JP2000313294A - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

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JP2000313294A
JP2000313294A JP11124425A JP12442599A JP2000313294A JP 2000313294 A JP2000313294 A JP 2000313294A JP 11124425 A JP11124425 A JP 11124425A JP 12442599 A JP12442599 A JP 12442599A JP 2000313294 A JP2000313294 A JP 2000313294A
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cloth
heat
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airbag
resistant elastomer
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JP11124425A
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Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
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Nihon Plast Co Ltd
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽く、耐熱性に優れる防炎布を設けたエ
アバッグの提供。 【解決手段】 インフレータ取付口周辺に防炎布を設け
たエアバッグであって、前記防炎布は、その基布が40
0デニール以下の繊維糸条から構成され、カバーファク
ターが2000以上である織物からなり、該基布に耐熱
性エラストマーを基布単位の目付の5〜15%未満付与
して形成された耐熱性エラストマー付与面を有し、目付
が210g/m2以下であり、かつ耐熱性エラストマー
付与面に約300℃の熱風を放射した時の溶融時間が2
秒以上であることを特徴とするエアバッグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車の衝突時、
乗員を保護するためのエアバッグに係わり、軽量で耐熱
性に優れるエアバッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、乗員保護用安全装置としてエアバ
ッグシステムが普及しており、運転席用から助手席用、
側突保護用(サイドバッグ)、後部座席用と装着部位も
増えてきている。
【0003】しかるに搭載されるエアバッグの部位、数
量が増えるにつれエアバッグシステムの軽量化、コンパ
クト化が要求され始め、システムの各部品は小型化、軽
量化を目指して設計されてきている。エアバッグの袋体
も、ノンコート化、バッグ容量の低減などにより軽量化
が図られてきている。
【0004】その中で、インフレーターからの熱ガスに
曝される部位、とりわけインフレーター取付口周辺に
は、エアバッグ本体の基布や取付口周辺の補強布を縫着
している縫糸などを熱ガスから保護する防炎布が用いら
れている。従来、防炎布は、インフレーターから瞬時に
噴出する高温ガスに耐え得るように、クロロプレンゴム
やシリコンゴムなどの耐熱性エラストマーが付与された
基布が用いられてきており、エアバッグ本体布に多量の
エラストマーが付与、複合されてきた。例えば、420
デニールを用いた、経および緯の織密度が46本/吋
(カバーファクターは1885)である中密度織物に4
0〜80g/m2のエラストマーを付与した基布を用い
ていた。これは、エアバッグ本体として用いたコーティ
ング基布をそのまま防炎布として用いたものであり、中
密度織物の比較的凹凸のある表面を滑らかにしてある程
度の厚さの耐熱層を設けるために、多量のエラストマー
を用いる必要があり、耐熱性エラストマーの付与量は基
布自体の重量の23〜46%にもなる。このため、防炎
布としての耐熱性には優れるものの、防炎布の重量が増
大し、製造コストも上昇し、軽量なエアバッグを合理的
に得ることが難しかった。
【0005】そのため、細い糸を用いて耐熱性に優れる
エアバッグ用基布の開発も検討されている。例えば、特
開平4−352843号公報には、強度が15g/デニ
ール以上で、酸素指数が22以上の100〜500デニ
ールの糸状からなるカバーファクターが1000〜20
00の織物の、少なくとも片面に10〜90g/m2
耐熱性材料を積層したエアバッグ用基布が開示されてい
る。しかし、この織物は構造的には比較的粗いものであ
り、これに起因する織物の強力不足は通常使用される糸
の強度より50%以上高い高強度糸を用いて補い、また
多量の被覆材を織物に施して気密性並びに耐熱性を確保
するものであり、最終的に得られる基布の重量はかえっ
て重くなってしまう。
【0006】また、特開平10−194063号公報に
は、300〜400デニールの糸からなり、カバーファ
クター1500〜2500である織物の表面にシリコー
ンゴムを30〜50g/m2塗布することにより耐熱性
のある、比較的軽いエアバッグ用基布を提案している。
しかし、この基布は耐熱性は優れるものの、シリコーン
ゴムの塗布量が多く、基布目付も十分な軽さにならず、
本発明の目的とする軽量なエアバッグを得るまでには至
らない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽く、しか
も耐熱性に優れるエアバッグを比較的安価に提供しよう
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、エアバッグの
各部位の中で十分な開発の進んでいない防炎布に着目
し、軽量で耐熱性に優れる材料に関し、鋭意工夫を行っ
た結果、細いデニールを用いた高密度の基布に最適量の
耐熱性エラストマーを付与することにより、軽量で耐熱
性に優れた防炎布を備えたエアバッグを発明するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明は、インフレータ取付口
周辺に防炎布を設けたエアバッグであって、前記防炎布
は、その基布が400デニール以下の繊維糸条から構成
され、カバーファクターが2000以上である織物から
なり、該基布に耐熱性エラストマーを基布単体の5〜1
5%未満付与して形成された耐熱性エラストマー付与面
を有し、目付が210g/m2以下であり、かつ該耐熱
性エラストマー付与面に約300℃の熱風を放射した時
の溶融時間が2秒以上であることを特徴とするエアバッ
グに関する。
【0010】本発明の防炎布は、基布として400デニ
ール以下の繊維糸条から構成された、カバーファクター
が2000以上である織物からなり、細い糸を高密度に
製織して得られる平坦な表面を持つ織物を用いる。
【0011】繊維糸条は、400デニール以下、そのう
ち100〜400デニール、好ましくは150〜350
デニールであり、より好ましくは200デニール以上3
50デニール以下である。400デニールを超えると本
発明の目的とする軽量なエアバッグが得難い。
【0012】また、防炎布に用いる基布のカバーファク
ターは2000以上、すなわち2000〜2500、好
ましくは2050〜2500の範囲とすればよい。本発
明においては、高密度に製織した織物を防炎布の基布と
して用いることが重要である。高密度織物から得られる
平坦な基布表面に最適量の耐熱性エラストマーを付与す
ることにより、付与した耐熱性エラストマーを織物構造
内に浸透あるいは充填させることなく、織物表面上に遮
蔽層あるいは断熱層として形成することができるので、
耐熱性エラストマーを合理的に有効に活用することがで
きる。こうして本発明により軽量で耐熱性に優れた防炎
布を得ることができる。
【0013】カバーファクターが2000未満の場合
は、基布の織物構造が緻密でなくなるために耐熱性を付
与するためのエラストマーの付与量が増大する傾向にあ
り、軽いエアバッグを得る上で不利であり、2500を
超えると、基布自体の目付が増大し、やはり軽いエアバ
ッグが得られ難い。
【0014】ここで、織物のカバーファクター(CF)
は、織物構造の緻密さを示す指数で、織物の経糸および
緯糸のデニール(DWおよびDF)と織物の経密度および
緯密度(NWおよびNF)から求められる。
【0015】
【数1】
【0016】本発明の目的は、前述のごとく本発明の実
施例の比較例2−(2)に示した、従来用いられている
防炎布では得られない、軽量で耐熱性に優れた防炎布を
設けたエアバッグを提供することにあり、その骨子は従
来の防炎布に使用されていた糸より細い糸条を用いた、
密度の高い、表面がより平坦な織物に最適量の耐熱性エ
ラストマーを付与することにある。
【0017】即ち、従来の防炎布は、比較的粗い密度
で、かつ表面の凹凸も大きい織物表面に耐熱性エラスト
マーを施したものである。この防炎布の仕様は、エアバ
ッグが実用化された初期の出力、ガス温度も高いインフ
レーターを想定して設計されたものであり、最近、開発
されているガス温度も低下してきているインフレーター
に対しては、過剰な耐熱性を持つものとなっている。従
来の防炎布は、織物の表面の凹凸を埋め、かつ耐熱層と
してのエラストマーをある程度の厚さに積層する必要が
あったため、基布重量に対するエラストマー付与量も多
くを必要とし、結果として防炎布の重量も重く、コスト
も高いものとなっていた。この防炎布は、優れた耐熱性
を保有しているとは言え、軽いエアバッグを提供する上
で一つの課題となっていた。
【0018】しかるに本発明は、比較的ガス温度の低い
インフレーターを前提に鋭意検討したものであり、織物
表面の凹凸を少なくし、耐熱性エラストマーを遮弊層と
して有効に活用できる基布構造としたことにより、従
来、成し得なかった耐熱エラストマー量を少なくして、
軽くてしかも十分な耐熱性を発揮できる防炎布を設けた
エアバッグを初めて提供することができるものである。
【0019】本発明で最も肝要なことは、耐熱性エラス
トマーの付与量を基布の目付に応じて最適化することに
ある。
【0020】すなわち、耐熱性エラストマーの付与は、
基布単体の目付の5〜15%未満、好ましくは7〜13
%の範囲とすればよい。
【0021】耐熱性エラストマーの付与量が5%以下で
は防炎布としての耐熱性が不足し、15%を超えると耐
熱性では優れるものの、防炎布重量が増大し、製造コス
トも高くなりやはり本発明の目的が達成できない。
【0022】耐熱性エラストマーの付与量は、基布単体
の目付が小さい場合に多く、目付が大きい場合に少なく
するようにする方向がよいが、基布の構成や使用する耐
熱性エラストマーの種類、基布への付与方法などに応じ
て最適付与量を定めれば良い。
【0023】基布と耐熱性エラストマーで構成される防
炎布の目付は210g/m2以下、すなわち140〜2
10g/m2好ましくは150g/m2〜210g/m2
の範囲とすれば良い。210g/m2を超える場合は、
本発明の目的とする軽量エアバッグが得られ難い。
【0024】さらに、本発明に用いる防炎布は、耐熱性
エラストマー付与面に約300℃の熱風を放射したとき
の溶融時間が2秒以上、好ましくは2.5秒以上である
ことが必要である。溶融時間が2秒未満の場合は、防炎
布としての十分な耐熱性を発揮することができない。
【0025】本発明のエアバッグに設けられる防炎布
は、インフレーター取付口周辺に適用されるが、インフ
レーターの熱ガスの影響を受ける他の部位、用途、例え
ば、ガス偏向布、排気孔補強布、吊紐、縫目保護布など
に用いても良い。
【0026】本発明のエアバッグのインフレーター取付
口形状は、円、長円、楕円、正方形、長方形、菱形な
ど、通常、使われている形状から選べばよく、特に限定
するものではない。
【0027】本発明になるエアバッグのインフレーター
取付口周辺の補強に用いられる補強布は、袋体に用いら
れたものと同じ織物でも良いが、別途、準備した補強用
織物、例えばナイロン66の840デニール、420デ
ニールなどを用いて作成された本発明のエアバッグ用織
物より厚手織物の単独又は複数枚を用いても良い。
【0028】防炎布は、これらの補強布と重ね合わせて
縫着するか、補強布の縫着糸を被覆する状態で部分的に
縫着しても良く、場合によってはインフレーター固定用
のリテーナと補強布で挾み込んでも良いし、リテーナの
ボルトなどに差し込んでも良い。縫着する場合に使用す
る縫い糸は、一般に化合縫糸と呼ばれるものや工業用縫
糸として使用されているものの中から適宜選定すればよ
く、例えばナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、
ビニロン、アラミド、フッ素系、カーボン、ガラスなど
があり、紡績糸、フィラメント合撚糸、フィラメント樹
脂加工糸とのいずれでもよい。
【0029】本発明のエアバッグは、使用する防炎布に
特徴を有し、他の構成、たとえばエアバッグ本体の基
布、その外周の縫製等については特に制限はない。例え
ばエアバッグの外周の縫目仕様は、本縫い、二重環縫
い、片伏せ縫い、オーバーロック縫い、安全縫い、千鳥
縫い、偏平縫いなどから適宜選定すればよい。又、その
縫製条件は、使用する縫い糸の番手、例えば30番手〜
5番手に応じて、最適な縫目強力の得られるものとすれ
ば良い。
【0030】本発明のエアバッグに設けられる防炎布お
よび他部位に用いられる織物の構造は、通常の工業用織
物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すれ
ばよく、例えば、シャトル織機、ウォータージェット織
機(WJL)、エアージェット織機(AJL)、レピア
織機、プロジェクタイル織機などから選べばよい。織物
の組織も、平織、斜子織(バスケット織)、綾織、格子
織(リップ・ストップ織)あるいはこれらの複合組織な
ど、いずれでも良く、場合によっては、ドビー装置やジ
ャカード装置などを織機に併用して各種変則組織として
も良い。
【0031】本発明のエアバッグ本体および他部材を構
成する織物は、インフレーターの性能、エアバッグの容
量、使用部位などによっては、耐熱性エラストマーを付
与して不通気性加工を行ってもよいし、全く不通気性加
工を施さないノンコート織物でもよい。ノンコート織物
の場合、精練、乾燥、熱セット温度などの条件は、通気
性、機械特性などを考慮して選定すればよい。
【0032】また、この織物を構成する繊維糸条は特に
限定するものではなく、例えば、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612
などの単独、またはこれらの共重合、混合により得られ
るポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリ
トリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートなどの単独、またはこ
れらの共重合、混合により得られるポリエステル繊維、
パラフェニレンテレフタルアミド、およびこれと芳香族
エーテルとの共重合体などに代表されるアラミド繊維、
全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分子量
などのポリオレフィン繊維、塩化ビニル系および塩化ビ
ニリデン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系を含む
フッ素系繊維、ポリサルフォン(PSf)繊維、ポリフ
ェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテル
エーテルケトン系(PEEK)繊維、ポリイミド(P
I)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、高強力
レーヨンを含むセルロース系繊維、アクリル系繊維、炭
素繊維、ガラス繊維、シリコーンカーバイド(SiC)
繊維、アルミナ繊維、などから適宜選定すれば良いが、
場合によっては、スチールに代表される金属繊維などの
無機繊維を含んでもよい。
【0033】これらの繊維糸条には紡糸性や加工性、材
質の耐久性を改良するために通常使用されている各種の
添加剤、例えば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、
老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、溌水剤、溌油剤、
酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、可塑剤、などの
一種または二種以上を使用してもよい。また、場合によ
っては、加熱、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加
工を施してもよい。
【0034】さらに、糸条は、長繊維のフィラメント、
短繊維の紡績糸、これらの複合糸など、特に限定しな
い。
【0035】本発明に用いられる耐熱性エラストマー
は、前記加工法が適用できる材料であれば良く、例え
ば、シリコーン系、フッ素系、塩素系、ポリウレタン
系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ
イミド系、クロルスルフォン系、フェノール系、アクリ
ル系、などの一種または二種以上の混合物、あるいは共
重合物などの中から適宜選定すればよいが、織物の機械
特性改良、耐熱性などの点からシリコーン系、フッ素
系、ポリウレタン系が特に好ましい。
【0036】耐熱性エラストマーは、織物の少なくとも
一方の表面、織物の間隙部あるいは繊維糸条の間隙の一
部または全部など、いずれに介在させても良い。
【0037】また、耐熱性エラストマーには基布との密
着性を向上するための各種前処理剤、接着向上剤などを
添加してもよいし、予め織物表面にプライマー処理など
の前処理を施してもよい。さらに、該エラストマーに耐
熱性、老化防止性、耐酸化性などを付与するための加工
剤を添加してもよい。該エラストマーの物理特性を向上
させるため、エラストマーを織物に付与した後、乾燥、
架橋、加硫などを熱風処理、接触熱処理、高エネルギー
処理(高周波、電子線、紫外線)などにより行ってもよ
い。
【0038】耐熱性エラストマーの付与方法は、1)コ
ーティング法(ナイフ、キス、リバースなど)、2)浸
漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータリーな
ど)などの加工法によればよく、耐熱性エラストマー
も、溶剤系、エマルジョン系、水溶液系、微粉末系、な
どいずれでも良い。
【0039】また、耐熱性エラストマーを付与する前
に、基布をカレンダー加工などの熱プレス加工を施して
基布表面を平坦にすることは、耐熱性エラストマーの付
与量を最適化する上で効果的である。
【0040】本発明になるエアバッグの適用部位は、運
転席、助手席、サイド(インフレータブルカーテンを含
む)、後部席など通常使用されているエアバッグの中か
ら適宜選定すればよく、エアバッグの袋体の裁断形状
も、円形、長円形、楕円形、矩形、多角形、あるいはこ
れらの組み合わせなど、いずれでもよく、要望される展
開形状を満足するものであればよい。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。実施例の中でエアバッグ並びに織物の性能評価
は以下の方法によった。
【0042】(1)耐熱性 図6に示す装置により、耐熱性エラストマーを付与した
防炎布の表面に、表面とノズルの間隔を10mmとして
約300℃の加熱空気を放射し、布が溶融して穴が開く
までの時間(秒)を測定した。加熱空気の流量は、50
リットル/分、ノズル先端径φ2mmとした。
【0043】(2)展開試験 運転席用インフレーター(非アザイド型、60リットル
の最高タンク圧は185kp)、固定金具、樹脂製カバ
ーを使用し、バッグを折り畳みモジュールに組み込み、
85℃で4時間予熱後、展開試験を行い、バッグの最大
内圧を求め、展開後のバッグの損傷状態を観察した。
【0044】実施例1 ナイロン66繊維315d/72f(原糸強度9.5g
/d)を用いて、織物密度、経61.5本/吋、緯62
本/吋の平織物を製織した。この織物を精練し、熱セッ
トし、経、緯いずれも63本/吋のノンコート織物を得
た。
【0045】次に、ノンコート織物から外径φ720m
mの円形布(図1,2)を2枚裁断し、一方の円形布1
の中央部にインフレーター取付口としてφ70mmの開
口を設け、さらに排気孔としてφ30mmの円形穴を2
ケ所設けた。また、インフレーター取付口の補強布とし
て、前記ノンコート織物から外径φ200mm、内径φ
70mmのドーナツ状布(図3)を2枚裁断した。
【0046】次いで、防炎布用として、別途315d/
72fの糸を用いて、経、緯いずれも61本/吋のノン
コート織物を得た。目付は、181g/m2、カバーフ
ァクターは2165であった。この織物の一方の面に、
シリコーンゴムを20g/m2塗布してコート織物とし
た。この織物から、取付口の防炎布として、前記の取付
口補強布と同一形状のドーナツ状布を1枚と、排気孔の
補強布片として、外径φ60mm、内径φ30mmのド
ーナツ状布を2枚裁断した。
【0047】次いで、円形布1の中央部にノンコート織
物から裁断した補強布片A2枚を重ね合わせ、縫目径φ
195mm(外層)、φ135mm(中層)の部位で縫
い合わせた(図4(2))。縫糸は、上糸、下糸ともナ
イロン66糸の8番糸を用い、運針数4針/cmの本縫
いで22番手のミシン針により縫い合せた。このとき、
排気孔の補強布も円形布1の排気孔に、それぞれ1枚ず
つ重ね合わせて、縫目径φ50mmで縫い合わせた。さ
らに、前記インフレーター取付口周辺の補強布の上にコ
ート織物から裁断した防炎布B(図4(1))を補強布
Aの内径に合わせて重ね、縫目径φ76mm(内層)で
縫い合わせた。縫糸は、上糸、下糸ともナイロン66糸
の5番糸を用い、運針数3.5針/cmにより縫い合わ
せた。
【0048】そして、補強布および防炎布が縫い合わさ
れた円形布1のインフレーターの取付口周囲に穴径φ
5.5mmのインフレーター取付用ボルト孔を4ケ所、
それぞれ本体布の糸軸方向の線上に開孔した(図5)。
【0049】さらに、円形布1と円形布2をそれぞれの
糸軸を45゜ずらした位置で重ね合わせ、外周から20
mm内側を縫い合わせた。縫糸は、上糸がナイロン66
糸の5番糸、下糸がナイロン66糸の8番糸を用い、運
針数3.5針/cmの二重環縫い(二列)で、23番手
のミシン針により縫い合わせた。
【0050】得られたエアバッグを取付口から反転し、
展開試験に供した。また、防炎布の耐熱性を併せ評価し
た。その結果を表1に示す。
【0051】展開後のバッグは、インフレーター取付口
周辺の損傷はなく、防炎布の耐熱性も十分であった。
【0052】実施例2 実施例1において、防炎布の基布としてナイロン66繊
維210d/72f(原糸強度9.3g/d)を用い、
経および緯の織密度が経72本/吋(基布の目付は14
8g/m2、カバーファクターは2087)の織物と
し、耐熱性エラストマーとしてシリコーンゴムを20g
/m2塗布した以外は、実施例1に準じてエアバッグを
作成した。
【0053】得られたエアバッグの展開試験と防炎布の
耐熱性の測定結果を表1に示す。展開後のバッグは何ら
損傷もなく、防炎布の耐熱性も十分であった。
【0054】比較例1 実施例1において、シリコーンゴムの塗布量を7g/m
2とした以外は、全て実施例1に準じてエアバッグを作
成した。
【0055】比較例2 実施例1において、防炎布の基布としてナイロン66繊
維420d/72f(原糸強度9.5g/d)の糸を用
いて、織密度が経、緯いずれも46本/吋(基布の目付
は、175g/m2、カバーファクターは1885)の
織物とし、耐熱性エラストマーとしてシリコーンゴムを
15g/m2および40g/m2塗布した以外は、実施例
1に準じてエアバッグを作成した。
【0056】得られたエアバッグの展開試験結果と防炎
布の耐熱性の測定結果を表1に示す。糸デニールが大き
く、カバーファクターが2000以下の場合、耐熱性エ
ラストマーの付与量が少ないと防炎布の表面に均密な耐
熱遮蔽層ができにくいため防炎布のみならず、補強布、
縫糸も溶融した。
【0057】また、耐熱エラストマー付与量を多くする
と、防炎布の耐熱性は改善されるものの、防炎布自体の
重量が大きくなり、軽量化が阻げられる。
【0058】比較例3 実施例2において、防炎布の基布織物の密度を経および
緯いずれも68本/吋(目付134g/m2、カバーフ
ァクターは1971)とした以外は、全て実施例2に準
じてエアバッグを作成した。
【0059】糸デニールが細い場合でも、カバーファク
ターが2000以下の場合、エラストマー付与量が適性
範囲にあっても、耐熱層の均密性に欠け、溶融時間も短
く、展開試験後の防炎布も溶融が認められた。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりイン
フレーターの熱ガスの影響を受けやすい部位、特にイン
フレーター取付口周辺の防炎布として、軽くて耐熱性に
優れ、しかも安価な材料が提供できるため、軽量であり
ながら展開時の熱ガスの影響のない、安全で信頼性の高
いエアバッグを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一方のエアバッグの基布の説明図。
【図2】他方のエアバッグの基布の説明図。
【図3】インフレーター取付口の補強布の説明図。
【図4】インフレーター取付口への補強布の縫い合わせ
とさらにその上に防炎布を縫い合わせる状態の説明図。
【図5】補強布および防炎布を縫い合わせたインフレー
ター取付口周囲に取付用ボルト孔を設けた状態の説明
図。
【図6】防炎布の耐熱性を測定する装置を模式的に説明
する図。
【符号の説明】
1 高圧空気 2 試料基布 3 加熱ヒーター 4 ノズル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インフレータ取付口周辺に防炎布を設け
    たエアバッグであって、前記防炎布は、その基布が40
    0デニール以下の繊維糸条から構成され、カバーファク
    ターが2000以上である織物からなり、該基布に耐熱
    性エラストマーを基布単体の目付の5〜15%未満付与
    して形成された耐熱性エラストマー付与面を有し、目付
    が210g/m2以下であり、かつ該耐熱性エラストマ
    ー付与面に約300℃の熱風を放射した時の溶融時間が
    2秒以上であることを特徴とするエアバッグ。
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US10392743B2 (en) 2012-11-12 2019-08-27 Dow Silicones Corporation Flexible heat shield with silicone elastomer and a topcoat for inflatable safety devices

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