JP2000297600A - コンクリートの吹き付け方法および吹き付け装置 - Google Patents

コンクリートの吹き付け方法および吹き付け装置

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JP2000297600A
JP2000297600A JP11108956A JP10895699A JP2000297600A JP 2000297600 A JP2000297600 A JP 2000297600A JP 11108956 A JP11108956 A JP 11108956A JP 10895699 A JP10895699 A JP 10895699A JP 2000297600 A JP2000297600 A JP 2000297600A
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concrete
compressed air
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quick
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JP11108956A
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English (en)
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Ichiro Nasu
一郎 那須
Takeshi Koide
剛 小出
Kenji Hatta
建次 八田
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地山に対し平滑に吹き付けることができると
共に、リバウンドによるコンクリートの落下量を低く抑
えることができるコンクリートの吹き付け方法・装置を
提供する。 【解決手段】 コンクリートをピストンポンプ1合流管
3まで輸送し、合流管3の枝管に圧縮空気を供給しコン
クリートを合流管6へ空気輸送するとともに、合流管6
の枝管に空気輸送される急結材を供給してコンクリート
と急結材を混合した後、吹き付けノズル9よりコンクリ
ートを吹き付ける方法において、合流管3の枝管に供給
する圧縮空気の圧力を3〜6kg/cm2 、合流管3と
合流管6に供給する圧縮空気の総量を大気圧換算値で8
〜15m3 /分に調整することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトンネル掘
削工事における地山の補強や掘削面の安定化のために行
われるコンクリートの吹き付け方法、およびこれに用い
る吹き付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートの吹き付け方法とし
て、ピストンポンプ等により送られるコンクリートを輸
送する輸送管内に、コンプレッサーから送られる圧縮空
気を供給しコンクリートを空気輸送するとともに、急結
材を供給してコンクリートと急結材を混合した後、吹き
付けノズルよりコンクリートを吹き付ける方法が一般的
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法においては、吹き付けに使用するエア量に対す
る考慮が充分なされておらず、通常、コンプレッサーに
より得られる最大限のエア量を使用して実施されてい
る。このように最大限のエア量を使用する方法は、輸送
管内でコンクリートを閉塞させずに吹き付けするために
は有効であるものの、使用する圧縮空気の量が過大にな
りがちで、コンクリートの輸送速度が速く、吹き付けノ
ズルより吹き出されたコンクリートが吹き付けにより地
山に衝突した際、リバウンドにより落下してしまうコン
クリート量が多くなり、吹き付け効率が著しく低下する
という問題がある。
【0004】また、近年、コンクリートに鋼繊維を添加
し、吹き付けたコンクリートの強度を鋼繊維の強度で増
すことにより、吹き付けコンクリートの全体量を減少さ
せる方法がとられている。この場合、鋼繊維コンクリー
トは輸送管内を空気輸送される間に鋼繊維とコンクリー
トあるいはコンクリート中のセメント、モルタル成分や
砂、砂利等の骨材成分がその比重差や粒径、形状の差の
影響により分離するため、急結材が材料全体に均一に作
用せず、この結果、地山に吹き付けられたコンクリート
のうち、特に、比重が重く形状差が大きい鋼繊維がリバ
ウンドにより多量に落下してしまい、元の鋼繊維コンク
リートの成分と吹き付け後の鋼繊維コンクリートの成分
が大きく異なってしまう問題がある。さらに、かかる鋼
繊維は価格が高いため、施工コストのロスも大きいとい
う問題がある。
【0005】本発明の主たる目的は、このような従来の
問題点に鑑み、吹き付けられたコンクリートのリバウン
ドによる落下量を減少すると共に、鋼繊維コンクリート
にあっては鋼繊維の落下量をも減少しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく成
された本発明のコンクリートの吹き付け方法は、図1を
参照して説明すると、コンクリートをピストンポンプ1
により輸送管2を介し合流管3まで輸送し、該合流管3
の枝管にコンプレッサー4から送られる圧縮空気を供給
し該コンクリートを輸送管5を介し合流管6へ空気輸送
するとともに、該合流管6の枝管に急結材供給設備7よ
り空気輸送される急結材を供給してコンクリートと急結
材を混合した後、輸送管8内を輸送し吹き付けノズル9
よりコンクリートを吹き付け面に吹き付ける方法におい
て、合流管3の枝管に供給される圧縮空気の圧力が3〜
6kg/cm2 の範囲内になるように調整することを特
徴としているものである。
【0007】また、本発明のコンクリートの吹き付け装
置は、コンクリートをピストンポンプ1により輸送管2
を介し合流管3まで輸送し、該合流管3の枝管にコンプ
レッサー4から送られる圧縮空気を供給し該コンクリー
トを輸送管5を介し合流管6へ空気輸送するとともに、
該合流管6の枝管に急結材供給設備7より空気輸送され
る急結材を供給してコンクリートと急結材を混合した
後、輸送管8内を輸送し吹き付けノズル9よりコンクリ
ートを吹き付け面に吹き付ける装置において、コンプレ
ッサー4と合流管3の枝管を接続する圧縮空気輸送管1
0の間に、圧縮空気の流量計11とその量を調整するた
めのバルブ12と、該バルブ12と合流管3の枝管の間
に圧力計13を設けたことを特徴としているものであ
る。そして、かかるバルブ12は、装置運転時に圧力計
13の指示圧が3〜6kg/cm2 の範囲内になるよう
に調整される。
【0008】本発明においては、合流管3と合流管6に
供給する圧縮空気の総量を、大気圧換算値で8〜15m
3 /分の範囲内になるように調整することが好ましく、
また、輸送管5として、内径が55〜105mm、長さ
が7m以下のものを用い、且つ輸送管8として、内径が
55〜105mm、長さが3m以下のものを用いること
が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳細
に説明する。
【0010】図1は、本発明に係るコンクリートの吹き
付け装置の一構成例を示したものである。
【0011】図1に示すように、吹き付け用のコンクリ
ート(もしくは鋼繊維コンクリート)は、市販のミキサ
ーにより練り混ぜられた後、ピストンポンプ1に供給さ
れ、ピストンポンプ1により輸送管2内を輸送され、合
流管3まで送られる。つまり、輸送管2内はコンクリー
トのみが送られる。
【0012】コンプレッサー4により圧縮された空気
は、圧縮空気輸送管10を介し合流管3へ送られコンク
リートと合流される。ここで、圧縮空気輸送管10には
その途中に、空気量を測定するための流量計11とその
増減を調整するためのバルブ12とさらに該バルブ12
と合流管3との間に圧縮空気の圧力を測定するための圧
力計13が設けられている。
【0013】合流管3において圧縮空気が供給されたコ
ンクリートは、圧縮空気の膨張とその流れにより輸送管
5内を速度を速め且つ分散しながら合流管6まで送られ
る。
【0014】また、急結材は、急結材供給装置7により
急結材輸送配管14を介し合流管6まで送られる。急結
材供給装置7にはコンプレッサー4から圧縮空気が供給
され、急結材はこの圧縮空気により空気輸送される。従
って、急結材輸送管14内には急結材と共に圧縮空気も
送られる。急結材供給装置7へ送られる圧縮空気の量
は、コンプレッサー4と急結材供給装置7を接続する圧
縮空気輸送管15の途中に設けられた流量計16により
測定され、バルブ17によりその量を調整される。
【0015】合流管6では、空気輸送されるコンクリー
トと、同じく空気輸送される急結材が合流され、コンク
リートに急結材が添加される。
【0016】急結材が添加されたコンクリートは、輸送
管8内を圧縮空気の膨張とその流れにより急結材と混合
されながら輸送され、吹き付けノズル9より排出され、
吹き付け面である地山等へ吹き付けられる。
【0017】本発明のコンクリートの吹き付け方法にお
いては、合流管3の枝管に供給される圧縮空気の圧力が
3〜6kg/cm2 、より好ましくは4〜5kg/cm
2 の範囲内になるように調整される。かかる圧縮空気の
圧力の調整は、図1の装置においては圧力計13の指示
圧が上記範囲内になるようにして行われる。
【0018】圧力計13は、圧縮空気輸送管10の途中
にあり、さらに圧縮空気量の増減を調整するためのバル
ブ12と合流管3の枝管との間に設置されているため、
圧力計13の指示値は合流管3の枝管に供給される圧縮
空気の圧力を示すと共に、合流管3から吹き付けノズル
9に至るコンクリートの輸送状態を示す。つまり、圧縮
空気の量が少なくコンクリートの輸送速度が遅い時、す
なわちコンクリートが管内で閉塞ぎみである時は、圧力
計13の指示値は高くなる。逆に、圧縮空気の量が多く
コンクリートの輸送速度が速い時、すなわちコンクリー
トが管内を楽に流れている時は、圧力計13の指示値は
低くなる。
【0019】従って、バルブ12の開度を絞り圧縮空気
の量を減少させると、コンクリートの輸送速度が低下し
圧力計13の指示値が高くなる。この時、圧力計13の
指示値が6kg/cm2 より高い状態では、コンクリー
トの輸送速度が遅過ぎて、コンクリートが圧縮空気中に
充分に分散されにくくなり、吹き付けノズル9より固ま
りの状態で断続して排出され易くなる。このような状態
では、コンクリートの吹き付け速度が遅過ぎて地山に対
しコンクリートを平滑に吹き付けることができず、吹き
付けコンクリートの厚さを均一に保てなくなる。また、
輸送管の管壁付近の輸送速度が遅くなるため、管壁に付
着したペースト成分が地山まで到達せずに落下する。そ
して、さらにバルブ12の開度を絞ると、コンクリート
は輸送管あるいは合流管内で閉塞してしまう。
【0020】一方、バルブ12の開度を開き圧縮空気の
量を増加させると、コンクリートの輸送速度が増し圧力
計13の指示値が低くなる。この時、圧力計13の指示
値が3kg/cm2 より低い状態では、コンクリートの
輸送速度が速過ぎて、吹き付けノズル9より排出される
コンクリートが地山に衝突する速度が速過ぎ、リバウン
ドによる落下量が急激に増加する。また、鋼繊維コンク
リートにおいては、輸送管中で鋼繊維がセメント成分と
分離し、急結材の添加によってもコンクリートと付着せ
ず落下しリバウンド量を増加させる。
【0021】このため、本発明のように、合流管3の枝
管に供給される圧縮空気の圧力、すなわち圧力計13の
指示圧が3〜6kg/cm2 の範囲内になるように調整
することにより、コンクリートの輸送速度を適度な範囲
内に保持することができ、コンクリートを圧縮空気中に
充分に分散して地山に対し平滑に吹き付けることができ
ると共に、リバウンドによる落下量を低く抑えることが
できる。
【0022】また、本発明においては、合流管3と合流
管6に供給する圧縮空気の総量を、大気圧換算値で8〜
15m3 /分の範囲内になるように調整することが好ま
しく、より好ましくは8〜13.5m3 /分の範囲内に
なるように調整する。
【0023】コンクリートが吹き付けに適する流動性
(スランプ値が8〜15cm程度)を有している場合に
は、合流管3の枝管に供給される圧縮空気の圧力を3〜
6kg/cm2 の範囲内になるように調整することによ
り、前述した効果を充分に発揮することができる。
【0024】しかしながら、コンクリートの流動性が良
過ぎる場合には、合流管3の枝管に供給される圧縮空気
の圧力が低下し、この時に3kg/cm2 に近い低い値
に調整されると、圧縮空気の量が多過ぎてコンクリート
の輸送速度が適度な範囲を上回ることがある。また、逆
に、コンクリートが硬過ぎる場合には、合流管3の枝管
に供給される圧縮空気の圧力が上昇し、この時に6kg
/cm2 に近い高い値に調整されると、圧縮空気の量が
少な過ぎてコンクリートの輸送速度が適度な範囲を下回
ることがある。
【0025】このような場合であっても、合流管3と合
流管6に供給する圧縮空気の総量を大気圧換算値で8〜
15m3 /分の範囲内に調整することにより、コンクリ
ートの輸送速度を適度な範囲内に保持することが可能で
あり、より広範囲の流動性を有するコンクリートに対し
ても、前述した効果を充分に発揮することができる。す
なわち、比較的柔らかい流動性の高いコンクリート(例
えばスランプ値が18cm以上)を用いる場合には、圧
縮空気の総量を大気圧換算値で8m3 /分に近い低い値
に調整し、合流管3の枝管に供給される圧縮空気の圧力
を6kg/cm2 に近い高い値に誘導することにより、
コンクリートの輸送速度を適度な範囲まで下げることが
できる。逆に、比較的硬い流動性の低いコンクリートを
(例えばスランプ値が8cm未満)用いる場合には、圧
縮空気の総量を大気圧換算値で15m3 /分に近い高い
値に調整することにより、コンクリートの輸送速度を適
度な範囲まで速めることができる。
【0026】また、本発明においては、輸送管5とし
て、内径が55〜105mm、長さが7m以下のものを
用い、且つ輸送管8として、内径が55〜105mm、
長さが3m以下のものを用いることが好ましい。輸送管
5及び輸送管8の内径と長さがこの範囲外であると、合
流管3の枝管に供給される圧縮空気の圧力や、圧縮空気
の総量を前述した適正な範囲に調整することが困難とな
る。
【0027】具体的には、輸送管5及び輸送管8の内径
が55mmより小さいと、コンクリートの輸送抵抗が大
き過ぎて、特に流動性の低いコンクリートを用いると輸
送管内で閉塞する場合があり、比較的柔らかい流動性の
高いコンクリートしか用いることができなくなる。逆
に、輸送管5及び輸送管8の内径が105mmより大き
いと、輸送管中の空気の体積率が大きくなり、急結材の
ロスが大きくなると共に、多量の圧縮空気が必要とな
り、コンプレッサーを大型化する必要を生じ装置コスト
がアップする。
【0028】また、輸送管5の長さが7mを超えると、
コンクリートの輸送抵抗が大きくなり、特に流動性の低
いコンクリートを用いると輸送管内で閉塞する場合があ
り、比較的柔らかい流動性の高いコンクリートしか用い
ることができなくなる。また、輸送管8の長さが3mを
超えると、コンクリートの輸送抵抗が大きくなると共
に、吹き付けノズル9からコンクリートが排出されるま
での時間が長くなることによりコンクリートの硬化が進
み、吹き付けノズル9内でコンクリートが閉塞しやすく
なる。
【0029】なお、図1に示すような輸送管5及び輸送
管8は必須ではなく、合流管3、合流管6及び吹き付け
ノズル9をそれぞれ直結することもできる。この場合に
は、本願明細書で言う「輸送管5」及び「輸送管8」と
は、それぞれ合流管3の合流部から合流管6の合流部ま
での部分、及び合流管6の合流部から吹き付けノズル9
までの部分を指している。
【0030】以上のように、本願発明は、ピストンポン
プにより送られるコンクリートを輸送する輸送管内に、
コンクリートを空気輸送するための圧縮空気と急結材を
供給するための圧縮空気とを2段階で供給して吹き付け
ノズルよりコンクリートを吹き付ける方法において、こ
れまで充分な考慮がなされていなかった圧縮空気の圧
力、さらには圧縮空気の総量、配管径、配管長さについ
て規定することによって、コンクリートの吹き付けを良
好に行え、さらにはより広範囲の流動性を有するコンク
リートにも対応できるようになったものである。
【0031】本発明に使用されるピストンポンプ1は市
販ものが使用でき、代表的な例としてはコンクリートの
吐出能力が最大で25m3 /h程度で、ピストンの速度
によりコンクリートの吐出量を調整できるものが使用さ
れる。
【0032】吹き付けノズル9は、一般にその口径が出
口部に進むに従い絞られるテーパ管が使用され、そのテ
ーパ角は0.5度程度あれば良い。また、吹き付けノズ
ル9の出口部の口径は50mm程度のものが好適であ
る。
【0033】急結材供給装置7は、コンプレッサー4よ
り供給された圧縮空気を付属のエアドライヤーあるいは
アフタークーラーにより除湿し、この除湿された圧縮空
気により急結材を空気輸送する装置が使用できる。急結
材供給のために使用される圧縮空気の量は、大気圧換算
で概ね3〜5m3 /分とするのがよい。この空気量は、
図1の装置においては流量計16により圧縮空気の供給
側で測定される。なお、急結材輸送配管14としては、
例えば口径が3/4Bあるいは1Bのホースを用いるこ
とができる。
【0034】また、急結材の量はコンクリート中のセメ
ント量に対し、10重量%以下の量が好ましい。かかる
急結材としては、既に公知の粉状体のもので例えば、カ
ルシウムアルミネート類やアルミニウム塩(アルミン酸
ナトリウムや硫酸アルミニウム等)と炭酸塩とを主成分
としたもの、また、これらの混合物等が挙げられる。流
量計11及び流量計16には市販のものを用いることが
でき、圧縮空気中に含まれるドレンの影響を受け指示値
が狂わないものが好適である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0036】(実施例1〜3及び比較例1、2)図1に
示すコンクリートの吹き付け装置を組んだ。なお、輸送
管5及び輸送管8の内径は65mmとし、輸送管2は1
5m、輸送管5は3m、輸送管8は1mとした。また、
吹き付けノズル9は、入口径65mmから出口径50m
mに絞ったものを使用した。
【0037】吹き付けに使用したコンクリートは、各材
料の単位量をセメント450kg/m3 、水203kg
/m3 、細骨材1187kg/m3 、粗骨材512kg
/m3 及び鋼繊維78.5kg/m3 とし、さらに、減
水剤をセメント100重量部に対し0.8重量部添加し
たものとした。このコンクリートのスランプ値は18c
mであった。急結材はコンクリート中のセメント100
重量部に対し8重量部使用した。使用材料の詳細を以下
に示す。
【0038】[使用材料] セメント:普通ポルトランドセメント(ブレーン値32
00cm2 /g、比重3.16) 細骨材 :新潟県姫川産川砂 (表面水率4.0%、比重2.61) 粗骨材 :新潟県姫川産川砂利(表乾状態、比重2.6
5、最大寸法10mm) 急結材 :カルシウムアルミネート系急結材、市販品 減水剤 :ポリカルボン酸系高性能減水剤、市販品 鋼繊維 :市販品(比重7.8、長さ30mm)
【0039】上記吹き付け装置及びコンクリートを用
い、バルブ12及びバルブ17により圧縮空気の流量を
調整し、コンクリートの吹き付けを行い、以下に示す方
法によりコンクリートの落下率等の評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0040】[評価方法] (コンクリート落下率)コンクリートを8m3 /hの速
度で10分間、鉄板でアーチ状に製作した高さ5mの模
擬トンネルに吹き付けた。その後、下式によりコンクリ
ート落下率を算出した。 コンクリート落下率=(模擬トンネルに付着せずに落下
したコンクリートの重量)/(模擬トンネルに吹き付け
たコンクリートの重量)×100(%)
【0041】(鋼繊維落下率)前述の落下したコンクリ
ートから磁石を利用し鋼繊維全量を取り出し、鋼繊維に
付着したセメントモルタル成分を水で洗い落とし、水を
乾燥させて落下した鋼繊維の重量を算出した。その後、
下式により鋼繊維落下率を算出した。 鋼繊維落下率=(落下したコンクリート中より回収した
鋼繊維の重量)/(吹き付けたコンクリート中の鋼繊維
重量)×100(%)
【0042】(輸送性)コンクリートの輸送状況を観察
した。合流管や輸送管が詰まらない場合を○、詰まり気
味でありコンクリートが断続的に排出される場合を△、
合流管や輸送管が詰まって吹き付けができない場合を×
とした。
【0043】(吹き付けコンクリートの仕上げ面)コン
クリートの厚さが均一で平滑な場合を○、コンクリート
の仕上げ面が凸凹している場合を×とした。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例4〜6及び比較例3)吹き付けコ
ンクリートは、各材料の単位量をセメント650kg/
3 、水228kg/m3 、細骨材1020kg/m
3 、粗骨材441kg/m3 及び鋼繊維78.5kg/
3 とし、さらに、減水剤をセメント100重量部に対
し0.8重量部添加したものとした。
【0046】このコンクリートは流動性が極めて高いた
め、スランプ値ではなくスランプフロー値で流動性を評
価した。なお、スランプフロー値の測定は『財団法人、
沿岸開発技術センター及び漁港漁村建設技術研究所発
行、水中不分離性コンクリート・マニュアル、付録1
「水中不分離コンクリートの試験、スランプフロー試
験」』に従い、コンクリートの広がりを直角方向に2点
測定した。その結果、スランプフロー値は65cmであ
った。
【0047】急結材は、カルシウムアルミネート75重
量部、硫酸アルミニウム25重量部を混合したものを用
い、コンクリート中のセメント100重量部に対し8重
量部使用した。
【0048】前記実施例で用いた吹き付け装置により、
上記コンクリートをバルブ12及びバルブ17により圧
縮空気の流量を調整して吹き付けを行い、先と同様の評
価を行った。その結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例7〜9)輸送管5の長さを表3に
示すように変えた以外は、実施例4〜6及び比較例3と
同様にコンクリートの吹き付けを行い、先と同様の評価
を行った。その結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】(実施例10〜12及び比較例4)輸送管
8の長さを表4に示すように変えた以外は、実施例4〜
6及び比較例3と同様にコンクリートの吹き付けを行
い、先と同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。 (1)合流管3の枝管に供給される圧縮空気の圧力を3
〜6kg/cm2 の範囲内に調整することにより、コン
クリートの輸送速度を適度な範囲内に保持することがで
き、コンクリートを圧縮空気中に充分に分散して地山に
対し平滑に吹き付けることができると共に、リバウンド
によるコンクリートの落下量を低く抑えることができ
る。また、吹き付け時の閉塞などによるトラブルを防止
でき、吹き付けコストを低く抑えることができる。
【0055】(2)特に、合流管3と合流管6に供給す
る圧縮空気の総量を大気圧換算値で8〜15m3 /分の
範囲内に調整した場合には、より広範囲の流動性を有す
るコンクリートに対しても、コンクリートの輸送速度を
適度な範囲内に保持することが可能となり、前記(1)
の効果を充分に発揮することができる。
【0056】(3)特に、吹き付けコンクリートとして
鋼繊維コンクリートを用いる場合には、鋼繊維の落下率
を減少させることができ、設計により近い吹き付けコン
クリートの施工が可能になると共に、施工コストのロス
を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリートの吹き付け装置の一
構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ピストンポンプ 2 輸送管 3 合流管 4 コンプレッサー 5 輸送管 6 合流管 7 急結材供給装置 8 輸送管 9 吹き付けノズル 10 圧縮空気輸送管 11 流量計 12 バルブ 13 圧力計 14 急結材輸送管 15 圧縮空気輸送管 16 流量計 17 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八田 建次 新潟県西頚城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社青海工場内 Fターム(参考) 2D055 DB02 KA02 KA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートをピストンポンプ(1)に
    より輸送管(2)を介し合流管(3)まで輸送し、該合
    流管(3)の枝管にコンプレッサー(4)から送られる
    圧縮空気を供給し該コンクリートを輸送管(5)を介し
    合流管(6)へ空気輸送するとともに、該合流管(6)
    の枝管に急結材供給設備(7)より空気輸送される急結
    材を供給してコンクリートと急結材を混合した後、輸送
    管(8)内を輸送し吹き付けノズル(9)よりコンクリ
    ートを吹き付け面に吹き付ける方法において、合流管
    (3)の枝管に供給される圧縮空気の圧力が3〜6kg
    /cm2 の範囲内になるように調整することを特徴とす
    るコンクリートの吹き付け方法。
  2. 【請求項2】 合流管(3)と合流管(6)に供給する
    圧縮空気の総量を、大気圧換算値で8〜15m3 /分の
    範囲内になるように調整することを特徴とする請求項1
    に記載のコンクリートの吹き付け方法。
  3. 【請求項3】 輸送管(5)として、内径が55〜10
    5mm、長さが7m以下のものを用い、且つ輸送管
    (8)として、内径が55〜105mm、長さが3m以
    下のものを用いることを特徴とする請求項1または2に
    記載のコンクリートの吹き付け方法。
  4. 【請求項4】 コンクリートをピストンポンプ(1)に
    より輸送管(2)を介し合流管(3)まで輸送し、該合
    流管(3)の枝管にコンプレッサー(4)から送られる
    圧縮空気を供給し該コンクリートを輸送管(5)を介し
    合流管(6)へ空気輸送するとともに、該合流管(6)
    の枝管に急結材供給設備(7)より空気輸送される急結
    材を供給してコンクリートと急結材を混合した後、輸送
    管(8)内を輸送し吹き付けノズル(9)よりコンクリ
    ートを吹き付け面に吹き付ける装置において、 コンプレッサー(4)と合流管(3)の枝管を接続する
    圧縮空気輸送管(10)の間に、圧縮空気の流量計(1
    1)とその量を調整するためのバルブ(12)と、該バ
    ルブ(12)と合流管(3)の枝管の間に圧力計(1
    3)を設けたことを特徴とするコンクリートの吹き付け
    装置。
  5. 【請求項5】 バルブ(12)は、圧力計(13)の指
    示圧が3〜6kg/cm2 の範囲内になるように調整さ
    れるものであることを特徴とする請求項4に記載のコン
    クリートの吹き付け装置。
  6. 【請求項6】 更に、急結材を輸送するための圧縮空気
    の流量を調整する手段を有し、該調整手段は、バルブ
    (12)と協働して合流管(3)と合流管(6)に供給
    される圧縮空気の総量が大気圧換算値で8〜15m3
    分の範囲内になるように調整されるものであることを特
    徴とする請求項4または5に記載のコンクリートの吹き
    付け装置。
  7. 【請求項7】 輸送管(5)および輸送管(8)の内径
    が55〜105mm、且つ輸送管(5)の長さが7m以
    下、輸送管(8)の長さが3m以下であることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれかに記載のコンクリートの吹
    き付け装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003003794A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Taiheiyo Cement Corp 湿式吹付け施工方法
JP2006152733A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Taiheiyo Material Kk 湿式吹付け工法
KR100647531B1 (ko) 2004-12-24 2006-11-23 삼성물산 주식회사 시멘트 광물계 급결제를 사용하는 습식 숏크리트 타설장비 시스템
CN103161478A (zh) * 2013-03-25 2013-06-19 中国矿业大学 一种脉冲式注浆方法

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