JP2000301264A - カムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プレス金型におけるカムユニット
に係り、例えば、自動車用のボディフレームに小型の穴
を明けるために使用されるカムユニットに関し、金型の
段取りを容易にして工数低減させ、全体形状をコンパク
トにすることでコストの低減を図ることが課題である。 【解決手段】 移動金型に固定されたカムドライバー２
と、該カムドライバー２に当接され所望ストロークで所
定方向に往復移動されるカムスライダー３と、該カムス
ライダーを摺動自在に支持するとともに固定金型に固定
される取付ベースと４からなり、前記カムスライダー３
は、前記所定方向に直交する方向に併設する複数のカム
ドライバー２に対応した長さに一連に形成されているカ
ムユニット１にすることである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プレス金型におけ
るカムユニットに係り、例えば、自動車用のボディフレ
ームに小型の穴を明けるために使用されるカムユニット
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、カムユニットは、図５に示すよう
に、上下移動する移動金型２０に固定されたカムドライ
バー２１と、該カムドライバー２１の傾斜した摺接面２
１ａに当接して略水平方向若しくは水平方向から斜めに
摺動するカムスライダー２５と、該カムスライダー２５
を支持するベース２２と、から構成されている。

【０００３】前記カムスライダー２５の先端面には、リ
テーナを介して穴明け用のパンチ２４が取付けられてい
る。

【０００４】そして、前記パンチ２４を所定のストロー
クで略水平方向に往復移動させて、被加工物の自動車用
のボディフレーム２３に穴を明けている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記カ
ムユニットは移動・固定金型に必要に応じて複数個設置
され、各カムユニットを位置調整する作業が必要とな
る。よって、当該位置調整工数が嵩んで工期の長期化を
招き、部品点数も重複する部分があって無駄になるとい
う課題がある。更に、カムユニットの分解時において、
カムスライダー用の戻しスプリングピンとの関係で、カ
ムスライダーを脱着させるには、カムドライバーと一緒
にして脱着させる必要があり、重量物の移動となって作
業がやりにくく非常に手間が掛かるものである。本発明
に係るカムユニットは、このような課題を解消するため
に提案されるものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係るカムユニッ
トの上記課題を解決するための要旨は、移動金型に固定
されたカムドライバーと、該カムドライバーに当接され
所望ストロークで所定方向に往復移動されるカムスライ
ダーと、該カムスライダーを摺動自在に支持するととも
に固定金型に固定される取付ベースとからなり、前記カ
ムスライダーは、前記所定方向に直交する方向に併設す
る複数のカムドライバーに対応した長さに一連に形成さ
れていることである。

【０００７】前記カムスライダーは、取付ベースとの間
に設けられ摺動自在で且つスライドガイドとして兼用さ
れるスライドブロックを介して当該取付ベースに着脱自
在に取り付けられることを含むものである。

【０００８】本発明に係るカムユニットによれば、カム
スライダーを複数個のカムドライバーに対応させて一連
に形成してあるので、各カムユニット毎に位置調整して
金型に設置する従来例の方法に比較して、設置位置精度
のバラツキが無いとともに位置調整が一度で済み工期短
縮となる。

【０００９】また、当該カムスライダーは、スライドブ
ロックを介して取付ベースに対して着脱自在であるの
で、カムドライバーとは別個にしてカムスライダーのみ
を分解して上方に離脱させることが容易となる。

【００１０】更に、従来例のカムユニットでは各個毎に
カムスライダー用のガイド部材が必要であったが、本発
明の発明に係るカムユニットでは、カムスライダーを取
り付けるスライドブロックがガイドするので、カムスラ
イダーの側面にガイド部材を設ける必要な無くなり、そ
の分だけカムスライダーの長手方向の長さを短くするこ
とができる。

【００１１】本発明のカムユニットでは、移動金型と固
定金型にそれぞれカムドライバーとスライドブロックの
ユニットとを装着しておけば規格化されて、カムスライ
ダーだけを穴加工の相違に応じて予め製作して、所望の
カムスライダーを金型に取り付ければよく、穴加工内容
の変更にも、容易に対応させることが出来る。また、カ
ムスライダーを傾斜させて使用する場合には、カムドラ
イバーの当接面に傾斜に対応したベースプレートを取り
付けることで対応させることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るカムユニット
について図面を参照して説明する。なお、発明の理解容
易のため従来例に対応する部分には従来例と同一符号を
付けて説明する。

【００１３】本発明のカムユニット１は、図１乃至図２
に示すように、移動金型に固定され上下方向に往復移動
するカムドライバー２と、該カムドライバー２に当接さ
れ所望ストロークで所定方向（前後方向）に往復移動さ
れるカムスライダー３と、該カムスライダー３を摺動自
在に支持するとともに固定金型に固定される取付ベース
４とからなる。

【００１４】前記カムスライダーは、前記所定方向に直
交する方向（左右方向）に併設する複数のカムドライバ
ー２，２，…に対応した長さに一連に形成されていて、
前記取付ベース４との間に設けられ摺動自在で且つスラ
イドガイドとして兼用されるスライドブロック６を介し
て当該取付ベース４に、六角ボルト５等で着脱自在に取
り付けられている。当該カムスライダー３の後方傾斜面
が前記カムドライバー２との当接面３ａとなり、前端面
が穴加工用のパンチ等の工具を取り付ける工具取付け面
３ｂとなる。

【００１５】前記スライドブロック６は、図３乃至図４
に示すように、前後方向に平行にして取付ベース４にボ
ルトで固定して併設されたガイド棒７，７の上面に載置
して係合され、該ガイド棒７，７の間にスライドブロッ
ク６の中央部の突部が、摺動自在に挟装されている。

【００１６】スライドブロック６は、前記ガイド棒７，
７の前端面に架設されたブロック８から後方に向けて突
設されたスプリングガイドピン９と該スプリングガイド
ピン９に嵌装されたコイルスプリング（図示せず）によ
り、常に後方に付勢されている。

【００１７】また、前記ガイド棒７，７の後端面間に
は、ストッパー部材１０が架設されている。これによ
り、前記コイルスプリングの付勢力で後退する前記スラ
イドブロック６がストッパー部材１０の前端面に当接し
て、移動停止する。

【００１８】前記スライドブロック６とガイド棒７，７
とブロック８、ストッパー１０及びコイルスプリングと
で、スライドユニット１１が構成されるものである。

【００１９】このようにして本発明のカムユニット１が
構成されるので、これを使用するには、移動金型に複数
個の前記カムドライバー２を固定し、固定金型に複数個
の前記スライドユニット１１を左右方向に固定する。当
該カムドライバー２とスライドユニット１１は、種々の
穴加工に対して交換することなくそのまま対応できるの
で、規格化されるものである。

【００２０】そして、前記スライドユニット１１のスラ
イドブロック６に、複数個のカムドライバー２に対応さ
せて一連に形成したカムスライダー３を、六角ボルト等
で固定する。該カムスライダー３にパンチ等の工具を取
り付ける。

【００２１】前記カムドライバー２が下方向へ移動する
ことにより、カムスライダー３の当接面３ａで受ける押
圧力により、前記スライドブロック６にガイドされなが
らコイルスプリングの付勢力に抗して、当該カムスライ
ダー３が前方向に押し出される。該カムスライダー３の
工具取付け面３ｂに固定されたパンチなどにより穴加工
等の加工がなされる。

【００２２】前記カムドライバー２が上方向へ移動する
ことにより、スライドユニット１１のコイルスプリング
によりスライドブロック６が後方に押し戻され、同時に
カムスライダー３も後方に移動し、ストッパー１０にス
ライドブロック６の後端面が当接して移動停止する。パ
ンチも同時に被加工物から後退する。

【００２３】こうして、前記カムスライダー３により、
従来のカムユニットを単に左右方向に併設して穴加工等
を行うことよりも、位置決め精度を向上させて且つ容易
にセットすることができる様になるものである。

【００２４】工具としてのパンチを水平面からある角度
にて傾斜させて加工する場合には、前記カムドライバー
２の傾斜面に、傾斜角度に対応するベースプレート１２
を取り付けるだけで対応することが出来る。また、穴加
工等の加工種類が異なる場合には、それ専用のカムスラ
イダー３を形成することで、前記カムドライバー２及び
スライドユニット１１を変更することなくそのまま使用
することが出来る。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るカム
ユニットは、移動金型に固定されたカムドライバーと、
該カムドライバーに当接され所望ストロークで所定方向
に往復移動されるカムスライダーと、該カムスライダー
を摺動自在に支持するとともに固定金型に固定される取
付ベースとからなり、前記カムスライダーは、前記所定
方向に直交する方向に併設する複数のカムドライバーに
対応した長さに一連に形成されているので、移動金型と
固定金型にそれぞれカムドライバーとスライドブロック
のユニットとを装着しておけば規格化されて、カムスラ
イダーだけを穴加工の相違に応じて予め製作して、所望
のカムスライダーを金型に取り付ければよくなり、穴加
工内容の変更にも容易に対応させることが出来るという
優れた効果を奏するものである。また、複数の工具の同
期が採られて加工精度が向上するとともに、カムユニッ
トの設置位置調整が容易となって工期短縮となるという
優れた効果を奏するものである。

【００２６】また、カムスライダーを傾斜させて使用す
る場合には、カムドライバーの当接面に傾斜に対応した
ベースプレートを取り付けることで対応させることがで
きる。前記カムスライダーは、取付ベースとの間に設け
られ摺動自在で且つスライドガイドとして兼用されるス
ライドブロックを介して当該取付ベースに着脱自在に取
り付けられるので、当該カムスライダーだけを分解して
上方に離脱させることができて、分解作業や金型の段取
りが容易となるという優れた効果を奏するものである。

【００２７】更に、カムスライダーの有効巾に対してカ
ムユニット両側に設けられていた従来のガイド部材が不
要となって、カムスライダーの長手方向の長さが短くな
って全体的にコンパクトにすることが出来るという優れ
た効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るカムユニットの斜め後方から見た
斜視図図である。

【図２】同本発明に係るカムユニットの斜め前方から見
た斜視図である。

【図３】同本発明に係るカムユニットの斜め前方から見
た分解斜視図である。

【図４】同本発明に係るカムユニットの斜め後方から見
た斜視図である。

【図５】従来例に係るカムユニットの使用状態を示す説
明図である。

【符号の説明】

１ カムユニット、２ カムドライバー、３ カムスラ
イダー、４ 取付ベース、５ 六角ボルト、６ スライ
ドブロック、７ ガイド棒、８ ブロック、９ スプリ
ングガイドピン、１０ ストッパー部材、１１ スライ
ドユニット、１２ ベースプレート。

フロントページの続き (72)発明者 根本 昭二 東京都府中市日新町１−１−５ 三協オイ ルレス工業株式会社内 Ｆターム(参考） 4E048 LB01 LB02 4E050 BA02 BA03 DA02 DA03

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】移動金型に固定されたカムドライバーと、
   該カムドライバーに当接され所望ストロークで所定方向
   に往復移動されるカムスライダーと、 該カムスライダーを摺動自在に支持するとともに固定金
   型に固定される取付ベースとからなり、 前記カムスライダーは、前記所定方向に直交する方向に
   併設する複数のカムドライバーに対応した長さに一連に
   形成されていること、 を特徴とするカムユニット。
2. 【請求項２】カムスライダーは、取付ベースとの間に設
   けられ摺動自在で且つスライドガイドとして兼用される
   スライドブロックを介して当該取付ベースに着脱自在に
   取り付けられること、 を特徴とする請求項１に記載のカムユニット。