JP2000305615A - 荒加工用ポケット形状加工領域作成方法 - Google Patents

荒加工用ポケット形状加工領域作成方法

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JP2000305615A
JP2000305615A JP11109526A JP10952699A JP2000305615A JP 2000305615 A JP2000305615 A JP 2000305615A JP 11109526 A JP11109526 A JP 11109526A JP 10952699 A JP10952699 A JP 10952699A JP 2000305615 A JP2000305615 A JP 2000305615A
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shape
layer
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rough machining
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JP11109526A
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Takatsugu Ishii
貴継 石井
Minoru Mori
穰 森
Hiroaki Suenaga
浩章 末永
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具交換回数を減らすとともに加工効率が最
適になるように下穴加工を行うことにある。 【解決手段】 等高線加工での荒加工をCAMシステム
で行うための加工領域を作成するに際し、各ポケット形
状の中荒加工用層間ピッチでの最下層の輪郭線を求め、
その最下層の輪郭線内の領域にスクエアエンドミルでの
スパイラル切り込み加工の最小径の円が入るポケット形
状については、そのスパイラル切り込み加工で大荒加工
用下穴を加工し、その最下層の輪郭線内の領域に上記ス
パイラル切り込み加工の最小径の円は入らないが、スク
エアエンドミルでの通常の切り込みが行える最小径の円
が入るポケット形状については、その円の直径に等しい
外径のドリルで大荒加工用下穴を加工し、その最下層の
輪郭線内の領域に上記通常の切り込みが行える最小径の
円も入らないポケット形状については、その最下層より
上層に上記最小径の円が入る輪郭線内の領域を探し、そ
の領域が存在する層までドリルで大荒加工用下穴を加工
するように加工領域を作成するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CAM(コンピ
ュータ支援加工)システムで荒加工を行うためのNCデ
ータの作成に用いられる、荒加工用ポケット形状加工領
域作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CAMシステムで金型等の形状をブロッ
ク状の素材から削り出す際には、一般に、加工時間の短
縮のため、先ず比較的大径の工具による高速の荒加工で
その素材を仕上げ形状の近くまで削り、その後に仕上げ
加工で仕上げ形状を削り出すという手順が取られ、その
荒加工では通常、等高線加工によって切削効率を向上さ
せるとともに、その等高線加工を取り代一定加工とする
ことによって工具破損等の不具合の発生を防止してい
る。
【0003】この荒加工に関し近年、特開平8−155
788号公報にて、図22(a)に示すように、素材形状
MFを切削工具としてのスクエアエンドミルSMにより、そ
の工具の刃長のかなりの部分に対応する大きな段差(層
間ピッチ)で上方から下方へ仕上げ形状FFに沿って順次
切削加工してゆくいわゆる一発加工の大荒加工と、図22
(b)に示すように、その大荒加工後の階段状の中間形
状IFの各段をスクエアエンドミルSMにより、大荒加工よ
りも小さな段差(層間ピッチ)で下方から上方へ仕上げ
形状FFに沿って順次切削加工してゆくいわゆる駆け上が
り加工の中荒加工とを行う荒加工方法が提案されてい
る。
【0004】この荒加工方法によれば工具の刃長を有効
に利用して効率的な荒加工を行うことが可能となるが、
CAMシステムによりこの方法で荒加工を行うために
は、一発加工の大荒加工については複数層の工具高さの
各々について仕上げ形状の輪郭線と素材形状の輪郭線と
で囲まれた領域を加工領域としてそこに工具経路を作成
すれば良いのに対し、カケ上がり加工の中荒加工につい
ては複数層の工具高さの各々について仕上げ形状の輪郭
線と中間形状の各段の輪郭線とで囲まれた領域のうちそ
の中荒加工にて先にその層より下の工具高さで加工する
領域を除いて得られる領域を加工領域としてそこに工具
経路を作成する必要があり、かかる加工領域の作成のた
めの具体的方法を、本願出願人は先に特願平10−16
2187号にて提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記大荒お
よび中荒加工を適用する仕上げ形状には、水平方向の工
具移動で切り込みができる、凸形状や、素材形状の側面
に開いた溝形状等の開放形状の他、周囲が全て仕上げ形
状となるため最初に垂直方向の工具移動による切り込み
が必要となる水平方向に閉じた凹形状であるポケット形
状があり、かかるポケット形状についても基本的に、先
ず底部まで大荒加工の大きな層間ピッチで上の層から順
に大荒加工を行った後、その大荒加工後の階段状の中間
形状の各段について中荒加工の小さな層間ピッチで下の
層から順に駆け上がりの中荒加工を行う必要がある。
【0006】しかしながら、水平な素材上面に形成され
るとともに垂直な側面および比較的大きくて水平な底面
を持つポケット形状に関する荒加工方法は従来、特開平
5−228786号公報にて開示されているが、自由曲
面で構成される仕上げ形状におけるポケット形状には、
上記公報の加工例のように垂直な側面および比較的大き
くて水平な底面を持つものの他に、側面や底面が傾斜面
となっているもの、あるいは側面と底面とが滑らかに繋
がって傾斜面となっているものもあり、これら種々のポ
ケット形状について底部まで大荒加工を行おうとする
と、単純にポケット形状を他の形状から分割して加工領
域を作成する上記従来の荒加工方法では適切な対応がで
きないという問題があった。
【0007】すなわち、ポケット形状としては、例えば
図23(a)に示すような広くて水平な底面を持つ形状
や、図23(b)に示すような通常の大荒あるいは中荒加
工用スクエアエンドミルでは細いものでも底部まで届か
ない狭い形状や、図23(c)に示すような側面と底面と
が滑らかに繋がってなだらかな傾斜面となっている形状
等がある。従って、後工程で駆け上がりの中荒加工を行
う上記大荒加工に際しては、基本的にはポケット形状の
底部まで下穴をあける必要があるが、図23(a)に示す
ようなポケット形状の場合は、図23(d)に示すような
効率を重視した広い下穴加工が必要であり、また図23
(b)に示すようなポケット形状の場合は、図23(e)
に示すようなできるだけ深い位置までの下穴加工が必要
である。そして図23(c)に示すようなポケット形状の
場合は、その傾斜面の傾斜角度に応じて下穴の加工方法
を選択する必要があり、図23(f)に示すように下穴が
大き過ぎると底部に未加工領域が多く残ってしまい、逆
に下穴が小さ過ぎると周囲に未加工領域が多く残ってし
まって、いずれにしても加工効率が悪くなる。
【0008】また、ポケット形状の下穴は、大荒加工用
のスクエアエンドミルの工具径よりも切り込みが行える
だけ大きくなければならない。従って図24(a),
(b)に示すような狭くて長いポケット形状の場合は、
大荒加工用のスクエアエンドミルSMが入る最深位置より
も浅い位置に下穴加工用のドリルPDの最深位置が存在す
ることになるので、そのドリルPDの加工位置と加工深さ
とを、ポケット形状から決定する必要がある。
【0009】さらに、図25に示すように、複数のポケッ
ト形状が隣接して存在してそれらの底の高さが異なる場
合に、それぞれの底に大荒加工の層を設定すると、深い
方のポケット形状についても浅い方の底の位置の層まで
一々大荒加工を行わねばならず、大荒加工の層間距離が
所定の層間ピッチよりはるかに小さくなって、加工効率
が低下してしまう。
【0010】そして、図26に示すような狭いポケット形
状の場合は、大荒加工の層の下に中荒加工用層間ピッチ
よりも深い未加工領域(ここでは「窪地」と呼ぶ)が残
ってしまう場合があり、かかる窪地の加工は、中荒加工
用のスクエアエンドミルで行うよりはそれと同一工具径
もしくはそれより細いボールエンドミルを用いた方が切
り込みを容易に行うことができるが、そのような窪地を
上層の加工用の工具よりも細い工具で加工する場合に
は、図27(a),(b)に示すようにその細い工具の方
がより仕上げ形状に近づく場合があるため、上層の加工
での削り残し部分とその細い工具との干渉が生じて工具
の折損が生ずるおそれがある。
【0011】また、図28(a),(b)に示すように、
傾斜角度が90度に近いポケット形状の側面について中荒
加工の加工領域を作成しようとすると、加工領域の幅が
狭くなり過ぎて、誤差の存在により加工領域の作成が困
難になったり、削り代の少ない無駄な工具経路が作成さ
れたりするという問題がある。
【0012】さらに、図29(a)に示すように、ポケッ
ト形状の傾斜面に穴形状や溝形状が開口する場合には、
かかる穴形状や溝形状をそのまま加工しようとすると、
例えば自動車用の金型の高速直彫り加工に関連して雑誌
「機械技術」第44巻第8号(1996年8月号)の第
42頁に記載されているように、素材の切削抵抗が工具
を曲げる方向に大きく働いて図29(b)に示すように工
具の折損が生ずる可能性があり、これを防止するために
その記載のように水平な補助面を別途に前加工すること
とすると、加工効率が低下してしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は上記課題を有利に解決した加工領域作成方法を
提供することを目的とするものであり、この発明の荒加
工用ポケット形状加工領域作成方法は、素材形状をスク
エアエンドミルにより、その刃長に応じた層間ピッチで
上方から下方へ仕上げ形状に沿って順次切削加工してゆ
く大荒加工と、その大荒加工後の階段状の中間形状の各
段をスクエアエンドミルにより、大荒加工よりも小さな
層間ピッチで下方から上方へ仕上げ形状に沿って順次切
削加工してゆく中荒加工と、を含む等高線加工での荒加
工をCAMシステムで行うためのNCデータ用の加工領
域を作成するに際し、前記仕上げ形状のうちの各ポケッ
ト形状の、中荒加工用層間ピッチの層での最下層の輪郭
線を求め、前記最下層の輪郭線内の領域に、前記大荒加
工用スクエアエンドミルでのスパイラル切り込み加工の
最小径の円が入るポケット形状については、そのスパイ
ラル切り込み加工で大荒加工用下穴を加工するように加
工領域を作成し、前記最下層の輪郭線内の領域に、前記
スパイラル切り込み加工の最小径の円は入らないが、前
記大荒加工用スクエアエンドミルでの通常の切り込みが
行える最小径の円が入るポケット形状については、その
円の直径に対応する外径のドリルで大荒加工用下穴を加
工するように加工領域を作成し、前記最下層の輪郭線内
の領域に前記通常の切り込みが行える最小径の円も入ら
ないポケット形状については、中荒加工用層間ピッチの
層で最下層より上層に前記通常の切り込みが行える最小
径の円が入る輪郭線内の領域を探し、その領域が存在す
る層まで前記ドリルで大荒加工用下穴を加工するように
加工領域を作成することを特徴とするものである。
【0014】なお、ここで使用する大荒加工用スクエア
エンドミルは、一種類のみでも良いが複数種類の外径の
ものを使い分けても良く、その後者の場合に、前記通常
の切り込みが行える最小径をそれら複数種類のうちの最
も小さい外径を基準として定めても良い。
【0015】かかる方法によれば、各ポケット形状の大
荒加工用下穴加工に、中荒加工用層間ピッチの層での最
下層のポケット形状輪郭線に基づいて、可能な限り大荒
加工用スクエアエンドミルでのスパイラル切り込み加工
を用い、大荒加工用スクエアエンドミルでのスパイラル
切り込み加工ができない場合には、大荒加工用スクエア
エンドミルでの通常の切り込みが行える最小径の円の直
径に対応する外径のドリルでの加工を用いるとともに、
その最下層の輪郭線内の領域が狭い場合はドリルでの加
工が可能な層を可能な限り深い位置まで探してそこまで
ドリルでの加工を行うように、加工領域を作成するの
で、可能な限り工具交換回数を減らすとともに加工効率
が最適になるように下穴加工を行うことができる。
【0016】なお、この発明の方法においては、前記ス
パイラル切り込み加工の最小径の円または前記通常の切
り込みが行える最小径の円が入る輪郭線に内接する最大
径の円の中心位置を、前記大荒加工用下穴の中心位置と
しても良く、このようにすれば、スパイラル切り込み加
工の場合にその穴径を最大限とし得るとともに、ドリル
での加工の場合も周囲に最大限の切り込み代を確保でき
るので、加工効率をより高めることができる。
【0017】またこの発明の方法においては、素材形状
の上面から前記最下層の輪郭線までの上下方向深さが前
記大荒加工用層間ピッチよりも深い複数のポケット形状
の間に素材形状の上面からの上下方向深さが前記中荒加
工用層間ピッチよりも深い棚が存在する場合に、それら
複数のポケット形状のうちの一つであって前記中荒加工
用層間ピッチの層での最下層またはその付近の層の輪郭
線内の領域に前記通常の切り込みが行える最小径の円が
入るポケット形状について前記大荒加工および中荒加工
を行った後にそれら複数のポケット形状のうちの残るポ
ケット形状について荒加工を行うように加工領域を作成
することとしても良く、このようにすれば、最下層また
はその付近の層の輪郭線内の領域に通常の切り込みが行
える最小径の円が入る一つのポケット形状の中荒加工時
に、残るポケット形状の上記棚よりも上の中荒加工の層
についても中荒加工まで済ませておくことができるの
で、個々のポケット形状について素材形状の上面から大
荒加工および中荒加工を行う場合と比較して、加工効率
をより高めることができる。ここで、先に大荒加工およ
び中荒加工を行う前記一つのポケット形状としては、前
記複数のポケット形状のうちで、中荒加工用層間ピッチ
の層での最下層またはその付近の層の輪郭線内の領域に
前記通常の切り込みが行える最小径の円が入るポケット
形状であって、かつ素材形状の上面から前記最下層また
はその付近の層の輪郭線内の領域までの上下方向深さが
最も深いポケット形状を選択するのが好ましく、このよ
うにすれば、下穴加工用ドリルで大荒加工の層の下穴を
加工する場合に一度の工程で最も深い大荒加工の層まで
下穴を加工することができる。
【0018】さらにこの発明の方法においては、前記最
下層の輪郭線内の領域に前記通常の切り込みが行える最
小径の円が入らないポケット形状について、前記通常の
切り込みが行える最小径の円が入る輪郭線内の領域が存
在する層のうちの最下層まで前記大荒加工または中荒加
工を行った後、その最下層の下に残る前記中荒加工用層
間ピッチよりも深い未加工領域(窪地)を、前記大荒加
工または中荒加工で用いたスクエアエンドミルよりも細
いボールエンドミルで荒加工する場合に、その最下層に
ついての前記大荒加工または中荒加工の工具経路の最外
周輪郭線をその大荒加工または中荒加工で用いたスクエ
アエンドミルに対する前記ボールエンドミルの工具半径
差に対応させて外側にオフセットさせて工具経路の最外
周輪郭線として加工領域を作成することとしても良く、
このようにすれば、窪地の荒加工にそれより上層の荒加
工で用いたスクエアエンドミルより細いボールエンドミ
ルを使用する場合にも、上層の加工での削り残し部分と
その細い工具との干渉が生じて工具の折損が生ずるのを
防止することができる。
【0019】そしてこの発明の方法においては、ポケッ
ト形状の傾斜面に開口する穴形状や溝形状については、
その穴形状や溝形状の入口輪郭線の上端よりも高い位置
に前記中荒加工用層間ピッチでの層が存在し、かつ前記
中荒加工用層間ピッチでの何れの層もその穴形状や溝形
状の入口輪郭線と接触も交差もしない場合には、前記中
荒加工後にその穴形状や溝形状の加工を行うように加工
領域を作成し、前記中荒加工用層間ピッチでの何れかの
層がその穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触または交差
するが、その穴形状や溝形状の入口輪郭線の上端から所
定高さ以内の上方位置に前記大荒加工用層間ピッチでの
層が存在し、かつ前記大荒加工用層間ピッチでの何れの
層もその穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触も交差もし
ない場合には、前記大荒加工後にその穴形状や溝形状の
加工を行うように加工領域を作成し、その穴形状や溝形
状の入口輪郭線の上端から所定高さ以内の上方位置に前
記大荒加工用層間ピッチでの層は存在しないが、前記大
荒加工用層間ピッチでの何れの層もその穴形状や溝形状
の入口輪郭線と接触も交差もせず、かつその穴形状や溝
形状の入口輪郭線の上端よりも高い位置に前記中荒加工
用層間ピッチでの層が存在する場合には、その層を加え
て前記大荒加工を行った後に前記穴形状や溝形状の加工
を行うように加工領域を作成し、前記大荒加工用層間ピ
ッチでの何れかの層がその穴形状や溝形状の入口輪郭線
と接触または交差する場合には、その大荒加工用層間ピ
ッチでの各層の高さをその穴形状や溝形状の入口輪郭線
と接触も交差もしない高さに変更してから、前記手順に
よる大荒加工もしくは中荒加工後にその穴形状や溝形状
の加工を行うように加工領域を作成しても良い。
【0020】かかる方法によれば、ポケット形状の傾斜
面に開口する穴形状や溝形状について、水平な補助面を
別途に前加工することなしに、大荒加工や中荒加工の層
の水平面を利用し、その水平面に工具を垂直に切り込ま
せて加工するので、工具折損を防止しつつ高い加工効率
で荒加工を行うことができる。
【0021】さらにこの発明の方法においては、前記中
荒加工の複数層の工具高さの各々について、仮にその層
での中荒加工の加工領域を求めた後にその加工領域のう
ちで幅が所定最小幅以下の部分を探し、その所定最小幅
以下の部分については、その層では加工不必要として除
去するとともに一段上の層での中荒加工の加工領域に併
合することとしても良く、このようにすれば、ポケット
形状の各部位のうち急な傾斜面の部位の中荒加工用の加
工領域であるため加工領域の幅が狭過ぎて各層毎に加工
したのでは加工経路が長くなるとともに加工経路上での
切り込み量が少な過ぎて加工効率が低下する部分につい
て、中荒加工の層数を減らして加工経路を短縮するとと
もに加工効率を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1は、この発明の荒加工用ポケット形状加工領域
作成方法の一実施例の全体的な処理の流れを示すフロー
チャートであり、この実施例の方法は、周囲が全て仕上
げ形状となるため最初に垂直方向の工具移動による切り
込みが必要となる水平方向に閉じた凹形状であるポケッ
ト形状となる、図2に示す如きエンジンのクランクシャ
フトの鍛造用金型FDの型形状部FPの形状を、CAMシス
テムによってブロック状の素材から削り出すために、等
高線加工によるその金型形状の荒加工を行うためのNC
データの作成、特に工具経路の設定のための加工領域
(この実施例では工具中心の移動範囲を意味し、従って
工具径や工具種類に応じて、実際に切削する範囲とは異
なる)の作成に適用されたもので、通常のCAMシステ
ムを構成するコンピュータの作動プログラムを適宜改変
することにて実施し得るものである。
【0023】なお、この実施例の方法における等高線加
工による荒加工は、先に述べた、素材形状をスクエアエ
ンドミルによりその工具の刃長の大部分に相当する大き
な段差(層間ピッチ)で上方から下方へ仕上げ形状に沿
って順次切削加工してゆく大荒加工と、その大荒加工後
の階段状の中間形状の各段をスクエアエンドミルにより
大荒加工よりも小さな段差(層間ピッチ)で下方から上
方へ仕上げ形状に沿って順次切削加工してゆく中荒加工
とを含む他、先に述べた窪地が生ずるような仕上げ形状
についてはその窪地をボールエンドミルにより上記中荒
加工と同じ段差(層間ピッチ)で上方から下方へ仕上げ
形状に沿って順次切削加工してゆく窪地加工を含んでい
る。
【0024】図1に示すこの実施例の方法では、先ずス
テップ1で、通常のCAD(コンピュータ支援設計)シ
ステムによって上記金型の仕上げ形状を3次元的に示す
ように作成された形状データおよび、大荒加工用と中荒
加工用との各々の指定工具や他の使用可能な工具の種類
と工具径、そして大荒加工と中荒加工との各々の層間ピ
ッチ等を含む加工条件を入力し、次いでステップ2で、
上記仕上げ形状について上記中荒加工の層間ピッチで互
いに離間した各高さの層での等高線を求め、水平面上に
投影したそれらの等高線同士の包含関係から、凹形状で
あってかつ周囲が全て仕上げ形状となるため最初に垂直
方向の工具移動による切り込みが必要となる水平方向に
閉じた形状であるポケット形状を選び出す処理を行う。
【0025】すなわちこの実施例では、仕上げ形状のう
ちのポケット形状を上記中荒加工の層間ピッチの各高さ
の層(水平面)で輪切りにして求めた輪郭線を使用する
代わりに、大荒加工用と中荒加工用との各スクエアエン
ドミルの下端角部の小さな丸め半径を工具半径とする仮
想ボールエンドミルを想定し、垂直姿勢で上記各高さの
層に先端すなわち下端が位置しているその仮想ボールエ
ンドミル工具が仕上げ形状に接しながら水平移動する時
の工具中心の移動軌跡として等高線を求めて、それを上
記各高さの層での輪郭線としており、かかる等高線によ
れば、大荒加工や中荒加工に使用するスクエアエンドミ
ルの工具半径からその小さな丸め半径を引いた分(すな
わちスクエアエンドミルの下端平坦部の半径分)その等
高線をオフセットさせることで、容易にそのスクエアエ
ンドミル用の加工領域(工具中心の移動範囲)の輪郭線
を求めることができる。
【0026】次いでここではステップ3およびステップ
4で、具体的には図3にフローチャートで示す手順によ
り、ポケット形状の分類処理および分類されたポケット
形状の下穴加工方法の決定処理を行い、それらの処理
は、図4(a)に示すように大荒加工用の指定工具とし
ての比較的大径のスクエアエンドミルSMをスパイラル状
の軌跡で下降移動させることにより行うスパイラル切り
込み加工であけられる最大径(この実施例では、選択可
能な複数種類のスクエアエンドミルSMのうち最大径のも
のを図4(b)に示すようにスパイラル状に移動させた
時の水平面上の投影の重複部LPの大きさが穴あけ加工上
許容可能な最小限となる内径)SPDMと、上記スパイラル
切り込み加工であけられる最小径(上記最大径のスクエ
アエンドミルSMをスパイラル状に移動させた時の水平面
上の投影の重複部LPの大きさが加工効率上許容可能な最
大限となる内径)SPDNと、図4(c)に示すように大荒
加工用のスクエアエンドミルSM(この実施例では、上記
選択可能な複数種類のスクエアエンドミルSMのうち最小
径のもの)が穴の内壁面IWに切り込み得る最小径の穴を
下穴加工用ドリルPDであける場合のその最小径DLD とを
基準として行う。
【0027】すなわち、図3の処理においては、あらか
じめ図5(a)に示すように各ポケット形状PFの、上記
中荒加工の層間ピッチで互いに離間する各層MLを求め
て、図5(b)に示すようにそれらの層MLのうちの最も
下の層の等高線MEQLを求めておき、先ずステップ11で、
その最下層の等高線MEQL内の領域に上記スパイラル切り
込み加工による最大径SPDMの円SDMCが入るか否かを判断
して、その領域が最大径SPD と等しいかそれより広く
て、図5(a),(b)の左端に示すポケット形状PFの
ようにその最下層の等高線MEQL内の領域に上記最大径SP
DMの円SDMCが入る場合には、ステップ11からステップ12
へ進んで、そのポケット形状PFについてはスパイラル切
り込み加工による上記最大径SPDMの穴加工でその最下層
まで下穴をあけることとして、後述するステップ20へ進
む。
【0028】また、上記ステップ11で、その最下層の等
高線MEQL内の領域に上記最大径SPDMの円SDMCが入らない
場合には、ステップ13へ進んで、次にその最下層の等高
線MEQL内の領域に上記最小径(下穴加工用ドリルPDのド
リル径)DLD の円DLDCが入るか否かを判断し、その領域
が上記ドリル径DLD と等しいかそれより広くて、図5
(a),(b)の中央に示すポケット形状PFのようにそ
の最下層の等高線MEQL内の領域に上記最小径(ドリル
径)DLD の円DLDCが入る場合には、ステップ13からステ
ップ14へ進んで、次に、その最下層の等高線MEQLに内接
する最大内接円を求め、続くステップ15で、その最大内
接円が上記スパイラル切り込み加工であけられる最小径
SPDNと等しいかまたはそれより大きい(最小径SPDN以
上)か否かを判断する。
【0029】そして上記ステップ15で、その最大内接円
が上記スパイラル切り込み加工であけられる最小径SPDN
と等しいかまたはそれより大きい場合には、ステップ16
へ進んで、そのポケット形状PFについては上記スパイラ
ル切り込み加工による上記最大内接円の直径の穴加工で
その最下層まで下穴をあけることとして、後述するステ
ップ20へ進み、一方、上記最大内接円が上記スパイラル
切り込み加工であけられる最小径SPDNより小さい場合に
は、ステップ15からステップ17へ進んで、そのポケット
形状PFについては上記下穴加工用ドリルPDによる穴加工
でその最下層まで下穴をあけることとして、後述するス
テップ20へ進む。
【0030】さらに上記ステップ13で、図5(a),
(b)の右端に示すポケット形状PFのようにその最下層
の等高線MEQL内の領域が上記ドリル径より小さくでその
領域に上記最小径の円DLDCも入らない場合には、ステッ
プ13からステップ18へ進んで、そのポケット形状PFにつ
いてZ軸方向(垂直方向)の上方に、上記ドリル径(最
小径の円DLDC)が入る領域を持つ等高線の層を探し、続
くステップ19で、そのポケット形状PFについては上記探
し出された層まで上記下穴加工用ドリルPDにより切り込
んで下穴をあけることとして、ステップ20へ進む。
【0031】最後のステップ20では、後述する加工順の
決定処理により同一層として加工することとして同一の
グループに属するものとする加工領域の下穴加工方法
を、互いに同一の加工方法に統一する。例えば大荒加工
の層で上から何層目かのあるグループに属する加工領域
の幾つかでドリル加工が必要な場合に、その層のそのグ
ループに属する全ての加工領域の下穴加工をドリル加工
に統一するというようにする。なお、例えば一つのポケ
ット形状の複数層の大荒加工の層のうち最下層の下穴加
工方法がドリルによる加工の場合に、それより上の大荒
加工の層も全て下穴加工方法をドリルによる加工に統一
して、一度の工程でのドリル加工でその最下層まで下穴
をあけるようにしても良い。上記ステップ20の終了後
は、この図3の処理を終了する。
【0032】かかる処理により、ポケット形状の広さと
底部の形状とに応じて、可能な限り指定工具でのスパイ
ラル切り込み加工で下穴を加工し、指定工具でのスパイ
ラル切り込み加工ができない場合のみドリルを用いて、
可能な限り深く下穴を加工するように下穴加工方法を設
定できるので、工具交換の回数を減らすとともに加工効
率を高めるように下穴加工を行うことができる。
【0033】上述した処理によって各ポケット形状につ
き下穴の加工方法を決定した後、この実施例では、各ポ
ケット形状の下穴加工の最下層(スパイラル切り込み加
工の場合はそのポケット形状の最下層、ドリル加工の場
合はそのポケット形状の最下層またはその上方のドリル
が到達する最下層)の等高線の属性データに、下穴の加
工中心点の位置や加工穴径や追い込み加工の工具経路ピ
ッチ等の加工情報を付加する。
【0034】その際、上記下穴の加工中心点の位置は、
上記スパイラル切り込み加工やドリル加工が到達する最
下層の等高線の輪郭線である図6(a)に示す如きスパ
イラル切り込み加工の最小径SPDNの円SDNCまたはドリル
外径円(通常の切り込みが行える最小径の円)が入る領
域を持つ等高線MEQLに内接する最大内接円MICCの中心点
ICCPの位置とする。これにより図6(b)に示す如く、
スパイラル切り込み加工での下穴加工の場合にその穴径
を最大限とし得てその下穴からの追い込み加工を最小限
とすることができるとともに、ドリルでの下穴加工の場
合も周囲に最大限の渦巻き経路を確保し得てその後の追
い込み加工を最小限とすることができるので、加工効率
をより高めることができる。
【0035】なお、この実施例では上記加工情報として
さらに、スパイラル切り込み加工の場合には、図7
(a)に示す如き、工具のスパイラル移動開始高さSSH
、切り込み角度SPA およびスパイラル回転方向SLD を
設定し、ドリル加工の場合には、図7(b)に示す如
き、工具の切り込み開始点DSP および切り込み終了点DE
P を設定するとともにサイクル加工(ドリルを繰り返し
進退移動させて少しずつ切り込ませる加工)を設定す
る。但し、スクエアエンドミルのスパイラル移動開始高
さSSH およびドリルの切り込み開始点DSP は、後述する
加工順の決定後に設定することとする。加工順を後にす
る程、それらの点の高さをより低くして下穴加工をより
少なくすることができるからである。
【0036】この実施例では次に、図1のステップ5お
よびステップ6で、ポケット形状の傾斜面に開口する穴
形状や溝形状の加工用の平坦部の決定処理およびポケッ
ト形状の深さを考慮した大荒加工の層の決定処理を行
う。ところで、加工効率が高くなるように大荒加工の層
を決定するためには、先に述べたように、加工順を考慮
する必要がある。
【0037】例えば図8(a)に示す二つ並んだポケッ
ト形状PFを刃長CLの大荒加工用スクエアエンドミルSMで
大荒加工する場合(但し間の棚から左側のポケット形状
PFの底部までの深さは刃長CLに対応する大荒加工用層間
ピッチ以下であり、素材形状の上面から右側のポケット
形状PFの底部までの深さはその大荒加工用層間ピッチの
二倍以下である)に、図8(b)に示すように刃長CLに
対応する大荒加工用層間ピッチと全てのポケット形状PF
の深さ(底の高さ)とによって各ポケット形状PFの大荒
加工の層を決定した場合には、左側のポケット形状PFで
は、刃長CLに対応する大荒加工用層間ピッチによって決
定した大荒加工の層CLRLと左側のポケット形状PFの底の
高さによって決定した大荒加工の層LBRLとが存在し、ま
た右側のポケット形状PFでは、刃長CLに対応する大荒加
工用層間ピッチによって決定した大荒加工の層CLRLと左
側のポケット形状PFの底の高さによって決定した大荒加
工の層LBRLと右側のポケット形状PFの底の高さによって
決定した大荒加工の層RBRLとが存在するので、大荒加工
用のスパイラル切り込みによる下穴加工(図中星印で示
す)が五箇所、大荒加工箇所が五箇所、中荒加工箇所が
五箇所となって、工具経路の数が多くなり、加工効率が
低くなる。
【0038】これに対し、図8(c)に示すように、刃
長CLに対応する大荒加工用層間ピッチでの大荒加工の層
が存在し得る二つのポケット形状PFのうちの一方、例え
ば深さが深い方である右側のポケット形状PFを基準とし
て、その右側のポケット形状PFに刃長CLに対応する大荒
加工用層間ピッチによって決定した大荒加工の層CLRLと
そのポケット形状PFの底の高さによって決定した大荒加
工の層RBRLとを設け、図中斜線で示すようにその底の高
さによって決定した大荒加工の層RBRLまで右側のポケッ
ト形状PFに下穴加工と大荒加工と中荒加工を行うととも
に、その中荒加工中に深さが浅い方である左側のポケッ
ト形状PFについても間の棚のすぐ上の中荒加工の層の高
さまで一緒に中荒加工することにすれば、その後は左側
のポケット形状PFのみについて、その底の高さによって
決定した大荒加工の層LBRLまで下穴加工と大荒加工と中
荒加工とを行えば良いから、結局、図8(d)に示すよ
うに、大荒加工用のスパイラル切り込みによる下穴加工
(図中星印で示す)が三箇所、大荒加工箇所が三箇所、
中荒加工箇所が三箇所となって、工具経路の数が少なく
なり、加工効率が高くなる。
【0039】かかる加工順の影響を考慮して、この実施
例では上記大荒加工の層およびそれに付随する中荒加工
の層と、それらの加工順の決定のために、図9にフロー
チャートで手順を示す処理を行い、それによって一旦大
荒加工および中荒加工の層を決定した後に、穴形状や溝
形状の加工用の平坦部の決定処理として図13にフローチ
ャートで手順を示す処理を行い、その処理で、先に決定
した大荒加工の層からも中荒加工の層からも平坦部が確
保できない場合には、図9に示す手順で決定した大荒加
工の層を後述の如く上方または下方へずらして、大荒加
工の層を決定することとする。
【0040】すなわちこの実施例では、先ず図9のステ
ップ21で図10に示す予備的処理を行って、先に求めた中
荒加工の層間ピッチの等高線より、必要な情報を計算
し、それを記憶するものとする。図10に示す予備的処理
では、先ずステップ41で、例えば図11(a)に示す如き
ポケット形状PFについて、図1のステップ2で先に素材
形状の上面を基準に作成した中荒加工の層間ピッチの各
層の等高線から求めた、図11(b)に示す如き水平面上
に投影したそれらの等高線同士の包含関係から、その包
含関係を表す木構造を作成し、続くステップ42で、その
木構造を基に各ポケット形状PFについて、図11(a)に
示すように、ポケット形状の底部(ポケット形状の等高
線のうち中荒加工の層間ピッチの最下層の等高線内の領
域)からそのポケット形状と他のポケット形状との間の
棚SHLFまでの距離(高さ)PHT を算出し、そして最後に
ステップ43で、その算出した棚までの距離PHT と、素材
形状の上面からポケット形状の上記底部までの深さ(高
さ)PDP とを、各ポケット形状の上記底部の等高線の属
性データに記憶し、図8(a)および図11(a)に示す
如き大荒加工用スクエアエンドミルSMの刃長CLのデータ
と併せて、以後の処理に用いることとする。
【0041】図9の処理では、次いでステップ22で、上
記中荒加工の層間ピッチの等高線間の包含関係を表す木
構造から、一本の等高線の内側に二つ以上のポケット形
状が包含されて存在するか否かを判断し、一つしか存在
しない場合には、ステップ23で、大荒加工用スクエアエ
ンドミルSMの刃長CLに対応させた大荒加工の層間ピッ
チ、すなわちその刃長CLの大部分に相当する高さであっ
てかつ上記中荒加工の層間ピッチの整数倍の高さとした
大荒加工の層間ピッチで互いに離間するように、大荒加
工の各層のZ値(高さ)を決定する。
【0042】その一方、図11(b)に示すように一本の
等高線の内側に二つ以上のポケット形状が包含されて存
在する場合には、ステップ22からステップ24へ進み、ス
テップ23と同様にして刃長CLに対応させて大荒加工の最
も上の層の位置(Z値)を仮決定した後、続くステップ
25で、そのZ値の高さに大荒加工の層が存在する(すな
わち、そのZ値の高さまで大荒加工を行う部分がある)
か否かを判断し、存在しない場合には後述するステップ
29へ進むが、存在する場合にはステップ26で、上記仮決
定の大荒加工の最上層を決定とするとともに、その最上
層の下に工具刃長CLに対応させた層間ピッチ以上距離の
ある上記中荒加工の層間ピッチの等高線が存在するポケ
ット形状であってそのポケット形状内の上記中荒加工用
層間ピッチの層で最下層またはその付近の層の等高線ま
で大荒加工用スクエアエンドミルまたは下穴加工用ドリ
ルで下穴加工を行い得るポケット形状を一つ決定する。
【0043】このステップ26の処理により、素材形状の
上面からの上下方向深さが大荒加工用層間ピッチよりも
深い複数のポケット形状であって、それらの間に素材形
状の上面からの上下方向深さが中荒加工用層間ピッチよ
りも深い棚が存在する複数のポケット形状のうちから、
中荒加工層間ピッチの層での最下層またはその付近の層
の等高線ひいては仕上げ形状の輪郭線内の領域に大荒加
工用スクエアエンドミルでの通常の切り込みが行える最
小径(すなわち下穴加工用ドリルの外径)の円が入る一
つのポケット形状を決定することができる。ここで、上
記一つのポケット形状としては、上記複数のポケット形
状のうちで、中荒加工用層間ピッチでの最下層またはそ
の付近の層の等高線内の領域に上記通常の切り込みが行
える最小径の円が入るポケット形状であってかつ素材形
状の上面からその等高線内の領域までの上下方向深さが
最も深いポケット形状を選択するのが好ましい。このよ
うにすれば、下穴加工用ドリルで大荒加工の層の下穴を
加工する場合に一度の工程で最も深い大荒加工の層まで
下穴を加工することができるからである。
【0044】そしてステップ26に続くステップ27では、
上記決定した一つのポケット形状があるか否かを判断
し、ない場合には後述するステップ29へ進むが、ある場
合にはステップ28で、その決定した一つのポケット形状
内にて、先に決定した大荒加工の層からその工具刃長CL
に対応させた大荒加工の層間ピッチ分下の等高線のZ値
を次の大荒加工の層の位置として仮決定し、その後にス
テップ26へ戻る。これにより、上記次の大荒加工の層か
ら、上記決定した一つのポケット形状の底部までの間に
上記大荒加工の層間ピッチ以上の距離がある場合に、そ
の間にさらに次の大荒加工の層を決定することができ
る。
【0045】上記ステップ25で、大荒加工の最も上の層
の位置に大荒加工の層が存在しないか、または上記ステ
ップ27で、決定した大荒加工の層の下に工具刃長CL以上
距離のある等高線が存在するポケット形状がない(すな
わち、上記決定したポケット形状内に大荒加工の層を決
定し終わった)場合には、次にステップ29で、先に各ポ
ケット形状について大荒加工用の下穴の加工方法を設定
した等高線(従って下穴の底の高さに位置する等高線)
のZ値を、そのポケット形状についての大荒加工の層の
位置(高さ)に決定する。
【0046】続くステップ30では、大荒加工用として上
述の工具刃長から決定された層と、同じく大荒加工用と
して下穴の底の高さの等高線から決定された層とについ
て、Z値の高さ関係から大荒加工用加工領域のグループ
分けを行って、大荒加工の層およびそれらの層に作成す
る加工領域の加工順を決定する。そしてこのグループ分
けおよび加工順の決定に際しては、ここでの大荒加工は
上方から下方へ仕上げ形状に沿って順次切削加工してゆ
くものであるから、原則的には同一層の加工領域を同一
グループに纏めて順次に大荒加工を行うようにする。
【0047】但し、上記ステップ22で一本の等高線の内
側に一緒に包含されていると判断された二つ以上のポケ
ット形状については、図8(c)の例で説明したよう
に、それらのうちの上記ステップ26で決定した一つのポ
ケット形状について先に最下層の大荒加工層まで大荒加
工を行い、次いでその最下層の大荒加工層まで中荒加工
を済ませるとともに、その中荒加工時に併せて、一緒に
包含関係にある他のポケット形状についても間の棚のす
ぐ上の中荒加工の層まで同時に中荒加工を行うように、
加工順を決定することとする。
【0048】なお、上記ステップ29で、底面の形状が比
較的平坦な通常のポケット形状については、そのポケッ
ト形状内の最下層の等高線の位置が下穴の底の等高線の
位置となるので大荒加工の層となるが、図12に示すよう
に、一つのポケット形状(図では右側のポケット形状)
PFについて大荒加工および中荒加工を行う時に併せて間
の棚のすぐ上の中荒加工の層まで中荒加工を行った他の
ポケット形状(図では左側のポケット形状)PFの残りの
未加工部分が、中荒加工の層間ピッチより深くてかつ先
に述べた下穴加工用ドリルPDで大荒加工用の下穴をあけ
ることができない狭い部分である窪地UDCPとなる場合に
は、そのポケット形状内の最下層の等高線の位置は、下
穴の底の等高線の位置とならないので、大荒加工の層か
ら除外される。図9の処理では、上記のようにして大荒
加工のグループ分けおよび加工順を決定した後、最後に
ステップ31で、その大荒加工の加工順に基づいて中荒加
工の加工順を定める。
【0049】かくして図9の大荒、中荒加工層および加
工順の設定処理が一旦済んだら、次にこの実施例では、
図13の穴加工用平坦部選択処理を行う。この処理は、ポ
ケット形状の斜面に存在する穴形状の加工用の平坦部を
確保する等高線を選択し、その等高線に穴加工対象領域
であることを示す属性を設定するものであり、ここでは
ポケット形状に存在する各穴形状について、先ずステッ
プ51で、その穴の位置と中荒加工用層間ピッチの等高線
とから、図14(a)の平面図に示すように、図中×印で
示す穴の中心位置HCP に対し直ぐ上および直ぐ下に位置
する(平面図ゆえ左右に示す)中荒加工用層間ピッチの
等高線MEQLを算出する。
【0050】次のステップ52では、図14(b)の平面図
に示すように、水平面上に投影した状態での、ポケット
形状PFにおけるその穴の入口輪郭線を構成する円HCL と
上記求めた上下の等高線MEQLとの交差検査を行い、続く
ステップ53では、その検査の結果円HCL と等高線MEQLと
が交差しないか否かを判断して、図14(b)の平面図に
示すように円HCL と等高線MEQLとが交差しない場合に
は、図14(c)の断面図に示すように、穴HOLEの入口輪
郭線の投影円HCL が中荒加工の一つの層MLの平坦部の範
囲内に納まって位置していることになるので、ステップ
54へ進んで、その穴の加工は中荒加工後に行うことと
し、その中荒加工の層MLの等高線に、その穴を加工する
という属性を付加する。
【0051】その一方、上記ステップ53での判断で、円
HCL と等高線MEQLとが交差する場合(円と等高線とが接
する場合も含む)には、その穴の入口輪郭線が中荒加工
の複数の層の平坦部に跨がることになるので、ステップ
55へ進んで、その穴の中心位置と大荒加工用の層間ピッ
チの等高線(工具刃長で決めた層の等高線)および下穴
の底の等高線とから、その穴の中心位置に対し直ぐ上お
よび直ぐ下に位置する大荒加工用の層の等高線を算出
し、続くステップ56で、水平面上に投影した状態でのそ
の穴の入口輪郭線を構成する円と上記求めた上下の等高
線との交差検査を行う。
【0052】そして続くステップ57で、その検査の結
果、円と等高線とが交差しないか否かを判断して、大荒
加工の層の等高線とも交差する場合(円と等高線とが接
する場合も含む)には、図14(d)に示すように、穴HO
LEの入口輪郭線の投影円HCL が大荒加工の複数の層CLRL
の平坦部に跨がることになるので、ステップ58へ進み、
穴の入口輪郭線の上端よりも一段上と、穴の入口輪郭線
の下端よりも一段下との中荒加工の層間ピッチの層MLの
等高線を求め、それらのうちで、例えば大荒加工の層数
がより多くなって大荒加工の加工面積が全体としてより
大きくなる方等、加工効率がより高くなる方の等高線の
層を大荒加工の層に仮決定し、その大荒加工の層を残す
ようにその層を基準にして、再度上記図9の大荒、中荒
加工層および加工順の設定処理を行う。
【0053】また、上記ステップ57の判断で、穴の入口
輪郭線を構成する円と大荒加工の層の等高線とが交差し
ない場合には、ステップ59へ進んで、図14(e)に示す
ように、大荒加工の層CLRLから穴HOLEの入口輪郭線の上
端までの距離HRD を求め、続くステップ60で、その求め
た距離HRD が、穴加工を行ってもさほど効率が低下しな
い距離としてあらかじめ指定した距離以内か否かを判断
し、図14(f)に示すように、その距離HRD が指定距離
以内の短いものの場合には、ステップ61で、その穴HOLE
の加工は大荒加工後に大荒加工の層CLRLから行うことと
し、その大荒加工の層CLRLの等高線に、その穴を加工す
るという属性を付加する。
【0054】その一方、上記ステップ60での判断で、上
記求めた距離HRD が指定距離を超えている場合には、ス
テップ62で、図14(g)に示すように、その穴HOLEの入
口輪郭線の上端よりも一段上の中荒加工の層間ピッチの
等高線を求め、その等高線の層を穴加工用平坦部HCMLと
して仮に大荒加工の層に加えて加工することとするとと
もに、先のステップ58で、その穴の入口輪郭線の上端よ
りも一段上と、穴の入口輪郭線の下端よりも一段下との
中荒加工の層間ピッチの等高線MEQLを求め、それらのう
ちで、例えば大荒加工の層数がより多くなって大荒加工
の加工面積が全体としてより大きくなる方等、加工効率
がより高くなる方の等高線を大荒加工の層に仮決定し、
その場合の大荒加工または中荒加工での平坦部確保と、
上記穴加工用平坦部HCMLを特に加工しての平坦部確保と
での加工効率を比較して、加工効率の高い方を選択す
る。
【0055】次にこの実施例では、穴加工を行う穴が複
数ある場合に、図15にフローチャートで示す手順で加工
順を決定する。すなわちここでは、先ずステップ71で、
穴加工工程が一回と決められているか否かを判断し、一
回と決められている場合には次にステップ72で、中荒加
工後の穴加工の穴のみがあるか否かを判断し、中荒加工
後の穴加工の穴のみがある場合には次にステップ73で、
中荒加工後に設定した一回の穴加工工程で全ての穴の穴
加工を行うこととし、後述するステップ77へ進む。ま
た、上記ステップ72で、中荒加工後の穴加工の穴と大荒
加工後の穴加工の穴とが混在している場合には、大荒加
工後の穴加工の穴は中荒加工後では加工できないので、
ステップ74で、大荒加工後または先の穴加工用平坦部HC
MLの加工後に設定した一回の穴加工工程で全ての穴の穴
加工を行うこととし、後述するステップ77へ進む。
【0056】その一方、上記ステップ71で、穴加工工程
が一回と決められていないと判断した場合には、次にス
テップ75で、全て大荒加工後の穴加工の穴であるか否か
を判断し、そうである場合には上記ステップ74へ進ん
で、この場合も大荒加工後または先の穴加工用平坦部HC
MLの加工後に設定した一回の穴加工工程で全ての穴の穴
加工を行うこととし、後述するステップ77へ進む。ま
た、上記ステップ75で、中荒加工後の穴加工の穴と大荒
加工後の穴加工の穴とが混在している場合には、次にス
テップ76で、複数回の穴加工工程により、先に付加した
属性に従って大荒加工後または中荒加工後にそれぞれ穴
加工を行うこととし、ステップ77へ進む。そしてステッ
プ77では、上記選択された方法に基づいて、等高線に穴
加工の属性をあらためて設定する。
【0057】なお、この実施例ではポケット形状の斜面
に存在する溝形状の加工についても上記穴加工と同様に
して、溝形状の加工開始側端部の穴加工用に平坦部を確
保するとともに、ポケット形状PFにおけるその溝の入口
輪郭線を構成する長円が基本的には一つの層の平坦部の
範囲内に納まるように、可能な限り大荒加工または中荒
加工の層に溝加工を行う層を設定することとする。但
し、図16に示すように、溝形状GVの入口輪郭線の上端と
下端との間の高さの差GHが、その溝加工用の工具の工具
負荷を考慮した最大距離を超える場合には、溝の途中で
平坦部を分割するように溝加工を行う層を設定する。
【0058】上記のようにして大荒加工の層の位置(高
さ)を決定したら、この実施例では図1のステップ7
で、前述した特願平10−162187号におけると同
様に、大荒加工の複数層の高さの各々について、開放形
状についてはその層での仕上げ形状の輪郭線(具体的に
は上記等高線を先に述べたように大荒加工用スクエアエ
ンドミルの工具径に基づいてオフセットさせた輪郭線)
と素材形状の輪郭線とで囲まれた領域を大荒加工の加工
領域とするとともに、ポケット形状についてはその層で
の上記仕上げ形状の輪郭線で囲まれた領域を大荒加工の
加工領域とする大荒加工用加工領域の作成処理を行い、
次いで、図1のステップ8で、上記作成した各大荒加工
用加工領域について、以下の如くして傾斜が急な部位を
補正した中荒加工用加工領域の作成処理を行う。
【0059】この中荒加工用加工領域の作成処理は、前
述した特願平10−162187号におけると同様に、
中荒加工の複数層の工具高さの各々について、その層で
の仕上げ形状の輪郭線(具体的には上記等高線を先に述
べたように中荒加工用スクエアエンドミルの工具径に基
づいてオフセットさせた輪郭線)と大荒加工後の中間形
状の輪郭線とで囲まれた領域のうち中荒加工にてその層
より下の工具高さで先に加工する加工領域を除いて得ら
れる領域を仮に中荒加工の加工領域とした後、図17にフ
ローチャートで示す処理により、ポケット形状内の側面
や底面の、傾斜が急な傾斜面の部位であるため加工領域
の幅が狭過ぎる部分(任意に決定して先に入力した所定
最小幅以下の幅の部分、例えばこの実施例では中荒加工
の層間ピッチ以下の幅の部分)を加工不必要として、加
工経路を短縮するとともに切り込み量を一定以上確保す
ることにより加工効率を高める。
【0060】すなわち、図17のステップ81では、中荒加
工の複数層の工具高さの各々について加工領域の幅を計
算し、続くステップ82では、図18(a)に示すようにそ
の層の加工領域の幅MCRWがその加工領域の全ての範囲で
中荒加工の層間ピッチ以下であるか否かを判断し、そう
である場合には、ステップ83へ進んで、この層の加工領
域については、幅がゼロで加工不必要であるとの属性を
設定し、図18(b)に示すように一段上の層(一つ外側
の輪郭線)の加工領域に併合してその一段上の層で加工
するものとする。なお、斜面の傾斜が急過ぎて誤差によ
って上下の輪郭線の内外が逆転している(インバース形
状になっている)層についても、同様の併合処理で対応
する。
【0061】その一方、上記ステップ82で、その層の加
工領域の幅MCRWがその加工領域の一部でも中荒加工の層
間ピッチを超えている場合には、ステップ83へ進んで、
加工領域の幅MCRWが中荒加工の層間ピッチ以下の部位が
一箇所以上あるか否かを判断し、一箇所もない場合に
は、この層はそのままで充分効率良く中荒加工ができる
のでこの処理を終了するが、一箇所以上ある場合には、
ステップ85へ進んで、幅MCRWが中荒加工の層間ピッチ以
下の幅狭の範囲の加工領域を幅MCRWが中荒加工の層間ピ
ッチを超える幅広の加工領域から分割して一段上の層の
加工領域に併合すれば不要な工具経路を作成しなくて済
む場合に限り、その幅狭の範囲の加工領域を幅広の加工
領域から分割する。
【0062】例えば、図19(a)に示す加工領域では、
図の左半部に幅狭の範囲の加工領域が存在し、その加工
領域を分割すると次の切削までの工具経路CTP を短くで
きるので、左半部の幅狭の範囲の加工領域を右半部から
分割して一段上の層に併合するが、図19(b)に示す加
工領域では、図の上端部と下端部とに幅狭の範囲の加工
領域が存在し、それらの範囲の加工領域を分割するより
も分割しない方が次の切削までの工具経路CTP を短くで
きるので、加工領域の分割は行わない。なお、分割する
範囲の加工領域の表現方法として、この実施例では、図
19(a)の例について図19(c)に示すように、分割し
て加工対象から除く領域の輪郭線を一段下の層の輪郭線
(加工済み線)に一致させるとともに、その属性を加工
不必要線に設定する。
【0063】上記のようにして中荒加工用加工領域を作
成した後、この実施例では最後に、図1のステップ9
で、先の図3の処理ではドリルでの下穴加工が届かない
と判断されたため大荒加工の層より下で加工残りとなっ
ている、中荒加工の層間ピッチより深い「窪地」につい
て、ボールエンドミルを用いた等高線加工用の加工領域
を作成する処理を行う。
【0064】この処理では、先の図3の処理で下穴加工
用ドリル径が入らなかった領域を持つ中荒加工の層間ピ
ッチの等高線を探し出し、先ず、例えば図20(a)に示
すように、少なくとも下穴加工用ドリル径が入るため大
荒加工用あるいは中荒加工用のスクエアエンドミルSMで
加工し得る最下層EQL0の下方の、上記探し出した中荒加
工の層間ピッチの等高線が位置する各層EQL1〜EQL3に、
そのスクエアエンドミルSMと同一外径のボールエンドミ
ルBMでの等高線加工用の加工領域を作成する。このと
き、図20(b)に示すように、上記探し出した各等高線
の高さ(Z位置)を工具高さとするボールエンドミルBM
の加工領域BMCRは、傾斜した仕上げ形状に対しする接点
がスクエアエンドミルSMの場合よりポケット形状の内方
に位置することから、それと同一工具径のスクエアエン
ドミルSMの加工領域SMCRを包含することになるから、中
荒加工の層間ピッチやポケット形状の傾斜の程度によっ
てはスクエアエンドミルSMでの加工済み外形より外側ま
でボールエンドミルBMで加工することになる場合もあり
得るが、この場合は同一工具径ゆえ干渉による折損の問
題は生じない。なお、図20(c)に示すようにボールエ
ンドミルの工具高さがボールの中心で表現されている高
さCHの場合は、工具高さをボール半径すなわち工具半径
分下げて下端の高さEHを工具高さとする。
【0065】上記のようにして各層EQL1〜EQL3にボール
エンドミルBMの加工領域を作成したら、それらの加工領
域の輪郭線を水平面上に投影して互いの包含関係を求
め、例えば図20(a)の例ではEQL1、EQL2、EQL3の順と
なるように、包含する方から包含される方へ順に、加工
順を設定する。かかるボールエンドミルBMによる等高線
加工は、例えばランプ切り込みで行うことができる。
【0066】次に、大荒加工用あるいは中荒加工用のス
クエアエンドミルSMで加工し得る最下層の下方の、中荒
加工の層間ピッチの等高線が位置する各層に、そのスク
エアエンドミルSMよりも細い外径のボールエンドミルBM
での等高線加工用の加工領域を作成する場合について説
明する。図21(a)の断面図および図21(b)の平面図
に示すように、仕上げ形状を表す等高線MEQL内の領域を
大荒加工用あるいは中荒加工用のスクエアエンドミルSM
で加工する際には、図中最も内側に示す輪郭線SML 内が
加工領域となるが、それと同じ等高線MEQL内の領域を、
そのスクエアエンドミルSMよりも細い外径のボールエン
ドミルBMで加工する際には、ボールエンドミルBMが、図
中最も外側に示す輪郭線BML1内を加工領域として、スク
エアエンドミルSMの最も外方の移動位置での外周面の位
置すなわち加工済み位置よりも外周面が外側に突出する
移動位置BMP1まで移動することになる。従って、下方の
層の等高線MEQLの領域が上方の層の等高線MEQLの領域よ
りさほど狭まっていない場合には、ボールエンドミルBM
が上方の層のスクエアエンドミルSMでの加工済み外形と
干渉する場合が生ずることになる。
【0067】かかる干渉を防止するため、この実施例で
は、上層の加工を行った大荒加工用あるいは中荒加工用
のスクエアエンドミルSMよりも細い外径のボールエンド
ミルBMの加工領域を求めるに際し、上記スクエアエンド
ミルSMの工具半径とそのボールエンドミルBMの工具半径
との差を求めて、図21(a)および(b)に示すよう
に、対象とする等高線内の領域を加工する場合の上記ス
クエアエンドミルSMでの加工領域輪郭線SML をその半径
差分外方へオフセットさせた輪郭線BML2内を上記ボール
エンドミルBMの加工領域とする。これによりボールエン
ドミルBMは、スクエアエンドミルSMの最も外方の移動位
置での外周面の位置に等しい位置に外周面が位置する移
動位置BMP2より外方へは移動しないことになり、上記の
干渉の発生を有効に防止することができる。
【0068】上述した図1の全ての処理が終了すると、
大荒加工および中荒加工用の各層の加工領域と、窪地内
の各層の加工領域とが定まるとともに、それらの加工領
域の加工順が定まる。
【0069】従ってこの実施例の方法によれば、各ポケ
ット形状の大荒加工用下穴加工に、中荒加工用層間ピッ
チでの最下層の等高線ひいては輪郭線に基づいて、可能
な限り大荒加工用スクエアエンドミルでのスパイラル切
り込み加工を用い、大荒加工用スクエアエンドミルでの
スパイラル切り込み加工ができない場合には、大荒加工
用スクエアエンドミルでの通常の切り込みが行える最小
径の円の直径に対応する外径のドリルでの加工を用いる
とともに、その最下層の等高線内の領域が狭い場合はド
リルでの加工が可能な層を可能な限り深い位置まで探し
てそこまでドリルでの加工を行うように、加工領域を作
成するので、可能な限り工具交換回数を減らすとともに
加工効率が最適になるように下穴加工を行うことができ
る。
【0070】またこの実施例の方法によれば、上記スパ
イラル切り込み加工の最小径の円または、上記通常の切
り込みが行える最小径(すなわち下穴加工用ドリルの外
径)の円が入る領域を持つ等高線に内接する最大径の円
の中心位置を大荒加工用下穴の中心位置とするので、ス
パイラル切り込み加工の場合にその穴径を最大限とし得
るとともに、下穴加工用ドリルでの加工の場合も周囲に
最大限の切り込み代を確保し得て、加工効率をより高め
ることができる。
【0071】さらにこの実施例の方法によれば、素材形
状の上面から中荒加工の層間ピッチでの最下層の等高線
ひいては輪郭線までの上下方向深さが大荒加工用層間ピ
ッチよりも深い複数のポケット形状の間に素材形状の上
面からの上下方向深さが中荒加工用層間ピッチよりも深
い棚が存在する場合に、それら複数のポケット形状のう
ちの一つであって、中荒加工用層間ピッチの層での最下
層またはその付近の層の等高線内の領域に上記通常の切
り込みが行える最小径(すなわち下穴加工用ドリルの外
径)の円が入るポケット形状(すなわち最下層またはそ
の付近の層まで少なくともドリルで下穴が明けられるポ
ケット形状)について大荒加工および中荒加工を行った
後に、それら複数のポケット形状のうちの残るポケット
形状について荒加工を行うように加工領域を作成するの
で、中荒加工の層間ピッチでの最下層またはその付近の
層の等高線内の領域に通常の切り込みが行える最小径の
円が入る一つのポケット形状の中荒加工時に、残るポケ
ット形状についても上記棚の直ぐ上の中荒加工の層まで
中荒加工を済ませておき得て、個々のポケット形状につ
いて素材形状の上面から大荒加工および中荒加工を行う
場合と比較して、加工効率をより高めることができる。
【0072】加えてこの実施例の方法によれば、中荒加
工の層間ピッチでの最下層の等高線内の領域に上記通常
の切り込みが行える最小径(すなわち下穴加工用ドリル
の外径)の円が入らないポケット形状について、上記通
常の切り込みが行える最小径の円が入る輪郭線内の領域
が存在する層のうちの最下層まで大荒加工またはそれに
加えてさらに中荒加工を行った後、その最下層の下に残
る中荒加工用層間ピッチよりも深い未加工領域(窪地)
を、上記大荒加工または中荒加工で用いたスクエアエン
ドミルよりも細いボールエンドミルで荒加工する場合
に、その最下層についての大荒加工または中荒加工の工
具経路の最外周輪郭線(すなわちこの実施例ではスクエ
アエンドミルの加工領域の輪郭線)をその大荒加工また
は中荒加工で用いたスクエアエンドミルに対する上記ボ
ールエンドミルの工具半径差に対応させて外側にオフセ
ットさせて工具経路の最外周輪郭線として加工領域を作
成するので、窪地の荒加工にそれより上層の荒加工で用
いたスクエアエンドミルより細いボールエンドミルを使
用する場合にも、上層の加工での削り残し部分とその細
い工具との干渉が生じて工具の折損が生ずるのを防止す
ることができる。
【0073】そしてこの実施例の方法によれば、ポケッ
ト形状の傾斜面に開口する穴形状や溝形状については、
その穴形状や溝形状の入口輪郭線の上端よりも高い位置
に中荒加工用層間ピッチでの等高線の層が存在し、かつ
中荒加工用層間ピッチでの何れの層もその穴形状や溝形
状の入口輪郭線と接触も交差もしない場合には、中荒加
工後にその穴形状や溝形状の加工を行うように加工領域
を作成し、中荒加工用層間ピッチでの何れかの等高線の
層がその穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触または交差
するが、その穴形状や溝形状の入口輪郭線の上端から所
定高さ以内の上方位置に大荒加工用層間ピッチでの層が
存在し、かつ大荒加工用層間ピッチでの何れの層もその
穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触も交差もしない場合
には、大荒加工後にその穴形状や溝形状の加工を行うよ
うに加工領域を作成し、その穴形状や溝形状の入口輪郭
線の上端から所定高さ以内の上方位置に大荒加工用層間
ピッチでの層は存在しないが、大荒加工用層間ピッチで
の何れの層もその穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触も
交差もせず、かつその穴形状や溝形状の入口輪郭線の上
端よりも高い位置に中荒加工用層間ピッチでの層が存在
する場合には、その層を加えて大荒加工を行った後に穴
形状や溝形状の加工を行うように加工領域を作成し、大
荒加工用層間ピッチでの何れかの層がその穴形状や溝形
状の入口輪郭線と接触または交差する場合には、その大
荒加工用層間ピッチでの各層の高さをその穴形状や溝形
状の入口輪郭線と接触も交差もしない高さに変更してか
ら、大荒加工もしくは中荒加工後にその穴形状や溝形状
の加工を行うように加工領域を作成するので、ポケット
形状の傾斜面に開口する穴形状や溝形状について、水平
な補助面を別途に前加工することなしに、大荒加工や中
荒加工の層の水平面を利用し、その水平面に工具を垂直
に切り込ませて加工するので、工具折損を防止しつつ高
い加工効率で荒加工を行うことができる。
【0074】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば大荒加工
用と中荒加工用とに、一種類の工具外径のスクエアエン
ドミルを併用しても良く、また中荒加工の層間ピッチの
輪郭線として、ポケット形状を上記中荒加工の層間ピッ
チの各高さの層で輪切りにして求めた輪郭線を使用して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の荒加工用ポケット形状加工領域作
成方法の一実施例の全体的な処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図2】 上記実施例の方法を適用するポケット形状を
持つ、エンジンのクランクシャフトの鍛造用金型の型形
状部を示す斜視図である。
【図3】 上記実施例の方法における、下穴加工方法の
決定処理を示すフローチャートである。
【図4】 上記実施例の方法における、スクエアエンド
ミルによる下穴加工方法およびドリルによる下穴加工方
法をそれぞれ示す説明図である。
【図5】 上記実施例の方法における、各種ポケット形
状に対する下穴加工方法の図4に処理による決定方法を
示す説明図である。
【図6】 上記実施例の方法における、下穴の加工中心
位置の決定方法を示す説明図である。
【図7】 上記実施例の方法における、等高線の属性デ
ータに付加する下穴の加工情報を示す説明図である。
【図8】 上記実施例の方法における、複数のポケット
形状についての大荒加工の層および加工順の決定方法を
示す説明図である。
【図9】 上記実施例の方法における、複数のポケット
形状についての大荒加工の層および加工順の決定処理を
示すフローチャートである。
【図10】 上記実施例の方法における、図9のステッ
プ21での処理を具体的に示すフローチャートである。
【図11】 上記実施例の方法における、図9の処理で
の使用データおよび、等高線の包含関係を示す説明図で
ある。
【図12】 上記実施例の方法における、図9のステッ
プ29で窪地内の最下層を大荒加工の層から除外すること
を示す説明図である。
【図13】 上記実施例の方法における、穴加工用の平
坦部の選択処理を示すフローチャートである。
【図14】 上記実施例の方法における、図13の処理で
の穴加工用の平坦部の選択方法を示す説明図である。
【図15】 上記実施例の方法における、穴加工用の加
工順の設定処理を示すフローチャートである。
【図16】 上記実施例の方法における、溝加工用の平
坦部を分割する場合を示す説明図である。
【図17】 上記実施例の方法における、傾斜が急な傾
斜面の部分での幅狭の中荒加工領域の併合および分割処
理を示すフローチャートである。
【図18】 上記実施例の方法における、図17の処理で
の中荒加工領域の併合方法を示す説明図である。
【図19】 上記実施例の方法における、図17の処理で
の中荒加工領域の分割方法を示す説明図である。
【図20】 上記実施例の方法における、窪地内の各層
のボールエンドミル用の加工領域の加工順の設定方法を
示す説明図である。
【図21】 上記実施例の方法における、窪地内の各層
の細いボールエンドミル用の加工領域の作成方法を示す
説明図である。
【図22】 従来の大荒の上層からの一発加工と中荒の
下層からの駆け上がり加工とを組み合わせた荒加工方法
を示す説明図である。
【図23】 各種ポケット形状についての従来の大荒加
工用下穴加工方法およびその問題点を示す説明図であ
る。
【図24】 狭いポケット形状についての従来の大荒加
工用下穴加工方法の問題点を示す説明図である。
【図25】 複数のポケット形状が隣接する場合の従来
の大荒加工の層の設定方法の問題点を示す説明図であ
る。
【図26】 狭いポケット形状についての大荒加工用下
穴加工方法の問題点を示す説明図である。
【図27】 ポケット形状の底部の窪地を細いボールエ
ンドミルで加工する場合の問題点を示す説明図である。
【図28】 ポケット形状内の急な傾斜面の部位につい
て作成する中荒加工領域の問題点を示す説明図である。
【図29】 ポケット形状内の傾斜面の部位についてそ
のまま穴加工や溝加工を行う場合の問題点を示す説明図
である。
【符号の説明】
BM ボールエンドミル CL 大荒加工用スクエアエンドミルの刃長 CLRL 刃長から定めた層間ピッチでの大荒加工の層 CTP 工具経路 DEP ドリル切り込み終了点 DLD ドリル径 DLDC ドリル径の円 DSP ドリル切り込み開始点 FD 鍛造用金型 FF 仕上げ形状 GH 溝の入口輪郭線上下端高さ差 GV 溝 HCL 穴の入口輪郭線の円 HCP 穴の中心位置 HOLE 穴 HRD 大荒加工の層と穴の入口輪郭線上端高さとの距離 ICCP 下穴の中心位置 IF 大荒加工後の中間形状 IW ドリル穴の内壁面 LBRL 左側のポケット形状の底部の大荒加工の層 LP 重複部 MCRD 中荒加工用加工領域幅 MEQL 中荒加工用層間ピッチでの等高線 MICC 最大内接円 ML 中荒加工の層 PD 下穴加工用ドリル PDP 素材形状上面からポケット形状底部までの距離 PF ポケット形状 PHT ポケット形状の底部から棚までの距離 RBRL 右側のポケット形状の底部の大荒加工の層 SDMC スパイラル切り込み加工の最大径の円 SDNC スパイラル切り込み加工の最小径の円 SHLF 棚 SLD スパイラル回転方向 SM スクエアエンドミル SPA スパイラル切り込み角度 SPD スパイラル切り込み加工の穴径 SPDM スパイラル切り込み加工の最大径 SPDN スパイラル切り込み加工の最小径 SSH スパイラル移動開始高さ UDCP 窪地
フロントページの続き (72)発明者 末永 浩章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3C022 AA02 AA08 AA09 AA10 EE01 EE11 EE17 KK02 KK03 KK06 5H269 AB03 AB05 AB19 AB37 BB05 BB08 FF07 QA01 QA02 QA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材形状をスクエアエンドミルにより、
    その刃長に応じた層間ピッチで上方から下方へ仕上げ形
    状に沿って順次切削加工してゆく大荒加工と、 その大荒加工後の階段状の中間形状の各段をスクエアエ
    ンドミルにより、大荒加工よりも小さな層間ピッチで下
    方から上方へ仕上げ形状に沿って順次切削加工してゆく
    中荒加工と、 を含む等高線加工での荒加工をCAMシステムで行うた
    めのNCデータ用の加工領域を作成するに際し、 前記仕上げ形状のうちの各ポケット形状の、中荒加工用
    層間ピッチの層での最下層の輪郭線を求め、 前記最下層の輪郭線内の領域に、前記大荒加工用スクエ
    アエンドミルでのスパイラル切り込み加工の最小径の円
    が入るポケット形状については、そのスパイラル切り込
    み加工で大荒加工用下穴を加工するように加工領域を作
    成し、 前記最下層の輪郭線内の領域に、前記スパイラル切り込
    み加工の最小径の円は入らないが、前記大荒加工用スク
    エアエンドミルでの通常の切り込みが行える最小径の円
    が入るポケット形状については、その円の直径に対応す
    る外径のドリルで大荒加工用下穴を加工するように加工
    領域を作成し、 前記最下層の輪郭線内の領域に前記通常の切り込みが行
    える最小径の円も入らないポケット形状については、中
    荒加工用層間ピッチの層で最下層より上層に前記通常の
    切り込みが行える最小径の円が入る輪郭線内の領域を探
    し、その領域が存在する層まで前記ドリルで大荒加工用
    下穴を加工するように加工領域を作成することを特徴と
    する、荒加工用ポケット形状加工領域作成方法。
  2. 【請求項2】 前記スパイラル切り込み加工の最小径の
    円または前記通常の切り込みが行える最小径の円が入る
    輪郭線に内接する最大径の円の中心位置を、前記大荒加
    工用下穴の中心位置とすることを特徴とする、請求項1
    記載の荒加工用ポケット形状加工領域作成方法。
  3. 【請求項3】 素材形状の上面から前記最下層の輪郭線
    までの上下方向深さが前記大荒加工用層間ピッチよりも
    深い複数のポケット形状の間に素材形状の上面からの上
    下方向深さが前記中荒加工用層間ピッチよりも深い棚が
    存在する場合に、それら複数のポケット形状のうちの一
    つであって前記中荒加工用層間ピッチの層での最下層ま
    たはその付近の層の輪郭線内の領域に前記通常の切り込
    みが行える最小径の円が入るポケット形状について前記
    大荒加工および中荒加工を行った後にそれら複数のポケ
    ット形状のうちの残るポケット形状について荒加工を行
    うように加工領域を作成することを特徴とする、請求項
    1または2記載の荒加工用ポケット形状加工領域作成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記最下層の輪郭線内の領域に前記通常
    の切り込みが行える最小径の円が入らないポケット形状
    について、前記通常の切り込みが行える最小径の円が入
    る輪郭線内の領域が存在する層のうちの最下層まで前記
    大荒加工または中荒加工を行った後、その最下層の下に
    残る前記中荒加工用層間ピッチよりも深い未加工領域
    を、前記大荒加工または中荒加工で用いたスクエアエン
    ドミルよりも細いボールエンドミルで荒加工する場合
    に、その最下層についての前記大荒加工または中荒加工
    の工具経路の最外周輪郭線をその大荒加工または中荒加
    工で用いたスクエアエンドミルに対する前記ボールエン
    ドミルの工具半径差に対応させて外側にオフセットさせ
    て工具経路の最外周輪郭線として加工領域を作成するこ
    とを特徴とする、請求項1から3までの何れか記載の荒
    加工用ポケット形状加工領域作成方法。
  5. 【請求項5】 ポケット形状の傾斜面に開口する穴形状
    や溝形状については、その穴形状や溝形状の入口輪郭線
    の上端よりも高い位置に前記中荒加工用層間ピッチでの
    層が存在し、かつ前記中荒加工用層間ピッチでの何れの
    層もその穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触も交差もし
    ない場合には、前記中荒加工後にその穴形状や溝形状の
    加工を行うように加工領域を作成し、 前記中荒加工用層間ピッチでの何れかの層がその穴形状
    や溝形状の入口輪郭線と接触または交差するが、その穴
    形状や溝形状の入口輪郭線の上端から所定高さ以内の上
    方位置に前記大荒加工用層間ピッチでの層が存在し、か
    つ前記大荒加工用層間ピッチでの何れの層もその穴形状
    や溝形状の入口輪郭線と接触も交差もしない場合には、
    前記大荒加工後にその穴形状や溝形状の加工を行うよう
    に加工領域を作成し、 その穴形状や溝形状の入口輪郭線の上端から所定高さ以
    内の上方位置に前記大荒加工用層間ピッチでの層は存在
    しないが、前記大荒加工用層間ピッチでの何れの層もそ
    の穴形状や溝形状の入口輪郭線と接触も交差もせず、か
    つその穴形状や溝形状の入口輪郭線の上端よりも高い位
    置に前記中荒加工用層間ピッチでの層が存在する場合に
    は、その層を加えて前記大荒加工を行った後に前記穴形
    状や溝形状の加工を行うように加工領域を作成し、 前記大荒加工用層間ピッチでの何れかの層がその穴形状
    や溝形状の入口輪郭線と接触または交差する場合には、
    その大荒加工用層間ピッチでの各層の高さをその穴形状
    や溝形状の入口輪郭線と接触も交差もしない高さに変更
    してから、前記手順による大荒加工もしくは中荒加工後
    にその穴形状や溝形状の加工を行うように加工領域を作
    成することを特徴とする、請求項1から4までの何れか
    記載の荒加工用ポケット形状加工方法。
  6. 【請求項6】 前記中荒加工の複数層の工具高さの各々
    について、仮にその層での中荒加工の加工領域を求めた
    後にその加工領域のうちで幅が所定最小幅以下の部分を
    探し、その所定最小幅以下の部分については、その層で
    は加工不必要として除去するとともに一段上の層での中
    荒加工の加工領域に併合することを特徴とする、請求項
    1から5までの何れか記載の荒加工用ポケット形状加工
    方法。
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