JP2000262290A - 細菌に対する感染防御反応を制御する新規タンパク質及びこれをコードするdna - Google Patents

細菌に対する感染防御反応を制御する新規タンパク質及びこれをコードするdna

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JP2000262290A
JP2000262290A JP11073815A JP7381599A JP2000262290A JP 2000262290 A JP2000262290 A JP 2000262290A JP 11073815 A JP11073815 A JP 11073815A JP 7381599 A JP7381599 A JP 7381599A JP 2000262290 A JP2000262290 A JP 2000262290A
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dna
amino acid
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Kensuke Miyake
健介 三宅
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 TLRに対して相互作用し、炎症性タンパクの
発現調節を担っているMD-2分子およびこれをコードする
DNAを提供する。 【解決手段】 マウスMD-1又はヒトMD-1のアミノ酸配列
に相同性を持つ遺伝子をESTデータベースにて検索
し、同定されたESTの塩基配列に基づいてマウス腎臓cDN
Aライブラリー又はヒト子宮cDNAライブラリーから、下
記(A)又は(B)のヒトタンパク質であるヒトMD-2及
び下記(C)又は(D)のマウスタンパク質であるマウ
スMD-2をコードする全長cDNAを得る。 (A)特定のアミノ酸配列を有するタンパク質。 (B)(A)の配列においてアミノ酸配列を変更しNF
−κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク
質。 (C)上記のものとは異なるアミノ酸特定の配列を有す
るタンパク質。 (D)(C)の配列においてアミノ酸配列を変更し、N
F−κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク
質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌に対する感染
防御反応を制御する新規タンパク質及びこれをコードす
るDNA、及びその利用に関する。
【0002】本発明のタンパク質及びこれをコードする
DNAは、自己免疫疾患、アレルギー疾患、喘息、アトピ
ー性皮膚炎等疾患の治療薬及び診断薬に利用され得る。
【0003】
【従来の技術】Leucine-rich repeat(LRR)は、蛋白−
蛋白相互作用に関係する蛋白モチーフである。そのモチ
ーフは、機能においても細胞内の分布においても、様々
な蛋白中に存在する。その中には、病原体に対する防御
の役割を持つものもある。トマトのカビに対する防御反
応誘導シグナルを伝達するCf-2, Cf-9レセプターはLRR
モチーフを細胞外ドメインに持っており、LRRにより特
異的な病原体の分子を認識し、植物の防御応答を活性化
する。同様にDrosophilaのLRR分子であるToll receptor
は、カビに対する防御応答を引き起こす。最近、Tollの
ヒトホモログ(Toll like receptors, TLRs)がクロー
ニングされ(R. Medzhitov, P. Preston-Hurlburt, C.
A. Janeway Jr. Nature, 388, 349(1997))、さらに同
定された5種のTLRs(TLR1からTLR5)はToll-like rece
ptorファミリーをなしていることが報告されている(F.
L. Rock, G. Hardiman, J. C. Timans, R.A.Kastelei
n, J.F.Bazan, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 95, 58
8 (1998))。その細胞外LRRはリガンドを認識し、その
細胞外ドメインがRNAポリメラーゼIIの転写調節因子の
一つであるNF−κBの活性化の引き金を引き、複数の
炎症性タンパクの遺伝子発現誘導を引き起こす(R. Med
zhitov, P. Preston-Hurlburt, C. A. Janeway Jr.Natu
re, 388, 349(1997))。この様に、LRR分子は様々な種
の免疫システムにおいて基本的な役割を果たしている
が、詳細については解析が進んでいないのが現状であ
る。RP105は、マウスBリンパ球に発現するLRR分子であ
る。これは本発明者により、脾臓のB細胞を、放射線照
射により誘導されるアポトーシスから防御するRP抗体の
樹立により同定された。この細胞外LRRはTRLと類似性が
ある。RP105は、抗体でクロスリンクされると、アポト
ーシスを引き起こす刺激に対して抵抗性を示す活性化シ
グナルを伝達する。興味深いことに、これらの活性化さ
れ増殖しているB細胞は、抗原レセプターからの刺激が
入ると、増殖を抑制しアポトーシスを起こす。このよう
に、RP105はB細胞の増殖と、抗原により誘導されるアポ
トーシスの制御に関与する。本発明者は、細胞上のRP10
5分子に会合し、そのLRRと相互作用していると予想され
る分子を単離した。さらに、その遺伝子をクローニング
し、長さ約1kbのcDNAを得、全塩基配列を決定した。全
てのアミノ酸配列を用いて再度データベースを検索した
ところ、v-myb regulated geneのひとつであるMD-1が高
いホモロジーを示し、この分子がMD-1のマウスホモログ
であると同定された。(J. Immunology, 161:1348-135
3, 1998) 本発明者は、マウスMD-1分子の塩基配列をもとにホモロ
ジーサーチすることにより、ヒトMD-1分子をコードする
遺伝子をクローニングしている(特願平10-286470
号)。さらにヒトMD-1分子はRP105分子の細胞表面への
発現に必要であることが示されている(Blood, 92(8):2
815-2822, 1988)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したとおり、MD-1
分子はRP105分子に相互作用し、正常B細胞の増殖、アポ
トーシスに関与している分子であり、その存在はRP105
分子の生理的な機能を調節している。本発明は、RP105
分子と類似のLRR構造を持つTLRに対して相互作用し、炎
症性タンパクの発現調節を担っているMD-2分子およびこ
れをコードするDNAを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
ように、すでにマウス MD-1タンパク質をコードするcD
NAを単離し、その全塩基配列を決定している。(J. Immu
nology 161:1348-1353,1998) このマウスMD-1分子をコ
ードする遺伝子を基に、医薬品等に応用するのに適した
ヒトMD-1分子を単離することを目的とした研究を重ね、
ヒトMD-1分子をコードする遺伝子をクローニングするこ
とに成功した。本発明者らはさらに、MD-1分子のアミノ
酸配列、及びMD-1分子をコードする遺伝子の塩基配列を
もとに、医薬品等に応用するのに適したMD-2分子を単離
することを目的とした研究を重ね、ヒト及びマウスのMD
-2分子をコードする遺伝子をクローニングすることに成
功した。すなわち、マウスのMD-2分子を単離すべく、マ
ウスMD-1分子の塩基配列をもとにホモロジーサーチする
ことにより、マウスMD-2分子の部分をコードする遺伝子
を得、これをもとに全遺伝子のクローニングに成功し
た。さらに、同様にしてヒトMD-1分子の塩基配列をもと
にヒトMD-2をコードする遺伝子のクローニングに成功し
た。
【0006】すなわち本発明は、下記(A)又は(B)
のヒトタンパク質又はその一部を有するタンパク質であ
る。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1又は
複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するア
ミノ酸配列を有し、かつ、TLR4分子を介したNF−
κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク質。
【0007】さらに本発明は、上記ヒトタンパク質をコ
ードするDNA又は少なくともその一部を有するDNA
を提供する。上記DNAとして具体的には、下記(a)
または(b)に示すDNAが挙げられる。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号174〜605からなる塩基配列を含
むDNA (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号174〜605からなる塩基配列とス
トリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、TL
R4分子を介したNF−κB活性化の増加に関与する性
質を有するヒトタンパク質をコードするDNA。
【0008】本発明はまた、下記(C)又は(D)のマ
ウスタンパク質又はその一部を有するタンパク質を提供
する。 (C)配列番号4に示すアミノ酸配列を有するタンパク
質。 (D)配列番号4に示すアミノ酸配列において、1又は
複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するア
ミノ酸配列を有し、かつ、TLR4分子を介したNF−
κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク質。
【0009】本発明はさらに、上記マウスタンパク質を
コードするDNA又は少なくともその一部を有するDN
Aを提供する。上記DNAとして具体的には、下記
(c)または(d)に示すDNAが挙げられる。 (a)配列表の配列番号3に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号98〜532からなる塩基配列を含む
DNA (b)配列表の配列番号3に記載の塩基配列のうち、少
なくとも塩基番号98〜532からなる塩基配列とスト
リンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、TLR
4分子を介したNF−κB活性化の増加に関与する性質
を有するマウスタンパク質をコードするDNA。
【0010】本発明はまた、上記DNAのいずれかを含
むことを特徴とする組換えDNAを提供する。さらに本
発明は、上記DNAのいずれか又は上記組換えDNAで
形質転換された形質転換体を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <1>本発明のDNA
【0012】本発明の第一のDNAは、前記(A)又は
(B)のタンパク質(以下、「ヒトMD-2」という)をコ
ードするDNA又は少なくともその一部を有するDNAであ
る。本発明のDNAとして具体的には、配列番号1に示す
塩基配列を有するDNA、特に配列番号1において塩基番
号174〜605で表される塩基配列を有するDNAが挙
げられるが、一般に、アミノ酸をコードするDNAのトリ
プレットは、アミノ酸の種類ごとに1〜6種類が存在す
ることが知られているので、配列番号2に示すアミノ酸
配列をコードする塩基配列は、配列番号1に示す塩基配
列に限定されない。
【0013】本発明の第二のDNAは、前記(C)又は
(D)のタンパク質(以下、「マウスMD-2」という)を
コードするDNA又は少なくともその一部を有するDNAであ
る。本発明のDNAとして具体的には、配列番号3に示す
塩基配列を有するDNA、特に配列番号3において塩基番
号98〜532で表される塩基配列を有するDNAが挙げ
られるが、一般に、アミノ酸をコードするDNAのトリプ
レットは、アミノ酸の種類ごとに1〜6種類が存在する
ことが知られているので、配列番号4に示すアミノ酸配
列をコードする塩基配列は、配列番号3に示す塩基配列
に限定されない。
【0014】尚、「一部」とは、(A)もしくは(B)
のタンパク質、又は(C)又は(D)のタンパク質をコ
ードするDNAの任意の一部を意味し、「少なくと一部を
有する」とは、(A)もしくは(B)のタンパク質、又
は(C)又は(D)のタンパク質をコードするDNAの全
部又は一部の5’末端、3’末端のいずれか一方、もし
くはその両方に任意の1つ以上の塩基が付加した配列か
らなるものであってもよいことを意味する。ここで、付
加される塩基は、コーデイングフレームにずれを生じさ
せない限りいかなるものであってもよく、例えば、リン
カー配列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、他
のタンパク質をコードする塩基配列、もしくはDNAプロ
ーブ等を作製する際にその検出感度の増加を目的として
付加される配列等が例として挙げられる。
【0015】また、本発明のDNAをゲノムライブラリー
から調製した場合には、イントロンが含まれる可能性が
高いが、そのようなイントロンで分断されたDNAであっ
ても、ヒト又はマウスのMD-2をコードする限り、本発明
のDNAに含まれる。
【0016】本発明のDNAは、新規タンパク質MD-2のア
ミノ酸配列をコードする塩基配列の少なくとも一部を有
する限り、cDNAであっても染色体DNAであってもよい。
しかしながら、形質転換体への導入の容易さ等、遺伝子
工学的手法における扱い易さから、本発明のDNAはcDNA
であることが好ましい。
【0017】本発明のDNAは、特に好ましくは、ヒトMD-
2又はマウスMD-2のアミノ酸をコードする塩基配列の全
体を有するものである。この配列は、ヒトMD-2又はマウ
スMD-2の生物活性を応用するためのタンパク質を生産す
るために使用することができる。ヒトMD-2又はマウスMD
-2のアミノ酸をコードする塩基配列を有するDNAを適当
なシグナル配列の下流に接続させた組換えDNA分子を作
製し、これを用いて宿主細胞を形質転換させると、得ら
れた形質転換体の培養上清中に新規タンパク質ヒトMD-2
又はマウスMD-2のアミノ酸配列を有するタンパク質を分
泌させることができる。
【0018】同一の機能を有するタンパク質であって
も、種間差や個体差によってアミノ酸配列や、それをコ
ードするDNAの塩基配列に多様性が生じることがある。
したがって、TLR4分子を介したNF−κB活性化の
増加に関与する性質を有する限り、1又は複数のアミノ
酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するヒトMD-2又はマ
ウスMD-2をコードするDNAも、本発明のDNAに含まれる。
このようなアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加は、複
数の位置で同時に生じていても良い。ここで「複数」と
は、2〜40個、好ましくは2〜30個、より好ましく
は2〜10個である。
【0019】上記のようなヒトMD-2をコードするDNAの
一態様として、例えば、配列表の配列番号1に記載の塩
基配列のうち、少なくとも塩基番号174〜605から
なる塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするDNAであって、かつ、TLR4分
子を介したNF−κB活性化の増加に関与する性質を有
するタンパク質をコードするDNAが挙げられる。また、
マウスMD-2をコードするDNAの一態様として、例えば、
配列表の配列番号3に記載の塩基配列のうち、少なくと
も塩基番号98〜532からなる塩基配列を有するDNA
とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
であって、かつ、TLR4分子を介したNF−κB活性
化の増加に関与する性質を有するタンパク質をコードす
るDNAが挙げられる。ここでいう「ストリンジェントな
条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成さ
れ、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をい
う。この条件を明確に数値化することは困難であるが、
一例を示せば、相同性が高い核酸同士、例えば、70%
以上、好ましくは80%以上の相同性を有するDNA同士
がハイブリダイズし、それより相同性が低い核酸同士が
ハイブリダイズしない条件が挙げられる。
【0020】本発明の第一のDNAは、後記実施例におい
ては、マウスMD-1のアミノ酸配列に相同性を持つ遺伝子
をNational Center for Biotechnology Informationのe
xpressed sequence tag(EST)データベースにて検索
し、マウス腎臓由来のESTから同定され、その塩基配列
に基づいてマウス腎臓cDNAライブラリーから調製したも
のである。同様に、本発明の第二のDNAは、ヒトMD-1の
アミノ酸配列に相同性を持つ遺伝子同データベースにて
検索し、ヒト子宮由来のESTから同定されたものであ
る。しかし、本発明のDNAは、これらの方法によって取
得されたものに限られず、いかなる方法で得られたDNA
であってもよい。すなわち、ヒトMD-2又はマウスMD-2の
アミノ酸をコードする塩基配列を参考に化学合成された
ものであってもよく、適当なDNAライブラリーからクロ
ーニングされたものであってもよい。
【0021】本発明のDNAを化学合成するには、たとえ
ば、次のような方法がある。すなわち、まず、ヒトMD-2
又はマウスMD-2のアミノ酸をコードする塩基配列を有す
るDNAを約20塩基からなる断片に分けてDNA化学合成機を
用いて合成し、その後必要に応じて5’末端のリン酸化
を行い、各断片をアニーリングし、ライゲーションして
目的のDNAを得る。
【0022】本発明のDNAをDNAライブラリーから得る方
法として、適当なゲノムDNAライブラリーやcDNAライブ
ラリーからハイブリダイゼーションによってスクリーニ
ングする方法や、抗体を用いたイムノスクリーニング法
等でスクリーニングし、目的のDNAを有するクローンを
増殖させ、そこから制限酵素等を用いて切り出す方法が
ある。ハイブリダイゼーション法によるスクリーニング
は、ヒトMD-2又はマウスMD-2のアミノ酸をコードする塩
基配列もしくはその一部を有するDNAを32P等でラベルし
てプローブとし、任意のcDNAライブラリーに対し、公知
の方法(Molecular Cloninng, a Laboratory Manual.,
1982, Cold Spring Harbor Laboratory,New York, Mani
atis T.)で行うことが出来る。
【0023】本発明のDNAはまた、ゲノムDNAライブラリ
ーもしくはcDNAライブラリーを鋳型とするPCR(Polymera
se Chain Reaction)により得ることが出来る。PCRはヒ
トMD-2又はマウスMD-2のアミノ酸をコードする塩基配列
を基にセンスプライマー、アンチセンスプライマー(例
えば配列番号5及び6、又は配列番号7及び8)を作製
し、任意のDNAライブラリーに対し、公知の方法(PCR Pr
otocols, a Guide toMolecular and Applications, Aca
demic Press, Michael A. I. 1990)等を行って、本発明
のDNAを得ることが出来る。
【0024】上記各種方法で使用するDNAライブラリー
は、本発明のDNAを有するライブラリーであれば、いか
なるものも使用可能であり、市販のDNAライブラリーを
使用したり、適当な細胞から公知の方法(Molecular Clo
ning, a Laboratory Manual 2nd ed., 1989, Cold Spri
ng Harbor Laboratory, New York, 参照)に従い、作製
したcDNAライブラリーを利用できる。cDNAライブラリー
を得るための細胞としては、特に制限されないが、腎臓
細胞、ヒトの末梢血や脾細胞から得られたリンパ球やB
細胞系の株化細胞、ハイブリドーマ等が適している。
尚、ライブラリーを得るための細胞としては、MD-2を高
発現しているものを用いることが好ましい。そのような
細胞としては、Daudi細胞が挙げられる。
【0025】上記のような細胞を必要あれば、適当な活
性化剤で活性化させた後、上記の公知の方法でcDNAライ
ブラリーを作製すればよい。
【0026】本発明により、ヒトMD-2をコードするDNA
及びマウスMD-2をコードするDNAの塩基配列が明らかに
されたので、それに相補的なDNAの配列およRNAの配列が
一義的に決定されるので、本発明のDNAに対応するRNA
や、相補的な配列を有するDNAもまた提供される。
【0027】本発明の新規DNAは、一本鎖であっても、
それに相補的な配列を有するDNAやRNAと結合して二本
鎖、三本鎖を形成していてもよい。
【0028】アミノ酸残基の置換、欠失、挿入を有する
ヒトMD-2又はマウスMD-2をコードするDNAは、突然変異
剤を用いる方法や部位特異的変異法等の通常の変異操作
によって得られる。部位特異的変異の手法には、様々な
手法(R. Higuchi et al. Recombinant PCR in "PCR Pr
otocols: A Guide to Methods and Applications" p.17
7, Academic Press, 1990: Sambrook, Fritsch and M
aniatis, "MolecularCloning" Chapter 15 Site-direct
ed Mutagenesis of Cloned DNA, Cold SpringHarbor La
boratory Press, 1989 等)があるが、部位特異的に変
異を導入する手法であれば何れの手法を用いてもよい。
【0029】尚、後記実施例に示すように、本発明のDN
A及びTLR4をコードするDNAを用いて、MD-2及びTLR4をヒ
ト腎臓細胞株293Tにトランジェントに発現させたとこ
ろ、細胞膜貫通部位がないMD-2がTLR4存在下でのみ細胞
膜表面に検出され、TLR4非存在下では検出されなかっ
た。故にMD-2とTLR4は細胞表面上で会合していると予想
された。
【0030】<2>本発明のタンパク質 本発明の第一のタンパク質は、前記(A)又は(B)の
タンパク質(ヒトMD-2)又はその一部を有するタンパク
質である。また、本発明の第二のタンパク質は、前記
(C)又は(D)のタンパク質(マウスMD-2)又はその
一部を有するタンパク質である。ここで、「一部」と
は、(A)もしくは(B)のタンパク質又は(C)もし
くは(D)のタンパク質の任意の一部を意味し、「少な
くと一部を有する」とは、(A)もしくは(B)のタン
パク質又は(C)もしくは(D)のタンパク質の全部又
は一部のN末端、C末端のいずれか一方、もしくはその
両方に、任意の1つ以上のアミノ酸が付加してなるアミ
ノ酸配列で規定されるものであってもよいことを意味す
る。
【0031】本発明のタンパク質は、TLR4分子を介
したNF−κB活性化の増加に関与する性質を有するタ
ンパク質、及びその一部を含むタンパク質である。
【0032】同一の機能を有するタンパク質であって
も、種間差や個体差によってアミノ酸配列や、それをコ
ードするDNAの塩基配列に多様性が生じることがある。
また、アミノ酸の位置によっては、タンパク質の生物活
性に影響を及ぼさず他のアミノ酸に置換することができ
る。したがって、TLR4分子を介したNF−κB活性
化の増加に関与する性質を有する限り、1又は複数のア
ミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するヒトMD-2又
はマウスMD-2をコードするDNAも、本発明のDNAに含まれ
る。このようなアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加
は、複数の位置で同時に生じていても良い。ここで「複
数」とは、2〜40個、好ましくは2〜30個、より好
ましくは2〜10個である。
【0033】本発明の第一のタンパク質は、好ましく
は、配列番号2に示すアミノ酸配列の少なくとも一部を
有するものである。また、本発明の第二のタンパク質
は、好ましくは、配列番号4に示すアミノ酸配列の少な
くとも一部を有するものである。
【0034】ヒトMD-2及びマウスMD-2は、細胞表面分子
として存在している。従って、これらのタンパク質を得
るには、これらのタンパク質を発現している細胞や組織
のライセートから精製する必要がある。ところで、この
ような細胞表面上に存在するタンパク質は、それを生産
する細胞の培養上清中や、尿や血液等の体液中に存在す
ることが多い。一般にタンパク質の精製は、細胞や組織
のライセートから精製する場合と培養上清や尿等から精
製する場合があり、後者の方が効率的で収率もよい。当
該新規タンパク質は、上述のように、培養上清中等に存
在するため生産上の有用性が高い。従って、本発明で
は、このような当該新規タンパク質の少なくとも一部を
有するタンパク質を本発明のタンパク質の好ましい一形
態として提供する。
【0035】本発明の新規タンパク質には、糖鎖を有す
るものと有さないもののいずれも含まれる。ヒトMD-2及
びマウスMD-2のアミノ酸配列中には、2箇所の糖鎖付加
可能部位(N−グリコシレーションサイト)がある。従
って、当該タンパク質が動物細胞によって生産されたも
のであっても、遺伝子工学的に酵母や動物細胞等の真核
細胞を宿主として生産させたものであったりした場合に
は、糖鎖が付加される可能性がある。一方、大腸菌等の
原核細胞を宿主として遺伝子工学的に蛋白を生産させた
場合などは、当該タンパク質は糖鎖を持たない。
【0036】本発明の新規タンパク質は、いかなる方法
で生産されたものであってもよい。例えば、ペプチド合
成機を使用して化学合成したものであっても、ヒト、マ
ウス又はこれら以外のいかなる生物の組織や細胞、体液
から精製されたものであってもよい。体液としては、血
液、尿が挙げられる。細胞としては、本発明の新規タン
パク質を産生する細胞を適宜選択して用いることができ
る。例えば、胸腺細胞、ひ細胞、リンパ系細胞、およ
び、それらの株化細胞などが挙げられる。そしてこれら
の細胞のライセートもしくは培養上清から、当該タンパ
ク質を精製する。精製は、濃縮、各種クロマトグラフィ
ー、塩析等を組み合せて行うことができる。
【0037】しかしながら、当該新規タンパク質は、そ
の純度の面から、遺伝子工学的に生産されたもの、すな
わち、組換えタンパク質であることが好ましい。当該タ
ンパク質を遺伝子工学的に生産するには、本発明のDN
A、もしくはこのDNAを含む後述の組換えDNAを用いて、
適当な宿主細胞に形質転換し、得られた形質転換体を培
養し、その培養物から本発明のタンパク質を回収、精製
すればよい。
【0038】近年の技術により、タンパク質をポリエチ
レングリコール、デキストラン、ピランコポリマー、ポ
リリジン、スチレンーマレイン酸コポリマー等の高分子
に結合させたり、多糖類やタンパク質などの天然高分
子、ホルモンなどの生理活性物質、マグネタイトなどの
無機物質に結合させたりすることが可能となった。本発
明も公知方法を組み合せてこの様な修飾も可能である。
従って、本発明のタンパク質には、上述のような修飾を
受けたものも包含される。
【0039】本発明の新規タンパク質を医薬品として使
用する場合には、タンパク質を有効成分として含む通常
の医薬組成物の製造方法に準じて医薬組成物を製造す
る。医薬組成物の有効成分としては、本発明の新規タン
パク質の中でもヒトに対する抗原が抗原性が最も低く、
ヒトMD-2のアミノ酸配列もしくは、少なくとも一部を有
するタンパク質を使用することが好ましい。
【0040】<3>本発明の組換えDNA 本発明の組換えDNAは、前記本発明のDNAを含む。本発明
の組換えDNAは、環状、直鎖状等いかなる形態のもので
あってもよい。また、本発明の組換えDNAは、いかなる
用途に使用されるものであってもよい。例えば、本発明
のDNAを増幅させ大量に得ることに用いてもよいし、本
発明のタンパク質の産生に用いるものであってもよい。
【0041】本発明の組換えDNAは、本発明DNAに加え、
必要ならば他の塩基配列を有していてもよい。他の塩基
配列とは、エンハンサーの配列、プロモーターの配列、
リボゾーム結合部位、コピー数を増幅を目的として使用
される配列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、
他のポリペプチドをコードする塩基配列、ポリA付加配
列、スプライシング配列、複製開始配列、選択マーカー
となる遺伝子の塩基配列等のことである。これらの塩基
配列の必要性は、組換えDNA分子の使用目的によって決
定されるが、本発明の組換えDNAは、本発明のDNAに加
え、少なくとも、複製開始点およびマーカー遺伝子を有
していることが好ましい。マーカー遺伝子としては、ア
ンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、ネオ
マイシン耐性遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子等が挙げ
られる。
【0042】本発明の組換えDNAは、好ましくは、本発
明のタンパク質であるヒトMD-2又はマウスMD-2を発現す
るように大腸菌を形質転換させ得るものである。すなわ
ち、少なくとも、大腸菌複製開始点、マーカー遺伝子に
加えて大腸菌内で機能するプロモーター配列を有するこ
とが好ましい。また、これに加え、少なくともシグナル
ペプチドをコードする配列を有することが好ましい。
【0043】また、当該組換えDNAは、本発明のタンパ
ク質を発現するように酵母、昆虫細胞、あるいは動物細
胞等の真核細胞を形質転換させ得るものであってもよ
い。そのような組換えDNAは、少なくとも、マーカー遺
伝子に加え、ポリA付加配列を有していることが好まし
い。これらに加え、少なくとも、酵母で機能するアルコ
ールオキシダーゼ(AOX)1のプロモーター、もしくは、昆
虫細胞で機能するポリヘドリンプロモーター、もしく
は、動物細胞で機能するSV40, CMV,SRα, FE1αプロモ
ーターなどが挙げられる。
【0044】本発明の組換えDNAは、本発明のDNAを任意
の塩基配列を有する他のDNA断片とライゲーションした
り、任意のベクターに挿入して得られることができる。
DNAをベクターに挿入する方法は公知である。(Molecula
r Cloning, a Laboratory Manual 2nd ed., 1989, Cold
Spring Harbor Laboratory, New York, 参照)すなわ
ち、DNAとベクターをそれぞれ適当な制限酵素で消化
し、得られたそれぞれの断片をDNAリガーゼを用いてラ
イゲーションさせればよい。ベクターは、プラスミドベ
クター、ファージベクター、ウィルスベクター等いかな
るものでもよい。
【0045】<4>本発明の形質転換体 本発明の形質転換体は、本発明のDNA又は組換えDNAで形
質転換されたものである。本発明のDNA又は組換えDNAを
宿主細胞に導入する方法として、エレクトロポレーショ
ン法、プロトプラスト法、アルカリ金属法、リン酸カル
シウム法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクシ
ョン法、ウィルスを用いる方法等の公知方法(実験医学
臨時増刊、遺伝子工学ハンドブック1991年、羊土
社、参照)があるがいずれの方法をもちいても構わな
い。本発明の形質転換体は、本発明のDNAを大量に製造
する目的でも使用することができる。また、本発明のDN
Aが宿主細胞の適当なプロモーターの下流に組み込まれ
た場合には、当該形質転換体は、本発明の新規タンパク
質を生産する。従って、この様な形質転換体は、本発明
の新規DNAがコードするアミノ酸配列を有するタンパク
質を製造する目的等に使用できる。
【0046】尚、形質転換に本発明の組換えDNAを用い
る場合には、組換えDNAの作製に使用するベクターは、
宿主細胞に適したものを選択する必要がある。同時に、
組換えDNA内に含まれるプロモーター、シグナルペプチ
ドをコードする塩基配列、マーカー遺伝子等は、宿主細
胞に適したものである必要がある。(実験医学臨時増
刊、遺伝子工学ハンドブック1991年、参照)
【0047】本発明の形質転換体は、原核細胞、真核細
胞のいずれかであってもよい。原核細胞の代表的な例と
して、大腸菌と枯草菌があげられる。真核細胞の代表例
としては、CHO細胞、Hela細胞、COS細胞、Namalwa細胞
等の哺乳動物細胞の他、Sf細胞等の昆虫細胞や酵母が挙
げられる。しかしながら、本発明の形質転換体は、好ま
しくは、大腸菌もしくは哺乳動物細胞、酵母を形質転換
させたものである。動物細胞の中では、遺伝子のコピー
数を増加させることが可能なCHO細胞のdhfr欠損細胞が
好ましい。また、酵母に関しては、外来タンパク質の分
泌発現量の多いという点で、ピヒア(Pichia)属の酵母が
好ましい。
【0048】本発明の形質転換体は、本発明のDNAを大
量に得る目的や、本発明のタンパク質を生産するために
使用することができる。当該形質転換体は、いかなる目
的で使用されるものであってもよいが、好ましくは、当
該形質転換体は、本発明のタンパク質を産生するのがよ
く、より好ましくは、本発明のタンパク質を培地中に分
泌するものがよい。
【0049】本発明のタンパク質を産生する形質転換体
を得るためには、宿主細胞に導入する本発明の組換えDN
A中には、少なくとも、その宿主細胞で機能しうるプロ
モーター配列が含まれている必要がある。そして、宿主
細胞が大腸菌等の原核細胞である場合には、組換えDNA
分子のプロモーター配列に加え、複製開始点が含まれて
いる必要がある。また、宿主細胞が真核細胞である場合
には、組換えDNA分子のプロモーター配列に加え、ポリ
A付加サイト、複製開始点が含まれている必要がある。
なお、いずれの場合にも、使用する組換えDNA分子には
上述したマーカー遺伝子が含まれていることが好まし
い。また、当該形質転換体が本発明のタンパク質を発現
分泌するためには、形質転換に使用する組換えDNA中に
は、上記の産生に必要な配列に加え、本発明のDNAの5’
末端に、シグナルペプチドをコードする塩基配列を有し
ている必要がある。前記本発明の形質転換体を培養し、
その培養物から本発明のタンパク質を回収、精製するこ
とにより、本発明のタンパク質を製造することができ
る。当該製造方法では、まず、本発明の形質転換体を培
養し、必要に応じて、遺伝子の増幅や発現誘導を行な
う。次に、培養物を回収し、それらを材料として、必要
に応じて濃縮、可溶化、透析、各種クロマトグラフィー
等の操作を行ない、本発明のタンパク質を精製する。当
該製造方法で使用する形質転換体は、いかなる細胞を形
質転換したものであってもよい。しかしながら、好まし
くは、CHO細胞等の哺乳動物細胞もしくは酵母、もしく
は大腸菌のいずれかより選択される細胞を宿主とした形
質転換体であることが好ましい。
【0050】形質転換体の培養方法は、一般的な方法で
行なうことができる。(微生物実験法、東京化学同人、
1992、参照) また、遺伝子の増幅、発現誘導の方
法および、必要性は、宿主となる細胞の種類や、使用す
るプロモーターによって異なる。例えば、宿主としてdh
fr欠損CHO細胞を用いた場合は、ベクターとしてdhfrを
有するベクターを用い、メソトレキセート(MTX)を使用
することにより遺伝子を増幅することができる。
【0051】本発明の製造方法において、培養物とは、
培養上清もしくは細胞ライセートのことである。すなわ
ち、形質転換体が、当該タンパク質を細胞外に分泌する
場合にはその培養上清を材料として、本発明のタンパク
質を回収、精製する。一方、当該タンパク質が細胞内に
蓄積する場合は、リゾチーム、界面活性剤、凍結融解、
加圧等の手段を用い細胞を破壊した後、遠心分離して上
清を回収し、濾過等により不溶な細胞断片等を取り除い
た後に、それを材料に本発明のタンパク質を精製する。
【0052】培養物から本発明のタンパク質を精製する
方法は、タンパク質の精製に通常使用されている方法の
中から適切な方法を適宜選択して行なうことができる。
すなわち、塩析法、限外漉過法、等電点沈澱法、ゲル濾
過法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、疎
水クロマトグラフィー、抗体クロマトグラフィー等の各
種クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング法、吸
着クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィー
等、通常使用され得る方法の中から適切な方法を適宜選
択し、必要に応じHPLCシステム等を使用して適当な順序
で精製を行なえばよい。
【0053】当該製造方法において、本発明のタンパク
質は、他のタンパク質と融合タンパク質として形質転換
体に生産させてもよい。たとえば、大腸菌のβ−ガラク
トシダーゼをコードするDNAの下流に目的のタンパク質
をコードするDNAを接続し、目的のタンパク質をβ−ガ
ラクトシダーゼとの融合タンパク質として発現させる方
法は、高い生産量が期待できることから一般に行われて
いる方法である。当該新規タンパク質を他のタンパク質
との融合タンパク質として発現させた場合には、精製工
程のいずれかのステップにおいて、融合タンパク質をブ
ロムシアン等の化学物質やプロテアーゼ等の酵素で処理
して当該新規タンパク質を切り出す操作が必要になる。
【0054】また、使用する形質転換体が大腸菌である
場合、当該新規タンパク質を不溶化蛋白であるインクル
ージョンボディーとして産生させた場合には、精製の
際、インクルージョンボディーを可溶化し、デネイチャ
ーし、リフォールデイングするという操作を精製の適当
なステップで行なえばよい。
【0055】<5>本発明のDNA及びタンパク質の利用 本発明のタンパク質及びこれをコードするDNAは、免疫
賦活薬または自己免疫疾患、アレルギー疾患、喘息、ア
トピー性皮膚炎の治療薬及び診断薬に利用され得る。
【0056】本発明のDNAは、ホースラデイッシュペ
ルオキシダーゼ(HRP)等の酵素や放射線同位元素、蛍光
物質、化学発光物質等で標識して、組織におけるMD-2の
発現状況を検査するために使用できる。当該DNAを使用
して細胞におけるMD-2の発現量を確認することができ、
MD-2の製造に適した細胞や細胞の培養条件を決定するこ
とができる。また、本発明のDNAは、当該DNAに対するア
ンチセンスDNA等を用いることにより、敗血症、炎症、
自己免疫疾患、アレルギー疾患、喘息、アトピー性皮膚
炎等疾患の治療薬として利用され得る。
【0057】本発明のタンパク質は、当該タンパク質を
検出するのに用いられる抗体の製造に使用することがで
き、該抗体は、試薬、診断の分野で利用され得る。すな
わち、本発明のタンパク質、およびこれに対する抗体
は、敗血症、炎症、自己免疫疾患、アレルギー疾患、喘
息、アトピー性皮膚炎等疾患の治療薬及び診断薬として
提供され得る。
【0058】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明を一層具体的
に説明するが、これらは一例として示すものであり、本
発明はこれらにより何等限定されるものではない。ま
た、以下の記載において用いる略号は、当該分野におけ
る慣用略号に基ずくものである。
【0059】(実施例1)マウス及びヒトのMD-2 cDNA
の取得及びその解析 マウスMD-1のアミノ酸配列に相同性を持つタンパク質を
コードする遺伝子を、National Center for Biotechnol
ogy Informationのexpressed sequence tag(EST)デー
タベースにて検索した。その結果、マウスMD-1と相同性
を有するマウス腎臓由来のEST(Genbank accesion numb
er:AA109204)が見出された。該ESTクローンの塩基配列
を参考にして、マウス腎臓のcDNAライブラリーから3'RA
CE法(実験医学別冊 新遺伝子工学ハンドブック、1996
年、羊土社)にて全長cDNAをクローニングした。すなわ
ち、マウス腎臓からトータルRNAを調製し、これより3'R
ACEアダプタープライマー(Gibco社、10542-017)を用
いてcDNAを合成し、このcDNAをテンプレートにPCRを行
った。PCRのプライマーには、配列番号5及び6に示す
塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを用いた。PCRに
より得られたcDNAクローンのインサートDNAを、Bluescr
ipt II(ストラタジーン社)にサブクローンし、その全
塩基配列をDNAシーケンサー(Amersham Pharmacia Biote
ch社製)とThermo Seaquence cycle sequencing kit(Am
ersham Pharmacia Biotech社製)を用いて決定した。
【0060】決定された塩基配列及びこの塩基配列によ
ってコードされ得るアミノ酸配列を配列表の配列番号3
に、アミノ酸配列のみを配列番号4に示す。このマウス
cDNAは639塩基からなり、最も長いオープンリーディン
グフレームは480塩基で、160個のアミノ酸をコードして
いた。このアミノ酸配列中には、疎水性アミノ酸に富む
部位(アミノ酸番号−1〜−15)が、アミノ末端部分に
1カ所存在していた。この疎水性領域はシグナルシーク
エンスに相当し、MD-2は分泌型タンパク質であると推定
された。成熟型蛋白と推定される部位は、アミノ酸145
個からなっていた。
【0061】一方、ヒトMD-1のアミノ酸配列に相同性を
持つタンパク質をコードする遺伝子を、上記データベー
スにて検索し、ヒト子宮由来のESTクローンの塩基配列
(Genbank accesion number: AA099571)を得た。該EST
クローンをGenome Systems Inc. (St Louis, MO, USA)
より入手し、上記と同様にして塩基配列を決定した。こ
のESTクローンは、ヒトMD-2の完全なコーディングリー
ジョンを含んでいた。
【0062】決定された塩基配列及びこの塩基配列によ
ってコードされ得るアミノ酸配列を配列表の配列番号1
に、アミノ酸配列のみを配列番号2に示す。このヒトcD
NAは645塩基からなり、最も長いオープンリーディング
フレームは160個のアミノ酸をコードしていた。このア
ミノ酸配列も、アミノ末端に疎水性部位を持ち(アミノ
酸−1〜−16)、疎水性部位はそれ以外には認められな
いことから、分泌型タンパクであると推定された。成熟
型タンパクと予想される部位は、アミノ酸144個からな
っていた。
【0063】上記のようにして得られたMD-1に高い相同
性を持つ新しい分子をMD-2と名付けた。これらのタンパ
ク質及びMD-2のアミノ酸配列をBLASTプログラムで解析
したところ、ヒトMD-2及びマウスMD-2の成熟型タンパク
の相同性は、64%、ヒトMD-2とヒトMD-1(特願平10-2864
70)との相同性は23%であった。
【0064】(実施例2)ヒトTLR4およびヒトMD-2のノ
ーザンハイブリダイゼーション 実施例1において、ヒトMD-2とヒトMD-1の相同性が確認
されたため、ヒトMD-2とTLRsとの相互作用を調べた。ま
ず、ヒトRP105と細胞外LRRにおける相同性が一番高いTL
R4に着目した。種々のヒトリンパ球及び単球細胞株(Na
lm-6, Ramos, Daudi, RPMI8866, CEM, Molt4, U937, K5
62, THP-1)から抽出したRNA(各20μg/レーン)をアガ
ロース電気泳動にかけ、ナイロンメンブレン(Hybond N
+, Amersham Japan)にエレクトロブロットした。この
メンブレンに対して、MD-2及びTLR4に対するプローブを
用い、ハイブリダイゼーションを行った。コントロール
として、上記のメンブレンについて、グリセルアルデヒ
ド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)遺伝子に対す
るプローブを用いて再ハイブリダイゼーションを行っ
た。その結果、TLR4を発現するリンパ球及び単球の細胞
株は、MD-2 mRNA陽性であることが判明した。
【0065】(実施例3)TLR4に依存したシグナリング
におけるMD-2の役割の解析 ヒト腎臓細胞株293TをTLR4遺伝子を持つベクター(Rusl
an Medzhitov, et al., Nature, 388, 394-397, 1997)
でトランスフェクトし、安定的にTLR4を発現する細胞株
を得た。この細胞にNF-κBを測定するためのリポーター
プラスミド(Fujita, T. et al., Genes Dev., 7:1354-
1363, 1993)でトランスフェクトし、さらにβ−ガラク
トシダーゼをコードする遺伝子を持つベクターでもトラ
ンスフェクトした。前記リポータープラスミドは、NF-
κB遺伝子と、同遺伝子産物であるNF-κBにより転写調
節されるルシフェラーゼ遺伝子を有する。したがって、
NF-κB活性はルシフェラーゼ活性と直接に相関する。相
対的NF-κB活性は、相対的ルシフェラーゼ活性をβ−ガ
ラクトシダーゼ活性で除することにより計算される。
【0066】上記の細胞を、さらにMD-2をコードする遺
伝子を持つ組換えベクターでトランスフェクトし、相対
的NF-κB活性を比較した。前記組換えベクターは、配列
番号1に示すMD-2 cDNAを制限酵素XhoI/BamHIで切断
し、ベクターpEFBOS(MizushimaS., Nagata S, Nucleic
Acids Res., 18, 5322, 1990)の同切断部位に挿入す
ることにより調製した。結果を図1に示す。この結果か
ら明らかなように、細胞をMD-2をコードする遺伝子を持
つベクターでトランスフェクトすることにより、リガン
ド非特異的TLR4を介するシグナリングにより、NF-κB活
性化が顕著に増加した。
【0067】
【発明の効果】本発明により、リガンド非特異的TLR4を
介してNF-κB活性化を増加させる性質を有するヒト及び
マウスのMD-2分子及びそれらをコードするDNAが提供
される。
【0068】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> 三菱化学株式会社 <120> 細菌に対する感染防御反応を制御する新規タンパク質及びこれをコードす るDNA <130> J03192 <141>1999-03-18 <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0069】 <210> 1 <211> 645 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (126)..(605) <220> <221> sig_peptide <222> (126)..(173) <220> <221> mat_peptide <222> (174)..(605) <220> <221> misc_feature <222> (641) <223> r=g or a <400> 1 ggcgggccgc tcccacttcg gcacgagggg cacgaggtaa atcttttctg cttactgaaa 60 aggaagagtc tgatgattag ttactgatcc tctttgcatt tgtaaagctt tggagatatt 120 gaatc atg tta cca ttt ctg ttt ttt tcc acc ctg ttt tct tcc ata ttt 170 Met Leu Pro Phe Leu Phe Phe Ser Thr Leu Phe Ser Ser Ile Phe -15 -10 -5 act gaa gct cag aag cag tat tgg gtc tgc aac tca tcc gat gca agt 218 Thr Glu Ala Gln Lys Gln Tyr Trp Val Cys Asn Ser Ser Asp Ala Ser -1 1 5 10 15 att tca tac acc tac tgt gat aaa atg caa tac cca att tca att aat 266 Ile Ser Tyr Thr Tyr Cys Asp Lys Met Gln Tyr Pro Ile Ser Ile Asn 20 25 30 gtt aac ccc tgt ata gaa ttg aaa gga tcc aaa gga tta ttg cac att 314 Val Asn Pro Cys Ile Glu Leu Lys Gly Ser Lys Gly Leu Leu His Ile 35 40 45 ttc tac att cca agg aga gat tta aag caa tta tat ttc aat ctc tat 362 Phe Tyr Ile Pro Arg Arg Asp Leu Lys Gln Leu Tyr Phe Asn Leu Tyr 50 55 60 ata act gtc aac acc atg aat ctt cca aag cgc aaa gaa gtt att tgc 410 Ile Thr Val Asn Thr Met Asn Leu Pro Lys Arg Lys Glu Val Ile Cys 65 70 75 cga gga tct gat gac gat tac tct ttt tgc aga gct ctg aag gga gag 458 Arg Gly Ser Asp Asp Asp Tyr Ser Phe Cys Arg Ala Leu Lys Gly Glu 80 85 90 95 act gtg aat aca aca ata tca ttc tcc ttc aag gga ata aaa ttt tct 506 Thr Val Asn Thr Thr Ile Ser Phe Ser Phe Lys Gly Ile Lys Phe Ser 100 105 110 aag gga aaa tac aaa tgt gtt gtt gaa gct att tct ggg agc cca gaa 554 Lys Gly Lys Tyr Lys Cys Val Val Glu Ala Ile Ser Gly Ser Pro Glu 115 120 125 gaa atg ctc ttt tgc ttg gag ttt gtc atc cta cac caa cct aat tca 602 Glu Met Leu Phe Cys Leu Glu Phe Val Ile Leu His Gln Pro Asn Ser 130 135 140 aat tagaataaat tgagtattta aaaaaaaaaa aaraaaaaaa 645 Asn
【0070】 <210> 2 <211> 160 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 2 Met Leu Pro Phe Leu Phe Phe Ser Thr Leu Phe Ser Ser Ile Phe Thr -15 -10 -5 -1 Glu Ala Gln Lys Gln Tyr Trp Val Cys Asn Ser Ser Asp Ala Ser Ile 1 5 10 15 Ser Tyr Thr Tyr Cys Asp Lys Met Gln Tyr Pro Ile Ser Ile Asn Val 20 25 30 Asn Pro Cys Ile Glu Leu Lys Gly Ser Lys Gly Leu Leu His Ile Phe 35 40 45 Tyr Ile Pro Arg Arg Asp Leu Lys Gln Leu Tyr Phe Asn Leu Tyr Ile 50 55 60 Thr Val Asn Thr Met Asn Leu Pro Lys Arg Lys Glu Val Ile Cys Arg 65 70 75 80 Gly Ser Asp Asp Asp Tyr Ser Phe Cys Arg Ala Leu Lys Gly Glu Thr 85 90 95 Val Asn Thr Thr Ile Ser Phe Ser Phe Lys Gly Ile Lys Phe Ser Lys 100 105 110 Gly Lys Tyr Lys Cys Val Val Glu Ala Ile Ser Gly Ser Pro Glu Glu 115 120 125 Met Leu Phe Cys Leu Glu Phe Val Ile Leu His Gln Pro Asn Ser Asn 130 135 140
【0071】 <210> 3 <211> 639 <212> DNA <213> Mus musculus <220> <221> CDS <222> (53)..(532) <220> <221> sig_peptide <222> (53)..(97) <220> <221> mat_peptide <222> (98)..(532) <220> <221> misc_feature <222> (611)..(615) <223> n=a or c or g or t <220> <221> misc_feature <222> (636) <223> b=g or c or t <400> 3 gtcgagtccg atggtcttcc tggcgagttt aaagtatcgg agatattaaa tc atg ttg 58 Met Leu -15 cca ttt att ctc ttt tcg acg ctg ctt tct ccc ata ttg act gaa tct 106 Pro Phe Ile Leu Phe Ser Thr Leu Leu Ser Pro Ile Leu Thr Glu Ser -10 -5 -1 1 gag aag caa cag tgg ttc tgc aac tcc tcc gat gca att att tcc tac 154 Glu Lys Gln Gln Trp Phe Cys Asn Ser Ser Asp Ala Ile Ile Ser Tyr 5 10 15 agt tat tgt gat cac ttg aaa ttc cct att tca att agt tct gaa ccc 202 Ser Tyr Cys Asp His Leu Lys Phe Pro Ile Ser Ile Ser Ser Glu Pro 20 25 30 35 tgc ata aga ctg agg gga acc aat gga ttt gtg cat gtt gag ttc att 250 Cys Ile Arg Leu Arg Gly Thr Asn Gly Phe Val His Val Glu Phe Ile 40 45 50 cca aga gga aac tta aaa tat tta tat ttc aac cta ttc atc agt gtc 298 Pro Arg Gly Asn Leu Lys Tyr Leu Tyr Phe Asn Leu Phe Ile Ser Val 55 60 65 aac tcc ata gag ttg ccg aag cgt aag gaa gtt ctg tgc cat gga cat 346 Asn Ser Ile Glu Leu Pro Lys Arg Lys Glu Val Leu Cys His Gly His 70 75 80 gat gat gac tat tct ttt tgc aga gct ctg aaa gga gag act gtg aat 394 Asp Asp Asp Tyr Ser Phe Cys Arg Ala Leu Lys Gly Glu Thr Val Asn 85 90 95 aca tca ata cca ttc tct ttc gag gga ata cta ttt cct aag ggc cat 442 Thr Ser Ile Pro Phe Ser Phe Glu Gly Ile Leu Phe Pro Lys Gly His 100 105 110 115 tac aga tgt gtt gca gaa gct att gct ggg gat act gaa gaa aag ctc 490 Tyr Arg Cys Val Ala Glu Ala Ile Ala Gly Asp Thr Glu Glu Lys Leu 120 125 130 ttc tgt ttg aat ttc acc atc att cac cgc cgt gat gtc aat 532 Phe Cys Leu Asn Phe Thr Ile Ile His Arg Arg Asp Val Asn 135 140 145 tagaatatgc tgaatacaca cacacacaca cacacacaca cacatatgta tatatatatt 592 tttttaccca aaaaaaaann nnnaaagtac tagtcgacgc gtgbcca 639
【0072】 <210> 4 <211> 160 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 4 Met Leu Pro Phe Ile Leu Phe Ser Thr Leu Leu Ser Pro Ile Leu Thr -15 -10 -5 -1 1 Glu Ser Glu Lys Gln Gln Trp Phe Cys Asn Ser Ser Asp Ala Ile Ile 5 10 15 Ser Tyr Ser Tyr Cys Asp His Leu Lys Phe Pro Ile Ser Ile Ser Ser 20 25 30 Glu Pro Cys Ile Arg Leu Arg Gly Thr Asn Gly Phe Val His Val Glu 35 40 45 Phe Ile Pro Arg Gly Asn Leu Lys Tyr Leu Tyr Phe Asn Leu Phe Ile 50 55 60 65 Ser Val Asn Ser Ile Glu Leu Pro Lys Arg Lys Glu Val Leu Cys His 70 75 80 Gly His Asp Asp Asp Tyr Ser Phe Cys Arg Ala Leu Lys Gly Glu Thr 85 90 95 Val Asn Thr Ser Ile Pro Phe Ser Phe Glu Gly Ile Leu Phe Pro Lys 100 105 110 Gly His Tyr Arg Cys Val Ala Glu Ala Ile Ala Gly Asp Thr Glu Glu 115 120 125 Lys Leu Phe Cys Leu Asn Phe Thr Ile Ile His Arg Arg Asp Val Asn 130 135 140 145
【0073】 <210> 5 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for amplifying murine MD-2 cDNA <400> 5 gatgaattcc gatggtcttc ctggcgag 28
【0074】 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for amplifying murine MD-2 cDNA <400> 6 ggccacgcgt cgactagtac 20
【図面の簡単な説明】
【図1】 MD-2のリガンド非特異的TLR4を介するシグナ
リングの活性化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 21/02 C12R 1:91) Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 DA03 4B063 QA01 QA08 QQ08 QQ22 QQ35 QQ79 QS28 QS38 QX02 4B064 AG02 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA91X AA92X AA92Y AA93X AA93Y AA94Y AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA50 BA10 CA40 DA01 EA22 FA74

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)又は(B)のヒトタンパク質
    又はその一部を有するタンパク質。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
    質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1又は
    複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するア
    ミノ酸配列を有し、かつ、TLR4分子を介したNF−
    κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 下記(C)又は(D)のマウスタンパク
    質又はその一部を有するタンパク質。 (C)配列番号4に示すアミノ酸配列を有するタンパク
    質。 (D)配列番号4に示すアミノ酸配列において、1又は
    複数のアミノ酸の置換、欠失、挿入又は付加を有するア
    ミノ酸配列を有し、かつ、TLR4分子を介したNF−
    κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク質。
  3. 【請求項3】 下記(A)又は(B)のヒトタンパク質
    をコードするDNA又は少なくともその一部を有するD
    NA。 (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク
    質。 (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において、1又は
    複数のアミノ酸の置換、欠質、挿入又は付加を有するア
    ミノ酸配列を有し、かつ、TLR4分子を介したNF−
    κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク質。
  4. 【請求項4】 下記(a)または(b)に示すDNAで
    ある請求項3記載のDNA。 (a)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号174〜605からなる塩基配列を含
    むDNA (b)配列表の配列番号1に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号174〜605からなる塩基配列とス
    トリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、TL
    R4分子を介したNF−κB活性化の増加に関与する性
    質を有するヒトタンパク質をコードするDNA。
  5. 【請求項5】 下記(C)又は(D)のマウスタンパク
    質をコードするDNA又は少なくともその一部を有する
    DNA。 (C)配列番号4に示すアミノ酸配列を有するタンパク
    質。 (D)配列番号4に示すアミノ酸配列において、1〜又
    は複数のアミノ酸の置換、欠質、挿入又は付加を有する
    アミノ酸配列を有し、かつ、TLR4分子を介したNF
    −κB活性化の増加に関与する性質を有するタンパク
    質。
  6. 【請求項6】 下記(c)または(d)に示すDNAで
    ある請求項5記載のDNA。 (a)配列表の配列番号3に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号98〜532からなる塩基配列を含む
    DNA (b)配列表の配列番号3に記載の塩基配列のうち、少
    なくとも塩基番号98〜532からなる塩基配列とスト
    リンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、TLR
    4分子を介したNF−κB活性化の増加に関与する性質
    を有するマウスタンパク質をコードするDNA。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか一項に記載のD
    NAを含むことを特徴とする組換えDNA。
  8. 【請求項8】 請求項3〜6のいずれか一項に記載のD
    NA又は請求項7記載の組換えDNAで形質転換された
    形質転換体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003087072A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-23 Mochida Pharmaceutical Co., Ltd. Agent therapeutique destine a des troubles endotheliaux

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