JP2000317603A - 金属射出成形方法およびその装置並びに成形品 - Google Patents

金属射出成形方法およびその装置並びに成形品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】チクソトロピ性を発現させた金属材料を成形金
型に射出する成形において、欠損、引け、巣およびバリ
の発生を可及的に軽減した成形品を得ることができ、且
つ長い流動長の流路を有する成形金型で薄肉で大型の成
形品を得ることのできる金属射出成形方法を提供する。 【解決手段】金属材料を、射出機1の内部で加熱溶融し
て、固相線温度以上であって液相線温度以下の温度範囲
に保持して固液共存状態で成形金型21のスプール流路
24内に射出させるとともに、スプール流路24内で液
相線温度以上になるよう加熱する。さらに、金属材料
は、ランナ流路29において固相線温度以上であって液
相線温度以下の温度範囲になるよう冷却するとともに、
十分に小さな流路断面積に絞ったゲート部を通過させて
剪断力を加えて、金属材料に生成する樹枝晶組織の少な
くとも一部を破壊して、再び固液共存状態としてキャビ
ティ31内に流入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融した金属
を成形金型に射出して成形する金属射出成形方法および
その装置並びに成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チクソトロピ現象は、液体金属を液相線
温度(全てが液体となる温度)よりも低い温度に冷却し
ながら激しい攪拌を加えることにより、固液共存状態
(半凝固状態)にある金属溶湯の見掛け上の粘度が低く
なる現象であり、このチクソトロピ現象を利用すること
によってマグネシウム合金やアルミニウム合金などの金
属材料を用いて精度の良い成形品を得るように図った射
出成形方法が従来から知られている(米国特許第390254
4 号参照)。
【0003】一方、我が国においては、固体金属を射出
成形装置内に供給して一工程でチクソトロピ性金属を製
造する方法が知られており(特許登録第1550760 号参
照)、この射出成形方法について図7を参照しながら説
明する。同図には従来のスクリュー式射出成形装置を示
してある。マグネシウム合金やアルミニウム合金などの
金属材料(図示せず)は、溶融するのに好都合な比較的
小さな粒径にチップ化されて、射出機1におけるホッパ
ー4からスロート2を介してシリンダ3内に供給され
る。この金属材料は、モータ7により回転駆動されるス
クリュー8のスクリュー溝9に沿ってシリンダ3の先端
出口であるノズル10に向け搬送されながら、シリンダ
3の外部に巻かれたヒータ11により加熱されて溶融す
る。シリンダ3の温度は、これの外周面に取り付けられ
た熱電対12により測温されるとともに、その測定温度
に基づきヒータ11がフィードバック制御されて、常に
所定値を保持するよう制御される。
【0004】したがって、チップ化された金属材料は、
スクリュー溝9に沿って搬送されながらヒータ11によ
り十分に加熱溶融されて液体を形成したのちに、回転中
のスクリュー8によって剪断力を与えられながら、その
液相線温度よりも低い温度となるように制御される。す
なわち、シリンダ3内で溶融した金属材料は、固相線温
度以上であって液相線温度以下の温度範囲に降温され
て、その降温により生成してくる樹枝晶組織の少なくと
も一部分を破壊するのに十分な剪断力で剪断され、固液
共存状態でチクソトロピ性を発現した金属となってノズ
ル10から成形金型13に対し射出される。したがっ
て、金属材料は、ノズル10から成形金型13における
固定側成形型14のスプール流路18に流入した時点で
既に液相線温度以下になっており、成形金型13におけ
る固定側成形型14と可動側成形型17との間にこれら
の型閉じによって形成されるランナ流路19を通ってキ
ャビティ20内に充填される。
【0005】上記のようにチクソトロピ性を発現した固
液共存状態での金属材料による成形では、液体状態での
成形と異なり、流体の粘度が低いスラリー状であること
から層流となるので、成形金型13の流路18,19の
内壁への衝突や流れる溶湯同士の衝突などによる流れの
乱れの発生が少なく、且つ射出した溶湯の温度が低いた
めに、凝固に至るまでの温度差が少なく、その結果、凝
固収縮に起因する引けなどの欠陥が発生しないという利
点がある。したがって、金属材料を固液共存状態の溶湯
としての成形では、成形型14,17の成形品への転写
性が極めて優れていることから、表面の粗さや平行度な
どの表面精度が極めて良好な成形品を得ることができ
る。その上に、成形型14,17に及ぼす熱負荷も少な
いので、成形型14,17の寿命を延ばすことができる
効果もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような固液共存状態での金属材料の成形においては、完
全液相状態からの成形に比較してその金属材料の固相線
温度に対する温度差が小さいため、凝固状態になるのが
早い。そのため、流路18,19の流路断面積が小さ
く、且つ流路18,19が長い場合には、固液共存状態
の金属材料が流路18,19およびキャビティ20の全
体に完全に充填する前に凝固してしまい、成形品には金
属材料の未充填に起因する欠損などの欠陥が生じ易いと
いう問題がある。
【0007】そこで、上記のような問題を回避するため
には、成形品自体の肉厚を大きくしてキャビティ20へ
充填するときの金属材料の流動抵抗を減らす方法と、金
属材料をノズル10から成形金型13へ高速で射出する
方法とが考えられる。ところが、成形品の肉厚を大きく
すると、成形品全体の寸法と重量が大きくなり、近年の
軽薄化のニーズに十分に応えられる成形品を得ることが
できない。また、流路18,19の流動長については、
従来の固液共存状態の溶湯とした金属材料をノズル10
から射出する場合、流動長と成形品の肉厚の寸法比が20
0 対1を超える場合に成形が困難となることから、短く
すると成形品の肉厚が大きくなってしまう。
【0008】一方、金属材料を高速で射出する場合に
は、溶融した金属材料が成形型14,17の流路18,
19の内壁に衝突した際に飛散して雰囲気ガスを巻き込
んでしまい、成形品の空隙率が高くなったり、成形品に
巣が発生するといった欠陥が生じる。さらに、高速で射
出された金属材料は型閉じされた両成形型14,17に
おける隙間から漏れ出し易く、成形品に多くのバリが発
生して、その後加工に手間がかかる問題が新たに生じ
る。
【0009】そこで本発明は、上記従来の課題に鑑みて
なされたもので、固液共存状態としてチクソトロピ性を
発現させた金属材料を成形金型に射出する成形におい
て、欠損、引け、巣およびバリの発生を可及的に軽減し
た成形品を得ることができ、且つ長い流動長の流路を有
する成形金型で薄肉で大型の成形品を得ることのできる
金属射出成形方法およびその装置並びに成形品を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の金属射出成形方法は、金属材料を、射出機
の内部で加熱溶融して、固相線温度以上であって液相線
温度以下の温度範囲に保持して固液共存状態で成形金型
のスプール流路内に射出させ、前記スプール流路内の金
属材料を液相線温度以上になるよう加熱しながら流動さ
せ、前記成形金型における前記スプール流路とキャビテ
ィの間のランナ流路において金属材料を固相線温度以上
であって液相線温度以下の温度範囲になるよう冷却する
とともに、前記ランナ流路に比較して十分に小さな流路
断面積に絞ったゲート部を通過させることによって金属
材料に剪断力を加えることにより、前記冷却により金属
材料に生成する樹枝晶組織の少なくとも一部を破壊し
て、金属材料を再び固液共存状態として前記キャビティ
内に流入させて充填することを特徴としている。
【0011】この金属射出成形方法では、成形型のスプ
ール流路内に射出した金属材料を、加熱して液相線温度
以上の温度とするので、スプール流路からキャビティま
での流動長を長くしても、金属材料は凝固することなく
キャビティの直前箇所まで凝固することなく確実に流動
するため、成形品には未充填に起因する欠損が生じな
く、また、流動長を長く設定して薄肉で大型の成形品を
得ることが可能となる。
【0012】さらに、金属材料は、ランナ流路を流動す
るときに固相線温度以上であって液相線温度以下の温度
範囲になるよう冷却されるとともに、ランナ流路に比較
して十分に小さな流路断面積に絞られたゲート部を通過
するときに十分な剪断力を与えられて、冷却によって生
成してくる樹枝晶組織の少なくとも一部分を破壊され
る。これにより、金属材料は、再びチクソトロピ性を発
現させてキャビティに流入するので、成形品は、冷却時
の引けが殆ど発生せず、且つ成形金型に対する転写性に
優れて高い表面精度を有するものとなる。
【0013】しかも、金属材料は固液共存状態でキャビ
ティ内に層流として流入するので、気泡の巻き込みが少
ないことから、空隙率の低い高品質の成形品が得られ、
さらに、金属材料が成形金型に対し層流として射出され
るので、成形品にはガスの巻き込みによる巣やバリなど
が殆ど発生しない。
【0014】上記発明の成形方法において、成形金型の
ランナ流路におけるゲート部の近傍箇所において、前記
ランナ流路に突き出る突起物によって金属材料に対し剪
断力を付与するとともに、金属材料を前記突起物を通じ
吸熱源に伝熱させて冷却する手段を設けることが好まし
い。
【0015】これにより、金属材料は、所定温度を維持
したままランナ流路におけるゲート部の近傍箇所まで流
動して、この箇所で突起物から吸熱源に直接的に伝熱し
て液相線温度以下の温度に効率的に冷却され、且つ突起
物で極めて効果的に剪断力を付与されて、冷却によって
生成してくる樹枝晶組織の少なくとも一部分を効率的に
破壊される。そのため、上記発明の成形方法と同様の効
果を得られるのに加えて、金属材料の冷却と剪断力の付
与とを一層効果的に行うことができる。
【0016】一方、上記発明の成形方法において、成形
金型のランナ流路におけるゲート部の近傍箇所におい
て、金属材料をその流動方向に沿って互いに平行な複数
の流動路に分断させながら流動させて、金属材料に剪断
力を付与する手段を設けることもできる。
【0017】これにより、ランナ流路において金属材料
を固相線温度以上であって液相線温度以下の温度範囲に
なるよう冷却したときに、その冷却により生成してくる
樹枝晶組織は、十分に小さな流路断面積となったゲート
部により剪断力を付与されるのに加えて、金属材料の流
れが分断されることによっても一層効果的に剪断力を付
与されることにより、効率的に破壊される。そのため、
上記発明の成形方法と同様の効果を得られるのに加え
て、金属材料への剪断力の付与を一層効果的に行うこと
ができる利点がある。
【0018】本発明の金属射出成形装置は、金属材料を
加熱溶融しながら搬送し、固相線温度以上であって液相
線温度以下の温度範囲に保持して固液共存状態でノズル
から射出する射出機と、前記ノズルに連通するスプール
流路およびランナ流路と、成形品の形状に対応する空間
に形成されたキャビティと、前記ランナ流路と前記キャ
ビティとの間に存在するゲート部とを有する成形金型と
を備えてなり、前記成形金型に、前記ランナ流路内の金
属材料を液相線温度以上になるよう加熱する加熱手段
と、前記ランナ流路および前記ゲート部の内部を流動す
る金属材料を固相線温度以上であって液相線温度以下の
温度範囲になるよう冷却する冷却手段とを有し、前記ゲ
ート部が、前記ランナ流路に比較して十分に小さな流路
断面積に絞られた構成になっている。
【0019】この金属射出成形装置は、上記発明の金属
射出成形方法を忠実に具現化してその成形方法の効果を
確実に得ることができる。
【0020】上記発明の成形装置において、成形金型
に、冷却手段を内蔵した冷却ユニット体と、前記冷却手
段に対し伝熱可能な状態で前記冷却ユニット体から突出
した複数の突出ピンとが、前記各突出ピンの先端部がラ
ンナ流路におけるゲート部の近傍箇所において金属材料
の流動方向に対し直交方向に向け突き出る配置で設けら
れている構成を付設することが好ましい。
【0021】これにより、上記発明の金属射出成形装置
と同様の効果を得られるのに加えて、金属材料への剪断
力の付与を一層効果的に行うことができる一方、上記発
明の成形装置において、成形金型のランナ流路における
ゲート部の近傍箇所に、金属材料の流動方向に沿って延
びる複数の仕切り突壁が互いに平行な配置で突設されて
いる構成を付設することもできる。
【0022】これにより、上記発明の金属射出成形装置
と同様の効果を得られるのに加えて、金属材料への剪断
力の付与を一層効果的に行うことができる。
【0023】また、上記発明の各金属射出成形方法の何
れかによって射出成形される本発明の成形品には、欠
損、引け、巣およびバリなどが殆ど発生せず、また、薄
肉で大型の成形品であっても、高品質を有するものを確
実に成形できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は
本発明の第1の実施の形態に係る金属射出成形方法を具
現化した金属射出成形装置を示す要部の縦断面図であ
り、同図において、図7と同一若しくは同等のものには
同一の符号を付してある。成形金型21は、固定側成形
型22と可動側成形型23とから構成されている。固定
側成形型22には、スプール流路24の周囲にヒータ2
7が埋め込まれているとともに、このヒータ27の温度
を測定するための熱電対28が設けられている。一方、
可動側成形型23には、型閉じによって固定側成形型2
2との間に形成されるランナ流路29およびゲート部3
0の一側方箇所に冷却管32が埋設されているととも
に、ゲート部30の温度を測定するための熱電対33が
設けられている。ランナ流路29とキャビティ31との
間に設けられたゲート部30は、ランナ流路29に比較
して十分に小さな流路断面積に絞られている。
【0025】つぎに、上記金属射出成形装置の作用につ
いて説明する。シリンダ3内において固液共存状態とし
てチクソトロピ性を発現させた金属材料は、射出機1の
ノズル10から固定側成形型22のスプール流路24内
に射出されて、ヒータ27により加熱されるとともに、
ヒータ27の温度がこれを測温する熱電対28の測定温
度に基づき所定値になるようフィードバック制御されて
いることにより、液相線温度以上の所定温度を維持しな
がらランナ流路29におけるゲート部30の近傍箇所ま
で流動されるので、スプール流路24およびランナ流路
29の合計流動長を長くしても、凝固することなくキャ
ビティ31の直前のゲート部30まで凝固することなく
確実に流動する。そのため、成形品には未充填に起因す
る欠損が生じないとともに、流動長を従来よりも長く設
定して所望の薄肉で大型の成形品を得ることが可能とな
る。
【0026】金属材料は、つぎにランナ流路29からゲ
ート部30に流動するときに冷却管32により冷却され
るとともに、ゲート部30の温度がこれを測温する熱電
対33の測定温度に基づき所定値になるようフィードバ
ック制御されていることにより、金属材料の温度は固相
線温度以上であって液相線温度以下の所定温度に維持さ
れる。また、金属材料は、上述のようにランナ流路29
に比較して十分に小さな流路断面積に絞られたゲート部
30を通過するときに十分な剪断力を与えられるので、
冷却管32による冷却によって生成してくる樹枝晶組織
の少なくとも一部分を破壊される。これにより、金属材
料は、液相線温度以下の所定温度に冷却され、且つ十分
な剪断力が付与されることにより、再びチクソトロピ性
を発現させてキャビティ31に流入するので、成形品
は、冷却時の引けが殆ど発生せず、且つ成形金型21に
対する転写性に優れて高い表面精度を有するものとな
る。
【0027】また、金属材料は固液共存状態でキャビテ
ィ31内に層流として流入するので、気泡の巻き込みが
少ないことから、空隙率の低い高品質の成形品を得られ
る。
【0028】さらに、金属材料はノズル10から成形金
型21に対し層流として射出されるので、ガスの巻き込
みによる巣やバリなどが殆ど発生しない成形品を得られ
る。
【0029】図2は本発明の第2の実施の形態に係る金
属射出成形方法を具現化した金属射出成形装置を示す要
部の縦断面図、図3はその金属射出成形装置における可
動側成形型23の斜視図である。これらの図において、
図1と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して
ある。この金属射出成形装置が図1のものと相違する点
は、図1において可動側成形型23のランナ流路29の
一側方箇所に冷却管32を設けた構成に代えて、吸熱源
としての冷却管34が埋設された冷却ユニット体37
を、これから一体に突出形成された複数本の突出ピン3
8の各々の先端部が、ランナ流路29におけるゲート部
30の近傍箇所において金属材料の流動方向に対し直交
方向に向けて突き出る配置として、可動側成形型23に
埋設した構成のみである。
【0030】したがって、スプール流路24でヒータ2
7により液相線温度以上の所定温度に加熱された金属材
料は、ランナ流路29における流動方向の上流側を冷却
されることなく流動して、所定温度を維持したままゲー
ト部30の近傍箇所まで達し、この箇所で各突出ピン3
8および冷却ユニット体37を通じ冷却管34により効
果的に吸熱されることにより、液相線温度以下の温度に
効率的に冷却されるとともに、各突出ピン38で極めて
効果的に剪断力を付与されて、上記冷却によって生成し
てくる樹枝晶組織の少なくとも一部分を効率的に破壊さ
れる。そのため、金属材料の冷却と剪断力の付与とを一
層効果的に行うことができ、第1の実施の形態と同様の
効果をさらに確実に得ることができる。
【0031】図4は、上記第2の実施の形態における両
成形型22,23を型開きしたときの成形物39を示
し、この成形物39の製品部39aに続くランナ流路2
9による残留成形部39bには、突出ピン38による凹
部39cが形成されている。この成形物39は、2点鎖
線で示す切断線に沿って切断して残留成形部39bなど
を除去することにより、製品部39aからなる所望の成
形品を得られる。このようにして成形する成形品は、凝
固収縮に伴う欠陥が著しく軽減され、成形型22,23
の転写性が極めて良好であることから、表面精度が非常
に良好なものとなり、特に、薄肉で比較的大型のもので
あっても、欠陥の少ない高品質なものとなる。
【0032】図5は本発明の第3の実施の形態に係る金
属射出成形方法を具現化した金属射出成形装置に用いる
可動側成形型40を示す斜視図で、この可動側成形型4
0を図1の可動側成形型23と置き換えると、この実施
の形態の金属射出成形装置となる。この可動側成形型4
0は、固定側成形型22と型閉じしたときに形成される
ランナ流路29におけるゲート部30の近傍箇所に、金
属材料の流れ方向に沿って延びる細長い複数本(この実
施の形態では3本)の仕切り突壁41が互いに平行に突
設されている。なお、この可動側成形型40は、図1の
可動側成形型23と同様に、図示していないが、ランナ
流路29の側部に冷却管32が埋設され、且つゲート部
30の温度を測温するための熱電対33が設けられてい
る。
【0033】つぎに、この実施の形態の金属射出成形装
置の作用について説明する。液相線温度以上に加熱され
てノズル10から射出された金属材料は、スプール流路
24内においてヒータ27で加熱されることによって液
相線温度以上の温度を維持しながら流動して、ランナ流
路29に流入したときに、冷却管32により固相線温度
以上であって液相線温度以下の所定の温度になるよう冷
却される。この冷却により生成してくる樹枝晶組織は、
十分に小さな流路断面積となったゲート部30により剪
断力を付与されるのに加えて、金属材料の流れが各仕切
り突壁41によって分断されることによっても一層効果
的に剪断力を付与されることにより、効率的に破壊され
る。そのため、金属材料への剪断力の付与を一層効果的
に行うことができ、第1の実施の形態と同様の効果をさ
らに確実に得ることができる。
【0034】図6は、上記第3の実施の形態における両
成形型22,40を型開きした状態における成形物42
を示し、製品部42aに続くランナ流路29による残留
成形部42bには仕切り突壁41による溝部42cが形
成されている。この成形物42は、2点鎖線で示す切断
線に沿って切断して残留成形部42bなどを除去するこ
とにより、製品部42aからなる所望の成形品を得られ
る。このようにして成形する成形品は、第2の実施の形
態により成形した成形品と同様に、凝固収縮に伴う欠陥
が著しく軽減され、成形型22,40の転写性が極めて
良好であることから、表面精度が非常に良好なものとな
り、特に、薄肉で比較的大型のものであっても、欠陥の
少ない高品質なものとなる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の金属射出成形方
法によれば、成形型のスプール流路内の金属材料を液相
線温度以上の温度となるよう加熱するので、金属材料は
長い流動長の流路であっても凝固することなく確実に流
動し、成形品には未充填に起因する欠損が生じなく、ま
た、流動長を長く設定して薄肉で大型の成形品を得るこ
とが可能となる。さらに、ランナ流路を流動する金属材
料を固相線温度以上であって液相線温度以下の温度範囲
になるよう冷却し、且つ小さな流路断面積のゲート部で
十分な剪断力を付与して、冷却に伴い生成してくる樹枝
晶組織の少なくとも一部分を破壊できるので、冷却時の
引けが殆ど発生せず、且つ成形金型に対する転写性に優
れて高い表面精度を有する成形品を得られる。しかも、
金属材料が固液共存状態でキャビティ内に流入するの
で、気泡の巻き込みが少なくなり、空隙率の低い高品質
の成形品が得られ、さらに、金属材料が成形金型に対し
層流として射出されるので、ガスの巻き込みによる巣や
バリなどが殆ど発生しない成形品を得られる。
【0036】本発明の金属射出成形装置によれば、成形
金型に、ランナ流路内の金属材料を液相線温度以上にな
るよう加熱する加熱手段と、ランナ流路およびゲート部
の内部を流動する金属材料を固相線温度以上であって液
相線温度以下の温度範囲になるよう冷却する冷却手段と
を有し、ゲート部が、ランナ流路に比較して十分に小さ
な流路断面積に絞られた構成としたので、本発明金属射
出成形方法を忠実に具現化してその成形方法の効果を確
実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る金属射出成形
方法を具現化した金属射出成形装置を示す要部の縦断面
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る金属射出成形
方法を具現化した金属射出成形装置を示す要部の縦断面
図。
【図3】同上装置における可動側成形型の斜視図。
【図4】同上の成形後に成形金型の両成形型を型開きし
た状態における成形物を示す斜視図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る金属射出成形
方法を具現化した金属射出成形装置に用いる可動側成形
型の斜視図。
【図6】同上の成形後に成形金型の両成形型を型開きし
た状態における成形物を示す斜視図。
【図7】従来の金属射出成形装置を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 射出機 10 ノズル 21 成形金型 24 スプール流路 27 ヒータ(加熱手段) 29 ランナ流路 30 ゲート部 31 キャビティ 32,34 冷却管(冷却手段) 37 冷却ユニット体 38 突出ピン(突起物) 41 仕切り突壁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料を、射出機の内部で加熱溶融し
    て、固相線温度以上であって液相線温度以下の温度範囲
    に保持して固液共存状態で成形金型のスプール流路内に
    射出させ、 前記スプール流路内の金属材料を液相線温度以上になる
    よう加熱しながら流動させ、 前記成形金型における前記スプール流路とキャビティの
    間のランナ流路において金属材料を固相線温度以上であ
    って液相線温度以下の温度範囲になるよう冷却するとと
    もに、前記ランナ流路に比較して十分に小さな流路断面
    積に絞ったゲート部を通過させることによって金属材料
    に剪断力を加えることにより、前記冷却により金属材料
    に生成する樹枝晶組織の少なくとも一部を破壊して、金
    属材料を再び固液共存状態として前記キャビティ内に流
    入させて充填することを特徴とする金属射出成形方法。
  2. 【請求項2】 成形金型のランナ流路におけるゲート部
    の近傍箇所において、前記ランナ流路に突き出る突起物
    によって金属材料に対し剪断力を付与するとともに、金
    属材料を前記突起物を通じ吸熱源に伝熱させて冷却する
    ようにした請求項1に記載の金属射出成形方法。
  3. 【請求項3】 成形金型のランナ流路におけるゲート部
    の近傍箇所において、金属材料をその流動方向に沿って
    互いに平行な複数の流動路に分断させながら流動させ
    て、金属材料に剪断力を付与するようにした請求項1に
    記載の金属射出成形方法。
  4. 【請求項4】 金属材料を加熱溶融しながら搬送し、固
    相線温度以上であって液相線温度以下の温度範囲に保持
    して固液共存状態でノズルから射出する射出機と、 前記ノズルに連通するスプール流路およびランナ流路
    と、成形品の形状に対応する空間に形成されたキャビテ
    ィと、前記ランナ流路と前記キャビティとの間に存在す
    るゲート部とを有する成形金型とを備えてなり、 前記成形金型に、前記ランナ流路内の金属材料を液相線
    温度以上になるよう加熱する加熱手段と、前記ランナ流
    路および前記ゲート部の内部を流動する金属材料を固相
    線温度以上であって液相線温度以下の温度範囲になるよ
    う冷却する冷却手段とを有し、 前記ゲート部は、前記ランナ流路に比較して十分に小さ
    な流路断面積に絞られていることを特徴とする金属射出
    成形装置。
  5. 【請求項5】 成形金型に、冷却手段を内蔵した冷却ユ
    ニット体と、前記冷却手段に対し伝熱可能な状態で前記
    冷却ユニット体から突出した複数の突出ピンとが、前記
    各突出ピンの先端部がランナ流路におけるゲート部の近
    傍箇所において金属材料の流動方向に対し直交方向に向
    け突き出る配置で設けられている請求項4に記載の金属
    射出成形装置。
  6. 【請求項6】 成形金型のランナ流路におけるゲート部
    の近傍箇所に、金属材料の流動方向に沿って延びる複数
    の仕切り突壁が互いに平行な配置で突設されている請求
    項4に記載の金属射出成形装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項3の何れかの金属射
    出成形方法によって射出成形された成形品。
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