JP2000250348A - 定着器 - Google Patents

定着器

Info

Publication number
JP2000250348A
JP2000250348A JP11056217A JP5621799A JP2000250348A JP 2000250348 A JP2000250348 A JP 2000250348A JP 11056217 A JP11056217 A JP 11056217A JP 5621799 A JP5621799 A JP 5621799A JP 2000250348 A JP2000250348 A JP 2000250348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
belt
endless belt
recording material
release agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11056217A
Other languages
English (en)
Inventor
Tahei Ishiwatari
太平 石渡
Kaneo Yoda
兼雄 依田
Kazutoshi Fujisawa
和利 藤沢
Naoyuki Okumura
尚之 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP11056217A priority Critical patent/JP2000250348A/ja
Priority to EP00100269A priority patent/EP1022622B1/en
Priority to AT00100269T priority patent/ATE362126T1/de
Priority to DE60034719T priority patent/DE60034719T2/de
Priority to US09/487,731 priority patent/US6459877B1/en
Priority to EP07005687A priority patent/EP1813995A2/en
Publication of JP2000250348A publication Critical patent/JP2000250348A/ja
Priority to US10/214,257 priority patent/US6792236B2/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構造で離型剤の塗布むらを防止
する。 【解決手段】 加熱ローラ140とバックアップローラ
130との間に張架されて循環する無端ベルト110を
介してバックアップローラに圧接されて無端ベルトとの
間で定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ120と、無
端ベルトの循環方向に関してバックアップローラよりも
下流側で加熱ローラよりも上流側において無端ベルトに
当接して離型剤を塗布するオイル塗布ローラ150とを
有し、バックアップローラの軸線方向から見て、バック
アップローラの回転中心と加圧ローラの回転中心とを結
ぶ直線Aに対し、加熱ローラ140の回転中心が定着ニ
ップ部を通過する記録材の通過方向に関して下流側に位
置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのでき
るプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置
に使用される定着器に関し、特に無端ベルトを用いた定
着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いて用紙等の
記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転
駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電
潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してト
ナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に
転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像
が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上に
トナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】従来の定着器として、図9に示すようない
わゆるベルト定着方式の定着器が知られている(特開平
8−334997号公報)。
【0004】この定着器は、回転駆動される定着ローラ
2と、ヒータを内蔵した加熱ローラ3との間に定着ベル
ト(無端ベルト)1を巻掛け張架し、定着ベルト1を介
して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧接させて定着ニッ
プ部Nを形成し、この定着ニップ部Nに、トナー画像T
が形成された記録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナ
ー画像Tを加熱溶融して記録材S上に定着させるように
なっている。
【0005】また、この定着器は、記録材上のトナーが
定着ベルト1の表面に転移してしまうという現象(いわ
ゆるオフセット現象)を防止するために、定着ベルト1
の表面に当接して離型剤としてシリコーンオイル等の離
型オイルを塗布するオイル塗布ローラ5を備えている。
【0006】なお、図10に示すようなベルト定着器も
知られている(特開平9−138600号公報)。
【0007】このベルト定着器は、上下に配置されたロ
ーラ6a,6bと、これらの側方に配置されたローラ6
cと、このローラ6cの側部に配置されたローラ6dと
を備えている。耐熱ベルト7はこれら4つのローラ6a
〜6dに巻回され、ローラ6aから6dに伸びるベルト
部分7aとローラ6dから6bに伸びるベルト部分7b
との間にヒータ8が配置されている。加圧ローラ9は、
図示しないモータに連結されており、ベルト7を介して
ローラ6bに圧接されている。
【0008】この定着器では、加圧ローラ9が矢印a方
向に回転することにより、ベルト7が矢印b方向に移動
し、これにより上記ローラ6a〜6dがそれぞれ矢印方
向に回転する。
【0009】トナー画像が形成された記録材は、ベルト
7と加圧ローラ9との圧接部(定着ニップ部)Nに矢印
cで示すように供給され、定着ニップ部Nを通ることで
トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平8−3
34997号記載の定着器(図9)には、次のような問
題があった。
【0011】図11は上記従来技術(特開平8−334
997号)の概略図で、(a)は概略正面図、(b)は
主として定着ニップ部Nを示す平面図である。
【0012】この従来の定着器では、図(a)に示すよ
うに、定着ローラ2(本発明におけるバックアップロー
ラに相当する)の軸線方向から見て、定着ローラ2の回
転中心と加圧ローラ4の回転中心とを結ぶ直線Aに対
し、加熱ローラ3の回転中心が、定着ニップ部Nを通過
する記録材の通過方向(矢印S1参照)に関して上流側
に位置している。
【0013】このため、定着ローラ2と加熱ローラ3と
の間に張架されているベルト1の張力によって定着ロー
ラ2に作用する力F2は記録材の通過方向S1に関して
上流側に向かう力となり、したがって、加圧ローラ4と
の圧接により定着ローラ2に作用する力F1と前記力F
2との合力F3は、やはり記録材の通過方向S1に関し
て上流側に向かう力となる。
【0014】このため、図(b)に示すように、定着ロ
ーラ2の軸線2aは、上記力F3の作用によって、前記
方向S1に関して上流側に凸となるように撓むこととな
る。
【0015】したがって、定着ニップ部Nにおいてベル
ト1に作用する搬送力は、ニップ部Nの両側においては
ベルト1を中央側に寄せる方向に作用する力F4とな
る。
【0016】定着ニップ部Nにおいてはベルト1が定着
ローラ2と加圧ローラ4とで強い力で挟圧されているた
めに、このニップ部Nにおいてベルト1に作用する搬送
力はベルト1に対して大きな影響を与える。
【0017】したがって、ニップ部Nの両側においてベ
ルト1を中央側に寄せる方向の力F4が作用すると、こ
の力F4の作用によって、ニップ部Nの下流側において
ベルト1に皺が寄り易くなり、この皺の影響がオイル塗
布ローラ5との当接部においてもなお残っている場合に
は、その皺によってオイル塗布ローラ5とベルト1との
均一な当接が阻害され、ベルト1に塗布されるオイルに
ムラが生じてしまう。
【0018】すなわち、上述した特開平8−33499
7号記載の定着器(図9)では、離型剤の塗布むらが生
じ易いという問題があった。
【0019】なお、図10に示したベルト定着器(特開
平9−138600号)は、離型剤塗布手段を有してい
ないので上のような問題は生じない。この定着器(図1
0)は、ベルト7が4つのローラ6a〜6dに巻回さ
れ、しかも、ローラ6aから6dに伸びるベルト部分7
aとローラ6dから6bに伸びるベルト部分7bとの間
にヒータ8が配置されている構造となっているので、そ
の構造が著しく複雑であるという難点を有している。
【0020】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、比較的簡単な構造で、離型剤の塗布むらを防止する
ことのできる定着器を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の定着器は、加熱ローラとバックアップ
ローラとの間に張架されて循環する無端ベルトと、この
無端ベルトを介して前記バックアップローラに圧接され
て無端ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ロー
ラと、前記無端ベルトの循環方向に関して前記バックア
ップローラよりも下流側で前記加熱ローラよりも上流側
において無端ベルトに当接して離型剤を塗布する離型剤
塗布手段とを有し、トナー画像が形成された記録材を、
前記定着ニップ部に通して前記トナー画像を加熱溶融し
て記録材上に定着させる定着器であって、前記バックア
ップローラの軸線方向から見て、バックアップローラの
回転中心と加圧ローラの回転中心とを結ぶ直線に対し、
前記加熱ローラの回転中心が、前記定着ニップ部を通過
する記録材のその通過方向に関して下流側に位置してい
ることを特徴とする。
【0022】請求項2記載の定着器は、請求項1記載の
定着器において、前記離型剤塗布手段は、前記無端ベル
トにおける、前記バックアップローラに対する巻掛け終
了位置と前記加熱ローラへの巻掛け開始位置との間の中
間位置よりも、バックアップローラに近い位置において
無端ベルトに当接していることを特徴とする。
【0023】請求項3記載の定着器は、請求項1または
2記載の定着器において、前記離型剤塗布手段が接触す
る側における、前記バックアップローラと加熱ローラと
の外接線の傾きが、加熱ローラに向かって、垂線よりも
記録材の通過方向上流側に傾斜していることを特徴とす
る。
【0024】
【作用効果】請求項1記載の定着器は、加熱ローラとバ
ックアップローラとの間に張架されて循環する無端ベル
トと、この無端ベルトを介して前記バックアップローラ
に圧接されて無端ベルトとの間で定着ニップ部を形成す
る加圧ローラとを有しているので、加熱ローラで加熱さ
れた無端ベルトと加圧ローラとによる定着ニップ部を、
トナー画像が形成された記録材が通過することによっ
て、トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させら
れる。また、無端ベルトに当接して離型剤を塗布する離
型剤塗布手段を有しているので、記録材上のトナー画像
が無端ベルトに転移するオフセット現象が生じ難くなる
とともに、この離型剤塗布手段は、無端ベルトの循環方
向に関して前記バックアップローラよりも下流側で前記
加熱ローラよりも上流側において無端ベルトに当接して
離型剤を塗布するので、加熱ローラで加熱された無端ベ
ルトが、前記定着ニップ部に達する前に離型剤の塗布に
よって温度低下してしまうという事態も防止される。
【0025】そして、この請求項1記載の定着器によれ
ば、前記バックアップローラの軸線方向から見て、バッ
クアップローラの回転中心と加圧ローラの回転中心とを
結ぶ直線に対し、前記加熱ローラの回転中心が、前記定
着ニップ部を通過する記録材のその通過方向に関して下
流側に位置しているので、バックアップローラと加熱ロ
ーラとの間に張架されている無端ベルトの張力によって
バックアップローラに作用する力は記録材の通過方向に
関して下流側に向かう力となり、したがって、加圧ロー
ラとの圧接によりバックアップローラに作用する力と前
記力との合力は、やはり記録材の通過方向に関して下流
側に向かう力となる。
【0026】このため、バックアップローラの軸線は、
上記合力の作用によって、前記記録材の通過方向に関し
て下流側に凸となるように撓むこととなる。
【0027】したがって、定着ニップ部においてベルト
に作用する搬送力は、ニップ部の両側においてはベルト
を外側に広げようとする方向に作用する力となる。
【0028】前述したように、定着ニップ部においては
ベルトがバックアップローラと加圧ローラとで強い力で
挟圧されているために、このニップ部においてベルトに
作用する搬送力はベルトに対して大きな影響を与える。
【0029】したがって、ニップ部Nの両側においてベ
ルトを外側に広げる方向の力が作用すると、この力の作
用によって、ニップ部Nの下流側においてベルトに皺が
寄らなくなるので、離型剤塗布手段とベルトとの均一な
当接が得られ、結果として、ベルトに塗布される離型剤
にムラが生じなくなる。
【0030】また、無端ベルトは、加熱ローラとバック
アップローラとの間に張架される構成となっているの
で、その構成は比較的簡単である。
【0031】すなわち、この請求項1記載の定着器によ
れば、比較的簡単な構造で、離型剤の塗布むらを防止す
ることができる。
【0032】請求項2記載の定着器によれば、請求項1
記載の定着器において、前記離型剤塗布手段は、前記無
端ベルトにおける、前記バックアップローラに対する巻
掛け終了位置と前記加熱ローラへの巻掛け開始位置との
間の中間位置よりも、バックアップローラに近い位置に
おいて無端ベルトに当接しているので、前記ニップ部に
よって外側に広げられるようにしてニップ部を通過した
その通過直後に近い位置において、離型剤塗布手段が無
端ベルトに当接していることとなる。
【0033】このため、一層ベルトに皺が寄り難くな
り、結果として、離型剤の塗布むらを一層確実に防止す
ることができることとなる。
【0034】請求項3記載の定着器によれば、請求項1
または2記載の定着器において、前記離型剤塗布手段が
接触する側における、前記バックアップローラと加熱ロ
ーラとの外接線の傾きが、加熱ローラに向かって、垂線
よりも記録材の通過方向上流側に傾斜しているので、ベ
ルトの自重による振動の影響が少なくなる。
【0035】したがって、さらに皺が生じ難くなり、結
果として、離型剤の塗布むらをより一層確実に防止する
ことができることとなる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0037】<第1の実施の形態>図1は本発明に係る
定着器の第1の実施の形態を示す概略図で、(a)は正
面図、(b)は主として定着ニップ部Nを示す平面図で
ある。
【0038】この定着器100は、加熱ローラ140と
バックアップローラ130との間に張架されて図示矢印
方向に循環する無端ベルト110と、この無端ベルト1
10を介してバックアップローラ130に圧接されて無
端ベルト110との間で定着ニップ部Nを形成する加圧
ローラ120と、無端ベルト110の循環方向に関して
バックアップローラ130よりも下流側で加熱ローラ1
40よりも上流側において無端ベルト110に当接して
離型剤を塗布する離型剤塗布手段としてのオイル塗布ロ
ーラ150とを有し、トナー画像が形成された記録材
を、矢印S1で示すように定着ニップ部Nに通してトナ
ー画像を加熱溶融して記録材上に定着させるようになっ
ている。なお、102は記録材を案内するガイドであ
る。
【0039】これら無端ベルト110および各ローラを
回転させるための駆動ローラとしては、オイル塗布ロー
ラ150以外のローラであればどのローラを用いること
もできるが、この実施の形態では、加圧ローラ120を
駆動ローラとして用いている。
【0040】すなわち、加圧ローラ120は、図示しな
い駆動手段によって図(a)の矢印方向(反時計方向)
に回転駆動され、バックアップローラ130、無端ベル
ト110、加熱ローラ140、およびオイル塗布ローラ
150が従動するようになっている。具体的には、加圧
ローラ120に対して無端ベルト110およびバックア
ップローラ130が圧接されていることにより、無端ベ
ルト110およびバックアップローラ130が加圧ロー
ラ120に従動し、無端ベルト110が加熱ローラ14
0に巻き掛けられていることにより、加熱ローラ140
が無端ベルト110に従動し、無端ベルト110に対し
てオイル塗布ローラ150が圧接されていることによ
り、オイル塗布ローラ150が無端ベルト1100に従
動するようになっている。
【0041】この実施の形態の特徴は、バックアップロ
ーラ130の軸線方向から見て(図(a)において)、
バックアップローラ130の回転中心130aと加圧ロ
ーラ120の回転中心120aとを結ぶ直線Aに対し、
加熱ローラ140の回転中心140aが、定着ニップ部
Nを通過する記録材のその通過方向(矢印S1方向)に
関して下流側に位置している点にある。
【0042】また、オイル塗布ローラ150が、無端ベ
ルト110における、バックアップローラ130に対す
る巻掛け終了位置と加熱ローラ140への巻掛け開始位
置との間の中間位置よりも、バックアップローラ130
に近い位置において無端ベルト110に当接している点
にある。すなわち、無端ベルト110における、バック
アップローラ130に対する巻掛け終了位置からオイル
塗布ローラ150との当接位置までの距離をL2、オイ
ル塗布ローラ150との当接位置から加熱ローラ140
への巻掛け開始位置までの距離をL1とすると、L1>
L2となっている。
【0043】この実施の形態による定着器100によれ
ば、次のような作用効果が得られる。
【0044】(a)この定着器100は、加熱ローラ1
40とバックアップローラ130との間に張架されて循
環する無端ベルト110と、この無端ベルト110を介
してバックアップローラ130に圧接されて無端ベルト
110との間で定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ1
20とを有しているので、加熱ローラ140で加熱され
た無端ベルト110と加圧ローラ120とによる定着ニ
ップ部Nを、トナー画像が形成された記録材が通過する
ことによって、トナー画像が加熱溶融されて記録材上に
定着させられる。また、無端ベルト110に当接して離
型剤としてのオイルを塗布するオイル塗布ローラ150
を有しているので、記録材上のトナー画像が無端ベルト
110に転移するオフセット現象が生じ難くなるととも
に、このオイル塗布ローラ150は、無端ベルト110
の循環方向に関してバックアップローラ130よりも下
流側で加熱ローラ140よりも上流側において無端ベル
ト110に当接してオイルを塗布するので、加熱ローラ
140で加熱された無端ベルト110が、定着ニップ部
Nに達する前にオイルの塗布によって温度低下してしま
うという事態も防止される。
【0045】(b)バックアップローラ130の軸線方
向から見て、バックアップローラ130の回転中心13
0aと加圧ローラ120の回転中心120aとを結ぶ直
線Aに対し、加熱ローラ140の回転中心140aが、
定着ニップ部Nを通過する記録材のその通過方向に関し
て下流側に位置しているので、バックアップローラ13
0と加熱ローラ140との間に張架されている無端ベル
ト110の張力によってバックアップローラ130に作
用する力F2は記録材の通過方向(矢印S1方向)に関
して下流側に向かう力となり、したがって、加圧ローラ
120との圧接によりバックアップローラ130に作用
する力F1と前記力F2との合力F3は、やはり記録材
の通過方向に関して下流側に向かう力となる。
【0046】このため、図(b)に示すように、バック
アップローラ130の軸線130aは、上記合力F3の
作用によって、記録材の通過方向に関して下流側に凸と
なるように撓むこととなる。
【0047】したがって、定着ニップ部Nにおいてベル
ト110に作用する搬送力は、ニップ部Nの両側におい
てはベルト110を外側に広げようとする方向に作用す
る力F5となる。
【0048】前述したように、定着ニップ部Nにおいて
はベルト110がバックアップローラ130と加圧ロー
ラ120とで強い力F1で挟圧されているために、この
ニップ部Nにおいてベルト110に作用する搬送力はベ
ルト110に対して大きな影響を与える。
【0049】したがって、ニップ部Nの両側においてベ
ルト110を外側に広げる方向の力F5が作用すると、
この力F5の作用によって、ニップ部Nの下流側におい
てベルト110に皺が寄らなくなるので、オイル塗布ロ
ーラ150とベルト110との均一な当接が得られ、結
果として、ベルト110に塗布されるオイルにムラが生
じなくなる。
【0050】また、無端ベルト110は、加熱ローラ1
40とバックアップローラ130との間に張架される構
成となっているので、その構成は比較的簡単である。
【0051】すなわち、この実施の形態の定着器100
によれば、比較的簡単な構造で、オイルの塗布むらを防
止することができる。
【0052】なお、バックアップローラ130でベルト
110を駆動する場合においても離型剤の塗布によりベ
ルト110裏面に離型剤が回り込むことにより定着ニッ
プ部Nの前後ではベルト110が滑りやすくなるので、
バックアップローラ130に巻きかかっている部分にお
けるベルト110へのスラスト方向の力は、定着ニップ
部Nでのベルト110へのスラスト方向の力に比較する
と寄与は極めて小さい。また、加圧ローラ120でベル
ト110を駆動する場合においても定着ニップ部Nにお
いてベルト110はバックアップローラ130に従動す
るので同様にスラスト方向への力が働く一方で、定着ニ
ップ部Nの前後ではバックアップローラ130の巻き掛
け部による駆動伝達がないため、同様に巻き掛け部での
スラスト方向の力は極めて小さい。したがって、バック
アップローラ130あるいは加圧ローラ120のどちら
を駆動する場合においても本発明は有効である。
【0053】(c)オイル塗布ローラ150は、ベルト
110にオフセットしたトナーを除去するためのクリー
ニング手段としての機能も有しているので、トナーのす
り抜けがも防止され、したがって、すり抜けたトナーが
記録材上に転移して画像汚れが生じるという事態も防止
されることとなる。前述した従来の定着器では、ベルト
の皺の影響で上記トナーのすり抜けが生じるおそれがあ
ったが、この実施の形態ではそのようなおそれは生じ難
い。
【0054】(d)オイル塗布ローラ150は、無端ベ
ルト110における、バックアップローラ130に対す
る巻掛け終了位置と加熱ローラ140への巻掛け開始位
置との間の中間位置よりも、バックアップローラ130
に近い位置において無端ベルト110に当接しているの
で、前記ニップ部Nによって外側に広げられるようにし
てニップ部Nを通過したその通過直後に近い位置におい
て、オイル塗布ローラ150が無端ベルト110に当接
していることとなる。
【0055】このため、一層ベルト110に皺が寄り難
くなり、結果として、オイルの塗布むらを一層確実に防
止することができることとなる。
【0056】また、オイル塗布ローラ150が加熱ロー
ラ140よりもバックアップローラ130に近い側に配
置されていることに加え、この実施の形態ではオイル塗
布ローラ150が加熱ローラ140よりも下方に配置さ
れているので、次のような作用効果が得られる。
【0057】離型剤としては、一般にシリコーンオイル
が用いられる。シリコーンオイルとはオルガノシロキサ
ンの重合体であり、例えばジメチルシロキサンの重合体
であるジメチルシリコーンオイル(ポリジメチルシロキ
サン)が挙げられる。
【0058】したがって、シリコーンオイルは、その製
造上、それぞれ重合度の異なる重合体からなるポリジメ
チルシロキサンの混合物であり、オルガノシロキサンオ
リゴマー等の低分子量成分を含む。
【0059】そのため、シリコーンオイルを高温下に放
置すると、低分子量成分が揮発し、シリコーンオイルの
粘度が増大する。
【0060】オイル塗布ローラ150による離型剤塗布
量は離型剤の粘度に依存するため、オイル塗布ローラ1
50が加熱ローラ140により加熱され過ぎて、シリコ
ーンオイルの粘度が増大し過ぎると、オイル塗布ローラ
150における加熱ローラ140との対向面、甚だしく
はオイル塗布ローラ150の全面においてシリコーンオ
イルの塗布量が減少し、無端ベルト110への離型剤の
塗布むらに起因する画像の光沢むらや、無端ベルト11
0へのトナーのオフセット等の問題が生じる。
【0061】これに対し、この実施の形態によれば、少
なくとも、加熱ローラ140よりもバックアップローラ
130に近い側にオイル塗布ローラ150が配置されて
いるので上記問題は生じない。
【0062】また、前述のように、シリコーンオイルは
けい素(Si)に結合する置換基としてアルキル基(ジ
メチルシリコーンオイルの場合は置換基としてメチル
基)を有するが、この置換基としては種々のものを用い
ることが出来る。例えば、アルキル基の一部にアミノ基
を含む、いわゆるアミノ変性シリコーンオイルが挙げら
れる。
【0063】このアミノ変性シリコーンオイルは、シリ
コーンゴムに対する親和性がジメチルシリコーンオイル
よりも低く、シリコーンゴムに浸透しにくいという特性
を有する。
【0064】そのため、無端ベルト110の表面層ある
いは加圧ローラ120の表面層としてシリコーンゴムを
用いる場合、離型剤としてジメチルシリコーンオイルを
用いると、離型剤が無端ベルト110や加圧ローラ12
0の表面層に浸透しやすいために塗布量を比較的多く設
定する必要があるが、アミノ変性シリコーンオイルで
は、離型剤がシリコーンゴムの表面層に浸透しにくいた
めに塗布量が比較的少量で済むという利点がある。
【0065】しかしながら、アミノ変性シリコーンオイ
ルが高温下に放置されると、置換基中のアミノ基が離脱
し、アミノ変性シリコーンオイルが失活する(ジメチル
シリコーンオイルのようにシリコーンゴムに浸透しやす
くなり、その結果、離型剤の塗布むらや、トナーのオフ
セットが生じる)という問題が生じる。
【0066】さらにまた、アミノ変性シリコーンオイル
からアミノ基が離脱することにより、アンモニアが生じ
るため、不愉快な臭気を発生したり、定着器あるいはそ
の周辺の部材の腐食を生じる等の問題が生じる。
【0067】これに対し、この実施の形態によれば、少
なくとも、加熱ローラ140よりもバックアップローラ
130に近い側に離型剤塗布ローラ150が配置されて
いるので以上のような問題も生じない。したがって、こ
の発明は、アミノ変性シリコーンオイルを用いる場合に
一層有効である。
【0068】<第2の実施の形態>図2は本発明に係る
定着器の第2の実施の形態を示す正面図、図3(a)
(b)はそれぞれその主要部を示す概略図である。これ
らの図において、上述した第1の実施の形態における部
分と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付し
てある。
【0069】この実施の形態の特徴は、図2および図3
(b)に示すように、オイル塗布ローラ150が接触す
る側における、バックアップローラ130と加熱ローラ
140との外接線Cの傾きγが、加熱ローラ140に向
かって(図において上方に向かって)、加圧ローラ12
0の回転中心120aを通る垂線Dよりも記録材の通過
方向(矢印S1方向)上流側に傾斜している点にある。
【0070】このような構成とすることにより、上述し
た第1の実施の形態により得られる作用効果に加えさら
に次のような作用効果が得られる。
【0071】すなわち、オイル塗布ローラ150が接触
する側における、バックアップローラ130と加熱ロー
ラ140との外接線Cの傾きγが、加熱ローラ140に
向かって(図において上方に向かって)、垂線Dよりも
記録材の通過方向(矢印S1方向)上流側に傾斜してい
るので、ベルト110の自重による振動の影響が少なく
なり、無端ベルト110にさらに皺が生じ難くなり、結
果として、オイルの塗布むらをより一層確実に防止する
ことができることとなる。
【0072】以下、この実施の形態の具体的構成につい
て、主として図2を参照して説明する。
【0073】無端ベルト110は、薄肉金属製(例えば
ニッケル製)のベルト基材の表面に、記録材およびトナ
ーに対する剥離性に優れた表層(例えばシリコーンゴム
層)を形成したものである。なお、図2において、11
1はバックアップローラ130への巻掛け部における無
端ベルト110の表面温度を検出するためのサーミスタ
である。このサーミスタ111は加圧ローラ120との
圧接部(定着ニップ部)Nの上流側に設けられている。
【0074】バックアップローラ130は、金属製の芯
材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的
肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸1
31aで定着器100のフレームの側板101に対して
回転可能に支持されている。
【0075】加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材
料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されてお
り、その内部に熱源である発熱体141が配置されてい
る。
【0076】この加熱ローラ140は、無端ベルト11
0の巻掛け部において無端ベルト110を急速に加熱す
ることが可能である。この実施の形態の加熱ローラ14
0はテンションローラとして構成されており、図示しな
い適宜の付勢手段で無端ベルト110の張り方向(図3
(a)において矢印F2方向)に付勢されている。な
お、図2において、143は加熱ローラ140の温度を
検出するためのサーミスタである。
【0077】加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性
に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けら
れた前記バックアップローラ130の弾性層132より
は肉薄の弾性層122と、この弾性層122の表面に形
成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた
表面層122aとを備え、芯材121の内部に熱源であ
るハロゲンランプ123が配置されている。
【0078】加圧ローラ120は、定着器100のフレ
ーム側板101に対して回転可能に支持されており、こ
の定着器100が設けられる画像形成装置本体に設けら
れた図示しない駆動手段によって図2の矢印方向に回転
駆動される。なお、加圧ローラ120は、その半径方向
へは移動不能に取り付けられており、弾性層122およ
び前記バックアップローラ130の弾性層132の弾性
力で無端ベルト110を介してバックアップローラ13
0に圧接されている。その圧接部(すなわち定着ニップ
部N)は、バックアップローラ130の弾性層132が
加圧ローラ120の弾性層122よりも肉厚であること
から、バックアップローラ130側に凸状に形成され
る。図2において、124は加圧ローラ120の表面温
度を検出するためのサーミスタである。
【0079】オイル塗布ローラ150は、軸151と、
この軸151の回りに固定された肉厚の多孔質材料また
は繊維質材料からなるオイル保持層152とを備えてい
る。オイル保持層152には、離型オイルが含浸させて
あり、その表面は、オイル塗布量を調整するためのオイ
ル透過性を有する薄膜シート、例えば、多孔質PTFE
シート153で被覆してある。
【0080】オイル塗布ローラ150は図示しない適宜
の付勢手段で無端ベルト110に圧接されて従動回転
し、無端ベルト110の表面に、シリコーンオイル等の
離形オイルを塗布する。なお、図2において、154
は、オイル塗布ローラ150の表面をクリーニングする
ためのフェルト等からなるクリーニング部材であり、オ
イル塗布ローラ150の表面に圧接されている。
【0081】フレーム101には、トナー画像が形成
(転写)された記録材を無端ベルト110と加圧ローラ
120との圧接部(ニップ部)Nに導く、ガイド102
が設けられている。また、ニップ部Nの下流側には、排
紙ローラ対103と、定着後の記録材を画像形成装置の
排紙経路(図示せず)に導くガイド104とが設けられ
ている。なお、上記各サーミスタは、図示しない制御部
に接続されており、各サーミスタからの検出温度に応
じ、制御部によって前記各熱源123,141への通電
量が制御されるようになっている。
【0082】
【実施例】さらなる具体例について説明する。
【0083】(前述した距離L1,L2に関し)無端ベ
ルト110における、バックアップローラ130に対す
る巻掛け終了位置からオイル塗布ローラ150との当接
位置までの距離L2は13.9mm程度、オイル塗布ロ
ーラ150との当接位置から加熱ローラ140への巻掛
け開始位置までの距離L1は23.2mm程度とする
(L1=23.2mm>L2=13.9mm)。
【0084】(前述した角度γに関し)加圧ローラ12
0の回転中心120aを通る垂線Dに対する、オイル塗
布ローラ150が接触する側におけるバックアップロー
ラ130と加熱ローラ140との外接線Cの傾き角度γ
は28.35°程度とする。
【0085】(無端ベルト110に関し)図4(a)
(b)に示すように、構造はシームレスベルトとし、ポ
リイミド(PI)製のベルト基体110a上にシリコーン
ゴムによる表面層110bを形成したものとする。ベル
ト基体110aと表面層110bとの間には接着層を設
けても良い。
【0086】幅は380mm程度、内径はφ60mm程
度とする。
【0087】ベルト基体110aに関し ベルト基体110aとしては、ポリイミド(PI)製
で、遠心成形されたシームレスベルトを用いる。
【0088】ベルト基体110aは、カーボンブラック
が添加されており、導電性を有している。体積抵抗率は
10Ωcm以上10Ωcm以下とする。ベルト11
0が加熱ローラ140やバックアップローラ130等と
摩擦されることにより不要に帯電することを防止するた
めである。尚、体積抵抗率を10Ωcm下にすると、
カーボンブラックの添加量が多くなりすぎてベルトの強
度が低下するので好ましくない。
【0089】なお、カーボンブラックの添加によりベル
ト基体110aは黒色を呈しているので、ベルト内面に
おける、加熱ローラ140からの輻射熱による熱エネル
ギーの吸収効率が高いものとなる。
【0090】ベルト基体110aの厚さは50μm以上
200μm以下の範囲で適宜設定し得るが、より好まし
くは90μm程度とする。
【0091】ベルト基体110a内面の表面粗さは中心
線平均粗さRa1μm以下の範囲で適宜設定し得るが、
より好ましくはRa0.3μm程度とする。
【0092】表面層110bに関し 材質はシリコーンゴムとする。厚さは50〜400μm
の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは200μm
程度とする。
【0093】表面粗さ(表面)は中心線平均粗さRa1
μm以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくはR
a0.3μm程度とする。
【0094】(無端ベルト110の変形例について)基
体110aとしてはPIの他、Ni電鋳管、フッ素樹脂
の使用が可能である。ベルト基体単体でも使用可能であ
るが、さらにシリコーンゴムやフッ素ゴム、フッ素樹脂
による表面層を設ける構成とするのが望ましい。
【0095】(バックアップローラ130に関し)図5
(a)(b)に示すように、構造は両端部にφ10程度
の軸部131aを有するφ24程度のアルミニウム製ロ
ーラの外周面に弾性層132としてシリコンゴムを、さ
らにその外周面に表面層132aとしてフッ素樹脂を被
覆したものとする。
【0096】バックアップローラ130の外径は38.
5mm程度とする。
【0097】外形状はストレート形状とし、端部周面は
図5(c)に示すように、面取り加工されている。
【0098】軸部131aを除くローラ幅は400mm
程度とする。
【0099】ローラ硬度はJIS−A50°以上80°
以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは、60
°程度とする。
【0100】ローラの表面粗さはRa5μm以下の範囲
で適宜設定し得るが、より好ましくはRa1μm程度と
する。
【0101】弾性層132に関し 材質はシリコーンゴムとし、層厚は7mm程度とする。
ゴム硬度はJIS−A5°以上30°以下の範囲で適宜
設定し得るが、より好ましくは10゜程度とする。
【0102】表面層132aに関し 材質はPFA(4弗化エチレン・パーフルオロアルコキ
シエチレン共重合体)樹脂とする。具体的には熱収縮性
PFA樹脂チューブを用いる。
【0103】被覆後の層厚は50μm以上200μm以
下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは100μ
m程度とする。
【0104】被覆後の表面粗さはRa0.3以上3μm
以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくはRa1
μm程度とする。
【0105】(加圧ローラ120に関し)図6(a)
(b)(c)に示すように、構造は両端部にφ20程度
の中空軸部124を有する鉄(快削鋼)製のボス部12
5と、φ32.4程度の鉄(炭素鋼)製のパイプ部12
1とからなる鉄製ローラの外周面に弾性層122として
シリコーンゴムを、さらにその外周面に表面層122a
としてフッ素樹脂を被覆した構造とする。
【0106】中空部120bには、発熱手段としてハロ
ゲンランプ123(図2参照)を設ける。ハロゲンラン
プ123の発熱量は200〜300Wの範囲で適宜設定
し得るが、より好ましくは230W程度とする。
【0107】加圧ローラ120の外径は35.4mm程
度とする。
【0108】外形状は逆クラウン形状とする。クラウン
量(端部と中央部の外径差)は0.05mm以上0.2
mm以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは
0.1mm程度とする。
【0109】軸部124を除くローラ幅は395mm程
度とし、逆クラウン有効幅は380mm程度とする。
【0110】ローラ硬度はJIS−A70°以上90°
以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは80°
程度とする。
【0111】ローラ表面粗さはRa3μm以上15μm
以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくはRa6
μm程度とする。
【0112】バックアップローラ130に対する押圧荷
重は軸部124,124にかけ、片側70Kg(両端総
荷重140Kg)程度とする。尚、バックアップローラ
130及び加圧ローラ120はフレーム101に定位置
固定(軸間距離一定)され、特別の押圧手段は設けな
い。押圧荷重は、両ローラ120,130の外径の和よ
りも軸間距離が短くなるようにフレーム101に両ロー
ラ120,130が固定されることにより、両ローラが
互いに食い込むことにより生じる。ローラへの荷重作用
位置はフレームへの固定位置であり、軸124の軸受で
あるベアリング(図示せず)の位置となる。
【0113】尚、バックアップローラ130もしくは加
圧ローラ120側にコイルバネ等の押圧手段を設ける構
成としてもよい。
【0114】弾性層122に関し 材質はシリコーンゴムとする。ゴム硬度はJIS−A5
°以上30°以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ま
しくは20°程度とする。層厚は1.5mm程度とす
る。
【0115】表面層122aに関し 材質はフッ素ラテックス塗料を塗布した後、熱硬化させ
たフッ素ラテックス被膜とする。層厚は60μm程度と
する。
【0116】(加圧ローラ120の変形例について)ハ
ロゲンランプ123は必ずしも設けなくても良く、した
がって、中空部120bは必ずしも設けなくても良い。
【0117】また、加圧ローラ120には弾性層122
を設けずに、離型性の高いフッ素樹脂などの表面層12
2aのみを形成する構成、あるいは表面層122aをも
有さない金属ローラとしてもよい。
【0118】(加熱ローラ140に関し)図7(a)
(b)に示すように、構造は両端部にφ20程度の軸部
144と、φ30程度のパイプ部145とからなるアル
ミニウム製ローラとする。
【0119】外径は30mm程度とし、外形状はストレ
ート形状とする。軸部144を除くローラ幅は383m
m程度とする。
【0120】表面粗さはRa0.1以上1以下の範囲で
適宜設定し得るが、より好ましくはRa0.3μm程度
とする。
【0121】ローラ中空部140bに配置される発熱手
段141はハロゲンランプとする。その発熱量は650
〜850Wの範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは
720W程度とする。
【0122】無端ベルト110に対してテンションを付
与するための押圧荷重は軸部144,144にかけら
れ、片側7Kg(両側総荷重14Kg)程度とする。荷
重方法は一端が加熱ローラの軸部144を支持するテン
ションアーム(図示せず)の他端部とフレーム101と
の間にコイルバネを設けることで行なう方法である。加
熱ローラ140への荷重位置はテンションアームの一端
部に設けられた、軸部144のためのベアリング部とな
る。
【0123】(オイル塗布ローラ150に関し)図8
(a)(b)に示すように、構造はφ12mm程度の鉄
製シャフト151上に、オイル含浸層152aとオイル
供給層152bとからなるオイル保持層152、および
表面層153を順に積層した構造とした。
【0124】オイル塗布ローラ150の外径は36mm
程度、軸端部を含まないローラ幅は330mm程度とす
る。
【0125】ローラ硬度はJIS−A5〜30°の範囲
で適宜設定し得るが、より好ましくは20°程度とす
る。表面粗さはRa0.5以上3μm以下の範囲で適宜
設定し得るが、より好ましくはRa1μm程度とする。
【0126】オイル含浸層152aは、スポンジまたは
紙で構成する。
【0127】オイル供給層152bはフェルトまたは合
成皮革で構成し、層厚は1.2mm程度とする。
【0128】表面層153は、多孔質PTFE(4弗化
エチレン重合体)樹脂で構成する。層厚は30以上12
0μm以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは
60μm程度とする。
【0129】離型剤の材質はジメチルシリコーンオイル
(アミノ変形シリコーンオイルでも可)とする。粘度
(20°Cでの)は、80以上400センチストークス
以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは100
センチストークス程度とする。
【0130】無端ベルト110への当接荷重(押圧荷
重)は総荷重0.5以上2Kg以下の範囲で適宜設定し
得るが、より好ましくは1Kg程度とする。
【0131】オイル塗布ローラ150と無端ベルト11
0との当接幅(ベルト移動方向に関する長さ)は3mm
程度とする。
【0132】(オイル塗布ローラ150に関する変形
例)離型剤含浸型のオイル塗布ローラ150の他、離型
剤を含浸させたパッド、ブレード等を採用し得る。
【0133】尚、離型剤含浸タイプにおいては、定位置
固定よりも定荷重固定が好ましい。これは、離型剤の塗
布により含浸量が低下するとローラ外径が小さくなり、
定位置固定ではテンション付与手段としての機能も有す
るオイル塗布ローラ150とベルト110との当接が不
安定となり、塗布ムラが生じるおそれがあるためであ
る。
【0134】また、オイル塗布ローラ150は離型剤含
浸型とせず、図3(a)に仮想線で示すようにオイル塗
布ローラ150の外周にクリーニングローラ155及び
離型剤供給ローラ156を配置してもよい。この場合、
オイル塗布ローラ150としてはアルミニウムあるいは
ステンレス製の剛体ローラまたはシリコーンゴムあるい
はフッ素ゴムからなる弾性ローラを用いることができ
る。さらに必要に応じてシリコーンゴムあるいはフッ素
樹脂による離型性を有する表面層を設けてもよい。ま
た、クリーニングローラとしても同様のローラを用いる
こともできる。クリーニングローラの代わりにクリーニ
ングブレードを用いることもできる。離型剤供給ローラ
156としては前述の離型剤含浸型のオイル塗布ローラ
を用いることもできる。
【0135】(各ローラ等の配置に関し)加熱ローラ1
40とバックアップローラ130との軸間距離は40.
23mm程度、バックアップローラ130と加圧ローラ
120との軸間距離は35.2mmとする。バックアッ
プローラ130と離型剤塗布ローラ150との軸間距離
は38.9mm程度、加熱ローラ140と離型剤塗布ロ
ーラ150との軸間距離は39.18mm程度とする。
【0136】図3(b)に示すように、バックアップロ
ーラ130と加圧ローラ120のそれぞれの回転中心1
30a,120aを結ぶ直線Aと、バックアップローラ
130と加熱ローラ140のそれぞれの回転中心130
a,140aを結ぶ直線Bとの成す角度αは直線Aを基
準にして記録材搬送下流側に4.43°程度とする。
【0137】ガイド102の設置角度は、水平線(定着
器100が装着される画像形成装置の設置面)Gに対す
る記録材搬送面Fの成す角度δを31°程度とする。こ
の角度δは、10°以上50°以下の範囲で適宜設定し
得るが、より好ましくは31°程度とする。
【0138】ガイド102に記録材を吸引し沿わせるた
めのサクションファン160を設けると、定着ニップ部
Nへの記録材先端の姿勢が安定し、また記録材後端が浮
き上がることにより定着ニップ部Nへの進入以前にバッ
クアップローラ130側に記録材後端が接触して画像乱
れが生ずることを防止できるので、さらに好まい。
【0139】記録材進入角度(ガイド面Fと定着ニップ
部水平線E(バックアップローラ130と加圧ローラ1
20の回転中心同士を結ぶ直線に対する垂線)とが成す
角度)βは4°程度とする。
【0140】排紙ローラ対103同士の当接位置と定着
ニップ部Nの中心(記録材搬送方向に関する中心)とを
結ぶ直線Hがニップ部水平線Eと成す角度εは31.5
°程度とする。
【0141】(変形例)定着ニップ部Nを通過する記録
材の搬送方向が略垂直(ニップ部水平線が略垂直)とな
るように、各ローラ等を更に傾けた構成としても良い。
【0142】以上、本発明の実施の形態および実施例に
ついて説明したが、本発明は上記の実施の形態または実
施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内
において適宜変形実施可能である。
【0143】
【発明の効果】請求項1〜3記載のいずれの定着器によ
っても、比較的簡単な構造で、離型剤の塗布むらを防止
することができる。
【0144】さらに、請求項2記載の定着器によれば、
一層ベルトに皺が寄り難くなり、結果として、離型剤の
塗布むらを一層確実に防止することができることとな
る。
【0145】請求項3記載の定着器によれば、さらに皺
が生じ難くなり、結果として、離型剤の塗布むらをより
一層確実に防止することができることとなる。
【0146】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着器の第1の実施の形態を示す
概略図で、(a)は正面図、(b)は主として定着ニッ
プ部Nを示す平面図である。
【図2】本発明に係る定着器の第2の実施の形態を示す
正面図。
【図3】(a)(b)はそれぞれ同上定着器の主要部を
示す概略図である。
【図4】無端ベルト110の具体例を示す図で、(a)
は正面図、(b)は側面図。
【図5】バックアップローラ130の具体例を示す図
で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は図
(b)の部分拡大図。
【図6】加圧ローラ120の具体例を示す図で、(a)
は正面図、(b)は側面図、(c)は図(a)における
c−c断面図。
【図7】加熱ローラ140の具体例を示す図で、(a)
は側面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図。
【図8】オイル塗布ローラ150の具体例を示す図で、
(a)は正面図、(b)は側面図。
【図9】従来技術の説明図。
【図10】従来技術の説明図。
【図11】(a)(b)は従来技術の説明図。
【符号の説明】
100 定着器 110 無端ベルト 120 加圧ローラ 130 バックアップローラ 140 加熱ローラ 150 オイル塗布ローラ(離型剤塗布手段) N 定着ニップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤沢 和利 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 奥村 尚之 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 BA02 BA11 BA43 BB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱ローラとバックアップローラとの間
    に張架されて循環する無端ベルトと、この無端ベルトを
    介して前記バックアップローラに圧接されて無端ベルト
    との間で定着ニップ部を形成する加圧ローラと、前記無
    端ベルトの循環方向に関して前記バックアップローラよ
    りも下流側で前記加熱ローラよりも上流側において無端
    ベルトに当接して離型剤を塗布する離型剤塗布手段とを
    有し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ニッ
    プ部に通して前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に
    定着させる定着器であって、 前記バックアップローラの軸線方向から見て、バックア
    ップローラの回転中心と加圧ローラの回転中心とを結ぶ
    直線に対し、前記加熱ローラの回転中心が、前記定着ニ
    ップ部を通過する記録材のその通過方向に関して下流側
    に位置していることを特徴とする定着器。
  2. 【請求項2】 前記離型剤塗布手段は、前記無端ベルト
    における、前記バックアップローラに対する巻掛け終了
    位置と前記加熱ローラへの巻掛け開始位置との間の中間
    位置よりも、バックアップローラに近い位置において無
    端ベルトに当接していることを特徴とする請求項1記載
    の定着器。
  3. 【請求項3】 前記離型剤塗布手段が接触する側におけ
    る、前記バックアップローラと加熱ローラとの外接線の
    傾きが、加熱ローラに向かって、垂線よりも記録材の通
    過方向上流側に傾斜していることを特徴とする請求項1
    または2記載の定着器。
JP11056217A 1999-01-19 1999-03-03 定着器 Withdrawn JP2000250348A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11056217A JP2000250348A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 定着器
EP00100269A EP1022622B1 (en) 1999-01-19 2000-01-19 Fixing device
AT00100269T ATE362126T1 (de) 1999-01-19 2000-01-19 Fixiervorrichtung
DE60034719T DE60034719T2 (de) 1999-01-19 2000-01-19 Fixiervorrichtung
US09/487,731 US6459877B1 (en) 1999-01-19 2000-01-19 Fixing device which prevents damage to a fixing belt
EP07005687A EP1813995A2 (en) 1999-01-19 2000-01-19 Fixing device
US10/214,257 US6792236B2 (en) 1999-01-19 2002-08-08 Fixing device for an image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11056217A JP2000250348A (ja) 1999-03-03 1999-03-03 定着器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000250348A true JP2000250348A (ja) 2000-09-14

Family

ID=13020950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11056217A Withdrawn JP2000250348A (ja) 1999-01-19 1999-03-03 定着器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000250348A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003263047A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Konica Corp 定着装置
JP2006154540A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2007079234A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置及び画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003263047A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Konica Corp 定着装置
JP2006154540A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2007079234A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3282494B2 (ja) 画像定着装置
US7596348B2 (en) Image heating apparatus
US7480480B2 (en) Image heating apparatus with heat pipe for decreasing unevenness in temperature distribution
JP2004037764A (ja) 画像定着装置、およびそれを用いた電子写真装置
JP3753223B2 (ja) 定着装置
JPH10213984A (ja) 画像定着装置
JP2004053618A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4677304B2 (ja) 画像加熱装置
JP2002207389A (ja) 画像定着装置
JP2004144833A (ja) 加熱装置
JP2004296188A (ja) 加熱装置
JP5569143B2 (ja) 定着ベルト、定着装置、及び、画像形成装置
JP4872225B2 (ja) 画像定着装置
JP4106170B2 (ja) 画像形成装置に使用されるオイル塗布ローラ
JP2000250348A (ja) 定着器
JP2007178828A (ja) 画像加熱装置
JP2005301043A (ja) 無端状定着ベルト及び定着装置
JP3890823B2 (ja) ベルト定着器
JP3666016B2 (ja) ベルト定着器
JP3669212B2 (ja) ベルト定着器
JP4223639B2 (ja) ベルト定着器
JP2000330412A (ja) 定着器
JP7363511B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JPH1173046A (ja) 定着装置
JP4223633B2 (ja) ベルト定着器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060905

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20061002