JP2000256994A - 窓開きスレッド入り紙 - Google Patents

窓開きスレッド入り紙

Info

Publication number
JP2000256994A
JP2000256994A JP6245299A JP6245299A JP2000256994A JP 2000256994 A JP2000256994 A JP 2000256994A JP 6245299 A JP6245299 A JP 6245299A JP 6245299 A JP6245299 A JP 6245299A JP 2000256994 A JP2000256994 A JP 2000256994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
thread
window
layer
window opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6245299A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Murakami
徹 村上
Shinichi Akahori
慎一 赤堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd filed Critical Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Priority to JP6245299A priority Critical patent/JP2000256994A/ja
Publication of JP2000256994A publication Critical patent/JP2000256994A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来にない偽造防止効果を有する窓開きスレ
ッド入り紙を得る。 【解決手段】 用紙表面に間欠的にスレッド(1)が露
出している窓開きスレッド入り紙において、該スレッド
の巾を1.8〜5mmとし、かつ窓開き部(2)に露出
する側のスレッドの表面とトンネル部(3)を構成する
紙層とが実質的に接着していないようにする。トンネル
部を爪などで擦ることで紙層を容易に剥離させることが
出来、スレッドが露出するので用紙の真贋を容易に判定
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窓開きスレッド入
り紙に関するものである。詳しくは、窓開きスレッド入
り紙を使用して製造した偽造防止印刷物の、スレッドが
間欠的に用紙に潜り込んでいる部分(トンネル部)を物
理的に擦り、紙層が剥離するか否かで偽造防止印刷物の
真贋を判定できるという特徴を有した窓開きスレッド入
り紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙層内にスレッドを挿入した「スレッド
入り紙」と呼ばれる偽造防止用紙はよく知られている。
このスレッドの代表的な例としては、後に詳しく述べる
ように種々の加工を施したフィルムを細巾にスリットし
たものがある。これらを抄き込んだ用紙は製造に極めて
高度な技術を必要とするので偽造防止に大きな効果があ
り、各国の紙幣等に多く使用されている。
【0003】スレッド入り紙には大きく分けて2種類あ
る。一つはスレッドが用紙内部に挿入され、用紙表面に
露出しない種類のものであり、もう一つはスレッドの一
部が用紙表面に設けられた窓開き部に露出した「窓開き
スレッド入り紙」と呼ばれるものである。
【0004】後者の「窓開きスレッド入り紙」を製造す
る方法としては、ワイヤ上の紙料懸濁液に、凹凸部を有
するガイドの凸部先端にスレッドを通した溝を有するベ
ルト機構を埋没して製造する方法(特公平5−8568
0号)や、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網に使
用し、スレッドを網表面の凹凸部に接触させながら挿入
して窓開き部分にスレッドを抄き込む方法(米国特許第
4462866号)や、長網抄紙機のワイヤ上の回転ド
ラム内に圧縮空気ノズルを内蔵させ、予め紙匹に挿入し
たスレッド上のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き飛ば
してスレッドを用紙表面に露出させる方法(特開平6−
272200号)等が提案されている。
【0005】また、本発明者らは特願平8−13524
4号において、スレッドが用紙の表面に設けられた窓開
き部に露出するとともに、窓開き部内に文字または画像
のすき入れを施した抄合わせ紙からなる偽造防止用紙を
製造する方法を提案した。具体的には、最外層の紙層と
それ以外の紙層との少なくとも2層からなる抄合わせ紙
を多槽式円網抄紙機を用いて製造するに際して、第1の
槽で最外層以外の紙層を形成し、第2の槽で紙層の流れ
方向に間欠的に窓開き部を有しかつ該窓開き部の中に文
字または画像からなるすき入れを施した最外層の紙層を
形成し、第1の槽で形成した紙層に第2の槽で形成した
最外層の紙層を重ね合わせる直前で、最外層の紙層の窓
開き部に位置するようにスレッドを紙層間に挿入する方
法である。
【0006】一方、転写箔を用いて用紙の表面に、部分
的に金属蒸着層、ホログラム層、レインボー層等を転写
した偽造防止用紙や、印刷物の表面にこれらの層を部分
的に転写した偽造防止印刷物も広く知られている。転写
箔の一例として、例えば金属蒸着転写箔の場合は、ポリ
エステルフィルム上に保護層と剥離層を兼ねた樹脂層を
形成し、この樹脂層にアルミニウム等の金属蒸着層を形
成し、さらにこの上に感熱接着剤層を形成した構成とな
っている。これを紙に転写する場合は、感熱接着剤層が
紙に接するようにしてから、図柄を形成した熱板を圧着
する。そうすると、図柄に従って感熱接着剤層が部分的
に溶融して紙と接着する。箔を剥がすと図柄に応じた部
分のみがフィルムから剥離して、紙には金属光沢を有し
た図柄が転写される。
【0007】ホログラム転写箔の場合は、上記樹脂層に
ホログラムエンボスが施されており、レインボー転写箔
の場合は樹脂層の代わりに干渉層が形成される。これら
転写箔は偽造防止用紙や偽造防止印刷物に広く使用され
ており、例を挙げるとオーストラリア紙幣にはホログラ
ム転写箔が、カナダ紙幣にはレインボー転写箔が採用さ
れているし、またフランス紙幣には平行四辺形形状(長
さ10mm、巾3mm、長辺に対する短辺の角度45
度)の金属蒸着箔の転写が10mm間隔で繰り返された
偽造防止手段が採用されている。
【0008】用紙表面に、転写箔を用いて、例えば巾
1.2mm、長さ10mm、間隔を5mmずつ空けて連
続的に小さな矩形パターンを転写した場合には、見た目
が窓開きスレッド入り紙と酷似した偽造防止用紙とな
る。しかしながら、用紙を光にかざして見たときに、窓
開きスレッド入り紙か、箔転写紙かは明確に両者を区別
できる。即ち、窓開きスレッド入り紙の場合はトンネル
部にもスレッドが埋め込まれた形で存在するので、用紙
を光にかざして見たときにこの部分が、スレッドが存在
しない部分より暗くなるので、直ちに窓開きスレッド入
り紙であることが確認できる。これに対して箔転写紙の
場合は、矩形と矩形の間(窓開きスレッド入り紙のトン
ネル部に相当)で光が透過するので、直ちに箔転写紙で
あることが確認できる。
【0009】以上の説明から解るように、箔転写紙の場
合は「転写箔」と「箔押し機」を入手することが出来れ
ば偽造を比較的簡単に行うことができるので、製造に極
めて高度な技術を必要とする窓開きスレッド入り紙と比
較すると偽造防止能力は相当劣ると言われている。従っ
て箔転写紙の場合には、巾を10mm前後とスレッドと
比較して大幅に広くしたり、また形状も特殊なもの(前
述したフランス紙幣の例)を採用したり、転写箔自身に
高度の偽造防止能を持たせることが行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、偽造防止
印刷物に使用する偽造防止用紙には、常に高度で新しい
偽造防止技術を採用した用紙が求められているのが現状
である。このような背景から、本発明は、高度で新しい
偽造防止技術を採用した窓開きスレッド入り紙を開発す
ることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】通常、窓開きスレッド入
り紙に使用するスレッドには接着剤を塗工してある。そ
れも窓開き部に露出する面と反対の面(何等細工を施さ
ない紙層に接する面)に必ず接着剤層があることが必要
である。仮に、接着剤が塗工されていないと窓開き部に
露出するスレッドは紙層内で接着していないこととな
り、窓開き部に露出するスレッドをつまんで容易に引き
出すことができることとなり、偽造防止効果からは致命
的な欠点となり、また品質を著しく劣化させることとな
る。
【0012】この窓開きスレッド入り紙は、窓開き部に
露出する面側にも接着剤が塗工されていることが好まし
いと言われていた。特に、スレッドの巾が広くなると、
トンネル部を形成する紙層とスレッド表面が強固に接着
しないこととなり、オフセット印刷時に繊維が脱落して
ブランケットを汚染するトラブルにつながることが予想
されるからである。本発明者らは、スレッドの巾を種々
変化させて検討を進めた結果、スレッドの巾が5mmを
越えると印刷時にこのトラブルが増え実用的に問題とな
ることを見出した。
【0013】一方、本発明者らは上記検討の過程で、ス
レッドの巾が1.8mmを越えるとトンネル部を物理的
に擦ることでスレッドが接する部分の紙層が剥離しやす
くなる現象が起きることを見いだした。
【0014】本発明者らは、これらの現象を巧みに利用
することで、従来にない特異な効果を有した窓開きスレ
ッド入り紙を製造できると考え、本発明を完成させるに
至った。即ち、本発明の要旨とするところを図面を用い
て説明すると、本発明は用紙表面に間欠的にスレッド1
が露出している窓開きスレッド入り紙において、該スレ
ッドの巾が1.8〜5mmであり、かつ窓開き部2に露
出する側のスレッドの表面とトンネル部3を構成する紙
層とが実質的に接着していないことを特徴とする窓開き
スレッド入り紙である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の窓開きスレッド入り紙を
製造するに際しては、先ず紙料を調製する。紙料の調製
は、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパル
プ(NBSP)等の木材パルプや麻、綿、藁を原料とし
た非木材パルプ等を適宜混合して叩解し、これに填料、
乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、
歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔
料、蛍光剤などを適宜添加し、通常フリーネス400〜
250mlC.S.F.に調整する。
【0016】「窓開きスレッド入り紙」を製造する方法
としてはどのような方法でもかまわないが、数例を挙げ
ると、前述したようにワイヤ上の紙料懸濁液に、凹凸部
を有するガイドの凸部先端にスレッドを通した溝を有す
るベルト機構を埋没して製造する方法(特公平5−85
680号)や、凹凸状に加工した網を円網抄紙機の上網
に使用し、スレッドを網表面の凹凸部に接触させながら
挿入して窓開き部分にスレッドを抄き込む方法(米国特
許第4462866号)や、長網抄紙機のワイヤ上の回
転ドラム内に圧縮空気ノズルを内蔵させ、予め紙匹に挿
入したスレッド上のスラリーを圧縮空気で間欠的に吹き
飛ばしてスレッドを露出させる方法(特開平6−272
200号)等である。
【0017】また、本発明者らが特願平8−13524
4号に提案したような方法、即ち、最外層の紙層とそれ
以外の紙層との少なくとも2層からなる抄合わせ紙を多
槽式円網抄紙機を用いて製造するに際して、第1の槽で
最外層以外の紙層を形成し、第2の槽で紙層の流れ方向
に間欠的に窓開き部を有した最外層の紙層を形成し、第
1の槽で形成した紙層に第2の槽で形成した最外層の紙
層を重ね合わせる直前で、最外層の紙層の窓開き部に位
置するようにスレッドを紙層間に挿入する方法を採用し
てもよい。
【0018】以下この製造例を図3,図4を用いて説明
する。図3は本発明の窓開きスレッド入り紙の製造に使
用できる円網抄紙機の例を示す説明図であり、図4は図
3の円網抄紙機で使用する円網シリンダーの上網に窓開
き部を形成するための型を取り付けた状態を示す部分説
明図である。糟12の円網シリンダー12aの上網12
bには、図4に示したような、金属、樹脂、紙等で作っ
た窓開き部に相当する型13を、金属細線で取り付けた
り、ハンダ付けしたり、接着剤で貼り付ける。窓開き部
に相当する型13の形状は長方形以外にも例えば正方
形、菱形、円、楕円、等の任意の形状とすることができ
る。
【0019】最外層の紙層を形成する槽12の円網シリ
ンダーの上網に型13を取り付けるに際しては、矢印W
で示した紙層の流れ方向(用紙の縦方向)における窓開
き部2に相当する長さXと、窓開き部と窓開き部の間に
位置するトンネル部(非窓開き部)3に相当する長さと
の比率を3:1〜1:2となるような間隔で型を間欠的
に取り付けることが望ましい。窓開き部の比率をこの範
囲とすることにより、用紙を連続的にロール状に巻き取
る際の皺発生防止効果が確実になされるからである。
【0020】最外層を形成する糟12以外の糟11のシ
リンダーには何等細工を施さない上網11aを装着す
る。何等細工を施さない上網11aを装着した円網シリ
ンダーで抄紙した紙層は毛布14に転移され、型13を
取り付けた円網シリンダーの上に運ばれ、この円網シリ
ンダーで抄紙された最外層の紙層がその上に重ねられ、
2つの紙層が抄合わされた用紙が抄造される。スレッド
1の挿入は、紙層と紙層とが重ねられる直前の矢印Vの
箇所で行なわれる。スレッドの抄き込み方法としては、
前述の特公平5−40080号で本願と同じ出願人が提
案しているような、内壁に凹凸を設けた送管を使用して
スレッドを送り込む方法、あるいは前述の米国特許第4
462866号で提案されている方法等が採用できる。
【0021】上述した本発明の方法により図1,2に示
した構成の偽造防止用紙が製造できる。図1は本発明で
得られる窓開きスレッド入り紙を上から見た図であり、
図2はこれの一部拡大斜視図である。型13を取り付け
た円網シリンダーで抄紙された最外層の紙層4には型に
相当する部分に紙料の乗らない窓開き部2が形成され
る。スレッド1を窓開き部2の中に入るように紙層間に
挿入することにより、窓開き部2ではスレッドが露出
し、トンネル部3(非窓開き部)では紙層と紙層の間に
スレッドが埋没した状態となる。
【0022】本発明の偽造防止用紙の製造方法において
は、抄紙途上で紙面に澱粉、ポリビニルアルコール、各
種表面サイズ等をサイズプレス装置等で塗工することも
可能である。さらに必要に応じ、マシンカレンダー処理
やスーパーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上さ
せることも適宜行われる。
【0023】本発明で使用するスレッドは、金銀糸用ス
レッド、ホログラムスレッド、磁気スレッド、蛍光発色
スレッド等の従来から偽造防止用に提案されているあら
ゆる種類のスレッドを使用できる。例えば金銀糸用のス
レッドは、ポリエステルフィルムに金属アルミニウムを
真空蒸着し、蒸着面に保護を目的とした樹脂を塗工して
マイクロスリッターでスリットすることで製造する。塗
工する樹脂を黄色に着色することで金色のスレッドを製
造できる。スレッド裏面(窓開き部に露出する面とは反
対の面)には感熱接着剤を塗工しておく。これによっ
て、抄紙機の乾燥ゾーンの熱で感熱接着剤が機能しスレ
ッドと用紙との接着がより一層確実になる。
【0024】窓開き部に露出する側のスレッドの表面に
は、通常接着剤は塗工しないか、塗工しても、窓開き部
に露出する側のスレッドの表面とトンネル部を構成する
紙層とが実質的に接着していないだけの極めて少量の塗
工量とすることが必要である。これにより、後に述べる
ように爪などで擦ることでトンネル部を構成するスレッ
ド上の紙層が剥がれ安くなり偽造防止効果を高めるから
である。
【0025】スレッドの巾はあまり広くなると、窓開き
部を形成した紙層と、他の紙層(何等細工を施さない紙
層)を抄き合わせてプレスロール等で脱水する際に、ト
ンネル部の崩れを生じやすくなる。本発明者らが検討し
た結果では、スレッドの巾が5mmを越えると実用的に
問題となることが判った。
【0026】本発明において円網シリンダーに取り付け
て使用する型の寸法は、紙層の流れ方向の長さを5〜3
0mm、紙層の流れ方向に直行する横方向の長さを10
〜50mmとすることが好ましい。型の大きさは図1に
示した用紙の窓開き部の大きさに相当する。窓開き部が
この範囲より小さくても大きくても、スレッドの露出長
さが短すぎるか長すぎてデザイン的に見てバランスが悪
くなる。
【0027】本発明で得られる窓開きスレッド入り紙は
通常坪量70〜150g/m2で製造される。また、最
外層の紙層(窓開き部を形成する紙層)とそれ以外の紙
層のつけ比率は、20:80〜80:20とすることが
好ましい。つけ比率とは、例えば坪量100g/m2
2層抄合わせの用紙を製造する場合、つけ比率20:8
0は最外層の紙層が20g/m2、それ以外の紙層が8
0g/m2で構成されることを意味する。最外層の紙層
のつけ比率が20未満では、窓開き部の鮮明さが失われ
やすくなり、また80を越えると窓開き部が崩れやすく
なるからである。
【0028】なお、上記した実施の形態は、1槽目で窓
開き部を施さない紙層を形成し、2槽目(最終槽)で窓
開き部を有する最外層の紙層を形成している。しかしな
がら本発明においては、1槽目で窓開き部を有する最外
層の紙層を形成し、2槽目(最終槽)で何等細工を施さ
ない紙層を形成するような実施の形態とすることもでき
る。この場合、窓開き部を施すための型は、1槽目の円
網シリンダーの上網の全周にわたって上述したと同様な
手段で取り付ける。
【0029】
【実施例】実施例1 紙料の調製 NBKP20重量部,LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。
【0030】抄紙網の製造 短辺10mm、長辺15mm、厚み0.3mmの樹脂板
を多数用意した。次いで、円網抄紙機の円網シリンダー
上網(幅1300mm)に、樹脂板を接着剤を使用して
紙の流れ方向に対して短辺が位置するようにして10m
m間隔で連続的に貼りつけた。この列を上網の幅方向に
等間隔に6列取り付けた。
【0031】スレッドの製造 厚さ16μmのホログラムフィルムのアルミニウム蒸着
面に、感熱接着剤を7μmの厚さに塗工し、これをマイ
クロスリッターを使用して、所定の巾にスリットしてボ
ビンに巻き取った。
【0032】用紙の抄造 2槽式円網抄紙機の1槽目のシリンダーには上記型(樹
脂板)を取り付けた上網を装着し、2槽目の丸網シリン
ダーには何等細工を施さない上網を装着した。1槽目で
形成した第1層目の紙層の上に2槽目で形成した第2層
目の紙層が重なるようにして、前記紙料を用い抄紙速度
30m/分で2層抄合わせ紙を製造した。この際、第1
層目(乾燥重量に換算して33g/m2)と第2層目
(同67g/m2 )の間に巾1.8mmの前記ホログラ
ムスレッドを特公平5−40080号で提案した方法を
用いて型の中央に相当する位置に挿入した。また、スレ
ッドの接着剤塗工面を何等細工を施さない上網を装着し
たシリンダーで形成した湿紙に接するようにして抄造し
た。次いで常法に従い湿紙を脱水後、シリンダードライ
ヤーで乾燥し、2層抄合わせ紙からなる窓開きスレッド
入り紙を製造した。
【0033】実施例2 スレッド巾を5.0mmとした以外は実施例1と同様に
して窓開きスレッド入り紙を製造した。
【0034】実施例3 スレッド巾を2.5mmとした以外は実施例1と同様に
して窓開きスレッド入り紙を製造した。
【0035】比較例1 スレッド巾を1.2mmとした以外は実施例1と同様に
して窓開きスレッド入り紙を製造した。
【0036】比較例2 スレッド巾を7.0mmとした以外は実施例1と同様に
して窓開きスレッド入り紙を製造した。
【0037】各実施例と比較例で得られた窓開きスレッ
ド入り紙を光にかざして見たときに、トンネル部の崩れ
を目視で観察し5点法で評価した。何ら問題の無いレベ
ルを5点、崩れが起きて問題を起こすレベルを1点と
し、3点以上が実用的に問題の無いレベルを意味する。
評価結果を表1に示した。
【0038】各実施例と比較例で得られた窓開きスレッ
ド入り紙を用いてオフセット輪転印刷機(4色機))で
印刷評価を行った。ブランケットに繊維が取られる程度
を目し観察し、繊維が取られず何ら問題の無いレベルを
5点、繊維が取られて問題を起こすレベルを1点とした
5点法で評価した。3点以上が実用的に問題の無いレベ
ルを意味する。評価結果を表1に示した。
【0039】各実施例と比較例で得られた窓開きスレッ
ド入り紙のトンネル部を爪でこすり、紙層の剥がれ具合
を評価した。容易に剥がれるレベルを5点、全く剥がれ
ないレベルを1点とした5点法で評価した。評価結果を
表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】表1から、スレッド巾が1.8〜5mmの
本発明の実施例では比較例と比較して、トンネル部の崩
れ、オフセット印刷時のブランケットへの繊維の取られ
難さ、爪によるトンネル部の剥がれ易さがいずれも実用
的に問題の無いレベルを達成していることが判る。
【0042】
【発明の効果】上述したような本発明により得られた窓
開きスレッド入り紙は、用紙自体が箔転写紙と比較して
高度な偽造防止効果を有していると言う特徴があり、か
つ、トンネル部を爪などで擦ることでトンネル部に埋没
したスレッドを露出させることができる。この特徴は転
写箔を窓開きスレッド入り紙状に転写した偽造防止印刷
物と異なり、用紙の真贋を直ちに判定できるという顕著
な効果を有する。
【0043】以上のような特性を生かして本発明で得ら
れた偽造防止用紙は、紙幣、小切手、株券、債券、商品
券、カード、機密文書、パスポート、身分証明書等に好
適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られた窓開きスレッド入り紙の
一例を上から見た図である。
【図2】本発明により得られた窓開きスレッド入り紙の
一例の一部拡大斜視図である。
【図3】本発明の窓開きスレッド入り紙の製造に使用で
きる円網抄紙機の例を示す説明図である。
【図4】図3の円網抄紙機で使用する円網シリンダーの
上網に窓開き部を形成するための型を取り付けた状態を
示す部分説明図である。
【符号の説明】
1 スレッド 2 窓開き部 3 トンネル部 4 最外層の紙層 13型 V スレッドの挿入箇所

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙表面に間欠的にスレッド(1)が露
    出している窓開きスレッド入り紙において、該スレッド
    の巾が1.8〜5mmであり、かつ窓開き部(2)に露
    出する側のスレッドの表面とトンネル部(3)を構成す
    る紙層とが実質的に接着していないことを特徴とする窓
    開きスレッド入り紙。
JP6245299A 1999-03-10 1999-03-10 窓開きスレッド入り紙 Pending JP2000256994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6245299A JP2000256994A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 窓開きスレッド入り紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6245299A JP2000256994A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 窓開きスレッド入り紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000256994A true JP2000256994A (ja) 2000-09-19

Family

ID=13200625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6245299A Pending JP2000256994A (ja) 1999-03-10 1999-03-10 窓開きスレッド入り紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000256994A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308832A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 National Printing Bureau すき入れが施された多層抄き合わせ紙
JP2010507511A (ja) * 2006-10-27 2010-03-11 クレイン アンド カンパニー インコーポレーテッド 耐汚染性および/または耐湿性セキュリティドキュメント
US8144399B2 (en) 2005-05-18 2012-03-27 Visual Physics, Llc Image presentation and micro-optic security system
US8254030B2 (en) 2003-11-21 2012-08-28 Visual Physics, Llc Micro-optic security and image presentation system presenting a synthetically magnified image that appears to lie below a given plane
US8284492B2 (en) 2006-05-12 2012-10-09 Crane & Co., Inc. Micro-optic film structure that alone or together with a security document or label projects images spatially coordinated with static images and/or other projected images
US8773763B2 (en) 2003-11-21 2014-07-08 Visual Physics, Llc Tamper indicating optical security device
US8867134B2 (en) 2003-11-21 2014-10-21 Visual Physics, Llc Optical system demonstrating improved resistance to optically degrading external effects
US9333787B2 (en) 2011-01-28 2016-05-10 Visual Physics, Llc Laser marked device
US9873281B2 (en) 2013-06-13 2018-01-23 Visual Physics, Llc Single layer image projection film
US10173453B2 (en) 2013-03-15 2019-01-08 Visual Physics, Llc Optical security device
US10173405B2 (en) 2012-08-17 2019-01-08 Visual Physics, Llc Process for transferring microstructures to a final substrate
US10189292B2 (en) 2015-02-11 2019-01-29 Crane & Co., Inc. Method for the surface application of a security device to a substrate
US10195890B2 (en) 2014-09-16 2019-02-05 Crane Security Technologies, Inc. Secure lens layer
US10434812B2 (en) 2014-03-27 2019-10-08 Visual Physics, Llc Optical device that produces flicker-like optical effects
US10766292B2 (en) 2014-03-27 2020-09-08 Crane & Co., Inc. Optical device that provides flicker-like optical effects
US10800203B2 (en) 2014-07-17 2020-10-13 Visual Physics, Llc Polymeric sheet material for use in making polymeric security documents such as banknotes
US10890692B2 (en) 2011-08-19 2021-01-12 Visual Physics, Llc Optionally transferable optical system with a reduced thickness
US11590791B2 (en) 2017-02-10 2023-02-28 Crane & Co., Inc. Machine-readable optical security device

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8773763B2 (en) 2003-11-21 2014-07-08 Visual Physics, Llc Tamper indicating optical security device
US8310760B2 (en) 2003-11-21 2012-11-13 Visual Physics, Llc Micro-optic security and image presentation system presenting a synthetically magnified image that appears to lie above a given plane
US8254030B2 (en) 2003-11-21 2012-08-28 Visual Physics, Llc Micro-optic security and image presentation system presenting a synthetically magnified image that appears to lie below a given plane
US8867134B2 (en) 2003-11-21 2014-10-21 Visual Physics, Llc Optical system demonstrating improved resistance to optically degrading external effects
US8144399B2 (en) 2005-05-18 2012-03-27 Visual Physics, Llc Image presentation and micro-optic security system
US8284492B2 (en) 2006-05-12 2012-10-09 Crane & Co., Inc. Micro-optic film structure that alone or together with a security document or label projects images spatially coordinated with static images and/or other projected images
JP2014006532A (ja) * 2006-05-12 2014-01-16 Crane & Co Inc 単独で、またはセキュリティドキュメントまたはラベルと共に、静止画像および/または他の投影された像により空間的にコーディネートされた像を投影するマイクロ光学的膜構造体
JP4752611B2 (ja) * 2006-05-19 2011-08-17 独立行政法人 国立印刷局 すき入れが施された多層抄き合わせ紙
JP2007308832A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 National Printing Bureau すき入れが施された多層抄き合わせ紙
JP2010507511A (ja) * 2006-10-27 2010-03-11 クレイン アンド カンパニー インコーポレーテッド 耐汚染性および/または耐湿性セキュリティドキュメント
EP2466005B1 (en) 2006-10-27 2017-10-04 Crane & Co., Inc. A soil and/or moisture resistant secure document
US9333787B2 (en) 2011-01-28 2016-05-10 Visual Physics, Llc Laser marked device
US10890692B2 (en) 2011-08-19 2021-01-12 Visual Physics, Llc Optionally transferable optical system with a reduced thickness
US10173405B2 (en) 2012-08-17 2019-01-08 Visual Physics, Llc Process for transferring microstructures to a final substrate
US10899120B2 (en) 2012-08-17 2021-01-26 Visual Physics, Llc Process for transferring microstructures to a final substrate
US10787018B2 (en) 2013-03-15 2020-09-29 Visual Physics, Llc Optical security device
US10173453B2 (en) 2013-03-15 2019-01-08 Visual Physics, Llc Optical security device
US9873281B2 (en) 2013-06-13 2018-01-23 Visual Physics, Llc Single layer image projection film
US10766292B2 (en) 2014-03-27 2020-09-08 Crane & Co., Inc. Optical device that provides flicker-like optical effects
US10434812B2 (en) 2014-03-27 2019-10-08 Visual Physics, Llc Optical device that produces flicker-like optical effects
US11446950B2 (en) 2014-03-27 2022-09-20 Visual Physics, Llc Optical device that produces flicker-like optical effects
US10800203B2 (en) 2014-07-17 2020-10-13 Visual Physics, Llc Polymeric sheet material for use in making polymeric security documents such as banknotes
US10195890B2 (en) 2014-09-16 2019-02-05 Crane Security Technologies, Inc. Secure lens layer
US10189292B2 (en) 2015-02-11 2019-01-29 Crane & Co., Inc. Method for the surface application of a security device to a substrate
US11590791B2 (en) 2017-02-10 2023-02-28 Crane & Co., Inc. Machine-readable optical security device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5961432A (en) Forgery preventive sheet and method of manufacturing same
JP2000256994A (ja) 窓開きスレッド入り紙
EP0609252B1 (en) Method for making sheet materials and security paper
EP1903144B1 (en) Thread and production method therefor, forgery preventing form using thread, and forgery preventing printed matter, and forgery judging method using them
US5567276A (en) Paper of value and a method of producing it
PL173624B1 (pl) Papier zabezpieczony przed fałszowaniem i sposób wytwarzania papieru zabezpieczonego przed fałszowaniem
WO2012077761A1 (ja) 偽造防止部材、偽造防止用紙及びこれらの製造方法
US20070164555A1 (en) Flat security element
EP1114893B1 (en) Method of manufacturing anti-falsification paper
WO2007071939A2 (en) Improvements in security substrates
JP3279212B2 (ja) 偽造防止用紙
JP4017572B2 (ja) 偽造防止用紙、及び偽造防止印刷物
JP3262008B2 (ja) 偽造防止用紙
US6729655B1 (en) Security sheet and method
JP2845197B2 (ja) 偽造防止用紙の製造方法
JP2006161224A (ja) 偽造防止用紙、及び偽造防止印刷物
JP3030029U (ja) 偽造防止用紙
JP3028886U (ja) 偽造防止用紙
JP3451019B2 (ja) 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物及び偽造防止手段の検出方法
CA2216527C (en) Anti-falsification paper and a method of manufacture thereof
JP3109721B2 (ja) 偽造防止用紙
JP3064461U (ja) 偽造防止用紙
JP2010121251A (ja) 偽造防止用紙
JP3034283U (ja) 偽造防止用紙
JP2008111203A (ja) スレッド及び偽造防止用紙及び偽造防止印刷物