JP2000279094A - 豆入りコーヒー飲料及びその製造方法 - Google Patents

豆入りコーヒー飲料及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工場生産の作業性を改善し、高品質で、コー
ヒー本来の香味の保存性が良い豆入りコーヒー飲料を提
供する。 【解決手段】 焙煎したコーヒー豆に、70℃〜95
℃、30分〜120分の熱水処理及び/又は該処理と同
等の効果を奏する蒸煮処理をしてなる焙煎コーヒー豆。
前記焙煎コーヒー豆を含有している豆入りコーヒー飲
料。前記焙煎コーヒー豆を配合する工程を包含する豆入
りコーヒー飲料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焙煎コーヒー豆、
該豆を含有する豆入りコーヒー飲料及び該豆入りコーヒ
ー飲料の製造方法に関する。より詳細には、容器に充て
んする前に前処理を施した焙煎コーヒー豆、該豆を含有
することで香味の豊富で保存性に優れた豆入りコーヒー
飲料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コーヒーは香味に優れた飲料であり、か
つ含有するカフェインやタンニン等の作用により、気分
をリフレッシュして勉強や仕事への緊張感を持続させる
ことができるため、余暇や休憩時間以外にも学習中や勤
務中などの様々な生活のシーンで飲用されている。また
コーヒーは単に飲用する人の喉の渇きを癒したり、気分
をリフレッシュさせるだけでなく、嗜好性の強い飲料で
あることから、より高級感のある本格的な味わいのコー
ヒーを求める消費者の要望は大きい。ところで、コーヒ
ーの香気は一般に揮散しやすく、またその成分の一部は
酸化により劣化することが知られており、特に密封容器
入りコーヒー飲料において前述の香気の喪失や劣化が問
題になっていた。
【0003】コーヒーの香気が芳醇にして保香性に優れ
た容器入りコーヒー飲料の製造法として、耐圧性容器に
焙煎コーヒー豆を磨砕することなく、コーヒーエキス及
び必要に応じて添加水と共に収納し、密封後80〜13
0℃の温度で加熱抽出する容器入りコーヒー飲料の製造
法(特開昭53−99364号)が開示されている。
【0004】該発明は、従来の容器入りコーヒー飲料で
利用されていた焙煎コーヒー豆を粉砕後熱水抽出したコ
ーヒーエキスに加え、別途焙煎コーヒー豆を磨砕するこ
となく容器に密封し、容器中で加熱抽出することを特徴
とするため、揮散しやすいコーヒーの香気の保持には優
れているが、封入する焙煎コーヒー豆中に残存する酸素
や二酸化炭素等のガスが加熱抽出時に容器の内圧を高め
る上、脂質成分や香気成分の劣化を速めるという問題が
あった。更には、該発明をコーヒー飲料の工場製造に応
用すると、封入するコーヒー豆に含まれるガスのために
飲料中のコーヒー豆が浮遊し、高速充てんの際の充てん
機のノズルへ該コーヒー豆のかみ込みが起こるなどの充
てん作業の障害になるだけでなく、かみ込みによってコ
ーヒー豆が破損し、破損屑が容器に混入することによ
り、得られるコーヒー飲料に異物感を与えるだけでな
く、嗜好上好ましくない成分が該破損屑から抽出されて
飲料の品質を低下させるという問題があった。
【0005】一方、該発明の関連発明として、焙煎した
コーヒー豆を40℃〜95℃の温熱水で20秒〜360
秒間処理した焙煎コーヒー豆を容器に充てんすることを
特徴とする容器入りコーヒー飲料の製造法がある(特開
昭53−99367号)。該発明における焙煎コーヒー
豆の温熱水処理の主たる目的は、コーヒー豆に含まれる
炭酸ガスを主成分とするガスを除去して、巻締後に加熱
抽出する際の容器の内圧を低下させることにある。しか
しながら該条件では、本発明の実施例でも示したよう
に、豆中のガスの除去は不十分であり、吸水の程度も低
いため、依然充てん作業時にコーヒー豆が浮遊するな
ど、工場製造のための課題の克服には十分とはいえなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、焙煎し
たコーヒー豆を直接容器に充てんすることでコーヒーの
香味が保持されることを特徴とする豆入りコーヒー飲料
においては、コーヒー豆が含有する酸素等によるコーヒ
ー飲料の劣化の回避と、コーヒー豆が浮遊することによ
り発生する飲料の工場製造時の作業性の低下やかみ込み
によるコーヒー豆の破損、それらを要因とする豆入りコ
ーヒー飲料の品質低下の克服が重要な課題となってい
た。本発明の目的は、容器に充てんするコーヒー豆の容
器中での沈降性を高めることにより、飲料を工場製造す
る際の作業性を改善して、揮散しやすいコーヒーの香気
を保持した全粒以外にコーヒー豆の破砕屑の混入のな
い、高品質の豆入りコーヒー飲料が得られ、かつ容器に
封入された焙煎コーヒー豆中の酸素等を除去することに
より保存中の品質の劣化を抑制し、コーヒー本来の香味
の保存性が良い豆入りコーヒー飲料を消費者に提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
焙煎したコーヒー豆に、70℃〜95℃、30分〜12
0分の熱水処理及び/又は該処理と同等の効果を奏する
蒸煮処理をしてなる焙煎コーヒー豆に関する。本発明の
第2の発明は、前記焙煎コーヒー豆を含有していること
を特徴とする豆入りコーヒー飲料に関し、本発明の第3
の発明は、前記焙煎コーヒー豆を配合する工程を包含す
ることを特徴とする豆入りコーヒー飲料の製造方法に関
する。
【0008】本発明者らは、コーヒー本来の香味豊かな
容器入り本格的コーヒー飲料の製造方法として、焙煎コ
ーヒー豆を粉砕することなく容器に充てんし、密封後加
熱抽出する方法について鋭意検討した。その結果、焙煎
コーヒー豆を粉砕して熱水抽出したコーヒーエキスに加
えて、焙煎コーヒー豆を熱水処理及び/又は蒸煮処理等
の前処理を十分に施して脱気した後、粉砕することなく
該コーヒーエキスやその他の原料等と共に容器に充てん
し、密封してレトルト加熱するとバランスの良い味と香
りの豊富な豆入りコーヒー飲料が得られることを見出し
た。
【0009】更にコーヒー豆が含有する酸素や二酸化炭
素等のガスが該前処理により除去されて、得られる豆入
りコーヒー飲料の保存性が向上するのみならず、コーヒ
ー豆の沈降性が増して飲料製造時のコーヒー豆を容器に
充てんする際の作業性が改善されることはもとより、コ
ーヒー豆の充てん機へのかみ込みがなくなることから、
豆の破損と破損屑の発生に伴う飲料の品質の低下をも防
止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明に用いられるコーヒー豆の種類には特に限定
はなく、求められる香味のタイプに応じて適宜選択する
ことができる。また、通常行われるように、複数の異な
る種類のコーヒー豆をバランス良くブレンドして用いて
も良い。更には、香気を付与する目的で容器に粉砕する
ことなく充てんするコーヒー豆と、コーヒーエキスを得
るために粉砕して用いられるコーヒー豆とが同一である
必要はなく、異なるタイプの豆を用いても良い。
【0011】本発明に用いられるコーヒー豆の焙煎条件
は、容器充てん用、コーヒーエキス用のコーヒー豆のそ
れぞれにおいて選択することができ、同一の条件を用い
ても良いが、それぞれの目的に応じて選択された、コー
ヒー豆の種類と特徴に応じて適宜選択できる。
【0012】本発明で用いられる容器充てん用の焙煎コ
ーヒー豆の熱水浸漬処理は、コーヒー豆中に含有される
酸素や二酸化炭素等のガスが充分に除かれ、後述の飲料
用添加水中においてコーヒー豆が完全に沈降する条件で
行われれば良く、好適には70℃〜95℃、30分〜1
20分の処理が選択される。該条件より相対的に温度が
低いか時間が短い条件では、豆中に存在するガスの除去
が不十分なため、豆の浮きが発生して高速充てんが困難
になるだけでなく、保存中の品質の劣化の要因となり、
該条件より相対的に温度が高いか時間が長い場合には、
香味の劣る製品となる。
【0013】本発明で用いられる容器充てん用の焙煎コ
ーヒー豆の蒸煮処理は、定圧又は加圧下での蒸気による
加熱処理であって、前述の熱水処理同様、目的とするコ
ーヒー豆中に含まれる酸素や二酸化炭素等のガスが十分
に除かれ、後述の飲料用添加水中においてコーヒー豆が
完全に沈降する条件で行われれば良い。
【0014】本発明で用いられるコーヒーエキスの製造
方法には特に限定はなく、コーヒー豆の焙煎条件、焙煎
コーヒー豆の粉砕条件、粉砕した焙煎コーヒー豆からの
抽出方法等は通常使用されるコーヒーエキスの製造方法
から適宜選択できるが、酸味や苦味、こく味等のバラン
スを考慮するとドリップ法が好ましく、選択した抽出方
法に応じて焙煎条件や粉砕条件を選択することができ
る。またコーヒーエキスを得るために使用するコーヒー
豆の量は、通常用いられる使用量、具体的には飲料10
0g当り1g〜10gの範囲から目的に応じて選択する
ことができる。
【0015】本発明に必要に応じて用いられる甘味料に
は特に限定はないが、通常用いられる砂糖、ぶどう糖、
果糖、又はこれらの混合物である液糖等に加え、糖アル
コール、アミノ酸系甘味料、天然甘味料、合成甘味料
等、あるいはそれらの混合物の中から適宜選択して用い
ることができる。本発明において必要に応じて用いられ
る乳原料としては特に限定はなく、牛乳、脱脂乳、粉
乳、煉乳、生クリーム等を必要に応じて用いることがで
きる。本発明においては更に、油脂等の分離を防ぐ目的
で必要に応じて乳化剤等も用いることができる。
【0016】本発明に用いられる飲料充てん用密閉容器
には特に制限はないが、原料を充てん後密封してレトル
ト加熱する関係から、2kg/cm2以上の内圧に耐え
うる構造と材質のものであれば良く、通常はスチール缶
やアルミ缶等が使用される。
【0017】本発明における、焙煎コーヒー豆と、その
他の材料の容器への充てん条件、例えば、充てん順序
(同時、前後、又は予備混合)、速度、温度等の条件に
特に制限はない。
【0018】また本発明で用いられる充てん密封済み豆
入りコーヒー飲料のレトルト加熱方法に特に限定はな
く、通常用いられる殺菌を目的とする条件であればよ
く、好適には115℃〜125℃、10分〜40分の範
囲で処理される。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0020】実施例1 (コーヒー豆の熱水浸漬処理
時間と豆の沈降率、含水率並びに充てん機へのかみ込み
の有無との関係) 210℃で11分間焙煎し、焙煎度(L値)が20になる
よう調整したコーヒー豆、40kgを、粉砕せずに85
℃の熱水、1600リットルに所定の時間浸漬した。浸
漬処理済の未粉砕の焙煎コーヒー豆を、公知の高速粒充
てん機でスチール缶に缶当り約6g充てんし、更に95
℃の熱水、185gを高速充てん機で充てんした。この
ようにして得られた浸漬処理済焙煎コーヒー豆の沈降率
及び含水率、更にこれらのコーヒー豆を容器に充てんす
る際の充てん機へのコーヒー豆のかみ込みの状態並びに
充てん速度を表1に示す。表1において、沈降率は完全
に沈降したコーヒー豆の全体に対する百分率を、含水率
は、浸漬処理したコーヒー豆中の水分量を、湿重量並び
に乾燥重量の差から求めて湿重量に対する百分率で示し
た。
【0021】
【表1】表1 焙煎コーヒー豆の熱水浸漬時間と豆の沈
降率及び含水率との関係、並びに飲料充てん時の充てん
機への豆のかみ込みの有無と充てん速度
【0022】表1に示すように、浸漬時間が20分の条
件ではコーヒー豆の沈降率が10%未満と不十分なた
め、熱水充てん時にコーヒー豆が浮遊して高速充てん機
のノズルへのかみ込みが起こり、高速充てんは不可能で
あった。しかし浸漬時間が30分以上の場合には、豆の
沈降率及び含水率は十分に高く、高速充てん機への豆の
かみ込みは発生せず、高速充てんが可能で、豆の破損も
なく、豆入りコーヒー飲料の品質が良好に確保できた。
【0023】上記の表1で示したコーヒー豆の浸漬時間
と沈降率、含水率との関係を示すグラフを図1に示す。
図1において、縦軸の黒ひし形印は沈降率(%)、黒四
角印は含水率(%)を示し、横軸は浸漬時間(分)を示
す。
【0024】実施例2 (浸漬温度と豆の沈降率、吸
水率並びに充てん機へのかみ込みの有無と充てん速度と
の関係) 210℃で11分間焙煎し、焙煎度(L値)が20になる
よう調整したコーヒー豆、35kgを、粉砕せずに所定
の温度の熱水、560リットルに120分間浸漬した。
熱水浸漬処理済の未粉砕の焙煎コーヒー豆を、実施例1
と同様スチール缶に充てんし、更に95℃の熱水を充て
んした。得られた浸漬処理済焙煎コーヒー豆の沈降率及
び含水率、コーヒー豆のかみ込みの状態並びに充てん速
度を表2に示す。
【0025】
【表2】表2 焙煎コーヒー豆を浸漬する熱水の温度と
豆の沈降率及び含水率との関係、並びに飲料充てん時の
充てん機への豆のかみ込みの有無と充てん速度
【0026】表2に示すように、浸漬温度が60℃以下
で処理されたコーヒー豆の沈降率が70%以下と不十分
な条件では、実施例1と同様コーヒー豆の浮遊と充てん
機へのかみ込みが起こり、高速充てんは不可能であっ
た。しかし浸漬温度が70℃以上の場合には、豆の沈降
率及び含水率は十分に高く、豆のかみ込みは発生せず、
高速充てんが可能で、豆の破損もなく、高品質の豆入り
コーヒー飲料が得られた。
【0027】実施例3 (豆の熱水処理時間が充てん
後の品質の保存安定性に及ぼす影響) 210℃で11分間焙煎し、焙煎度(L値)が20になる
よう調整したコーヒー豆、40kgを、粉砕せずに85
℃の熱水、1600リットルに10分〜60分浸漬し
た。浸漬処理済の未粉砕コーヒー豆を飲料総量に対して
3%に相当する量をスチール缶に収納した。対照には浸
漬処理しないコーヒー豆を用いた。そこに粉砕した焙煎
コーヒー豆から得られたコーヒーエキス、砂糖、牛乳、
乳化剤、炭酸水素ナトリウムからなる90℃の添加水を
加え、巻締機で密封した。本実施例で用いた添加水の成
分組成を表3に示す。本実施例で得られた容器入りコー
ヒー飲料を室温にて12ヶ月保存し、官能評価を行っ
た。
【0028】
【表3】表3 豆入りコーヒー飲料に用いる添加水の成
分表
【0029】官能試験の結果、熱水浸漬時間が30分未
満の場合には一部の製品に豆のかみ込みに起因する豆の
破損屑が混入し、くどい味やえぐ味か感じられた。これ
らの製品は長期間保存すると香味の劣化、特に酸化臭の
発生が認められた。これに対し、30分以上の熱水浸漬
処理を行った製品では、さわやかな酸味とバランスの良
いこく味、好ましい本格的焙煎香気を持ったコーヒー飲
料が得られ、長期保存後も香味の劣化は認められなかっ
た。
【0030】実施例4 (焙煎したコーヒー豆への熱
水処理の有無が及ぼす容器に充てん後の豆入りコーヒー
飲料の官能評価と保存性への影響) 210℃で11分間焙煎し、焙煎度(L値)が20になる
よう調整したコーヒー豆、150kgを、粉砕せずに8
5℃の熱水、1100リットルに50分間浸漬した。対
照には焙煎後熱水浸漬しないコーヒー豆、あるいは85
℃、6分間の熱水浸漬処理をしたコーヒー豆を用いた。
浸漬処理済み又は未処理のコーヒー豆、各3%相当分を
個別にスチール缶に収納充てんし、更に別途表3に示す
実施例3と同様の組成からなる90℃の添加水を加え、
巻締機で密封し、124℃、25分のレトルト加熱を行
った。このようにして得られた各製品のうち、85℃、
50分間の熱水処理を行ったコーヒー豆を用いた製品を
本発明品、未浸漬処理の豆を用いたものを対照品1、及
び85℃、6分間の熱水処理を行ったコーヒー豆を用い
た製品を対照品2と称する.これらの豆入りコーヒー飲
料を5℃、常温又は37℃の条件で一定期間保存後、開
栓して官能評価を行った。
【0031】実施例4において得られた、本発明品の中
に充てんされたコーヒー豆は熱水浸漬処理により添加水
中に充分沈降し、豆の充てん機へのかみ込みもなく、従
って豆の破砕屑の混入もなかった。このため本発明品
は、レギュラーコーヒーに似た香りとバランス良い風味
の良好な豆入りコーヒー飲料であった。本発明品はま
た、5℃、12ヶ月間、常温で12ヶ月間、又は37
℃、2ヶ月間の保存後も、香りや味の劣化は感じられ
ず、製造初期の香味が保たれていた。一方で、浸漬処理
をしていない対照品1、並びに熱水浸漬処理が不十分な
対照品2においては、製造初期には香りは良好であった
が、くどい味わいのコーヒー飲料であり、一部にかみ込
みにより豆の破砕屑の混入が認められるなど、ロット差
が認められた。更に対照品1、及び2の保存試験の結果
は、程度の違いはあるものの、いずれも香味の劣化が認
められ、対照品1の一部では明らかな酸化臭が認められ
るなど、本格的コーヒー飲料とは呼べない品質であっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明においては、焙煎コーヒー豆を容
器に封入する前に熱水浸漬処理を施すため、コーヒー豆
中の酸素や二酸化炭素等のガスが除去されてコーヒー豆
の沈降性が良好であり、該コーヒー豆を容器に充てんす
る際の作業性が改善され、充てん機への豆のかみ込みが
発生することなく高速充てんが可能となり、コーヒー豆
の破損の容器への混入も無いため、高品質の豆入りコー
ヒー飲料が得られた。また本発明により得られる豆入り
コーヒー飲料においては、前処理したコーヒー豆を粉砕
又は破損されることなく容器に密封してレトルト加熱す
るためコーヒー本来の香味が豊富でバランスが良くレギ
ュラーコーヒーに似た味わいのコーヒー飲料が得られる
と共に、酸化等の劣化が抑制され保存性も向上するな
ど、産業上利用効果大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱水処理の条件を特定するため、表1
で示したコーヒー豆の浸漬時間と沈降率、含水率との関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 哲 東京都中央区日本橋2丁目15番10号 寳酒 造株式会社東京事務所内 Fターム(参考) 4B027 FB24 FC01 FC02 FC05 FE08 FK08 FQ03 FQ19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焙煎したコーヒー豆に、70℃〜95℃、
    30分〜120分の熱水処理及び/又は該処理と同等の
    効果を奏する蒸煮処理をしてなる焙煎コーヒー豆。
  2. 【請求項2】コーヒー飲料において、該飲料中に請求項
    1記載の焙煎コーヒー豆を含有していることを特徴とす
    る豆入りコーヒー飲料。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の豆入りコーヒー飲料を製
    造する方法において、請求項1記載の焙煎コーヒー豆を
    配合する工程を包含することを特徴とする豆入りコーヒ
    ー飲料の製造方法。
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