JP2000315453A - 電界放出陰極のエミッタ及びその製造方法 - Google Patents

電界放出陰極のエミッタ及びその製造方法

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JP2000315453A JP12446199A JP12446199A JP2000315453A JP 2000315453 A JP2000315453 A JP 2000315453A JP 12446199 A JP12446199 A JP 12446199A JP 12446199 A JP12446199 A JP 12446199A JP 2000315453 A JP2000315453 A JP 2000315453A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は電界放出陰極のエミッタ及びその
製造方法に関し、大画面の表示装置に利用でき、製造の
容易なエミッタを提供することを課題とする。 【解決手段】 この発明のエミッタは、基板と、その基
板上の所定の位置に固着された炭素を主体とした陰極材
料とから構成される。陰極材料は等方性カーボンの微小
粉であり、接着層を介して基板に固着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電界放出陰極の
エミッタ及びその製造方法に関し、特に、マイクロ真空
管、マイクロウェーブ素子、超高速演算素子、放射線環
境(宇宙、原子炉等)や高温環境での表示素子等に応用
される微小冷陰極の一つである電界放出陰極に利用され
るエミッタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放出陰極を用いた素子は、半導体素
子と比較し、電子の移動度が大きく、高速、高温動作、
放射損傷に強い。したがって今日、高輝度、低消費電力
が要求される表示素子として利用されつつある。
【0003】図11に、従来から用いられている電界放
出陰極の一部分の構造の斜視図を示す。電界放出陰極
は、先端が尖ったエミッタティップ101と、エミッタ
ティップに負電圧を与えるエミッタ電極102と、電子
引出し用のゲート電極103とから構成される。図11
に示すように、エミッタティップ101とゲート電極1
02との間に電圧を印加すると、エミッタティップの先
端に大きな電界が加わり、電子放出が起こる。
【0004】図12に、従来の電界放出陰極を用いた表
示装置の概略構成図を示す。陰極板109では、ガラス
基板105上に、ストライプ状のエミッタ電極102が
形成され、絶縁層104を介して、エミッタ電極102
と直交する方向に、ゲート電極103が形成される。エ
ミッタ電極102とゲート電極103の交差部分である
画素106に、複数の電界放出陰極からなる微小陰極ア
レイ(FEA)が形成される。上方の陽極基板107の
表面に赤(R)、緑(G)、青(B)の3種の蛍光体1
08が形成され、電界放出陰極から出た放出電子が蛍光
体108に当たることによって発光を生じる。
【0005】このような電界放出陰極は、一般にスピン
トらが開発した製造方法が用いられる。図13に、スピ
ントらが開発した電界放出陰極(陰極板)の製造工程図
を示す。まず、図13の1)において、ガラスなどの絶
縁性基板116上に、エミッタ給電膜117を成膜し、
2)において、パターニングしてエミッタ電極102を
形成する。この後、3)において、プラズマCVD等に
より、絶縁膜118とゲート給電膜119をこの順に成
膜する。4)において、円径のゲート開孔部レジストパ
ターンを用いて、ゲート給電膜119と絶縁膜118を
それぞれエッチングして、口径が約1μmの円筒形のゲ
ート開口部120を形成する。
【0006】次に、5)において、アルミニウム等の犠
牲層材料を、ゲート開口部120の中のエミッタ給電膜
117には付着しないように、絶縁性基板116に対し
て斜め方向から蒸着し、犠牲層膜121を形成する。さ
らに、6)において、モリブデンなどのエミッタ用金属
材料122を絶縁性基板116に垂直に蒸着する。この
とき、時間が経つにつれて、エミッタ用金属材料の堆積
に伴い、ゲート開口部120は徐々に塞がり、完全に塞
がった時には図の6)のようにゲート開口部120内に
は円錐状のエミッタティップ101が形成されている。
【0007】次に、7)において、犠牲層膜121を燐
酸水溶液などで選択的に溶解してエミッタティップ10
1以外のエミッタ用金属材料122を除去する。最後
に、図の8)のように、ゲート給電膜119を、所望の
形状にパターニングすれば微小な電界放出陰極が完成す
る。
【0008】しかし、大画面用の電界放出陰極を製造す
る場合には、前記工程のうち、工程4)の微細なゲート
開口部120の形成と、工程6)のエミッタ用金属材料
の蒸着において問題がある。まず、ゲート開口部120
は、口径が1μm程度という微細な円形パターンである
ので、大画面用の陰極を形成する際には所定の位置精度
を保持するように露光することが非常に困難である。
【0009】また、エミッタ用金属材料は、基板に対し
てほぼ垂直に蒸着する必要があるが、大画面用の陰極を
作る場合には、大きな蒸着装置が必要になる。一般に、
この蒸着を基板全体にわたって精度よく行うためには、
基板は10インチ程度のサイズまでが限界である。さら
に、この蒸着工程があるので、大型のガラス基板から多
面取りをすることができない。
【0010】そこで、大画面用の電界放出陰極を形成す
るためには、より簡易な製造方法と形成が容易な陰極材
料が要望されている。ところで、近年、陰極材料として
注目されているものに、ダイヤモンドやカーボンナノチ
ューブのような炭素系材料がある。炭素系材料は、主要
原料が炭素で構成されることから低コストで形成でき、
また表面にガスが付着しにくいという特徴がある。
【0011】この発明は、以上のような事情を考慮して
なされたものであり、等方性カーボンの炭素を主体とし
た陰極材料を用いたエミッタを提供すること、及び大画
面化に対応可能で、従来よりも容易なエミッタの製造方
法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、基板と、そ
の基板上の所定の位置に固着された炭素を主体とした陰
極材料とから構成され、前記陰極材料が、等方性カーボ
ンの微小粉であることを特徴とする電界放出陰極のエミ
ッタを提供するものである。ここで、前記陰極材料は、
接着層を介して基板に固着されるようにしてもよい。
これにより、大画面の表示装置にも利用可能で、製造の
容易な電界放出陰極のエミッタを提供することができ
る。
【0013】この発明において、基板は、ガラス,水晶
等を用いることができる。陰極材料の元となる微小粉と
しては、等方性カーボンを用いることができる。等方性
カーボンとは、ハードカーボンやガラス状カーボンなど
の難黒鉛化性カーボン、あるいは等方性高密度グラファ
イトのいずれかの微小粉をいう。また、陰極材料である
微小粉は、良好な電子放出特性を得るために、微小な突
起を有する形状、例えば、三角錐形状であることが好ま
しい。また、微小粉の1単位は1〜150μm程度の大
きさである。接着層としては、ITOインク、レジス
ト、低融点ガラス等を用いることができる。また、この
発明は、基板上の所定の位置に、接着層を介して、炭素
を主体とする微小粉からなる陰極材料を固着させたこと
を特徴とする電界放出陰極のエミッタの製造方法を提供
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。図1に、この発明におい
て、電界放出陰極を構成する1単位であって電子を放出
する1つのエミッタを形成する方法についての概略図を
示す。
【0015】図1において、符号1はガラス等で作製さ
れた陰極基板であり、符号3は陰極材料、すなわち電子
を放出するエミッタとなる等方性カーボンの炭素を主体
とした微小粉(以下、「微小粉」と呼ぶ)であり、符号
2はITOインク等の接着剤である。ここで微小粉3
は、図1では球状で表わされているが、これに限るもの
ではなく、電子を放出することのできる形状であればよ
く、三角錐等の種々の形状に形成できる。三角錐の形状
に形成する場合については後述する。
【0016】ところで、等方性カーボンはグラファイト
と比較すると緻密であるのでガスを吸蔵しにくいという
利点を有する。しかし、このような特徴を持つ等方性カ
ーボン材料は、陰極基板上へ成膜することが困難であ
る。すなわち、等方性カーボン材料のひとつである難黒
鉛化材料は、通常フェノール樹脂のような熱硬化性樹脂
を焼成することで形成されるが、この樹脂を難黒鉛化す
るためには、基板を1000℃以上という高温にさらす
必要がある。
【0017】そのため、ガラス等の基板上にあらかじめ
フェノール樹脂の状態でエミッタを成膜した後、高温に
しても1000℃以上という温度にすることは無理なた
め、材料は難黒鉛化せず、陰極として所定の特性を得る
ことが困難となる。また、熱硬化性樹脂自身で基板を形
成する場合も難黒鉛化のための焼成過程のときに、10
00℃以上という高温になるために基板が変形し、フラ
ットパネル化の点で問題がある。以下に示すこの発明の
エミッタ形成方法は、このような問題点を解決したもの
である。
【0018】基本的には、エミッタは、まず陰極基板1
上のエミッタを形成すべき位置に接着剤2を塗布し(図
1(1):接着剤の塗布工程)、その後、微小粉3を接
着剤2の上に塗布し接着させる(図1(2))という2
つの工程によって容易に形成できる。形成の容易化や、
微小粉の基板に対する密着力の増強等のために、後述す
る実施例に示すような形成方法を用いる。
【0019】図2に、図1に示したエミッタを用いた電
界放出型の電子源の製造工程図を示す。まず、図1に示
した方法と同様の方法によって、ガラス基板1上に、接
着剤2を介して等方性カーボンの炭素を主体とした微小
粉3を接着させる(図2(1):エミッタの形成)。こ
のとき、ガラス基板1上にマトリクス状に形成される画
素となるべき領域内に、微小粉3が複数個集中して形成
される。
【0020】次に、上記構造の上に、SiO2 等の絶縁
膜4をプラズマCVDあるいはSOG等のスピンコート
法により形成する(図2(2):絶縁膜の形成)。絶縁
膜4は、微小粉3をおおうように、基板表面全体にわた
って形成すればよい。さらに、上記構造の上にゲート電
極膜5を蒸着等の方法により、成膜する(図2(3):
ゲート電極の形成)。ここで、ゲート電極膜5は、たと
えば、銅,ニッケル等の材料を用いる。
【0021】次に、CMPあるいはレジストを用いたエ
ッチバックによって、微小粉3の上方のゲート電極膜5
の先端部分を除去し絶縁膜4を一部露出させる(図2
(4):ゲート電極膜先端部の除去)。露出した絶縁膜
4の一部を、RIEあるいはフッ酸エッチング等の方法
により除去し、微小粉3の先端部分を図2(5)のよう
に一部露出させる(図2(5):絶縁膜の除去)。
【0022】以上のように、一部露出させられた微小粉
の先端部分が、従来の図10に示すエミッタティップ1
01と同様に電子を放出するエミッタとなり、3極管構
造の電界放出型の電子源を製造することができる。
【0023】次に、等方性カーボンの炭素を主体とする
微小粉をガラス基板上に接着する方法の詳細な実施例を
示す。図3に、この接着方法の第1実施例の工程図を示
す。まず、ガラス基板1上の全面に、導電性を有する接
着層2を500nm程度の膜厚で形成する(図3
(1))。たとえば、接着層2となるITOインクを印
刷あるいはスピンコート等の方法により、ガラス基板1
上に形成し、その後チッ素雰囲気中(90℃、4分間)
で、乾燥させる。
【0024】次に、等方性カーボンの炭素を主体とする
微小粉3をアセトン等の有機溶剤に混合した溶液4を、
スピンコート法等により、接着層2の上の全面に塗布す
る(図3(2))。その後、乾燥して、チッ素雰囲気
中、400℃程度の温度で焼成し、接着層2の樹脂成分
を飛ばし、微小粉3を接着層2の表面に固着させる(図
3(3))。次に、画素となる領域の接着層2とこれに
固着された微小粉3を残すように、レジストを用いてパ
ターニングし、さらに接着層2であるITO膜を臭化水
素酸などでエッチングする(図3(4))。以上によ
り、電子を放出するためのエミッタを形成することがで
きる。
【0025】図4に、この発明の微小粉の接着方法の第
2実施例の工程図を示す。まず、炭素を主体とした微小
粉3を、ITOインク等の導電性を有する接着剤2に混
合し、ペーストを作成する。そして、このペーストをガ
ラス基板1上に印刷あるいはスピンコートなどの方法に
よって塗布する(図4(1))。
【0026】次に上記構造を乾燥させた後、チッ素雰囲
気中、400℃程度の温度で焼成し、ITOインクに含
まれる樹脂成分を飛ばし、さらに、ITO膜を臭化水素
酸などでエッチバックする(図4(2))。このエッチ
バックにより、微小粉3の先端部は、接着層2の表面か
ら露出する。
【0027】この後、レジストを用いて、画素となる領
域の微小粉3を残すようにパターニングし、ITO膜を
エッチングする(図4(3))。これにより、図3
(4)と同様な構造のエミッタを形成することができ
る。この第2実施例によれば、あらかじめ微小粉を混合
したペーストを作成する必要があるが、ガラス基板1上
への塗布工程が一回で済み、工程の合理化が可能であ
る。
【0028】図5に、この発明の微小粉の接着方法の第
3実施例の工程図を示す。まず、ガラス基板1上に、C
u等の金属を蒸着などにより所定形状に形成し、エミッ
タ電極ラインを作る(図5(1))。次に、炭素を主体
とした微小粉3を、アセトンなどの揮発性の有機溶剤に
混合した溶液を、スピンコート法等によりエミッタ電極
ライン6及びガラス基板1上の全面に塗布する(図5
(2))。さらに、上記構造の上に、接着剤2をスピン
コート法等により塗布し、乾燥させる(図5(3))。
【0029】さらに、ウェットエッチングあるいはドラ
イエッチングによって、微小粉3の先端部分が露出する
程度まで、接着剤2をエッチバックする(図5
(4))。その後、前記第1実施例と同様にパターニン
グ及びエッチング工程を経れば、所定形状のエミッタを
形成することができる(図5(5))。この第3実施例
によれば、等方性カーボンの炭素を主体とする微小粉3
を直接エミッタ電極ライン6とガラス基板1上に接着し
てから接着層2を形成するので、接着剤2は必ずしも導
電性を有さなくてもよく、ITOインクよりコストの低
いレジスト等を接着剤として用いることができる。
【0030】図6に、この発明の微小粉の接着方法の第
4実施例の工程図を示す。まず、ガラス基板1上に、給
電用のエミッタ電極ライン6を形成するべく、Cu等の
金属を蒸着などの方法により所定形状に形成する(図6
(1))。次に、等方性カーボンの炭素を主体とする微
小粉3をアセトンなどの揮発性の有機溶剤に混合した溶
液を、スピンコート法等により、上記エミッタ電極ライ
ン6を含む基板全面上に塗布する(図6(2))。さら
に、上記構造の上全体に、感光性の接着剤7をスピンコ
ート法等により塗布し、乾燥させる(図6(3))。感
光性の接着剤7としては、たとえばレジストを用いる。
【0031】次に、ガラス基板1の背面、すなわち図6
(4)に示すように紙面の下方から露光する(図6
(4))。この後、現像処理をすると、光のあたった部
分の接着剤7が除去されエミッタ電極ライン6の部分の
構造のみが残る(図6(5))。この現像処理のとき、
基板1上に直接塗布された微小粉3も除去される。次
に、ウェットエッチングあるいはドライエッチングによ
って、接着剤7の表面をエッチバックし、微小粉3の先
端部分を露出させる(図6(6))。
【0032】以上により、エミッタ電極ラインと共に、
その上に接着された微小粉3からなるエミッタが形成で
きる。この第4実施例によれば、製造工程の最終段階
(図6(6))で、微小粉3が露出するので、電子を放
出する部分の表面の汚染が最小限に抑えられ、より安定
した電子放出特性を実現できる。
【0033】図7に、この発明の微小粉の接着方法の第
5実施例の工程図を示す。まず、ガラス基板1上全面
に、ガラス基板より十分低い600℃以下の融点を有す
るガラス層8を形成する(図7(1))。次に、等方性
カーボンの炭素を主体とする微小粉3をアセトンなどの
揮発性の有機溶剤に混合した溶液を、スピンコート法等
により塗布する(図7(2))。上記構造の基板を60
0℃で焼成し、低融点ガラス層8を溶融させ、微小粉3
を固着させる(図7(3))。さらに、導電性を得るた
めに、上記構造の上全面に、エミッタ電極ラインとなる
導電層9を、金属(Cu等)を蒸着することによって形
成する(図7(4))。
【0034】次に、ウェットエッチングあるいはドライ
エッチングによって、導電層9の表面をエッチバック
し、微小粉3の先端部分を露出させる(図7(5))。
その後、所定形状の電極パターンが残るように、レジス
トを用いてパターニングを行えば、所定形状のエミッタ
を形成できる(図7(6))。この第5実施例によれ
ば、他の実施例のような接着剤を用いるのではなく、ガ
ラスを固着層として用いているので、微小粉3の基板へ
の密着強度が上がり、より安定した電子放出特性が得ら
れる。
【0035】図8に、この発明の微小粉の接着方法の第
6実施例の工程図を示す。まず、転写用材料10の表面
に、微小粉3をアセトンなどの揮発性の有機溶剤に混合
した溶液を、スピンコート法等により塗布し乾燥させる
(図8(1))。転写用材料10としては、シリコンゴ
ム等を用いることができる。次に、上記構造の上の全面
に、微小粉3をおおう程度にレジスト11を塗布する
(図8(2))。さらに、ウェットエッチングあるいは
ドライエッチングを用いて、微小粉3の先端部分が露出
するまでエッチバックを行う(図8(3))。
【0036】次に、上記構造の上の全面に、ITOイン
クなどの導電性接着剤2を塗布する(図8(4))。さ
らに、導電性接着剤2の上の全面と、ガラス基板1とを
貼り合わせ、転写用材料10を剥離する。すなわち、レ
ジスト11,微小粉3,導電性接着剤2からなる構造
を、ガラス基板1に転写する(図8(5))。このと
き、各微小粉3の大きさが異なっていたとしても図8
(5)のレジスト11の表面において、転写用材料10
の平坦性の程度に微小粉3の高さにそろう。
【0037】その後、上記構造の基板を乾燥させて、微
小粉3を固着後、ウェットエッチングあるいはドライエ
ッチングを用いて、微小粉3の先端部分が露出するよう
にレジスト11をエッチバックする。以上のようにし
て、レジスト11表面上に露出した微小粉3の高さが一
定したエミッタを形成することができる。この第6実施
例によれば、微小粉3を塗布した後、転写工程を経てい
るので、各微小粉3の大きさ,形状が異なる場合でも、
微小粉3のレジスト11表面から露出した部分の高さを
揃えることができ、より均一な電子放出特性を持つエミ
ッタが得られる。
【0038】図9に、この発明の等方性カーボン材料に
おける難黒鉛化性カーボンの微小粉の形成についての一
実施例の工程図を示す。上記した実施例の図1から図8
では、等方性カーボンの炭素を主体とする微小粉の形状
は便宜的に球状として説明してきたが、ここでは、三角
錐形状の微小粉を形成する工程について説明する。4つ
の頂点からなる三角錐形状の微小粉は、各頂点が鋭利で
あるため、従来のエミッタティップ形状と同様に、エミ
ッタ電極ラインに印加する電圧を低電圧化することがで
きより安定的にその頂点から電子を放出できる。
【0039】三角錐形状の微小粉は、次のようにして形
成することができる。まず、所定の大きさの三角錐形状
の凹部を有する金属金型母型21を用意する(図9
(1))。この母型21表面の凹部に満たされるよう
に、フェノール樹脂22を充填する(図9(2))。次
に、スキージにより、三角錐形状の凹部にのみ樹脂22
を残し、硬化させる(図9(3))。この硬化した三角
錐形状の樹脂22を母型21から剥離する(図9
(4))。
【0040】さらに、1000〜3000℃程度の温度
で、三角錐形状の樹脂22を焼成すると難黒鉛化された
炭素を主体とした微小粉23が形成される(図9
(5))。この焼成により樹脂成分がなくなると、図1
0に示すように、三角錐形状の微小粉23の各頂点はよ
り先鋭化される。このようにして、三角錐形状の微小粉
23が形成されるが、上記した図3から図8に記載した
いずれかの方法で、ガラス基板1上にこの三角錐形状の
微小粉23を塗布すればこの発明のエミッタが形成でき
る。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、等方性カーボンの炭
素を主体とする微小粉を用いて、微小な電界放出陰極の
エミッタを形成しているので、従来よりも容易に電界放
出陰極のエミッタを作成することができる。また、この
発明では、微小な開口部を形成する工程や、エミッタ材
料を蒸着させる工程が不要であるので、大画面の表示装
置に利用可能な電界放出陰極を容易に作成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエミッタを形成する方法の概略図で
ある。
【図2】この発明のエミッタを用いた電子放出型の電子
源の製造工程図である。
【図3】この発明の微小粉の接着方法の第1実施例の工
程図である。
【図4】この発明の微小粉の接着方法の第2実施例の工
程図である。
【図5】この発明の微小粉の接着方法の第3実施例の工
程図である。
【図6】この発明の微小粉の接着方法の第4実施例の工
程図である。
【図7】この発明の微小粉の接着方法の第5実施例の工
程図である。
【図8】この発明の微小粉の接着方法の第6実施例の工
程図である。
【図9】この発明の等方性カーボンの炭素を主体とした
微小粉の一実施例の製造工程図である。
【図10】この発明の三角錐形状の微小粉の頂点の先鋭
化の説明図である。
【図11】電界放出陰極の一部分の構造の斜視図であ
る。
【図12】従来の電界放出陰極を用いた表示装置の構成
図である。
【図13】従来から用いられている電界放出陰極の製造
工程図である。
【符号の説明】
1 陰極基板 2 接着剤(接着層) 3 炭素を主体とした微小粉 4 絶縁膜 5 ゲート電極膜 6 エミッタ電極ライン 7 接着剤 8 低融点ガラス層 9 導電層 10 転写用材料 11 レジスト 21 母型 22 フェノール樹脂 23 炭素を主体とした微小粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 忠司 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、その基板上の所定の位置に固着
    された炭素を主体とした導電性の陰極材料とから構成さ
    れ、前記陰極材料が、等方性カーボンの微小粉であるこ
    とを特徴とする電界放出陰極のエミッタ。
  2. 【請求項2】 前記陰極材料が、熱硬化製樹脂を予め所
    定の形状に形成し、かつ焼成することによって難黒鉛化
    された微小粉であることを特徴とする請求項1記載の電
    界放出陰極のエミッタ。
  3. 【請求項3】 前記陰極材料が、接着層を介して基板に
    固着されることを特徴とする請求項1記載の電界放出陰
    極のエミッタ。
  4. 【請求項4】 前記微小粉が三角錐形状であることを特
    徴とする請求項3記載の電界放出陰極のエミッタ。
  5. 【請求項5】 基板上に接着層を形成し、この接着層の
    上に、等方性カーボンの微小粉からなる陰極材料を塗布
    し、所定の温度で焼成した後、接着層及び陰極材料を所
    定形状にパターニングすることを特徴とする電界放出陰
    極のエミッタの製造方法。
  6. 【請求項6】 基板上に、等方性カーボンの微小粉から
    なる陰極材料を含みかつ導電性及び接着性を有する混合
    溶剤を塗布し、前記混合溶剤を乾燥及び焼成した後に、
    エッチングにより前記微小粉の表面の一部を露出させか
    つ混合溶剤を所定形状にパターニングすることを特徴と
    する電界放出陰極のエミッタの製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に、等方性カーボンの微小粉から
    なる陰極材料を含んだ揮発性の有機溶剤を塗布し、さら
    に基板の全面に接着層を形成した後、エッチングにより
    前記微小粉の表面の一部を露出させ、かつ前記接着層を
    所定形状にパターニングすることを特徴とする電界放出
    陰極のエミッタの製造方法。
  8. 【請求項8】 基板上に低融点ガラス層を形成し、等方
    性カーボンの微小粉からなる陰極材料を含んだ揮発性の
    有機溶剤を前記低融点ガラス層の全面に塗布し、焼成に
    より前記低融点ガラス層を溶融すると共に前記微小粉を
    固着させ、しかる後これの全体を覆うように導電層を形
    成し、エッチングにより前記微小粉の表面の一部を露出
    させ、かつ前記導電層を所定形状にパターニングするこ
    とを特徴とする電界放出陰極のエミッタの製造方法。
  9. 【請求項9】 転写用母型に等方性カーボンの微小粉か
    らなる陰極材料を塗布し、上記構造の全面に導電性を有
    する接着層を形成し、前記接着層を基板に貼り合わせた
    後、前記転写用母型を剥離することを特徴とする電界放
    出陰極のエミッタの製造方法。
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