JP2000299660A - 波長多重光伝送システム、光増幅器および分散補償器 - Google Patents

波長多重光伝送システム、光増幅器および分散補償器

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JP2000299660A
JP2000299660A JP11104158A JP10415899A JP2000299660A JP 2000299660 A JP2000299660 A JP 2000299660A JP 11104158 A JP11104158 A JP 11104158A JP 10415899 A JP10415899 A JP 10415899A JP 2000299660 A JP2000299660 A JP 2000299660A
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chromatic dispersion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の波長帯を含んだ広帯域のWDM信号光を
伝送するとき、混成伝送路を用いた簡略な構成により各
波長帯の波長分散および分散スロープを有効に補償でき
るWDM光伝送システムを提供する。 【解決手段】本発明のWDM光伝送システムは、1.3
μm零分散SMF3aおよびRDF3bを用いた混成伝
送路について、複数の波長帯のうちのいずれか1つの基
準波長帯に対する波長分散および分散スロープの補償率
が略100%となるように波長分散特性が設定されると
ともに、光増幅器4内の基準波長帯を除いた各波長帯の
伝搬経路に、混成伝送路で発生する波長分散を補償可能
な分散補償ファイバが挿入される。これにより、複数の
波長帯についての波長分散補償が簡略な構成により確実
に行われるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重(WD
M)信号光の伝送を行う波長多重光伝送システム、並び
に該システムに適用可能な光増幅器および分散補償器に
関し、特に、複数の波長帯を含んだ広帯域のWDM信号
光を伝送する場合に、相反する波長分散特性を有する光
ファイバを組み合わせた混成伝送路を用いて、各波長帯
の波長分散等を有効に補償するようにした波長多重光伝
送システム、光増幅器および分散補償器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、長距離の光伝送システムでは、光
信号を電気信号に変換し、タイミング再生(retiming)、
波形等化(reshaping)および識別再生(regenerating)を
行う光再生中継器を用いて、光信号の伝送を行ってい
た。しかし、現在では光増幅器の実用化が進み、光増幅
器を線形中継器として用いる光増幅中継伝送方式が検討
されている。光再生中継器を光増幅中継器に置き換える
ことにより、中継器内の部品点数を大幅に削減し、信頼
性を確保するとともに大幅なコストダウンが見込まれ
る。また、光伝送システムの大容量化を実現する方法の
ひとつとして、1本の伝送路に2以上の異なる波長を持
つ光信号を多重して伝送する波長多重(WDM)光伝送
方式が注目されている。
【0003】上記の光増幅中継伝送方式とWDM光伝送
方式とを組み合わせたWDM光増幅中継伝送方式におい
ては、光増幅器を用いてWDM信号光を一括して増幅す
ることが可能であり、簡素な構成(経済的)で、大容量
かつ長距離伝送が実現可能である。
【0004】従来のWDM光増幅中継伝送システム(以
下、WDM光伝送システムと略す)では、伝送路の非線
形効果による伝送特性の劣化を低減するように伝送路の
波長分散を管理する方法が用いられている。
【0005】例えば、N.S.Berganoらの論文「Wavelengt
h Division Multiplexing in Long-Haul Transmission
Systems, IEEE Journal of Lightwave Technology, vo
l. 14, no. 6, pp. 1299-1308, 1996」では、約900
kmの長さを有し1585nmの零分散波長を持ち、正
の波長分散スロープを有する分散シフトファイバ(Disp
ersion-shifted fiber;DSF)と、約100kmの長
さを有し1310nmの零分散波長を持ち、正の波長分
散スロープを有するシングルモードファイバ(SMF)
とを組み合わせた伝送路を用いている。この伝送路の平
均零分散波長は約1558nmであり、信号光波長は1
556nmから1560nmまでである。
【0006】DSFおよびSMFの波長分散は、それぞ
れ約−2ps/nm/kmおよび約+20ps/nm/
kmであり、信号光と自然放出光の群速度や信号光同士
の群速度がそれぞれ異なる。このため、DSFおよびS
MFを組み合わせた伝送路を用いることによって、非線
形効果の相互作用時間を短くすることが可能であり、4
光波混合(Four wave mixing;FWM)および相互位相
変調(Cross phase modulation;XPM)などによる伝
送特性の劣化を低減できる。また、伝送路の平均零分散
波長を信号光波長内としているので、自己位相変調(Se
lf phase modulation;SPM)と波長分散による伝送
特性の劣化も低減している。
【0007】しかし、WDM光伝送システムの容量拡大
のために伝送帯域の拡大が必要となると、上記のような
構成では、波長分散スロープの影響により、すべての信
号光波長に対して波長分散が零となるように補償するの
は困難である。このため、補償されずに累積する波長分
散と光ファイバ内の非線形効果との相互作用による信号
光波形劣化が生じてしまう。
【0008】このような場合の対策として、伝送区間の
前半で生じた波長分散および分散スロープを補償する分
散補償ファイバを伝送区間の後半に適用した伝送路が提
案されている。具体的には、例えば、伝送区間の前半に
正の波長分散と正の分散スロープを持つ1.3μm零分
散SMFを用い、該1.3μm零分散ファイバの波長分
散および分散スロープを補償する、負の波長分散と負の
分散スロープを持つ分散補償ファイバを伝送区間の後半
に用いることで、分散スロープを小さくして累積波長分
散を低減し、伝送特性の劣化を低減させるものである。
【0009】M.Murakamiらの論文「Quarter terabit (2
5×10Gb/s) over 9288km WDM transmission experiment
using nonlinear supported RZ pulse in higher orde
r fiber dispersion managed line, ECOC'98, pp.79-8
1, 1998」では、伝送区間長の50%に相当する長さで
正の波長分散を持つ1.3μm零分散ファイバを伝送区
間の前半に用い、伝送区間長の50%に相当する長さで
負の波長分散を持つ分散補償ファイバを伝送区間の後半
に用いることで、平均の波長分散スロープを0.006
7ps/nm2/kmまで低減できている。
【0010】さらに、近年、WDM光伝送システムの伝
送容量を増やすために、例えば1550nm帯および1
580nm帯などの複数の波長帯を含んだWDM信号光
を用いる光伝送技術が提案されている。
【0011】例えば、S.Aisawaらの論文「Ultra-wide b
and, long distance WDM transmission demonstration:
1 Tb/s (50×20 Gb/s), 600 km transmission using 1
550and 1580 nm wavelength bands, PD11, OFC'98, 199
8」によると、1550nm帯および1580nm帯の
2つの波長帯のWDM信号光を用いることにより、50
波の信号光を多重することが可能となり、伝送容量の増
大が可能となっている。ここでは、SMF伝送路中で累
積する波長分散および分散スロープが各波長帯で異なる
ため、各々の波長帯ごとに波長分散および分散スロープ
を補償する分散補償器が、多段に重ねた光増幅器内に挿
入されている。各光増幅器は、入力されるWDM信号光
を波長帯ごとに分波して増幅する構成を有し、分波され
た後の各波長帯のWDM信号光を対応する各分散補償器
に送ることによって、SMF伝送路中で生じた波長分散
および分散スロープを各波長帯ごとに補償する。これに
より、1550nm帯と1580nm帯の両方の波長帯
におけるWDM信号光の伝送特性の劣化が低減されてい
る。
【0012】また、前述したような波長分散特性が異な
る複数の光ファイバを組み合わせた混成伝送路を用い
て、複数の波長帯のWDM信号光を伝送する技術も提案
されている。
【0013】例えば、Matthew X. Maらの論文「765 Gb/
s over 2,000km Transmission Using C- and L-band Er
bium Doped Fiber Amplifiers,PD16-1, OFC'99, 1999」
では、通常の光ファイバ(SMF)、分散シフトファイ
バ(NZ−DF)および分散補償ファイバ(DCF)を
組み合わせた混成伝送路を用いて、1550nm帯およ
び1580nm帯のWDM信号光を中継伝送する技術が
示されている。ここでは、波長分散特性の異なる3種類
の光ファイバを伝送路として用いることで、2つの波長
帯に亘る平均の分散スロープが低減されるとともに、光
増幅器において各波長帯ごとに分波したWDM信号光の
分散補償をそれぞれ行うことによって、1550nm帯
および1580nm帯のWDM信号光の長距離伝送を実
現させている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような複数の波長帯のWDM信号光を伝送する従来のW
DM光伝送システムでは、広帯域のWDM信号光に対し
て累積する波長分散および分散スロープを各波長帯ごと
に補償することが必要となるため、それぞれの波長帯に
対応した分散補償器が設けられる光増幅器等が複雑な構
成で高コストになってしまうという問題があった。
【0015】また、1550nm帯および1580nm
帯等の波長帯に対して、通常のSMFを用いた伝送路で
累積する波長分散は正の値となるため、光増幅器等に設
けられる各波長帯の分散補償ファイバは負の波長分散を
有することが必要となる。しかし、このような負の波長
分散を有し光増幅器内に設けられるようなモジュール用
の分散補償ファイバは、通常のSMFに比べてモードフ
ィールド径がかなり小さくなるため、WDM信号光が広
帯域化するほど非線形効果の影響を受け易くなるという
欠点がある。
【0016】たとえ、前述のように混成伝送路を用いて
波長分散および分散スロープの累積を低減させた場合で
あっても、従来の波長分散の補償方法では、WDM信号
光の広い波長帯全域に対して混成伝送路だけの補償では
不十分であり、各波長帯ごとの波長分散補償が必要であ
った。
【0017】具体的に、前述のMatthew X. Maらの論文
に示されたシステムについて検討してみる。上記論文の
記載に基づいて、混成伝送路の1区間(43.5km)
における波長分散を計算してみると、図34の波長分散
マップに示すように、最短波長(1529.6nm)で
約7ps/nm、最長波長(1600nm)で約50p
s/nm程度の正の波長分散が累積するものと考えられ
る。また、上記論文のFigure.1には、1550nm帯に
対する全伝送区間(2000km)の波長分散マップが
示されており、チャンネル1(1550nm帯の最短波
長)で約500ps/nm、チャンネル50(1550
nm帯の最長波長)で約2000ps/nm程度の正の
波長分散が累積することがわかる。このように、混成伝
送路を用いて波長分散および分散スロープの補償を行う
場合でも、それぞれの波長帯について正の波長分散が累
積している。このため、負の波長分散を有する分散補償
器を各波長帯に対応させて光増幅器に設け、累積波長分
散を零にする補償が行われているものと考えられる。し
たがって、この場合にも、光増幅器の複雑化および高コ
スト化を招き、非線形効果の影響を受け易くなるという
問題が生じる。
【0018】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、複数の波長帯を含んだ広帯域のWDM信号光を
伝送するとき、混成伝送路を用いた簡略な構成により各
波長帯の波長分散等を有効に補償して良好な伝送特性を
実現するWDM光伝送システムを提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によるWDM光伝送システムの1つの態様
は、複数の波長帯を含んだWDM信号光が伝送されるW
DM光伝送システムにおいて、各波長帯に対して正の波
長分散および正の分散スロープを有する第1光ファイバ
と、各波長帯に対して負の波長分散および負の分散スロ
ープを有する第2光ファイバとを互いに接続した第1伝
送区間を備え、第1光ファイバで発生する波長分散およ
び分散スロープについての第2光ファイバによる補償率
が、複数の波長帯のうちのいずれか1つの基準波長帯に
対して最大となるように、第1伝送区間の波長分散特性
が設定される光伝送路と、基準波長帯を除いた各波長帯
ごとに、光伝送路の第1伝送区間で発生する波長分散を
補償可能な分散補償手段と、を備えて構成されるもので
ある。
【0020】かかる構成のWDM光伝送システムでは、
複数の波長帯のWDM信号光が、光伝送路の第1伝送区
間を伝送されることで、第1光ファイバで発生する波長
分散および分散スロープが第2光ファイバによって補償
される。その補償率は、基準波長帯に対して最大となる
ように設定されているため、基準波長帯についての波長
分散補償は十分に行われるが、基準波長帯を除いた他の
波長帯については補償誤差が大きくなって波長分散およ
び分散スロープが残留する。しかし、少なくとも波長分
散(第1伝送区間の設定によっては分散スロープも)の
残留分について、分散補償手段によって基準波長帯を除
いた各波長帯ごとに補償されるようになる。これによ
り、複数の波長帯についての分散補償を簡略な構成によ
り確実に行うことができ、WDM光伝送システムのコス
トを低減させることが可能となる。
【0021】本発明によるWDM光伝送システムの他の
態様は、複数の波長帯を含んだWDM信号光が伝送され
るWDM光伝送システムにおいて、各波長帯に対して正
の波長分散および正の分散スロープを有する第1光ファ
イバと、各波長帯に対して負の波長分散および負の分散
スロープを有する第2光ファイバとを互いに接続した第
1伝送区間を備え、第1光ファイバで発生する波長分散
についての第2光ファイバによる補償率が、複数の波長
帯のうちの最短波長帯および最長波長帯の各中心波長に
対して略100%となるように、第1伝送区間の波長分
散特性が設定される光伝送路を備えて構成されるもので
ある。また、上記のWDM光伝送システムについては、
最短波長帯および最長波長帯の間に位置する中間波長帯
に対して、光伝送路の第1伝送区間で発生する波長分散
を補償する分散補償手段を備えて構成されるようにして
もよい。
【0022】かかる構成のWDM光伝送システムでは、
光伝送路の第1伝送区間における波長分散の補償率が、
最短波長帯および最長波長帯の各中心波長に対して略1
00%となるように設定されるため、前記各中心波長に
ついての波長分散は略零となる。このとき、分散スロー
プについては、最短波長帯と最長波長帯の中間の波長帯
付近において略100%の補償が実現されるが、最短波
長帯および最長波長帯においては若干の補償誤差が生じ
る。しかし、この分散スロープの補償誤差は、それぞれ
の波長帯の帯域幅を考慮すると伝送特性には影響を与え
ない程度の誤差となるため、各々の波長帯ごとの分散補
償を特に行わなくても、複数の波長帯について良好な伝
送特性が得られるようになる。また、中間波長帯につい
ては、第1伝送区間における波長分散補償が不十分とな
る可能性が生じるが、そのような場合には、中間波長帯
に対してのみ波長分散補償を行う分散補償手段を設ける
ことで、複数の波長帯に対する波長分散補償を簡略な構
成により実現することができる。これにより、WDM光
伝送システムの低コスト化を図ることが可能となる。
【0023】本発明によるWDM光伝送システムの別の
態様は、複数の波長帯を含んだ波長多重信号光が伝送さ
れる波長多重光伝送システムにおいて、各波長帯に対し
て正の波長分散および正の分散スロープを有する第1光
ファイバと、各波長帯に対して負の波長分散および負の
分散スロープを有する第2光ファイバとを互いに接続し
た第1伝送区間を備え、第1光ファイバで発生する波長
分散についての第2光ファイバによる補償率が、複数の
波長帯のうちのいずれか1つの基準波長帯に対して最大
となるように、第1伝送区間の波長分散特性が設定され
る光伝送路と、基準波長帯を除いた各波長帯ごとに、光
伝送路の第1伝送区間で発生する波長分散を補償可能な
分散補償手段と、を備えて構成されるものである。
【0024】かかる構成のWDM光伝送システムでは、
光伝送路の第1伝送区間における波長分散のみについて
の補償率が、基準波長帯に対して最大となるように設定
されるため、基準波長帯を除いた他の波長帯については
補償誤差が大きくなって波長分散および分散スロープが
残留する。しかし、少なくとも波長分散(第1伝送区間
の設定によっては分散スロープも)の残留分について
は、分散補償手段によって基準波長帯を除いた各波長帯
ごとに補償されるようになる。
【0025】本発明によるWDM光伝送システムのさら
に別の態様は、通信を行う複数の波長に対して正の波長
分散および正の分散スロープを有する第1光ファイバ
と、複数の波長に対して負の波長分散および負の分散ス
ロープを有する第2光ファイバとにより構成し、第1光
ファイバで発生する波長分散および分散スロープについ
ての第2光ファイバによる補償率が複数の波長のうちの
いずれか1つの基準波長に対して最大となるように、第
1、2光ファイバの各波長分散特性が設定され、複数の
波長を含んだ波長多重信号光が伝送される光伝送路と、
各波長について所定の波長幅ごとに、光伝送路で発生す
る波長分散を補償可能な分散補償手段と、を備えて構成
されるものである。
【0026】かかる構成のWDM光伝送システムによれ
ば、通信を行う複数の波長に対し、所定の波長幅を1つ
の単位として、光伝送路で発生する波長分散等が補償さ
れるようになる。
【0027】本発明による光増幅器は、波長多重信号光
を増幅する光増幅器において、光伝送路からの波長多重
信号光を各波長に対応して分離する分波部と、該分波部
で分離された各波長の光をそれぞれ増幅する光増幅部
と、分波部で分離された各波長の光の波長分散値に対応
して分散補償を行う分散補償部と、光増幅部および分散
補償部でそれぞれ処理された各波長の光を波長多重する
合波部と、を備えて構成されるものである。
【0028】かかる構成の光増幅器によれば、光伝送路
から送られてくる波長多重信号光は、分波部により波長
に応じて分波されて光増幅部および分散補償部にそれぞ
れ送られる。分波された各波長の光は、伝搬されてきた
光伝送路の特性に応じた波長分散を有しており、その波
長分散値に対応した分散補償が分散補償部によって行わ
れる。光増幅部で増幅され、分散補償部で分散補償され
た各波長の光は、合波部により合波されて波長多重信号
光となる。
【0029】本発明による分散補償器は、波長多重信号
光を伝送する光伝送路内に設けた分散補償器において、
光伝送路からの波長多重信号光を各波長に対応して分離
する分波部と、該分波部で分離された各波長の光の波長
分散値に対応して分散補償を行う分散補償部と、を備え
て構成されるものである。
【0030】かかる構成の分散補償器によれば、光伝送
路から送られてくる波長多重信号光が、分波部により波
長に応じて分波される。分波された各波長の光は、伝搬
されてきた光伝送路の特性に応じた波長分散を有してお
り、その波長分散値に対応した分散補償が分散補償部に
よって行われるようになる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、第1実施形態におけるWD
M光伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【0032】図1のWDM光伝送システムは、例えば、
光送信局(OS)1と、光受信局(OR)2と、それら
送受信局間を接続する光伝送路3と、該光伝送路3の途
中に所要の間隔で配置される複数の光増幅器4と、から
構成される。
【0033】光送信局1は、波長の異なる複数の光信号
をそれぞれ出力する複数の光送信器(E/O)1Aと、
複数の光信号を波長多重する合波器1Bと、該合波器1
BからのWDM信号光を所要のレベルに増幅して光伝送
路3に出力するポストアンプ1Cと、を有する。
【0034】ここでは、例えば1550nm帯および1
580nm帯の2つの波長帯のWDM信号光が光伝送路
3に送信されるものとする。なお、1550nm帯は、
いわゆるCバンドと称される波長帯であって、例えば1
545〜1560nm等の帯域を示す。また、1580
nm帯は、いわゆるLバンドと称される波長帯であっ
て、例えば1575〜1600nm等の帯域を示す。
【0035】光受信局2は、光伝送路3を介して伝送さ
れた各波長帯のWDM信号光を所要のレベルに増幅する
プリアンプ2Aと、プリアンプ2Aからの出力光を波長
に応じて複数の光信号に分ける分波器2Bと、複数の光
信号をそれぞれ受信処理する複数の光受信器(O/E)
2Cと、を有する。
【0036】光伝送路3は、光送信局1、各光増幅器4
および光受信局2の間をそれぞれ接続する複数の中継区
間を有する。各中継区間に対しては、WDM信号光の各
波長帯について、正の波長分散値と正の分散スロープを
持つ1.3μm零分散SMF3aを前半(送信側)に用
い、負の波長分散値と負の分散スロープを持つ分散補償
ファイバ(Reversed Dispersion Fiber、RDFと以下
に略す)3bを後半(受信側)に用いた混成伝送路がそ
れぞれ適用される。
【0037】したがって、ここでは1.3μm零分散S
MF3aが第1光ファイバに相当し、RDF3bが第2
光ファイバに相当し、混成伝送路を用いた中継区間が第
1伝送区間に相当する。
【0038】ここで、上記混成伝送路の波長分散特性に
ついて具体的に説明する。図2は、1.3μm零分散S
MF3aおよびRDF3bの一般的な波長分散特性の一
例を示す図である。
【0039】図2に示すように、1.3μm零分散SM
F3aは、1.3μm付近で波長分散が零となり、波長
が長くなると波長分散が大きくなる正の分散スロープを
持つ。また、その分散スロープの絶対値は、波長が長く
なると小さくなる。一方、RDF3bは、信号光の波長
帯について1.3μm零分散SMF3aとは相反する負
の波長分散を持ち、波長が長くなると波長分散が小さく
なる負の分散スロープを持つように設計される。また、
その分散スロープの絶対値は、波長が長くなると大きく
なる。したがって、1.3μm零分散SMF3aおよび
RDF3bの各波長分散特性は、ともに図で上に凸の特
性となる。このため、複数の波長帯を含んだ広帯域のW
DM信号光が伝送される場合には、すべての波長帯につ
いて1.3μm零分散SMF3aで発生する波長分散お
よび分散スロープをRDF3bで補償することが難しく
なる。
【0040】そこで、本実施形態では、例えば、158
0nm帯を基準波長帯として、1.3μm零分散SMF
3aで発生する波長分散および分散スロープが約100
%まで補償できるようにRDF3bの波長分散特性を設
定し、1550nm帯で生じる波長分散の補償誤差のみ
を後段の光増幅器4で補償する構成が適用される。
【0041】図3は、1580nmを基準としてRDF
3bの波長分散特性を設定したときの混成伝送路の波長
分散特性である。ただし、図をわかり易くするために、
RDFの波長分散特性を絶対値表示とし、以下同様とす
る。
【0042】図3に示すように、1580nm帯では波
長分散および分散スロープがほぼ100%補償されるの
に対して、1550nm帯ではRDF3bによる波長分
散補償が過剰となり、負の波長分散が累積することがわ
かる。また、1550nm帯での分散スロープについて
は、RDF3bによる補償が不足して正の分散スロープ
が残留することになる。
【0043】なお、混成伝送路の設定基準となる158
0nmでの1.3μm零分散SMF3aの波長分散特性
の代表的な値としては、例えば、波長分散が19.94
ps/nm/km、分散スロープが0.052ps/n
2/kmを挙げることができる。この場合、RDF3
bの波長分散特性は、1580nmにおいて波長分散が
−19.94ps/nm/km、分散スロープが−0.
052ps/nm2/kmに極力近づくように設定され
る。
【0044】ただし、本実施形態のように混成伝送路が
複数の中継区間で用いられるシステム構成の場合、2段
目以降の中継区間においては、前段の中継区間で残留す
る波長分散(補償率100%に対する誤差分に相当)を
も考慮に入れて、各光ファイバの波長分散特性を設定す
る必要がある。
【0045】また、上記のように各光ファイバの波長分
散特性を設定した混成伝送路の他の設定条件(例えば、
1.3μm零分散SMF3aおよびRDF3bの各長さ
等)については、本出願人の先願である特願平11−5
8499号に記載した条件と同様に設定するのが好まし
い。先願発明の概容は、1つの中継区間に用いられる混
成伝送路のRDF3bの長さの比率を20%以上、40
%以下にするなどの設定条件を加えることによって、混
成伝送路での非線形効果や伝送損失の影響を低減させて
伝送特性を改善させるものあり、その詳細についての説
明はここでは省略する。
【0046】各光増幅器4は、光伝送路3を介して送ら
れるWDM信号光を各波長帯ごとに分波して増幅した後
に再び合波して出力する基本構成を有し、該基本構成に
ついて、前述した混成伝送路で補償されずに残留した1
550nm帯の波長分散および分散スロープを補償する
ための分散補償手段を、1550nm帯の伝搬経路に挿
入したものである。
【0047】図4は、光増幅器4の具体的な構成例を示
すブロック図である。図4に示す光増幅器4は、上記基
本構成として、光伝送路3から入力されるWDM信号光
を1550nm帯および1580nm帯に分波する分波
器41と、分波された1550nm帯のWDM信号光を
所定のレベルまで増幅する1550nm帯用光増幅部4
2Cと、分波された1580nm帯のWDM信号光を所
定のレベルまで増幅する1580nm帯用光増幅部42
Lと、各波長帯の光増幅部42C,42Lから出力され
るWDM信号光を合波して光伝送路3に出力する合波器
43と、を有する。また、混成伝送路における残留波長
分散を補償する分散補償部として、ここでは、分波器4
1の1550nm帯出力ポートと1550nm帯用光増
幅部42Cの入力ポートとの間に、例えば分散補償ファ
イバ44C等が挿入される。
【0048】分散補償ファイバ44Cは、前段の混成伝
送路で生じる補償誤差(1550nm帯に対する負の波
長分散)に対応した正の波長分散を有し、具体的には、
混成伝送路の前半に用いられる1.3μm零分散SMF
3aと同様の光ファイバを用いることが可能である。
【0049】ここで、1550nm帯用の分散補償ファ
イバ44Cとして1.3μm零分散SMFを光増幅器に
内蔵できるのは、1550nm帯について発生する波長
分散の大部分が混成伝送路で補償されており、誤差分に
相当する正の波長分散を光増幅器で補償すれば足りるた
め、長さの比較的短いSMFを用いることができ、その
ような短いSMFは、光増幅器内に容易に設けることが
可能だからである。
【0050】なお、ここでは1550nm帯用光増幅部
42Cの入力側に分散補償ファイバ44Cを設けるよう
にしたが、図5に示すように、1550nm帯用光増幅
部42Cの出力ポートと合波器41の1550nm帯入
力ポートとの間に分散補償ファイバ44Cを挿入しても
構わない。
【0051】1550nm帯用光増幅部42Cとして
は、1550nm帯に増幅帯域を有するエルビウムドー
プ光ファイバ増幅器(EDFA)等の公知の光増幅器を
用いることが可能である。また、1580nm帯用光増
幅部42Cとしては、例えば、1550nm帯用EDF
Aのエルビウムドープ光ファイバ(EDF)長を長くす
るなどして、1580nm帯で光増幅作用が生じるよう
にした公知の光増幅器を用いることが可能である。
【0052】ここで、第1実施形態の作用について説明
する。上述したような構成のWDM光伝送システムで
は、光送信局1の各光送信器1Aで発生した1550n
m帯および1580nm帯の各光信号が、合波器1Bで
波長多重され、ポストアンプ1Cで所要のレベルまで増
幅された後に、光伝送路3の初段の混成伝送路に送出さ
れる。
【0053】混成伝送路においては、各波長帯のWDM
信号光が前半の1.3μm零分散SMF3aを伝搬する
ことで正の波長分散が発生し、後半のRDF3bを伝搬
することで負の波長分散が発生する。このとき、前述の
図3に示したように、1580nm帯のWDM信号光に
ついては、1.3μm零分散SMF3aで発生する波長
分散および分散スロープがRDF3bによって約100
%近くまで補償されるが、1550nm帯のWDM信号
光については、RDF3bによる波長分散補償が過剰と
なって、負の波長分散が残留する。また、1550nm
帯での分散スロープについては、RDF3bによる補償
が不足して正の分散スロープが残留するようになる。
【0054】そして、初段の混成伝送路を通過したWD
M信号光は、光増幅器4に入力されて、分波器41によ
り1550nm帯のWDM信号光と1580nm帯のW
DM信号光とに分波される。1550nm帯のWDM信
号光は、分散補償ファイバ44Cに送られて、正の波長
分散が発生することにより混成伝送路で発生した残留波
長分散が補償された後に、1550nm帯用光増幅部4
2Cに送られる。一方、1580nm帯のWDM信号光
は、1580nm帯用光増幅部42Lにそのまま送られ
る。なお、本実施形態の場合、混成伝送路で発生した残
留分散スロープについては、分散補償ファイバ44Cに
よって補償されない。
【0055】各波長帯の光増幅部42C,42Lに送ら
れたWDM信号光は、所要のレベルまで増幅された後
に、合波器43に送られて再び合波されて、次段の混成
伝送路に出力される。以降、上記と同様の動作が各中継
区間ごとに繰り返され、各波長帯のWDM信号光が光受
信局2まで中継伝送される。
【0056】光受信局2に到達したWDM信号光は、プ
リアンプ2Aで所要のレベルまで増幅された後に、分波
器2Bで波長に応じて複数の光信号に分波され、対応す
る光受信器2Cでそれぞれ受信処理される。
【0057】上述したように第1実施形態によれば、混
成伝送路において1580nm帯の波長分散および分散
スロープが略100%補償されるように各光ファイバの
波長分散特性を設定し、光増幅器4内には1550nm
帯用の分散補償ファイバ44Cのみを設けるようにした
ことで、1580nm帯における波長分散および分散ス
ロープの補償、並びに1550nm帯における波長分散
の補償を簡略な構成により確実に行うことができ、WD
M光伝送システムを構成する光増幅器の低コスト化を図
ることが可能となる。
【0058】また、光増幅器内に設ける分散補償ファイ
バとして、正の波長分散を有するモードフィールド径の
大きい1.3μm零分散SMFを用いることができるた
め、従来のように負の波長分散を有するモードフィール
ド径の小さい分散補償ファイバを用いる場合と比べて、
非線形効果の影響を受け難いシステムを実現することが
できる。
【0059】なお、上記第1実施形態では、混成伝送路
において1580nm帯の波長分散および分散スロープ
を約100%まで補償するようにしたが、本発明はこれ
に限られるものではない。一般に、伝送光に生じる累積
波長分散は、負の値となるようにするのが好ましいとさ
れる。これは、累積波長分散が正になると、光パルスの
圧縮効果により光ピークパワーが大きくなって非線形効
果を受け易くなることなどを防ぐためである。
【0060】このため、混成伝送路について、1.3μ
m零分散SMF3aにおける累積波長分散量とRDF3
bにおける累積波長分散量との和が負になる、すなわ
ち、1580nm帯においても1.3μm零分散SMF
3aに対するRDF3bの波長分散補償が若干過剰とな
るように設定して、混成伝送路全体で発生する累積波長
分散を負の値としても構わない。この場合には、155
0nm帯および1580nm帯の両波長帯について、負
の波長分散が各混成伝送路を通過するごとに累積するこ
とになるため、その累積する負の波長分散を例えば10
中継区間ごとにまとめて補償するのが望ましい。このよ
うな場合についてのシステム構成例を図6に示してお
く。
【0061】図6の構成例では、第1〜9中継区間の混
成伝送路で発生する累積波長分散が第10中継区間の伝
送路で補償され、以降同様にして10中継区間ごとに累
積波長分散が補償される。累積波長分散の補償を行う中
継区間(第2伝送区間)に用いられる伝送路としては、
前方の9中継区間で発生する負の累積波長分散とは相反
する波長分散を持つ分散補償ファイバ3c(第3光ファ
イバ)が適用される。この分散補償ファイバ3cには、
例えば1.3μm零分散SMFなどを用いることがで
き、また、その出力端には、いずれの波長帯の伝搬経路
にも分散補償ファイバを設けていない通常の光増幅器
4’が接続される。
【0062】なお、図6の構成例では、10中継区間ご
とに分散補償ファイバ3cを用いるようにしたが、累積
波長分散の補償間隔は上記の場合に限られるものではな
い。ただし、累積波長分散の補償間隔が短いと、累積波
長分散が頻繁に零に戻って非線形効果の影響を受ける可
能性があるため、累積波長分散の補償間隔は長くするの
が有効である。具体的には、補償間隔は中継区間の10
倍以上とするのが望ましいと考えられる。
【0063】次に、第2実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。第2実施形態では、1550nm
帯を基準波長帯として混成伝送路の波長分散特性を設定
した場合を考える。WDM光伝送システム全体の構成
は、上述の図1に示した第1実施形態の場合と同様であ
る。
【0064】図7は、第2実施形態で用いられる混成伝
送路、すなわち、1550nm帯を基準としてRDF3
bの波長分散特性を設定した混成伝送路の波長分散特性
を示す図である。
【0065】図7に示すように、本実施形態で用いられ
る混成伝送路では、1.3μm零分散SMF3aの波長
分散および分散スロープが、1550nm帯で約100
%まで補償されるのに対して、1580nm帯ではRD
F3bによる波長分散および分散スロープの補償が過剰
となり、負の波長分散および分散スロープが累積する。
【0066】なお、混成伝送路の設定基準となる155
0nmでの1.3μm零分散SMF3aの波長分散特性
の代表的な値としては、例えば、波長分散が18.18
ps/nm/km、分散スロープが0.063ps/n
2/kmを挙げることができる。この場合、RDF3
bの波長分散特性は、1550nmにおいて波長分散が
−18.18ps/nm/km、分散スロープが−0.
063ps/nm2/kmに極力近づくように設定され
る。
【0067】図8は、第2実施形態で用いる光増幅器4
の具体的な構成例を示すブロック図である。図8に示す
ように、本実施形態で用いる光増幅器4の構成が第1実
施形態の場合と異なる部分は、1550nm帯の伝搬経
路に挿入されていた分散補償ファイバ44Cに代えて、
分散補償ファイバ44Lが1580nm帯の伝搬経路に
挿入された部分である。上記以外の部分の光増幅器4の
構成は、第1実施形態の場合と同様である。
【0068】分散補償ファイバ44Lは、ここでは、分
波器41の1580nm帯出力ポートと1580nm帯
用光増幅部42Lの入力ポートとの間に挿入される。こ
の分散補償ファイバ44Lは、前段の混成伝送路で生じ
る補償誤差(1580nm帯に対する負の波長分散およ
び負の分散スロープ)に対応した、正の波長分散および
正の分散スロープを有し、混成伝送路の前半に用いられ
る1.3μm零分散SMF3aと同様の光ファイバを用
いることが可能である。
【0069】なお、ここでは1580nm帯用光増幅部
42Lの入力側に分散補償ファイバ44Lを設けるよう
にしたが、図9に示すように、1580nm帯用光増幅
部42Lの出力ポートと合波器41の1580nm帯入
力ポートとの間に分散補償ファイバ44Lを挿入しても
構わない。
【0070】上記のような構成の第2実施形態では、各
混成伝送路において、1550nm帯のWDM信号光に
ついては、1.3μm零分散SMF3aで発生する波長
分散および分散スロープがRDF3bによって約100
%近くまで補償されるが、1580nm帯のWDM信号
光については、RDF3bによる補償が過剰となって、
負の波長分散および負の分散スロープが残留するように
なる。しかし、この残留した1580nm帯の波長分散
および分散スロープは、光増幅器4内の1580nm帯
伝搬経路に挿入された分散補償ファイバ44Lによって
補償されるため、1550nm帯および1580nm帯
の両波長帯についての波長分散補償が確実に行われるよ
うになる。
【0071】このように第2実施形態によれば、混成伝
送路において1550nm帯の波長分散および分散スロ
ープが略100%まで補償されるように各光ファイバの
波長分散特性を設定し、光増幅器内には1580nm帯
用の分散補償ファイバのみを設けるようにしたことで、
1550nm帯および1580nm帯の両波長帯におけ
る波長分散および分散スロープの補償を簡略な構成によ
り確実に行うことができる。したがって、分散補償がよ
り正確なWDM光伝送システムを低コストで実現するこ
とが可能となる。
【0072】なお、上述した第1、2実施形態では、混
成伝送路における基準波長帯での補償率が、波長分散お
よび分散スロープの両方について最大(略100%)と
なるようにしたが、波長分散だけについて補償率が最大
となるように設定しても構わない。この場合、混成伝送
路での分散スロープについての補償率が小さくなるた
め、第1、2実施形態の場合と比べて伝送特性は劣化す
るものの、システムの仕様によっては十分に有効である
と考えられる。
【0073】具体的には、図10に示すように、1.3
μm零分散SMF3aの波長分散が1580nm帯で約
100%まで補償されるようにRDF3bの波長分散特
性を設定した場合には、1550nm帯で正の波長分散
が残留してしまうため、光増幅器内の1550nm帯伝
送経路に負の波長分散を有する分散補償ファイバ(例え
ば、RDF3bと同様の光ファイバ)を挿入することに
より、混成伝送路で発生する残留波長分散を低減でき
る。
【0074】また、図11に示すように、1.3μm零
分散SMF3aの波長分散が1550nm帯で約100
%まで補償されるようにRDF3bの波長分散特性を設
定した場合にも、1580nm帯で正の波長分散が残留
してしまうため、光増幅器内の1580nm帯伝送経路
に負の波長分散を有する分散補償ファイバ(例えば、R
DF3bと同様の光ファイバ)を挿入することにより、
混成伝送路で発生する残留波長分散を低減できる。
【0075】次に、第3実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。第3実施形態では、1550nm
帯および1580nm帯の2つの波長帯のWDM信号光
が伝送されるWDM光伝送システムにおいて、両波長帯
の波長分散が混成伝送路でともに約100%までそれぞ
れ補償されるように、RDF3bの波長分散特性を設定
することによって、光増幅器における波長分散補償が不
要となるようにした場合を説明する。
【0076】図12は、第3実施形態で用いられる混成
伝送路の波長分散特性を示す図である。図12に示すよ
うに、本実施形態で用いられる混成伝送路では、1.3
μm零分散SMF3aの波長分散が1550nm帯およ
び1580nm帯の各中心波長でそれぞれ約100%ま
で補償されるように、RDF3bの波長分散特性が設定
される。このとき、分散スロープについては、1550
nm帯と1580nm帯の中間の波長(約1565n
m)付近において約100%の補償が実現されるが、1
550nm帯および1580nm帯においては、若干の
補償誤差が生じる。しかし、この分散スロープの補償誤
差は、各々の波長帯の帯域幅(約30nm程度)を考慮
すると伝送特性には影響を与えない程度の誤差と考えら
れる。
【0077】図13は、第3実施形態におけるWDM光
伝送システムの全体構成を示すブロック図である。図1
3において、上記のように設定された混成伝送路を用い
る場合のシステム構成が上述した第1、2実施形態の場
合の構成と異なる部分は、一方の波長帯の伝搬経路に分
散補償ファイバが設けられていた光増幅器4に代えて、
いずれの波長帯の伝搬経路にも分散補償ファイバが設け
られていない光増幅器4’を各中継区間ごとに配置した
部分である。上記以外の本システムの構成は、第1、2
実施形態の場合と同様である。
【0078】上記のような構成のWDM光伝送システム
では、各中継区間の混成伝送路において、1.3m零分
散SMF3aで発生する1550nm帯および1580
nm帯の波長分散が、RDF3bによって伝送特性に影
響を与えないレベルまでそれぞれ補償されるようにな
る。
【0079】このように第3実施形態によれば、各光増
幅器において各波長帯ごとの分散補償を特に行わなくて
も、広帯域のWDM信号光について良好な伝送特性を得
ることができるため、本システムを構成する光増幅器の
更なる簡略化および低コスト化を図ることが可能とな
る。
【0080】なお、上記第3の実施形態では、各波長帯
での分散スロープの補償誤差が伝送特性には影響を与え
ない程度のものとして扱ったが、この補償誤差が問題と
なるようなシステムの場合には、それを補償する手段を
別途もけるようにしても構わない。
【0081】次に、第4実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。第4実施形態では、例えば、15
20nm帯、1550nm帯および1580nm帯の3
つの波長帯のWDM信号光が伝送されるWDM光伝送シ
ステムについて本発明を適用した場合を考え、ここで
は、1580nm帯を基準波長帯として混成伝送路の波
長分散特性を設定したときについて説明する。なお、W
DM光伝送システム全体の構成は、上述の図1に示した
第1実施形態の場合と同様である。
【0082】図14は、第4実施形態で用いられる混成
伝送路の波長分散特性を示す図である。図14に示すよ
うに、本実施形態の混成伝送路では、上述した第1実施
形態の場合と同様に、1580nmを基準として、1.
3μm零分散SMF3aで発生する波長分散および分散
スロープが約100%まで補償できるように、RDF3
bの波長分散特性が設定される。これにより、1580
nm帯では波長分散および分散スロープが略100%補
償されるのに対して、1550nm帯では、RDF3b
による波長分散補償が過剰となって負の波長分散が累積
し、1520nm帯では、さらに波長分散補償が過剰と
なって負の波長分散が累積する。また、1550nm帯
および1520nm帯の分散スロープについては、RD
F3bによる補償が不足するため正の分散スロープが累
積する。
【0083】なお、1520nm帯は、いわゆるSバン
ドと称される波長帯であって、例えば1500〜153
0nm等の帯域を示すものである。図15は、本実施形
態に適用される各光増幅器4の具体的な構成例を示すブ
ロック図である。
【0084】図15において、本光増幅器4は、光伝送
路3から入力されるWDM信号光を1520nm帯、1
550nm帯および1580nm帯の3つの波長帯に分
波する分波器41と、分波された各波長帯のWDM信号
光を所定のレベルまで増幅する、1520nm帯用光増
幅部42S、1550nm帯用光増幅部42Cおよび1
580nm帯用光増幅部42Lと、各光増幅部42S,
42C,42Lから出力されるWDM信号光を合波して
光伝送路3に出力する合波器43と、1520nm帯お
よび1550nm帯の各伝搬経路にそれぞれ挿入された
分散補償ファイバ44S,44Cと、を有する。
【0085】1520nm帯用光増幅部42Sとして
は、1500〜1530nm等に増幅帯域を有する公知
の光増幅器を用いることが可能である。具体的には、例
えば、可児らの論文「1520nm帯WDM伝送用ファ
イバラマン増幅器の検討,電子情報通信学会通信ソサイ
エティ大会,B-10-160,1998」に示されたファイバラマ
ン増幅器などが挙げられる。
【0086】分散補償ファイバ44Sは、例えば、分波
器41の1520nm帯出力ポートと1520nm帯用
光増幅部42Sの入力ポートとの間などに挿入される。
この分散補償ファイバ44Sは、前段の混成伝送路で生
じる補償誤差(1520nm帯に対する負の波長分散)
に対応した正の波長分散を有する。具体的には、混成伝
送路の前半に用いられる1.3μm零分散SMF3aと
同様の光ファイバを用いることが可能である。
【0087】分散補償ファイバ44Cは、例えば、分波
器41の1550nm帯出力ポートと1550nm帯用
光増幅部42Cの入力ポートとの間などに挿入される。
この分散補償ファイバ44Cについても、上記の分散補
償ファイバ44Sと同様に、前段の混成伝送路で生じる
補償誤差(1550nm帯に対する負の波長分散)に対
応した正の波長分散を有し、具体的には1.3μm零分
散SMF等を用いることができる。
【0088】なお、ここでは各光増幅部42S,42C
の入力側に分散補償ファイバ44S,44Cをそれぞれ
設けるようにしたが、本発明はこれに限られるものでは
ない。例えば、図16に示すように、各光増幅部42
S,42Cの出力側に分散補償ファイバ44S,44C
をそれぞれ設けてもよい。また、例えば、図17若しく
は図18に示すように、一方の分散補償ファイバを光増
幅部の入力側に設け、他方の分散補償ファイバを光増幅
器の出力側に設けるようにしても構わない。
【0089】上記のような構成の第4実施形態では、各
混成伝送路において、1580nm帯のWDM信号光に
ついては、1.3μm零分散SMF3aで発生する波長
分散および分散スロープがRDF3bによって約100
%近くまで補償されるが、1520nm帯および155
0nm帯の各WDM信号光については、RDF3bによ
る補償が過剰となって負の波長分散が残留するようにな
る。しかし、この残留した1520nm帯および155
0nm帯の波長分散は、光増幅器4内の1520nm帯
および1550nm帯の各伝搬経路に挿入された分散補
償ファイバ44S,44Cによって補償されるため、3
つの波長帯すべての波長分散補償が確実に行われるよう
になる。
【0090】このように第4実施形態によれば、混成伝
送路において1580nm帯の波長分散および分散スロ
ープが略100%まで補償されるように各光ファイバの
波長分散特性を設定し、光増幅器内には1520nm帯
用分散補償ファイバ44Sおよび1550nm帯用分散
補償ファイバ44Cのみを設けるようにしたことで、1
520nm帯、1550nm帯および1580nm帯の
3つの波長帯についての波長分散補償を簡略な構成によ
り確実に行うことができ、WDM光伝送システムを構成
する光増幅器の低コスト化を図ることが可能となる。
【0091】次に、第5実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。第5実施形態では、上記第4実施
形態の場合と同様に3つの波長帯のWDM信号光が伝送
されるWDM光伝送システムについて、1550nm帯
を基準波長帯として混成伝送路の波長分散特性を設定し
た場合を考える。なお、WDM光伝送システム全体の構
成は、上述の図1に示した第1実施形態の場合と同様で
ある。
【0092】図19は、第5実施形態で用いられる混成
伝送路の波長分散特性を示す図である。図19に示すよ
うに、本実施形態の混成伝送路では、上述した第2実施
形態の場合と同様に、1550nmを基準として、1.
3μm零分散SMF3aで発生する波長分散および分散
スロープが約100%まで補償できるように、RDF3
bの波長分散特性が設定される。これにより、1550
nm帯では波長分散および分散スロープがほぼ100%
補償されるのに対して、1520nm帯および1580
nm帯では、RDF3bによる波長分散補償が過剰とな
って負の波長分散が累積する。また、1520nm帯の
分散スロープについては、RDF3bによる補償が不足
するため正の分散スロープが累積し、1580nm帯の
分散スロープについては、RDF3bによる補償が過剰
となるため負の分散スロープが累積する。
【0093】図20は、本実施形態に適用される各光増
幅器4の具体的な構成例を示すブロック図である。図2
0に示すように、本実施形態で用いる光増幅器4の構成
が第4実施形態の場合と異なる部分は、1550nm帯
の伝搬経路に挿入されていた分散補償ファイバ44Cに
代えて、分散補償ファイバ44Lが1580nm帯の伝
搬経路に挿入された部分である。上記以外の部分の光増
幅器4の構成は、第4実施形態の場合と同様である。
【0094】分散補償ファイバ44Lは、ここでは、分
波器41の1580nm帯出力ポートと1580nm帯
用光増幅部42Lの入力ポートとの間に挿入される。ま
た、分散補償ファイバ44Lは、前段の混成伝送路で生
じる1580nm帯に対する補償誤差に対応した、正の
波長分散および正の分散スロープをそれぞれ有し、具体
的には、混成伝送路の前半に用いられる1.3μm零分
散SMF3aと同様の光ファイバをそれぞれ用いること
が可能である。
【0095】なお、ここでも各光増幅部42S,42L
の入力側に分散補償ファイバ44S,44Lをそれぞれ
設けるようにしたが、本発明はこれに限られるものでは
ない。例えば、図21に示すように、各光増幅部42
S,42Lの出力側に分散補償ファイバ44S,44L
をそれぞれ設けてもよい。また、例えば、図22若しく
は図23に示すように、一方の分散補償ファイバを光増
幅部の入力側に設け、他方の分散補償ファイバを光増幅
器の出力側に設けるようにしても構わない。
【0096】上記のような構成の第5実施形態では、各
混成伝送路において、1550nm帯のWDM信号光に
ついては、1.3μm零分散SMF3aで発生する波長
分散および分散スロープがRDF3bによって約100
%近くまで補償されるが、1520nm帯および158
0nm帯の各WDM信号光については、RDF3bによ
る補償が過剰となって負の波長分散おが残留するように
なる。しかし、この残留した1520nm帯および15
80nm帯の波長分散は、光増幅器4内の1520nm
帯および1580nm帯の各伝搬経路に挿入された分散
補償ファイバ44S,44Lによって補償されるため、
3つの波長帯すべての波長分散補償が確実に行われる。
また、1580nm帯については、分散補償ファイバ4
4Lによって残留分散スロープの補償も行われるように
なる。
【0097】このように第5実施形態によれば、混成伝
送路において1550nm帯の波長分散および分散スロ
ープが略100%まで補償されるように各光ファイバの
波長分散特性を設定し、光増幅器内には1520nm帯
用分散補償ファイバ44Sおよび1580nm帯用分散
補償ファイバ44Lのみを設けるようにしても、第4実
施形態の場合と同様の効果を得ることができるととも
に、1580nm帯については分散スロープの補償も確
実に行うことが可能となる。
【0098】次に、第6実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。第6実施形態では、上述した第4
実施形態の場合と同様に3つの波長帯のWDM信号光が
伝送されるWDM光伝送システムについて、1520n
m帯を基準波長帯として混成伝送路の波長分散特性を設
定した場合を考える。なお、WDM光伝送システム全体
の構成は、上述の図1に示した第1実施形態の場合と同
様である。
【0099】図24は、第6実施形態で用いられる混成
伝送路の波長分散特性を示す図である。図24に示すよ
うに、本実施形態の混成伝送路では、1520nmを基
準として、1.3μm零分散SMF3aで発生する波長
分散および分散スロープが約100%まで補償できるよ
うに、RDF3bの波長分散特性が設定される。これに
より、1520nm帯では波長分散および分散スロープ
がほぼ100%補償されるのに対して、1550nm帯
では、RDF3bによる波長分散補償が過剰となって負
の波長分散が累積し、1580nm帯では、さらに波長
分散補償が過剰となって負の波長分散が累積する。ま
た、1550nm帯および1580nm帯の分散スロー
プについては、RDF3bによる補償が過剰となるため
負の分散スロープがそれぞれ累積する。
【0100】なお、混成伝送路の設定基準となる152
0nmでの1.3μm零分散SMF3aの波長分散特性
の代表的な値としては、例えば、波長分散が16.22
ps/nm/km、分散スロープが0.068ps/n
2/kmを挙げることができる。この場合、RDF3
bの波長分散特性は、1520nmにおいて波長分散が
−16.22ps/nm/km、分散スロープが−0.
068ps/nm2/kmに極力近づくように設定され
る。
【0101】図25は、本実施形態に適用される各光増
幅器4の具体的な構成例を示すブロック図である。図2
5に示すように、本実施形態で用いる光増幅器4の構成
が第4実施形態の場合と異なる部分は、1520nm帯
の伝搬経路に挿入されていた分散補償ファイバ44Sに
代えて、分散補償ファイバ44Lが1580nm帯の伝
搬経路に挿入された部分である。上記以外の部分の光増
幅器4の構成は、第4実施形態の場合と同様である。
【0102】1550nm帯用分散補償ファイバ44C
および1550nm帯用分散補償ファイバ44Lは、前
段の混成伝送路で生じる、1550nm帯および158
0nm帯に対する各々の補償誤差に対応した、正の波長
分散および正の分散スロープをそれぞれ有し、具体的に
は、混成伝送路の前半に用いられる1.3μm零分散S
MF3aと同様の光ファイバをそれぞれ用いることが可
能である。
【0103】なお、ここでも各光増幅部42C,42L
の入力側に分散補償ファイバ44C,44Lをそれぞれ
設けるようにしたが、本発明はこれに限られるものでは
ない。例えば、図26に示すように、各光増幅部42
C,42Lの出力側に分散補償ファイバ44C,44L
をそれぞれ設けてもよい。また、例えば、図27若しく
は図28に示すように、一方の分散補償ファイバを光増
幅部の入力側に設け、他方の分散補償ファイバを光増幅
器の出力側に設けるようにしても構わない。
【0104】上記のような構成の第6実施形態では、各
混成伝送路において、1520nm帯のWDM信号光に
ついては、1.3μm零分散SMF3aで発生する波長
分散および分散スロープがRDF3bによって約100
%近くまで補償されるが、1550nm帯および158
0nm帯の各WDM信号光については、RDF3bによ
る補償が過剰となって、負の波長分散および負の分散ス
ロープが残留するようになる。しかし、この残留した1
550nm帯および1580nm帯の波長分散と分散ス
ロープは、光増幅器4内の1550nm帯および158
0nm帯の各伝搬経路に挿入された分散補償ファイバ4
4C,44Lによって補償されるため、3つの波長帯す
べての波長分散補償および分散スロープ補償が確実に行
われるようになる。
【0105】このように第6実施形態によれば、混成伝
送路において1520nm帯の波長分散および分散スロ
ープが略100%まで補償されるように各光ファイバの
波長分散特性を設定し、光増幅器内には1550nm帯
用分散補償ファイバ44Cおよび1580nm帯用分散
補償ファイバ44Lを設けるようにしたことで、3つの
波長帯それぞれにおける波長分散および分散スロープの
補償を簡略な構成により確実に行うことができる。した
がって、分散補償がより正確なWDM光伝送システムを
低コストで実現することが可能となる。
【0106】次に、第7実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。第7実施形態では、1520nm
帯、1550nm帯および1580nm帯の3つの波長
帯のWDM信号光が伝送されるWDM光伝送システムに
おいて、1520nm帯(最短波長帯)および1580
nm帯(最長波長帯)の各中心波長についての波長分散
が混成伝送路でともに約100%までそれぞれ補償され
るように、RDF3bの波長分散特性を設定するように
した場合を説明する。
【0107】図29は、第7実施形態で用いられる混成
伝送路の波長分散特性を示す図である。図29に示すよ
うに、本実施形態で用いられる混成伝送路では、1.3
μm零分散SMF3aの波長分散が1520nmおよび
1580nmでそれぞれ約100%まで補償されるよう
に、RDF3bの波長分散特性が設定される。このと
き、1550nm帯(中間波長帯)については、RDF
3bによる補償が不足するため、その誤差として正の波
長分散が発生する。また、分散スロープについては、1
550nm帯付近において約100%の補償が実現され
るようになるが、1520nm帯および1580nm帯
においては、若干の補償誤差が生じる。しかし、この分
散スロープの補償誤差は、各々の波長帯の帯域幅(約3
0nm程度)を考慮すると伝送特性には影響を与えない
程度の誤差と考えられる。
【0108】図30は、本実施形態に適用される各光増
幅器4の具体的な構成例を示すブロック図である。図3
0において、本実施形態で用いる光増幅器4の構成が第
4実施形態の場合と異なる部分は、1520nm帯およ
び1550nm帯の伝搬経路に挿入されていた分散補償
ファイバ44S,44Cに代えて、1つの分散補償ファ
イバ44C’のみが1550nm帯の伝搬経路に挿入さ
れる部分である。上記以外の部分の光増幅器4の構成
は、第4実施形態の場合と同様である。したがって、こ
こでは光増幅器4が分散補償手段としての機能を有する
ことになる。
【0109】分散補償ファイバ44C’は、ここでは、
分波器41の1550nm帯出力ポートと1550nm
帯用光増幅部42Cの入力ポートとの間に挿入される。
この分散補償ファイバ44C’は、前段の混成伝送路で
生じる1550nm帯の正の波長分散に対応した負の波
長分散を有し、具体的には、混成伝送路の後半に用いら
れるRDF3bと同様の光ファイバを用いることが可能
である。
【0110】なお、ここでは1550nm帯用光増幅部
42Cの入力側に分散補償ファイバ44C’を設けるよ
うにしたが、図31に示すように、1550nm帯用光
増幅部42Cの出力ポートと合波器41の1550nm
帯入力ポートとの間に分散補償ファイバ44C’を挿入
しても構わない。
【0111】上記のような構成のWDM光伝送システム
では、各中継区間の混成伝送路において、1520nm
帯および1580nm帯については、1.3m零分散S
MF3aで発生するの波長分散がRDF3bによって伝
送特性に影響を与えないレベルまでそれぞれ補償される
が、1550nm帯については、RDF3bによる補償
が不足して、正の波長分散が残留するようになる。しか
し、この残留した1550nm帯の波長分散は、光増幅
器4内の1550nm帯の伝搬経路に挿入された分散補
償ファイバ44C’によって補償されるため、3つの波
長帯すべての波長分散補償が確実に行われるようにな
る。
【0112】このように第7実施形態によれば、3つの
波長帯のWDM信号光の伝送を行う場合に、両端の波長
帯における波長分散がともに約100%までそれぞれ補
償されるように混成伝送路の波長分散特性を設定するこ
とによって、各光増幅器には中間の波長帯に対応した分
散補償ファイバを設けるだけでも、3つの波長帯の波長
分散および分散スロープの補償を確実に行うことができ
る。これにより、WDM光伝送システムを構成する光増
幅器の一層の簡略化および低コスト化を図ることが可能
となる。
【0113】なお、上記第7の実施形態では、両端波長
帯での分散スロープの補償誤差が伝送特性には影響を与
えない程度のものとして扱ったが、この補償誤差が問題
となるようなシステムの場合には、それを補償する手段
を別途もけるようにしても構わない。
【0114】また、上述した第1〜7実施形態では、伝
送されるWDM信号光が2つの波長帯または3つの波長
帯を含む場合について説明した。しかし、本発明は上記
の場合に限らず、WDM信号光が4つ以上の波長帯を含
む場合についても、上述の各実施形態と同様にして応用
することが可能である。
【0115】次に、第8実施形態のWDM光伝送システ
ムについて説明する。図32は、第8実施形態における
WDM光伝送システムの全体構成を示すブロック図であ
る。
【0116】図32において、本WDM光伝送システム
では、例えば、n個の波長帯を用いたWDM信号光が伝
送される場合に、k番目の波長帯を基準として各中継区
間に用いられる混成伝送路の波長分散特性が設定され、
各混成伝送路で発生する補償誤差が光伝送路3の途中に
挿入した分散補償器5で補償される。
【0117】具体的には、例えば上述の図6に示したシ
ステム構成に対して本実施形態のシステム構成が異なる
部分を挙げると、分散補償ファイバが設けられた各光増
幅器4に代えて、いずれの波長帯の伝搬経路にも分散補
償ファイバが設けられていない光増幅器4”が各中継区
間ごとに配置され、かつ、混成伝送路で発生する波長分
散および分散スロープを補償する分散補償器5が、所要
の間隔を隔てて光伝送路3の途中に設けられた部分であ
る。上記以外の部分のシステム構成は、図6に示したシ
ステム構成と同様である。
【0118】各混成伝送路は、k番目の波長帯を基準波
長帯として、1.3μm零分散SMF3aで発生する波
長分散および分散スロープが約100%まで補償できる
ようにRDF3bの波長分散特性が設定される。このた
め、k番目の波長帯を除く他の波長帯については、RD
F3bによる波長分散補償が過剰となり負の波長分散が
累積する。また、分散スロープについては、k番目の波
長帯よりも短波長側の波長帯では、RDF3bによる補
償が不足して正の分散スロープが累積し、長波長側の波
長帯では、RDF3bによる補償が過剰となって負の分
散スロープが累積することになる。
【0119】各光増幅器4”は、例えば、図示しないが
n個の波長帯にそれぞれ対応した光増幅部を有し、入力
されたWDM信号光を各波長帯ごとに分波して、所要の
レベルまで増幅した後に再び合波して出力するものであ
る。
【0120】各分散補償器5は、光伝送路3から入力さ
れるWDM信号光をn個の波長帯にそれぞれ分波して出
力する分波器51と、分波された各波長帯のWDM信号
光を合波して光伝送路3に出力する合波器52と、分波
器51および合波器52の間の各波長帯に対応したn個
の伝搬経路のうち、k番目の波長帯に対応した伝搬経路
を除いた各伝搬経路にそれぞれ挿入される(n−1)個
の分散補償ファイバ53と、から構成される。
【0121】この分散補償器5は、例えば上述した分散
補償ファイバ3c(混成伝送路で発生する各波長帯に共
通な累積波長分散を補償するための光ファイバ)の挿入
間隔と同様に、10中継区間ごとに光伝送路3に挿入さ
れるものとする。具体的に、ここでは第9中継区間の
1.3m零分散SMF3aとRDF3bの間に挿入され
るものとする。なお、分散補償器5の挿入間隔は、上記
の場合に限定されるものではなく、適宜に設定すること
が可能である。
【0122】k番目の波長帯を除く各波長帯に対応した
分散補償ファイバ53は、該当する10中継区間内の9
つの混成伝送路で累積する補償誤差(各波長帯に対する
負の波長分散および負の分散スロープ)にそれぞれ対応
した、正の波長分散および正の分散スロープを有する。
【0123】上記のような構成の第8実施形態では、1
0中継区間内の9つの混成伝送路において、k番目の波
長帯のWDM信号光については、1.3μm零分散SM
F3aで発生する波長分散および分散スロープがRDF
3bによって約100%近くまで補償されるが、他の波
長帯のWDM信号光については、RDF3bによる補償
が過剰となって、負の波長分散が残留し累積するように
なる。しかし、この各混成伝送路で累積した補償誤差
は、分散補償器5内の各々の波長帯に対応した分散補償
ファイバ53によってそれぞれ補償されるため、n個の
波長帯すべてについての波長分散補償が確実に行われ
る。また、k番目の波長帯よりも長波長側の波長帯につ
いては、対応する分散補償ファイバ53によって分散ス
ロープも補償されるようになる。
【0124】このように第8実施形態によれば、k番目
の波長帯を基準として各混成伝送路の波長分散特性を設
定し、光伝送路3の途中に挿入した分散補償器5により
各混成伝送路で発生する補償誤差を補償するようにして
も、n個の波長帯についての波長分散の補償(基準波長
帯よりも長波長側については分散スロープの補償も可
能)を簡略な構成により確実に行うことができる。
【0125】また、混成伝送路における補償誤差を光増
幅器内ではなく分散補償器5により補償するようにした
ことは、例えば、システム設計時と実際の敷設時との間
で波長分散値に誤差が生じたような場合などに対して、
敷設の際に、分散補償器5における分散補償量を各波長
帯ごとに調整することが容易であるという利点を有す
る。
【0126】なお、上記第8実施形態では、いずれの波
長帯の伝搬経路にも分散補償ファイバが設けられていな
い光増幅器4”を用いる場合を示したが、例えば上述し
た第4〜6実施形態等のいずれかと第8実施形態とを組
み合わせた構成、すなわち、混成伝送路で発生する補償
誤差を各光増幅器4と分散補償器5の両方で補償する構
成としてもよい。この場合のシステム構成の一例を図3
3に示しておく。上記のような構成とすることにより、
例えば、各光増幅器4内で各波長帯ごとに個別に波長分
散を補償してもなお残留する波長分散を、分散補償器5
によって補償することが可能であり、波長分散補償の精
度をより一層高めることができる。
【0127】また、上述した第1〜8実施形態では、混
成伝送路で生じる波長分散および分散スロープを光増幅
器内などで補償する手段として、1.3m零分散SMF
等の分散補償ファイバを用いる場合を説明したが、本発
明はこれに限られるものではない。分散補償ファイバ以
外を用いる場合としては、例えば、ファイバグレーティ
ングを利用した分散補償器や、導波路型の分散補償器な
どが知られている。
【0128】具体的に、ファイバグレーティングを用い
た分散補償器としては、Richard I.Lamingらの論文「FI
BER BRAGG GRATINGS FOR DISPERSION COMPENSATION, OE
CC'97, 9D1-1, 1997」や、須藤らの論文「分散補償用フ
ァイバBraggグレーティング,電子情報通信学会エレク
トロニクスソサイエティ大会,C-3-47,1998」などで提
案された技術を適用することが可能である。また、ファ
イバグレーティングを用いた分散スロープ補償器として
は、小向らの論文「非線形チャープファイバグレーティ
ングを用いた工事分散の補償,電子情報通信学会総合大
会,C-3-39, 1998」などに示された、2種類の非線形チ
ャープファイバグレーティングを用いて高次分散補償器
を構成する技術を適用することができる。
【0129】導波路型の分散補償器としては、上塚らの
論文「導波路型分散補償器,電子情報通信学会エレクト
ロニクスソサイエティ大会,C-3-83, 1998」などに示さ
れた、屈折率の大きく異なるハイブリッドのコアを用
い、そのコア間の結合を利用した技術を適用することが
可能である。また、導波路型の分散スロープ補償器とし
ては、K.Takiguchiらの論文「Dispersion Slope Equali
zer for Dispersion Shifted Fiber Using a Lattice-F
orm Programmable Optical Filter on a PlanarLightwa
ve Circuit, Journal of Lightwave Tech., vol.16, n
o.9, Sept., 1998」などで提案された技術を適用するこ
とができる。
【0130】さらに、上述した各実施形態では、複数の
波長帯について、各々の波長帯を1つの単位として分散
補償を行うようにしたが、1つの波長帯を複数の波長幅
に区分して、各波長幅ごとに分散補償を行う応用も可能
である。具体的には、例えば、1550nm帯を154
5〜1550nmおよび1550〜1560nmの2つ
の波長幅に分けて取り扱っても構わない。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のWDM光
伝送システムによれば、光伝送路の第1伝送区間(混成
伝送路)について、複数の波長帯のうちのいずれか1つ
の基準波長帯に対する波長分散および分散スロープの補
償率が最大となるように、第1、2光ファイバの波長分
散特性を設定するとともに、基準波長帯を除いた各波長
帯について第1伝送区間で発生する波長分散を補償可能
な分散補償手段を設けたことによって、複数の波長帯に
ついての波長分散補償を簡略な構成により確実に行うこ
とができる。これにより、WDM光伝送システムのコス
トを低減させることが可能となる。
【0132】また、光伝送路の第1伝送区間について、
複数の波長帯のうちの最短波長帯および最長波長帯の各
中心波長に対して略100%となるように、第1、2光
ファイバの波長分散特性を設定することによって、複数
の波長帯についての十分な分散補償が実現され、良好な
伝送特性を得ることができる。これにより、WDM光伝
送システムの簡略化および低コスト化を図ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のシステム構成を示すブ
ロック図である。
【図2】同上第1実施形態について、1.3μm零分散
SMFおよびRDFの一般的な波長分散特性の一例を示
す図である。
【図3】同上第1実施形態で用いる混成伝送路の波長分
散特性を示す図である。
【図4】同上第1実施形態で用いる光増幅器の具体的な
構成例を示す図である。
【図5】図4の光増幅器に関連する他の具体的な構成例
を示す図である。
【図6】図1のシステム構成に関連する他の具体的なシ
ステム構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態で用いる混成伝送路の波
長分散特性を示す図である。
【図8】同上第2実施形態で用いる光増幅器の具体的な
構成例を示す図である。
【図9】図8の光増幅器に関連する他の具体的な構成例
を示す図である。
【図10】第1、2実施形態に関連して1580nm帯
での波長分散が最大に補償されるように設定したときの
混成伝送路の波長分散特性を示す図である。
【図11】第1、2実施形態に関連して1550nm帯
での波長分散が最大に補償されるように設定したときの
混成伝送路の波長分散特性を示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態で用いる混成伝送路の
波長分散特性を示す図である。
【図13】同上第3実施形態のシステム構成を示すブロ
ック図である。
【図14】本発明の第4実施形態で用いる混成伝送路の
波長分散特性を示す図である。
【図15】同上第4実施形態で用いる光増幅器の具体的
な構成例を示す図である。
【図16】図15の光増幅器に関連する他の具体的な構
成例を示す図である。
【図17】図15の光増幅器に関連する別の具体的な構
成例を示す図である。
【図18】図15の光増幅器に関連するさらに別の具体
的な構成例を示す図である。
【図19】本発明の第5実施形態で用いる混成伝送路の
波長分散特性を示す図である。
【図20】同上第5実施形態で用いる光増幅器の具体的
な構成例を示す図である。
【図21】図20の光増幅器に関連する他の具体的な構
成例を示す図である。
【図22】図20の光増幅器に関連する別の具体的な構
成例を示す図である。
【図23】図20の光増幅器に関連するさらに別の具体
的な構成例を示す図である。
【図24】本発明の第6実施形態で用いる混成伝送路の
波長分散特性を示す図である。
【図25】同上第6実施形態で用いる光増幅器の具体的
な構成例を示す図である。
【図26】図25の光増幅器に関連する他の具体的な構
成例を示す図である。
【図27】図25の光増幅器に関連する別の具体的な構
成例を示す図である。
【図28】図25の光増幅器に関連するさらに別の具体
的な構成例を示す図である。
【図29】本発明の第7実施形態で用いる混成伝送路の
波長分散特性を示す図である。
【図30】同上第7実施形態で用いる光増幅器の具体的
な構成例を示す図である。
【図31】図30の光増幅器に関連する他の具体的な構
成例を示す図である。
【図32】本発明の第8実施形態のシステム構成を示す
ブロック図である。
【図33】同上第8実施形態に関連する他のシステム構
成例を示すブロック図である。
【図34】従来のシステムについて、混成伝送路で発生
する波長分散を計算した結果を示す図である。
【符号の説明】
1…光送信局(OS) 2…光受信局(OR) 3…光伝送路 3a…1.3m零分散SMF 3b…RDF 3c…DCF 4,4’,4”…光増幅器 5…分散補償器 41,51…分波器 42S,42C,42L…光増幅部 43,52…合波器 44S,44C,44C’,44L,53…分散補償フ
ァイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F072 AB09 AK06 JJ08 JJ12 KK30 RR01 SS01 YY17 5K002 AA06 BA05 CA01 CA13 DA02 FA01

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の波長帯を含んだ波長多重信号光が伝
    送される波長多重光伝送システムにおいて、 前記各波長帯に対して正の波長分散および正の分散スロ
    ープを有する第1光ファイバと、前記各波長帯に対して
    負の波長分散および負の分散スロープを有する第2光フ
    ァイバとを互いに接続した第1伝送区間を備え、前記第
    1光ファイバで発生する波長分散および分散スロープに
    ついての前記第2光ファイバによる補償率が、前記複数
    の波長帯のうちのいずれか1つの基準波長帯に対して最
    大となるように、前記第1伝送区間の波長分散特性が設
    定される光伝送路と、 前記基準波長帯を除いた各波長帯ごとに、前記光伝送路
    の第1伝送区間で発生する波長分散を補償可能な分散補
    償手段と、 を備えて構成されたことを特徴とする波長多重光伝送シ
    ステム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記分散補償手段が、前記光伝送路から送られる波長多
    重信号光を前記各波長帯ごとに分波する分波部と、該分
    波部で分波された波長多重信号光を合波して前記光伝送
    路に出力する合波部と、前記分波部および前記合波部の
    間に位置する前記基準波長帯を除いた各波長帯の伝搬経
    路上にそれぞれ挿入され、該当する波長帯に対して前記
    第1伝送区間で発生する波長分散を補償可能な分散補償
    部と、を備えたことを特徴とする波長多重光伝送システ
    ム。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記光伝送路を伝搬する波長多重信号光を前記各波長帯
    ごとに増幅する光増幅器を備えて構成され、前記分散補
    償手段が、前記光増幅器の内部に設けられることを特徴
    とする波長多重光伝送システム。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記光伝送路は、前記第1光ファイバで発生する波長分
    散および分散スロープについての前記第2光ファイバに
    よる補償率が、前記基準波長帯に対して略100%とな
    るように、前記第1伝送区間の波長分散特性が設定され
    ることを特徴とする波長多重光伝送システム。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記光伝送路は、前記第1光ファイバで発生する波長分
    散が前記第2光ファイバによって過剰に補償されて前記
    複数の波長帯に対して負の波長分散が残留するように、
    前記第1伝送区間の波長分散特性が設定されるととも
    に、前記各波長帯に対して正の波長分散を有する第3光
    ファイバを用いた第2伝送区間が備えられ、前記第1伝
    送区間で残留した負の波長分散が前記第2伝送区間によ
    って補償される構成としたことを特徴とする波長多重光
    伝送システム。
  6. 【請求項6】複数の波長帯を含んだ波長多重信号光が伝
    送される波長多重光伝送システムにおいて、 前記各波長帯に対して正の波長分散および正の分散スロ
    ープを有する第1光ファイバと、前記各波長帯に対して
    負の波長分散および負の分散スロープを有する第2光フ
    ァイバとを互いに接続した第1伝送区間を備え、前記第
    1光ファイバで発生する波長分散についての前記第2光
    ファイバによる補償率が、前記複数の波長帯のうちの最
    短波長帯および最長波長帯の各中心波長に対して略10
    0%となるように、前記第1伝送区間の波長分散特性が
    設定される光伝送路を備えて構成されたことを特徴とす
    る波長多重光伝送システム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記最短波長帯および最長波長の間に位置する中間波長
    帯に対して、前記光伝送路の第1伝送区間で発生する波
    長分散を補償する分散補償手段を備えて構成されたこと
    を特徴とする波長多重光伝送システム。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記分散補償手段が、前記光伝送路から送られる波長多
    重信号光を前記各波長帯ごとに分波する分波部と、該分
    波部で分波された波長多重信号光を合波して前記光伝送
    路に出力する合波部と、前記分波部および前記合波部の
    間に位置する前記中間波長帯の伝搬経路上に挿入され、
    前記第1伝送区間で発生する波長分散を補償する分散補
    償部と、を備えたことを特徴とする波長多重光伝送シス
    テム。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の波長多重光伝送システム
    において、 前記光伝送路を伝搬する波長多重信号光を前記各波長帯
    ごとに増幅する光増幅器を備えて構成され、前記分散補
    償手段が、前記光増幅器の内部に設けられることを特徴
    とする波長多重光伝送システム。
  10. 【請求項10】複数の波長帯を含んだ波長多重信号光が
    伝送される波長多重光伝送システムにおいて、 前記各波長帯に対して正の波長分散および正の分散スロ
    ープを有する第1光ファイバと、前記各波長帯に対して
    負の波長分散および負の分散スロープを有する第2光フ
    ァイバとを互いに接続した第1伝送区間を備え、前記第
    1光ファイバで発生する波長分散についての前記第2光
    ファイバによる補償率が、前記複数の波長帯のうちのい
    ずれか1つの基準波長帯に対して最大となるように、前
    記第1伝送区間の波長分散特性が設定される光伝送路
    と、 前記基準波長帯を除いた各波長帯ごとに、前記光伝送路
    の第1伝送区間で発生する波長分散を補償可能な分散補
    償手段と、 を備えて構成されたことを特徴とする波長多重光伝送シ
    ステム。
  11. 【請求項11】請求項1、6または10に記載の波長多
    重光伝送システムにおいて、 前記複数の波長帯は、1520nm帯、1550nm帯
    および1580nm帯のうちの少なくとも2つの波長帯
    を含むことを特徴とする波長多重光伝送システム。
  12. 【請求項12】請求項1、6または10に記載の波長多
    重光伝送システムにおいて、 前記光伝送路は、前記第1伝送区間内における第2光フ
    ァイバの長さの比率が20%以上、40%以下であるこ
    とを特徴とする波長多重光伝送システム。
  13. 【請求項13】波長多重信号光を増幅する光増幅器にお
    いて、 光伝送路からの波長多重信号光を各波長に対応して分離
    する分波部と、 該分波部で分離された各波長の光をそれぞれ増幅する光
    増幅部と、 前記分波部で分離された各波長の光の波長分散値に対応
    して分散補償を行う分散補償部と、 前記光増幅部および前記分散補償部でそれぞれ処理され
    た各波長の光を波長多重する合波部と、 を備えて構成されたことを特徴とする光増幅器。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の光増幅器において、 前記分波部は、光伝送路からの波長多重信号光を、前記
    光増幅部の増幅帯域に対応した波長幅で分離することを
    特徴とする光増幅器。
  15. 【請求項15】波長多重信号光を伝送する光伝送路内に
    設けた分散補償器において、 前記光伝送路からの波長多重信号光を各波長に対応して
    分離する分波部と、 該分波部で分離された各波長の光の波長分散値に対応し
    て分散補償を行う分散補償部と、 を備えて構成されたことを特徴とする分散補償器。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の分散補償器におい
    て、 前記分散補償部は、前記光伝送路からの波長多重信号光
    を、所定の波長帯域で分離することを特徴とする分散補
    償器。
  17. 【請求項17】通信を行う複数の波長に対して正の波長
    分散および正の分散スロープを有する第1光ファイバ
    と、前記複数の波長に対して負の波長分散および負の分
    散スロープを有する第2光ファイバとにより構成し、前
    記第1光ファイバで発生する波長分散および分散スロー
    プについての前記第2光ファイバによる補償率が前記複
    数の波長のうちのいずれか1つの基準波長に対して最大
    となるように、前記第1、2光ファイバの各波長分散特
    性が設定され、前記複数の波長を含んだ波長多重信号光
    が伝送される光伝送路と、 前記各波長について所定の波長幅ごとに、前記光伝送路
    で発生する波長分散を補償可能な分散補償手段と、 を備えて構成されたことを特徴とする波長多重光伝送シ
    ステム。
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