JP2000290122A - 水硬性リン酸カルシウムセメント組成物 - Google Patents

水硬性リン酸カルシウムセメント組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な硬化速度を有し、操作性に優れ、且つ
硬化とともに生成するリン酸カルシウム化合物が、生体
骨に容易に吸収され、骨置換がなされる水硬性リン酸カ
ルシウムセメント組成物を提供する。 【解決手段】 第一リン酸カルシウム無水物粉体及び/
又は第一リン酸カルシウム水和物粉体、更にはβ型第三
リン酸カルシウム粉体を含むリン酸カルシウムセメント
粉体と、グルコン酸、その塩、アスコルビン酸、その
塩、エチレンジアミン四酢酸、その塩、アラニン及びそ
の塩等から選ばれる少なくとも1種の反応遅延剤とを含
有する水硬性リン酸カルシウムセメント組成物を得る。
反応遅延剤は、リン酸カルシウム粉末と反応遅延剤の合
計量を100重量部とした場合に、1〜15重量部、特
に1〜10重量部、更には1〜5重量部とすることが好
ましい。また、反応遅延剤の粒径が小さい場合は含有量
を少量とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医科用或いは歯科
用として有用なリン酸カルシウムセメント組成物であっ
て、純水等によって容易に混練し、硬化させることがで
き、また、適度な硬化時間を有し、操作性等に優れ、且
つ硬化にともなって析出するリン酸カルシウム化合物
が、生体骨に吸収され、置換される水硬化性リン酸カル
シウムセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに医科用或いは歯科用の水硬性
リン酸カルシウムセメント粉体が数多く開発されてい
る。これらの多くは硬化にともなってハイドロキシアパ
タイト(以下、「HAp」という。)が析出されるもの
である。このようなリン酸カルシウムセメント粉体を水
等によって混練し、混練体を生体骨の空隙部等に充填し
た場合、硬化とともに析出されるHApが高い生体親和
性を有するため、生体骨に直接強固に接合される。しか
し、このHApは難溶性のリン酸カルシウム化合物であ
り、生体内において吸収され難く、生体内にセメント硬
化体としてそのまま残留することが多い。
【0003】そこで、生体内において吸収され易いリン
酸カルシウム化合物が析出されるリン酸カルシウムセメ
ント粉体として、第一リン酸カルシウム水和物(以下、
「MCPM」という。)の粉体を使用し、これにβ型第
三リン酸カルシウム(以下、「β型TCP」という。)
粉体を併用したものが開発された(SILICATES
INDUSTRIELS 1987/9−10 p1
41−146)。このセメント粉体からなる硬化体の構
成相は、HApに比べて易溶性の第二リン酸カルシウム
(以下、「DCP」という。)と、未反応物であるβ型
TCPである。
【0004】これらDCP及びβ型TCPが、HApに
比べて溶解性が高く、生体骨に吸収され、置換されるこ
とは、他の文献にも報告されている(整形外科 199
7,48巻 8号 p1122−1126)。このよう
なリン酸カルシウムセメント粉体を含む混練体を生体骨
の欠損部等に充填した場合、生成する硬化体は徐々に溶
解し、生体骨に吸収され、置換される。つまり、生体骨
が形成されていない充填初期の段階では、硬化体の強度
によって生体骨が補強され、生体骨の形成とともに硬化
体が生体骨に吸収され、置換される。
【0005】このように生体内で生体骨に吸収され、置
換されるリン酸カルシウム化合物が析出されるリン酸カ
ルシウムセメント粉体としては、酸性化合物である上記
のMCPM等の他、第一リン酸カルシウム無水物(以
下、「MCPA」という。)等を含むものが挙げられ
る。これらMCPM及び/又はMCPAを含むリン酸カ
ルシウムセメント粉体の硬化反応は一般に以下のように
して進行する。セメント粉体と水とを混練することによ
り、先ず、MCPM又はMCPAが浴解し、混練体のp
Hを低下させる。それによってβ型TCP等の中性のリ
ン酸カルシウム化合物、又はリン酸四カルシウム等の塩
基性のリン酸カルシウム化合物が溶解し、反応して溶解
性の高いDCP或いはリン酸八カルシウム(以下、「O
CP」という。)が析出する。これらのリン酸カルシウ
ム化合物は生体内で徐々に溶解し、生体骨に吸収され、
置換される。
【0006】しかしながら、MCPM及びMCPA等は
水への溶解性が非常に高く、水を主成分とする混練液に
速やかに溶解し、硬化反応が非常に速やかに進行する。
従って、これらのリン酸カルシウム化合物を含むセメン
ト粉体は、硬化するまでの時間が短すぎ、臨床適用部位
にもよるが充填が因難となる場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
問題を解決するものであり、水を主成分とする混練液に
容易に溶解し、また、適度な操作可能時間(混練開始か
ら、混練体が硬化し、混練不能となるまでの時間)を有
し、充填操作等が容易であり、且つ硬化にともなって析
出されるリン酸カルシウム化合物が徐々に溶解して生体
骨に吸収され、置換される水硬性リン酸カルシウムセメ
ント組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明の水硬性リン酸
カルシウムセメント組成物(以下、「セメント組成物」
という。)は、リン酸カルシウムセメント粉体と、反応
遅延剤とを含有することを特徴とする。
【0009】上記「反応遅延剤」は、硬化反応が非常に
速やかに進行し、セメント組成物と混練液とを混合して
から硬化するまでの時間が短すぎるセメント組成物に配
合するものである。反応遅延剤の種類、粒径、添加量を
調整することによってセメント組成物の硬化反応の速度
が調整可能となるため、適用部位への充填等に要するセ
メント組成物の操作可能時間を制御することができる。
この反応遅延剤としては、これを含有させることによっ
て硬化体の構成相が変化することなく、また、硬化体の
生体骨への吸収、及び置換等が損なわれることがないも
のを使用することが好ましい。
【0010】この反応遅延剤としては、所期の目的が達
成される限り、どのような化合物を用いてもよいが、第
2発明のように、グルコン酸、その塩、アスコルビン
酸、その塩、エチレンジアミン四酢酸、その塩、ピロ亜
硫酸、その塩、アラニン及びその塩から選ばれる少なく
とも1種の化合物を使用することが好ましい。塩として
は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩等を使用することができる。第2発明において反応
遅延剤として用られる化合物は、いずれも医薬品の添加
剤として使用されているものであり、生体内で用いるセ
メント組成物に問題なく含有させることができる。
【0011】2種以上の化合物を併用する場合は、グル
コン酸、その塩、アスコルビン酸、その塩、エチレンジ
アミン四酢酸、その塩、アラニン及びその塩のうちの2
種以上を使用することがより好ましい。このように複数
の反応遅延剤を組み合わせることにより、単一の反応遅
延剤を用いた場合と同等の操作可能時間とするために必
要なそれぞれの反応遅延剤の含有量を低減させることが
できる。従って、2種以上の反応遅延剤を併用すること
は、使用するそれぞれの反応遅延剤の生体への埋入限界
量が少ない場合に特に有効である。これらの化合物がセ
メント組成物に含有されていることは、FT−IR、プ
ロトンNMR、XRD等によって分析し、確認すること
ができる。
【0012】反応遅延剤の含有量は、第3発明のよう
に、セメント粉体と反応遅延剤の合計量を100重量部
(以下、単に「部」という。)とした場合に、1〜15
部であることが好ましく、特に1〜10部、更には1〜
5部であることがより好ましい。いずれの反応遅延剤に
おいても、含有量を増加させることにより、セメント組
成物の硬化時間を長くすることができる。しかし、15
部を超える反応遅延剤を含有するセメント組成物では、
それ以上に操作可能時間を長くすることができないばか
りか、生成する硬化体の強度が反応遅延剤の溶出によっ
て相当に低下するため好ましくない。この反応遅延剤の
含有量を調整することにより、臨床適用部位に最適な操
作可能時間を有するセメント組成物とすることができ
る。反応遅延剤の含有量は、ピロ亜硫酸等の無機化合物
では、XRD、ICP発光分光分析、蛍光X線等によっ
て分析し、測定することができる。また、グルコン酸等
の有機化合物では、液体クロマトグラフィー、FT−I
R、TG−DTA等によって分析し、測定することがで
きる。
【0013】更に、反応遅延剤は、第2発明の化合物が
そうであるように粉末であることが多い。この場合、第
4発明のように、その平均粒径が0.1〜20μmであ
ることが好ましく、特に0.5〜15μmであることが
より好ましい。このような平均粒径を有する反応遅延剤
を使用することによって、より少ない含有量で所要の操
作可能時間を有するセメント組成物とすることができ
る。また、反応遅延剤の含有量を低減することができる
ため、強度の低下を抑えることもできる。この反応遅延
剤の製法は特に限定されず、どのような方法によって製
造されたものであっても使用し得る。更に、必要に応じ
て乳鉢等で粉砕し、第4発明の範囲の平均粒径を有する
ものとすることができる。尚、この粉砕は、遊星ミル、
ライカイ機等によって行うこともできる。また、セメン
ト組成物に含有される反応遅延剤の平均粒径はレーザー
回折式粒度分布測定装置によって測定することができ
る。
【0014】第1発明において、セメント粉体として
は、第5発明のように、MCPA粉体及びMCPM粉体
のうちの少なくとも一方を使用することが好ましい。こ
れらのセメント粉体は、硬化にともないDCPやOCP
を析出し、このような析出物で構成されるセメント硬化
体は、生体内での吸収、置換が期待される。更に、第6
発明のように、骨置換性に優れるβ型TCP粉体を併用
することによりセメント硬化体の骨置換性が向上すると
考えられる。これらのリン酸カルシウム化合物の製造方
法は特に限定されない。例えば、MCPMは市販のもの
をそのまま使用することができる。また、MCPAは市
販のMCPMを100〜220℃で加熱処理したものを
用いることができる。更に、β型TCPは、炭酸カルシ
ウムとDCPとの混合物を900〜1600℃で焼成し
たものを使用することができる。
【0015】混練液としては、純水、蒸留水等の水を主
成分とするものを使用することができる。混練液として
水のみを用いてセメント組成物を生体内に充填すること
もできる。また、セメント組成物の操作性、或いは生体
内での混練体の崩壊性等を考慮し、適量の水溶性高分子
等を含む混練液を使用することもできる。更に、混練
時、混練体に骨形成因子、抗ガン剤、抗生物質等を添加
することもできるし、硬化体を薬物徐放のための担体と
して利用することもできる。
【0016】第1乃至第3発明のセメント組成物を、純
水によって液粉比[混練液(g)/セメント組成物
(g)]0.3で混練し、JIS T 6602に定め
られた方法によって硬化させた場合、操作可能時間は8
分以上とすることができる。また、反応遅延剤の種類、
2種以上の組み合わせ及び含有量を選択することによ
り、操作可能時間を8〜40分に調整することが可能と
なる。更に、第4発明では、反応遅延剤の含有量を低減
させても同等の操作可能時間を有するセメント組成物を
得ることができ、且つ反応遅延剤を低減させたことによ
って、セメント硬化体の濡れ圧縮強度の低下が抑えられ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を更
に詳しく説明する。 (1)各種の反応遅延剤を用いた場合の操作可能時間の
評価 実施例1〜11 25.5部のMCPA粉体、59.5部のβ型TCP粉
体、及び反応遅延剤として表1に記載の化合物の粉末1
5部を混合し、セメント組成物を調製した。その後、こ
のセメント組成物に混練液として純水を添加し、混練し
た。液粉比は0.3とした。各実施例のセメント組成物
の操作可能時間を表1に併記する。
【0018】比較例1 MCPA粉体とβ型TCP粉体とを30:70の重量比
で混合し、反応遅延剤を配合しなかった他は実施例1と
同様にしてセメント組成物を調製し、同様にして純水に
よって混練しようとした。しかし、混練当初から混練体
が硬化し始め、操作可能時間は表1に記載のように僅か
に4分であった。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果によれば、比較例1のセメント
組成物の操作可能時間が4分であるのに対し、実施例1
〜11では10〜40分となっており、いずれの反応遅
延剤を使用した場合もセメント組成物の操作可能時間が
長くなっていることが分かる。また、このように反応遅
延剤の種類及び組み合わせを選択することにより操作可
能時間を10〜40分に調整することが可能であること
が分かる。
【0021】(2)硬化体の構成相の確認 表1のそれぞれのセメント組成物を純水によって液粉比
0.3で混練した。混練時間は操作可能時間によって適
宜調整した。その後、混練体をJIS T 6602に
定められた方法によって硬化させて硬化体とした。X線
解析装置を用いて同定したこれらの硬化体の構成相は、
いずれの硬化体においてもDCP及びβ型TCPであっ
た。このように比較例1と実施例1〜11とでは硬化体
の構成相が同じであり、反応遅延剤を含有させても構成
相は変化しないことが分かる。このことより、反応遅延
剤を含有させることによって硬化体の生体骨への吸収、
及び置換が損なわれることはないと推察される。尚、図
1は、実施例5と比較例1のセメント組成物からなる硬
化体の構成相が同じであることを示すX線回折のチャー
トである。
【0022】(3)グルコン酸カルシウムの含有量の検
討 実施例12〜15 MCPA粉体とβ型TCP粉体とを30:70の重量比
で混合し、この混合粉体に、反応遅延剤であるグルコン
酸カルシウム水和物(和光純薬株式会社製)粉末を表2
に記載の含有量(混合粉体と反応遅延剤との合計量が1
00部)となるように配合した。その後、得られた混合
粉体を純水によって液粉比0.3で混練した。これらの
混練体の操作可能時間を実施例1と同様にして評価し
た。結果を表2に併記する。
【0023】(4)グルコン酸カルシウム水和物の含有
量と硬化体の濡れ圧縮強度との相関及び硬化体の構成相
の確認 表2に記載のそれぞれのセメント組成物を実施例1と同
様にして混練し、得られた混練体をJIS T 660
2に従って同様にして硬化させ、硬化体とした。これら
実施例12〜15及び比較例1の硬化体の圧縮強度をオ
ートグラフによって測定した。結果を表2に併記する。
また、硬化体の構成相をX線解析装置を用いて同定し
た。
【0024】
【表2】
【0025】表2の結果によれば、グルコン酸カルシウ
ム水和物の含有量が15部までは、含有量が増加すると
ともに操作可能時間が長くなっていることが分かる。し
かし、20部では操作可能時間は15部の場合と同じで
あり、それ以上の効果はみられない。一方、グルコン酸
カルシウム水和物の含有量が増加するとともに濡れ圧縮
強度が低下する傾向にあり、15部を超えて含有させて
も、操作可能時間はそれ以上は長くはならず、濡れ圧縮
強度が低下するだけである。こられの結果は第3発明の
効果を裏付けるものである。更に、構成相は、いずれの
硬化体においてもDCP及びβ型TCPであり、反応遅
延剤を5〜20部含有させても硬化体の生体骨への吸
収、及び置換が損なわれることはないと推察される。
【0026】(5)グルコン酸カルシウム水和物の粒径
の評価 実施例16 実施例13において反応遅延剤として用いた平均粒径3
0μmのグルコン酸カルシウム水和物粉末を乳鉢で粉砕
し、45μmの篩通しを行い、平均粒径14μmの微粉
末とした。この微粉末を3部、MCPA粉体を29.1
部、及びβ型TCP粉体を67.9部混合し、得られた
混合粉体を純水によって液粉比0.3で混練した。この
混練体の操作可能時間、硬化体の濡れ圧縮強度及び構成
相を実施例13と同様にして評価した。その結果、操作
可能時間は19分であり、濡れ圧縮強度は225kg/
cm2であった。また、構成相は実施例13と同様にD
CPとβ型TCPであった。
【0027】このように、反応遅延剤を微細な粉末にす
ることにより、含有量を10部から3部へと大きく減量
させても同程度の操作可能時間となり、且つ濡れ圧縮強
度の低下を十分に抑えることができることが分かる。更
に、構成相にも変化はなく、微粉末を使用しても硬化体
の生体骨への吸収、及び置換が損なわれることはないと
推察される。これらの結果は第4発明の効果を裏付ける
ものである。
【0028】
【発明の効果】第1発明によれば、リン酸カルシウムセ
メントの操作可能時間を延長及び調整することが可能と
なり、充填等の操作性に優れたセメント組成物とするこ
とができる。また、第2乃至第4発明によれば、特定の
反応遅延剤、特に特定の平均粒径を有する反応遅延剤を
所要量用いることによって、より優れた性能のセメント
組成物とすることができる。更に、第5乃至第6発明に
よれば、特に硬化が素早く進行し、操作可能時間が短い
骨置換性のリン酸カルシウムセメントの操作可能時間を
延長及び調整することが可能となり、このようなリン酸
カルシウムセメントの従来の特性を維持しつつ、充填等
の操作性に優れたセメント組成物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5及び比較例1のセメント組成物からな
る硬化体のX線回折のチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 昌晃 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 奥山 雅彦 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AB06 BA12 CE11 CF011 CF25 DA11 4C089 AA06 AA10 BA17 BC02 BC05 BC09 CA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸カルシウムセメント粉体と、反応
    遅延剤とを含有することを特徴とする水硬性リン酸カル
    シウムセメント組成物。
  2. 【請求項2】 上記反応遅延剤が、グルコン酸、その
    塩、アスコルビン酸、その塩、エチレンジアミン四酢
    酸、その塩、ピロ亜硫酸、その塩、アラニン及びその塩
    から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1記
    載の水硬性リン酸カルシウムセメント組成物。
  3. 【請求項3】 上記リン酸カルシウムセメント粉体と上
    記反応遅延剤の合計量を100重量部とした場合に、上
    記反応遅延剤の合有量が1〜15重量部である請求項1
    又は2記載の水硬性リン酸カルシウムセメント組成物。
  4. 【請求項4】 上記反応遅延剤の平均粒径が0.1〜2
    0μmである請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記
    載の水硬性リン酸カルシウムセメント組成物。
  5. 【請求項5】 上記リン酸カルシウムセメント粉体が、
    第一リン酸カルシウム無水物粉体及び第一リン酸カルシ
    ウム水和物粉体のうちの少なくとも一方を含む請求項1
    乃至4のうちのいずれか1項に記載の水硬性リン酸カル
    シウムセメント組成物。
  6. 【請求項6】 更にβ型第三リン酸カルシウム粉体を含
    む請求項5記載の水硬性リン酸カルシウムセメント組成
    物。
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WO2015152129A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 クラレノリタケデンタル株式会社 歯科用硬化性組成物及びその製造方法

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