が得られず、また多すぎ
ると粘着力が大きすぎて角質の剥離を起こす等、皮膚へ
の物理的な刺激となり、好ましくない。
【0022】本発明の局所麻酔用テープ剤の膏体に用い
られる軟化剤として及び局所麻酔剤の放出調節剤として
働く流動パラフィンは、配合量としては通常10〜50
重量%を用い、好ましくは15〜45重量%を用い、少
なすぎると皮膚に対する適度な追従性、接着性及び局所
麻酔剤の放出促進効果が得られず、また多すぎると粘着
剤の凝集破壊を起こし、品質の劣化、糊残り等皮膚の汚
染の原因となり好ましくない。
【0023】本発明に用いられる局所麻酔剤は、通常5
〜30重量%を使用するのが好ましい。これより少ない
と所望の局所麻酔効果が期待できない。また、これより
多くしても局所麻酔剤の結晶が析出しはじめるため、そ
れ以上の薬物の放出特性向上は期待できない。しかも製
剤中の薬物濃度の不必要な増加は、粘着力の低下につな
がるだけでなく、皮膚安全性の面からも望ましくない。
【0024】なお、上記膏体組成物においては、膏体の
厚みなどを保持したり、膏体が柔軟になり過ぎ支持体へ
浸透するのを防止するために充てん剤を添加することも
できる。充てん剤としては、例えば、カオリン、酸化チ
タン、タルク、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、珪酸塩、珪
酸アルミニウム水和物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム
等が挙げられる。
【0025】また、本発明の膏体組成物中には、必要に
応じ一般の貼付剤に使用されるジブチルヒドロキシトル
エン等の抗酸化剤、ハッカ油等の香料等を添加すること
ができる。
【0026】本発明組成物を製造する方法の一例を示す
と、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体、粘着付与剤、流動パラフィン及び必要に応じて添加
する充てん剤及び任意成分の混合物を加熱融解しかく拌
混合する。この液に局所麻酔剤を融解させ、均一にかく
拌混合し、得られた溶液を剥離処理したプラスチックフ
ィルム上に均一に塗布し、デバイスの支持体となる不織
布と貼り合わせ、得られたものを所定の大きさに裁断す
る事により経皮吸収製剤を得る。なお、製造方法は特に
上記方法に限定されるものではなく、配合順序、かく拌
方法及び材料などを変更しても製造可能である。
【0027】
【作用】従来、静脈留置針穿刺時、硬膜または腰椎また
は関節穿刺時、皮膚小手術前の局所麻酔等に対して満足
な効果を得ようと、薬物の結晶を析出させた経皮吸収貼
付剤や、基剤に対し薬物を過飽和状態で存在させた経皮
吸収貼付剤が検討されていたが、不必要に多い薬物を使
用することによるコストの増大や皮膚安全性の問題、流
通段階での薬物結晶析出による経皮吸収性の低下、ある
いは製造効率の低下といった問題があったのに対し、本
発明の局所麻酔用テープ剤では、より少ない薬物量で所
望の効果を発現し、製造効率、皮膚安全性に優れた製剤
を得ることができる。また、取扱い性においても従来に
ない優れた特性を発揮する。
【0028】
【実施例】
【0029】以下に実施例及び比較例並びに試験実施例
を示し本発明を更に説明する。
【0030】表1に示す処方に基づき、以下の方法によ
り実施例1〜4、比較例1及び特開平7−233054
号記載の実施例に基づいた比較例3(軟化剤、粘着付与
剤等を含まない)のテープ剤を製造した。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例1〜4及び比較例1の製造方法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、脂
環族飽和炭化水素樹脂、流動パラフィン及び酸化防止剤
を加熱融解、かく拌した後、リドカインを融解し均一に
かく拌混合した。この液を均一に塗布したプラスチック
フィルムを、ポリプロピレン製不織布と貼り合わせ、約
3×5cmの大きさに裁断してテープ剤を製造した。
【0033】(比較例3の製造方法)スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体を加熱融解した後、リ
ドカインを融解し均一にかく拌混合した。この液を実施
例と同様にしてリドカインを10重量%含有するテープ
剤を製造した。
【0034】試験例1(in vitro皮膚透過試
験) 実施例1〜4及び比較例2(市販リドカインテープ剤
(リドカイン60%含有))の5種類を試料とし、下記
の方法でリドカインの皮膚透過性を評価した。試験結果
を図1に示す。
【0035】(実験方法)水平型拡散セルにヘアレスマ
ウス側腹部皮膚を角質層がドナー側となるように装着
し、各試料をそれぞれドナー側の皮膚表面に貼付した。
レセプター側にレセプター液(生理食塩水)を入れ、3
7℃の温度に保ち、経時的にレセプター液を採取し、ヘ
アレスマウス皮膚を透過したリドカイン量をHPLC法
により測定した。
【0036】その結果、図1に示すように実施例1(リ
ドカイン濃度5%)は比較例2より低い透過性を示した
ものの、実施例2、3及び4は比較例2に匹敵する皮膚
透過性を示した。この結果から、本発明品の実施例2、
3及び4は比較例2と同程度の効果が期待され、特に実
施例2は比較例2のわずか9分の1の薬物濃度におい
て、ほぼ同等の効果が得られるものと思われた。
【0037】試験例2(モルモット背部皮膚における局
所麻酔作用) 実施例3、比較例1及び比較例2を試料とし、下記の方
法でリドカインの局所麻酔効果を評価した。
【0038】(試験方法)除毛したモルモット背部をマ
ンドリン線で刺激し、明らかな皮膚の収縮反応が起こる
部位に各試料(2.5cm×3cm)を貼付した。30
分後に試料を除去し、除去10分後から除去部位を一ヶ
所あたり5点ずつ、10分ごとにマンドリン線で刺激
し、そのときの皮膚収縮反応回数(Pain scor
e;0〜5)を記録した。
【0039】その結果、図2に示すように実施例3の局
所麻酔作用は、薬物濃度が比較例2の6分の1であるに
もかかわらず、これと同程度であった。
【0040】試験例3(速効的な表面麻酔作用) 実施例1〜3、比較例2及び比較例3の5種類を試料と
し、下記の方法でリドカインの局所麻酔効果を評価し
た。
【0041】(試験方法)健常成人男子20名を対象と
して検討した。被験者の手甲皮膚をマンドリン線で刺激
し、痛点(痛みの程度:3)を選定後、利き腕とその反
対の手甲皮膚の痛点に実施例3を1枚または比較例2を
1枚につきそれぞれ30分間という短時間貼付した。試
料除去直後に痛点をマンドリン線で刺激し、下記の基準
に従って疼痛の程度を評価した。
【0042】(麻酔効果判定基準) 0:無痛 1:少し痛い 2:痛い 3:すごく痛い
【0043】その結果、表2に示すように実施例3には
比較例2とほぼ同等の局所麻酔効果が認められた。ま
た、実施例1及び実施例2についても、若干比較例2よ
り効果は劣るものの、局所麻酔効果は十分発揮されてい
ることがわかった。なお、比較例3については実施例3
よりも効果が劣った。すなわち速効性についても本発明
の局所麻酔用テープ剤が優れていることが確認された。
【0044】
【表2】
【0045】試験例4(市販品との使用感テスト) 実施例3及び比較例2を用い、被験者20名における使
用感テストを行った。被験者が具体的な貼付方法の説明
を受けずに、両製剤を失敗せず貼付できるかどうかを調
べた。また、ライナー除去後の製剤について、故意に粘
着面同士を接着し、再び剥離して貼付可能かどうか試験
した。その結果表3に示すように、実施例3については
20名全員が正確に貼付できたのに対し、比較例2は半
分近い9名が失敗した(ライナー除去後の製剤に剛性が
ないために、貼付の際に自重により折れ曲がり、粘着面
同士がくっついてしまった)。また、実施例3は20名
全員が粘着面同士を接着させた後、再剥離及び再貼付が
可能であったが、比較例2については15名の製剤につ
いて膏体の破壊が起こり、再剥離後は貼付できなかっ
た。
【0046】
【表3】
【0047】試験例5(皮膚安全性試験) 健常成人ボランティア30名(男性24名、女性6名:
平均年齢31.1歳)を対象とし、実施例3を上腕内側
に2時間及び4時間貼付した。なお、白色ワセリンを対
照として用いた。判定は、貼付2時間及び4時間後に製
剤を除去・清払した後、1時間後及び24時間後の2回
行った。判定基準は下記の基準に従って行い、また製剤
の安全性をあらわす基準として須貝に従った評点により
皮膚刺激指数を求めた。
【0048】(判定基準) 判定 評点 − 0 :反応なし ± 0.5 :かるい紅斑 + 1 :紅斑 ++ 2 :紅斑+腫脹 +++ 3 :紅斑+腫脹+丘疹〜小水疱 ++++ 4 :大水疱
【0049】(皮膚刺激指数の算出法) 皮膚刺激指数=(除去1時間後及び24時間後で刺激の
強い方の評点合計)÷(試験例数)×100
【0050】その結果、表4及び表5に示すように、2
時間貼付では除去1時間後に実施例3は30例中1例に
±反応が認められたが、除去24時間後には30例すべ
て反応は認められなかった。また、4時間貼付では除去
1時間後、除去24時間ともに30例すべて反応はなか
った。なお、皮膚刺激指数については、須貝による成人
正常皮膚に適用する製剤としての評価基準において1
5.0未満を安全品としているが、本発明の実施例3は
1.7であり、安全であると判断された。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】試験例6(静脈留置針穿刺時痛に対する局
所麻酔効果) 静脈留置針穿刺を必要とする20歳〜76歳の治療予定
者60例を対象に、実施例3または比較例2の製剤を3
0分間貼付し、剥離後に静脈留置針を穿刺し、そのとき
の疼痛の程度を問診して、下記の5段階で評価した。
【0054】 0.痛くない 1.少し痛い 2.痛い 3.すごく痛い 4.疼痛度評価不能 1)留置針を穿刺したが失敗(同部位再穿刺不可能) 2)穿刺せず
【0055】その結果を表6に示した。実施例3貼付群
は、「痛くない」が5例、「少し痛い」が20例であ
り、「少し痛い」以上が25例(83.3%)であっ
た。比較例2貼付群は、「痛くない」が5例、「少し痛
い」が21例であり、「少し痛い」以上が26例(8
9.7%)あった。「少し痛い」以上についてMann
−WhitneyのU検定を行った結果、両群間に有意
差は認められなかった。また、「痛い」は実施例3で5
例、比較例2で3例であり、「すごく痛い」は両群間と
も認められなかった。
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】本発明は低濃度で優れた局所麻酔効果を
得ることができた。また、取扱い性に優れ、製造効率、
製造コストにおいても極めて有用な製剤といえるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4及び比較例2のヘアレスマウス皮
膚透過性を比較した図である。
【図2】実施例3、比較例1及び比較例2のモルモット
背部皮膚における局所麻酔作用を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 45/00 (72)発明者 古賀 裕美 佐賀県鹿島市大字納富分2596番地1 祐徳 薬品工業株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA71 BB31 CC01 DD34 EE03 EE49 FF34 FF67 4C084 AA17 AA27 MA05 MA32 MA63 NA06 NA11 ZA031 ZA032 4C206 AA01 AA02 FA38 GA31 MA01 MA03 MA04 MA05 MA83 NA06 NA11 ZA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟な支持体上に、局所麻酔剤5〜30
    重量%、ゴム系粘着剤10〜50重量%、粘着付与剤1
    0〜50重量%、流動パラフィン10〜50重量%を主
    な成分として含有した膏体を担持させ、かつその構成体
    が適度な剛性を有することを特徴とする局所麻酔用テー
    プ剤。
  2. 【請求項2】 局所麻酔剤がリドカイン、テトラカイ
    ン、プロカインあるいはそれらの塩からなる群から選ば
    れた少なくとも1種である請求項第1項記載の局所麻酔
    用テープ剤。
  3. 【請求項3】 皮膚表面における注射や水痘を除去する
    等の処置の際に痛みを軽減するために、あるいは静脈留
    置針穿刺時、硬膜または腰椎または関節穿刺時、皮膚小
    手術前の局所麻酔に使用することを特徴とする請求項第
    1項または第2項記載の局所麻酔用テープ剤。
  4. 【請求項4】 支持体に膏体を担持させた前記構成体
    が、皮膚への適度な追従性を有し、かつ、少なくとも貼
    付の際に自重により折れ曲がるなどして膏体同士が接着
    しない程度の剛性を有することを特徴とする請求項第1
    項ないし第3項の何れかの項記載の局所麻酔用テープ
    剤。
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