JP2000269074A - 積層セラミックコンデンサとその製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサとその製造方法

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JP2000269074A
JP2000269074A JP11074787A JP7478799A JP2000269074A JP 2000269074 A JP2000269074 A JP 2000269074A JP 11074787 A JP11074787 A JP 11074787A JP 7478799 A JP7478799 A JP 7478799A JP 2000269074 A JP2000269074 A JP 2000269074A
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laminate
sintering
internal electrodes
ceramic
ceramic capacitor
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JP11074787A
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Koji Otsuka
幸司 大塚
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層体の積層時の応力の不均衡、或いは焼成
時の燒結性や収縮率の不均衡に伴う積層体内部でのデラ
ミネーションやクラック、さらには積層体の変形を防止
する。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサは、セラミッ
ク層7と内部電極5、6とが交互に積層された積層体3
と、この積層体3の端部に設けられた外部電極2、2と
を有し、前記内部電極5、6がセラミック層7の互いに
対向する少なくとも一対の縁の何れか一方に各々達して
いることにより、積層体3の対向する端面に内部電極
5、6が各々導出され、同積層体3の端面に導出された
内部電極5、6が前記外部電極2、2に各々接続されて
いる。前記セラミック層7の間の内部電極5、6が無い
マージン領域mに、燒結制御用の導体膜8、8…が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、内部電極
パターンとセラミック層との積層体を有し、この積層体
の端部に前記内部電極に導通するように外部電極を設け
た積層セラミックコンデンサとこの積層セラミックコン
デンサを製造する方法に関し、特に内部応力が小さい積
層セラミックコンデンサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサは、内部電極
有する誘電体からなるセラミック層が多数層に積層さ
れ、この積層体の内部で内部電極が対向し、この積層体
の対向する端面に前記の内部電極が交互に引き出されて
いる。そして、これらの内部電極が引き出された積層体
の端面を含む端部に外部電極が形成され、この外部電極
が積層体の内部で対向している前記内部電極にそれぞれ
接続されている。
【0003】このような積層セラミックコンデンサの前
記積層体は、内部電極を有する誘電体からなるセラミッ
ク層の両側に内部電極が形成されてないセラミック層が
各々複数層積み重ねられたものである。すなわち、内部
電極を有する誘電体からなるセラミック層が順次に積層
され、さらにその両側に内部電極が形成されてないセラ
ミック層が各々複数層積み重ねられる。このような層構
造を有する積層体の端部には、内部電極が交互に露出し
ており、この積層体の端部に前記の外部電極が形成され
る。
【0004】このような積層セラミックコンデンサは、
部品1個単位が個々に製造される訳ではなく、実際は積
層セラミックコンデンサの複数個分の大きさを有するセ
ラミックグリーンシートを積層することで、複数の積層
セラミックコンデンサを同時に製造する方法がとられ
る。すなわち、まず微細化したセラミック粉末と有機バ
インダーとを混練してスラリーを作り、これをドクター
ブレード法によってポリエチレンテレフタレートフィル
ム等からなるキャリアフィルム上に薄く展開し、乾燥
し、セラミックグリーンシートを作る。次に、このセラ
ミックグリーンシートを支持フィルムの上に載ったまま
カッティングヘッドで所望の大きさに切断し、その片面
にスクリーン印刷法によって導電ペーストを印刷し、乾
燥する。これにより、縦横に複数組分の内部電極パター
ンが配列されたセラミックグリーンシートが得られる。
【0005】次に、前記内部電極パターンを有する複数
枚のセラミックグリーンシートを積層し、さらに、内部
電極パターンを有しない何枚かのセラミックグリーンシ
ートを上下に積み重ね、これらを圧着し、積層体を作
る。ここで、前記セラミックグリーンシートは、内部電
極パターンが長手方向に半分の長さ分だけずれたものを
交互に積み重ねる。その後、この積層体を所望のサイズ
に切断して、積層生チップを製作し、この生チップを焼
成する。こうして焼成済の積層体が得られる。
【0006】次に、この焼成済みの積層体の両端に導電
ペーストを塗布し、焼付け、さらにこの焼き付けた導体
膜の表面にメッキ等を施すことにより、両端に外部電極
が形成された積層セラミックコンデンサが完成する。前
記のような積層セラミックコンデンサにおける内部電極
を形成するための導電ペーストには、Ni粉末を主体と
して、これにバインダと溶剤を添加したものが使用され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の積
層セラミックコンデンサを製造する行程において、セラ
ミックグリーンシートを積層し、圧着する際、セラミッ
クグリーンシート上に導電ペーストにより印刷された内
部電極パターンがある部分と、内部電極パターンが無
い、いわゆるマージン領域とでは、内部電極パターンの
有無により、その分だけ積層、加圧時の内部の圧縮応力
に違いが生じる。このため、圧着後のマージン領域では
セラミックの充填密度が粗になり、圧縮応力が集中する
内部電極パターンが存在する部分ではセラミックの充填
密度が密になる。その結果、積層体の焼成時に、燒結性
や収縮率等に違いが生じ、積層体の内部の歪みによる層
間剥離(デラミネーション)やクラック等の不良の原因
となる。
【0008】加えて、導体を多く含む内部電極の部分
と、セラミック粒子のみからなるセラミック層の部分と
では、焼成時の燒結性に大きな違いがある。そのため、
その結果、焼成後の積層体には、変形が生じ、マージン
領域の厚み方向の寸法が小さく、その間の内部電極が存
在する部分の厚み方向の寸法が大きくなるという異形の
積層体が得られる。このような積層体からなるチップ状
回路部品は、単に形状が悪いだけでなく、回路基板上に
搭載しするときに不安定となり、回路基板上でチップ状
回路部品が立ち上がる等の搭載不良の原因となる。
【0009】そこで、本発明は、前記従来技術の課題に
鑑み、積層体の積層、圧着時の応力の不均衡、或いは焼
成時の燒結性や収縮率の不均衡に伴う積層体内部でのデ
ラミネーションやクラック、さらには積層体の変形が生
じにくい積層セラミックコンデンサとその製造方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、前記のような積層セラミックコンデン
サにおいて、セラミック層7の内部電極5、6を有しな
い、いわゆるマージン領域mにも、燒結制御効果を有す
る導体膜8、8…を形成した。これにより、積層セラミ
ックコンデンサを構成する積層体3の内部電極5、6を
有する部分と、内部電極5、6を有しないマージン領域
mとにおける積層時の応力の不均衡、或いは焼成時の燒
結性や収縮率の違いを緩和し、積層体の変形、さらには
その内部のデラミネーションやクラック等を発生を防止
することができるようにした。
【0011】すなわち、本発明による積層セラミックコ
ンデンサは、セラミック層7と内部電極5、6とが交互
に積層された積層体3と、この積層体3の端部に設けら
れた外部電極2、2とを有し、前記内部電極5、6がセ
ラミック層7の互いに対向する少なくとも一対の縁の何
れか一方に各々達していることにより、積層体3の対向
する端面に内部電極5、6が各々導出され、同積層体3
の端面に導出された内部電極5、6が前記外部電極2、
2に各々接続されているものであって、前記セラミック
層7の間の内部電極5、6が無いマージン領域mに、燒
結制御用の導体膜8、8…を形成したことを特徴とする
ものである。
【0012】このような積層セラミックコンデンサで
は、導体膜ならなる内部電極5、6が存在しないセラミ
ック層7のマージン領域mにも導体膜8、8…があるた
め、積層体3の内部電極5、6が存在する部分と、内部
電極5、6が存在しないマージン領域mとで、積層、圧
着時の応力の不均衡が起こらない。また、積層体3の焼
成時も、その燒結性や焼成時の収縮率が均等化され、焼
成時の燒結性や収縮率の不均一による積層体3内部の歪
みが起こらない。このため、積層体3の変形やその内部
のデラミネーションやクラック等の不良が低減できるこ
とになる。
【0013】燒結制御用の導体膜8、8…が前記のよう
な積層時及び焼成時の積層体3の歪みを防止するために
は、燒結制御用の導体膜8、8…と内部電極5、6との
膜厚が同等であることが好ましい。より具体的には、燒
結制御用の導体膜8、8…と内部電極5、6との膜厚の
比は60〜100%であることが必要である。燒結制御
用の導体膜8、8…と内部電極5、6との膜厚にこれ以
上の違いがあると、積層体3の導体膜ならなる内部電極
5、6が存在する部分と、内部電極5、6が存在しない
マージン領域mとで積層時の応力収集が起こったり、或
いは燒結性や焼成時の収縮率が不均衡となり、積層体3
の歪を防止することができない。
【0014】また、燒結制御用の導体膜8、8…が前記
のような積層時や焼成時の積層体3の歪みを防止するた
めには、燒結制御用の導体膜8、8…がマージン領域m
に対して或る程度の占有率を有することが必要である。
より具体的には、燒結制御用の導体膜8、8…の幅は、
セラミック層7上に内部電極5、6が無いマージン領域
mの幅の25〜75%であることが必要である。燒結制
御用の導体膜8、8…の幅がマージン領域mの幅の25
%未満であると、内部電極5、6が存在する部分とマー
ジン領域mとにおける積層、圧着時の応力集中が起こ
り、また焼成時の積層体3の燒結性や焼成時の収縮率の
不均衡を生じる。このため、焼成時の積層体3の歪を防
止することができない。他方、燒結制御用の導体膜8、
8…の幅がマージン領域mの幅の75%を越えると、内
部電極5、6と燒結制御用の導体膜8、8…の間隔がと
りにくく、短絡が起こりやすくなり、取得する静電容量
が不安定となる。さらに上記割合にすることで、成型時
にベースフィルムを剥離する時のシートのゆがみが小さ
くなり、積層精度がUPする。これは内電の印刷面積を
増すと、印刷部のシートの変形が小さくなるからであ
る。
【0015】燒結制御用の導体膜8、8…と内部電極
5、6とは、同じ材質の導体膜からなるとよい。そうす
れば、燒結制御用の導体膜8、8…を形成するための導
体パターン8a、8bと内部電極5、6を形成するため
の内部電極パターン2a、2bとを同時に印刷すること
ができる。燒結制御用の導体膜8、8…は、内部電極
5、6の長手方向にわたって複数に分割して形成するの
がよい。これにより、マージン領域mの部分の全体が導
体膜8、8…で覆われず、隣接するセラミック層7、7
同士が部分的に決着するため、セラミック層7、7…同
士が剥がれにくくなる。
【0016】また、燒結制御用の導体膜8、8…の一部
は、外部電極2、2が形成された積層体3の端部に達す
るよう形成するのがよい。これにより、積層体3の端面
で導体膜8、8…の一部と外部電極2、2とが結合さ
れ、積層体3の端面における外部電極2、2の密着性が
向上する。但し、外部電極2、2と導通するように形成
された燒結制御用の導体膜8、8…は、隣接する他のセ
ラミック層7に形成された他の燒結制御用の導体膜8、
8…と対向しないように形成するのがよい。これによ
り、燒結制御用の導体膜8、8…は、静電容量の取得に
関与しないため、余分な静電容量を取得したり、浮遊容
量を生じたりすることがなくなる。
【0017】前記のような積層セラミックコンデンサの
製造方法は、セラミック層7を形成するためのセラミッ
クグリーンシート1、1a、1bを得る工程と、これら
のセラミックグリーンシート1a、1bの一部に導電ペ
ーストを使用して内部電極パターン2a、2bを印刷す
る工程と、セラミックグリーンシート1、1a、1bを
所定の順序で積層する工程と、積層したセラミックグリ
ーンシート1、1a、1bを裁断する行程と、セラミッ
クグリーンシート1、1a、1bの積層体を焼成し、内
部電極5、6を有する焼成済みの積層体3を得る行程
と、積層体3の内部電極5、6が導出された端部に外部
電極2、2を形成する行程とを有する。
【0018】このような積層セラミックコンデンサの製
造方法において、前記積層体の焼成前に、前記セラミッ
クグリーンシート1a、1bの内部電極パターン2a、
2bが形成されていないマージン領域に、導電ペースト
を使用して燒結制御用の導体パターン8a、8bを印刷
する。この印刷に際しては、前述のように、燒結制御用
の導体パターン8a、8bは、内部電極パターン2a、
2bと同じ導電ペーストを使用し、セラミックグリーン
シート1a、1b上に内部電極パターン2a、2bと同
時に印刷するのが能率的である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。ま
ず、チタン酸バリウム等の誘電体セラミック原料粉末を
エタノール等の溶剤に溶解したアクリル等の有機バイン
ダに均一に分散し、セラミックスラリを調整する。この
セラミックスラリをポリエチレンテレフタレートフィル
ム等のベースフィルム上に10μm以下の均一な厚さで
塗布し、乾燥し、膜状のセラミックグリーンシートを作
る。その後、このセラミックグリーンシートを適当な大
きさに裁断する。
【0020】次に、図6に示すように、この裁断したセ
ラミックグリーンシート1a、1bの上に、導電ペース
トを使用し、2種類の内部電極パターン2a、2bと、
その両側に燒結制御用の導体パターン8a、8bを各々
印刷する。例えば導電ペーストは、Ni、Cu、Ag、
Pd、Ag−Pd粉末等の100重量%に対して、バイ
ンダとしてエチルセルロース、アクリル、ポリエステル
等を3〜12重量%、溶剤としてブチルカルビトール、
ブチルカルビトールアセテート、テルピネオール、エチ
ルセロソルブ、炭化水素等を80〜120重量%添加
し、均一に混合、分散したものを使用する。
【0021】このようなNiペースト等の導電ペースト
を使用し、セラミックグリーンシート1a、1bの上に
内部電極パターン2a、2bと燒結制御用の導体パター
ン8a、8bを各々同時に印刷する。このような内部電
極パターン2a、2bと燒結制御用の導体パターン8
a、8bが印刷されたセラミックグリーンシート1a、
1bを、図6に示すように交互に積み重ね、さらにその
両側に内部電極パターン2a、2bが印刷されてないセ
ラミックグリーンシート1、1、いわゆるダミーシート
を積み重ね、これらを圧着し、積層体を得る。さらに、
この積層体を縦横に裁断し、個々のチップ状の積層体に
分割する。その後、これらの積層体を焼成することで、
図3に示すような層構造を有する焼成済みの積層体3を
得る。
【0022】図3に示すように、積層体3は内部電極
5、6を有する誘電体からなるセラミック層7、7…が
積層され、さらにその両側に内部電極5、6が形成され
てないセラミック層7、7…が各々複数層積み重ねられ
たものである。このような積層体3は、セラミック層7
を介して対向している各内部電極5、6が、積層体3の
両端面に交互に導出されている。
【0023】さらに、図3〜図4に示すように、内部電
極5、6が形成されたセラミック層7には、内部電極
5、6の両側の、いわゆるマージン領域mに燒結制御用
の導体膜8、8が形成されている。この燒結制御用の導
体膜8、8は、前記セラミックグリーンシート1a、1
bの燒結制御用の導体パターン8a、8bが焼成するこ
とにより形成されたものである。燒結制御用の導体パタ
ーン8a、8bは、セラミックグリーンシート1a、1
b上の内部電極パターン2a、2bと同じ導電ペースト
を用いて同時に印刷されるため、燒結制御用の導体膜
8、8は、内部電極5、6と同じ導体によりほぼ同じ膜
厚で形成される。但し、導体膜8、8は内部電極5、6
に比べて個々のパターンが小さいため、その平均的な膜
厚は、内部電極5、6に比べて若干薄くなる。導体膜
8、8の膜厚は、内部電極5、6の膜厚の80%以上で
あることが望ましい。
【0024】また、この燒結制御用の導体膜8、8の幅
は、前記マージン領域mの幅の25〜75%にわたって
形成する。図2に示すように、燒結制御用の導体膜8、
8は、内部電極5、6の長手方向に沿って複数(図示の
例では4つずつ)に分割して形成され、それらの間に間
隙が形成されている。この間隙部分では積層されたセラ
ミック7同士が直接結着することになる。最も端の燒結
制御用の導体膜8、8は、内部電極5、6と共にセラミ
ック層7の縁に達しており、図1及び図3に示す積層体
3の端面に導出している。
【0025】図1に示すように、内部電極5、6及び一
部の燒結制御用の導体膜8、8が各々導出している積層
体3の両端にAgペーストなどの導電ペーストが塗布さ
れ、これが焼き付けられる。さらにその導電膜上にNi
メッキと、Sn或は半田メッキが施され、外部電極2、
2が形成される。これにより、積層セラミックコンデン
サが完成する。
【0026】内部電極5、6と一部の燒結制御用の導体
膜8、8は、積層体3の端面で図1に示す外部電極2、
2と結合している。但し、図2に示すように、このセラ
ミック層7の縁に達した燒結制御用の導体膜8、8は、
セラミック層7を介して隣接するセラミック層7の燒結
制御用の導体膜8、8と対向していない。従って、セラ
ミック層7を介して交互に対向している内部電極5、6
のみが静電容量の取得には寄与し、燒結制御用の導体膜
8、8は静電容量の取得には寄与しない。
【0027】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例とそれら
に対する比較例について説明する。 (実施例)チタン酸バリウム等の誘電体セラミック原料
粉末をエタノール等の溶剤に溶解したアクリル等の有機
バインダに均一に分散したセラミックスラリを作り、こ
れをポリエチレンテレフタレートフィルム等のベースフ
ィルム上に10μmの均一な厚さで塗布し、乾燥し、膜
状のセラミックグリーンシートを作った。その後、この
セラミックグリーンシートをベースフィルムから剥離
し、150mm角のセラミックグリーンシートを複数枚
作った。
【0028】他方、Ni粉末の100重量%に対して、
バインダとしてエチルセルロースを8重量%、溶剤とし
てテルピネオールを100重量%、いわゆる共材として
チタン酸バリウム粉末を15重量%添加し、均一に混
合、分散し、導電ペーストを調整した。このNiペース
トを使用し、スクリーン印刷機により各々のセラミック
グリーンシートに図6に示すような厚さ2.3μmの内
部電極パターン1a、1bを各々形成した。
【0029】これと同時に、内部電極パターン1a、1
bの両側に、厚さ2.1μmの燒結制御用の導体パター
ン8a、8bを印刷した。このような内部電極パターン
が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に所定枚
数積み重ね、その上下に内部電極パターンが印刷されて
いないセラミックグリーンシート、いわゆるダミーシー
トを積み重ね、これらを積層方向に120℃の温度下に
おいて200tの圧力で加圧して圧着し、積層体を得
た。
【0030】この積層体を、5.3mm×5.0mmの
大きさに裁断し、この積層体を1320℃の温度で焼成
し、図3に示すような焼成済の積層体3を得た。さら
に、この焼成済みの積層体3の両端部にCuペーストを
塗布し、これを焼き付けた。その後、チップを電解バレ
ルメッキ槽に入れて、Ag膜をメッキ処理し、同Ag膜
上にNiメッキ及びSnメッキ膜を順次施した。これに
より、外部電極2、2を形成し、図1に示すような積層
セラミックコンデンサを得た。
【0031】この積層セラミックコンデンサの積層体3
の内部電極5、6の両側のいわゆるマージン領域mに
は、図2に示すような燒結制御用の導体膜8、8が形成
されている。この導体膜8、8の幅は、マージン領域m
の幅の60%である。この積層セラミックコンデンサの
50個をアクリル系樹脂に埋め込み、保持した状態で、
積層セラミックコンデンサをその側面側から内部電極
5、6の積層方向と直交する方向に研磨し、内部電極
5、6とセラミック層7の積層状態を光学顕微鏡により
観察し、積層体3の内部のクラックとセラミック層7の
剥離、いわゆるデラミネーションの有無を調べた。その
結果、クラックやデラミネーションの発生は認められな
かった。
【0032】さらに、同時に製造した別の積層セラミッ
クコンデンサを50個をアクリル系樹脂に埋め込み、保
持した状態で、積層セラミックコンデンサをその端面側
から内部電極5、6の積層方向と直交する方向に研磨
し、断面形状を観察した。その結果、積層体3の収縮率
の違いによる変形は認められず、その幅方向にわたって
厚さ方向の寸法がほぼ一定な略長方形形状になった。
【0033】(比較例)前記実施例において、セラミッ
クグリーンシート1a、1bに内部電極パターン2a、
2bと共に、燒結制御用の導体パターン8a、8bを印
刷せず、内部電極パターン2a、2bのみを印刷したこ
と以外は、同実施例と同様にして積層セラミックコンデ
ンサを製造した。
【0034】この積層セラミックコンデンサの50個を
アクリル系樹脂に埋め込み、保持した状態で、積層セラ
ミックコンデンサをその側面側から内部電極5、6の積
層方向と直交する方向に研磨し、内部電極5、6とセラ
ミック層7の積層状態を光学顕微鏡により観察し、積層
体3の内部のクラックとセラミック層7の剥離、いわゆ
るデラミネーションの有無を調べた。その結果、クラッ
クやデラミネーションの発生が50個中の12個に認め
られた。
【0035】さらに、同時に製造した別の積層セラミッ
クコンデンサを50個をアクリル系樹脂に埋め込み、保
持した状態で、積層セラミックコンデンサをその端面側
から内部電極5、6の積層方向と直交する方向に研磨
し、断面形状を観察した。その結果、積層体3の幅方向
にわたる収縮率の違いによる変形が認められ、中央部が
厚く、両側が薄い形状を呈していた。尚、本実施例では
素体を焼成した後に外部電極を焼き付けしたが、本発明
ではこれに限らず、素体と外部電極を同時に焼成しても
同様の効果を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、積
層体のいわゆるマージン領域とそれ以外の部分との積層
時の応力の不均衡、或いは焼成時の燒結性や収縮率の不
均衡に伴う積層体内部でのデラミネーションやクラッ
ク、さらには積層体の変形が生じにくい積層セラミック
コンデンサ積層セラミックコンデンサを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層セラミックコンデンサの例を
示す一部切欠斜視図である。
【図2】同積層セラミックコンデンサの2種類のセラミ
ック層の平面を示す平面図である。
【図3】同積層セラミックコンデンサの例の積層体の各
層を分離して示した分解斜視図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】積層セラミックコンデンサを製造するためのセ
ラミックグリーンシートの積層状態を示す各層の分離斜
視図である。
【符号の説明】
2 外部電極 3 積層体 5 内部電極 6 内部電極 7 セラミック層 8 燒結制御用の導体膜
フロントページの続き Fターム(参考) 5E001 AB03 AC07 AC09 AH01 AH06 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AB03 BC32 BC33 EE04 EE17 EE23 EE26 EE35 FG06 FG26 FG54 GG10 GG26 GG28 JJ03 JJ23 LL01 LL02 LL03 MM24 PP09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック層(7)と内部電極(5)、
    (6)とが交互に積層された積層体(3)と、この積層
    体(3)の端部に設けられた外部電極(2)、(2)と
    を有し、前記内部電極(5)、(6)がセラミック層
    (7)の互いに対向する少なくとも一対の縁の何れか一
    方に各々達していることにより、積層体(3)の対向す
    る端面に内部電極(5)、(6)が各々導出され、同積
    層体(3)の端面に導出された内部電極(5)、(6)
    が前記外部電極(2)、(2)に各々接続されている積
    層セラミックコンデンサにおいて、前記セラミック層
    (7)の間の内部電極(5)、(6)が無いマージン領
    域(m)に、燒結制御用の導体膜(8)、(8)…を形
    成したことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 燒結制御用の導体膜(8)、(8)…と
    内部電極(5)、(6)との膜厚の比が60〜100%
    であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミッ
    クコンデンサ。
  3. 【請求項3】 燒結制御用の導体膜(8)、(8)…の
    幅は、セラミック層(7)上に内部電極(5)、(6)
    が無いマージン領域(m)の幅の25〜75%であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミッ
    クコンデンサ。
  4. 【請求項4】 燒結制御用の導体膜(8)、(8)…と
    内部電極(5)、(6)とは、同じ材質の導体膜からな
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の積層
    セラミックコンデンサ。
  5. 【請求項5】 燒結制御用の導体膜(8)、(8)…
    は、内部電極(5)、(6)の長手方向にわたって複数
    に分割して形成されていることを特徴とする請求項1〜
    4の何れかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 【請求項6】 燒結制御用の導体膜(8)、(8)…の
    一部は、外部電極(2)、(2)が形成された積層体
    (3)の端部に達するよう形成されていることを特徴と
    する請求項1〜5の何れかに記載の積層セラミックコン
    デンサ。
  7. 【請求項7】 外部電極(2)、(2)と導通するよう
    に形成された燒結制御用の導体膜(8)、(8)…は、
    隣接する他のセラミック層(7)に形成された他の燒結
    制御用の導体膜(8)、(8)…と対向しないように形
    成されていることを特徴とする請求項6に記載の積層セ
    ラミックコンデンサ。
  8. 【請求項8】 セラミック層(7)を形成するためのセ
    ラミックグリーンシート(1)、(1a)、(1b)を
    得る工程と、これらのセラミックグリーンシート(1
    a)、(1b)の一部に導電ペーストを使用して内部電
    極パターン(2a)、(2b)を印刷する工程と、セラ
    ミックグリーンシート(1)、(1a)、(1b)を所
    定の順序で積層する工程と、積層したセラミックグリー
    ンシート(1)、(1a)、(1b)を裁断する行程
    と、セラミックグリーンシート(1)、(1a)、(1
    b)の積層体を焼成し、内部電極(5)、(6)を有す
    る焼成済みの積層体(3)を得る行程と、積層体(3)
    の内部電極(5)、(6)が導出された端部に外部電極
    (2)、(2)を形成する行程とを有する積層セラミッ
    クコンデンサの製造方法において、前記積層体の焼成前
    に、前記セラミックグリーンシート(1a)、(1b)
    の内部電極パターン(2a)、(2b)が形成されてい
    ないマージン領域(m)に、導電ペーストを使用して燒
    結制御用の導体パターン(8a)、(8b)を印刷する
    ことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 燒結制御用の導体パターン(8a)、
    (8b)は、内部電極パターン(2a)、(2b)と同
    じ導電ペーストを使用して印刷されることを特徴とする
    請求項8に記載の積層セラミックコンデンサの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 燒結制御用の導体パターン(8a)、
    (8b)は、セラミックグリーンシート(1a)、(1
    b)上に内部電極パターン(2a)、(2b)と同時に
    印刷されることを特徴とする請求項9に記載の積層セラ
    ミックコンデンサの製造方法。
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