JP2000296590A - タフテッドカーペット用基布およびそれよりなるタフテッドカーペット - Google Patents

タフテッドカーペット用基布およびそれよりなるタフテッドカーペット

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JP2000296590A
JP2000296590A JP10645799A JP10645799A JP2000296590A JP 2000296590 A JP2000296590 A JP 2000296590A JP 10645799 A JP10645799 A JP 10645799A JP 10645799 A JP10645799 A JP 10645799A JP 2000296590 A JP2000296590 A JP 2000296590A
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tufted carpet
pile
carpet
ethylene
base fabric
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Shigehiko Abe
成彦 阿部
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Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タフト加工性、タフト品位、パイル地の強
さ、パイル保持力、寸法安定性、耐久性、剛性、反り等
の特性を有するタフテッドカーペットを提供する。 【解決手段】 坪量75〜250g/m2の繊維状不織
布と、(a)〜(e)の特性を有する直鎖状エチレン・
α−オレフィン共重合体と熱分解型発泡剤からなるエチ
レン系発泡成形用樹脂組成物を重ねて接合一体化したタ
フテッドカーペット用基布を用いる。 (a)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)が3以下、(b)密度が0.850
〜0.980g/cm3、(c)メルトフローレートが
0.5〜50g/10分、(d)貯蔵弾性率(G’)と
損失弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)か
らfc/10までの周波数領域におけるG’の傾きSが
0.7<S<0.9、(e)流動の活性化エネルギーΔ
Hが30〜50kJ/mol。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タフト加工性、タ
フト品位、パイル糸をタフトしたパイル地の強さ、パイ
ル保持力などの加工性およびタフテッドカーペットに要
求されるパイル糸引き抜き強さ等の耐久性、剛性、反
り、クッション性、耐スリップ性等の特性の何れにも優
れたカーペットや敷物、置敷マットなどを構成する、パ
イル糸をタフティングして埋め込むのに用いるタフテッ
ドカーペット用基布およびそれよりなるタフテッドカー
ペットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タフテッドカーペットの基布
としてポリエステル系、ポリプロピレン系樹脂から成る
繊維基材を使用したものが多く用いられており、具体的
にはこれら熱可塑性樹脂から成形されるフラットヤーン
の織布や、紡糸した繊維束を堆積し接合して得られるス
パンボンド不織布などがある。なかでもパイル糸の整然
性が良く、繊維の解れが生じないなどの利点から、スパ
ンボンド法による長繊維不織布が使用されてきている。
タフテッドカーペットは、これら基布にパイル糸をタフ
ティングマシンを使用してタフトし、いわゆるパイル地
を作り、塩化ビニル樹脂ペースト、ウレタン系樹脂等で
バッキングされて製造されている。タフテッドカーペッ
トの基布としては、一般的に、タフティングニードルの
貫通抵抗が均一で、かつ小さいこと、タフティングした
パイルが容易に抜け落ちない、いわゆるパイル保持力が
大きいこと、タフティング時に皺が発生しないコシの強
さを有することなどの特性が要求される。
【0003】タフテッドカーペットの基布としての不織
布は、表面平滑性に優れ、タフテッドニードルの貫通抵
抗が小さいなど良好な点は多いが、織布タイプに比較し
て機械的強度に劣り、コシが弱いためにタフティング時
に皺が発生しやすく、またパイル保持力に乏しく、タフ
ティングしたパイルの抜けが発生しやすいなどタフテッ
ド製品の製造における作業性に難点がある。さらに低目
重量の不織布は、繊維目付のバラツキが大きく、これが
パイル保持力のバラツキとなり、パイル外観を悪くする
など品質的にも劣ったものとなりやすい。このような問
題を防止するために、現在はプレコート塗布により形成
している。プレコート層は、例えばSBR、アクリル、
EVAあるいはこれらの混合物を主成分とするラテック
スコンパウンドを塗布することにより形成できる。
【0004】しかしながら、実際のカーペットでは、こ
のプレコート層にカーペットの保形性、重量安定性、強
度等を確保する目的で裏打ち層が設けられた基本構成と
なっている。
【0005】一方、特開平9−327369号公報に
は、タフテッドカーペット用基布として不織布と発泡体
の積層体を使用すると、プレコート層無しにパイル糸の
保持力が改良できることが提案されている。しかしなが
ら、単に発泡体を積層するだけではパイル糸の保持力は
未だ不十分であり、製品とした場合には問題が多かっ
た。一方、特開平6−320994号公報には、カーペ
ットの裏面に線状低密度ポリエチレンと、エチレン−酢
酸ビニル共重合体またはエチレン−アクリル酸エチル共
重合体とを含有する樹脂組成物を架橋、発泡させてなる
裏打ち層を設置して、施設安定性、保形性、クッション
性を付与する方法が提案されているが、発泡層が架橋さ
れているためにリサイクルできないという問題が残って
いた。
【0006】また、ポリオレフィン樹脂の発泡体の製造
方法については、種々の方法が知られており、例えばポ
リオレフィン樹脂に熱分解型発泡剤を混合して成形した
後、電離性放射線を照射して架橋させるとともに加熱し
て架橋発泡させる方法、ポリオレフィン樹脂に熱分解型
発泡剤と発泡剤の分解温度より低い分解温度を有する有
機過酸化物を混合して成形した後、これを加熱して有機
過酸化物を分解させて架橋し、ついで発泡剤を分解させ
て架橋発泡させる方法があるが、架橋されているため
に、リサイクルできないという問題がある。また一方
で、ブタン、ヘキサン、フロン、炭酸ガスなどの常温常
圧で気体または加熱すると気体となるものを樹脂中に分
散または溶解させて、押出発泡成形して無架橋発泡させ
る方法が実用化されている。これらの方法で製造される
ポリエチレン系樹脂発泡体は、柔軟性、断熱性に優れて
おり、各種の緩衝材や断熱材に使用されているが、タフ
テッドカーペット基布として使用する場合には、気泡の
不均一性による意匠性の低下、パイル糸保持力が小さい
ことなど、使用には問題が多い。
【0007】このような問題を解決するために、ポリオ
レフィン樹脂に熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンア
ミド等の熱分解型発泡剤を混合して、押出成型を行なう
ことも行われているが、従来の高圧ラジカル重合で製造
される低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・α
−オレフィン共重合体とのブレンド物では発泡倍率が2
倍程度のものしか得られなかったため、タフテッドカー
ペット基布としては使用されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題の解決、すなわち、タフテッドカーペット用の基布
の課題を解決し、タフト加工性、タフト品位、パイル糸
をタフトしたパイル地の強さ、パイル保持力、寸法安定
性等の加工性およびタフテッドカーペットに要求される
パイル糸引き抜き強さ等の耐久性、剛性、反り等の特性
を有しているタフテッドカーペット用基布およびタフテ
ッドカーペットを提供することを目的とし、さらにはこ
れらが低廉に製造でき、多様なタフテッド製品仕様に対
応できることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、坪量75〜250g/m2の繊維状不織布
と、特定の分子量分布と分岐度分布を有する直鎖状エチ
レン・α−オレフィン共重合体をゲルが生成しない特定
の範囲でラジカル発生剤と反応させ、その後酸化防止剤
を添加して溶融押し出しペレット化することにより得ら
れる樹脂と熱分解型発泡剤からなる発泡成形用樹脂組成
物を重ねて接合一体化したことを特徴とするタフテッド
カーペット用基布を使用することで、上記の課題を一挙
に解決できることを見い出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、坪量75〜250g
/m2の繊維状不織布と、エチレンと炭素数3〜12の
α−オレフィンを共重合させて得られる、密度が0.8
50〜0.980g/cm3の範囲で、GPCより求め
られる分子量分布が3以下で、JIS K 7210条
件4による190℃,2160gの荷重でのメルトフロ
ーレートが0.5〜50g/10分であり、動的粘弾性
の周波数依存性から得られる貯蔵弾性率(G’)と損失
弾性率(G’’)の値が一致する周波数(fc)からf
c/10までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=
ΔlogG’/Δlogf)が0.7<S<0.9であ
り、160〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネ
ルギーΔH(kJ/mol)が30〜50kJ/mol
であることを特徴とするエチレン・α−オレフィン共重
合体および熱分解型発泡剤からなるエチレン系発泡成形
用樹脂組成物を重ねて接合一体化してなるタフテッドカ
ーペット用基布、およびそれにパイル糸を埴設した後に
加熱発泡成形して得られるカーペットに関する。
【0011】本発明で用いる繊維状不織布としては、紡
糸、延伸、開繊、接着の工程を連続的に行う直接紡糸法
により長繊維をランダムに堆積し、ボンディングして得
られる長繊維不織布が、高強度で耐久性に優れる点で望
ましく、特には、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂などの熱可塑性樹脂を押出機に投入して溶融状態
とし、紡糸ノズルから押し出された繊維をローラー法ま
たはエアジェット法で延伸繊維化するスパンボンド法に
よる不織布が好ましい。
【0012】この繊維状不織布は、坪量75〜250g
/m2のものであることが必要である。すなわち、坪量
75g/m2未満の不織布は、厚みが少なく、強度も劣
り、後述する発泡成形用樹脂組成物と積層したものであ
ってもパイル保持力が発現しない点で問題となり、一
方、坪量250g/m2を越える高目付の不織布は、発
泡成形用樹脂組成物と積層することもあり、タフテッド
ニードルの貫通抵抗が大きくなりタフト作業性が劣った
ものとなる。
【0013】発泡成形用樹脂組成物に使用される直鎖状
エチレン・α−オレフィン共重合体のGPCより求めら
れる分子量分布が3を越えると低分子量成分が増加し、
製品の粘着性が増加して製品不良となるばかりでなく、
ラジカル発生剤と反応させた場合、容易にゲルが発生
し、製品上好ましくない。また、JIS K 7210
条件4による190℃,2160g荷重でのメルトフロ
ーレートが0.5g/10分未満であると樹脂の粘度が
高く、押出成形やロール加工が困難となり、50g/1
0分を越えると溶融張力が低下し、高発泡倍率の発泡体
が得られず、押出成形時の賦形性が低下する。
【0014】また、動的粘弾性の周波数依存性から得ら
れる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の値が
一致する周波数(fc)からfc/10までの周波数領
域におけるG’の傾きS(S=ΔlogG’/Δlog
f)が0.7以下であると製品中にゲルが発生して使用
不可能となり、0.9以上であると溶融時の粘度低下が
大きく、発泡時のガス抜けが激しく、発泡が困難とな
る。
【0015】一方、流動の活性化エネルギーが30kJ
/molよりも小さいと発泡成形時のガス抜けが生じ、
50kJ/molを越えると溶融時の粘度の温度依存性
が大きく、良好な発泡状態を有する製品が得られる成形
加工温度範囲が非常に狭くなる。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明に使用される直鎖状エチレン・α−
オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜12の
α−オレフィンとの共重合体であって、密度が0.85
0〜0.980g/cm3の範囲で、GPCより求めら
れる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)が3以下で、JIS K 7210条
件4に従って、190℃,2160gの荷重下に測定さ
れたメルトフローレート(MFR)が0.5〜50g/
10分のものである。
【0018】本発明でいう分子量分布(Mw/Mn)
は、具体的には以下のごとく求める。
【0019】ウオーターズ社製 150C ALC/G
PC(カラム:東ソー製 GMHHR−H(S)、溶
媒:1,2,4−トリクロロベンゼン)を使用して、G
PC法により、MwおよびMnを測定し、Mw/Mnを
算出した。なお、東ソー製標準ポリスチレンを用いて、
ユニバーサルキャリブレーション法によりカラム溶出体
積は校正した。
【0020】このような直鎖状エチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、例えば、以下に例示するような公報に開
示されている方法によって製造することができる。
【0021】特開昭60−35006号公報、特開昭6
0−35007号公報、特開昭60−35008号公
報、特開平3−163088号公報、特開昭61−29
6008号公報、特開昭63−22804号公報、特開
昭58−19309号公報、特願昭60−00862号
公報、特開昭63−61010号公報、特開昭63−1
52608号公報、特開昭63−264606号公報、
特開昭63−280703号公報、特開昭64−600
3号公報、特開平1−95110号公報、特開平3−6
2806号公報、特開平1−259004号公報、特開
昭64−45406号公報、特開昭60−106808
号公報、特開昭60−137911号公報、特開昭61
−296008号公報、特許公表63−501369号
公報、特開昭61−221207号公報、特開平2−2
2307号公報、特開平2−173110号公報、特開
平2−302410号公報、特開平1−129003号
公報、特開平1−210404号公報、特開平3−66
710号公報、特開平3−70710号公報、特開平1
−207248号公報、特開昭63−222177号公
報、特開昭63−222178号公報、特開昭63−2
22179号公報、特開平1−12407号公報、特開
平1−301704号公報、特開平1−319489号
公報、特開平3−74412号公報、特開昭61−26
4010号公報、特開平1−275609号公報、特開
昭63−251405号公報、特開昭64−74202
号公報、特開平2−41303号公報、特開平1314
88号公報、特開平3−56508号公報、特開平3−
70708号公報、特開平3−70709号公報などが
挙げられる。
【0022】以下、それらの内容に従って、本発明に使
用することができる直鎖状エチレン・α−オレフィン共
重合体の製造方法を説明する。この直鎖状低密度エチレ
ン・α−オレフィン共重合体は、例えば、シクロペンタ
ジエニル誘導体を含有する有機遷移金属化合物と、これ
と反応してイオン性の錯体を形成する化合物および/ま
たは有機金属化合物からなる触媒の存在下で、エチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンを共重合することに
より、好適に製造することができる。
【0023】炭素数3〜12のα−オレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げるこ
とができる。
【0024】製造法としては、溶液重合法、高圧重合
法、気相重合法等が挙げられる。
【0025】本発明においては、上記の方法で製造され
た直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体に、ラジカ
ル発生剤を添加し、ラジカル発生剤を分解して反応させ
たものを使用する。
【0026】本発明で用いるラジカル発生剤としては、
有機過酸化物、例えばハイドロパーオキサイド類、ジア
ルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などが
好ましく、中でも1分半減期を与える分解温度が90℃
を越えるものが好適である。
【0027】具体的な例示として、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,3−ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ
(t−ブチル)パーオキサイド、2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(t−ブチル)
パーオキシフタレート等が挙げられる。
【0028】反応させる方法は、如何様な手段を採用し
ても良いが、具体的な例を示すと以下のような方法が挙
げられる。
【0029】1)重合終了後、上記共重合体をペレット
化する時点でラジカル発生剤を同時にフィードして溶融
押出反応させる。
【0030】2)ラジカル発生剤を大量に含んだマスタ
ーバッチをあらかじめ作っておき、そのマスターバッチ
と上記共重合体ペレットをブレンドして押し出し、反応
させる。
【0031】このような方法で得られた直鎖状エチレン
・α−オレフィン共重合体に酸化防止剤を添加して、さ
らに溶融混練させる。
【0032】溶融混練する方法としては、いかなる手段
を採用しても良いが、具体的な例を示すと以下のような
方法が挙げられる。
【0033】1)押出機、バンバリーミキサー、ロール
ミル等の混練機を使用して、上記重合体に酸化防止剤を
添加する。
【0034】2)酸化防止剤を大量に含んだマスターバ
ッチをあらかじめ作っておき、そのマスターバッチと上
記共重合体ペレットを溶融混練する。
【0035】使用される酸化防止剤としては、フェノー
ル系酸化防止剤および燐系酸化防止剤が挙げられる。フ
ェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系、チ
オビスフェノール系、トリスフェノール系等の酸化防止
剤が挙げられ、さらに具体的に例示すると、2,4−ビ
ス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−ジ(t−ブチル)アニリノ)−1,3,5−トリア
ジン(例えば、日本チバガイギー(株)より商品名イル
ガノックス565として市販されている。)、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート(例えば、日本チバガイギ
ー(株)より商品名イルガノックス1076として市販
されている。)、1,3,5−トリメチル−2,4,6
−トリス(3,5−ジ(t−ブチル)−4−ヒドロキシ
ベンジル)−イソシアヌレート(例えば、日本チバガイ
ギー(株)より商品名イルガノックス3114として市
販されている。)などが挙げられ、これらは単独または
2種以上の混合物として用いられる。また、燐系酸化防
止剤を具体的に例示すると、トリス(2,4−ジ(t−
ブチル)フェニル)フォスファイト(例えば、日本チバ
ガイギー(株)より商品名イルガフォス168として市
販されている。)、テトラキス(2,4−ジ(t−ブチ
ル)フェニル)−4,4’−ビフェニレンフォスフォナ
イト(例えば、日本チバガイギー(株)より商品名イル
ガフォス P−EPQ FFとして市販されてい
る。)、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト(例
えば、旭電化(株)より商品名MARK 1178とし
て市販されている。)などが挙げられ、単独またはこれ
らの混合物として用いられる。
【0036】また、本発明に用いる熱分解型発泡剤は、
樹脂の加熱溶融時に分解してガスを発生するものでれば
特に制限はなく、一般の有機系または無機系の化学発泡
剤が使用できる。具体的には、アゾジカルボンアミド、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒ
ドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化
合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,
3−スルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,
3’−ジスルフォニルヒドラジド、ジフェニルオキシド
−4,4’−ジスルフォニルヒドラジド、4,4’−オ
キシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、パラト
ルエンスルフォニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラ
ジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルフ
タルアミド等のニトロソ化合物、テレフタルアジド、p
−t−ブチルベンズアジド等のアジド化合物、重炭酸ナ
トリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の
炭酸化合物が挙げられ、これらの少なくとも一種が用い
られる。この中でもアゾジカルボンアミドおよび4,
4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が
好ましいが、特に4,4’−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)が好ましい。
【0037】本発明に用いる熱分解型発泡剤は、その分
解温度が通常120〜200℃のものであり、120〜
180℃ものが好ましい。
【0038】上記熱分解型発泡剤は、直鎖状エチレン・
α−オレフィン共重合体100重量部に対し3〜20重
量部の範囲で使用される。熱分解型発泡剤が3重量部未
満であると発泡倍率が小さくなり、クッション性に乏し
いものしか得られなくなり、また、20重量部を越える
と発泡時に気泡が破壊し、良好な発泡体が得られなくな
る恐れがある。
【0039】また、熱分解型発泡剤の分解温度を低下さ
せる目的で、発泡促進剤または発泡助剤を用いることも
できる。発泡促進剤または発泡助剤としては、例えば、
亜鉛華、硝酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸鉛、三塩化リン酸
塩、三塩基性硫酸鉛等の無機塩、亜鉛脂肪酸石鹸、鉛脂
肪酸石鹸、カドミウム脂肪酸石鹸等の金属石鹸、ほう
酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等の酸類、尿素、
エタノールアミン、グルコースおよびグリセリン等が挙
げられる。
【0040】一方、熱分解型発泡剤の分解温度を上げる
目的で、発泡抑制剤を用いることもできる。発泡抑制剤
としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸等の有機酸、ステアロイ
ルクロリド、フタロイルクロリド等のハロゲン化有機
酸、ハイドロキノン等の多価アルコール、脂肪酸アミ
ン、アミド、オキシム、イソシアネート等の含有機硫黄
化合物、亜リン酸塩化物等のリン酸塩、ジブチルスズマ
レート、塩化スズ、硫酸スズ等のスズ化合物、その他ヘ
キサクロロペンタジエン等が挙げられる。
【0041】なお、本発明の樹脂組成物には、本発明の
効果を著しく損なわない範囲で他の任意成分を添加する
ことができる。他の任意成分としては、エチレン・プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共
重合体ゴム、エチレン・ブテン共重合体ゴム等のエチレ
ン系共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加
物、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
樹脂、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、硫酸
バリウム、水酸化マグネシウム等の充填剤、難燃剤、各
種の顔料などを配合することができる。
【0042】この様にして得られる積層体としての構成
は、単純に繊維状不織布と発泡成形用樹脂組成物の2層
であっても良いし、繊維状不織布を中間層として、その
両面に発泡成形用樹脂組成物を貼合したもの、また発泡
成形用樹脂組成物を中間層として、その両面に繊維状不
織布を貼合したもの、さらには繊維状不織布と発泡成形
用樹脂組成物との組み合わせで複数枚の積層体としたも
のでも良い。従って、タフテッドカーペットの基布とし
て、その表面と裏面を制限することなく、製品の仕様に
より適宜選択できる。また、本基布にパイル糸を埴設し
た後に加熱発泡成形することによりカーペットとするこ
とができる。
【0043】なお、タフテッドカーペット用基布を製造
するにおいて、繊維状不織布に対するエチレン系発泡成
形用樹脂組成物の添加量に制限はない。
【0044】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、本発明の
タフテッドカーペット用基布は、繊維状不織布を基材と
して、発泡層として直鎖状エチレン・α−オレフィン共
重合体の優れた性質を保持したまま、常圧発泡成形で気
泡の均一性、強靱性、高発泡性を付与することが可能で
あり、さらに従来技術では困難であったパイル糸の保持
力を向上させることができる。また、基布の変形を抑制
してタフト工程における皺や蛇行の発生を抑制すること
ができ、加えてパイルの保持力を向上させることができ
るので、パイル植え込み密度のバラツキがなくなり、得
られる製品の外観が良好となる。また、基布自体が安価
に製造でき、広範囲なタフテッド製品に対応できる。ま
た、この基布を使用した製品は、良好なクッション性を
有し、ボリューム感があり、圧縮回復性にも優れたカー
ペットを製造することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明について実施例により説明する
が、これら実施例に限定されるものではない。なお、実
施例および比較例中の貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率
(G’’)、流動の活性化エネルギーΔHは、下記の方
法により測定した。
【0046】(動的粘弾性の測定)非共振型強制振動法
に基づく測定装置である粘弾性測定アナライザー DV
E−V4(レオロジ(株))を使用し、スリット型冶具
を用いて、測定周波数0.16〜400Hz、測定温度
は160℃、190℃、220℃の各温度で動的粘弾性
の周波数依存性を測定し、190℃を基準温度として貯
蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)のマスターカ
ーブを作成した。なお、歪みは1%以下の線形領域で測
定した。
【0047】この測定において、貯蔵弾性率(G’)、
損失弾性率(G’’)を測定した。
【0048】(流動の活性化エネルギー)測定温度16
0〜220℃の範囲で、シフトファクター(aT)の温
度依存性の曲線から活性化エネルギーを求めた。
【0049】(発泡成形体の外観)発泡成形体を目視に
より観察し、下記のように評価した。
【0050】○:厚みのムラがなく、均一に発泡してい
る。
【0051】△:厚みのムラが若干あるが、ほぼ均一に
発泡している。
【0052】×:厚みのムラが大きく、不均一に発泡し
ている。
【0053】(発泡成形体セルの状態) ○:セルが均一である。
【0054】△:セルがやや不均一である。
【0055】×:セルが不均一である。
【0056】(発泡倍率)発泡倍率は、次式により算出
した。
【0057】発泡倍率=非発泡体の密度/発泡体の密度 (パイル引き抜き強さ)JIS L−1023−199
2(繊維製床敷物の性能に関する試験方法)の6.によ
り、パイル引き抜き強さが3.5kgf以上を○、2.
5〜3.5kgf未満を△、2.5kgf未満を×とし
て評価した。
【0058】参考例1 溶媒として脂肪族系炭化水素(IPソルベント1620
(出光石油化学社製)600mlと1−ヘキセン 10
0mlを攪拌装置を備えた1lのステンレス製反応器に
加え、反応器の温度を140℃に設定した。そして、こ
の反応器に圧力が20kg/cm2となるようにエチレ
ンを供給し、備え付けの攪拌装置を1500rpmの回
転数で稼動した。触媒として、ジフェニルメチレン(シ
クロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウム
クロライド 0.25μmol、N,N−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト0.3μmol、トリイソプロピルアルミニウム6
2.5μmolを前記反応器に供給した。
【0059】エチレンを供給することによって、反応器
内圧力を20kg/cm2に保ち、重合温度を155℃
に設定して10分間攪拌し、共重合反応を行なった。得
られた重合体を減圧下、100℃で10時間乾燥した。
その結果、30gのエチレン・1−ヘキセン共重合体が
得られた。得られたポリマーは、密度が0.900g/
cm3,MFRが4g/10分、GPCによるMw/M
nは1.8であった。
【0060】参考例2 重合温度を140℃、195℃、133℃に変更する以
外は、参考例1に従って行なった。それにより、種々の
MFR=2g/10分、60g/10分、0.4g/1
0分を有するポリマーが得られた。
【0061】実施例1 参考例1で得られた、密度が0.900g/cm3、M
FRが4g/10分、GPCによる分子量分布(Mw/
Mn)=1.8であるエチレン・1−ヘキセン共重合体
ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1
分半減期を与える分解温度176℃)を100ppm添
加し、240℃で溶融混練してペレット化した。密度と
分子量分布の値は、反応の前後でほとんど変化がみられ
なかった。
【0062】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時のペレットの物性を表にまとめた。
【0063】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度130℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料150gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0064】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットは、クッション性、耐スリップ性に優れたもの
となった。また、カーペットは発泡倍率10倍で外観は
良好なものであり、パイルの保持力も良好であった。得
られたカーペットについて、外観、セル均一性、パイル
引き抜き強さを評価した結果を表にまとめた。
【0065】実施例2 参考例1で得られた、密度が0.900g/cm3、M
FRが4g/10分、GPCによる分子量分布(Mw/
Mn)=1.8であるエチレン・1−ヘキセン共重合体
ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1
分半減期を与える分解温度176℃)を150ppm添
加し、240℃で溶融混練してペレット化した。密度と
分子量分布の値は、反応の前後でほとんど変化がみられ
なかった。
【0066】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時のペレットの物性を表にまとめた。
【0067】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度130℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料150gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0068】このパイル糸が埴設されたものを200℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットは、発泡倍率10倍で外観は良好なものであっ
た。また、得られたカーペットはクッション性、耐スリ
ップ性に優れたものとなった。得られたカーペットにつ
いて、外観、セル均一性およびパイル引き抜き強さを評
価した結果を表にまとめた。
【0069】比較例1 参考例2で得られた、密度が0.900g/cm3、M
FRが2g/10分、GPCによる分子量分布(Mw/
Mn)=1.8であるエチレン・1−ヘキセン共重合体
ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P(1
分半減期を与える分解温度176℃)を500ppm添
加し、240℃で溶融混練してペレット化した。密度と
分子量分布の値は、反応の前後でほとんど変化がみられ
なかった。
【0070】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時のペレットの物性を表にまとめた。
【0071】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度120℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料150gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0072】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットは、外観は良好なものの発泡倍率は2倍以下で
あった。このため、カーペットとしてクッション性、ス
リップ性、剛性の不足した製品となった。得られたカー
ペットについて、外観、セル均一性、パイル引き抜き強
さを評価した結果を表にまとめた。
【0073】比較例2 参考例2で得られた、密度が0.900g/cm3、M
FRが60g/10分、GPCによる分子量分布(Mw
/Mn)=1.8であるエチレン・1−ヘキセン共重合
体ペレットに、ラジカル発生剤としてパーブチル−P
(1分半減期を与える分解温度176℃)を50ppm
添加し、240℃で溶融混練してペレット化した。密度
と分子量分布の値は、反応の前後でほとんど変化がみら
れなかった。
【0074】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時のペレットの物性を表にまとめた。
【0075】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度120℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料150gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0076】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットはガス抜けが発生し、外観不良であり、発泡倍
率も2倍以下であった。得られたカーペットはクッショ
ン性がなく、製品外観も不良であった。外観、セル均一
性、パイル引き抜き強さを評価した結果を表にまとめ
た。
【0077】比較例3 参考例2で得られた、密度が0.900g/cm3、M
FRが0.4g/10分、GPCによる分子量分布(M
w/Mn)=1.8であるエチレン・1−ヘキセン共重
合体ペレットの物性を表にまとめた。
【0078】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時ペレットの物性を表にまとめた。
【0079】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度150℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料120gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0080】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットはガス抜けが発生し、外観不良であり、発泡倍
率も2倍以下であった。得られたカーペットについて、
外観、セル均一性、パイル引き抜き強さを評価した結果
を表にまとめた。
【0081】比較例4 チーグラー型触媒を用いて重合された、密度が0.90
0g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによる分
子量分布(Mw/Mn)=5であるエチレン・1−ブテ
ン共重合体ペレット(東ソー製、ルミタック22−1)
に、実施例1と同様にしてラジカル発生剤を反応させ
た。密度と分子量分布の値は、反応の前後でほとんど変
化がみられなかった。
【0082】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時のペレットの物性を表にまとめた。
【0083】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度120℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料150gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0084】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットは、発泡セルが不均一であり、発泡倍率も2倍
以下であった。得られたカーペットについて、外観、セ
ル均一性、パイル引き抜き強さを評価した結果を表にま
とめた。
【0085】比較例5 チーグラー型触媒を用いて重合された、密度が0.90
0g/cm3、MFRが2g/10分、GPCによる分
子量分布(Mw/Mn)=5であるエチレン・1−ブテ
ン共重合体ペレット(東ソー製、ルミタック22−1)
に、実施例2と同様にしてラジカル発生剤を反応させ
た。密度と分子量分布の値は、反応の前後でほとんど変
化がみられなかった。
【0086】このペレットに、酸化防止剤としてイルガ
ノックス1076を2000ppmとPEP−Qを50
0ppm添加し、240℃で溶融混練してペレット化し
た。この時のペレットの物性を表にまとめた。
【0087】この樹脂100重量部に対して、発泡剤と
して4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)10重量部を添加し、径8インチのロール(カレ
ンダーロール)を用い、ロール表面温度150℃、ロー
ル速度10m/分(速度比1:1.1)、ロール間隔3
00μmの条件で、試料120gを10分間ロールに巻
き付けてシートを取り出した。このシートを、スパンボ
ンド法によって製造された坪量120g/m2のポリエ
ステル系繊維状不織布と積層して、タフテッドカーペッ
ト用基布を得た。この基布に、アクリルのパイル糸で1
/10ゲージでステッチ11本/インチ、パイル高さ
3.5mmのタフティング条件で、タフティングを行な
った。その結果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニ
ードルの貫通抵抗も問題なく、パイル外観は良好であっ
た。
【0088】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットは、発泡セルが不均一であり、発泡倍率も2倍
以下であった。得られたカーペットについて、外観、セ
ル均一性、パイル引き抜き強さを評価した結果を表にま
とめた。
【0089】比較例6 幾何拘束触媒(コンストレインド・ジオメトリー・キャ
タリスト)を用いて重合された主鎖に長鎖分岐が選択的
に導入された、密度が0.8980g/cm3、MFR
が1.7g/10分、GPCによる分子量分布(Mw/
Mn)=2であるエチレン・1−オクテン共重合体ペレ
ット(ダウケミカル製、アフィニティーPF1140)
100重量部に対して、発泡剤として4,4’−オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)10重量部を添
加し、径8インチのロール(カレンダーロール)を用
い、ロール表面温度120℃、ロール速度10m/分
(速度比1:1.1)、ロール間隔300μmの条件
で、試料150gを10分間ロールに巻き付けてシート
を取り出した。このシートを、スパンボンド法によって
製造された坪量120g/m2のポリエステル系繊維状
不織布と積層して、タフテッドカーペット用基布を得
た。この基布に、アクリルのパイル糸で1/10ゲージ
でステッチ11本/インチ、パイル高さ3.5mmのタ
フティング条件で、タフティングを行なった。その結
果、タフト加工中に基布の変形はなく、ニードルの貫通
抵抗も問題なく、パイル外観は良好であった。
【0090】このパイル糸が埴設されたものを180℃
のオーブン中で2分間加熱して発泡させた。得られたカ
ーペットは、厚みに若干のムラがあり、発泡倍率も2倍
以下であった。
【0091】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坪量75〜250g/m2の繊維状不織布
    と、下記(a)〜(e)の特性を有するエチレンと炭素
    数3〜12のα−オレフィンからなる直鎖状エチレン・
    α−オレフィン共重合体および熱分解型発泡剤からなる
    エチレン系発泡成形用樹脂組成物を重ねて接合一体化し
    たことを特徴とするタフテッドカーペット用基布。 (a)GPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフ
    ィー)より求められる重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下、(b)密
    度が0.850〜0.980g/cm3、(c)190
    ℃,2160gの荷重で測定したメルトフローレートが
    0.5〜50g/10分、(d)動的粘弾性の周波数依
    存性から得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率
    (G’’)の値が一致する周波数(fc)からfc/1
    0までの周波数領域におけるG’の傾きS(S=Δlo
    gG’/Δlogf)が0.7<S<0.9、(e)1
    60〜220℃の範囲で求めた流動の活性化エネルギー
    ΔHが30〜50kJ/mol。
  2. 【請求項2】熱分解型発泡剤がスルフォニルヒドラジド
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載のタフテ
    ッドカーペット用基布。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のタフテッドカー
    ペット用基布にパイル糸が埴設されたものを加熱炉で加
    熱発泡させて得られるタフテッドカーペット。
  4. 【請求項4】タフテッドカーペットがタイル状に裁断さ
    れてなるタイルカーペットであることを特徴とする請求
    項3に記載のタフテッドカーペット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111936685A (zh) * 2018-03-30 2020-11-13 三井化学株式会社 非织造布层叠体、伸缩性非织造布层叠体、纤维制品、吸收性物品及卫生口罩
CN111936685B (zh) * 2018-03-30 2022-06-14 三井化学株式会社 非织造布层叠体、伸缩性非织造布层叠体、纤维制品、吸收性物品及卫生口罩

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