JP2000297750A - 振動式圧縮機 - Google Patents

振動式圧縮機

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JP2000297750A
JP2000297750A JP11107929A JP10792999A JP2000297750A JP 2000297750 A JP2000297750 A JP 2000297750A JP 11107929 A JP11107929 A JP 11107929A JP 10792999 A JP10792999 A JP 10792999A JP 2000297750 A JP2000297750 A JP 2000297750A
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Japan
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piston
cylinder
sliding
fixed
mover
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JP11107929A
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English (en)
Inventor
Akira Hayashi
陽 林
Ichiro Morita
一郎 森田
Masanori Kobayashi
正則 小林
Ko Inagaki
耕 稲垣
Makoto Katayama
誠 片山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動式圧縮機に関し、ピストンとシリンダの
摺動部において発生する局所的な摺動やこじりを防止
し、圧縮機の効率や信頼性の向上を図る。 【解決手段】 可動要素13の一部を形成すると共にシ
リンダ4内を往復摺動する球面ピストン14について、
少なくとも摺動面に球面を有する構成としたことによ
り、球面ピストン14とシリンダ4の摺動部における局
所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大に
よる圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性
の低下を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍サイクル等に使
用する振動式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の振動式圧縮機としては、特開平0
4−347460号公報に示されているものがある。以
下、図面を参照しながら上記従来の振動式圧縮機を説明
する。
【0003】従来の構成を図7、図8に示す。図7は従
来の振動式圧縮機の縦断面図であり、図8は図7のA−
A線要部断面図である。図7、図8において、1は密閉
容器、2は本体である。本体2は、モーター3、シリン
ダ4、ピストン5、ブロック6、シリンダヘッド7、弾
性要素8などから構成されており、サスペンションスプ
リング(図示せず)により、密閉容器1内に弾性支持さ
れている。モーター3は、純鉄で形成された固定子3a
とコイルで形成された可動子3bとから構成されてお
り、固定子3aには永久磁石3cが固定されている。ま
た、可動子3bは可動子連結部材9を介してピストン5
に連結固定されている。ピストン5は、シリンダ4と弾
性要素8により軸方向に摺動可能なように支持されてい
る。
【0004】弾性要素8は、複数の弾性体8aを積み重
ねて構成されており、弾性要素8の内周部8bがピスト
ン5に固定され、外周部8cがブロック6に固定されて
いる。また、弾性体8aは複数の螺旋状のスリット8d
を有しており、そのため弾性体、例えばバネとして機能
する。10はピストン5、モーター3の可動子3b、可
動子連結部材9などから構成される可動要素であり、1
1はシリンダ4、モーター3の固定子3a、ブロック6
などから構成される固定要素である。12は圧縮室であ
り、シリンダ4、ピストン5により形成されている。
【0005】次に、振動式圧縮機の機構について説明す
る。交流電源によりモーター3の可動子3b(コイル)
に通電すると、この通電により永久磁石3cにより発生
する磁界との作用により、可動子3b(コイル)に軸方
向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子
連結部材9を介して可動子3bと連結されたピストン5
は、弾性要素8を変形させるとともに、その弾性要素8
の反発力を利用しながら効率よく軸方向に往復運動を繰
り返す。
【0006】冷却システム(図示せず)からの冷媒ガス
は、吸入管(図示せず)を介してシリンダヘッド7の低
圧室7aに導かれ、シリンダ4内の圧縮室12に至る。
圧縮室12に至った冷媒ガスは、上述したピストン5の
往復運動により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、シ
リンダヘッド7内に配設されている吐出弁(図示せず)
を介して一旦シリンダヘッド7内の高圧室7bに吐出さ
れた後、吐出管(図示せず)を介して冷却システムに吐
出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のような構成では、シリンダ4、ピストン5、弾性要素
8の軸心がずれて加工、組み立てされた時には、ピスト
ン5とシリンダ4の摺動部において、局所的な摺動やこ
じりが発生し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下
や、摺動部の摩耗といった信頼性低下の可能性があると
いう欠点があった。
【0008】更に、上記の可能性を回避するために、部
品の加工精度や組立精度を向上させると、部品や圧縮機
のコストが高くなる可能性があるという欠点があった。
【0009】本発明は従来の課題を解決するもので、シ
リンダ、ピストン、弾性要素の軸心がずれて加工、組み
立てされても、ピストンとシリンダの摺動部における局
所的な摺動やこじりの発生を防止することで、効率と信
頼性が高い振動式圧縮機を提供することを目的とする。
【0010】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップの防止を目的とする。
【0011】また、上記従来の構成は、シリンダ4、ピ
ストン5、弾性要素8の軸心がずれて加工、組み立てさ
れた時には、ピストン5とシリンダ4の摺動部におい
て、局所的な摺動やこじりが発生し、摺動損失の増大に
よる圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性
低下の可能性と共に、ピストン5とシリンダ4間のクリ
アランスの不均一によりシール距離が減少し、漏れ損失
の増加に伴い体積効率が低下する可能性があるという欠
点があった。
【0012】更に、上記の可能性を回避するために、部
品の加工精度や組立精度を向上させると、部品や圧縮機
のコストが高くなる可能性があるという欠点があった。
【0013】本発明の他の目的は、シリンダ、ピスト
ン、弾性要素の軸心がずれて加工、組み立てされても、
ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこ
じりの発生や、シール距離の減少を防止することで、効
率および体積効率が高く、更に信頼性も高い振動式圧縮
機を提供することを目的とする。
【0014】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップの防止を目的とする。
【0015】本発明の他の目的は、シリンダ、ピスト
ン、弾性要素の軸心がずれて加工、組み立てされても、
ピストンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこ
じりの発生や、クリアランスの不均一による漏れ損失の
増加を防止することで、効率および体積効率が高く、更
に信頼性も高い振動式圧縮機を提供することを目的とす
る。
【0016】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップの防止を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、固定子と可動子とから構成されたモーター
と、シリンダと、前記固定子や前記シリンダなどにより
構成された固定要素と、前記可動子などにより構成され
た可動要素と、一部が前記固定要素により保持され一部
が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、前
記可動要素の一部を形成すると共に前記シリンダ内を往
復摺動し少なくとも摺動面に球面を有する球面ピストン
とから構成したのである。
【0018】これにより、シリンダ、ピストン、弾性要
素の軸心がずれて加工、組み立てされても、ピストンと
シリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生
を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、
摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止できる。
【0019】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止できる。
【0020】また、本発明は、固定子と可動子とから構
成されたモーターと、シリンダと、前記シリンダ内を往
復摺動する複数個のピストンと、前記ピストン間を少な
くとも一自由度で変位可能に連結する連結手段と、前記
固定子や前記シリンダなどにより構成された固定要素
と、前記可動子や前記ピストンなどにより構成された可
動要素と、一部が前記固定要素により保持され一部が前
記可動要素に固定または連結された弾性要素とから構成
したのである。
【0021】これにより、シリンダ、ピストン、弾性要
素の軸心がずれて加工、組み立てされても、ピストンと
シリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生
を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、
摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止できると共に、
ピストンとシリンダ間のシール距離の減少を防ぎ、漏れ
損失の増加に伴う体積効率の低下を防止することができ
る。
【0022】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止できる。
【0023】また、本発明は、固定子と可動子とから構
成されたモーターと、シリンダと、前記シリンダ内を往
復摺動するピストンと、前記ピストンの表面に設けら
れ、前記ピストンの往復方向に対して非対称でかつ円周
方向に向かって断面積が減少する複数の凹部と、前記固
定子や前記シリンダなどにより構成された固定要素と、
前記可動子や前記ピストンなどにより構成された可動要
素と、一部が前記固定要素により保持され一部が前記可
動要素に固定または連結された弾性要素とからなり、前
記ピストンを前記弾性要素に対して回転自在としたので
ある。
【0024】これにより、シリンダ、ピストン、弾性要
素の軸心がずれて加工、組み立てされても、ピストンと
シリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生
を防止でき、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下
や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止できると共
に、ピストンとシリンダ間のクリアランスを均一に保つ
ことでシール距離の減少を防ぎ、漏れ損失の増加に伴う
体積効率の低下を防止することができる。
【0025】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、固定子と可動子とから構成されたモーターと、シリ
ンダと、前記固定子や前記シリンダなどにより構成され
た固定要素と、前記可動子などにより構成された可動要
素と、一部が前記固定要素により保持され一部が前記可
動要素に固定または連結された弾性要素と、前記可動要
素の一部を形成すると共に前記シリンダ内を往復摺動し
少なくとも摺動面に球面を有する球面ピストンとから構
成したものであり、シリンダ、ピストン、弾性要素の軸
心がずれて加工、組み立てされても、ピストンとシリン
ダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止
し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部
の摩耗といった信頼性低下を防止できるという作用を有
する。
【0027】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止できるという作用を有す
る。
【0028】請求項2記載の発明は、固定子と可動子と
から構成されたモーターと、シリンダと、前記シリンダ
内を往復摺動する複数個のピストンと、前記ピストン間
を少なくとも一自由度で変位可能に連結する連結手段
と、前記固定子や前記シリンダなどにより構成された固
定要素と、前記可動子や前記ピストンなどにより構成さ
れた可動要素と、一部が前記固定要素により保持され一
部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素とか
ら構成したものであり、シリンダ、ピストン、弾性要素
の軸心がずれて加工、組み立てされても、ピストンとシ
リンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を
防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺
動部の摩耗といった信頼性低下を防止すると共に、ピス
トンとシリンダ間のシール距離の減少による漏れ損失の
増加に伴う体積効率の低下を防止することができるとい
う作用を有する。
【0029】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止できるという作用を有す
る。
【0030】請求項3記載の発明は、固定子と可動子と
から構成されたモーターと、シリンダと、前記シリンダ
内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの表面に設
けられ、前記ピストンの往復方向に対して非対称でかつ
円周方向に向かって断面積が減少する複数の凹部と、前
記固定子や前記シリンダなどにより構成された固定要素
と、前記可動子や前記ピストンなどにより構成された可
動要素と、一部が前記固定要素により保持され一部が前
記可動要素に固定または連結された弾性要素とからな
り、前記ピストンを前記弾性要素に対して回転自在とし
たものであり、シリンダ、ピストン、弾性要素の軸心が
ずれて加工、組み立てされても、ピストンとシリンダの
摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止で
き、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部
の摩耗といった信頼性低下を防止できると共に、ピスト
ンとシリンダ間のクリアランスを均一に保つことでシー
ル距離の減少を防ぎ、漏れ損失の増加に伴う体積効率の
低下を防止することができるという作用を有する。
【0031】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止できるという作用を有す
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明による振動式圧縮機の実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。尚、従来と同一
構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0033】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よる振動式圧縮機の縦断面図である。
【0034】図1において、13はモーター3の可動子
3bなどにより構成された可動要素であり、14は可動
要素13の一部を形成すると共にシリンダ4内を往復摺
動し、少なくとも摺動面に球面を有する球面ピストンで
あり、15は球面ピストン14と共にシリンダ4内を往
復摺動する第二ピストンであり、16は球面ピストン1
4と第二ピストン15を連結する弾性体である。
【0035】以上のように構成された振動式圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。
【0036】モーター3により弾性要素8を変形させな
がらシリンダ4内を往復摺動する球面ピストン14は、
シリンダ4との摺動面に球面を有しているため、シリン
ダ4、球面ピストン14、弾性要素8の軸心がずれて加
工、組立されたり、何らかの力が作用して軸心がずれた
り傾いた場合においても、球面ピストン14とシリンダ
4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止
することができる。更に、第二ピストン15も弾性体1
6を介して球面ピストン14に連結されているので、シ
リンダ4との軸心が一致するように往復摺動でき、局所
的な摺動やこじりによる摺動損失の増加や摺動部の摩耗
を防止することができる。
【0037】従って、シリンダ4、球面ピストン14、
ピストン15、弾性要素8の軸心がずれて加工、組立さ
れたり、軸心がずれるように何らかの力が作用しても、
球面ピストン14および第二ピストン15とシリンダ4
の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止
し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部
の摩耗といった信頼性の低下を防止することができる。
【0038】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0039】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
固定子3aと可動子3bとから構成されたモーター3
と、シリンダ4と、固定子3aやシリンダ4などにより
構成された固定要素11と、可動子3bなどにより構成
された可動要素13と、一部が固定要素11により保持
され一部が可動要素13に固定または連結された弾性要
素8と、可動要素13の一部を形成すると共にシリンダ
4内を往復摺動し少なくとも摺動面に球面を有する球面
ピストン14とから構成されているので、シリンダ4、
球面ピストン14、弾性要素8の軸心がずれて加工、組
立されたり、軸心がずれるように何らかの力が作用して
も、球面ピストン14とシリンダ4の摺動部における局
所的な摺動やこじりの発生を防止し、摺動損失の増大に
よる圧縮機の効率低下や、摺動部の摩耗といった信頼性
の低下を防止することができる。
【0040】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0041】なお、本実施例において球面ピストン14
は第二ピストン15と弾性体16を介して連結した構成
としたが、ピストンとして球面ピストン14のみで構成
してもほぼ同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0042】また、本実施例では、弾性要素8を球面ピ
ストン14の軸方向に連結しているが、他の可動要素1
3に固定しても、また固定せず軸方向に連結した構成で
あっても同様に実施可能である。
【0043】また、本実施例では、モーター3は固定子
3aと可動子3bで構成されているが、往復運動を行う
モーター構成であれば同様に実施可能である。
【0044】なお、本実施例において弾性要素8をブロ
ック6に固定しているが、他の固定要素11に固定して
も、また固定せず軸方向に連結した構成であっても同様
に実施可能である。
【0045】(実施例2)図2は、本発明の実施例2に
よる振動式圧縮機の縦断面図である。図3、図4は同実
施例の振動式圧縮機の要部断面図であり、図3はピスト
ンを2個有する場合を示し、図4はピストンを3個有す
る場合を示す。
【0046】図2、図3、図4において、17はシリン
ダ4内を往復摺動する複数個のピストンであり、18は
複数個のピストン間を少なくとも一自由度で変位可能に
連結する連結手段としての継ぎ手である。
【0047】19はモーター3の可動子3bやピストン
17などにより構成された可動要素である。
【0048】以上のように構成された振動式圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。
【0049】モーター3により弾性要素8を変形させな
がらシリンダ4内を往復摺動する複数個のピストン17
は、ピストン17間を連結する継ぎ手18により少なく
とも一自由度で変位可能なため、シリンダ4、ピストン
17、弾性要素8の軸心がずれて加工、組立されたり、
何らかの力が作用して軸心がずれたり傾いた場合におい
ても、ピストン17とシリンダ4の摺動部における局所
的な摺動やこじりの発生を防止することができる。
【0050】また、シリンダ4内を往復摺動する複数個
のピストン17は、複数個の摺動部を有するので、シー
ル距離の減少による漏れ損失の増加を防止することがで
きる。
【0051】従って、シリンダ4、ピストン17、弾性
要素8の軸心がずれて加工、組立されたり、軸心がずれ
るように何らかの力が作用しても、ピストン17とシリ
ンダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を
防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺
動部の摩耗といった信頼性の低下を防止すると共に、ピ
ストン17とシリンダ4間のシール距離の減少による漏
れ損失の増加に伴う体積効率の低下を防止することがで
きるという作用を有する。
【0052】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0053】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
固定子3aと可動子3bとから構成されたモーター3
と、シリンダ4と、シリンダ4内を往復摺動する複数個
のピストン17と、ピストン17間を少なくとも一自由
度で変位可能に連結する連結手段18と、固定子3aや
シリンダ4などにより構成された固定要素11と、可動
子3bやピストン17などにより構成された可動要素1
9と、一部が固定要素11により保持され一部が可動要
素19に固定または連結された弾性要素8とから構成さ
れているので、シリンダ4、ピストン17、弾性要素8
の軸心がずれて加工、組み立てされても、ピストン17
とシリンダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの
発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下
や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止すると共
に、ピストン17とシリンダ4間のシール距離の減少に
よる漏れ損失の増加に伴う体積効率の低下を防止するこ
とができる。
【0054】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0055】なお、本実施例において弾性要素8をピス
トン17の軸方向に連結しているが、他の可動要素19
に固定しても、また固定せず軸方向に連結した構成であ
っても同様に実施可能である。
【0056】また、本実施例では、モーター3は固定子
3aと可動子3bで構成されているが、往復運動を行う
モーター構成であれば同様に実施可能である。
【0057】また、本実施例では、弾性要素8をブロッ
ク6に固定しているが、他の固定要素11に固定して
も、また固定せず軸方向に連結した構成であっても同様
に実施可能である。
【0058】(実施例3)図5は、本発明の実施例3に
よる振動式圧縮機のピストンの側面図である。図6は、
同実施例の要部拡大断面図である。
【0059】図5、図6において、20はシリンダ4内
を往復摺動するピストンであり、21は、ピストン20
の表面に設けられ、ピストン20の往復方向に対して非
対称でかつ円周方向に向かって断面積が減少する複数の
凹部であり、両端に圧力発生部21a、21bを有して
いる。
【0060】22はモーター3の可動子3bやピストン
20などにより構成された可動要素である。
【0061】以上のように構成された振動式圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。
【0062】モーター3により弾性要素8を変形させな
がらシリンダ4内をピストン20が圧縮室内の冷媒ガス
を圧縮させる方向に摺動する場合には、ピストン20と
シリンダ4の摺動面の潤滑油は、凹部21に流入する
と、くさび効果により圧力発生部21aの油圧が上昇す
る。ピストン20は弾性要素8に対して回転自在である
ため、くさび効果により発生した油圧によりピストン2
0は往復運動に伴いシリンダ4内を回転する。
【0063】また、シリンダ4内をピストン20が圧縮
室内の冷媒ガスを膨張させる方向に摺動する場合には、
ピストン20とシリンダ4の摺動面の潤滑油は、凹部2
1に流入すると、くさび効果により圧力発生部21bの
油圧が上昇する。ピストン20は弾性要素8に対して回
転自在であるため、くさび効果により発生した油圧によ
りピストン20は往復運動に伴いシリンダ4内を圧縮行
程時とは反対に回転する。
【0064】従って、ピストン20の往復運動に伴いピ
ストン20とシリンダ4の摺動面に常に油圧力が作用
し、ピストン20は回転運動により調心機能を有するこ
ととなり、クリアランスはδa=δbとなるように保持さ
れる。
【0065】従って、シリンダ4、ピストン17、弾性
要素8の軸心がずれて加工、組立されたり、軸心がずれ
るように何らかの力が作用した場合においても、ピスト
ン17とシリンダ4の摺動部における局所的な摺動やこ
じりの発生を防止することができると共に、ピストン2
0とシリンダ4間のクリアランスを均一に保つことでシ
ール距離の減少を防ぐことができる。
【0066】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0067】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
固定子3aと可動子3bとから構成されたモーター3
と、シリンダ4と、シリンダ4内を往復摺動するピスト
ン20と、ピストン20の表面に設けられ、ピストン2
0の往復方向に対して非対称でかつ円周方向に向かって
断面積が減少する複数の凹部21と、固定子3aやシリ
ンダ4などにより構成された固定要素11と、可動子3
bやピストン20などにより構成された可動要素22
と、一部が固定要素11により保持され一部が可動要素
22に固定または連結された弾性要素8とからなり、ピ
ストン20を弾性要素8に対して回転自在としたもので
あり、シリンダ4、ピストン20、弾性要素8の軸心が
ずれて加工、組み立てされても、ピストン20とシリン
ダ4の摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防
止でき、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺
動部の摩耗といった信頼性低下を防止できると共に、ピ
ストン20とシリンダ4間のクリアランスを均一に保つ
ことでシール距離の減少を防ぎ、漏れ損失の増加に伴う
体積効率の低下を防止することができるという作用を有
する。
【0068】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0069】なお、本実施例においては、断面積の変化
を凹部21の幅にて行ったが、凹部21の深さで行って
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0070】また、本実施例では、密閉容器内に潤滑油
がある場合で説明したが、潤滑油がない場合でも、くさ
び効果は冷媒ガスのガス圧により得られるので、ほぼ同
様の効果が得られることは言うまでもない。
【0071】なお、本実施例においては、弾性要素8を
ピストン20の軸方向に連結しているが、他の可動要素
22に固定しても、また固定せず軸方向に連結した構成
であっても同様に実施可能である。
【0072】また、本実施例では、モーター3は固定子
3aと可動子3bで構成されているが、往復運動を行う
モーター構成であれば同様に実施可能である。
【0073】また、本実施例では、弾性要素8をブロッ
ク6に固定しているが、他の固定要素11に固定して
も、また固定せず軸方向に連結した構成であっても同様
に実施可能である。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明は、固定子と可動子とから構成されたモーターと、シ
リンダと、前記固定子や前記シリンダなどにより構成さ
れた固定要素と、前記可動子などにより構成された可動
要素と、一部が前記固定要素により保持され一部が前記
可動要素に固定または連結された弾性要素と、前記可動
要素の一部を形成すると共に前記シリンダ内を往復摺動
し少なくとも摺動面に球面を有する球面ピストンとから
構成されているので、シリンダ、ピストン、弾性要素の
軸心がずれて加工、組立されたり、軸心がずれるように
何らかの力が作用しても、球面ピストンおよび第二ピス
トンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじり
の発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低
下や、摺動部の摩耗といった信頼性の低下を防止するこ
とができる。
【0075】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0076】また、請求項2に記載の発明は、固定子と
可動子とから構成されたモーターと、シリンダと、前記
シリンダ内を往復摺動する複数個のピストンと、前記ピ
ストン間を少なくとも一自由度で変位可能に連結する連
結手段と、前記固定子や前記シリンダなどにより構成さ
れた固定要素と、前記可動子や前記ピストンなどにより
構成された可動要素と、一部が前記固定要素により保持
され一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要
素とから構成されているので、シリンダ、ピストン、弾
性要素の軸心がずれて加工、組み立てされても、ピスト
ンとシリンダの摺動部における局所的な摺動やこじりの
発生を防止し、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下
や、摺動部の摩耗といった信頼性低下を防止すると共
に、ピストンとシリンダ間のシール距離の減少による漏
れ損失の増加に伴う体積効率の低下を防止することがで
きる。
【0077】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【0078】また、請求項3に記載の発明は、固定子と
可動子とから構成されたモーターと、シリンダと、前記
シリンダ内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの
表面に設けられ、前記ピストンの往復方向に対して非対
称でかつ円周方向に向かって断面積が減少する複数の凹
部と、前記固定子や前記シリンダなどにより構成された
固定要素と、前記可動子や前記ピストンなどにより構成
された可動要素と、一部が前記固定要素により保持され
一部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と
からなり、前記ピストンを前記弾性要素に対して回転自
在としたので、シリンダ、ピストン、弾性要素の軸心が
ずれて加工、組み立てされても、ピストンとシリンダの
摺動部における局所的な摺動やこじりの発生を防止で
き、摺動損失の増大による圧縮機の効率低下や、摺動部
の摩耗といった信頼性低下を防止できると共に、ピスト
ンとシリンダ間のクリアランスを均一に保つことでシー
ル距離の減少を防ぎ、漏れ損失の増加に伴う体積効率の
低下を防止することができるという作用を有する。
【0079】更に、部品の加工精度や組立精度の向上に
よる大幅なコストアップを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動式圧縮機の実施例1の縦断面
【図2】本発明による振動式圧縮機の実施例2の縦断面
【図3】本発明による振動式圧縮機の実施例2のピスト
ン付近の要部断面図
【図4】本発明による振動式圧縮機の実施例2のピスト
ン付近の要部断面図
【図5】本発明による振動式圧縮機の実施例3のピスト
ンの側面図
【図6】本発明による振動式圧縮機の実施例3のピスト
ン付近の要部拡大断面図
【図7】従来の振動式圧縮機の縦断面図
【図8】図7のA−A線要部断面図
【符号の説明】
3 モーター 3a 固定子 3b 可動子 4 シリンダ 8 弾性要素 11 固定要素 13 可動機構 14 球面ピストン 17 ピストン 18 連結手段 19 可動要素 20 ピストン 21 凹部 22 可動要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 正則 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 稲垣 耕 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 片山 誠 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 3H076 AA02 BB17 CC02 CC31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子と可動子とから構成されたモータ
    ーと、シリンダと、前記固定子や前記シリンダなどによ
    り構成された固定要素と、前記可動子などにより構成さ
    れた可動要素と、一部が前記固定要素により保持され一
    部が前記可動要素に固定または連結された弾性要素と、
    前記可動要素の一部を形成すると共に前記シリンダ内を
    往復摺動し少なくとも摺動面に球面を有する球面ピスト
    ンとからなる振動式圧縮機。
  2. 【請求項2】 固定子と可動子とから構成されたモータ
    ーと、シリンダと、前記シリンダ内を往復摺動する複数
    個のピストンと、前記ピストン間を少なくとも一自由度
    で変位可能に連結する連結手段と、前記固定子や前記シ
    リンダなどにより構成された固定要素と、前記可動子や
    前記ピストンなどにより構成された可動要素と、一部が
    前記固定要素により保持され一部が前記可動要素に固定
    または連結された弾性要素とからなる振動式圧縮機。
  3. 【請求項3】 固定子と可動子とから構成されたモータ
    ーと、シリンダと、前記シリンダ内を往復摺動するピス
    トンと、前記ピストンの表面に設けられ、前記ピストン
    の往復方向に対して非対称でかつ円周方向に向かって断
    面積が減少する複数の凹部と、前記固定子や前記シリン
    ダなどにより構成された固定要素と、前記可動子や前記
    ピストンなどにより構成された可動要素と、一部が前記
    固定要素により保持され一部が前記可動要素に固定また
    は連結された弾性要素とからなり、前記ピストンを前記
    弾性要素に対して回転自在とした振動式圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100486576B1 (ko) * 2002-09-07 2005-05-03 엘지전자 주식회사 왕복동식 압축기의 피스톤 지지구조
KR101766245B1 (ko) * 2010-07-09 2017-08-08 엘지전자 주식회사 왕복동식 압축기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100486576B1 (ko) * 2002-09-07 2005-05-03 엘지전자 주식회사 왕복동식 압축기의 피스톤 지지구조
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