JP2000317194A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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JP2000317194A
JP2000317194A JP11125556A JP12555699A JP2000317194A JP 2000317194 A JP2000317194 A JP 2000317194A JP 11125556 A JP11125556 A JP 11125556A JP 12555699 A JP12555699 A JP 12555699A JP 2000317194 A JP2000317194 A JP 2000317194A
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JP
Japan
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drum
cylinder
friction damper
tub
piston
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JP11125556A
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English (en)
Inventor
Masao Obata
征夫 小畑
Masayuki Kasahara
雅之 笠原
Toshiyasu Kamano
年恭 釜野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】脱水時に、外槽の振れ回り振幅を抑えるととも
に、据付け床等への振動伝達力及び騒音を小さくしたド
ラム式洗濯機を得る。 【解決手段】ドラム式洗濯機の摩擦ダンパー8を、円筒
形状のシリンダ24と、シリンダ24内を摺動して所要
の摩擦力を発生する摺動リング26と、摺動リングを保
持するピストン27等を有し、前記シリンダ24とピス
トン27で空気室31を形成し、その空気室31に、室
内の圧力が所定値を超えたときに内部の空気を排出する
排気弁32と、大気圧より低くなったときに内部に外気
を補給する吸気弁33を設けて構成するにより、該摩擦
ダンパーを外槽の振れ回り振幅の大きさに応じて摩擦力
がなだらかに増加、減少する特性にでき、脱水時に、外
槽2の振れ回り振幅が大きくなる共振点通過時、及び定
常回転領域で、振動、騒音や床への振動伝達力を小さく
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯物の洗いから
脱水までを自動的に行う洗濯機に係り、特に、駆動軸を
水平に支持するようにしたドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ドラム式洗濯機は、横型に軸支
持された洗濯槽と脱水槽を兼ねるドラム内で、洗濯物が
片寄って、脱水時に前記ドラムを収容する外槽等が大き
く振れ回ることがある。この振れ回り振動による外槽等
の振幅は、共振点(共振回転数ともいう)通過時に 最
大となり、その後は、前記減衰係数の大小に関わりなく
減少して、定格脱水回転数で概略一定の値になる。ま
た、振れ回り振幅は、共振点通過時には、前記減衰係数
の大きさによって決まり、減衰係数が大きければ(減衰
力が大)、小さくなる。
【0003】ところで、共振点通過時の振れ回り振幅を
小さくするために、外槽等を緩衝支持して構成される振
動系の減衰係数を大きくすると、外槽等の振れ回り振幅
は抑えられる。しかし、ドラムの回転数と機体が据え置
かれている床への振動伝達力が定格脱水回転数領域で大
きくなり、機体が動き出したり、床の振動や騒音が増大
するという問題が生じる。
【0004】特開平6−327892号公報では上記の
問題を解決するために、振動振幅の大きさで二段に減衰
係数が変化する摩擦ダンパーを用いて外槽を緩衝支持す
る構成が記載されている。本摩擦ダンパーは、円筒形状
のシリンダーと、シリンダー内を自由に摺動し所定の緩
衝力を発生する第1の摺動部材を有する第1のピストン
と、第1のピストンの両側には第1のピストンの動きを
所定範囲に制限する第2のピストンと、第2のピストン
の一端には振動を伝達するピストンロッドを有し、前記
第2のピストンには所定の緩衝力を発生する第2の摺動
部材を設けた構成としてる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平6−3
27892号公報に開示の、外槽等の振幅の大きさに応
じて、摩擦力が切り替わる摩擦ダンパーの採用により、
共振点通過時の振れ回り振幅及び定格脱水回転数におけ
る床への振動伝達力は小さく抑えられる。しかし、振幅
が増大する共振点通過時等に、摩擦力が急激にステップ
状に切り替わって大きくなるために、その反力が大きな
衝撃力となって床に伝わることが多々あり、その改善が
求められる。
【0006】そこで本発明の目的は、脱水時において、
機体が据え置かれている床への振動伝達力を、共振点通
過時、及び定格脱水回転数領域でも低減する摩擦ダンパ
ーを備えたドラム式洗濯機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明のドラム式洗濯機は、洗濯槽と脱水槽を
兼ねるドラムと、ドラムを収容する外槽と、外枠内で前
記外槽等を緩衝支持する防振ばね及び摩擦ダンパーを備
え、前記の摩擦ダンパーの摩擦力を、脱水時に、振れ回
り運動する外槽の振幅等の大きさに応じて、なだらかに
増減させる。
【0008】前記摩擦ダンパーを、円筒形状のシリンダ
と、シリンダ内を摺動して所要の摩擦力を発生する摺動
リングと、摺動リングを保持するピストンと、ピストン
と一体化した中空状のピストンロッドとを有し、前記シ
リンダの上端部に該シリンダとピストンで空気室を形成
し、その空気室に、室内の圧力が所定値を超えたときに
内部の空気を排出する排気弁と、大気圧または所定値よ
り低くなったときに内部に外気を補給する吸気弁を設け
た構成とする。
【0009】上記摩擦ダンパーにおいて、排気弁は、一
例として、前記シリンダの空気室の周面に排気穴を穿設
し、その排気穴を覆うように、弾性に富むチューブをシ
リンダの外周に、密に装着させた構成とする。同じく、
吸気弁は、一例として、ピストンの端部に細径の管体を
一体に形成して、その管体に、外周に連通する吸気穴を
穿設し、前記吸気穴を覆うように、弾性に富むチューブ
を緩く装着させた構成とする。
【0010】また、上記摩擦ダンパーは、定格脱水回転
数時の床への振動伝達力が、ドラム内の洗濯物の片寄り
による許容アンバランス量で生じる床への振動伝達力を
超えることがないように、シリンダと摺動リング間の摩
擦力を設定する。
【0011】また、上記摩擦ダンパーは、外槽等の振幅
が、上記した定格脱水回転数時の許容振幅を超えて増大
する共振点通過時等に、前記ピストンが上下動にして、
空気室が圧縮、膨張を繰返し、圧力が予め設定した値を
超えたときには、排気弁のチューブを膨らませて、シリ
ンダ部の排気穴から空気室内の空気を放出させ、逆に圧
力が大気圧より下がる膨張時には、吸気弁のチューブを
広がらせ、細径の管体部の吸気穴より空気室内に外気を
補給させる。
【0012】また、上記摩擦ダンパーは、外槽等を防振
ばね及び該摩擦ダンパーで緩衝支持してなる振動系に作
用する減衰力を、外槽等の振幅が小さい、すなわち、定
格脱水回転数時にドラム内の洗濯物の片寄りによる許容
アンバランス量で生じる振幅より小さい振幅では、空気
室の空気ばね現象の影響を少なくし、シリンダと摺動リ
ング間の摩擦力のみとし、前記振幅を超える領域では、
シリンダと摺動リング間の摩擦力に、振幅の大きさに応
じてなだらかに増加、減少し、吸気弁と排気弁を通して
空気室への給排気によって生じる抗力を、加算した値と
する。
【0013】上記構成及び振幅−摩擦力特性を有する摩
擦ダンパーにより、機体が据え置かれている床への振動
伝達力を、振幅が比較的小さい定格脱水回転数において
は、シリンダと摺動リング間の摩擦力のみを作用させる
ことにより、より小さく、一方、振幅が増大する共振点
通過時等においては、シリンダと摺動リング間の摩擦力
に加えて、振幅の大きさに応じてなだらかに増加し、吸
気弁と排気弁を通して空気室への給排気によって生じる
減衰力を作用させることにより振幅を抑えて、より小さ
くできる。また、減衰力を振幅の大きさに応じてステッ
プ状に切り替えずに、なだらかに増加、減少させて作用
させるようにしたので、衝撃をともなう床への振動伝達
力の発生をなくすことができる。
【0014】また、空気室に排気弁と吸気弁を設けてあ
るので、外槽等の振幅が大きいときにも、空気室の空気
のばね作用を少なくすることができ、これによる床への
振動伝達力を僅少にできる。
【0015】また、空気室に設けた排気弁と吸気弁の弁
に、弁の開閉機構を要しない、弾性に富むチューブ(例
えば、ゴム管等)を用いたので、該摩擦ダンパーを小形
にまとめることができる。
【0016】なお、本発明のドラム式洗濯機は、振幅ま
たは加速度検出装置を備えて、脱水時に、ドラム内の洗
濯物の片寄りにより生じる、外槽等の振幅または加速度
が、予め設定してある許容値を超えたときは、これを検
出して運転を停止し、再度、脱水運転を繰返して行うよ
うに、運転制御される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。図1は、本発明の摩擦ダンパーを適用し
たドラム式洗濯機の一例を示している。図2は、図1の
摩擦ダンパーの構成を示す断面図である。図3は、図2
の摩擦ダンパーの要部拡大断面図である。
【0018】図1において、外槽2は、筒体部3と側板
4、5とで構成され、洗い及びすすぎ時に洗濯水及びす
すぎ水を収容する。筒体部3の下部には排水口3aが、
側板4の中央部には洗濯物の投入口4aが形成されてい
る。そして、前記外槽2は、複数の防振ばね(引張りコ
イルばね)7と本発明の摩擦ダンパー8等により緩衝支
持(防振支持)され、脚1aを介して床L上に据え置か
れた外枠1内に収容されている。
【0019】洗濯槽と脱水槽を兼ねるドラム9は、筒体
部10、側円板11、12とで構成され、外槽2の側板
5の中心部に固設された軸受筒6で水平に軸支持され、
外槽2の中に回転自在に収容されている。筒体部10に
は、全周に脱水穴として機能する直径4〜5mmの多数の
***10aが穿孔され、内部には、洗濯物(図示せず)
を撹拌する複数個のリフタ15が設置されている。側円
板11には、中央部に洗濯物の投入口11aが形成さ
れ、側円板12には、ドラム駆動軸13が一体に嵌着さ
れたハブ14が固設されている。
【0020】碗状に成形されたガラス窓等により構成さ
れた蓋16は、外枠1の正面中央部に形成された洗濯物
の投入口(前記投入口4a及び11a等)に係合して、
外槽2内の洗濯水の流出を阻止するために、後記のベロ
ーズ17に密接させて、運転中にソレノイドなどからな
る蓋ロック装置(図示せず)が作動して閉じられてい
る。洗濯物は、前記蓋16を開閉して出し入れされる。
ベローズ17は、弾性に富むゴムなどで成形され、外枠
1の開口部と外槽2の開口部(洗濯物の投入口4a)を
水密、かつ柔軟に連結している。
【0021】ドラム9を回転駆動する駆動部は、整流子
モータ、インバータモータ、または直流モータ等の類で
ある可変速度型のモータ18と、モータ18の軸に締結
された小プーリ19、ドラム駆動軸13に締結された大
プーリ20、両プーリ間に掛けられたベルト21とで構
成されている。
【0022】上記のように構成したドラム式洗濯機にお
いて、洗い及びすすぎ時には、ドラム9は、例えば、5
0r/min前後で正逆反転され、脱水時には、始めに、1
20r/min前後の低速で、続いて定格脱水回転数の90
0r/min等の高速で回転させられる。
【0023】また、洗い及びすすぎ行程時には、給水電
磁弁(図示せず)を開いて、外槽2内に給水され、排水
及び脱水行程時には、排水電磁弁22が開いて、排水ホ
ース23を通して排水される。外槽2内の水位制御は、
水位検出装置(図示せず)により行われる。
【0024】上記したドラム式洗濯機において、一般
に、脱水時にドラム9内で洗濯物が片寄って、大きな振
れ回り振動を生じることがある。図4にドラム式洗濯機
の脱水時におけるドラムの回転数と振れ回り振幅の関係
を示す共振特性を示す。
【0025】振れ回り振動による外槽2等の振幅は、布
片寄りによるアンバランス量を一定とし、減衰係数を、
ある値のcとその2倍の2cに設定したもとでの、ドラ
ム9の回転数ωに対する外槽2等の振幅x0を示す共振
特性曲線pとqとなり、共振点ωn通過時に大きくな
り、その後は減少して定格脱水回転数ωsで概略一定の
値になる。そして、上記した共振特性曲線pとqにおい
て、共振点ωn通過時の振れ回り振幅x0は、この振動
系に作用する減衰力と等価的である、外槽2等を緩衝支
持する摩擦ダンパー8等の摩擦力(Fとする)によって決
まり、前記摩擦力Fが大きければ、前記振幅x0は小さ
くなる。
【0026】又、図5にドラム回転数ωと機体が据え置
かれている床への振動伝達力Prの関係を示して有る。
なお、図5は摩擦力Fc、Fi、Fsの相対比をFc:
Fi:Fs=1:0.5〜1:0.2〜0.5としてい
る。また、曲線kは、外槽等の振れ回り振幅x0の大小に
関わりなく、振動系における減衰力と等価的である摩擦
力Fを、一定(その値をFcとする)にした摩擦ダンパ
ーを適用したときの振動伝達力Prを示している。曲線
mは、振動系における減衰力と等価的である摩擦力F
を、ドラム内の洗濯物の片寄りによる許容アンバランス
量で生じる、定格脱水回転数ωs時の振幅以下の振幅で
は小さく(その値をFsとする)、前記振幅を超える振
幅では大きく(その値をFiとする)なるようにした、
振幅x0の大きさに応じて、摩擦力Fがステップ状に切
り替わる摩擦ダンパーを適用したときに生じる振動伝達
力Prを示している。又、曲線nは本発明の摩擦ダンパ
ーを用いた場合の振動伝達力を示したものである。
【0027】ところで、ドラム9を加速する過程で共振
点ωn通過時の振れ回り振幅を小さくするために、前記
摩擦ダンパー8等における摩擦力Fを大きくすると、図
4に示すように、外槽2等の振れ回り振幅x0は抑えら
れるが、振れ回り振幅x0に対する前記摩擦力Fの影響
が小さい定格脱水回転数ωs領域(例えば、700〜1
000r/min)で、図5に示すように、外枠1の脚1a
を介しての床Lへの振動伝達力が大きくなり、機体(外
枠1)が動き出したり、床Lの振動や騒音が増大すると
いう問題が生じる。
【0028】前述の問題の解決策として、従来例とし
て、特開平6―327892号公報等に開示されている
ように、振動系に減衰力として作用する摩擦力振幅の大
きさによって2段階に切り替わる摩擦ダンパーとするこ
とが考えられる。図6に2段階切替の摩擦ダンパーの特
性を示す。
【0029】図6に示すように、外槽2等の振幅x0が
大きくなる共振点ωn通過時においては大きく、比較的
小さい定格脱水回転数ωsにおいては小さくなるように
している。すなわち、従来例では、振幅の大きさに応じ
て二段にステップ状に切り替わる摩擦ダンパーで、外槽
2等を緩衝支持する構成となっている。しかし、この二
段の摩擦ダンパーでは、図5に曲線mで示すように、振
幅x0が増大する共振点ωn通過時に、摩擦力Fが急激
にステップ状に切り替わって大きくなるために、その反
力が大きな衝撃力となって床Lに伝わることが多々あっ
た。
【0030】図7に本発明の摩擦ダンパーにおける、外
槽の振れ回り振幅(ピストンのストローク)と摩擦力の
関係を示す。
【0031】前述の問題を解決するには、脱水時におい
て、図7に示すように、減衰装置である摩擦ダンパー8
の摩擦力Fを、ドラム9の回転を加速する過程では、共
振点ωn通過時の振幅を抑えるために振れ回り振幅x0
の大きさに応じて摩擦力Fがなだらかに増加するように
大きく、定常回転数ωs領域では、小さくなるようにす
ることが望ましい。
【0032】上記の考えに基いて構成した本発明の摩擦
ダンパー8を、図2と図3に示す。
【0033】図2と図3に示す摩擦ダンパー8におい
て、円筒形状のシリンダ24と、シリンダ24の上端部
に気密に嵌入させて固着した取付リング25を備えてい
る。潤滑油または潤滑剤を含ませた軟質材の摺動部材で
構成された摺動リング26は外槽2等の振動によりシリ
ンダ24内を摺動して後記の所要摩擦力Fを発生する。
ピストン27は外周側に摺動リング26とOリング28
を保持して、それらと一体になってシリンダ24内を上
下動する。ピストンロッド29は中空状であり、ピスト
ン27と一体化されている。取付リング30は、ピスト
ンロッド29の下端部に一体的に固着されている。
【0034】気密室31は、シリンダ24とピストン2
7で囲われ、Oリング28等で気密性が保たれている。
空気室31に、内部の圧力が第1の所定値を超えたとき
に室内の空気を排出する後記の排気弁32と、大気圧ま
たは第2の所定値より低くなったときに室内に外気を補
給する後記の吸気弁33が設けてある。なお、本実施例
では、第1の所定値は第2の所定値より高い値に設定さ
れている。
【0035】排気弁32は、シリンダ24の空気室31
の周面に穿設した***である排気穴24aと、その排気
穴24aを覆うように、シリンダ24の外周に密に装着
させた、弾性に富むゴム等で成形したチューブ32a
と、チューブ32aの一端をシリンダ24の外周に固定
する固定バンド32bとで構成されている。そして、ピ
ストン27の上方への移動により、空気室31内の圧力
が所定値を超えたときに、チューブ32aが膨らみ、シ
リンダ24の外周との間に隙間ができて、内部の空気が
排気穴24aから前記隙間を通して排出される。
【0036】同じく、吸気弁33は、ピストン27の端
部に一体に形成した細径の管体27aと、その管体27
aに穿設した、外周に通じる***の吸気穴27bと、前
記吸気穴27bを覆うように、管体27aに緩く装着さ
せた、弾性に富むゴム等で成形したチューブ33aとで
構成されている。そして、ピストン27の下方への移動
により、空気室31内の圧力が大気圧または所定値より
低くなったときに、チューブ33aが膨らみ、管体27
aの外周との間に隙間ができて、空気室31内に空気
が、ピストンロッド29に穿設した吸気口29aとこれ
と連通する吸気穴27bから前記隙間を通して、補給さ
れる。
【0037】そして、上記摩擦ダンパー8において、外
槽2等を防振ばね7及び該摩擦ダンパー8で緩衝支持し
てなる振動系に作用する減衰力である、シリンダ24と
摺動リング26間の摩擦力を、定格脱水回転数ωsでの
床Lへの振動伝達力が、ドラム9内の洗濯物の片寄りに
よる許容アンバランス量で生じる振動伝達力を超えるこ
とがない、値(図7にFsで示す)に設定している。
【0038】また、図7に示すように、前記振動系に作
用する減衰力を、定格脱水回転数ωs時に前記許容アン
バランス量で生じる振幅より小さい振幅では、空気室の
空気ばね現象の影響を少なくし、シリンダ24と摺動リ
ング26間の摩擦力(前述したFsに相当する)のみと
し、前記振幅を超える領域では、シリンダ24と摺動リ
ング26間の摩擦力に、振幅の大きさに応じてなだらか
に増加、減少する、吸気弁33と排気弁32を通して、
空気室31への給排気によって生じる抗力を、加算した
値としている。
【0039】そして、摩擦ダンパー8は、一対にして、
上端部の取付リング25を、取付穴25aにボルト(図
示せず)通して外槽2の下部に、他端部の取付リング3
0を、取付穴30aにボルト(図示せず)通して外枠1
の側底部に、それぞれ回動自在に連結させて、組み込ま
れる。
【0040】以上、説明した本発明になるドラム式洗濯
機と、図5に、ドラムの回転数と床への振動伝達力の関
係を、前述した曲線k、mと比較して示した曲線nとに
よれば、以下の改善等が図れる。
【0041】ドラム9内で洗濯物の片寄りによって生じ
る、外槽2等の振動に追従して、ピストン27がシリン
ダ24内を上下動する脱水時に、機体(外枠1)が据え
置かれている床Lへの振動伝達力Prを、外槽2等の振
幅が比較的小さい定格脱水回転数ωsでは、シリンダ2
4と摺動リング26間の摩擦力のみが作用するので、よ
り小さく、一方、振幅が増大する共振点ωn通過時等で
は、シリンダ24と摺動リング26間の摩擦力に加え
て、吸気弁33と排気弁32を通して空気室31への給
排気によって生じる減衰力が作用するので、振幅が抑え
られて、より小さくできる。
【0042】また、減衰力を振幅の大きさに応じてステ
ップ状に切り替えずに、図7に示すように、なだらかに
増加、減少させて作用させるようにしたので、衝撃をと
もなう床Lへの振動伝達力の発生をなくすことができ
る。
【0043】また、空気室31に排気弁32と吸気弁3
3を設けてあるので、外槽2等の振幅が大きいときに
も、空気室31の空気のばね作用を少なくすることがで
き、これによる床Lへの振動伝達力を僅少にできる。
【0044】また、空気室311に設けた排気弁32と
吸気弁33の弁に、弁の開閉機構を要しない、弾性に富
むチューブ(例えば、ゴム管等)を用いたので、該摩擦
ダンパー8を小形にまとめられる。
【0045】
【発明の効果】本発明のドラム式洗濯機によれば、摩擦
ダンパーを、円筒形状のシリンダと、シリンダ内を摺動
して所要の摩擦力を発生する摺動リングと、摺動リング
を保持するピストンと、ピストンと一体化した中空状の
ピストンロッドとを有し、前記シリンダの上端部に該シ
リンダとピストンで空気室を形成し、その空気室に、室
内の圧力が所定値を超えたときに内部の空気を排出する
排気弁と、大気圧または所定値より低くなったときに内
部に外気を補給する吸気弁を設けて構成したことによ
り、該摩擦ダンパーを外槽の振れ回り振幅の大きさに応
じて摩擦力がなだらかに増加、減少する特性にでき、こ
れを外槽の下部と外枠の側底部間に組み込んで外槽等を
緩衝支持することにより、脱水時に、振れ回り振幅の大
きい共振点通過時、及び定格脱水回転数領域で床への振
動伝達力が小さくなるので、脱水時の振動、騒音や据え
置かれた床への振動伝達力を小さくしたドラム式洗濯機
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の摩擦ダンパーを適用したドラム式洗濯
機の断面図である。
【図2】前記摩擦ダンパーの構成を示す断面図である。
【図3】前記摩擦ダンパーの要部拡大断面図である。
【図4】ドラム式洗濯機の脱水時におけるドラムの回転
数と振れ回り振幅の関係を示す共振特性線図である。
【図5】ドラム式洗濯機の脱水時におけるドラムの回転
数と床への振動伝達力の関係を示す特性線図である。
【図6】従来の摩擦ダンパーにおける、外槽の振れ回り
振幅(ピストンのストローク)と摩擦力の関係を示す図
である。
【図7】本発明の摩擦ダンパーにおける、外槽の振れ回
り振幅(ピストンのストローク)と摩擦力の関係を示す
図である。
【符号の説明】
2…外槽、8…摩擦ダンパー、9…ドラム、11a…投
入口、16…蓋、17…ベローズ、18…モータ、20
…大プーリ、24…シリンダ、24a…排気穴、26…
摺動リング、27…ピストン、27a…管体、27b…
吸気穴、31…空気室、32…排気弁、33…吸気弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜野 年恭 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 Fターム(参考) 3B155 AA06 BA03 BA04 CA02 DD01 HB05 HB13 KA26 MA01 MA02 MA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外枠と、駆動軸を略水平方向に軸受けし、
    洗濯槽及び脱水槽を兼ねて回転駆動されるドラムと、こ
    のドラムを収容する外槽と、この外槽を前記外枠に緩衝
    (防振)支持する防振ばね及び摩擦ダンパーとを有する
    ドラム式洗濯機において、前記の摩擦ダンパーの摩擦力
    が、 脱水時に、振れ回り運動する外槽の振幅等の大き
    さに応じて、なだらかに増減することを特徴とするドラ
    ム式洗濯機。
  2. 【請求項2】外枠と、駆動軸を略水平方向に軸受けし、
    洗濯槽及び脱水槽を兼ねて回転駆動されるドラムと、こ
    のドラムを収容する外槽と、この外槽を前記外枠に緩衝
    (防振)支持する防振ばね及び摩擦ダンパーとを有する
    ドラム式洗濯機において、前記の摩擦ダンパーを、円筒
    形状のシリンダと、シリンダ内を摺動して所要の摩擦力
    を発生する摺動リングと、摺動リングを保持するピスト
    ンと、ピストンと一体化した中空状のピストンロッドと
    を有し、前記シリンダの上端部に該シリンダとピストン
    で空気室を形成し、その空気室に、室内の圧力が所定値
    を超えたときに内部の空気を排出する排気弁と、大気圧
    または所定値より低くなったときに内部に外気を補給す
    る吸気弁を設けて、構成したことを特徴とするドラム式
    洗濯機。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記の摩擦ダンパー
    は、排気弁として、前記シリンダの空気室の周面に排気
    穴を穿設し、その排気穴を覆うように、弾性に富むチュ
    ーブをシリンダの外周に、密に装着させて、構成した排
    気弁と、吸気弁として、前記のピストンの端部に細径の
    管体を一体に形成して、その管体に、外周に連通する吸
    気穴を穿設し、前記吸気穴を覆うように、弾性に富むチ
    ューブを緩く装着させて、構成した吸気弁とを、有する
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 【請求項4】外枠と、駆動軸を略水平方向に軸受けし、
    洗濯槽及び脱水槽を兼ねて回転駆動されるドラムと、こ
    のドラムを収容する外槽と、この外槽を前記外枠に緩衝
    (防振)支持する防振ばね及び摩擦ダンパーとを有する
    ドラム式洗濯機において、前記摩擦ダンパーが、摺動部
    材で構成した摩擦摺動部と空気室を備え、前記空気室の
    圧力が第1の所定値を越えたときに空気を排出する排出
    弁と、前記空気室の圧力が第2の所定値より低くなった
    ときに空気を吸入するための吸気弁を設けたものである
    ことを特徴とするドラム式洗濯機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008178573A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 洗濯機
CN101074529B (zh) * 2006-05-16 2010-06-16 松下电器产业株式会社 洗衣机
CN107237092A (zh) * 2016-03-29 2017-10-10 无锡小天鹅股份有限公司 洗衣机
CN108930132A (zh) * 2018-08-15 2018-12-04 凌露璐 一种支撑减振器及洗衣机

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