JP2007273576A - X線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、画素電極との界面または前記バイアス電極との界面でのヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜の結晶構造の乱れを防止したX線検出器を提供する。
【解決手段】電荷蓄積容量とスイッチ素子と画素電極とを有する画素が複数配列されたアクティブマトリックス基板と、前記アクティブマトリックス基板上に形成されたヨウ化鉛からなるX線光導電膜と、前記光導電膜上に形成されたバイアス電極とを具備し、結晶構造制御層は、前記X線光導電膜と前記画素電極との間、または前記X線光導電膜と前記バイアス電極と間に形成されていることを特徴とするX線検出器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線検出器に関し、特にヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜(X線光電変換膜)の結晶性を改良した直接変換方式のX線検出器に係わる。
X線検出器は、X線を電気信号に変換するデバイスで、X線撮影像またはリアルタイムのX線画像をデジタル信号化として出力するものである。このX線検出器には、レントゲンフィルムの代替となる静止画以外にリアルタイム動画への応用要求も高まっている。X線検出器には、直接変換方式と間接変換方式の二通りに大別される。直接変換方式は、a−Si等の光導電膜によりX線を直接電荷信号に変換し、電荷蓄積用キャパシタに導く方式である。一方、間接変換方式はシンチレータ層にてX線を可視光に変換し、可視光をa−SiフォトダイオードやCCDで電荷信号とした後に電荷蓄積用キャパシタに導く方式である。
直接変換方式は、X線照射により光導電膜で生じた電荷を高電界で電荷蓄積キャパシタに直接導く方式であるため、アクティブマトリックスの画素ピッチで規定される解像度が得られる。これに対し、間接変換方式ではシンチレータで生じた可視光がフォトダイオードに到達する間の光学的な拡散や散乱により解像度が低下する。このため、高解像度のX線検出器を実現するには直接変換方式の方が有利である。
従来の直接変換方式のX線検出器は、図6に示すようにガラス板101上に薄膜トランジスタのゲート電極102およびキャパシタの第1電極103が形成されている。ゲート絶縁膜および誘電体膜を兼ねる絶縁膜104は、前記電極102,103を含む前記ガラス板101の全面に形成されている。多結晶シリコンからなる活性層105は、前記絶縁膜104上に前記ゲート電極102と対向するように形成されている。キャパシタの第2電極106は、前記絶縁膜104上に前記第1電極103と対向するように形成されている。ドレイン電極107は、前記活性層105の一方の端部(例えば左端部)に重なるように前記絶縁膜104上に形成されている。ソース電極108は、前記活性層105の他方の端部(例えば右端部)および前記第2電極106の一端(例えば左端部)に重なるように前記絶縁膜104上に形成されている。平坦化樹脂層109は、前記活性層105、第2電極106、ドレイン電極107およびソース電極108を含む前記絶縁膜104全面に形成されている。例えばITOからなる画素電極110は、前記平坦化樹脂層109上にその平坦化樹脂層109に開口されたスルーホール111を通して前記ドレイン電極107に接続されるように形成されている。なお、前記ゲート電極102、ゲート絶縁膜を兼ねる絶縁膜104、活性層105、ドレイン電極107およびソース電極108により薄膜トランジスタTrを構成している。また、第1電極103、誘電体膜を兼ねる絶縁膜104および第2電極106により電荷蓄積用キャパシタCを構成している。このようなガラス板101、このガラス板101に形成された薄膜トランジスタTr、電荷蓄積用キャパシタCおよび画素電極110によりTFTアレイ基板を構成している。
ヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜112、前記画素電極110を含む平坦化樹脂層109上に形成されている。バイアス電極113は、このX線光導電膜112上に形成されている。
しかしながら、X線光導電膜として金属ハロゲン化物であるヨウ化鉛(PbI2)を用いた従来のX線検出器では、ヨウ化鉛膜を形成する初期においてその構成元素である化学反応性の高いヨウ素により下地の画素電極表面が腐食されるため、その上に形成されるヨウ化鉛膜(X線光導電膜)の結晶構造が乱れる。その結果、X線検出時において暗電流の増加およびX線感度の低下を招く。なお、ヨウ化鉛膜を予めバイアス電極表面に形成し、このバイアス電極付きX線光導電膜をアレイ基板の画素電極側に導電性接着剤で接合する場合には、ヨウ化鉛膜を形成する初期においてその構成元素である化学反応性の高いヨウ素により下地のバイアス電極表面が腐食されるため、その上に形成されるヨウ化鉛膜(X線光導電膜)の結晶構造が同様に乱れる。
本発明は、画素電極との界面または前記バイアス電極との界面でのヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜の結晶構造の乱れを防止したX線検出器を提供しようとするものである。
本発明によると、電荷蓄積容量とスイッチ素子と画素電極とを有する画素が複数配列されたアクティブマトリックス基板と、前記アクティブマトリックス基板上に形成されたヨウ化鉛からなるX線光導電膜と、前記X線光導電膜上に形成されたバイアス電極とを具備し、結晶構造制御層は、前記X線光導電膜と前記画素電極との間、または前記X線光導電膜と前記バイアス電極と間に形成されていることを特徴とするX線検出器が提供される。
本発明によれば、画素電極との界面または前記バイアス電極との界面でのヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜の結晶性を改善し、暗電流特性およびX線光導電特性を向上させることによって、高感度でかつ高解像度のX線検出器を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るX線検出器を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線検出器を示す要部断面図である。
ガラス板1上には、薄膜トランジスタのゲート電極2およびキャパシタの第1電極3が形成されている。ゲート絶縁膜および誘電体膜を兼ねる絶縁膜4は、前記電極2,3を含む前記ガラス板1全面に形成されている。例えば不純物ドープ多結晶シリコンからなる活性層5は、前記絶縁膜4上に前記ゲート電極2と対向するように形成されている。不純物ドープ多結晶シリコンからなる第2電極6は、前記絶縁膜4上に前記第1電極3と対向するように形成されている。ドレイン電極7は、前記活性層5の一方の端部(例えば左端部)に重なるように前記絶縁膜4上に形成されている。ソース電極8は、前記活性層5の他方の端部(例えば右端部)および前記第2電極6の一端(例えば左端部)に重なるように前記絶縁膜4上に形成されている。平坦化樹脂層9は、前記活性層5、第2電極6、ドレイン電極7およびソース電極8を含む前記絶縁膜4全面に形成されている。例えばITOからなる画素電極10は、前記平坦化樹脂層9上にその平坦化樹脂層9に開口されたスルーホール11を通して前記ドレイン電極7に接続されるように形成されている。
このようなゲート電極2、ゲート絶縁膜を兼ねる絶縁膜4、活性層5、ドレイン電極7およびソース電極8により薄膜トランジスタTrを構成している。また、第1電極3、誘電体膜を兼ねる絶縁膜4および第2電極6により電荷蓄積用キャパシタCを構成している。さらに、前記ガラス板1およびこのガラス板1上の薄膜トランジスタTr、電荷蓄積用キャパシタCおよび画素電極10等によりアクティブマトリックスTFTアレイ基板21を構成している。
ヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜12、前記画素電極10を含む平坦化樹脂層9上に形成されている。結晶構造制御層13は、前記画素電極10を含む平坦化樹脂層9と前記X線光導電膜12との間に形成されている。バイアス電極14は、前記X線光導電膜12上に形成されている。
前記平坦化樹脂としては、例えばアクリル系樹脂を用いることができる。
前記画素電極としては、例えばインジウム錫酸化物(ITO)または酸化インジウムから作ることができる。
前記X線光導電膜層の形成は、例えばヨウ化鉛(PbI2)を真空蒸着する方法、またはヨウ化鉛の粉体を適当なバインダーと混ぜて塗布する方法等を採用することができる。
前記結晶構造制御層は、酸化物、窒化物、炭化物、またはこれらの混合物から作ることができる。酸化物としては、例えばSiO2、ZnO等を挙げることができる。窒化物としては、例えばTaN,TiN等を挙げることができる。炭化物しては、例えばSiC等を挙げることができる。これらの中で、特にZnOはヨウ素に対する化学的安定性に優れ、かつヨウ化鉛(PbI2)の成膜時にX線光導電膜特性の向上に寄与するc軸配向性を向上できるため、有益である。
前記結晶構造制御層は、2〜300nmの厚さを有することが好ましい。特に、前記結晶構造制御層がZnOのような絶縁物から作られる場合には、X線光導電膜で生成した電荷を画素電極およびバイアス電極に輸送する必要があるため、2〜50nmのより薄い厚さを有することが好ましい。また、前記結晶構造制御層がSiCのような導電物から作られる場合には、隣接する画素間での電荷リークを抑制するため2〜10nmの一層薄い厚さを有することが好ましい。ただし、フォトリソグラフィなどにより前記結晶構造制御層を各画素に対応して分離形成する場合には前記厚さの範囲(2〜300nm)で任意に選択することができる。
前記バイアス電極は、例えばAlから作られる。
次に、前述したX線検出器の製造方法の一例を説明する。
まず、ガラス板上に導電膜(例えばAl膜)を成膜した後、パターニングしてゲート電極およびキャパシタの第1電極をそれぞれ形成する。つづいて、全面にSiO2のような絶縁膜を例えばCVD法により堆積する。ひきつづき、絶縁膜上に不純物ドープ多結晶シリコン膜を例えばCVDにより形成し、パターニングすることにより活性層およびキャパシタの第2電極をそれぞれ形成する。全面にAl膜を真空蒸着した後、パターニングすることにより前記活性層に接続するドレイン電極と前記活性層および第2電極と接続されるソース電極をそれぞれ形成する。
次いで、アクリル系の樹脂を前面に塗布し、乾燥して平坦化樹脂層を形成する。この平坦化樹脂層のソース電極に対応する部分にスルーホールを開口する。つづいて、このスルーホールを含む前記平坦化樹脂層上に例えばスパッタリングによりITO膜を成膜した後、パターニングすることにより前記ソース電極にスルーホールを通して接続される画素電極を形成する。
次いで、前記画素電極を含む平坦化樹脂層上に例えばスパッタリングによりZnOのような結晶構造制御層を形成する。なお、画素電極を酸素、窒素または炭素を含むガスを用いたプラズマ処理や紫外線処理、つまり酸化処理、窒化処理または炭化処理により画素電極表面に結晶構造制御層を形成してもよい。つづいて、この結晶制御層上に例えばCVD法によりヨウ化鉛(PbI2)を成膜してX線光導電膜を形成する。ひきつづき、このX線光導電膜に例えば真空蒸着によりAlを成膜してバイアス電極を形成する。この後、信号取り出し用および信号処理用の回路を実装することにより、前述した図1に示す直接変換方式のX線検出器を製造する。
なお、バイアス電極14の形成後、このバイアス電極、X線光導電膜12、結晶構造制御層13および画素電極10等が湿気などにより変質、劣化を生じるのを防止するため、X線平面検出器全体を真空あるいは窒素などの不活性ガスでパッケージすることが好ましい。
次に、前述したX線検出器の作用を図2に示す原理図を参照して説明する。
X線検出器は、図2に示すように電荷蓄積用キャパシタCおよび薄膜トランジスタ(TFT)Trがそれぞれ複数形成され、かつ各キャパシタCおよび各薄膜トランジスタTrにそれぞれ接続された画素電極10を有するアクティブマトリックスTFTアレイ基板21と、この基板21上に順次形成された結晶構造制御層13、X線光導電膜12およびバイアス電極14とを備えている。なお、各薄膜トランジスタTrにおいて、ゲートは走査制御ラインへ、ドレインはデータバスラインへ接続されている。
X線発生器から放射されたX線は、人体等の被検体を透過した後、バイアス電極14からX線光導電膜12に入射される。このX線光導電膜12では、入射されたX線の量に応じた電荷(電子−正孔対)が励起される。発生した電荷(電子あるいは正孔)は、X線光導電膜12にバイアス電極14から印加される極性に従ってアクティブマトリックスTFTアレイ基板21の画素電極10に移動し、電荷蓄積用キャパシタCに蓄積される。蓄積された電荷情報は各薄膜トランジスタTrのゲート線を順次に走査することによりドレインのデータラインから読み出される。データバスラインの端部には増幅回路およびA/Dコンバータが接続されており、読み出された電荷情報はデジタル画像信号に変換され、出力される。
以上説明した第1実施形態によれば、ヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜12と画素電極10との間に結晶構造制御層13を介在させることによって、画素電極10との界面でのX線光導電膜12の結晶性を改善できる。
すなわち、X線光導電膜となるヨウ化鉛(PbI2)膜の結晶性を制御するにはその下地となる画素電極表面の状態を制御することが重要となる。このヨウ化鉛(PbI2)膜の結晶性や配向を制御するには、成膜される下地との界面を安定させるとともに、所望の結晶構造が優先的に得られるような結晶構造を下地に与えることが有効である。
X線光導電膜にヨウ化鉛(PbI2)を用いたX線検出器では、その成膜初期において化学反応性の高いヨウ素により下地の画素電極表面が腐食される。このため、この画素電極上に形成されるヨウ化鉛の結晶構造は乱れる。
第1実施形態のように画素電極10上に例えばZnO等からなるヨウ素に対して化学的に安定な結晶構造制御層13を形成することによって、前記ヨウ化鉛膜(X線光導電膜)12を画素電極10との界面においてc軸配向性に優れた結晶状態で成膜できる、つまり結晶性を改善できる。その結果、X線光導電膜12の暗電流特性およびX線光導電特性を向上できるため、高感度でかつ高解像度のX線検出器を提供することができる。
特に、結晶構造制御層13をZnOを用いて形成することによって、ヨウ化鉛膜(X線光導電膜)12を画素電極10界面においてより一層c軸配向性に優れた結晶状態で成膜できる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係るX線検出器を示す要部断面図である。なお、図3において前述した図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るX線検出器は、前記画素電極10を含む平坦化樹脂層9上にヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜12を導電性接着剤層15を介して形成し、かつX線光導電膜12とバイアス電極14の間に結晶構造制御層13を形成した構造を有する。
前記結晶構造制御層は、前記第1実施形態で説明したのと同様な材料から作られ、かつ厚さを有する。結晶構造制御層は、特にヨウ素に対する化学的安定性に優れ、かつヨウ化鉛(PbI2)の成膜時にX線光導電膜特性の向上に寄与するc軸配向性を向上できるZnOから作ることが有益である。
このような第2実施形態に係るX線検出器の製造において、バイアス電極上に結晶構造制御層を形成する際、アクティブマトリックス基板とは別の基板上にバイアス電極、結晶構造制御層、X線光導電膜を順次形成した後、この積層体のX線光導電膜をアクティブマトリックス基板の画素電極上に導電性接着剤層を介して接着する方法により製造される。
以上説明した第2実施形態によれば、ヨウ化鉛(PbI2)からなるX線光導電膜12とバイアス電極14との間に結晶構造制御層13を介在させることによって、バイアス電極14との界面でのX線光導電膜12の結晶性を改善できる。
すなわち、X線光導電膜となるヨウ化鉛(PbI2)膜の結晶性を制御するにはその下地となるバイアス電極表面の状態を制御することが重要となる。このヨウ化鉛(PbI2)膜の結晶性や配向を制御するには、成膜される下地との界面を安定させるとともに、所望の結晶構造が優先的に得られるような結晶構造を下地に与えることが有効である。
X線光導電膜にヨウ化鉛(PbI2)を用いたX線検出器では、その成膜初期において化学反応性の高いヨウ素により下地のバイアス電極表面が腐食される。このため、このバイアス電極上に形成されるヨウ化鉛の結晶構造は乱れる。
第2実施形態のようにアクティブマトリックス基板21とは別の基板上にバイアス電極、X線光導電膜を順次形成する際、バイアス電極14上に例えばZnO等からなるヨウ素に対して化学的に安定な結晶構造制御層13を形成することによって、前記ヨウ化鉛膜(X線光導電膜)12をバイアス電極14との界面においてc軸配向性に優れた結晶状態で成膜できる、つまり結晶性を改善できる。その結果、X線光導電膜12の暗電流特性およびX線光導電特性を向上できるため、高感度でかつ高解像度のX線検出器を提供することができる。
特に、結晶構造制御層13をZnOを用いて形成することによって、ヨウ化鉛膜(X線光導電膜)12をバイアス電極14界面においてより一層c軸配向性に優れた結晶状態で成膜できる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
ガラス板上にTFTおよび電荷蓄積用キャパシタを画素ピッチ150μm×150μm、画素サイズ120μm×120μmで形成した後、アクリル系樹脂で平坦化樹脂層を形成し、画素毎にスルーホールを形成した。この平坦化樹脂層上にスパッタリング法でITO膜を成膜し、フォトリソグラフィにより各画素に対応するように分離された画素電極を形成した。このように作製したアクティブマトリックスTFTアレイ基板の画素電極を含む平坦化樹脂層上にスパッタリング法によりZnOからなる厚さ5nmの結晶構造制御層を形成した。つづいて、真空蒸着によりX線光導電膜となる厚さ200μmのPbI2膜を形成し後、真空蒸着によりバイアス電極となるAl膜を形成することにより前述した図1に示す構造のX線検出器を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様なアクティブマトリックスTFTアレイ基板の画素電極を含む平坦化樹脂層上に真空蒸着によりX線光導電膜となる厚さ200μmのPbI2膜を形成し後、真空蒸着によりバイアス電極となるAl膜を形成することにより前述した図6に示す構造のX線検出器を製造した。
実施例1および比較例1のX線検出器について、X線光導電膜であるPbI2膜の結晶配向性をX線回折法(θ−2θ法)により測定した。実施例1の測定結果を図4、比較例1の測定結果を図5に示す。
図4、図5から明らかなようにITO画素電極上にZnOからなる結晶構造制御層を形成し、この上にPbI2膜(X線光導電膜)を成膜した実施例1のX線検出器では、PbI2膜の(003)面および(004)面のような高次面のピーク強度が(001)面より大きくなるのに対し、ITO画素電極上にPbI2膜(X線光導電膜)を直接成膜した比較例1のX線検出器ではPbI2膜の(001)面のピーク強度が(003)面、(004)面のような高次面より高くなることがわかる。したがって、PbI2膜の高次面ピークが高くなる実施例1では、比較例1に比べ<001>配向、すなわちc軸配向性が強いことを示し、PbI2膜のX線光導電特性の向上が可能となる。
また、実施例1および比較例1のX線検出器について暗電流特性とX線感度特性を比較した結果を下記表1に示す。この特性評価において、バイアス印加電界を−0.6V/μm(画素電極側を接地)、照射X線量を2430nC/kgの条件で行った。
Figure 2007273576
前記表1から明らかなように実施例1のX線検出器は、比較例1のX線検出器に比べて低暗電流であり、かつ高いX線感度の特性を示すことがわかる。
本実施の形態では、X線型の検出器には、一例として平面型の検出器を用いて説明を行った。しかしながら、これに限らず、所謂ラインセンサー型の検出器を用い、本実施の形態において前述のように適用することも可能である。その場合において、X線光導電膜の結晶性を改善し、暗電流特性、X線光導電特性を向上させること等によって、高感度でかつ高解像度のX線検出器を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るX線検出器の要部断面図。 第1実施形態に係るX線検出器の原理図。 本発明の第2実施形態に係るX線検出器の要部断面図。 実施例1のX線光導電膜の結晶配向性を示す図。 比較例1のX線光導電膜の結晶配向性を示す図。 従来のX線検出器の要部断面図。
符号の説明
1…ガラス板、9…平坦化樹脂層、10…画素電極、12…X線光導電膜、13…結晶構造制御層、14…バイアス電極、21…アクティブマトリックスTFTアレイ基板、Tr…薄膜トランジスタ、C…電荷蓄積用キャパシタ。

Claims (3)

  1. 電荷蓄積容量とスイッチ素子と画素電極とを有する画素が複数配列されたアクティブマトリックス基板と、
    前記アクティブマトリックス基板上に形成されたヨウ化鉛からなるX線光導電膜と、
    前記X線光導電膜上に形成されたバイアス電極とを具備し、
    結晶構造制御層は、前記X線光導電膜と前記画素電極との間、または前記X線光導電膜と前記バイアス電極との間に形成されていることを特徴とするX線検出器。
  2. 前記結晶構造制御層は、酸化物、窒化物もしくは炭化物またはこれらの混合物から作られることを特徴とする請求項1記載のX線検出器。
  3. 前記結晶構造制御層は、厚さが2〜300nmであることを特徴とする請求項1記載のX線検出器。
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