JP2000263438A - スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置 - Google Patents

スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置

Info

Publication number
JP2000263438A
JP2000263438A JP6855799A JP6855799A JP2000263438A JP 2000263438 A JP2000263438 A JP 2000263438A JP 6855799 A JP6855799 A JP 6855799A JP 6855799 A JP6855799 A JP 6855799A JP 2000263438 A JP2000263438 A JP 2000263438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adjusting
feed
truing
axis
grindstone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6855799A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kobayashi
敏 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Micron Machinery Co Ltd
Original Assignee
Micron Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Micron Machinery Co Ltd filed Critical Micron Machinery Co Ltd
Priority to JP6855799A priority Critical patent/JP2000263438A/ja
Publication of JP2000263438A publication Critical patent/JP2000263438A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 センターレス研削機の調整砥石を、スルーフ
ィード研削に好適な形状に削成するツルーイング/ドレ
ッシングユニット5′を改良して、小形,軽量,安価,
高精度ならしめ、かつ、迅速,容易に操作できるように
する。 【解決手段】 自動制御装置7にプロファイル演算部と
NC制御部とを設ける。上記プロファイル演算部は、ダ
イヤ高さHtとドレス角φとを入力されて、調整砥石を
削成すべきプロファイルの2次元座標値kを算出してN
C制御部に与える。上記NC制御部は、ツルーイング工
具5cのトラバース送り装置5dの作動指令信号mに対
応せしめて、切込み送り装置5aの作動指令信号nを出
力する。この作動指令信号に基づいてツルーイング工具
5cは、調整砥石1′の軸心と平行な方向にドラバース
送りされつつ、上記軸心を含む平面内で切込み送りされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センターレス研削
機によってスルーフィード研削を行なう場合、該センタ
ーレス研削機の主要構成部材の一つである調整砥石を、
スルーフィードに適した形状ならしめるようにツルーイ
ングする方法および同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】センターレス研削機によって被加工物を
研削する場合、該被加工物の形状や材質に応じて、研削
砥石および調整砥石の外周面を整える必要が有る。上記
の研削砥石および調整砥石の準備的な手入れは、厳密に
はツルーイングとドレッシングとに区別して考察すべき
なのであるが、作業条件によってはツルーイングとドレ
ッシングとが同時に行なわれる場合が有ったりするため
もあって、術語として「ツルーイング」と「ドレッシン
グ」との区別が不明瞭である。しかし、本発明の要旨を
明確ならしめるため、次のように定義しておくこととす
る。砥石車を回転させながら工具を接触させて、所望の
形状に仕上げる操作をツルーインといい、砥石車を回転
させながら工具を接触させて、所望の表面形状に仕上げ
る操作をドレッシングという。従来一般に、ツルーイン
グ用の工具をドレッサと呼んでいる例が多いが、本発明
においては通称の如何にかかわらず、ツルーイングに用
いる工具はツルーイング工具である。また、ツルーイン
グ用の工具として工業用ダイヤモンドが多く用いられて
いるため、ツルーイング工具の刃先位置を表わす言葉と
して、後に詳述する「ダイヤ高さ」が有るが、本発明に
おけるダイヤ高さとは、刃先位置を表すための言葉であ
って、ダイヤモンド以外の工具(例えばカーボランダ
ム)であっても「ダイヤ高さ」である。すなわち、この
語は寸法を表すものであって材質を限定する意味を有し
ていない。
【0003】図4は、センターレス研削機の公知例を示
し、調整砥石,ブレード,および被加工物の付近を描い
た側面外観図であって、研削砥石は部分的に破断したと
ころを描いてある。符号1を付して示したのは調整砥石
と呼ばれる砥石車である。ブレード3は紙面と直角方向
に長さを有する平板状の部材であって、その頂面は研削
砥石と呼ばれる砥石車の軸心と平行な傾斜面をなしてい
る。ブレード3の頂面の傾斜は、水平面よりも調整砥石
1に向かって傾いており、この頂面と調整砥石1とによ
って被加工物2が支承される。詳しくは、円柱面状の被
加工面がブレードと調整砥石とによって支えられる。こ
の状態で調整砥石1が図において右回り(時計方向)に
回転せしめられると、被加工物2は摩擦伝動によって左
回り(反時計方向)に回される。上述のように回転せし
められている被加工物2に対して、研削砥石4が、被加
工物2よりも早い周速で右回りに回転しつつ接触する
と、被加工物2の被加工面は、センターレス研削特有の
造円作用によって高度の真円柱面に研削仕上げされる。
以上がセンターレス研削の基本的な構造・機能の概要で
あるが、被加工物2を図示の被加工位置にローディング
したり、該被加工位置からアンローディングしたりする
方式により、スルーフィード研削とインフィード研削と
に大別される。
【0004】インフィード研削は、被加工物2を図の上
方から被加工位置まで加工させてセンターレス研削を施
し、所望の形状,寸法になった後、被加工位置から上昇
させて取り出す。スルーフィード研削は、被加工物2を
軸心方向に、すなわち本図4において紙面と直角方向に
被加工位置を通過せしめつつセンターレス研削を行な
う。上記インフィード研削とスルーフィード研削とは互
いに長短が有って、一概に論じ難く、現実に両方とも多
く用いられている。また、現在生産されて市場に流通し
ているセンターレス研削機のほとんどは、インフィード
研削とスルーフィード研削との何れでも任意に施工でき
ようになっている。本発明においては上記2つの方式の
うち、スルーフィード研削を適用の対象とする。詳しく
は、スルーフィード研削を行なうために好適な形状の調
整砥石を形成するためのツルーイング方法、および、上
記発明方法を実施するに好適なツルーイング装置に関す
る創作である。先に述べたセンターレス研削機の構造機
能から明らかなように、被加工物を研削する役目は主と
して研削砥石が受け持っており、調整砥石の主ため役目
は、ブレードと協働して被加工物を支承すること、およ
び、摩擦伝動によって該被加工物を回転させることであ
る。従って、砥石としての機能を果たし得ないような材
料で構成されていても、本発明における調整砥石であり
得る。
【0005】図5は、スルーフィード研削の原理を説明
するために示したもので、スルーフィード研削を行なっ
ている状態を描いた模式的な斜視図に、動作を表す矢印
を付記した図である。研削砥石4の中心軸とブレード3
の頂面とは平行である。被加工物2はブレード3の頂面
に対してほぼ線接触しているので、該被加工物2は研削
砥石4の軸心に対してほぼ平行である。調整砥石1の軸
心は研削砥石4の軸心に対して平行でなく、かつ交わる
ことなく傾斜している(いわゆる立体交差形に捩れてい
る)。このような配置状態で調整砥石1が円弧矢印aの
方向に回転して被加工物2を円弧矢印b方向に回転せし
めると、調整砥石1の被加工物2に対する摩擦伝動力に
矢印d方向の分力を生じる。このため、被加工物2はブ
レード3の斜面に沿って、円弧矢印b方向に回転しつ
つ、d方向に移動せしめられる。上述のようにして矢印
d方向に通し送りされる被加工物2に対して、研削砥石
4は円弧矢印c方向に回転しつつ、ほぼ線接触して、該
被加工物をセンターレス研削する。図5を参照して以上
に説明したようなスルーフィード研削を行なう場合、調
整砥石1の外周面は単純な円柱面ではなく、鼓形でなけ
ればならないという問題が有る。以下、この問題につい
て述べる。
【0006】図6は、調整砥石と被加工物との接触状態
を説明するために示した模式的な斜視図であって、
(A)はインフィード研削している状態を描き、(B)
はインフィード研削用の調整砥石でスルーフィード研削
する仮想の状態を描き、(C)はスルーフィード研削用
の調整砥石でスルーフィード研削している状態を描き、
(D)は上記スルーフィード用調整砥石を従来技術によ
ってツルーイングしている状態を描いてある。図6
(A)参照。インフィード研削するときは、円柱面状の
調整砥石1に対して円柱状の被加工物が平行となるよう
に支承される(本図に省略したブレードと調整砥石とに
よって支承される)。これにより、調整砥石1と被加工
物2とは線接触して摩擦伝導が行なわれ、図示を省略し
た研削砥石によって被加工物2が研削される間、該被加
工物2の回転状態が調整砥石1で制御されつつセンター
レス研削が遂行される。図6(B)参照。この図は、前
掲の図5に描かれた調整砥石1と被加工物2とを、該図
5の紙面の向う側から手前に向かって見たところに相当
する。さらに詳しくは、本図6(B)を若干左側へ傾け
て、被加工物2を水平姿勢にすると、図5に対応する状
態となる。このようにして図示の送り角θが付される
と、2本の円柱であるところの「調整砥石1と被加工物
2」は、相互に線接触しなくなって点接触の状態にな
る。前記の送り角θを付し、かつ、被加工物2は円柱面
を有し、しかも該被加工物2の円柱面に対して線接触し
得るような調整砥石形状を求めると、図6(C)に示し
た調整砥石1′のような鼓形(一葉回転双曲面)になる
ことは広く知られている。符号eを付して示したのは接
触線である。上掲の図6(C)に示した一葉回転双曲面
を削成する公知技術は同図(D)に示すごとくである。
すなわち、調整砥石1′を回転駆動しつつ、通称ドレッ
サ(ツルーイング工具5c)を、同図(C)に示した接
触線eに沿わせて同図(D)の矢印eのようにトラバー
ス送りすれば良い。この場合のドレス角(本発明におい
てはツルーイング角と同意)φは、先に述べた送り角θ
とほぼ等しく設定される。
【0007】前掲の図6(D)に示した原理に基づいて
スルーフィード研削用の調整砥石ツルーイングするため
の、寸法設定方法、およびツルーイング装置に関する従
来技術を以下に述べる。図7は、スルーフィード用の研
削砥石をツルーイングする場合、ツルーイング用の工具
(通称ドレッサ)の位置を設定する従来技術を説明する
ために示したものであって、(A)は調整砥石とブレー
ドとによって被加工物を支承してスルーフィード方式で
センターレス研削している状態の模式的な正面図、
(B)は上記のスルーフィード研削を実現せしめるため
にツルーイングしている状態の模式的な正面図である。
図7(A)において、Hは心高(G−Rセンターと被加
工物中心との距離)である。Htは「調整砥石と被加工
物との接触点t」とG−Rセンターとの距離であって、
ダイヤ高と呼ばれる。なお、上記G−Rセンターとは、
研削砥石中心と調整砥石中心とを結んだ直線である。図
7(B)の左端部に鎖線で描いたのは、前掲の(A)図
に示したブレード3と被加工物2とであり、先に述べた
ダイヤ高Htを付記してある。これと同様の状態を再現
させるため、調整砥石1′の半径方向rに沿って前後進
する切込み送り装置の先端に、ダイヤ高Htだけオフセ
ットせしめてツルーイング工具(ドレッサ)5cを装着
する。5bは、上記ダイヤ高を調整するためのスライド
機構である。
【0008】図4に示した従来例のセンターレス研削機
において、符号5を付した示したのはツルーイング/ド
レッシングユニットであって、調整砥石のツルーイング
にもドレッシングにも使用できるように構成されてい
る。符号5aで示したのは、前掲の図7(B)について
説明した切込み送り装置、5bは同じくダイヤ高さ調整
スライド、5cは同じくツルーイング工具(ドレッサ)
である。
【0009】上記の切込み送り装置5a全体を紙面と垂
直方向にトラバースさせるためのトラバース送り装置5
dが設けられている。本図4においては該トラバース送
り装置5dの平行案内手段(いわゆるダブテール溝)に
符号5dの引出線を付してある。さらに、上記トラバー
ス送り装置全体を、ドレス角調整用旋回面5dに沿わし
めて旋回させ、固定するようにドレス角調整旋回盤5e
が設けられている。この旋回盤は前掲の図(D)につい
て説明したドレス角φを調節するために設けられてい
る。上記のドレス角調整用旋回盤5eと別途に、調整砥
石1に送り角を与えるための旋回盤1aが設けられてい
る。符号1bは調整砥石送り角調整用の旋回面を示して
いる。図8は、調整砥石をツルーイングする際のツルー
イング工具の位置を示す模式的な正面図であって、
(A)は従来技術における状態を、(B)は本発明の実
施形態における状態を、それぞれ描いてある。図8
(A)に示した構成部分は、図4においてはかくれ線に
よって小さく描かれている。図8(B)に示した実施形
態については、発明の実施の形態の項において詳しく述
べる。図4においては図示を簡略化したが、符号6で示
した個所に搬入搬出機構が設けられている。これはスル
ーフィード研削を行なうための機構であって、被加工物
2を紙面と垂直方向に被加工位置へ送り込んだり(ロー
ディング)、送り出したり(アンローディング)する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前掲の図7(B)につ
いて説明したようにしてスルーフィード研削用の調整砥
石をツルーイングする理論は既に解明されており、立体
幾何学的な裏付や解析幾何学的な解明も為されている。
しかし、現実の工業技術として迅速,容易に、低コスト
でツルーイング作業を遂行すること、および、ツルーイ
ング精度を向上せしめるという面においては、まだまだ
解決しなければならない技術的な課題が有る。図9は、
ツルーイング加工においてドレス角φやダイヤ高さHt
の変化に伴う調整砥石形状の変化を示したもので、
(A),(B)はドレス角が0の場合の、(C),
(D)はドレス角を付与した場合の、調整砥石のプロフ
ァイルとツルーイング工具の経路とを描いた模式図であ
る。図9(A)に示したようにドレス角0,ダイヤ高さ
0の場合、ツルーイング工具(ドレッサ)の切込み送り
方向に見た投影図形においてツルーイング工具5の刃先
のトラバース送り経路(矢印g)は、調整砥石1の軸心
Xと重なる。このような状態でツルーイングした調整砥
石1の外周面は円柱面となり、インフィード研削に好適
な形状となる。図9(B)に示したようにドレス角0,
ダイヤ高さHtの場合、投影図上におけるツルーイング
工具5cの刃先の軌路(矢印g′)は、調整砥石の軸心
Xと平行で、間隔寸法Htだけ離間する。この場合にお
いても調整砥石1は円柱面状に削成されてインフィード
研削に好適な形状となる。
【0011】図9(C)のようにドレス角φを付与する
と、調整砥石のプロファイル(軸心を含む平面による断
面形状)の輪郭は双曲面状となる。本図(C)ではダイ
ヤ高が0であるから、ツルーイング工具の切込み送り方
向に見た投影図においてツルーイング工具5cの刃先軌
跡(矢印e)は、調整砥石の軸心Xに対して、該調整砥
石1′の軸心方向長さLの中央部で交わり、恒円(最小
断面の円)はL方向の中央に位置する。従って、調整砥
石1′は図において左右対称形状となる。ドレス角φを
付与し、かつダイヤ高さHtを付与すると図9(D)の
ようになり、ツルーイング工具5cの刃先軌跡(矢印
e′)の調整砥石軸心Xに対する交点が図の左方に偏
り、恒円はこの交点を通る位置に移動する。このため、
調整砥石1′のプロファイルは左右不対称になる。この
ような不対称の鼓形調整砥石は実用上の利点が有るので
多く用いられている。後に詳しく述べる本発明の要旨を
理解するために、この図9(D)が重要であるから、本
図(D)について補足説明すると、本図はドレス角φと
ダイヤ高さHtとを与えてツルーイング加工する状態の
模式図であるが、この図には次に述べるような二つの意
味が有る。 (a)工程図としての意義 ツルーイング加工を実施する作業員が、ドレス角φとダ
イヤ高さHtとを与えられたとき、本図9(D)のよう
に調整砥石1′の軸心Xをセットして回転させながら、
ツルーイング工具5cの刃先を矢印e′に沿わせてトラ
バース送りすることによって所望のプロファイルが削成
される。 (b)設計のための計算図表としての意義 ツルーイング施工する工場の生産技術課員が、センター
レス研削によって仕上げるべき製品の使用を与えられた
とき、最適の調整砥石プロファイルを設定するに際し
て、該調整砥石プロファイルを特定するための諸元とし
て、送り角θとダイヤ高さHtとを用いる。従来技術に
おいては、本図9(D)の意義について、前記(a),
(b)の2つの考え方の差異を認識していなかった。つ
まり、スルーフィード用の調整砥石を生産技術的に設計
するときは、送り角θとダイヤ高さHtとを設定するこ
とによって調整砥石のプロファイル形状を特定した。そ
して、送り角θとダイヤ高さHtとを与えられた作業員
は、ツルーイング工具5cをドレス角φ、ダイヤ高さH
tでトラバース送りすることによってのみ、所定の調整
砥石プロファイルを削成することができたのである。
【0012】本発明は、後に詳しく述べるように、作業
員がドレス角やダイヤ高さを調節する必要を無からしめ
たものである。従って、作業員の操作に関する限り、本
発明においてはドレス角ゼロ、ダイヤ高さゼロである。
しかしながら、調整砥石プロファイルを設定するという
生産技術的設計段階においては、所望の調整砥石プロフ
ァイルを特定するための諸元としてドレス角φ,ダイヤ
高さHtは残る(実務的には、センターレス研削機の自
動制御装置(CPU)にドレス角とダイヤ高さとを与え
て、図9(D)とは異なった工程により所望の調整砥石
プロファイルを削成する)。繰り返して要約すると、図
9(D)に示した作業工程は、後述する本発明において
は消滅する。しかし、この図は設計手順として存続す
る。
【0013】従来技術において、前記図9(D)に表さ
れている作業を行なうための実務的な操作を図4につい
て説明すると次のとおりである。 (注)被加工物2をスルーフィード方式でセンターレス
研削する工程においては、その準備操作として調整砥石
送り角調整用旋回盤1aを操作して、送り角θ(図6
(C)参照)を調節しなければならないが、上記研削工
程の前段階において調整砥石をツルーイングする際は、
前記の調整砥石送り角調節とは別途に、「調整砥石とツ
ルーイング/ドレッシングユニット5との関係」におい
て行なわれる。ダイヤ高さ調整スライド5bを操作し
て、ダイヤ過多さHt(図8(A)参照)を調整して固
定し、ドレス角調整用旋回盤5eを操作してドレス角φ
(図6(D)参照)を調節して固定した後、調整砥石を
回転駆動しつつトラバース送り装置5dを作動させてツ
ルーイングを行なう。
【0014】以上に説明した従来技術においては、 α.作業員がダイヤ高さ調整スライド5bおよびドレス
角調整用旋回盤5eを操作しなければならないので、多
大の時間と労力とを要し、研削コスト上昇の要因をなし
ていること。 β.同様の理由により、作業員に高度の知識と熟練とを
必要とする上に、人為的なミスの絶無を期し難いこと。 γ.センターレス研削機のツルーイング/ドレッシング
ユニット5にダイヤ高さ調整スライド5bやドレス角調
整用旋回盤5eを設けなければならないので、研削機全
体が大形,大重量となり、従って製造コストも割高にな
る上に、メンティナンスの所要工数も大きいこと。 δ.ドレス角調整用旋回盤5eの上にトラバース送り装
置5dが搭載され、その上に切込み送り装置5aが搭載
され、さらにその上にダイヤ高さ調整スライド5cが搭
載され、その上にツルーイング工具5cが装着されると
いった多層構造をなしているので、これらが複合された
ツルーイング/ドレッシングユニット5全体としての剛
性が乏しくなり、ツルーイング加工精度を低下させる要
因となっていること。といった不具合が有る。本発明は
上述の事情に鑑みて、前記α〜δ各項の不具合を一挙に
解消すべく為されたものであって、作業員によるダイヤ
高さ調節操作およびドレス角調節操作を不要ならしめ、
調整砥石用のツルーイング/ドレッシングユニットを小
形,軽量,低コストならしめ、かつ、ツルーイング加工
の精度を向上せしめ得る、スルーフィード用調整砥石の
ツルーイング方法および同装置を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理を、その1実施形態
に対応する図1を参照して略述すると次のごとくであ
る。すなわち、センターレス研削機の調整砥石を、スル
ーフィード研削に好適な形状に削成するツルーイング/
ドレッシングユニット5′を改良して、小形,軽量,安
価,高精度ならしめ、かつ、迅速,容易に操作できるよ
うにするため、自動制御装置7にプロファイル演算部と
NC制御部とを設ける。上記プロファイル演算部は、ダ
イヤ高さHtとドレス角φとを入力されて、調整砥石を
削成すべきプロファイルの2次元座標値kを算出してN
C制御部に与える。上記NC制御部は、ツルーイング工
具5cのトラバース送り装置5dの作動指令信号mに対
応せしめて、切込み送り装置5aの作動指令信号nを出
力する。この作動指令信号に基づいてツルーイング工具
5cは、調整砥石1′の軸心と平行な方向にドラバース
送りされつつ、上記軸心を含む平面内で切込み送りされ
る。
【0016】以上に説明した原理に基づいて、請求項1
に係るツルーイング方法の構成は、砥石車より成る調整
砥石とブレードとによって、円柱状の被加工面を有する
被加工物を支承するとともに、調整砥石を回転させるこ
とによって上記被加工物を摩擦伝動で回転せしめつつ、
砥石車より成る研削砥石を被加工面に接触せしめるセン
ターレス研削方法であって、前記調整砥石の中心軸に送
り角を与えて、前記被加工物を軸心方向に移動せしめる
スルーフィード方式のセンターレス研削を行なうため、
調整砥石の外周面を一葉回転双曲面状にツルーイングす
る方法において、調整砥石を駆動して、中心軸まわりに
回転せしめるとともに、ツルーイング工具を支持してい
る移動ベースを、調整砥石の中心軸と平行に移動せしめ
つつ、上記ツルーイング工具を調整砥石の中心軸に対し
て接近・離間せしめる切込み送り方向に前後進させて、
該ツルーイング工具の刃先と調整砥石中心軸との間の距
離を変化せしめることにより、上記調整砥石の外周面形
状を、予め定められた一葉回転双曲面もしくは一葉回転
双曲面に類似した回転面ならしめるようにツルーイング
仕上げすることを特徴とする。以上に説明した請求項1
の発明方法によると、ツルーイング工具刃先が、調整砥
石の軸心と平行なトラバース送りと伴せて、該調整砥石
の中心軸に接近・離間する方向の切込み送りを受けて、
調整砥石の外周面を一葉回転双曲面(もしくは、これに
類似した回転面)に削成することができる。すなわち、
ツルーイング工具は、切込み送りとトラバース送りとの
2次元方向の平面的な駆動,制御を受けつつ調整砥石を
切削することにより、該調整砥石の外周面を回転双曲面
という3次元形状に削成することができる。このため、
3次元的な工具の調節と移動とを必要とした従来技術に
比して、工具を支持して移動させる部材の調節が容易で
あるのみならず、工具を支持して送りを掛ける手段も著
しく簡単な構造で足りる。このように、調節が容易であ
るということは、作業員に高度の知識や熟練を必要とし
ないので工賃単価が低減される上に、所要工数が少なく
て済むので労務コストが著しく低減される。その上、調
節が容易であるため、調節ミスを発生する危険性が少な
くなる上に、調節が簡単であるため加工精度が向上す
る。さらに、ツルーイング工具の移動経路が単純化され
るので、いっそう加工精度が向上する。本請求項1に係
る発明方法の要旨を要約すると、ツルーイング工具を調
整砥石軸と平行にトラバース送りしつつ、調整砥石軸に
向けて切込み送りすることである。このように、調整砥
石軸と平行にトラバース送りすれは足りるので、従来技
術におけるがごとく立体的に捩れた方向にトラバース送
りする方法に比して、著しく簡単なトラバース送り機構
によって実施することができる。また、切込み送り方向
は必然的にトラバース送り方向と直角に行なわれること
になる。このような切込み送り作動は電子的な制御によ
って効率的に行なうこともできるが、古典的な倣い機構
を適用して行なうことも可能である。
【0017】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、与えられたセン
ターレス研削機、および、与えられた製品図面に基づい
て、スルーフィード方式のセンターレス研削を行なうた
めに適正な調整砥石送り角を設定し、上記のようにして
設定された送り角、および前記製品図面に基づいて調整
砥石の外周面形状を算定し、上記の外周面形状を有する
調整砥石を、その中心軸を含む面によって切断した断面
形状を想定し、前記ツルーイング工具の刃先が、上記断
面形状の輪郭線に沿うように、該刃先を移動させること
を特徴とする。以上に説明した請求項2の発明方法によ
ると、試作的に調整砥石を鼓形に削成して、これに製品
サンプルを接触させてみて調整砥石面を手作業で修正す
る、といった実体的な現物合わせ作業を一切必要とせ
ず、設計計算のみによってツルーイング工具を2次元的
に曲線移動(トラバース送りと切込み送りとの合成によ
る曲線的移動)させる経路を算定することができる。し
かも、使用すべきセンターレス研削機の仕様と、加工す
べき製品の図面とに基づいて適正に、かつ任意に送り角
を設定することから始まって、望ましい調整砥石外周面
形状(一葉回転双曲面)を設計計算的に算出するのであ
るから、生産技術的設計の自由度が大きい。しかも、算
出結果が断面形状のプロファイルという2次元の座標値
で出てくるから、ツルーイング工具を2次元座標面上で
制御しつつ送り作動を与えれば良いので、3次元の立体
的制御を必要とした従来技術に比して著しく簡単であ
る。制御の次元が少なくて簡単であることにより、制御
が容易であるのみでなく、容易に高精度の制御を行なう
ことができる。さらに、作業条件の変化など、何らかの
事由によってツルーイング加工内容に修正を加える必要
を生じた場合も、2次元制御の修正であるから(3次元
制御の修正に比して)迅速かつ容易に対応することがで
きる。
【0018】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請
求項2の発明方法の構成要件に加えて、前記ツルーイン
グ工具の刃先を、移動ベースに対して相対的に、調整砥
石の軸心と直角方向の駆動可能に支持し、一方、前記断
面形状の輪郭線を表すデータをNC制御装置に入力し、
前記ツルーイング工具刃先の、軸心と直角方向の駆動
を、上記NC制御装置によって制御することを特徴とす
る。以上に説明した請求項3の発明方法によると、ツル
ーイング工具刃先の切込み送り作動をNC制御すること
により、迅速,容易、かつ高精度に、しかも自動的に遂
行することができる本発明は基本的に、望ましい調整砥
石のプロファイルを設計計算的に2次元座標値、ないし
は2元方程式として求め、このプロファイルの輪郭線に
沿わしめてツルーイング工具刃先を移動させるものであ
るから、こうした原理から必然的に、その前半において
は計算によって、実体の無い輪郭線を想定し、その後半
においては実在の物体であるツルーイング工具を駆動
し、制御しなければならない。上述のように、本発明方
法の実施工程の前半から後半に進行する過程において、
実体の無い数値から実在の物体の動きに移行する工程が
必要である。本請求項3においてはNC制御装置に対し
て実体の無い数値(もしくは数式)を入力することによ
り、該NC制御装置をして実体の部材であるツルーイン
グ工具の切込み送りを駆動・制御せしめる。先に述べた
請求項2の発明方法は、必ずしもNC制御装置によらな
くても実施することができ、駆動・制御の手段を限定さ
れない。このため汎用性が大きく応用範囲が広いという
長所を有しているが、本請求項3においては前記の駆動
・制御の手段としてNC制御を適用することによって省
力的に、かつ高精度でツルーイング工具の切込み送りを
可能ならしめた。NC制御それ自体は公知公用の技術で
あるが、ツルーイング工具の切込み送りを2次元的に
(平面座標面上で)制御して、調整砥石外周面をスルー
フィード用の回転双曲面に削成するという技術的思想は
本請求項3の発明において創作されたものである。
【0019】請求項4に係る発明方法の構成は、前記請
求項2もしくは請求項3の発明方法の構成要件に加え
て、前記調整砥石の中心軸を含む面による断面形状の想
定は、該調整砥石を、軸心と垂直な多数の面によって計
算的に切断し、切断して得られた多数の円形断面の半径
数値を算出し、2次元の直角座標面上の片方の軸に前記
多数の面の軸心方向の座標値をとるとともに、2次元の
直角座標面上の他方の軸に前記多数の円形断面の半径数
値をとって、多数の点の連なりを求め、上記多数の点の
うち、相互に隣接する2点間を、コンピュータ演算処理
により円補間して、求める調整砥石の輪郭形状の近似値
を得てNC制御装置に入力することを特徴とする。以上
に説明した請求項4の発明方法によると、調整砥石をツ
ルーイング仕上げすべき目標形状の一葉回転双曲面を削
成する制御信号としての座標値を、最も合理的に、しか
も高精度で求めることができる。すなわち、被加工物に
対応する最適の調整砥石プロファイルを計算的に求める
ことは公知技術を適用して行ない得るが、このプロファ
イルの輪郭形状を如何なる座標系で表してNC制御装置
に与えることによってツルーイング工具の切込み送りを
制御せしめるべきかについては未だ考究されていない。
そこで本請求項においては「立体形状である一葉回転双
曲面」から、「平面座標系であるところのトラバース送
り−切込み送り制御数値」を得るために、(大根を輪切
りにする形で)回転双曲面より成る調整砥石を計算的に
輪切りにして、多数の断面円の並びを求めた。上記多数
の断面円のそれぞれは2次元曲線であるが、それぞれの
断面円の半径を持って断面円を特定することによって、
半径という1次元数値に置き替えることができる。そし
て、ツルーイング工具に1次元の切込み送り制御を掛け
ると、相手部材の調整砥石が回転しているので、2次元
曲線である断面円に復元再生される。このような処理
は、一つ一つの要素に分解してみると公知技術である
が、本請求項の手順に組み立てることによって最も合理
的に、求める一葉回転双曲面を削成することができる。
すなわち、ツルーイング工具が切込み送りを制御される
ことによって調整砥石の断面円が削成され、かつ、該ツ
ルーイング工具がトラバース送りされることによって上
記断面円が連続して一葉回転双曲面を作り出す。本請求
項の構成について注目すべきところは、「無形の計算上
で切断し・半径を求め・直角座標面にプロットする」と
いう思考過程が「実体の調整砥石を回しつつ・実体のツ
ルーイング工具に切込み送りを掛けつつ・トラバース送
りする」という作業工程と対応しているという点であ
る。さらに本請求項においては、半径数値を直角座標面
上にプロットして得られた多数の点の連なりについて、
隣接する2点間を円補間するので、得られる曲線(プロ
ファイルの輪郭カーブ)は高精度に正確である。このよ
うな円補間は非常に多くの演算量を必要とするが、コン
ピュータにプログラムを与えておけば、人的な労力を要
しない。
【0020】請求項5に係る発明方法の構成は、前記請
求項2もしくは請求項3の発明の構成要件に加えて、前
記調整砥石の中心軸を含む面による切断面形状の想定
は、該調整砥石を、軸心と垂直な多数の面によって計算
的に切断し、切断して得られた多数の円形断面の半径数
値を算出し、2次元の直角座標面上の片方の軸に前記多
数の面の軸心方向の座標値をとるとともに、2次元の直
角座標面上の他方の軸に前記多数の円形断面の半径数値
をとって、多数の点の連なりを求め、上記多数の点のう
ち、相互に隣接する2点間を、コンピュータによって計
算的に直線で接触せしめて、求める調整砥石輪郭形状の
近似値を得てNC制御装置に入力することを特徴とす
る。以上に説明した請求項5の発明方法によると、調整
砥石をツルーイング仕上げすべき目標形状の一葉回転双
曲面を削成する制御信号としての座標値を、最も合理的
に、しかも、実用上必要な精度で効率よく求めることが
できる。すなわち、被加工物に対応する最適の調整砥石
プロファイルを計算的に求めることは公知技術を適用し
て行ない得るが、このプロファイルの輪郭形状を如何な
る座標系で表してNC制御装置に与えることによってツ
ルーイング工具の切込み送りを制御せしめるべきかにつ
いては未だ考究されていない。そこで本請求項において
は「立体形状である一葉回転双曲面」から、「平面座標
系であるところのトラバース送り−切込み送り制御数
値」を得るために、(大根を輪切りにする形で)回転双
曲面より成る調整砥石を計算的に輪切りにして、多数の
断面円の並びを求めた。上記多数の断面円のそれぞれは
2次元曲線であるが、それぞれの断面円の半径を持って
断面円を特定することによって、半径という1次元数値
に置き替えることができる。そして、ツルーイング工具
に1次元の切込み送り制御を掛けると、相手部材の調整
砥石が回転しているので、2次元曲線である断面円に復
元再生される。このような処理は、一つ一つの要素に分
解してみると公知技術であるが、本請求項の手順に組み
立てることによって最も合理的に、求める一葉回転双曲
面を削成することができる。すなわち、ツルーイング工
具が切込み送りを制御されることによって調整砥石の断
面円が削成され、かつ、該ツルーイング工具がトラバー
ス送りされることによって上記断面円が連続して一葉回
転双曲面を作り出す。本請求項の構成について注目すべ
きところは、「無形の計算上で切断し・半径を求め・直
角座標面にプロットする」という思考過程が「実体の調
整砥石を回しつつ・実体のツルーイング工具に切込み送
りを掛けつつ・トラバース送りする」という作業工程と
対応しているという点である。さらに本請求項において
は、半径数値を直角座標面上にプロットして得られた多
数の点の連なりについて、隣接する2点間を直線で結ぶ
ので、該2点間を円補間する場合に比して演算処理が著
しく簡単で足りる。その代り、円補間に比して精度は落
ちるが、前記断面円の個数を増加させることによって精
度を補うことができ、実用価値を発揮することができ
る。ここに、スルーフィード研削における調整砥石が、
被加工物を研削する作用を果たす部材ではないことに注
目しなければならない。すなわち、調整砥石の役目は被
加工物の被加工面を支承するとともに、その回転を制御
することである。従って、該調整砥石は、被加工物に対
して軸心方向に均一に接触することが必要であるが、該
調整砥石のプロファイルが被加工物に転写されるもので
はない。
【0021】請求項6に係る発明方法の構成は、前記請
求項1ないし請求項5の発明方法の構成要件に加えて、
前記ツルーイング工具の切込み送り方向の前後進は、上
記ツルーイング工具の刃先を「調整砥石の軸心を含む仮
想の平面」上で移動せしめて行なうことを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明方法によると、いわゆる
ダイヤ高さをゼロにした状態でツルーイング施工するこ
とができるので、ダイヤ高さ調節の手段を要せず、ダイ
ヤ高さ調整用のスライド装置を設ける費用を要せず、し
かも、ダイヤ高さ調節の誤差に因る調整砥石外周面形状
の狂いを生じる虞れが無い。従来技術においては、ダイ
ヤ高さを調節することによって一葉回転双曲面の恒円位
置を定めていたが、本発明においては生産技術的設計に
よって恒円位置を選定することができるから、実際のツ
ルーイング切削時にはダイヤ高さゼロで施工しても別段
の不具合を生じること無く、ダイヤ高さゼロによるメリ
ット(前述)が得られる。
【0022】請求項7に係る発明装置の構成は、砥石車
より成る調整砥石と、砥石車より成る研削砥石と、上記
研削砥石の軸心とほぼ平行で、水平面に対して傾斜した
頂面を有するブレードとを備えたセンターレス研削機で
あって、かつ、円柱面状の被加工面を有する被加工物
を、その軸心方向に、ブレードの上方へ送り込むスルー
フィード搬入機構、および、ブレード上の被加工物を軸
心方向に送り出すスルーフィード搬出機構を備えるとと
もに、調整砥石の軸心を、研削砥石の軸心に対して相対
的に捩らせる形に旋回せしめて送り角を与え得る構造
の、スルーフィード研削可能なセンターレス研削機にお
いて、調整砥石ツルーイング機構が設けられており、か
つ、上記調整砥石ツルーイング機構は、ツルーイング工
具を調整砥石の軸心と平行な方向にトラバース送りする
手段と、該ツルーイング工具の刃先を調整砥石に対して
接近・離間せしめる方向に切込み送りする手段とを具備
しており、上記ツルーイング用のトラバース送り手段お
よび切込み送り手段を含めたツルーイングユニットを、
調整砥石の軸心と直交する旋回軸の回りに旋回せしめる
手段が設けられていないことを特徴とする。以上に説明
した請求項7の発明装置によると、ツルーイングユニッ
トに旋回盤(調整砥石の軸心と直交する回転軸の周りに
旋回せしめる機器)が設けられていないので、切込み送
り機構およびトラバース送り機構の支持構造が簡単で、
研削機全体を小形,軽量,低コストで構成し得る上に、
前記送り機構の支持構造体が大きい剛性を有していて、
ツルーイング精度が高い。その上、ツルーイングユニッ
トの旋回盤を調整する必要が無いので作業員の労力と時
間とが節減され、作業員の旋回盤操作ミスに因るトラブ
ルを生じる虞れが無い。従来例のスルーフィード方式セ
ンターレス研削機のツルーイングユニットから単に旋回
盤を省略しただけではスルーフィード用調整砥石の外周
面を削成できなくなるが、本請求項に係るツルーイング
装置は、請求項1の発明方法を併用することによって実
用価値を発揮することができ、本請求項のツルーイング
装置によると、請求項1の発明に係るツルーイング方法
を容易に実施して、その効果を充分に発揮せしめること
ができる。すなわち、本請求項7に係るツルーイング装
置を用いないで請求項1の発明方法を実施しても、所期
の効果を奏することができない(ツルーイング工具を支
持して送り駆動する機構の支持剛性の向上に因る効果は
得られない)。
【0023】請求項8に係る発明装置の構成は、請求項
7の発明装置の構成要件に加えて、前記ツルーイング工
具の刃先を切込み送りする手段は、上記ツルーイング工
具の刃先が、「調整砥石の軸心を含む仮想の平面」上に
位置せしめて、前記切込み送り手段の先端部に固定的に
装着されていることを特徴とする。以上に説明した請求
項8の発明装置によると、ツルーイング工具の刃先が切
込み送り手段の先端部に対して、ダイヤ高さ調整スライ
ド機構を介在せしめることなく固定的に装着されている
ので、ツルーイング工具の支持剛性が大きく、高精度の
ツルーイング加工が可能である。その上、ダイヤ高さ調
整操作を必要としないので作業員の労力と時間とが節減
され、しかもダイヤ高さ調整の誤差によるツルーイング
仕上面の狂いを生じる虞れが無い。従来例のセンターレ
ス研削機の調整砥石ツルーイングユニットの切込み送り
手段から、単にダイヤ高さ調整スライド機構を省略した
だけでは所望の一葉回転双曲面を削成できない場合が有
るが、請求項1に係る発明方法を併用することによって
実用価値を発揮することができる。
【0024】請求項9に係る発明装置の構成は、前記請
求項7もしくは請求項8の発明の構成要件に加えて、前
記ツルーイング用トラバース送り手段と、切込み送り手
段とが連動せしめて駆動されるようになっていて、前記
ツルーイング工具の刃先が「調整砥石の軸心を含む仮想
の平面」上において、双曲線もしくは双曲線に類似した
曲線を描かしめられるようになっていることを特徴とす
る。以上に説明した請求項9の発明装置によると、調整
砥石を回転駆動しながら、ツルーイング工具の刃先を
「調整砥石の軸心を含む仮想の平面」上で双曲線を描か
せるように送りを掛けることにより、上記調整砥石の外
周面を一葉回転双曲面にツルーイング仕上げすることが
できる。この場合、必ずしも「調整砥石の軸心を含む平
面上」でなくても一葉回転双曲面を削り出すことが不可
能ではないが、「調整砥石の軸心を含む平面上」で双曲
線軌跡を描くと、最も容易に、高精度で、しかも能率よ
く一葉回転双曲面を削成することができる。
【0025】請求項10に係る発明装置の構成は、前記
請求項9の発明装置の構成要件に加えて、前記の切込み
送り手段はNC制御機構を備えていて、トラバース送り
方向をX軸とし、切込み送り方向をY軸とした2次元座
標系において、トラバース送り方向の座標値に対応した
切込み送り方向座標値を与えられて、ツルーイング工具
をNC制御しつつ切込み送りすることにより、調整砥石
を一葉回転双曲面に削成し得るようになっていることを
特徴とする。以上に説明した請求項10の発明装置によ
ると、作業員の所要工数を節減し、かつ高精度,高能率
で、調整砥石の外周面をツルーイング加工して一葉回転
双曲面に仕上げることができる。
【0026】請求項11に係る発明装置の構成は、前記
請求項10の発明装置の構成要件に加えて、前記センタ
ーレス研削機は自動制御装置を具備していて、上記自動
制御装置は「ダイヤ高さ数値とドレス角度とを与えら
れ、所定のプログラムに従って調整砥石のプロファイル
を算出する機能」を有しており、算出された調整砥石プ
ロファイルを表す座標値を、前記NC制御機構に入力さ
せるようになっていることを特徴とする。以上に説明し
た請求項11の発明装置によると、設計数値としてのド
レス角と、設計数値としてのダイヤ高さとを入力するだ
けで、所望の離心率と所望の恒円位置とを有する一葉回
転双曲面が削成され、生産技術設計の工数が節減される
上に、高精度の演算が高信頼性をもって遂行され、演算
に人為的なミスが混入する虞れを無からしめる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る調整砥石用
ツルーイング装置の1実施形態を備えた、スルーフィー
ド研削を行ない得るセンターレス研削機の正面図に、制
御系統を付記した図である。この実施形態は、前掲の図
4に示した従来例に本発明を適用して改良した1例であ
る。次に、本図1が前記図4(従来例に比して異なると
ころ、すなわち、本発明を適用した構成について述べ
る。図4(従来例)に設けられていた、ツルーイング・
ドレッシングユニット用のドレス角調整用旋回盤5eを
削除した。従ってドレス角調整用旋回面5gは消失して
いる。その結果、ドラバース送り装置5dは、旋回盤を
介在せしめることなく、調整砥石1′に対してリジッド
に搭載されている。詳しくは、砥石車より成る調整砥石
の車軸受を装着されたフレーム1cに対してリジッドに
固定されている。そして、ツルーイング工具5cは、ダ
イヤ高さ調整スライド5bを介することなく、切込み送
り装置5aの先端に固定的に装着されている。本実施形
態におけるツルーイング工具5cの装着箇所の詳細は図
8(B)に示されている。
【0028】図8(B)に示すごとく、ツルーイング工
具5cは、切込み送り装置5aの切込み送り線上に位置
せしめて、ツール固定具5hによって、上記切込み送り
装置5aの先端(調整砥石1′の軸心Oに近い方の端)
に、固定的に装着されている。上記「固定的に装着」の
内容を具体的に述べると、取付ネジ5fを緩めると、図
示しない長孔によってツルーイング工具5cを僅かに動
かし得るようになっていて、該ツルーイング工具5cを
切込み送り線上に位置せしめて取付ネジ5fを締めつけ
る。これにより、ツルーイング工具5cは、調整砥石
1′の半径の延長線上に位置して半径方向に切込み送り
されるようになる。すなわち、ダイヤ高さがゼロとなる
ように取り付けられる。図8(B)に関する上記の説明
は断面図について述べたものであるが、切込み送り装置
5aはツルーイング工具5cを支持したままで紙面を垂
直方向にトラバース送りされる。従って、ツルーイング
工具5cの刃先の移動する軌跡を立体的に考察すると、
調整砥石の軸心を含む平面上において、トラバース送り
・切込み送りされることになる。前記調整砥石車軸受フ
レーム1cが、旋回盤1aに搭載されていて、この旋回
盤1aの作用によって調整砥石1′の送り角が調節され
るようになっていることは、従来例(図4)におけると
同様である。前述のように、図4の従来例に比してドレ
ス角調整用旋回盤5e、およびダイヤ高さ調整スライド
5bを廃止したので、ツルーイング工具5cの支持構造
部分の剛性が増加し、ツルーイング精度を上昇させる一
つの要因となった。さらに、これらの機構を廃止したの
でセンターレス研削機が全体的に小形,軽量となり、製
造コストが低減された。その上、これらの機構を操作す
る労力と時間とが節減されてツルーイング加工の能率が
向上した。被加工物の搬入,搬出機構6は、スルーフィ
ード研削を行なうための構成部分であって、従来例(図
4)におけると同様に設けられている。
【0029】符号7を付して示したのは、当該センター
レス研削機全般を制御するCPUとしての機能を果たし
ている自動制御装置である。この自動制御装置7の中
に、NC制御部7aと、調整砥石のプロファイル演算部
7bとが設けられている。ただし、本発明を実施する
際、上記NC制御部7aやプロファイル演算部7bがC
PU機構部分と別体の独立機器として構成されることを
妨げない。要は、これに相当する構成部分を具備してい
れば良い。上記プロファイル演算部7bは、前掲の図9
(D)について説明した設計データとしてのドレス角
φ、およびダイヤ高さHtを入力されて、NC制御信号
kを算出し、これをNC制御部7aに入力させる。上記
のNC制御信号kは、調整砥石のプロファイルを表す2
次元の座標値である。図2は、プロファイル演算部から
NC制御部に与えられる制御信号の1例を示す図表であ
って、X軸に調整砥石の軸心方向の位置をとり、Y軸に
断面円の半径寸法をとってある。ただし、X軸目盛に比
してY軸目盛は著しく拡大されており、Y/X比は約1
50である。
【0030】この実施形態における調整砥石の長さ寸法
は305mmであり、この図表のX座標値305は、この
長さ寸法を表している。また、この調整砥石の最大径寸
法は330mmであって、この図表のY座標値165は、
その1/2、すなわち半径寸法を表している。
【0031】この図2の図表を得るには、使用すべきセ
ンターレス研削機、および製作すべき製品の仕様(一般
に図面で与えられる)に基づいて、公知の設計的手法に
従って調整砥石の寸法および送り角、並びにダイヤ高さ
を設定する(この操作は計算上のものであって、実体の
調整砥石に送り角を付したり、実体のツルーイング工具
(通称ドレッサ)にダイヤ高を付してセットしたりする
ものではない)。この設計手法としての送り角(θ)、
および設計手法としてのダイヤ高さ(Ht)について
は、図9(D)を参照して先に述べたごとくである。
【0032】これにより、ツルーイング仕上げすべき調
整砥石面の形状(一葉回転双曲面)が、数式として特定
される。上記のようにして求められた調整砥石を、その
軸心を含む平面によって、計算的に切断すると、調整砥
石のプロファイルが得られる。これを具体的に述べると
本実施形態においては図2に表されているように、X軸
方向に等間隔な62ポイントで、軸心と直交する仮想の
面によって切断し、62個の断面円を得る。それぞれの
断面円形状は、その半径寸法によって特定される。その
半径寸法を、Y軸座標値として、直角座標面上にプロッ
トすると図2が得られる。
【0033】座標面(図2)の上に、仮想のツルーイン
グ工具5c′を想定する。その刃先を、曲面矢印jのよ
うに、プロファイルカーブに沿わせて移動させると、求
める一葉回転双曲面が削成される。この一葉回転双曲面
の特性を定める離心率や恒円位置は、図1に示したプロ
ファイル演算部7bに対してドレス角φとダイヤ高さH
tとを与えることにより自動的に算出され、手数を要せ
ず迅速に演算され、しかも人為的な計算誤りを生じな
い。図1に示したNC制御部7aは、トラバース送り装
置5dに与えるトラバース制御信号mに対応せしめて、
切込み送り装置5aに対して切込み送り制御信号nを与
える。これにより、ツルーイング工具5cは「調整砥石
の軸心を含む平面」内で調整砥石プロファイル形状の軌
跡を描くように駆動・制御され、目的形状の一葉回転双
曲面、もしくは、該一葉回転双曲面に対して高度に近似
した曲面を削り出す。この場合、トラバース送り装置5
dの固定側は調整砥石車軸フレーム1cに対して直接的
に固定されているので、支持剛性が高い。該トラバース
送り装置5dの可動側は「切込み送り装置5aを搭載し
た移動ベース」として機能し、ツルーイング工具5cを
支持している切込み送り装置全体がNC制御でトラバー
ス送りされる。さらに上記切込み送り装置5aはツルー
イング工具5cをNC制御で切込み送りする。このよう
にして、従来技術(図4)におけるドレス角調整用旋回
盤5eやダイヤ高さ調整スライド5bが無くても、従来
技術におけると同様の一葉回転双曲面を、より高精度
に、より迅速容易に、より低コストで削成することがで
きる。
【0034】前掲の図2において、仮想のツルーイング
工具5c′をプロファイルの輪郭に沿わしめて曲線矢印
jのごとく移動させたが、この図表に表されているプロ
ファイルは、厳密には曲線でなく、多数の点の連なりで
ある。この多数の点の連なりと、ツルーイング工具軌跡
カーブ(矢印j)との関係を「精度と誤差の面」につい
て考察すると、計算によって得られた一葉回転双曲面
を、計算的に輪切りにして多数の断面円を求める場合
の、該多数の断面円の数によって精度が変わることは自
明である。図3は、数式として得られた一葉回転双曲面
を、計算的に多数の「X軸に直交する等間隔の面」で切
断した場合の切断箇所の数と精度との関係を説明するた
めに示した図表で、(A)は11ポイントで切断したと
きの半径をプロットし、(B)は62ポイントで切断し
たときの半径をプロットした切断位置−切断円半径の図
表である。計算精度のみに着目すると、ポイント数を補
間手段とによって決まる。すなわち、切断面の数を増せ
ば精度が上がる。そして又、隣接する2点間を直線で結
ぶ(直線補間)に比して、円弧で結ぶ(円弧補間)は、
計算手数は掛かるが精度は高い。
【0035】しかしながら、現実のツルーイング仕上げ
面には面あらさというものが有るから、面あらさよりも
高精度の演算をしても実効は無い。ここで図2を振り返
ると、縦軸の目盛が横軸の目盛に比して約150倍に拡
大されていることを考慮しなければならない。いま仮
に、縦軸と横軸とを等目盛とするように、図2の図表を
思考実験的に(頭の中で)上下に1/150に圧縮して
みると、曲率半径が著しく大きいことが分かる。双曲線
であるから曲率は一定ではないが、最小曲率半径の箇所
であっても、隣接する2点間を結ぶ曲線は、限り無く直
線に近い印象を受ける。本発明を実施する場合、ポイン
ト数(切断面の個数)を何個にするか、また、直線補間
するか円弧補間するかについては、研削すべき被加工物
の仕様諸元(図面)、および使用するセンターレス研削
機の性能特性、並びに、その他の作業条件を勘案して適
宜に設定することができる。本実施形態においては、6
2ポイント・直線補間により充分な精度が得られた。
【0036】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、ツルーイング工具刃先が、調整砥石の軸心
と平行なトラバース送りと伴せて、該調整砥石の中心軸
に接近・離間する方向の切込み送りを受けて、調整砥石
の外周面を一葉回転双曲面(もしくは、これに類似した
回転面)に削成することができる。すなわち、ツルーイ
ング工具は、切込み送りとトラバース送りとの2次元方
向の平面的な駆動,制御を受けつつ調整砥石を切削する
ことにより、該調整砥石の外周面を回転双曲面という3
次元形状に削成することができる。このため、3次元的
な工具の調節と移動とを必要とした従来技術に比して、
工具を支持して移動させる部材の調節が容易であるのみ
ならず、工具を支持して送りを掛ける手段も著しく簡単
な構造で足りる。このように、調節が容易であるという
ことは、作業員に高度の知識や熟練を必要としないので
工賃単価が低減される上に、所要工数が少なくて済むの
で労務コストが著しく低減される。その上、調節が容易
であるため、調節ミスを発生する危険性が少なくなる上
に、調節が簡単であるため加工精度が向上する。さら
に、ツルーイング工具の移動経路が単純化されるので、
いっそう加工精度が向上する。本請求項1に係る発明方
法の要旨を要約すると、ツルーイング工具を調整砥石軸
と平行にトラバース送りしつつ、調整砥石軸に向けて切
込み送りすることである。このように、調整砥石軸と平
行にトラバース送りすれは足りるので、従来技術におけ
るがごとく立体的に捩れた方向にトラバース送りする方
法に比して、著しく簡単なトラバース送り機構によって
実施することができる。また、切込み送り方向は必然的
にトラバース送り方向と直角に行なわれることになる。
このような切込み送り作動は電子的な制御によって効率
的に行なうこともできるが、古典的な倣い機構を適用し
て行なうことも可能である。
【0037】請求項2の発明方法によると、試作的に調
整砥石を鼓形に削成して、これに製品サンプルを接触さ
せてみて調整砥石面を手作業で修正する、といった実体
的な現物合わせ作業を一切必要とせず、設計計算のみに
よってツルーイング工具を2次元的に曲線移動(トラバ
ース送りと切込み送りとの合成による曲線的移動)させ
る経路を算定することができる。しかも、使用すべきセ
ンターレス研削機の仕様と、加工すべき製品の図面とに
基づいて適正に、かつ任意に送り角を設定することから
始まって、望ましい調整砥石外周面形状(一葉回転双曲
面)を設計計算的に算出するのであるから、生産技術的
設計の自由度が大きい。しかも、算出結果が断面形状の
プロファイルという2次元の座標値で出てくるから、ツ
ルーイング工具を2次元座標面上で制御しつつ送り作動
を与えれば良いので、3次元の立体的制御を必要とした
従来技術に比して著しく簡単である。制御の次元が少な
くて簡単であることにより、制御が容易であるのみでな
く、容易に高精度の制御を行なうことができる。さら
に、作業条件の変化など、何らかの事由によってツルー
イング加工内容に修正を加える必要を生じた場合も、2
次元制御の修正であるから(3次元制御の修正に比し
て)迅速かつ容易に対応することができる。
【0038】請求項3の発明方法によると、ツルーイン
グ工具刃先の切込み送り作動をNC制御することによ
り、迅速,容易、かつ高精度に、しかも自動的に遂行す
ることができる本発明は基本的に、望ましい調整砥石の
プロファイルを設計計算的に2次元座標値、ないしは2
元方程式として求め、このプロファイルの輪郭線に沿わ
しめてツルーイング工具刃先を移動させるものであるか
ら、こうした原理から必然的に、その前半においては計
算によって、実体の無い輪郭線を想定し、その後半にお
いては実在の物体であるツルーイング工具を駆動し、制
御しなければならない。上述のように、本発明方法の実
施工程の前半から後半に進行する過程において、実体の
無い数値から実在の物体の動きに移行する工程が必要で
ある。本請求項3においてはNC制御装置に対して実体
の無い数値(もしくは数式)を入力することにより、該
NC制御装置をして実体の部材であるツルーイング工具
の切込み送りを駆動・制御せしめる。先に述べた請求項
2の発明方法は、必ずしもNC制御装置によらなくても
実施することができ、駆動・制御の手段を限定されな
い。このため汎用性が大きく応用範囲が広いという長所
を有しているが、本請求項3においては前記の駆動・制
御の手段としてNC制御を適用することによって省力的
に、かつ高精度でツルーイング工具の切込み送りを可能
ならしめた。NC制御それ自体は公知公用の技術である
が、ツルーイング工具の切込み送りを2次元的に(平面
座標面上で)制御して、調整砥石外周面をスルーフィー
ド用の回転双曲面に削成するという技術的思想は本請求
項3の発明において創作されたものである。
【0039】請求項4の発明方法によると、調整砥石を
ツルーイング仕上げすべき目標形状の一葉回転双曲面を
削成する制御信号としての座標値を、最も合理的に、し
かも高精度で求めることができる。すなわち、被加工物
に対応する最適の調整砥石プロファイルを計算的に求め
ることは公知技術を適用して行ない得るが、このプロフ
ァイルの輪郭形状を如何なる座標系で表してNC制御装
置に与えることによってツルーイング工具の切込み送り
を制御せしめるべきかについては未だ考究されていな
い。そこで本請求項においては「立体形状である一葉回
転双曲面」から、「平面座標系であるところのトラバー
ス送り−切込み送り制御数値」を得るために、(大根を
輪切りにする形で)回転双曲面より成る調整砥石を計算
的に輪切りにして、多数の断面円の並びを求めた。上記
多数の断面円のそれぞれは2次元曲線であるが、それぞ
れの断面円の半径を持って断面円を特定することによっ
て、半径という1次元数値に置き替えることができる。
そして、ツルーイング工具に1次元の切込み送り制御を
掛けると、相手部材の調整砥石が回転しているので、2
次元曲線である断面円に復元再生される。このような処
理は、一つ一つの要素に分解してみると公知技術である
が、本請求項の手順に組み立てることによって最も合理
的に、求める一葉回転双曲面を削成することができる。
すなわち、ツルーイング工具が切込み送りを制御される
ことによって調整砥石の断面円が削成され、かつ、該ツ
ルーイング工具がトラバース送りされることによって上
記断面円が連続して一葉回転双曲面を作り出す。本請求
項の構成について注目すべきところは、「無形の計算上
で切断し・半径を求め・直角座標面にプロットする」と
いう思考過程が「実体の調整砥石を回しつつ・実体のツ
ルーイング工具に切込み送りを掛けつつ・トラバース送
りする」という作業工程と対応しているという点であ
る。さらに本請求項においては、半径数値を直角座標面
上にプロットして得られた多数の点の連なりについて、
隣接する2点間を円補間するので、得られる曲線(プロ
ファイルの輪郭カーブ)は高精度に正確である。このよ
うな円補間は非常に多くの演算量を必要とするが、コン
ピュータにプログラムを与えておけば、人的な労力を必
要としない。
【0040】請求項5の発明方法によると、調整砥石を
ツルーイング仕上げすべき目標形状の一葉回転双曲面を
削成する制御信号としての座標値を、最も合理的に、し
かも、実用上必要な精度で効率よく求めることができ
る。すなわち、被加工物に対応する最適の調整砥石プロ
ファイルを計算的に求めることは公知技術を適用して行
ない得るが、このプロファイルの輪郭形状を如何なる座
標系で表してNC制御装置に与えることによってツルー
イング工具の切込み送りを制御せしめるべきかについて
は未だ考究されていない。そこで本請求項においては
「立体形状である一葉回転双曲面」から、「平面座標系
であるところのトラバース送り−切込み送り制御数値」
を得るために、(大根を輪切りにする形で)回転双曲面
より成る調整砥石を計算的に輪切りにして、多数の断面
円の並びを求めた。上記多数の断面円のそれぞれは2次
元曲線であるが、それぞれの断面円の半径を持って断面
円を特定することによって、半径という1次元数値に置
き替えることができる。そして、ツルーイング工具に1
次元の切込み送り制御を掛けると、相手部材の調整砥石
が回転しているので、2次元曲線である断面円に復元再
生される。このような処理は、一つ一つの要素に分解し
てみると公知技術であるが、本請求項の手順に組み立て
ることによって最も合理的に、求める一葉回転双曲面を
削成することができる。すなわち、ツルーイング工具が
切込み送りを制御されることによって調整砥石の断面円
が削成され、かつ、該ツルーイング工具がトラバース送
りされることによって上記断面円が連続して一葉回転双
曲面を作り出す。本請求項の構成について注目すべきと
ころは、「無形の計算上で切断し・半径を求め・直角座
標面にプロットする」という思考過程が「実体の調整砥
石を回しつつ・実体のツルーイング工具に切込み送りを
掛けつつ・トラバース送りする」という作業工程と対応
しているという点である。さらに本請求項においては、
半径数値を直角座標面上にプロットして得られた多数の
点の連なりについて、隣接する2点間を直線で結ぶの
で、該2点間を円補間する場合に比して演算処理が著し
く簡単で足りる。その代り、円補間に比して精度は落ち
るが、前記断面円の個数を増加させることによって精度
を補うことができ、実用価値を発揮することができる。
ここに、スルーフィード研削における調整砥石が、被加
工物を研削する作用を果たす部材ではないことに注目し
なければならない。すなわち、調整砥石の役目は被加工
物の被加工面を支承するとともに、その回転を制御する
ことである。従って、該調整砥石は、被加工物に対して
軸心方向に均一に接触することが必要であるが、該調整
砥石のプロファイルが被加工物に転写されるものではな
い。
【0041】請求項6の発明方法によると、いわゆるダ
イヤ高さをゼロにした状態でツルーイング施工すること
ができるので、ダイヤ高さ調節の手段を要せず、ダイヤ
高さ調整用のスライド装置を設ける費用を要せず、しか
も、ダイヤ高さ調節の誤差に因る調整砥石外周面形状の
狂いを生じる虞れが無い。従来技術においては、ダイヤ
高さを調節することによって一葉回転双曲面の恒円位置
を定めていたが、本発明においては生産技術的設計によ
って恒円位置を選定することができるから、実際のツル
ーイング切削時にはダイヤ高さゼロで施工しても別段の
不具合を生じること無く、ダイヤ高さゼロによるメリッ
ト(前述)が得られる。
【0042】請求項7の発明装置によると、ツルーイン
グユニットに旋回盤(調整砥石の軸心と直交する回転軸
の周りに旋回せしめる機器)が設けられていないので、
切込み送り機構およびトラバース送り機構の支持構造が
簡単で、研削機全体を小形,軽量,低コストで構成し得
る上に、前記送り機構の支持構造体が大きい剛性を有し
ていて、ツルーイング精度が高い。その上、ツルーイン
グユニットの旋回盤を調整する必要が無いので作業員の
労力と時間とが節減され、作業員の旋回盤操作ミスに因
るトラブルを生じる虞れが無い。従来例のスルーフィー
ド方式センターレス研削機のツルーイングユニットから
単に旋回盤を省略しただけではスルーフィード用調整砥
石の外周面を削成できなくなるが、本請求項に係るツル
ーイング装置は、請求項1の発明方法を併用することに
よって実用価値を発揮することができ、本請求項のツル
ーイング装置によると、請求項1の発明に係るツルーイ
ング方法を容易に実施して、その効果を充分に発揮せし
めることができる。すなわち、本請求項7に係るツルー
イング装置を用いないで請求項1の発明方法を実施して
も、所期の効果を奏することができない(ツルーイング
工具を支持して送り駆動する機構の支持剛性の向上に因
る効果は得られない)。
【0043】請求項8の発明装置によると、ツルーイン
グ工具の刃先が切込み送り手段の先端部に対して、ダイ
ヤ高さ調整スライド機構を介在せしめることなく固定的
に装着されているので、ツルーイング工具の支持剛性が
大きく、高精度のツルーイング加工が可能である。その
上、ダイヤ高さ調整操作を必要としないので作業員の労
力と時間とが節減され、しかもダイヤ高さ調整の誤差に
よるツルーイング仕上面の狂いを生じる虞れが無い。従
来例のセンターレス研削機の調整砥石ツルーイングユニ
ットの切込み送り手段から、単にダイヤ高さ調整スライ
ド機構を省略しただけでは所望の一葉回転双曲面を削成
できない場合が有るが、請求項1に係る発明方法を併用
することによって実用価値を発揮することができる。
【0044】請求項9の発明装置によると、調整砥石を
回転駆動しながら、ツルーイング工具の刃先を「調整砥
石の軸心を含む仮想の平面」上で双曲線を描かせるよう
に送りを掛けることにより、上記調整砥石の外周面を一
葉回転双曲面にツルーイング仕上げすることができる。
この場合、必ずしも「調整砥石の軸心を含む平面上」で
なくても一葉回転双曲面を削り出すことが不可能ではな
いが、「調整砥石の軸心を含む平面上」で双曲線軌跡を
描くと、最も容易に、高精度で、しかも能率よく一葉回
転双曲面を削成することができる。
【0045】請求項10の発明装置によると、作業員の
所要工数を節減し、かつ高精度,高能率で、調整砥石の
外周面をツルーイング加工して一葉回転双曲面に仕上げ
ることができる。また、請求項11の発明装置による
と、設計数値としてのドレス角と、設計数値としてのダ
イヤ高さとを入力するだけで、所望の離心率と所望の恒
円位置とを有する一葉回転双曲面が削成され、生産技術
設計の工数が節減される上に、高精度の演算が高信頼性
をもって遂行され、演算に人為的なミスが混入する虞れ
を無からしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る調整砥石用ツルーイング装置の1
実施形態を備えた、スルーフィード研削を行ない得るセ
ンターレス研削機の正面図に、制御系統を付記した図で
ある。
【図2】プロファイル演算部からNC制御部に与えられ
る信号の1例を示す図表であって、X軸に調整砥石の軸
心方向の位置をとり、Y軸に断面円の半径寸法をとって
ある。
【図3】数式として得られた一葉回転双曲面を、計算的
に多数の「X軸に直交する等間隔の面」で切断した場合
の切断箇所の数と精度との関係を説明するために示した
図表で、(A)は11ポイントで切断したときの半径を
プロットし、(B)は62ポイントで切断したときの半
径をプロットした切断位置−切断円半径の図表である。
【図4】センターレス研削機の公知例を示し、調整砥
石,ブレード,および被加工物の付近を描いた側面外観
図であって、研削砥石は部分的に破断したところを描い
てある。
【図5】スルーフィード研削の原理を説明するために示
したもので、スルーフィード研削を行なっている状態を
描いた模式的な斜視図に、動作を表す矢印を付記した図
である。
【図6】調整砥石と被加工物との接触状態を説明するた
めに示した模式的な斜視図であって、(A)はインフィ
ード研削している状態を描き、(B)はインフィード研
削用の調整砥石でスルーフィード研削する仮想の状態を
描き、(C)はスルーフィード研削用の調整砥石でスル
ーフィード研削している状態を描き、(D)は上記スル
ーフィード用調整砥石を従来技術によってツルーイング
している状態を描いてある。
【図7】スルーフィード用の研削砥石をツルーイングす
る場合、ツルーイング用の工具(通称ドレッサ)の位置
を設定する従来技術を説明するために示したものであっ
て、(A)は調整砥石とブレードとによって被加工物を
支承してスルーフィード方式でセンターレス研削してい
る状態の模式的な正面図、(B)は上記のスルーフィー
ド研削を実現せしめるためにツルーイングしている状態
の模式的な正面図である。
【図8】調整砥石をツルーイングする際のツルーイング
工具の位置を示す模式的な正面図であって、(A)は従
来技術における状態を、(B)は本発明の実施形態にお
ける状態を、それぞれ描いてある。
【図9】ツルーイング加工においてドレス角φやダイヤ
高さHtの変化に伴う調整砥石形状の変化を示したもの
で、(A),(B)はドレス角が0の場合の、(C),
(D)はドレス角を付与した場合の、調整砥石のプロフ
ァイルとツルーイング工具の経路とを描いた模式図であ
る。
【符号の説明】
1,1′…調整砥石、1a…調整砥石送り角調整用旋回
盤、1b…調整砥石送り角調整用旋回面、1c…調整砥
石車軸受フレーム、2…被加工物、2′…想定した被加
工物の形状と位置、3…ブレード、4…研削砥石、5,
5′…ツルーイング/ドレッシングユニット、5a…切
込み送り装置、5b…ダイヤ高さ調整スライド、5c…
ツルーイング工具(通称・ドレッサ)、5d…トラバー
ス送り装置、5e…ドレス角調整用旋回盤、5f…取付
けネジ、5g…ドレス角調整用旋回面、5h…ツール固
定具。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石車より成る調整砥石とブレードとに
    よって、円柱状の被加工面を有する被加工物を支承する
    とともに、調整砥石を回転させることによって上記被加
    工物を摩擦伝動で回転せしめつつ、砥石車より成る研削
    砥石を被加工面に接触せしめるセンターレス研削方法で
    あって、 前記調整砥石の中心軸に送り角を与えて、前記被加工物
    を軸心方向に移動せしめるスルーフィード方式のセンタ
    ーレス研削を行なうため、調整砥石の外周面を一葉回転
    双曲面状にツルーイングする方法において、 調整砥石を駆動して、中心軸まわりに回転せしめるとと
    もに、 ツルーイング工具を支持している移動ベースを、調整砥
    石の中心軸と平行に移動せしめつつ、 上記ツルーイング工具を調整砥石の中心軸に対して接近
    ・離間せしめる切込み送り方向に前後進させて、該ツル
    ーイング工具の刃先と調整砥石中心軸との間の距離を変
    化せしめることにより、 上記調整砥石の外周面形状を、予め定められた一葉回転
    双曲面もしくは一葉回転双曲面に類似した回転面ならし
    めるようにツルーイング仕上げすることを特徴とする、
    スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法。
  2. 【請求項2】 与えられたセンターレス研削機、およ
    び、与えられた製品図面に基づいて、スルーフィード方
    式のセンターレス研削を行なうために適正な調整砥石送
    り角を設定し、 上記のようにして設定された送り角、および前記製品図
    面に基づいて調整砥石の外周面形状を算定し、 上記の外周面形状を有する調整砥石を、その中心軸を含
    む面によって切断した断面形状を想定し、 前記ツルーイング工具の刃先が、上記断面形状の輪郭線
    に沿うように、該刃先を移動させることを特徴とする、
    請求項1に記載したスルーフィード用調整砥石のツルー
    イング方法。
  3. 【請求項3】 前記ツルーイング工具の刃先を、移動ベ
    ースに対して相対的に、調整砥石の軸心と直角方向の駆
    動可能に支持し、 一方、前記断面形状の輪郭線を表すデータをNC制御装
    置に入力し、 前記ツルーイング工具刃先の、軸心と直角方向の駆動
    を、上記NC制御装置によって制御することを特徴とす
    る、請求項2に記載したスルーフィード用調整砥石のツ
    ルーイング方法。
  4. 【請求項4】 前記調整砥石の中心軸を含む面による切
    断面形状の想定は、該調整砥石を、軸心と垂直な多数の
    面によって計算的に切断し、 切断して得られた多数の円形断面の半径数値を算出し、 2次元の直角座標面上の片方の軸に前記多数の面の軸心
    方向の座標値をとるとともに、 2次元の直角座標面上の他方の軸に前記多数の円形断面
    の半径数値をとって、多数の点の連なりを求め、 上記多数の点のうち、相互に隣接する2点間を、コンピ
    ュータ演算処理により円補間して、求める調整砥石の輪
    郭形状の近似値を得てNC制御装置に入力することを特
    徴とする、請求項2もしくは請求項3に記載したスルー
    フィード用調整砥石のツルーイング方法。
  5. 【請求項5】 前記調整砥石の中心軸を含む面による切
    断面形状の想定は、該調整砥石を、軸心と垂直な多数の
    面によって計算的に切断し、 切断して得られた多数の円形断面の半径数値を算出し、 2次元の直角座標面上の片方の軸に前記多数の面の軸心
    方向の座標値をとるとともに、 2次元の直角座標面上の他方の軸に前記多数の円形断面
    の半径数値をとって、多数の点の連なりを求め、 上記多数の点のうち、相互に隣接する2点間を、コンピ
    ュータによって計算的に直線で接触せしめて、求める調
    整砥石輪郭形状の近似値を得てNC制御装置に入力する
    ことを特徴とする、請求項2もしくは請求項3に記載し
    たスルーフィード用調整砥石のツルーイング方法。
  6. 【請求項6】 前記ツルーイング工具の切込み送り方向
    の前後進は、上記ツルーイング工具の刃先を「調整砥石
    の軸心を含む仮想の平面」上で移動せしめて行なうこと
    を特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れかに記載
    したスルーフィード用調整砥石のツルーイング方法。
  7. 【請求項7】 砥石車より成る調整砥石と、砥石車より
    成る研削砥石と、 上記研削砥石の軸心とほぼ平行で、水平面に対して傾斜
    した頂面を有するブレードとを備えたセンターレス研削
    機であって、かつ、 円柱面状の被加工面を有する被加工物を、その軸心方向
    に、ブレードの上方へ送り込むスルーフィード搬入機
    構、および、ブレード上の被加工物を軸心方向に送り出
    すスルーフィード搬出機構を備えるとともに、 調整砥石の軸心を、研削砥石の軸心に対して相対的に捩
    らせる形に旋回せしめて送り角を与え得る構造の、スル
    ーフィード研削可能なセンターレス研削機において、 調整砥石ツルーイング機構が設けられており、 かつ、上記調整砥石ツルーイング機構は、ツルーイング
    工具を調整砥石の軸心と平行な方向にトラバース送りす
    る手段と、 該ツルーイング工具の刃先を調整砥石に対して接近・離
    間せしめる方向に切込み送りする手段とを具備してお
    り、 上記ツルーイング用のトラバース送り手段および切込み
    送り手段を含めたツルーイングユニットを、調整砥石の
    軸心と直交する旋回軸の回りに旋回せしめる手段が設け
    られていないことを特徴とする、スルーフィード用調整
    砥石のツルーイング装置。
  8. 【請求項8】 前記ツルーイング工具の刃先を切込み送
    りする手段は、 上記ツルーイング工具の刃先が、「調整砥石の軸心を含
    む仮想の平面」上に位置せしめて、前記切込み送り手段
    の先端部に固定的に装着されていることを特徴とする、
    請求項8に記載したスルーフィード用調整砥石のツルー
    イング装置。
  9. 【請求項9】 前記ツルーイング用トラバース送り手段
    と、切込み送り手段とが、連動せしめて駆動されるよう
    になっていて、 前記ツルーイング工具の刃先が「調整砥石の軸心を含む
    仮想の平面」上において、双曲線もしくは双曲線に類似
    した曲線を描かしめられるようになっていることを特徴
    とする、請求項7もしくは請求項8に記載したスルーフ
    ィード用調整砥石のツルーイング装置。
  10. 【請求項10】 前記の切込み送り手段はNC制御機構
    を備えていて、 トラバース送り方向をX軸とし、切込み送り方向をY軸
    とした2次元座標系において、 トラバース送り方向の座標値に対応した切込み送り方向
    座標値を与えられて、ツルーイング工具をNC制御しつ
    つ切込み送りすることにより、調整砥石を一葉回転双曲
    面に削成し得るようになっていることを特徴とする、請
    求項9に記載したスルーフィード用調整砥石のツルーイ
    ング装置。
  11. 【請求項11】 前記センターレス研削機は自動制御装
    置を具備していて、 上記自動制御装置は「ダイヤ高さ数値とドレス角度とを
    与えられ、所定のプログラムに従って調整砥石のプロフ
    ァイルを算出する機能」を有しており、 算出された調整砥石プロファイルを表す座標値を、前記
    NC制御機構に入力させるようになっていることを特徴
    とする、請求項10に記載したスルーフィード用調整砥
    石のツルーイング装置。
JP6855799A 1999-03-15 1999-03-15 スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置 Pending JP2000263438A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6855799A JP2000263438A (ja) 1999-03-15 1999-03-15 スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6855799A JP2000263438A (ja) 1999-03-15 1999-03-15 スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000263438A true JP2000263438A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13377194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6855799A Pending JP2000263438A (ja) 1999-03-15 1999-03-15 スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000263438A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010194631A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Koyo Mach Ind Co Ltd センタレス研削盤の設定支援装置
CN102335873A (zh) * 2011-09-30 2012-02-01 重庆成俊工贸有限公司 数控成形砂轮修整机及修整方法
KR101304268B1 (ko) * 2004-10-29 2013-09-05 고요 기카이 고교 가부시키가이샤 센터리스 연삭반
CN108724006A (zh) * 2018-08-31 2018-11-02 重庆派斯克刀具制造股份有限公司 一种砂轮自动修磨装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101304268B1 (ko) * 2004-10-29 2013-09-05 고요 기카이 고교 가부시키가이샤 센터리스 연삭반
JP2010194631A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Koyo Mach Ind Co Ltd センタレス研削盤の設定支援装置
CN102335873A (zh) * 2011-09-30 2012-02-01 重庆成俊工贸有限公司 数控成形砂轮修整机及修整方法
CN108724006A (zh) * 2018-08-31 2018-11-02 重庆派斯克刀具制造股份有限公司 一种砂轮自动修磨装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5193314A (en) Computer controlled grinding machine for producing objects with complex shapes
US8424427B2 (en) Method and apparatus for roll surface machining
JP5213442B2 (ja) 眼科用レンズのラスタ切削技術
US4864779A (en) Grinding method and apparatus of orientation flat
US4686796A (en) Method and apparatus for improved polishing of turbine blades
JP2000263438A (ja) スルーフィード用調整砥石のツルーイング方法、および、同装置
JP2000084852A (ja) 研削盤用ドレス装置
CN101154098B (zh) 数字控制器及其程序写入方法以及由此控制的切削机
JPH11179628A (ja) Nc工作機械
JP3129911B2 (ja) センターレスグラインダの調整方法
JP2005028556A (ja) 自由曲面加工方法
WO2006132126A1 (ja) 光学素子の製造方法および光学素子
JPH02139117A (ja) Nc歯車研削方法とnc歯車研削盤用ギャップエリミネータ
JPS59219155A (ja) 研磨加工機
JPS5911422B2 (ja) ロ−タの加工方法
JP2007118143A (ja) ツルーイング装置及びツルーイング方法
JP2001232545A (ja) 柱面を有する被加工物を研削する方法、および同装置
JP2020121394A (ja) センタレス研削装置、ツルーイング方法および工作物の製造方法
JP2002127010A (ja) センタレス研削盤の調整車修正方法及び修正装置
JP2005018531A (ja) カム研削方法
JP3162701B2 (ja) 両頭研削盤の砥石修正方法
JPH0647621A (ja) 対向砥石台を備えたねじ研削盤
JPH08336701A (ja) 表面加工方法
JPH06246605A (ja) 歯研削装置
JPH10296537A (ja) ねじ研削方法およびねじ研削盤