JP2000309070A - 生分解性抗菌カード - Google Patents

生分解性抗菌カード

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JP2000309070A
JP2000309070A JP11880999A JP11880999A JP2000309070A JP 2000309070 A JP2000309070 A JP 2000309070A JP 11880999 A JP11880999 A JP 11880999A JP 11880999 A JP11880999 A JP 11880999A JP 2000309070 A JP2000309070 A JP 2000309070A
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JP
Japan
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antibacterial
card
biodegradable
substance
base material
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JP11880999A
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Kanshin Ri
漢森 李
Shinya Ochiai
信哉 落合
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生分解性とと抗菌性の両機能を有するカードを
提供する。 【解決手段】単層又は複数層から構成される生分解性プ
ラスチックカードの基材の少なくとも最外層が抗菌性を
有するオーバーシート、或いは抗菌性印刷層で形成さ
れ、カードの使用中には細菌等の微生物の繁殖を防ぐ抗
菌機能を有するとともに、カード使用済み後は土壌に埋
立て処理或いはコンポストに入れることで生分解が可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカー
ド、キャッシュカード、IDカード、ICカード、身分
証明書、社員証、会員証、診察カードなどに用いられる
カードに関し、とくに本発明の生分解性抗菌カードは、
単層又は複数層の生分解性プラスチックシートで構成さ
れ、その最外層、すなわち最表層側と最裏層側に抗菌機
能を付与することで、カードの使用中には細菌等の微生
物の繁殖を防ぐ抗菌機能を有し、カード使用済み後は、
土壌に埋立て処理或いはコンポストに入れることで生分
解することが可能なカードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種カードは、身分を証明するI
Dカード、診察カード、会員カードや金銭的価値を保持
するキャッシュカード、クレジットカードなど幅広い分
野で利用されている。これらのカードは、通常、利用者
に販売し、或いは貸与された後は、利用者がそのカード
を使い終われば、廃棄されるものである。例えば、現
在、流通している診察カード、クレジットカード、キャ
ッシュカード、IDカード等は殆ど700から800μ
m厚さの塩化ビニル製であり。これらの塩化ビニル製カ
ードは、約500μm白色中間層(センターコア)の両
面に何らかの絵柄を印刷し、その後、センターコアの両
面に約100μm透明塩化ビニルシートを熱プレス法に
より融着され、カード基材が形成される。さらにこれら
の基材上に絵柄・文字情報などの印刷や、また情報記録
手段として磁気記録部または光学記録部、マイクロプロ
セッサやメモリからなるIC記録部がカード基材に設け
てられていた。
【0003】また、これらの従来のプラスチックカード
は、使用済みとなった後は、現在のころ焼却または廃棄
物として埋め立て等によって処分されている。
【0004】なお、従来から紙をカード基材として採用
したカードが利用されており、特に紙は焼却や埋め立て
などの廃棄が簡単であり、しかも製造コストが安価であ
ることから、近年議論されているゴミなど環境問題の解
決に最適なカード材料と見られる。ところが紙をカード
基材として用いた場合に耐久性、耐折り曲げ性、耐水
性、調薬品性、表面平滑性、光沢性、などのカードとし
ての適性を考慮すると全ての点で機能が劣るため、紙の
単独での使用は、通行券や入場券、乗車券など限定され
た用途で、一時的な利用のみに限られ、一定期間使用さ
れる上述のカードの用途には不向きであるとされてき
た。この場合には紙基材にポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなど
の合成樹脂やアルミニウム箔などプラスチック以外の外
層を保護層として積層することが考えられるが、これら
は廃棄性に優れず、上記した従来のプラスチックカード
と大差がない欠点を育する。
【0005】さらに、特開明57−150393号公
報、特開明59−220192号公報、特開明51−9
3991号公報、特開明63−260912号公報、特
開明57−150393号公報にあるような光または地
中など自然環境下で分解可能なプラスチックが開発さ
れ、とくに使い捨て型の商品に用いられるようになり、
現在一部で商晶化されている。カードの分野では特開平
5−42786号や特開平5−85088号において、
カード基材に生分解性のプラスチックを用いることが述
べられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のカードは塩化ビ
ニル、或いはABSなどの樹脂で構成され、良好的な物
性があり、しかも安価であるので、広く使われている。
しかしながら、これらのカードが使用後の廃棄処理は、
現在のところ焼却または廃棄物として埋め立て等によっ
て処分されているので、焼却処理の場合焼却による燃焼
温度の高熱化が起こり、焼却炉の損傷及び燃焼ガスなど
の公害問題があり、また埋め立て処理すると分解するこ
となく原形のまま存在するため、半永久的にゴミとして
地球に残り、自然環境への影響が問題となっている。
【0007】また、カードは病原菌等が付着して繁殖す
るのではという不快感、嫌悪感を与えたり、近年とくに
清潔志向の高まりもあり、また近年急速に普及し始めた
病院の診蒙カードなどは、診察カードの抗菌効果につい
て特に考慮がなされることで、安全性をアピールするこ
とができるが、生分解性と抗菌性の両機能を有するカー
ドは存在していなかった。そこで本発明は、複数の生分
解性プラスチックシートで構成され、その最外層、すな
わち最表層側と最裏層側に抗菌機能を付与することで、
カードの使用中には細菌等の微生物の繁殖を防ぐ抗菌機
能を有するとともに、カード使用済み後は土壌に埋立て
処理或いはコンポストに入れることで生分解可能なカー
ドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
ついて鋭意研究した結果得られたものであり、請求項1
に記載の発明は、単層又は複数層から構成される生分解
性プラスチックカードの基材の少なくとも最外層が抗菌
性を有することを特徴とする生分解性抗菌カードであ
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1の生分
解性抗菌カードにおいて、最外層が抗菌性を有する物質
を練り込んだシートにより構成されてなることを特徴と
する。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1の生分
解性抗菌カードにおいて、最外層が抗菌性を有する物質
を含有する印刷層により構成されてなることを特徴とす
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の生分解性抗菌カードにおいて、基
材が数平均分子量10000から100000であるポ
リ乳酸または乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主
成分とする熱可塑性樹脂からなることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の生分解性抗菌カードにおいて、基
材がヒドロキシアルカノエートユニットを有する微生物
合成による脂肪族ポリエステル樹脂であって、3一ヒド
ロキシバリレート、3一ヒドロキシブチレート、3一ヒ
ドロキシカプロレート、3一ヒドロキシヘプタノユート
及びそれらの側鎖に種種の官能基を有するP(3HA)
共重合体の1つまたは2っ以上の混合体からなる熱可塑
性樹脂であることを特徴する。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の生分解性抗菌カードにおいて、基
材は、グリコールと脂肪族ジカルボン酸とから化学合成
された脂肪族系ポリエステルであって、数平均分子量1
0000〜100000の熱可塑性樹脂であることを特
徴とする。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の生分解性抗菌カードにおいて、抗
菌性を有する物質として抗菌性金属或いは金属化合物を
無機物質に把持させた抗菌剤を用いたことを特徴とす
る。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の生分解性抗菌カードにおいて、抗
菌性を有する物質として、抗菌性ゼオライトにより構成
されていることを特徴とする。
【0016】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の生分解性抗菌カードにおいて、抗
菌性を有する物質として、第4級アンモニウムを抗菌成
分とする抗菌剤を用いることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の生分解性抗菌カードの断面図
であり、図2は本発明の生分解性抗菌カードの他の実施
例を示す断面図である。
【0019】図1に示される生分解性抗菌カード1は、
コアシート2の両側にオーバーシート2がそれぞれ積層
されたカード基材4からなり、このカード基材は生分解
性樹脂からなり、その少なくとも最外層、すなわちオー
バーシート3に抗菌性が付与されてなるものである。
【0020】カード基材4は、数平均分子量10000
から100000であるポリ乳酸または乳酸とオキシカ
ルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性樹脂、或
いは乳酸等を主成分とする高分子材料である脂肪族ポリ
エステルを用いることができる。乳酸としてはD一乳
酸、L一乳酸等がありオキシカルボン酸は、グリコール
酸、6一ヒドロキシカプロン酸等があげられる。例え
ば、D一乳酸、L一乳酸又はそれらの混合物と、D一乳
酸、L一乳酸又はそれらの混合物とグリコール酸、また
6一ヒドロキシカプロン酸に代表されるオキシカルボン
酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性分解性樹脂が用
いられる。
【0021】また、他の生分解性樹脂材料としては、例
えば、グリコールと脂肪酸ジカルボン酸とから主に縮重
合反応で化学合成された脂肪族ポリエステル樹脂、3一
ヒドロキシ酪酸・3一ヒドロキシ吉草酸共重合体P(3
HB−3HV)等の微生物産生ポリエステル、ポリカプ
ロラクトン(PCL)などの脂肪族ポリエステル等のポ
リグリコリド、ポリビニルアルコール・でんぷん複合体
等が使用でき、これらの生分解性を有する樹脂同士の混
合体や積層体であってもよい。これらの生分解性樹脂は
自然環境下に放置されると、土中或いは水中に存在する
微生物により分解される。最終的には、水、炭素ガス、
メタル等にまで分解可能なものが好ましい。
【0022】さらに他の生分解性樹脂材料としては、た
とえば、主にグリコールと脂肪族ジカルボン酸とから化
学合成された脂肪族系ポリエステルで、数平均分子量1
0000〜100000の熱可塑性樹脂を用いることが
できる。
【0023】本発明では、上記の例に述べた生分解性樹
脂材料以外にも、生分解性を有する樹脂、もしくは同等
の機能を有する材料であれば用いることができる。
【0024】次にカードとして使用途中で菌の付着増殖
を抑える手段として、本発明では、カードの少なくとも
最外層、例えば最表面層倒と最裏層倒に、それぞれ抗菌
性を付与し、大腸菌などの人体の健康を損なう恐れのあ
る細菌のカード上での増殖を阻害することが可能であ
る。
【0025】生分解性樹脂材料は、土壌等に廃棄される
と土壌微生物の菌体外酵素により、オリゴマー単位に分
解されるものと考えられる。このため、本発明に使用す
る抗菌剤は使用環境中で付着する細菌類に対し抗菌性を
有しながら、土壌微生物に対しては抗菌効果を有しない
が、分解されるものが使用される。銀、亜鉛、銅などの
金属を有効成分とする抗菌剤の場合、樹脂中に金属とし
て0.2%以下の含有量であれば土中のカビの生育を煙
害することはない。また、第4級アンモニウムを育効成
分抗菌剤の場合、土壌微生物により第4級アンモニウム
は分解され、カードを構成する生分解性材料の分解を阻
害することがない。
【0026】さらに、上述の樹脂だけではカードとして
必要の機械強度及び物性が十分ではない場合には、これ
らの樹脂に各種フィラー及び添加剤を添加・混練するに
よる樹脂の機械強度の補強及び改質ができる。また、フ
ィラーの添加によるカード基材の隠蔽性(光透過性の低
下)の向上とコストの低減にも効果がある。これらの樹
脂に添加するフィラーは、例えば、無定型フィラー内
に、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、天然シ
リカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、
酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグ
ネシウム等を添加・混練でき、また、板状フィラー内
に、例えば、タルク、マイカ、ガラスフレーク等が添加
・混練でき、針状フィラー内に、例えば、ウォラストナ
イト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セ
ピオライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミニウム等が添
加・混練できる。また、球状フィラーも添加することが
できるが、引っ張り、曲げ、衝撃強度等には、繊維状フ
ィラーと板状フィラーのような改良効果がないため、好
まし糸はいえない。上記のフィラーは、樹脂に1〜50
wt%、好ましくは5〜30wt%を添加、混練し、さ
らに二軸延伸加工を施すことにより、剛度をはじめとし
て、耐久性、耐熱変形性、成形加工性、耐衝撃強度、寸
法安定性、耐折り曲げ性等の特性が改良される。上記の
フィラーは単体の添加でもよいが、数種を同時に添加し
てもよい。このフィラーの添加により、従来の塩化ビニ
ル材、ABS材と同等又はそれ以上の特性を有すること
が可能である。
【0027】なお、樹脂の特性を失わない範囲で有れ
ば、フィラー以外でも必要に応じて各種の添加剤、例え
ば着色防止剤0.05〜3重量部、酸化防止剤O.05
〜3重量部、滑剤0.05〜3重量部、有機顔料及び無
機顔料等を添加することが可能である。また、ポリマー
等の非生分解性の物質を添加することも可能である。但
し、非生分解性の物質を30%以上添加することは、生
分解性が著しく低下し、さらに加工上の問題を生じるた
め、好ましくない。
【0028】抗菌性を有する物質、抗菌剤を練り込む方
法としては、ドライブレンド、溶融ブレンド等があり、
また、混練された樹脂はTダイ押し出し、カレンダーロ
ール成形方法などによりシート形状に成形される。これ
らは適宜選択される。さらに上記したように各層のシー
トは加熱下で二軸延伸加工し、熱安定処理することによ
り、カード基材の剛度、成形性、耐衝撃性、寸法安定
性、熱安定性、耐折り曲げ性等の特性をさらに向上させ
ることができる。なお、抗菌性を有するシートの厚さ
は、任意に設定されるが、およそ20〜200μmが望
ましい。
【0029】また、図2に示すように本発明の生分解性
抗菌カード5では、コアシート6のみの単層、或いは図
示しないがコアシート6に積層したオーバーシートから
なる複数層からなるカード基材8の最外層側、すなわち
最表面層側及び最裏面層側に、抗菌性を育する物質を含
有する抗菌性印刷層7を積層することができる。この抗
菌性印刷層7は、抗菌剤を混入させたインキ等をグラビ
ア塗布法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法により
カード基材8に塗布又は印刷により形成される。この抗
菌性印刷層の厚さは0.5〜50μmが望ましい。
【0030】また、抗菌性を有する物質としては、銀、
銅、亜鉛等の抗菌性金属或いは金属化合物を無機物質に
担持させた抗菌剤や抗菌性ゼオライト、すなわち一般式
xMn2O・A123・ySiO2・zH2O(但し、x及
びyはA123を基準として1とした場合のそれぞれ金
属酸化物及びシリカの係数であり、Zは結晶水の係数を
表している)で表現される合成ゼオライトのイオン交換
可能な金属(M)の一部叉は全部が殺菌性を有する銀、
銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロ
ムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属イオン
に置換された構造を有するもので、例えば、カネボウ薬
品株式会社製の商品名「バクチキラー」(登録商標)が
挙げられる。また、この抗菌性ゼオライトは通常、マス
ターバッチ(ペレット形状)で提供されるのであり、抗
菌粉末をプラスチックシートに練り込み、或いはインキ
と混合・融解させて適用される。
【0031】本発明のカード基材を構成する各種シート
の積層方法は、ドライラミネート、ウェットラミネー
ト、熱プレスラミネート、印刷又は塗布などの各種方法
があげら、用途、材料の種類により適宜選択される。
【0032】本発明の生分解性抗菌カードは、量産性を
考慮し、カードサイズよりも大きく、例えばシート全版
サイズに積層形成することができ、これをカードの抜き
型により、ISO規格又はJIS規格であるクレジット
カードサイズである86mm×54mmの生分解性抗菌
カードを抜き形成することができる。
【0033】このように選られた本発明の生分解性抗菌
カードは、カードの全体が生分解性を有しながら、少な
くともカードの最表面層側と最裏層側にそれぞれ抗菌性
を有することにより、各種環境中で使用することが可能
であり、カード使用時に付着する細菌の増殖殖を抑える
ことができ、しかもカード使用済み後には土壌中或いは
コンポスト中にて完全に分解可能であることから、廃棄
処理が容易であるという特性を有する。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
てさらに詳細に説明する。
【0035】<実施例1>図1は、1は本発明の生分解
性抗菌カードの一例を示す断面図である。2はコアシー
トであり、3は抗菌性を有するオーバシートであり、4
はそれらからなるカード基材である。
【0036】抗菌性を有するオーバシート3の製造方法
については、まず、二軸混練機で生分解性樹脂であるポ
リ乳酸(島津製作所製(株)製〔ラクティ〕(商品
名))と、無機系抗菌性ゼオライト粉末(銀含量2.5
重量% カネボウ薬品(株)製「バクチキラー」(商品
名))の混合・ブレンドを行った。そして、ブレンドし
た樹脂はTダイ押し出し成形機を用いて、加工温度20
0度で規定の厚さ約100μmの抗菌性を有するオーバ
ーシート3を作製した。上記の抗菌性粉末の配合比率は
0.3重量%である。なお、オーバーシート3は、二軸
延伸機で2×2倍の延伸加工を施した。また、押し出し
シートにカレンダー処理を施することも可能である。ま
た、コアシート2は分解製樹脂のバイオポール(日本セ
ネカ(株))を用いて同じくTダイ押し出し成形機で成
形した。前述のオーバーシート3はコアシート2と張り
合わせることにより、カード基材4を成形することがで
きた。この張り合わせ方法としては、ドライラミネー
ト、溶融ラミネート、熱プレス等の方法を挙げられる。
このようにしてカードの抜き型により所定のカード形状
に打ち抜き、厚さ0.76mm×横86mm×縦54mmの
生分解性抗菌カード1を作製した。
【0037】次にこの実施例1の生分解性抗菌カード1
について、以下の方法により抗菌性の評価試験を行っ
た。まず、各一株を普通寒天培地で37℃、20〜24
時間培養後、滅菌リン酸緩衝液に菌体を浮遊させ、約1
5CFU/ml(CFL:コロニーフォーメーション
ユニット)になるように試験菌液を調整した。生分解性
抗菌カード1である検体上に、この試験菌液0.2ml
を接種して、加湿条件下で37℃、24時間保存した。
保存後菌液を別のシャーレに滅菌リン酸緩衝液で洗い流
し、この洗い出し液の生菌数を、普通寒天培地を用いた
混釈平板培養法(37℃、1日)により測定し、1ml
当たりのCFU値に換算し、カード1枚当たりの生菌数
に換算した。
【0038】また、対照として、上記の生分解性抗菌カ
ード1に接種したものと同量の菌液をシャーレに接種し
て同様に試験し、保存開始時の測定は対照で行った。
【0039】<比較例1>なお、比較のため、抗菌剤が
添加されていない点を除いて実施例1と同一の構造のカ
ードを作成し、このカードに対しても上記比較試験と同
一の菌液を接種して同様の試験を行った。これ等の結果
について表1に記載する。
【0040】<実施例2>オーバーシート3の無機系抗
菌粉末の配合比率が0.5重量%である点を除いて実施
例1の生分解性抗菌カードと同一の工程で生分解性抗菌
カードを作製した。そして、この実施例2の生分解性抗
菌カードに対しても上記比較試験と同一の菌液を接種し
て同様の試験を行った。この結果を表1に記載する。
【0041】<実施例3>オーバーシート3の無機系抗
菌粉末の配合比率が1.0重量%である点を除いて実施
例1の生分解性抗菌カードと同一の工程で生分解性抗菌
カードを作製した。そして、この実施例3の生分解性抗
菌カードに対しても上記比較試験と同一の菌液を接種し
て同様の試験を行った。この結果を表1に記載する。
【0042】<実施例4>無機系抗菌剤に代えて、抗菌
剤として第4級アンモニウムとしてセチルピリジニウム
をトリポリリン酸に約25重量%把持した抗菌剤(商品
名:ラサッブQC2500GF、ラサップ工業(株)
製)を1重量%使用する他は、実施例1の生分解性抗菌
カードと同一の工程で生分解性抗菌カードを作製した。
そして、この実施例4の生分解性抗菌カードに対しても
上記比較試験と同一の菌液を接種して同様の試験を行っ
た。この結果を表1に記載する。
【0043】
【表1】
【0044】「対照」:カードに接種したものと同量の
菌液をシャーレに接種した。 「*」:試験せず
【0045】「抗菌性の評価試験」通常、接種された生
菌の数が24時間後2オーダー減少すれば抗菌効果があ
ったと判定される。従って、各実施例に係る本発明の生
分解性抗菌カードはその抗菌機能を充分に具備している
ことが確認できた。
【0046】なお、各実施例に置いて適用された抗菌性
ゼオライト(商品名「バクチキラーBM−102D
C」)は各種の試験で毒が無く安全が確認されており、
かっ、安定性、耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性にも優れ
ているため、本発明に係る抗菌剤粉末として適した材料
である。
【0047】また、ラサッブQC2500GFの有効成
分であるセチルピリジニウムは化粧品原料であり、また
耐熱性、耐酸性、対アルカリ性にも優れているため、本
発明に係る抗菌剤粉末として適した材料である。
【0048】さらに本発明の生分解性抗菌カードの他の
実施例を挙げる。
【0049】<実施例5>図2に示すように生分解性樹
脂(商品名ビオノーレ#1003、昭和高分子(株)
製)からなるコアシート6の最表層側と最裏層側に、ポ
リ乳酸可溶性樹脂或いはアクリル系樹脂を溶剤で溶解さ
せ、溶けた樹脂に無機系抗菌剤粉末(抗菌性ゼオライト
商品名バクチキラーBM−102DC)を0.5重量%
となるように調製された抗菌性インキを用いて、グラビ
ア印刷法で2μmの抗菌印刷層7を形成し生分解性抗菌
カード5を作製した。そして、この実施例5の生分解性
抗菌カードに対しても上記比較試験と同一の菌液を接種
して同様の試験を行った。この結果を表2に記載する。
【0050】<実施例6>無機系抗菌剤に代えて、抗菌
剤として第4級アンモニウムとしてセチルピリジニウム
をトリポリリン酸に約25重量%把持した抗菌剤(商品
名:ラサップQC2500GF、ラサップ工業(株)
製)を1重量%使用する他は、実施例5の生分解性抗菌
カードと同一の工程で生分解性抗菌カードを作製した。
そして、この実施例6の生分解性抗菌カードに対しても
上記比較試験と同一の菌液を接種して同様の試験を行っ
た。この結果を表2に記載する。
【0051】<比較例2>なお、比較のため、抗菌剤が
添加されていない点を除き実施例5と同一構造のカード
を作成し、このカードに対しても上記比較試験と同一の
菌液を接種して同様の試験を行った。これ等の結果につ
いて2に記載する。
【0052】
【表2】
【0053】実施例1ないし4の生分解性抗菌カードを
畑土壌中に埋設し、定期的に分解状態を観察したとこ
ろ、6ヵ月後にはカードが崩壊し始め、12ヵ月経過後
ほぼ半分に分解したことが確認された。
【0054】比較のために厚さ200μmのPETカー
ドを土壌中に埋設し、定期的に状態を観察したところ、
6ヵ月経過後、色が部分的に変化したが、形状は保持さ
れ、分解がないことが確認された。
【0055】実施例5および6の生分解性抗菌カード
と、同材料で構成された抗菌層ないカードとを同時に土
壌中に埋設し、定期的に状態を観察したところ、生分解
性抗菌カードは3ヵ月経過後、分解し始め、6ヵ月経過
後ほぼ半分に分解したことが確認された。また、抗菌層
ないカードは、5ヵ月経過後、分解し始め、10ヵ月経
過後ほぼ半分に分解したことが確認された。
【0056】
【発明の効果】本発明の生分解性抗菌カードは、カード
の全体は生分解性を有しながら、カードの最外層にそれ
ぞれ抗菌性を付与することで、各種悪環境中で使用する
場合であっても、使用途中で分解せず、カードに付着し
た細菌の繁殖を抑えられ、しかも使用済み後は、土壌中
或いはコンポスト中で分解するため、廃棄処理が容易で
ある。なお、生分解性抗菌カードの抗菌剤は廃棄後土壌
微細物に対して抗菌効果を有さず、廃棄可能なものが使
用される。カードの分解が始まり、抗菌性ではない層が
露出することにより更に生分解性が進行し、完全に分解
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性抗菌カードの実施例を示す断
面図である。
【図2】本発明の生分解性抗菌カードの他の実施例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1、5 生分解性抗菌カード 2、6 コアシート 3 オーバーシート 4、8 カード基材 7 抗菌性印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA21 HB01 HB08 HB09 JA26 KA01 KA07 KA70 LA02 4F100 AB01A AB01C AC04A AC04C AH03A AH03C AK41A AK41B AK41C AK41J AL01A AL01C AR00A AR00C BA03 BA06 BA10A BA10C CA12A CA12C GB71 HB31A JA07A JA07C JB16A JB16C JC00 JC00A JC00B JC00C JL00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単層又は複数層から構成される生分解性プ
    ラスチックカードの基材の少なくとも最外層が抗菌性を
    有することを特徴とする生分解性抗菌カード。
  2. 【請求項2】前記最外層は、抗菌性を有する物質を練り
    込んだシートにより構成されてなることを特徴とする請
    求項1に記載の生分解性抗菌カード。
  3. 【請求項3】前記最外層が、抗菌性を有する物質を含有
    する印刷層により構成されてなることを特徴とする請求
    項1に記載の生分解性抗菌カード。
  4. 【請求項4】前記基材が数平均分子量10000から1
    00000であるポリ乳酸または乳酸とオキシカルボン
    酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の生
    分解性抗菌カード。
  5. 【請求項5】前記基材がヒドロキシアルカノエートユニ
    ットを有する微生物合成による脂肪族ポリエステル樹脂
    であって、3一ヒドロキシバリレート、3一ヒドロキシ
    ブチレート、3一ヒドロキシカプロレート、3一ヒドロ
    キシヘプタノユート及びそれらの側鎖に種種の官能基を
    有するP(3HA)共重合体の1つまたは2っ以上の混
    合体からなる熱可塑性樹脂であることを特徴する請求項
    1ないし3のいずれかに記載の生分解性抗菌カード。
  6. 【請求項6】前記基材は、グリコールと脂肪族ジカルボ
    ン酸とから化学合成された脂肪族系ポリエステルであっ
    て、数平均分子量10000〜100000の熱可塑性
    樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の生分解性抗菌カード。
  7. 【請求項7】抗菌性を有する物質として抗菌性金属或い
    は金属化合物を無機物質に把持させた抗菌剤を用いたこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の生
    分解性抗菌カード。
  8. 【請求項8】抗菌性を有する物質として、抗菌性ゼオラ
    イトにより構成されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の生分解性抗菌カード。
  9. 【請求項9】抗菌性を有する物質として、第4級アンモ
    ニウムを抗菌成分とする抗菌剤を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の生分解性抗菌カ
    ード。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012100760A1 (en) * 2011-01-26 2012-08-02 Invos, Spol. S R. O. Hygienic cover with antimicrobial outer surface and method of its manufacture
CN114016002A (zh) * 2020-12-31 2022-02-08 宁波摩华科技有限公司 一种自再生功能的抗菌复合涂层及其制备方法
WO2022106800A1 (en) * 2020-11-19 2022-05-27 Formology Holdings Limited Antimicrobial coating system

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