JP2000249769A - 放射線撮像パネル - Google Patents

放射線撮像パネル

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JP2000249769A
JP2000249769A JP11051961A JP5196199A JP2000249769A JP 2000249769 A JP2000249769 A JP 2000249769A JP 11051961 A JP11051961 A JP 11051961A JP 5196199 A JP5196199 A JP 5196199A JP 2000249769 A JP2000249769 A JP 2000249769A
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photoconductive layer
radiation
imaging panel
ray
photoconductive
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JP11051961A
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Koji Amitani
幸二 網谷
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】X線吸収率がよく、製造も容易なX線撮像パネ
ルを提供する。 【解決手段】X線撮像パネル12は基板40上に形成さ
れた光導電性を有する光導電層62と、この光導電層と
基板との間であって、2次元的に配列された蓄積用コン
デンサ24とスイッチング素子26とで構成される。こ
の蓄積用コンデンサ、スイッチング素子およびこれらの
上面に位置する光導電層とによって、X線像を電気信号
に変換する変換セル20が構成される。光導電層は基板
上に塗布しながら所定の厚みとなされた塗布層である。
光導電層としては、Bi12GeO20,Bi12SiO20
などのようにX線吸収率の高い光導電性無機化合物で構
成されている。その充填率も適切な値に選定されてい
る。光導電層がX線吸収率の高い光導電性物質であるた
めにX線画像信号のS/Nがよい。光導電層は塗布工程
で形成されるため、その製造が容易で、製造時間も短縮
されるためコストダウンを図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線などの放射
線撮像装置に適用して好適な放射線撮像パネルに関す
る。詳しくは、放射線撮像パネルを構成する光導電層と
して放射線の吸収率の高い無機化合物が使用されると共
に、この光導電層を基板上に塗布して形成することによ
って、安価にこの種放射線撮像パネルを製造できるよう
にしたものである。
【0002】
【従来の技術】人体などの組織を放射線を利用して撮像
する放射線撮像装置が知られている。X線撮像装置を例
示すると、このX線撮像装置にあっては、近年X線用の
感光フィルムを使用する代わりに、X線像を2次元のX
線撮像パネルに導き、X線像(潜像)を電気信号(画像
信号)として得るようにした装置が開発されている。こ
のX線撮像装置には、X線像を一旦光信号に変換し、変
換した光信号を電気信号に変換するいわゆる間接方式の
他に、X線像を直接電気信号に変換できるいわゆる直接
方式のX線撮像装置が知られている。
【0003】X線像を電気信号に変換するにあたって
は、直接方式は間接方式と違ってX線像を一旦光信号に
変換する必要がないので、鮮鋭性に優れた画像を得るこ
とができる。
【0004】この直接方式によるX線撮像装置に使用さ
れるX線撮像パネルとしては図5に示すような構成が知
られている。図5において、撮像パネル12は複数のゲ
ート線14と信号線16とがそれぞれ所定のピッチをも
ってマトリックス状に配列され、それらが交差する内部
が画素として機能する変換セル20となる。
【0005】変換セル20は照射されたX線の強さに基
づいた電荷を生成する電荷生成部22と、生成された電
荷を蓄積する蓄積用コンデンサ24と、このコンデンサ
24に蓄積された電荷を電気信号(画像信号)として信
号線16に導くスイッチング素子26とで構成されてい
る。スイッチング素子26としては図示するように、薄
膜トランジスタ(TFT)などが使用される。
【0006】図示する例では電荷生成部22が変換セル
20の半分程度の領域を占めるように描かれているが、
実際には図6に示すように変換セル20の上部(X線照
射面)が電荷生成部22となり、その下部にコンデンサ
24およびスイッチング素子26が設けられている。
【0007】X線撮像パネル12には電源部28より所
定の高電圧(5000ボルト程度)が印加され、これに
よって電荷生成部22において生成された電荷(電子と
正孔)が分離されて、この電子または正孔がコンデンサ
24に蓄積される。
【0008】そして、垂直走査部30から供給される垂
直走査用のゲート信号が対応するゲート線14に加えら
れることによって、そのゲート線14に接続されたスイ
ッチングトランジスタ26がオンして、オンしたスイッ
チングトランジスタ26に接続されたコンデンサ24に
蓄積された電荷が対応する信号線16を介して水平走査
部32に導かれる。
【0009】水平走査部32では各信号線16から導か
れた画像信号が変換セル20ごとに順次水平方向に走査
されて1ライン分のX線用画像信号が得られ、これが後
段の信号処理回路34に導かれる。水平方向の走査は、
信号線をいくつかのブロックに分けたブロック毎に並列
処理的に行ってもよく、このブロック処理の場合はX線
画像信号の読み取り時間を短縮できる。
【0010】信号処理回路34においては、このX線画
像信号がディジタル信号に変換されたり、ノイズ除去処
理、感度ムラや画素欠陥の補正、階調処理や周波数処理
などの各種信号処理や画像処理が施される。X線画像信
号はモニタに表示したり、メモリ手段に保存したり、感
光フィルム等の記録材料に現像したり、遠隔地に伝送し
たりすることができる。
【0011】図6はX線撮像パネル12の一部断面構成
を示すもので、変換セル20を中心に図示されている。
所定の厚みを有するガラスなどの基板40上には蓄積用
コンデンサ24となる一方の電極42が被着形成される
と共に、絶縁層44を介して対極となる電極46が被着
形成されて所定容量のコンデンサ24が形成される。
【0012】コンデンサ24に隣接してスイッチング素
子として機能するTFTトランジスタ26が形成され
る。このTFTトランジスタ26の構成も周知であっ
て、ゲートGとなるゲート電極50がガラス基板40上
に形成され、このゲート電極50を覆うように絶縁層5
2が被着形成され、その上の所定位置にドレインDとな
るドレイン電極54とソースSとなるソース電極56が
それぞれ被着形成される。ソース電極56とコンデンサ
24用の電極46とは一体形成される。ドレイン電極5
4は信号線16としても使用される。
【0013】基板40上に形成されたこれらコンデンサ
24およびTFTトランジスタ26のさらに上面には電
荷生成部22として機能する光導電層62が所定の厚み
となるように形成される。光導電層62はアモルファス
セレン(a−Se)などが使用されると共に、この光導
電層62は通常蒸着によって形成される。光導電層62
の上面には共通電極60が被着形成されて、変換セル2
0が得られる。
【0014】電極42と60との間には上述したような
高電圧が電源部28より印加され、この高電界の印加状
態にあるとき、例えばパネル正面12a側から人体等の
被写体を透過したX線が照射される。光導電層62内に
入射したX線によって光導電層62の内部にはX線エネ
ルギーの強さに応じた電荷が生成される。この電荷は電
極42、60間に印加された高電圧(高電界)によって
分離されて、マイナス電荷の電子とプラス電荷の正孔は
電極60側または電極46、56側に引き寄せられる。
電極46、56側に引き寄せられた電荷はコンデンサ2
4によって捕集されて、X線エネルギーに対応した電荷
がコンデンサ24の両極42、46内に蓄積されること
になる。コンデンサ24に蓄積された電荷はTFTトラ
ンジスタ26がオンすることによってドレイン電極54
に接続された信号線16を介して水平走査部32に導か
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに電荷生成部22として機能する光導電層62は通常
蒸着によって形成される。そして、X線吸収率を高くす
るためには光導電層62を厚くすればよい。例えば50
0μm以上の厚みとなるように製膜すればよい。厚膜化
すると鮮鋭度が劣化するようにも考えられるが、この種
電荷生成方式では電極間に充分な電界を印加しておけ
ば、光導電層62を厚膜化しても鮮鋭度が殆ど劣化しな
い。したがって厚膜化によって画質が向上する。
【0016】一方、光導電層62は蒸着などの気相堆積
法によって製膜される場合が多いが、上述したような5
00μm以上の厚みとなるまで光導電層62を成長させ
るには相当な時間がかかり、生産性の低下を招く。
【0017】またその製膜管理も大変である。厚膜化す
ると製膜作製時に亀裂が発生したり、異常成長等を起こ
しやすくなり、画像欠陥が発生しやすいという問題を惹
起する。また作製後に温度変化があると、基板40と光
導電層62との間の熱膨張係数の違い等によって、光導
電層62の剥がれや亀裂発生を起こし易くなる。このこ
とは結局のところ製造コストの上昇や信頼性の低下につ
ながり、X線撮像パネル12のコストアップを招来する
ことになっている。
【0018】このような問題点を内包した気相堆積法で
はなく、塗布方法によって光導電層62を製膜すること
が考えられる。塗布方法であれば、光導電層のバインダ
ーが光導電粒子を網目状に繋ぐことで厚膜化しても塗膜
物性を維持でき、亀裂などの発生を抑えることができ
る。そのため、極めて高画質の画像を提供できるものと
考えられる。
【0019】しかし、光導電層62内の光導電物質が分
散することによる連続性に欠けるため、電荷のモビリテ
ィーμが低くなるという欠点がある。モビリティーが低
いと折角光導電層62内に生成された電荷を効率よく捕
集できなくなって、結果的に画質を改善できなくなるか
らである。このモビリティーは光導電物質の充填率に大
きく依存する。
【0020】そこで、この発明はこのような従来の課題
を解決したものであって、光導電層を蒸着によるのでは
なく、塗布などの分散工程を採用することによって、所
定厚みの光導電層を短時間で形成できるようにすると共
に、光導電層の充填率を適切な値とすることによって、
最適な光電変換効率を高めると共に、コストダウンを図
った放射線撮像パネルを提案するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、請求項1に記載したこの発明に係る放射線撮像パネ
ルは、人体等の被写体を透過したX線が投影されるX線
撮像パネルであって、この撮像パネルは基板上に形成さ
れたX線吸収率が高く、光導電性を有する光導電層と、
この光導電層と上記基板との間であって、2次元的に配
列された蓄積用コンデンサとスイッチング素子とで構成
され、この蓄積用コンデンサ、スイッチング素子および
これらの上面に位置する上記光導電層とによって、X線
像を電気信号に変換する変換セルが構成され、上記光導
電層は上記基板上に塗布しながら所定の厚みとなされた
塗布層であって、上記光導電層を構成する光導電物質の
充填率を30〜90%、好ましくは50〜85%に選定
したことを特徴とする。
【0022】この発明では、光導電層としてX線吸収率
の高い光導電性を有する化合物を使用する。この化合物
はバインダーによって混成された状態で、ガラス基板上
に塗布される。
【0023】このようにX線吸収率が高く、光導電性を
有する化合物を使用することによって、電荷生成部に入
射したX線を効率よく電荷に変換できるので、X線画像
信号のSN比が向上する。また、光導電層を蒸着ではな
く塗布工程で形成したので、所定の厚みとなるまでの形
成時間を蒸着工程によって生成する場合よりも短縮でき
る。これによってX線撮像パネルの製造コストを低減で
きる。
【0024】また、光導電物質の充填率を所定の範囲内
にすることによって、亀裂の発生や異常成長を起こすこ
となく所定の厚みまで製膜できるから、厚みを厚くして
も生産性の向上を図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係る放射線撮
像パネルの一実施形態をX線撮像パネルに適用した場合
について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】この発明においても、人体などの被写体を
透過した放射線の一種であるX線はこの発明に係るX線
撮像パネル(FPD;Flat Panel Detector)に投影さ
れ、この撮像パネル内ではX線像が直接電気信号(X線
画像信号)に変換されて出力される。
【0027】X線撮像パネル12自身の基本的な構成も
従来と同様であって、その基本単位である変換セル20
は、電荷生成部22の他に、生成電荷を蓄積するコンデ
ンサ24および蓄積電荷を取り出すTFT構成のスイッ
チングトランジスタ26を有する。そしてその断面構成
は図1の通りである。
【0028】この断面構成もその基本構成は従来と同様
であって、基板例えばガラス基板40の上にマトリック
ス状に複数の変換セル20が形成される。そのため、ガ
ラス基板40上には電極42、46および絶縁層{(S
iO2)などの誘電体層}44がそれぞれ被着形成され
てコンデンサ24が構成される。
【0029】またコンデンサ24に隣接してTFTトラ
ンジスタ26が設けられるのも従来と同じである。この
TFTトランジスタ26は図示するようにゲート電極5
0、ドレイン電極54およびソース電極56がそれぞれ
被着形成されて構成されるものであり、ソース電極56
はコンデンサ用電極56と連結される。
【0030】コンデンサ24およびスイッチング用トラ
ンジスタ26の上面には所定の厚みLを有する電荷生成
部22が設けられる。この電荷生成部22を構成する光
導電層62としてこの発明では、X線吸収率が高く、光
導電性を有する無機化合物が用いられる。
【0031】つまり、従来ではこの光導電層62として
アモルファスセレンなどが使用されているが、この発明
ではこのようなX線吸収材料ではなく、特にX線吸収率
や光導電性を考慮した化合物が使用される。このような
化合物を使用するのは、X線の電荷変換効率を改善する
ことと、光導電層の製造を容易にするためである。上述
した無機化合物としては、酸化ビスマス系複合酸化物
(その組成式は、BixMOy)を使用することができ
る。
【0032】組成式が(BixMOy)で表現される酸
化ビスマス系複合酸化物にあって、MはGe、Si,T
i,GaおよびAIの中の少なくとも1種であり、xは
10≦x≦14の条件を満たす数であり、yは上記Mお
よびxにより化学量論的に酸素原子数である。
【0033】この酸化ビスマス系複合酸化物としては、
薄板状γ型結晶体構造のものが使用されるものであり、
また分散、塗布する酸化ビスマス系複合酸化物として
は、ビスマスBiおよびMの金属アルコキシドを加水分
解して得られたゾル若しくはゲルを焼結処理したものが
使用される。
【0034】上記組成式のMとしては、GeおよびSi
が好適であって、そのうちの何れか一方が含まれること
はもちろんのこと、その双方が含まれる複合酸化物であ
ってもよい。例えば組成式のMとしてGeを選んだとき
には、上記×が12、yが20である酸化ビスマス系複
合酸化物(Bi12GeO20)が好適である。
【0035】組成式のMとしてSiを選んだときには、
上記×が12、yが20である酸化ビスマス系複合酸化
物(Bi12Si20)が好適である。
【0036】光導電層62としてはこれらの無機化合物
を図2に示すバインダー64中に混成したものが使用さ
れ、粒状をなすこの無機化合物66を混成したバインダ
ー64が基板40上に所定の厚みL(図1)となるまで
塗布される。つまり、分散型の光導電層62として形成
するのがこの発明の大きな特徴となる。光導電層62の
上面にはさらに従来と同じく共通電極60が被着形成さ
れてX線撮像パネル12が構成される。
【0037】電荷生成層62の厚みLは700〜300
0μm程度である。700μm以下では充分なX線光吸
収効果が得られず、3000μm以上の厚みになると、
ひび割れなどを起こし易くなるなどの理由で、上述のよ
うな範囲内で使用した方が好適である。
【0038】また電荷生成量と無機化合物の充填率との
関係を次に説明する。充填率を測定するために以下のよ
うな手法を採用して無機化合物の体積充填率を求めた。
【0039】まず、チョクラルスキー法によって製造し
た無機化合物例えばBi12GeO20のγ型単結晶を粉砕
して分散することによって、粒子径が10〜80μmの
単結晶粒子を用意する。
【0040】一方、テトラヒドロフランにポリエステル
樹脂(例えば、東洋紡製バイロン200)を溶解し、ポ
リエステル樹脂が15重量%となるように濃度の調節を
行う。
【0041】次に、このポリエステル樹脂溶液中に上述
したγ型単結晶粒子を添加したのち充分撹拌混合して分
散液を得る。この分散液をワイヤーバーを用いて、TF
Tトランジスタ26や蓄積コンデンサ24が形成された
基板40上に所定の厚みとなるまで塗布する。分散液を
塗布して分散液塗膜を製膜したのち、この塗膜を含む基
板を大気の中で60℃の温度で4時間加熱乾燥する。
【0042】さらに、大気中で、120℃の温度下で2
0時間加熱乾燥したのち、塗膜表面全体に電極60を被
着形成することによってX線撮像パネルを得る。
【0043】さて、上述した分散液をPETフィルム
(厚さ80μm、100cm2の大きさのフィルム)上
に塗布した試料を形成し、これを加熱乾燥させて塗布膜
の厚さと重量を測定する。
【0044】その後、この試料を600℃で焼成するこ
とによってポリエステル樹脂とPETフィルムを蒸発さ
せる。これによって残余の試料はγ型単結晶粒子のみと
なる。そしてこのγ型単結晶粒子の重量を求める。
【0045】これらの測定結果と、γ型単結晶粒子とポ
リエステル樹脂との重量混合比、さらにはγ型単結晶粒
子、ポリエステル樹脂、PETフィルムの各重量からγ
型単結晶粒子の体積充填率が算出される。
【0046】そして、上述したような製法によって作製
された撮像パネルに対して5000ボルトの電圧をかけ
ながら、120kVPのX線をこの撮像パネルに照射し
て、撮像パネルの両電極42,60の電位差が100ボ
ルト低下するのに必要なX線量(mR)を、γ型単結晶
粒子の体積充填率を変えながら測定すると図3に示すよ
うな結果が得られた。両電極42,60間の電位差を測
定するのは、発生電荷量に比例して電圧が降下するから
である。
【0047】図3からも明らかなように、光導電物質と
して無機化合物を用いた電荷生成層62の厚みが増える
にしたがって電位を100ボルト降下させるに必要なX
線量が少なくて済むことが判る。特に、厚みが1000
μm以上になると必要なX線量が大幅に減少する。その
減少率は無機化合物の体積充填率に大きく依存し、バイ
ンダ中の充填率が30%以上、就中30〜90%程度と
することによって少ないX線量でも十分な電荷が生成さ
れることになるから、少ないX線量で両電極42,60
間の電位を100ボルトまで降下させることができる。
特に無機化合物の体積充填率が50〜85%で空隙率が
15%以下が好ましい値となる。この範囲では電位を1
00ボルト降下させるに必要なX線量の減少率が顕著に
なるからである。
【0048】このように空隙率を低くした場合には、発
生電荷の捕集効果が高まり、電気ノイズの影響が小さく
なるから、画像の粒状性が改善される。
【0049】続いて、図1に示すこの発明に係るX線撮
像パネル12の製造方法の一実施形態を図4に示す。同
図Aのように所定の大きさと厚みを有するガラス基板4
0が用意され、その上面に蓄積用コンデンサ24とスイ
ッチング素子として機能する薄膜電界効果トランジスタ
(TFT)26が所定のピッチをもって従来と同様な手
法で形成される。これらコンデンサ24およびTFTト
ランジスタ26を形成することによって、ゲート線14
(=50)および信号線16が同時にガラス基板40上
に形成されたことになる。
【0050】続いて、同図Bのようにコンデンサ24お
よびトランジスタ26の上面を覆うように光導電層62
が所定の厚みLとなるように塗布される。光導電層62
は上述したようにバインダー64に、X線吸収率が高
く、光導電性のよい無機化合物が所定量混成されたもの
である。
【0051】光導電層62が所定の厚みLとなるまで塗
布されると、同図Cに示すようにその上面に共通電極6
0が従来手法によって被着形成されて、X線撮像パネル
12が完成する。
【0052】このようにX線吸収率が高く、光導電性を
有する化合物を使用することによって、電荷生成部22
に入射したX線を効率よく電荷に変換できるので、X線
画像信号のSN比が向上する。特に、光導電物質である
無機化合物の体積充填率を適切な値に選定することによ
って電荷生成効率を大幅に改善できる。また、電荷生成
層62を蒸着ではなく塗布工程で形成したので、所定の
厚みとなるまでの形成時間を蒸着工程によって生成する
場合よりも短縮できる。これによってX線撮像パネルの
製造コストを安くできる。
【0053】上述した放射線としてはX線の他に、γ
線、α線などの放射線が考えられる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明では光導電
性の良好な光導電層を利用するに当たり、この光導電層
を塗布による分散法によってパネル基板上に形成すると
共に、光導電層の充填率を適切な値に選定したものであ
る。
【0055】これによれば、X線吸収率が高く、光導電
性が良好な光導電層であるために、照射されたX線エネ
ルギーによって効率よく対応する量の電荷を生成できる
ようになるから、S/NのよいX線画像信号を得ること
ができる。
【0056】またこの発明では塗布によって所定厚みの
光導電層を形成したので、所定厚みの光導電層の製造が
容易になり、その時間も短縮できるから、それに伴って
X線撮像パネルの製造コストを低減できる特徴を有す
る。したがってこの発明はX線撮像装置などに適用して
極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る放射線撮像パネルをX線撮像パ
ネルに適用したときの一実施形態を示す一部の断面構成
図である。
【図2】光導電層の組成内容を示す図である。
【図3】X線量と光導電物質の充填率との関係を示す図
である。
【図4】この発明に係るX線撮像パネルの製造方法の一
実施形態を示す製造工程図である。
【図5】X線撮像装置の一部の構成を示す図である。
【図6】X線撮像パネルの一部断面図である。
【符号の説明】
12 X線撮像パネル 14 ゲート線 16 信号線 20 変換セル 22 電荷生成部 24 蓄積用コンデンサ 26 スイッチング素子(TFT) 28 電源部 40 ガラス基板 62 光導電層 64 バインダー 66 無機化合物

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体等の被写体を透過した放射線が投影
    される放射線撮像パネルであって、 この撮像パネルは基板上に形成された放射線吸収率が高
    く、光導電性を有する光導電層と、 この光導電層と上記基板との間であって、2次元的に配
    列された蓄積用コンデンサとスイッチング素子とで構成
    され、 この蓄積用コンデンサ、スイッチング素子およびこれら
    の上面に位置する上記光導電層とによって、放射線像を
    電気信号に変換する変換セルが構成され、 上記光導電層は上記基板上に塗布しながら所定の厚みと
    なされた塗布層であって、上記光導電層を構成する光導
    電物質の充填率を30〜90%、好ましくは50〜85
    %に選定したことを特徴とする放射線撮像パネル。
  2. 【請求項2】 上記放射線はX線であることを特徴とす
    る請求項1記載の放射線撮像パネル。
  3. 【請求項3】 上記光導電層を構成する物質は放射線吸
    収率が高く、光導電性が良好な無機化合物であって、組
    成式 BixMOy (ただし、MはGe、Si,Ti,GaおよびAlの中
    の少なくとも1種であり、xは10≦x≦14の条件を
    満たす数であり、yは上記Mおよびxにより化学量論的
    に酸素原子数を表す。)で表される酸化ビスマス系複合
    酸化物が使用されることを特徴とする請求項1記載の放
    射線撮像パネル。
  4. 【請求項4】 上記酸化ビスマス系複合酸化物が薄板状
    γ型結晶体であることを特徴とする請求項3記載の放射
    線撮像パネル。
  5. 【請求項5】 上記組成式のMがGeおよびSiのうち
    の何れか一方若しくはその双方であることを特徴とする
    請求項3記載の放射線撮像パネル。
  6. 【請求項6】 上記組成式のMがGeであり、上記xが
    12、yが20であることを特徴とする請求項3記載の
    放射線撮像パネル。
  7. 【請求項7】 上記組成式のMがSiであり、上記xが
    12、yが20であることを特徴とする請求項3記載の
    放射線撮像パネル。
  8. 【請求項8】 上記酸化ビスマス系複合酸化物は、ビス
    マスおよびMの金属アルコキシドを加水分解して得られ
    たゾル若しくはゲルを焼結処理したものであることを特
    徴とする請求項3記載の放射線撮像パネル。
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