JP2000314390A - ポンプ - Google Patents

ポンプ

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JP2000314390A
JP2000314390A JP12663099A JP12663099A JP2000314390A JP 2000314390 A JP2000314390 A JP 2000314390A JP 12663099 A JP12663099 A JP 12663099A JP 12663099 A JP12663099 A JP 12663099A JP 2000314390 A JP2000314390 A JP 2000314390A
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blade
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pump
arc
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JP12663099A
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Atsushi Harakawa
敦 原川
Noriyoshi Nagase
徳美 永瀬
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は回転数を変化させて運転しても効率
が高く、異物が混入していても破砕でき、小型、高揚程
化が可能なポンプを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のポンプは、吸込み部に設けられ
所定の曲率半径の弧状後縁105が形成された整流板9
と、弧状後縁105から所定の間隙をおいて設けられ、
ロータ室内で回転するとともに内部に定格運転時に最適
流入角となるように設定された羽根列が設けられたロー
タ1と、ロータ1から吐出された流れを圧力回復させる
ボリュートケーシング10を備え、前記羽根列には鋭い
エッジ状の前縁104が形成された羽根部12が設けら
れたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整流板によって予
旋回を与えるとともに、定格の回転数を中心に回転数を
変化させて運転しても効率の高いポンプ、とくにロータ
に駆動マグネットを設けた外部駆動形のポンプに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ターボ型のポンプには羽根車に流
入する流体に予旋回を与えないタイプのものと、整流板
ないしは前置静止翼を設けて羽根車に流入する流体に予
旋回を与えるタイプのものがある。予旋回を与えないタ
イプのポンプは、羽根車の回転数が変化した場合、流入
する流れが剥離を起こさない範囲で追従して適当な流入
角に変化するため、定格回転数(以下、定格点)で最大
効率となるような流入角の羽根に設計しておきさえすれ
ば、回転数が変化しても効率の低下は比較的抑えること
ができる。しかし、このタイプのポンプは、予旋回が与
えられていないため定格点での効率が予旋回がないもの
と比較して本来的に悪いという欠点がある。
【0003】これに対し、整流板ないしは前置静止翼を
設けて羽根車に流入する流体に予旋回を与えるタイプの
ポンプは、整流板ないしは前置静止翼によって強制的に
所定の流入角を流体に与えることから、定格点での最適
流入角にこの角度を設定しておくと、ポンプの回転数が
定格点から変化した場合に、周速度が変化して羽根にと
って最適な流入角からずれて、実際の流入角と設計流入
角が不一致となる。従って、この種のポンプは定格点を
外れると、かなり大きな効率低下を引き起こすものであ
る。ただ、このタイプのポンプは、流入角が設計流入角
と一致した定格点での運転時には、予旋回を与えないポ
ンプより高い効率を示すものである。
【0004】このように、この2つのタイプのポンプは
一長一短があり、両者はどちらかというと相反する関係
であって、高効率であると同時に回転数の変動に強いポ
ンプの実現は難しいものであった。
【0005】また、最近の流体機器は小型化、軽量化の
傾向にあり、これに組み込むポンプも小型、軽量なもの
が強く要望されるようになってきている。そして、この
ような流体機器は生活に密着したところで使用されるこ
とが多く、メンテナンスが容易で、消費電力が低く、騒
音が低いポンプが望まれている。
【0006】こうしたニーズに応えるべく、ターボ型の
ポンプを小型化しようとして単純にサイズを小さくする
と、流れの剥離や逆流に起因する損失がポンプ効率に与
える比重は逆に増し、サイズとは裏腹に回転数の変化が
逆に大きく効率に影響するようになる。
【0007】従って、定格点を外れた回転数では流れ損
失が不可避で、高効率であると同時に小型,高揚程のポ
ンプは事実上実現が困難であった。とくに予旋回を与え
るタイプのポンプは小型にすると定格点以外で予想以上
に損失が大きくなるため、この点に関しては若干ではあ
るが、予旋回を与えないポンプの方がまだ実用に近い。
しかし、この予旋回を与えないポンプは定格点でもとも
と低効率であって、この点から実用に遠いものであっ
た。
【0008】そこで、従来の小型で予旋回を与えないタ
イプのポンプ、とくに外部駆動軸流形ラインポンプにつ
いて米国特許2,697,986号明細書に基づいて説
明する。図3は従来の外部駆動軸流形ラインポンプの構
造図、図4は従来の外部駆動軸流形ラインポンプの羽根
断面図である。図3において、51はハウジング、52
はポンプの吸込フランジ、53は流体を加圧する軸流羽
根、54はポンプの吐出フランジ、55は軸流羽根53
を保持する回転自在な回転軸、56は回転軸55を保持
する軸受、57は軸受56を支持する軸受ホルダー、5
8はハウジング51と軸受ホルダー57を接続するリ
ブ、59は永久磁石、60は永久磁石59を内蔵したロ
ーター、111は通電することによりローター60を回
転させるステーターで、この従来のポンプの駆動部であ
る。この軸流形のラインポンプは吸込フランジ52と吐
出フランジ54で配管(図示せず)に接続され、配管に
ライン状で組込むことができる構造となっている。接続
された状態でラインポンプは、吸込フランジ52から吸
込んだ流体を軸流羽根53によって回転させることで加
圧し、吐出フランジ54から吐出する。軸流羽根53は
回転軸55に取付けられ、外周はローター60に取り付
けられており、全体が回転軸55を中心にして回転自在
となっている。回転軸55は、ハウジング51にリブ5
8で取り付けられた軸受ホルダー57内の軸受56によ
り軸支される。
【0009】また、ローター60には永久磁石59が内
蔵されており、ステーター111に通電することでロー
ター60が回転を開始し、ローター60内の軸流羽根5
3が回転して流体を押し出す。この軸流形ラインポンプ
の運転制御は、図示しない制御部により行われる。ま
た、羽根形状に関してはほかに軸流羽根53がスクリュ
ー形状のものも提案されている。
【0010】このように、従来の技術による外部駆動軸
流形ラインポンプは、図3に示すようにローター60内
に軸流羽根53を設け、ローター60とローター60を
兼用した羽根車を回転する構造をとるので、同程度の能
力(流量、揚程)の軸流形ポンプと比べ小型のポンプを
実現できるものであった。そして図4に示すように設定
流入角α0’で軸流羽根53の前縁は曲率半径をもった
弧状の前縁となっているため、予旋回を与えないタイプ
のポンプとして回転数変化に弾力的に対応できるもので
あった。しかし揚程が低いため、このラインポンプは液
体で用いるよりむしろ気体を圧送する送風機に適したポ
ンプであった。さらに、この従来のポンプは整流板もし
くは前置静止翼等を設けた予旋回を与えるタイプのもの
ではないから、上記したようにポンプ効率が低く消費電
力が大きいものであった。そして、循環温浴器のような
循環系で用いる流体機器にこの従来のポンプを組み込ん
で用いると、毛髪等の異物が軸流羽根に引っ掛かり、メ
ンテナンスに支障がでるものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の予旋回を与えないタイプのポンプは、羽根車の回
転数が変化したとき比較的効率の低下を起こさず弾力的
に対応できるが、本来効率が高いはずの定格点で効率が
あまり良くないものであった。また、整流板ないしは前
置静止翼を設けて流体に予旋回を与えるタイプのポンプ
は、予旋回で流れに所定の流入角を強制的に与えるた
め、定格点では予旋回を与えないポンプより高い効率を
示すが、定格点から回転数が変化すると羽根への流入角
が変化して大きな効率の低下を起こすものであった。
【0012】しかも最近の流体機器の小型化により、小
型、高揚程のポンプが望まれ、生活に密着したところで
ポンプが使用されることが多くなったため、異物が水に
混入していても頻繁にメンテナンスする必要がなく、消
費電力が低く、騒音が低いポンプが望まれている。
【0013】そこで本発明は上記従来の問題点を解決す
るもので、回転数を変化させて運転しても効率が高く、
異物が混入していても破砕でき、小型、高揚程化が可能
なポンプを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のポンプは、吸込み部に設けられ所定の曲率半
径の弧状後縁が形成された整流板と、前記弧状後縁から
所定の間隙をおいて設けられ、ロータ室内で回転すると
ともに内部に定格運転時に最適流入角となるように設定
された羽根列が設けられたロータと、前記ロータから吐
出された流れを圧力回復させるボリュートケーシングを
備え、前記羽根列には鋭いエッジ状の前縁が形成された
羽根が設けられたことを特徴とする。
【0015】これにより、回転数を変化させて運転して
も効率が高く、異物が混入していても破砕でき、小型、
高揚程化が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、吸込み部に設けられ所定の曲率半径の弧状後縁が形
成された整流板と、前記弧状後縁から所定の間隙をおい
て設けられ、ロータ室内で回転するとともに内部に定格
運転時に最適流入角となるように設定された羽根列が設
けられたロータと、前記ロータから吐出された流れを圧
力回復させるボリュートケーシングを備え、前記羽根列
には鋭いエッジ状の前縁が形成された羽根が設けられた
ことを特徴とするポンプであるから、定格回転数では整
流板で予旋回を与えられた流れはエッジ状の前縁により
最適流れとなって運動エネルギを与えられ、定格回転数
が変化した場合には整流板の所定の曲率半径の弧状後縁
と間隙によって羽根と流れの流入角の不一致を吸収する
ことができ、エッジ状の前縁と整流板の後縁で異物を破
砕または切断できる。
【0017】本発明の請求項2に記載の発明は、吸込み
部に設けられ第1の曲率半径の弧状後縁が形成された整
流板と、前記弧状後縁から所定の間隙をおいて設けら
れ、ロータ室内で回転するとともに内部に定格運転時に
最適流入角となるように設定された羽根列が設けられた
ロータと、前記ロータから吐出された流れを圧力回復さ
せるボリュートケーシングを備え、前記羽根列は第2の
曲率半径をもつ弧状の前縁が形成された羽根と鋭いエッ
ジ状の前縁が形成された羽根とが規則的な順で配列され
たことを特徴とするポンプであるから、定格回転数では
整流板で予旋回を与えられた流れはエッジ状の前縁によ
り最適流れとなって運動エネルギを与えられ、定格回転
数が変化した場合には羽根の弧状の前縁と整流板の第1
の曲率半径の弧状後縁,間隙によって羽根と流れの流入
角の不一致を吸収し、エッジ状の前縁も整流板の第1の
曲率半径の弧状後縁と間隙によって流入角の不一致を吸
収し、このエッジ状の前縁と整流板の後縁で異物を破砕
または切断できる。
【0018】本発明の請求項3に記載の発明は、エッジ
状の前縁の羽根が外周側では第2の曲率半径をもつ弧状
の前縁の羽根に変形されることを特徴とする請求項1ま
たは2記載のポンプであるから、羽根の外周側では、周
速度が大きい上に羽根先端前縁に付着した逆流域が形成
されて、エッジ状の前縁では流入角の不一致が大きくな
る傾向があるが、弧状の前縁となって不一致をより吸収
できる。
【0019】本発明の請求項4に記載された発明は、エ
ッジ状の前縁が翼中央線に関して対称であることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプであるか
ら、定格回転数の上下のどちらでも流入角の不一致をよ
く吸収できるし、異物の破砕、切断に優れた前縁とする
ことができる。
【0020】本発明の請求項5に記載された発明は、ロ
ータのマウスリング部の内部に駆動マグネットが設けら
れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載されたポンプであるから、ロータ室の周囲に設けられ
たステータによってロータを回転させる外部駆動形のポ
ンプとして小型にすることができる。
【0021】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態について説明する。図1は本発明の一実施の形態のポ
ンプを外部駆動形にしたときの構成図、図2(a)は本
発明の一実施の形態のポンプの整流板とエッジ状の前縁
を有する羽根断面概念図、図2(b)は本発明の一実施
の形態のポンプの整流板とエッジ状と弧状の前縁を有す
羽根断面概念図である。
【0022】図1において、1は液中で回転することに
より内部に設けられた羽根部12の作用でここを通過す
る液に運動エネルギを与えるロータ、2はロータ1の外
周に所定間隔で複数配設した永久磁石で、外部に形成さ
れる回転磁界によって回動される駆動マグネットであ
る。ロータ1にはマウスリング部が設けられ、駆動マグ
ネット2が周囲に並べられており、羽根部12は拡開方
向(遠心方向または斜流方向)に曲げられている。本実
施の形態1の場合、ロータ1内に設けられた羽根部12
は、入口側の軸流羽根121と、これと接続された斜流
羽根122の組み合わせの羽根列で構成されている。こ
の軸流羽根121は、小型、高揚程の外部駆動形ライン
ポンプを実現するため、高速回転でもキャビテーション
を発生しないで円滑な吸込みを実現できるように設けら
れるもので、インデューサとなっている。温水を送る場
合にはキャビテーションが発生し易くなる傾向があるか
ら、温水を送るポンプのときにはこのインデューサを設
けた方がよい。そしてインデューサは、小型化のため相
対的に影響の大きくなったロータ1内に溜まるエアの排
出にも寄与する。高揚程化のため高速回転にするといっ
ても、小型のポンプの場合には振動等が発生し易く、ど
うしても高速化には限度がある。そこで本実施の形態1
では、遠心作用を与えて周速度成分を圧力化し、同時に
ライン方向吐出を容易にするために、斜流羽根122を
設けているのである。もちろん軸流羽根121と駆動マ
グネット2の厚さを若干越える高さの遠心羽根を用いる
のでも十分な小型化と高揚程化を達成できるものであ
る。
【0023】この軸流羽根121の断面形状は、図2
(a)に示すように鋭いエッジ状(角度θ)の前縁10
4となったものである。そして軸流羽根121の設計流
入角は定格運転時に最適流入角α0となるように設定さ
れている。このエッジ状の前縁104は翼中央線に関し
てθ/2ずつの角度で対称に形成されている。なお、図
2(a)ではエッジ部分から屈曲して羽根本体に接続さ
れているが、これは滑らかな曲線で屈曲なく接続するの
がよい。このようにすると定格回転数と定格外回転数の
どちらでも流入角の効果的に不一致を吸収できる。また
毛髪等の異物を含んだ水の場合、この破砕、切断に適し
た形状でもある。また、後で詳述するが、この前縁10
4形状に関して、図2(b)に示すようにすべての前縁
104を鋭いエッジ状とする必要はなく、羽根部12を
構成する羽根列(本実施の形態1では軸流羽根121)
の一部の羽根を所定の曲率半径をもつ弧状の前縁104
を備えたものとし、残りの羽根を鋭いエッジ状の前縁1
04を備えたものにするのでもよい。そして、この弧状
の前縁104とエッジ状の前縁104を組み合わせて全
体として1つの羽根列を構成する時には、2種類の前縁
104を交互もしくは一定の規則的な順序で配列するの
がよい。
【0024】さらに、図2(b)には示さないが、羽根
部12の内周側ではエッジ状の前縁104とし、所定の
半径位置から外周側になると曲率半径をもった弧状の前
縁104に変形させるのがよい。というのは、エッジ状
の前縁104をもった軸流羽根121は定格運転した時
効率がよいが、定格点を外れると効率が悪化するため、
回転数変化が多い場合弧状の前縁104の方が変化に強
くなるからである。そして、軸流羽根121の場合、羽
根の入口側外周先端部分に逆流域が付着するフローパタ
ーンをもっていることが多いが、この逆流によって主流
が3次元的にねじれ、回転数のずれがさらに強調される
からである。従って、羽根部12の内周側のみエッジ状
の前縁104とし、外周側は所定の曲率半径の弧状の前
縁104に変形する羽根形状を採用することにより、回
転数変化に強いポンプとすることができる。なお、本発
明は羽根部12の前縁104形状だけでなく、後述する
整流板9の弧状後縁105と、この弧状後縁105と軸
流羽根121との間隙を所定の寸法だけ開けることで、
整流板9を設けて予旋回を与えたことによる回転数変化
による効率低下を阻止することができるものであり、こ
れについては後述する。
【0025】次に、駆動マグネット2の説明をすると、
駆動マグネット2は所定形状の永久磁石を複数ロータ1
の収容溝内に嵌め込んで形成するのでも、樹脂等でモー
ルドするのでもよい。本実施の形態1の場合、駆動マグ
ネット2の吐出側端部には斜流羽根122に沿ってテー
パが設けられている。また、樹脂内に磁性粉を混入した
プラスチックマグネットでロータ1を成形し、この磁性
粉が成形中でまだ流動しているときに外部から磁界をか
けて着磁させ、これによって駆動マグネット2を形成す
るのでもよい。この製造方法によればきわめて容易にロ
ータ1を製造することができる。このように羽根部の構
成が軸流羽根121と斜流羽根122の組み合わせであ
るため、ロータ1の入口側の流路外径と出口側の流路外
径の外径差のマウスリング部に駆動マグネット2を軸と
平行に収容することができ、空間の有効利用ができる。
【0026】3は駆動マグネット2をロータ1の外周に
取り付けて保持するカバー、4はロータ1のボス部に圧
入された軸受である。上述したプラスチックマグネット
でロータ1を構成する場合にはカバー3は不要である。
駆動マグネット2に脆いフェライトマグネット等を用い
る場合は、破損防止あるいは破損時の拡散防止のためカ
バー3が必要となる。本発明のように小型、高揚程のポ
ンプでは、高圧側からの漏れと流体損失が通常の大きさ
のポンプより相対的に大きくなるので、カバー3によっ
て間隙を微調整することもできる。カバー3を取り付け
た状態でカバー3とロータ1の羽根出口との外径が面一
の円筒面を形成するようにして、ロータ外周を円筒面に
することにより流体損失と漏れを少なくすることができ
る。また、軸受4は液中で使用するため水中軸受が適当
である。そしてロータ1の外周の漏れ流れによる軸受作
用と、軸受4の軸受作用を総合的に考慮することによ
り、もっとも漏れ量が少なく、振動、接触の少ない外部
駆動形ラインポンプとすることができる。
【0027】5は駆動マグネット1と対向した位置に設
けられ、通電することによりロータ1を回転するための
回転磁界を形成する固定子巻線から構成されたステータ
である。本実施の形態1ではロータ1とステータ5とで
ブラシレスDCモータを構成している。固定子巻線を流
れる駆動電流は、制御基板(図示しない)に設けられた
コミュテータ素子をスイッチングすることで切換えら
れ、ロータ1が回転される。6は軸受4の中心に位置
し、ロータ1を支承する固定軸、7はポンプ運転時にロ
ータ1前後で発生する軸推力によってロータ1が軸方向
に移動したとき軸受4の端面に当接してスラスト荷重を
支える軸受板である。ロータ1を回転して昇圧したと
き、ロータ1背面には昇圧後の圧力が作用し、ロータ1
の前面には昇圧前の圧力が作用するから、この差が軸推
力となって運転時スラスト荷重を与えるものである。当
然ながら高揚程になればなるほど軸推力は大きくなる。
【0028】8はロータ1とステータ5の間に設けられ
ロータ室を構成する隔壁、9はロータ室の入口側の吸込
み部内に設けられ、ロータ1内の羽根部12に流入する
流れを整流する整流板である。整流板9は、定格点で運
転するときに、軸流羽根121に流入する流体の流入角
と、軸流羽根121の設計流入角(最適流入角α0)が
一致するように予旋回を与えるものであり、この場合の
衝突損失を減らすことができる。本発明の整流板9には
所定の曲率半径の弧状後縁105が形成されており、整
流板9と軸流羽根121の間に設けられた間隙の作用と
相俟って、回転数が変化しても整流板9からの流出角が
微妙に変化し、効率低下を防ぐものである。すなわち、
定格点で運転するときは整流板9の作用で効率を上げ、
定格点から回転数を下げたときには間隔と弧状後縁10
5の作用で効率低下を防ぐものである。整流板9と軸流
羽根121の前縁104の間の間隙は、羽根高さとハブ
比の積の0.1〜2倍の間隔とするのが適当である。ま
た、この間隙内に毛髪やその他の異物が入りこんだ場合
には、軸流羽根121のエッジ状の前縁104により破
砕もしくは切断できる。
【0029】10はロータ1の下流に設けられ、ロータ
1の回転によって与えられた運動エネルギを圧力エネル
ギに変換するボリュートケーシング、11は固定軸6を
支持した軸支持部である。ボリュートケーシング10
は、ロータ1で与えられた運動エネルギを圧力エネルギ
に変換するため圧力回復を行うもので、通常は渦巻き形
の形状をしている。しかし、本発明のボリュートケーシ
ング10は、小型の外部駆動ラインポンプの圧力回復装
置であって外径が限られるため、ロータ1から吐出され
た液を円周方向に旋回させる円周溝となっているととも
に、溝の流路断面積を徐々に増すように固定軸6の方向
に張り出し量を増加する形状となっている。巻き始め部
分まで円周溝内を360°周回した後、圧力回復して液
は軸方向に向けて吐出される。吐出流量がほぼ一定の定
格点近傍で運転するポンプの場合、このボリュートケー
シング10の中に案内羽根を設けると、圧力回復が円滑
となり、さらに効率の高いポンプを実現できる。
【0030】ところで、本実施の形態1の外部駆動形ラ
インポンプは、軸流羽根121と斜流羽根122の組み
合わせであるから、吐出側のロータ1の側面(シュラウ
ド)形状は斜流羽根122の形状に沿って所定の肉厚を
とれば図1に示すように円錐状の凹部を有するものとな
る。この凹部を形成しないで厚肉とするとロータ1の重
量が大きくなり、ステータ5を大きなものにせざるをえ
なくなって、ポンプが大型化する。慣性が大きくなり、
応答も悪くなる。このような理由から凹部を形成してい
るが、この凹部をそのままにしておくと、ロータ1の回
転に伴なって2次流れが生じ、これが大きな損失の原因
となる。また、軸受4の背後近傍に溜まったエアは排出
が難しくなる。そこで、本実施の形態1においては、固
定軸6の一方を軸支持部11、他方をボリュートケーシ
ング10で支持するとともに、この凹部を埋めるコーン
部をボリュートケーシング10に設けている。これによ
り、ロータ1背後に大きな2次流れが形成されることが
なくなり、流体損失を減らし、軸受近傍に溜まったエア
による軸受4の焼き付き等を防止することができる。
【0031】続いて、本実施の形態1の外部駆動形ライ
ンポンプの動作について説明する。液を充たした状態で
ステータ5に通電すると、回転磁界が形成されロータ1
が固定軸6周りに回転を始める。軸流羽根121の作用
で液をロータ1内に導き入れたら、斜流羽根122によ
って羽根の作用のほか遠心作用を付与して液に運動エネ
ルギを与え、外周位置でロータ1から吐出させる。この
構成によって小型、高揚程の外部駆動形ポンプを実現で
きる。ロータ1から吐出された液体はボリュートケーシ
ング10により旋回しながら徐々に圧力回復され、軸方
向へ吐出される。ロータ1の前後の圧力差で軸推力が発
生するが、ロータ1が入口側に移動し、スラスト荷重を
軸受板7で支承する。ロータ1の外周と隔壁8の間隙は
小さく、漏れは少ない。そして、この間隙に液膜が形成
され、水中軸受である軸受4と一緒にロータ1を安定し
て支承する。しかもロータ1背後のコーン部により、2
次流れが防がれ、流体損失を防止できる。小型、高揚程
である場合、ロータ1はどうしても不安定となって振動
を発生するが、本実施の形態1ではこのような作用で安
定し、駆動マグネット2をロータ1外周に配設して動バ
ランス取りが容易であり、振動や騒音の小さなポンプを
実現できる。
【0032】このように実施の形態1の外部駆動形ライ
ンポンプによれば、駆動マグネット2の吐出側端部の背
面で斜流羽根122によって流体通路が拡開方向に曲げ
られ、外部駆動形のロータ1を小型化するとともに、高
揚程化、高効率にし、ライン化することができる。ま
た、軸流羽根121をインデューサとして設けるから、
ロータ1への円滑な流入と、キャビテーションを防止す
ることができる。そして、軸流羽根121から斜流羽根
122に移行して拡開し始める軸方向位置に駆動マグネ
ットの吐出側端部を配置するから、駆動マグネット2の
位置決めを簡単かつ正確にできる。さらに、マウスリン
グ部の周囲に駆動マグネットを保持するためのカバーを
設け、カバーを含めロータ外周面を円筒面にするので、
駆動マグネットを保持してその取り付けを簡単化でき、
ロータ外周の隔壁との隙間を微調整できるとともに、こ
の間隙により水中軸受の作用を奏させることができる。
【0033】そして、所定の曲率半径の弧状後縁105
が形成された整流板9と、弧状後縁105から所定の間
隙をおいて設けられ定格運転時に最適流入角α0となる
軸流羽根121が設けられたロータ1が設けられ、軸流
羽根121には鋭いエッジ状の前縁104が形成されて
いるから、定格回転数で整流板9で予旋回を与えられた
流れはエッジ状の前縁104により最適な流れとなって
運動エネルギを与えられ、回転数を変化させた場合には
整流板9の弧状後縁105,間隙によって流入角の不一
致を吸収することができ、さらにはエッジ状の前縁10
4と整流板9の弧状後縁105で異物を破砕または切断
できる。
【0034】羽根列を構成する軸流羽根121の一部に
所定の曲率半径の弧状の前縁104を形成し、残りの軸
流羽根121には鋭いエッジ状の前縁104を形成すれ
ば、さらに一層効果的に羽根と流れの流入角の不一致を
吸収することができる。また、エッジ状の前縁104を
外周側では弧状の前縁104に変形すると、前縁104
に付着した逆流域のため主流がねじれ流入角の不一致が
大きくなる傾向があるが、本構成とすれば不一致をより
一層吸収できる。そして、エッジ状の前縁104を翼中
央線に関して対称にすると、定格点の上下のどちらでも
流入角の不一致をよく吸収できるし、異物の破砕、切断
に優れた前縁104とすることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の発明によれ
ば、定格回転数では整流板で予旋回を与えられた流れは
エッジ状の前縁により最適流れとなって運動エネルギを
与えられ、定格回転数が変化した場合には整流板の所定
の曲率半径の弧状後縁と間隙によって羽根と流れの流入
角の不一致を吸収することができ、エッジ状の前縁と整
流板の後縁で異物を破砕または切断できる。
【0036】本発明の請求項2に記載の発明によれば、
定格回転数では整流板で予旋回を与えられた流れはエッ
ジ状の前縁により最適流れとなって運動エネルギを与え
られ、定格回転数が変化した場合には羽根の弧状の前縁
と整流板の第1の曲率半径の弧状後縁,間隙によって羽
根と流れの流入角の不一致を吸収し、エッジ状の前縁も
整流板の第1の曲率半径の弧状後縁と間隙によって流入
角の不一致を吸収し、このエッジ状の前縁と整流板の後
縁で異物を破砕または切断できる。
【0037】本発明の請求項3に記載の発明によれば、
羽根の外周側では、周速度が大きい上に羽根先端前縁に
付着した逆流域が形成されて、エッジ状の前縁では流入
角の不一致が大きくなる傾向があるが、弧状の前縁とな
って不一致をより吸収できる。
【0038】本発明の請求項4に記載された発明によれ
ば、定格回転数の上下のどちらでも流入角の不一致をよ
く吸収できるし、異物の破砕、切断に優れた前縁とする
ことができる。
【0039】本発明の請求項5に記載された発明によれ
ば、ロータ室の周囲に設けられたステータによってロー
タを回転させる外部駆動形のポンプとして小型にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のポンプを外部駆動形に
したときの構成図
【図2】(a)本発明の一実施の形態のポンプの整流板
とエッジ状の前縁を有する羽根断面概念図 (b)本発明の一実施の形態のポンプの整流板とエッジ
状と弧状の前縁を有す羽根断面概念図
【図3】従来の外部駆動軸流形ラインポンプの構造図
【図4】従来の外部駆動軸流形ラインポンプの羽根断面
【符号の説明】
1 ロータ 2 駆動マグネット 3 カバー 4 軸受 5 ステータ 6 固定軸 7 軸受板 8 隔壁 9 整流板 10 ボリュートケーシング 11 軸支持部 12 羽根部 104 前縁 105 弧状後縁 121 軸流羽根 122 斜流羽根
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04D 29/22 F04D 29/22 A 29/44 29/44 B E 29/54 29/54 A 29/70 29/70 G Fターム(参考) 3H033 AA01 AA11 BB01 BB07 BB08 CC01 CC03 DD03 DD06 DD23 EE04 EE06 EE07 EE19 3H034 AA01 AA11 BB01 BB07 BB08 CC01 CC03 DD04 DD08 DD12 EE04 EE06 EE07 EE12 EE18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸込み部に設けられ所定の曲率半径の弧状
    後縁が形成された整流板と、前記弧状後縁から所定の間
    隙をおいて設けられ、ロータ室内で回転するとともに内
    部に定格運転時に最適流入角となるように設定された羽
    根列が設けられたロータと、前記ロータから吐出された
    流れを圧力回復させるボリュートケーシングを備え、前
    記羽根列には鋭いエッジ状の前縁が形成された羽根が設
    けられたことを特徴とするポンプ。
  2. 【請求項2】吸込み部に設けられ第1の曲率半径の弧状
    後縁が形成された整流板と、前記弧状後縁から所定の間
    隙をおいて設けられ、ロータ室内で回転するとともに内
    部に定格運転時に最適流入角となるように設定された羽
    根列が設けられたロータと、前記ロータから吐出された
    流れを圧力回復させるボリュートケーシングを備え、前
    記羽根列は第2の曲率半径をもつ弧状の前縁が形成され
    た羽根と鋭いエッジ状の前縁が形成された羽根とが規則
    的な順で配列されたことを特徴とするポンプ。
  3. 【請求項3】エッジ状の前縁の羽根が外周側では第2の
    曲率半径をもつ弧状の前縁の羽根に変形されることを特
    徴とする請求項1または2記載のポンプ。
  4. 【請求項4】エッジ状の前縁が翼中央線に関して対称で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    ポンプ。
  5. 【請求項5】ロータのマウスリング部の内部に駆動マグ
    ネットが設けられていることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載されたポンプ。
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