JP2000270763A - 新規魚肉加工食品及びその製造法 - Google Patents

新規魚肉加工食品及びその製造法

Info

Publication number
JP2000270763A
JP2000270763A JP11081609A JP8160999A JP2000270763A JP 2000270763 A JP2000270763 A JP 2000270763A JP 11081609 A JP11081609 A JP 11081609A JP 8160999 A JP8160999 A JP 8160999A JP 2000270763 A JP2000270763 A JP 2000270763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fish meat
salt
processed
koji
meat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11081609A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Mizutani
忠士 水谷
Jiro Kataoka
二郎 片岡
Shigeru Yamanaka
茂 山中
Yukako Suzuki
鈴木友香子
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Toshiaki Ohira
利明 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KATSUO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
KATSUO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KATSUO GIJUTSU KENKYUSHO KK, Ajinomoto Co Inc filed Critical KATSUO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority to JP11081609A priority Critical patent/JP2000270763A/ja
Publication of JP2000270763A publication Critical patent/JP2000270763A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】糸状菌に由来する特有の発酵風味と生ハム様の
食感を有する新規な魚肉加工品、すなわち「珍味」を提
供することを目的とする。 【解決手段】 生魚肉又は加熱魚肉からなる非乾燥魚肉
と糸状菌を生育させた固体麹とを食塩存在下に混合し、
そのままの状態で塩漬け、乾燥及び糸状菌による発酵熟
成の各処理を好気的条件下で同時並行で施す処理工程に
付すことを特徴とする、魚肉加工食品の製造法と、該方
法で製造される、生ハム様食感を有する魚肉珍味食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予め糸状菌を生育
させた麹を、固体状態のままで、非乾燥状態、すなわち
湿り状態又は中間水分状態の魚肉に作用させ、発酵熟成
させることによって得られる、生ハム様の食感を有する
魚肉加工食品とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】糸状菌を活用した魚加工食品としては、
かつお節などの乾製品やこうじ漬などの発酵湿潤食品が
知られている。このうち、魚のこうじ漬製品は、諸味状
態の麹で魚を発酵熟成処理して製造されているものであ
る。この麹漬はいわゆる漬物であることから、嫌気状態
での乳酸菌などの他の微生物の生育を期待するものであ
り、麹カビ自体の生育による発酵熟成を期待するもので
はない。このように、従来は、かつお節のような完全乾
燥製品を除けば、糸状菌そのものの生育による発酵熟成
を活用した魚肉製品は殆どなく、特に、生ハム様の食感
を呈する糸状菌処理した魚肉製品は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】畜肉加工品である生ハ
ムは半年以上の製造期間を必要とする。本発明は、魚肉
を原料にして、糸状菌に由来する特有の発酵風味と生ハ
ム様の食感を有する新規な魚肉加工品、すなわち「珍
味」を提供することを目的とするものであり、特に1ケ
月以内という短期間で畜肉加工品である生ハムに類似し
た食感を呈する「珍味」である魚肉加工食品を製造する
ことができる方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、麹を用い
た魚肉加工食品について鋭意研究した結果、生魚肉又は
加熱処理した魚肉のように、乾燥しておらず、未だ湿潤
状態にある中間水分の魚肉を、食塩及び糸状菌を生育さ
せた固体麹と混合し、そのままの状態で、温度と湿度を
制御できる部屋に置くと、糸状菌の生育による発酵熟成
と、塩漬けと、緩慢な乾燥とが同時並行して生起して、
短期間で簡便に糸状菌由来の発酵風味と生ハム様の食感
を有する魚肉加工品が得られることを見いだし、本発明
に到達した。本発明は以下の各発明を包含する。
【0005】(1) 生魚肉又は加熱魚肉からなる非乾燥状
態の魚肉を、食塩の存在下に、糸状菌を生育させた固体
麹によって好気的条件下で発酵熟成処理して得られた、
魚肉加工食品。 (2) 前記固体麹は、ペニシリウム属、ユ−ロチウム属、
アスペルギルス属及びモナスカス属に属する糸状菌から
選ばれた少なくとも1種を生育させた固体麹であること
を特徴とする、(1) 項記載の魚肉加工食品。 (3) 前記魚肉加工製品は、水分含量25〜50重量%、
好ましくは30〜45重量%であることを特徴とする、
(1) 項又は(2) 項記載の魚肉加工食品。 (4) 前記非乾燥状態の魚肉は、生魚肉又は加熱魚肉を食
塩、食塩含有糠床、醤油、味噌及び食塩含有酒粕から選
ばれる少なくとも1種で漬け込み処理して得られる、食
塩を含有する非乾燥状態の魚肉であることを特徴とす
る、(1) 項〜(3) 項のいずれか1項に記載の魚肉加工食
品。
【0006】(5) 生魚肉又は加熱魚肉から選ばれる非乾
燥状態の魚肉と糸状菌を生育させた固体麹とを食塩存在
下に混合し、そのままの状態で塩漬け、乾燥及び発酵熟
成の各処理を好気的条件下で同時並行で施す処理工程に
付すことを特徴とする、魚肉加工食品の製造法。
【0007】(6) 前記固体麹は、ペニシリウム属、ユ−
ロチウム属、アスペルギルス属及びモナスカス属に属す
る糸状菌から選ばれた少なくとも1種を生育させた固体
麹であることを特徴とする、(5)項記載の魚肉加工食品
の製造法。
【0008】(7) 前記の塩漬け、乾燥及び発酵熟成の各
処理を同時並行で施す処理工程は、生魚肉及び加熱魚肉
から選ばれる非乾燥状態の魚肉を、食塩の存在下、25
℃〜50℃、湿度40%〜95%の条件下で、1〜4週
間、糸状菌を生育させた固体麹と混合接触させることに
よって、魚肉に糸状菌を生育させて発酵熟成する処理
と、存在する塩による魚肉の塩漬け処理と、魚肉中の所
定量の水分の緩慢な放散を伴う乾燥処理を同時並行で生
起せしめる工程であることを特徴とする、(5) 項又は
(6) 項に記載の魚肉加工食品の製造法。
【0009】(8) 前記非乾燥状態の魚肉は、生魚肉又は
加熱魚肉を、塩、食塩含有ぬか床、味噌、醤油、食塩含
有酒粕等から選ばれる少なくとも1種によって漬け込み
処理をして得られる、食塩を含有する非乾燥状態(すな
わち、湿り状態)の魚肉であることを特徴とする、(5)
項〜(7) 項のいずれか1項に記載の魚肉加工食品の製造
法。
【0010】
【発明の実施の形態】前述したように、本発明の魚肉加
工品は、予め糸状菌を生育させた固体麹を食塩と一緒
に、非乾燥状態(湿り状態)の中間水分魚肉に作用さ
せ、塩漬け、乾燥、発酵熟成の3処理工程を同時並行で
行うことによって製造される。本発明に用いられる魚種
は、かつお、まぐろ、ぶり、さけ、さば、あじ、こい、
ふな等であり、魚種は特に限定するものではないが、比
較的大型の魚であることが好ましい。また、本発明にお
いて用いられている「魚肉」とは、魚の正肉部のみなら
ず、皮、頭、内臓及びそれらの混合物をも含むものであ
る。
【0011】本発明の魚肉加工品を製造するために用い
られる微生物、すなわち糸状菌は、ペニシリウム属、ユ
ーロチウム属、アスペルギルス属、ペシロミセス属の微
生物であって、例えばペニシリウム・ロックフォルティ
(Penicillium roquefortii)、ペニシリウム・カマン
ベルティ(Penicillium camemberti)、ペニシリウム・
グラニュラツム(Penicillium granulatum)、ペニシリ
ウム・ミクジンスキ−(Penicillium myczinskii)、ペ
ニシリウム・エキスパンザム(Penicillium expansa
m)、ペニシリウム・シアネオフルバム(Penicillium c
yaneo-fulvun )、ユ−ロチウム・シェバリエリ(Eurot
ium chevalieri )、ユーロチウム・レペンス(Eurotiu
m repens )、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus o
ryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus soyae
)、アスペルギルス・グラウカス(Aspergillus glauc
us )、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami
)、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saito
i)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger
)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori
)、アスペルギルス・ジャポニクス(Aspergillus jap
onicus )、ペシロミセス・フモソロセウス(Paecilomy
ces fumosoroseus )、並びにモナスカス属の微生物で
あり、好ましいものとしては、例えばモナスカス・アン
カ(Monascus anka )が挙げられる。これら微生物は1
種又は数種を混合で使用することができる。
【0012】上記微生物の中で、アスペルギルス・オリ
ゼやアスペルギルス・ソ−ヤは醤油用麹菌、味噌用麹菌
として市販されており、容易に入手できる。一方、その
他の微生物の代表的な菌株は、国内外の公的な微生物寄
託機関に寄託、保存されており、分譲を受けて本発明の
実施に使用することができる。なお、本発明で使用され
る微生物菌株を保管している国内外の代表的な公的な微
生物寄託機関としては、例えばセントラルビュロ−・フ
ォ−ル・シンメルクルツ−レス、オランダ国バ−ルン
市、機関名略号CBS(Centraalbureau voor Schimmel
cultures,Baarn,Netherlands );(財団法人)発酵
研究所、大阪市、機関名略号IFO;理化学研究所微生
物系統保存施設、埼玉県和光市、機関名略号JCMが挙
げられる。
【0013】また、これらの各属に属する微生物を保有
する食品から、新たに分離して使用することができる。
例えば、乳腐(チャイニ−ズチ−ズ)、鰹節、チ−ズ、
サラミソ−セ−ジ、生ハムなどから分離して使用するこ
とができる。
【0014】麹の製法は特に限定されるものではなく、
従来一般的に用いられている方法がそのまま利用でき
る。麹の基質としても、米、麦、ふすまなど特に限定さ
れるものではない。種麹は1種類の糸状菌のみならず、
2種以上の糸状菌を同時に添加し、増殖させることもで
きる。あるいは数種類の糸状菌をそれぞれ単独に生育さ
せた麹を作り、これらを適宜混合して用いることもでき
る。この場合、ペニシリウム属の微生物は、ユ−ロチウ
ム属の微生物よりも水分の多い環境を好むことから、先
にペニシリウム属の麹を魚肉に作用させて発酵を促進さ
せ、後にユ−ロチウム属の麹を添加して熟成することも
できる。
【0015】本発明の魚肉加工品の一般的な製造法は、
以下に述べる通りである。まず、魚肉は、麹との接触面
積を大きくするためは、厚さを約0. 5〜5cmに切断
することが好ましいが、魚体そのままの状態であっても
差し支えない。用いる麹は、そのままか、予め麹に対し
て塩を加えてよく混合しておく。麹の魚肉に対する使用
量に特に制限はないが、一般的には魚肉/固体麹=3〜
1重量部/1〜3重量部の範囲で適宜選択される。
【0016】食塩の使用量は、最終製品中に含有せしめ
る塩分量に応じて任意に設定することができる。通常、
製品としての魚肉加工製品中における塩分量は、2〜7
重量%であることが好ましい。塩漬けや味噌漬けのよう
な前処理されている魚肉の場合は、前処理によって含有
せしめられた塩分量を考慮して追加の塩分の必要量が適
宜決定される。通常、前処理をしない魚肉の場合は、麹
に対して5〜20重量%の塩が混合使用される。
【0017】食塩を混合した麹は、被加工魚肉の表面を
覆うように十分量からめて、通気性のよい浅い容器に入
れ、温度25℃〜50℃、湿度40%〜95%で、1週
間〜4週間、好ましくは32℃〜42℃、湿度50%〜
90%で、2〜3週間発酵熟成させる。温度及び湿度を
上記の範囲に維持することには、固体麹による発酵熟成
を十分に行うことができるように、魚肉が早く乾燥して
しまうことを防止するという技術的意義がある。この条
件で、魚肉表面に糸状菌の生育が認められる。25℃以
下では発酵熟成が遅れ、50℃以上では魚肉の乾燥が速
まり、また麹も十分には生育しない。本発明は、従来の
麹漬け処理の場合には比較的低温で水中に浸漬乃至懸濁
させた麹を魚肉に作用させるものであるのに対して、上
記条件のように固体状態のままの麹を比較的に高温で魚
肉に作用させることにより、麹の糸状菌を魚肉と接した
状態でさらに生育させて魚肉の発酵熟成を1〜4週間で
完成することを特徴としている。
【0018】本発明の魚肉加工品は、微生物を生育させ
た麹が生魚肉のような湿潤状態の魚肉に作用して微生物
の酵素作用により魚肉中の脂肪、蛋白質を分解すること
によって独特の香気成分が醸成されている。また、魚肉
加工食品を製造するための処理工程は、食塩存在下で、
大量の固体麹を高温、かつ比較的に短時間魚肉に作用さ
せる処理工程であるため、雑菌による汚染の心配がな
い。
【0019】上記の固体麹による処理を終了した後、魚
肉表面に生育した糸状菌は削ぎ取られる。糸状菌を削ぎ
取った魚肉加工品は薄片状にスライスすると、独特のう
ま味、こく、酸味等を有していて魚肉独特の臭みはな
く、糸状菌由来の発酵風味と、生ハム様の食感を呈す
る、いわゆる「珍味」であり、そのままか、又は加熱処
理して食することのできる食品として最適である。一
方、糸状菌が生産する抗酸化物質に起因して製品の保存
性が優れている。次に実施例により、本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0020】
【実施例】実施例1 米500gを水に3時間浸漬後、蒸し器で50分蒸し、
この蒸し米を広げ、約40℃に冷却し、これに種麹(株
式会社秋田今野商店製、商品名;醤油用2号菌「Asperg
illus oryzae」)を約200mg混合し、30℃で4日
間製麹して米麹を作成した。生のかつお赤身肉500g
(水分70%)を約1. 5cmの厚さに切断し、米麹に
15%の食塩を加えてよく混合したものを赤身肉の表層
に付着させ、これを麹蓋に入れ、37℃、湿度70%の
恒温恒湿槽内で2週間培養した。培養中に魚肉の乾燥が
緩慢に進み、約300gの魚肉加工品(水分42%、食
塩7%)が得られた。
【0021】こうして調製した魚肉加工品の表層に付着
している糸状菌を削ぎ取った後、薄片状にスライスした
ものは、生ハム様のもちもちした食感を有し、かつお蛋
白質が分解されたことによるうま味、こくと糸状菌由来
の発酵熟成風味を有し、従来市場では見出されない珍味
食品であった。
【0022】得られたかつお加工品と原料のかつお赤身
肉(生かつお)の遊離アミノ酸組成を比較した結果、表
−1に示す如く、かつお加工品には生かつおの約6倍
(乾物換算ベ−ス)の遊離アミノ酸が含まれていること
がわかった。
【0023】
【表1】 実施例2 ユウロチウム・レペンス(Eurotium repens )IFO
4041株を50%シークロース添加YM寒天培地の試
験管で、25℃、1週間、斜面培養してリフレッシュを
行い胞子を形成させた。この試験管1本分の胞子を実施
例1と同様の方法で調製した蒸し米と混合し、30℃で
4日間製麹して麹(1) を作成した。また、ペニシリウム
・ロックフォルティ(Penicillium roquefortii) IFO
4622株をジャガイモ寒天培地の試験管で、25℃、
1週間培養してリフレッシュを行い胞子を形成させた。
この試験管1本分の胞子とアスペルギルス・オリゼ
〔(株)秋田今野商店製 醤油用2号菌〕約200mg
を、実施例1と同様の方法で調製した蒸し米と混合し、
30℃で4日間製麹して麹(2) を作成した。麹(1) 及び
(2) をそれぞれ実施例1と同様の方法で生のかつお赤身
肉と混合し、培養してかつお加工品(1) (水分41%、
食塩7%)及びかつお加工品(2(水分43%、食塩7
%)をそれぞれ約300gづつ調製した。
【0024】得られたかつお加工品をスライス状に切断
して官能評価した結果、かつお加工品(1) は実施例1の
加工品に比べて魚風味が弱く、甘味が強い特徴を有して
いた。かつお加工品(2) は、実施例1の加工品に比べて
魚風味が弱く、複雑味が強い特徴を有する珍味であっ
た。
【0025】実施例3 生かつお赤身肉500g(水分70%)を約1.5cm
の厚さに切断したものを10%の食塩水300mlに浸
し、4℃で2日間塩漬けを行った。その後、赤身肉を取
り出し、実施例1と同様の方法で調製した米麹500g
に塩5%を混合したもので赤身肉の表面を覆い、麹蓋に
移した。温度35℃、湿度60%の恒温、恒湿槽内で2
週間培養して、約300gのかつお加工品(水分40
%、食塩含量5%)を得た。得られたかつお加工品は、
実施例1の加工品に比べて塩味の弱い特徴を有する珍味
であった。
【0026】実施例4 90℃〜95℃の熱水で約60分間、加熱処理したかつ
お赤身肉500g(水分60%)を約1.5cmの厚さ
に切断した。これを別に調製した米糠床2kg〔商品名
「生ぬか」の生糠1kgに食塩140gと水860gを
加え、5Lの蓋付きポリ樽容器に入れて米糠床としたも
の。生糠は、越後製菓(株)製、長岡市呉服町、であ
る。〕に漬け込み、15乃至20℃の室温下で1日に一
度攪拌を行いながら、2日間漬け込んだ。その後、赤身
肉を取り出し、実施例1と同様の方法で調製した米麹5
00gに塩4%を混合したものを、赤身肉の表面に覆
い、麹蓋に移した。温度37℃、湿度60%の恒温恒湿
槽内で2週間培養して、約290gのかつお加工品(水
分38%、食塩3%)を得た。得られたかつお加工品
は、実施例1の加工品に比べて、ぬか漬風味を有すると
共に、酸味と複雑味を有する珍味であった。
【0027】実施例5 90〜95℃の熱水で約60分間、加熱処理したかつお
の内臓(胃、腸、幽門垂、ハラモ)を網目30mmのチ
ョッパー〔 (株) 平賀製作所製 No521-E 型神戸市〕に
かけた粉砕品500g(水分65%)に、タンパク結着
酵素トランスグルタミナーゼ〔味の素 (株) 製、商品名
「アクティバTG−B」(水溶き用)5gと水15gの
混合物〕を加え、良く混合させた。次いでこれを深さ3
cm程度の容器に入れ、冷蔵庫内で一夜放置させた。
【0028】これにより、かつおの内臓は、一つの大き
なブロックとなったので、これを厚さ2cm程度にスラ
イスした。次いでこれを12%の食塩水に4℃で2日間
塩漬けした。その後、内臓を取り出し、実施例1と同様
の方法で調製した米麹500gで内臓の表面を覆い、麹
蓋に移した。温度38℃、湿度70%の恒温恒湿槽内で
10日間培養して、約300gのかつお内臓の加工品
(水分40%、食塩4%)を得た。得られた内臓加工品
は、実施例1の加工品にくらべ、食感が少しモサツク以
外は、塩味が弱い特徴を有する珍味であった。
【0029】実施例6 まぐろ赤身肉の端物500g(水分70%)に、タンパ
ク結着酵素トランスグルタミナーゼ〔味の素(株)製、
商品名「アクティバ TGC−B(まぶし用)〕を1%
(5g)加え、良く混合させた。次いでこれを深さ3c
m程度の容器に入れ冷蔵庫内で一夜放置させた。これに
より、まぐろ赤身肉の端肉は、一つの大きなブロックと
なったので、これを厚さ2cm程度にスライスした。次
いでこれを12%の食塩水に4℃で2日間塩漬けした。
その後、まぐろ赤身肉を取り出し、実施例1と同様の方
法で調製した米麹500gで赤身肉の表面を覆い、麹蓋
に移し、温度37℃、湿度60%の恒温恒湿槽内で2週
間培養して、約290gのまぐろ加工品(水分38%、
食塩4%)を得た。得られたまぐろ加工品は、実施例1
の加工品に比べ、塩味が弱くややソフトな食感を有する
珍味であった。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、従来、市場にみられなかった、糸状菌による発酵熟
成処理された新規な魚肉加工食品、特に、糸状菌由来の
風味と、生ハム様の食感を呈し、食膳の副食品として、
また、酒の肴としてすぐれた魚肉珍味が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:69) (C12N 1/14 C12R 1:645) (C12N 1/14 C12R 1:69 1:80) (72)発明者 片岡 二郎 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 山中 茂 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 鈴木友香子 静岡県焼津市惣右衛門1320−1 株式会社 かつお技術研究所内 (72)発明者 加藤 哲也 静岡県焼津市惣右衛門1320−1 株式会社 かつお技術研究所内 (72)発明者 大平 利明 静岡県焼津市惣右衛門1320−1 株式会社 かつお技術研究所内 Fターム(参考) 4B042 AC05 AD39 AE03 AG12 AG14 AG16 AG27 AG30 AH01 AH02 AK01 AK16 AK17 AP07 AP27 4B065 AA58X AA60X AA63X AA67X BB40 BC32 BC33 BD42 CA42

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生魚肉又は加熱魚肉からなる非乾燥魚肉
    を、食塩の存在下、糸状菌を生育させた固体麹により好
    気的条件下で処理して得られる、魚肉加工食品。
  2. 【請求項2】 前記固体麹による好気的条件下での処理
    は、ペニシリウム属、ユ−ロチウム属、アスペルギルス
    属及びモナスカス属に属する糸状菌から選ばれた少なく
    とも1種を生育させた固体麹による発酵熟成処理、乾燥
    処理、及び存在する食塩による塩漬処理を同時並行で施
    す処理であることを特徴とする、請求項1記載の魚肉加
    工食品。
  3. 【請求項3】 前記非乾燥魚肉は、生魚肉又は加熱魚肉
    を食塩、食塩含有ぬか床、味噌、醤油及び食塩含有酒粕
    から選ばれる少なくとも1種で漬け込み処理した食塩を
    含有する非乾燥状態の魚肉であることを特徴とする、請
    求項1又は請求項2に記載の魚肉加工食品。
  4. 【請求項4】 生魚肉又は加熱魚肉からなる非乾燥魚肉
    と糸状菌を生育させた固体麹とを食塩の存在下に混合し
    たものを、そのままの状態で塩漬け、乾燥及び発酵熟成
    の各処理を好気的条件下で同時並行で施す処理工程に付
    すことを特徴とする、魚肉加工食品の製造法。
  5. 【請求項5】 前記固体麹は、ペニシリウム属、ユ−ロ
    チウム属、アスペルギルス属及びモナスカス属に属する
    糸状菌から選ばれた少なくとも1種を生育させた固体麹
    であることを特徴とする、請求項4記載の魚肉加工食品
    の製造法。
  6. 【請求項6】 前記の塩漬け、乾燥及び発酵熟成の各処
    理を同時並行で施す処理工程は、生魚肉及び加熱魚肉か
    ら選ばれる非乾燥魚肉を、食塩の存在下、25℃〜50
    ℃、湿度40%〜95%の条件下で、1〜4週間、糸状
    菌を生育させた固体麹と接触させ、魚肉に糸状菌を生育
    させる処理工程であることを特徴とする、請求項4又は
    請求項5に記載の魚肉加工食品の製造法。
  7. 【請求項7】 前記非乾燥魚肉は、生魚肉又は加熱魚肉
    を食塩、食塩含有糠床、味噌、醤油及び食塩含有酒粕か
    ら選ばれる少なくとも1種で漬け込み処理を施した食塩
    を含有する非乾燥状態の魚肉であることを特徴とする、
    請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の魚肉加工食
    品の製造法。
JP11081609A 1999-03-25 1999-03-25 新規魚肉加工食品及びその製造法 Pending JP2000270763A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11081609A JP2000270763A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 新規魚肉加工食品及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11081609A JP2000270763A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 新規魚肉加工食品及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000270763A true JP2000270763A (ja) 2000-10-03

Family

ID=13751074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11081609A Pending JP2000270763A (ja) 1999-03-25 1999-03-25 新規魚肉加工食品及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000270763A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109480221A (zh) * 2018-12-22 2019-03-19 大连民族大学 一种由毛霉和红曲霉发酵的鳕鱼及其制备方法
CN111700237A (zh) * 2020-07-29 2020-09-25 贵州裕和蔬菜种植农民专业合作社 一种鲤鱼的腌制方法及用该方法腌制的腌鱼肉
JP7441567B1 (ja) 2023-04-04 2024-03-01 Agro Ludens株式会社 穀物タンパク質組成物で麹を固体培養した食肉様麹菌体とその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109480221A (zh) * 2018-12-22 2019-03-19 大连民族大学 一种由毛霉和红曲霉发酵的鳕鱼及其制备方法
CN111700237A (zh) * 2020-07-29 2020-09-25 贵州裕和蔬菜种植农民专业合作社 一种鲤鱼的腌制方法及用该方法腌制的腌鱼肉
JP7441567B1 (ja) 2023-04-04 2024-03-01 Agro Ludens株式会社 穀物タンパク質組成物で麹を固体培養した食肉様麹菌体とその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114770B2 (ja) 新規乳酸菌およびこの乳酸菌を用いる発酵食品の製造方法
CZ292615B6 (cs) Způsob výroby prostředku pro ochucování pokrmů
US5520933A (en) Method for the production of foods and beverages
EP2883460A1 (en) Pulse fermentation
EP1534088B1 (en) High quality fermented bouillon, and method for production thereof
CN107981219A (zh) 一种蚕豆瓣酱制备方法
KR102255983B1 (ko) 유산균을 이용한 묵은지 제조방법 및 그로부터 제조된 묵은지
JPH10179089A (ja) 改質肉およびそれを用いた調味料の製造方法
JPH01206970A (ja) 新規な食品
JP3596772B2 (ja) 食肉から抽出されたブイヨンを原料としたアルコール飲料およびその製造方法
JPS63269946A (ja) ナチユラルチ−ズ類似発酵食品の製造法
JP2000270763A (ja) 新規魚肉加工食品及びその製造法
KR20110055156A (ko) 유산균 스타터를 이용한 묵은지 및 그 분말김치 제조방법
JP3796463B2 (ja) ビーフエキス様天然調味料およびその製造方法
JPH07107941A (ja) 食肉製品の製造方法
CN114223872A (zh) 一种酱香风味方便泡菜调料包及其制备方法和使用方法
CN103005474A (zh) 一种利用霉菌制备发酵肉腐乳的方法
JPS5820148A (ja) インスタント漬物の素の製造法
KR100401811B1 (ko) 대두된장의 제조방법
CN110024976A (zh) 酵香大黄鱼冷冻调理食品
JP3684383B2 (ja) 納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法
NL2029393B1 (en) Processing method for inhibiting lamb leg fat oxidation during process of air drying and fermentation
JP3530851B1 (ja) 新規乳酸菌及びこれを用いた風味改良調味料
JP2640088B2 (ja) 水産発酵食品およびその製造法
CN115363191B (zh) 一种酱香型鱼露及制备方法