JP2000290540A - ポリゴジアールを有効成分として含有する水中生物付着制御剤 - Google Patents

ポリゴジアールを有効成分として含有する水中生物付着制御剤

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JP2000290540A
JP2000290540A JP11034621A JP3462199A JP2000290540A JP 2000290540 A JP2000290540 A JP 2000290540A JP 11034621 A JP11034621 A JP 11034621A JP 3462199 A JP3462199 A JP 3462199A JP 2000290540 A JP2000290540 A JP 2000290540A
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lanceolata
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tasmannia
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英男 衛藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリゴジアールを有効成分として含有する水
中生物付着制御剤の提供。 【解決手段】 ポリゴジアールを有効成分として含有す
る水中生物付着制御剤が提供される。タスマニア地方に
特有の植物、タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia l
anceolata)の抽出物を含有する水中生物付着制御剤も提
供される。また、これらの水中生物付着制御剤は塗料の
形態にあることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ポリゴジアール
を有効成分として含有する水中生物付着制御剤に関す
る。より特に、本願発明は、タスマニア・ランセオラー
(Tasmannia lanceolata)から得られたポリゴジアール
抽出物を含む塗料の形態にある水中生物付着制御剤に関
する。さらに、本願発明は、これらの水中生物付着制御
剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海藻、貝殻、イガイ(mussel)などの水中
生物の、船底又は水中設備、例えば、発電所の冷却水
系、カキ、海藻、魚などの養殖場の水系設備への付着
は、摩擦抵抗の上昇、圧力損失の増加などの重大な問題
を引き起こす。このため、有効な抗水中生物付着(antif
ouling) 剤の探索に多大の努力が払われてきた。抗水中
生物付着剤として、硫酸銅などの銅含有化合物、塩化ト
リフェニル・スズなどの有機スズ化合物、ニコチンアミ
ド(N. Yamashita, K. Sakata, H. Ina and K. Ina,Agr
ic. Biol. Chem., 53, 3351参照)などが使用されてき
た。また、ムラサキイガイ(blue mussel, Mytilus edul
is L.)を使用した抗水中生物付着剤についてのユニーク
なバイオアッセイ手順(A. Harada, K. Sakata and K. I
na, Agric. Biol. Chem., 48, 641 (1984)参照) を使用
して、オナモミ(Xanthium strumarium L.)からキサンタ
チン(xanthatin)(A. Harada, K. Sakata, H. Ina and
K. Ina, Agric. Biol. Chem., 49, 1887 (1985)参照)
が、そしてトベラ(Pittosporum tobia Ait.)からピトス
ポラノシドA2(pittosporanoside A2)(D. Takaoka, H.
Kawahara, S. Ochi, H. Nozaki, M. Nakayama, K. Ishi
zaki, K. Sakata and K. Ina, Chem. Lett., 1986, 112
1 参照) が、抗水中生物付着剤として単離されている。
また、上記アッセイの改良法を使用してカシワ(Quercus
dentata Thunberg)からアシル化カエンプフェロール・
グルコシド(acylated kaempferol glucoside,3-O-(2'',
6''-di-O-(E)-p-coumaroyl-β-D-glucopyranoside) (N.
Yamashita, K. Sakata, H. Ina and K. Ina, Agric. B
iol. Chem., 53, 3351 (1989)参照) が抗水中生物付着
剤として単離されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有機スズ化合物はその
有害性から抗水中生物付着剤としての使用を禁止される
に至っている。また、上記のような天然由来の水中生物
忌避剤のほとんどが芳香族化合物であり、分解しにくく
環境ホルモンとなる可能性もある。従って、水中生物付
着防止活性が高く、安全性の高い天然由来の抗水中生物
付着剤のさらなる開発の必要性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、以下に説
明する「ムラサキイガイを用いた抗水中生物付着物質に
ついての改良アッセイ法」(K. Ina, R. Takasawa, A. Y
agi, N. Yamashita, H. Etoh and K. Sakata, Agric. B
iol. Chem., 53 (12), 3319-3321, 1989参照)を使用し
て、広く天然物から抗水中生物付着活性の高い物質を探
索した結果、タスマニア地方に特有の植物であるタスマ
ニア・ランセオラータ(Tasmannia lanceolata)の葉のヘ
キサン抽出物が高い抗水中生物付着活性を示すことを発
見し、その活性成分をポリゴジアールとして同定し、今
般、本願発明の完成に至った。
【0005】従って、本願発明の第1の態様において
は、ポリゴジアールを有効成分として含有する水中生物
付着制御剤が提供される。本願発明の第2の態様におい
ては、タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia lanceol
ata)抽出物を含有する前記水中生物付着制御剤が提供さ
れる。この抽出は少なくともヘキサンを用いて行われる
工程を含む。本願発明の第3の態様においては、塗料の
形態にある前記水中生物付着制御剤が提供される。本願
発明の第4の態様においては、前記水中生物付着制御剤
に使用するための、タスマニア・ランセオラータ(Tasma
nnia lanceolata)から得られたポリゴジアール抽出物で
あって、ポリゴジアールを当該抽出物当たり20〜30
重量%で含有する、前記抽出物が提供される。また、本
願発明の第5の態様においては、タスマニア・ランセオ
ラータ(Tasmannia lanceolata)の乾燥葉からアルコール
抽出物を得る工程、その後ヘキサンで抽出する工程、及
び上記溶媒を除去する工程を含む、前記ポリゴジアール
抽出物の製造方法が提供される。さらに、本願発明の第
6の態様においては、前記のポリゴジアール抽出物と塗
料を混合する工程を含む、塗料の形態にある前記水中生
物付着制御剤の製造方法が提供される。
【0006】ポリゴジアール(polygodial)は以下の構造
式:
【0007】
【化1】
【0008】を有し、ジアルデヒドを有するセスキテル
ペンである。ポリゴジアールは、ヤナギタデ(polygonum
hydropier L.)などのタデ科植物(C. S. Barnes, J. W.
Loder, Aust. J. Chem. 15, 322 (1962) 参照) 、(Dri
mys lanceolata) などのシキミモドキ科植物、(Warburg
ia stublmannii) などのカンネラ科植物(I. Kudo et a
l., Chem. Commun. 1976, 1013参照)に含有されている
ことが知られている。また、辛味成分であること(Aust.
J. Chem., 15, 322 (1962) 参照) 、昆虫に対する摂食
阻害作用を有すること(Isr. J. Chem., 16, 28 (1977)
参照) 、抗真菌活性を有すること(Agric. Biol. Chem.,
48, 73 (1984)参照) 、味噌の保存料としての用途(特
開平3−259058号)、微生物に対する抗菌性(J.
Natural Products, 51, 22 (1988) 参照) 、カビ、酵母
などの真菌類に対して幅広く低濃度で発育抑制効果を発
揮すること(M. Taniguti et al: Agric. Biol. Chem.,
52(6), 1409-1414 (1988) 参照) 、アクチノマイシンD
のシネルギストであること(J. Nat. Prod., 51, 22 (19
88) 参照) 、抗白癬菌剤に用いられること( 特開昭63
−156718号公報参照) 、抗腫瘍活性を有すること
( 特開平3−251191号公報参照) 、他の抗菌剤に
対して相乗的抗菌作用を示すこと(J. Agric. Food Che
m., 40, 2328 (1992)及びJ. Agric. Food Chem., 41, 1
776-1779 (1993)参照) 、果物及び野菜の変色防止剤と
しての用途(特開平7−289163号公報参照)、コ
ンタクトレンズの消毒剤としての用途(特表平10−5
05067号公報参照)、食品保存剤としての用途(特
許番号第2683817号公報参照)、そして裸鰓亜目
(nudibranch)に含まれ海水及び淡水魚に対する摂食阻害
作用を有すること(SCIENCE, vol.219, 1237-1238 (198
3) 参照) 、また、高濃度では皮膚に炎症を起こすこと
が知られている。
【0009】上述のように、ポリゴジアールについては
さまざまな活性・用途をもつことが知られているが、ム
ラサキイガイを代表とする水中生物の付着を防ぐ効果が
あることは、今日まで全く知られていない。また、従来
技術の抗水中生物付着剤であるニコチンアミド、塩化ト
リフェニル・スズ、天然由来のキサンタチン及びカエン
プフェロールについては、以下に示すユニット値とし
て、それぞれ、313、100、19、及び227であ
り、CuSO4 に比較して、水中生物付着防止効果はど
れほど高いものではなかった(「ムラサキイガイを用い
た抗水中生物付着物質についての改良アッセイ法」(K.
Ina, R. Takasawa, A. Yagi, N. Yamashita, H. Etoh a
nd K. Sakata, Agric. Biol. Chem., 53 (12), 3319-33
21, 1989を参照のこと) 。
【0010】今般、広く天然物からの抗水中生物付着物
質の探索において、タスマニア・ランセオラータ(Tasma
nnia lanceolata)の乾燥葉の抽出物が、以下のムラサキ
イガイを用いた抗水中生物付着物質についての改良アッ
セイ法により高い水中生物付着活性を有することを発見
し(以下に示すユニット値として600(表2参照)、
その活性成分をポリゴジアールとして同定した。かかる
発見に基づき、ムラサキイガイ(blue mussel, Mytilus
edulis L.)をはじめとする水中付着生物に対して高い付
着忌避活性をもつポリゴジアールを有効成分として含有
する水中生物付着制御剤に係る発明を完成するに至っ
た。
【0011】ムラサキイガイを用いた抗水中生物付着物
質についての改良アッセイ法 上記アッセイ法は、K. Ina, R. Takasawa, A. Yagi, N.
Yamashita, H. Etohand K. Sakata, Agric. Biol. Che
m., 53 (12), 3319-3321, 1989 に記載されているが、
以下簡単に説明する。テスト生物:ムラサキイガイ(blu
e mussel, Mytilus edulis L.)(貝の長さ20〜30m
m)を静岡県の用宗漁港の潮の干満のある埠頭から採取
し、そして使用前約1月の間、流れ海水水槽内で飼育す
る。忌避剤アッセイの準備:商業的に入手可能な厚板
(ウェブロン(商標)(Webron)、厚紙、30x50x
0.5cm;Tokushu 製紙社製)を、MeOHで洗浄
し、そして使用前に乾燥させる。上記板上に、サンプル
・ゾーン(直径4cm)を互いに数センチメートル離し
てコンパスで線を引く。各サンプル・ゾーンを脱脂綿を
使用して、約0.5mlの揮発溶媒中に溶解したテスト
・サンプルでコートする。上記溶媒を蒸発させた後、4
つのテスト・イガイ(貝長20〜30mm)を、図1に
示すように、シアノーアクリレート接着剤(アロンアル
ファ(商標)東亜合成化学社製)を用いて、ゴム栓から
作ったスペーサー(5x5x5mm)を使用して、上記
サンプル・ゾーンの縁の周囲に固定する。
【0012】活性の評価:上記のように調製したアセイ
・プレートを流れ海水(約3.0 l/分)を備えた実験水
槽(100x70x30cm)の底に置き、水槽内を暗
くし、そしてその後3時間放置する。上記イガイは、非
活性サンプルの場合には、上記サンプル・ゾーン内に、
イガイ自身の真下に多数の(通常、3時間後に10〜2
0の)足糸(byssus)を介しての付着により上記サンプル
・プレートに付着するようになる。一方、活性サンプル
の場合には、上記イガイは、上記サンプル・ゾーンの外
側に足糸を介して上記サンプル・プレートに付着するよ
うになる(図1参照)。
【0013】各イガイにより作られた足糸の数を、上記
サンプル・ゾーンの外側に付着した足糸の数(A)対分
泌された足糸の合計数(B)の比を計算するために使用
する。(−2〜+2)の点数を、表1に示すように、分
泌された足糸の合計数と比A/Bに基づいて与える。例
えば、B>=7の場合、比A/B>=2/3には+2
が、そして比A/B<2/3には−2点が与えられる。
6>=B>=2の場合、点数は表1の対応表中に示すよ
うに、点数が与えられる。合計点数は、上記4つのイガ
イについての点数を合計することにより得られる。上記
テストを各化学物質について少なくとも2回繰り返し、
そしてその平均値を使用する。活性の評価は合計点数(T
p ) と足糸の数に基づき、以下のように行う:i)4(B
−A)<=2、T p =+8の場合、評価は++とし;i
i) 4(B−A)>2、かつ、+8>=T p =+4、+
4>T p >0、そしてT p =<0の場合、それぞれ、
+、+/−及び−とする。
【0014】
【表1】
【0015】また、上記アッセイにおいて、年間を通し
ての活性の比較のためにユニット値が導入された。上記
アッセイは年間を通して行われることができるが、ムラ
サキイガイは冬において生命力が高く、これゆえ忌避物
質に対して夏よりも冬において耐性が高い。それゆえ、
年間を通しての忌避活性の標準化のためにCuSO4 に比較
したユニット値が導入された。上記アッセイによける評
価++を示す最小サンプル量が、このユニット値の計算
のために使用される。以下の式:
【0016】
【数1】
【0017】を使用して、ユニット値を求める。
【0018】タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia l
anceolata)中の付着忌避活性成分としてのポリゴジアー
ルの同定 タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia lanceolata)
乾燥葉500gをMeOHに漬け、2週間放置し、メタ
ノール抽出物を得た。これは強いムラサキイガイ付着忌
避活性を示した。このメタノール抽出物をさらにn-ヘキ
サン、CHCl3 、EtOAc 、H2 Oでそれぞれ抽出した。こ
れら抽出物を上記ムラサキイガイの付着忌避試験に供し
たところ、ヘキサン抽出物のみが強い付着忌避活性を示
した。
【0019】このヘキサン抽出物(15g)をシリカゲ
ル・カラム・クロマトグラフィー(Silica gel :KANTO
、100 mesh up 、溶媒:n-ヘキサン- エチルエーテル
=100:0、99:1、98:2、97:3、95:
5、90:10、80:20、70:30、60:4
0、50:50、0:100、各1リッターでstepwis
e、各画分100mlずつ) に供し、画分A〜Zを得
た。これらの画分を薄層クロマトグラフィー(画分A〜
Iについてヘキサン- エチルエーテル=10:0で、画
分J〜Sについてヘキサン- エチルエーテル=10:1
で、そして画分T〜Zについてヘキサン- エチルエーテ
ル=2:1で展開し、そしてUV 254nm及びVanill
in-H2SO4/加熱により可視化した。)にかけた。画分A
〜Zの内10mg以上得られた画分を上記付着忌避試験
に供したところ、U、V、及びWの画分(およそ60:
40の部分で、各画分の重さは、それぞれ、0.66
g、1.26g、0.34g)に強い活性++が、そし
て画分Zに強い活性++が見られた。また、画分U、
V、及びWは、薄層クロマトグラフィーにおいて紫〜紫
赤に発色した。
【0020】このうち、画分U、V、及びWに共通なス
ポットがメインスポットである画分Wを0.26gさら
に、シリカゲル・カラム・クロマトグラフィー(Silica
gel:KANTO 、100 mesh up 、溶媒:n-ヘキサン- エチ
ルエーテル=4:1、2:1、各100mlでstepwis
e、各画分5mlずつ) に供して精製し、画分1〜22
を得た。画分11〜13(87.7mg)のみが、薄層
クロマトグラフィー(画分1〜22についてヘキサン-
エチルエーテル=2:1で展開し、そしてUV254nm
及びVanillin-H2SO4/加熱により可視化した。)におい
て紫赤に発色した。画分11〜13を1 H−NMR(CDC
l3, 500MHz) 分析にかけ、ポリゴジアール標品のスペク
トルとの比較により、画分11〜13に含まれる物質を
ポリゴジアールとして同定した。
【0021】
【実施例】タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia lan
ceolata)から得られるポリゴジアール抽出物の調製 タスマニア地方に特有のタスマニア・ランセオラータ(T
asmannia lanceolata)の葉を、その植物の上半分から摘
み、温風で乾燥させ、そして小枝を取り除く。乾燥した
葉をハンマー・ミルで粉砕して微粉末とし、そして抽出
工程を行う前に好ましくは造粒する。溶媒を使用して、
例えば、2日間にわたり上記造粒物又は微粉末から粗抽
出物を得る。この粗抽出物は、例えば、50%の上記溶
媒と50%の固形物から成る。上記溶媒については、親
水性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール等の低級アルコール、又はアセトン、メチルエ
チルケトン等のケトンなどを挙げることができるが、抽
出効率、濃縮操作の点からは、メタノールが好ましい。
疎水性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン等の低級炭化
水素を挙げることができる。上記粗抽出物から上記溶媒
を除去して、タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia l
anceolata)抽出物を得る。薄層クロマトグラフィーによ
る分析により、かかる抽出物100mg中にはポリゴジ
アールが20〜30mg含まれることが分かった。
【0022】水中生物付着忌避活性の評価 ムラサキイガイを用いた上記評価法に基づき、ポリゴジ
アール(販売元:フナコシ株式会社;製造元:高砂香料
株式会社)、上記のように得たタスマニア・ランセオラ
ータ(Tasmannia lanceolata)抽出物、及びCuSO4 につい
て、水中生物付着忌避活性を評価した。結果を以下の表
2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2からポリゴジアールは、600のユニ
ット値を有し、CuSO4 に比較して6倍の水中生物付着忌
避活性をもち、水中生物付着制御剤の成分として極めて
有効であることが分かる。また、上記タスマニア・ラン
セオラータ(Tasmannia lanceolata)抽出物についても、
サンプル・ゾーン4cm2当たり16mgの塗布量で水中生
物付着忌避活性が見られたことから、かかる抽出物を、
そのまま、水中生物付着制御剤の成分として使用するこ
とができる。
【0025】船底塗料の調製 ポリゴジアール及びポリゴジアールを高濃度で含有する
上記タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia lanceolat
a)抽出物は、固体であって水に難溶性であるが、有機溶
媒には容易に溶解するので、一般的な船底塗料に容易に
混合して使用することができる。船底塗料に限らず水中
で使用される塗料にも使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ムラサキイガイを用いた抗水中生物付着剤の評
価法の概要図である。
【符号の説明】 1…ムラサキイガイ(Mytilus edulis L.) 2…足糸(byssus) 3…足孔(pedal pore) 4…スペーサー 5…サンプル・ゾーン(直径40mm) 6…テスト・プレート(厚さ1.5mm)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリゴジアールを有効成分として含有す
    る水中生物付着制御剤。
  2. 【請求項2】 タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia
    lanceolata)抽出物を含有する水中生物付着制御剤。
  3. 【請求項3】 前記抽出が少なくともヘキサンを用いて
    行われる工程を含む、請求項2に記載の水中生物付着制
    御剤。
  4. 【請求項4】 前記水中生物付着制御剤が塗料の形態に
    ある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中生物付
    着制御剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の水中生物付着制御
    剤に使用するための、タスマニア・ランセオラータ(Tas
    mannia lanceolata)から得られたポリゴジアール抽出物
    であって、ポリゴジアールを当該抽出物当たり20〜3
    0重量%で含有する、前記抽出物。
  6. 【請求項6】 タスマニア・ランセオラータ(Tasmannia
    lanceolata)の乾燥葉からアルコール抽出物を得る工
    程、その後ヘキサンで抽出する工程、及び上記溶媒を除
    去する工程を含む、請求項5に記載のポリゴジアール抽
    出物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のポリゴジアール抽出物
    と塗料を混合する工程を含む、請求項4に記載の水中生
    物付着制御剤の製造方法。
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