JP2000249464A - 気液接触装置、空気液化分離装置、およびガス分離方法 - Google Patents

気液接触装置、空気液化分離装置、およびガス分離方法

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JP2000249464A
JP2000249464A JP11350856A JP35085699A JP2000249464A JP 2000249464 A JP2000249464 A JP 2000249464A JP 11350856 A JP11350856 A JP 11350856A JP 35085699 A JP35085699 A JP 35085699A JP 2000249464 A JP2000249464 A JP 2000249464A
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gas
liquid
promoting
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Shigeru Hayashida
茂 林田
Hitoshi Kihara
均 木原
Hiroshi Kawakami
浩 川上
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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    • F25J3/00Processes or apparatus for separating the constituents of gaseous or liquefied gaseous mixtures involving the use of liquefaction or solidification
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    • F25J3/04Processes or apparatus for separating the constituents of gaseous or liquefied gaseous mixtures involving the use of liquefaction or solidification by rectification, i.e. by continuous interchange of heat and material between a vapour stream and a liquid stream for air
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷量を高めることが可能な気液接触装置を
提供する。 【解決手段】 充填物表面に沿って液を流下させ、且つ
ガスを上昇させつつこれら液とガスを接触させる気液接
触装置4aにおいて、前記液およびガスの流れ方向を定
める各種形状の薄板または管を鉛直方向に沿う状態で積
層あるいは配列した非分配促進型規則充填物A1、A2
用いるとともに、液体を粗分配する粗分配部C1、C
2と、液体を精密、均等に分配する精密分配部B1、B2
とからなる液体分配器E1、E2を少なくとも1個備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気液接触を行って
ガス混合物を低温蒸留分離する気液接触装置に関し、詳
しくは空気中の窒素、酸素、アルゴンなどを液化分離す
る空気液化分離装置等に用いられる気液接触装置、これ
を用いた空気液化分離装置、および上記気液接触装置を
用いたガス分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気液化分離装置等において用いられる
蒸留塔としては、充填塔、棚段塔等がある。これらのう
ち充填塔は、棚段塔に比べて圧力損失を小さくすること
ができるため動力コストを小さくすることができる。ま
た圧力損失が小さいため運転圧力を低く設定して各成分
間の相対揮発度を高くし、かつ塔長を長くすることがで
き、高純度製品、特に高純度アルゴンの製造が可能とな
る利点を有する。充填塔は、通常、その内部に充填物、
液分配器等からなる気液接触部を備えている塔であり、
この種の構造物を本明細書では気液接触装置と総称す
る。
【0003】上記気液接触装置に用いられる充填物とし
ては、自己分配促進型規則充填物が多く用いられてい
る。自己分配促進型規則充填物としては、例えばアルミ
ニウムなどからなる金属板を適宜折曲げ加工し、少なく
とも一部を鉛直方向に対して傾斜させた状態で積層・配
列し、液体が充填物表面を斜めに(鉛直方向に対して角
度をもって)流れつつ分配されるように設計されたもの
を挙げることができる。また、充填物の金属板の表面に
凹凸や孔を設けることにより液体の分配の促進を図る場
合もある。自己分配促進型規則充填物の具体例として
は、図6および図7に示す自己分配促進型規則充填物7
1、81を挙げることができる。図6は特公昭57−3
6009号公報に開示されたものであり、図7は特開昭
54−16761号公報に開示されたものである。この
他、自己分配促進型規則充填物としては、特公平7−1
13514号公報に開示されたものを挙げることができ
る。
【0004】また自己分配促進型規則充填物の範疇に入
る充填物としては、特開昭50−11001に開示され
た充填物があり、これを図8〜図10に示す。ここに示
す充填物は、複数の薄板格子a,b,c,・・・から構成さ
れ、各格子a,b,c,・・・がほぼジグザグ状に曲がりかつ
格子面A,B,C,・・・へ傾斜している薄板条片13'〜1
7'からなり、これらの薄板条片13’〜17'が曲がり
個所18'で一体につながっておりかつそこで格子の平
面状交差個所を形成した充填物である。この充填物を製
造するためには、金属薄板などからなる帯28'を複数
の個所29'でつながっている平行な条片30'となるよ
うに切断する。この際、互いに隣接する条片30'をつ
ないでいる切断線部分31'が同じ長さを持ちかつこの
長さの半分だけ隣接の切断線部分31'に対してずらさ
れるようにする。その後条片30'が引き離されるよう
にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記充
填塔タイプの気液接触装置は、同じ液負荷、ガス負荷の
棚段塔タイプのものに比べ、塔を高く設計する必要があ
り、装置製造コスト、建設コストが嵩む問題があった。
このため、充填物における液負荷量、ガス負荷量の上限
値を高め、フラッディングを発生させることなく負荷を
高めることができる気液接触装置が要望されていた。ま
た製品量の増減巾を大きく設定できる装置が望まれてい
た。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、負荷
量を高めることが可能な気液接触装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、窒素、酸
素、アルゴン等の空気成分の液化物と同程度の粘性をも
つ液体であるフロンを用いた試験の結果、一般的には、
上記空気成分液化物等の低粘性液体は充填物表面に広が
りやすく高効率の気液接触が期待されるものの、自己分
配促進型規則充填物を有する気液接触装置を用いた場合
には、上記液体が充填物の傾斜部分の下面側(裏面側)
を流れにくくなるため気液接触効率が低下することがあ
るという知見を得た。本発明は、上記知見に基づいてな
されたもので、充填物として、前記液およびガスの流れ
方向を鉛直方向に形成させる各種形状の薄板または管を
鉛直方向に沿う状態で積層あるいは配列した非分配促進
型規則充填物を用いるとともに、液体を粗分配する粗分
配部と、液体を精密、均等に分配する精密分配部とから
なる液分配器を少なくとも1個備えたことを特徴とする
気液接触装置である。また、本発明は、上記非分配促進
型規則充填物の比表面積を350m2/m3以上とするこ
とを特徴とする。また、本発明は、前記液体を精密、均
等に分配する精密分配部は、自己分配促進型規則充填物
からなるものとすることを特徴とする。また、本発明
は、前記液体を精密、均等に分配する精密分配部が、自
己分配促進型規則充填物と、平行平板群とを少なくとも
1つずつ塔軸方向に積層したものであることを特徴とす
る。また該平行平板群は金属製とすることができる。ま
た、本発明は、前記非分配促進型規則充填物が、金属薄
板群または金属管群からなるものであることを特徴とす
る。該金属薄板はアルミニウム、アルミニウム合金、
銅、銅合金、各種ステンレススチール等である。また1
0メッシュ以上の板状金網の場合を含む。さらに該板状
金網は帯状板を網状に編んだものを含む。また本発明
は、前記非分配促進型規則充填物が、各種プラスチック
製薄板群または管群からなるものであることを特徴とす
る。また、本発明は、前記非分配促進型規則充填物が、
流路断面形状が角形であることを特徴とする。該流路断
面形状が角形とは種々の形状の多角形を含むと同時に、
断面形状が三角折曲げ状の波形などの角形である場合を
含む。また、本発明は、前記非分配促進型規則充填物の
流路断面形状が三角形であることを特徴とする。また、
本発明は、前記非分配促進型規則充填物の流路断面形状
が正方形、長方形、台形、菱形等の四角形であることを
特徴とする。また、本発明は、前記非分配促進型規則充
填物の流路断面形状が六角形であることを特徴とする。
また、本発明は、前記非分配促進型規則充填物が曲面か
らなる波状の薄板から構成されていることを特徴とす
る。また、本発明は、前記非分配促進型規則充填物が、
三角形、四角形、および六角形のうち2つ以上の断面形
状を有する流路を形成するものであることを特徴とす
る。また、本発明は、前記非分配促進型規則充填物が、
スペーサを介して配列された複数の薄板から構成されて
いることを特徴とする。また、本発明は、前記薄板また
は前記スペーサに凹凸、溝、および孔のうち少なくとも
いずれか1つを設けたことを特徴とする。また、本発明
は、前記非分配促進型規則充填物の下に、蒸気の分配を
行う蒸気分配器を少なくとも1つ設けたことを特徴とす
る。また、本発明は、前記蒸気分配器が、自己分配促進
型規則充填物からなるものであることを特徴とする。ま
た、本発明の空気液化分離装置は、上記気液接触装置を
用いたことを特徴とする。また、本発明のガス分離方法
は、少なくとも2成分よりなるガス混合物の成分を、気
液接触装置を用いて他の成分から分離するガス分離方法
において、前記気液接触装置として、前記混合物の流れ
を鉛直方向に向ける各種形状の薄板または管からなる非
分配促進型規則充填物を前記混合物の流れが鉛直方向に
なるように配列し、この非分配促進型規則充填物の比表
面積が350m2/m3以上であるものを用い、0.08
〜0.4MPaの圧力条件下で、前記ガス混合物および
その液化物を非分配促進型規則充填物内に充填物表面に
沿って対向して流しつつこれら液とガスを接触させ、こ
の際、前記ガスおよび液の負荷を、密度補正空塔速度が
1.8m/s(kg/m31/2以上となるように設定す
ることを特徴とする。また、本発明のガス分離方法は、
少なくとも2成分よりなるガス混合物の成分を、気液接
触装置を用いて他の成分から分離するガス分離方法にお
いて、前記気液接触装置として、前記混合物の流れを鉛
直方向に向ける各種形状の薄板または管からなる非分配
促進型規則充填物を前記混合物の流れが鉛直方向になる
ように配列し、この非分配促進型規則充填物の比表面積
が350m2/m3以上であるものを用い、0.4〜2.
0MPaの圧力条件下で、前記ガス混合物およびその液
化物を非分配促進型規則充填物内に充填物表面に沿って
対向して流しつつこれら液とガスを接触させ、この際、
前記ガスおよび液の負荷を、密度補正空塔速度が1.0
m/s(kg/m31/2以上となるように設定すること
を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の気液
接触装置の一実施形態を用いた空気液化分離装置を示す
ものである。ここに示す空気液化分離装置は、高圧塔2
と、低圧塔3と、粗アルゴン塔4を備えて概略構成され
ている。高圧塔2は、気液接触装置2aで構成されてい
る。低圧塔3は、気液接触装置3aで構成され、該気液
接触装置3aは、塔底部側から塔頂部側にかけて各接触
区域6〜10に区分されている。粗アルゴン塔4は気液
接触装置4aで構成されている。また、低圧塔3内部の
塔底部付近には凝縮器12が設けられており、粗アルゴ
ン塔4の上部には粗アルゴン塔凝縮器13が設けられて
いる。
【0008】以下、粗アルゴン塔4を構成する本実施形
態の気液接触装置4aについて詳しく説明する。図2に
示すように、気液接触装置4aは、塔を形成する円筒容
器内に収納され、塔頂部側から塔底部側にかけて、粗分
配部C1の下方に精密分配部B1を設けた液分配器E
1と、非分配促進型規則充填物A1と、液体捕集器Dと、
粗分配部C2の下方に精密分配部B2を設けた液分配器E
2と、非分配促進型規則充填物A2とを有する。なお、以
下、液分配器E1と非分配促進型規則充填物A1を液分配
・気液接触部F1と呼び、液体捕集器Dと液分配器E2
非分配促進型規則充填物A2とを液捕集分配・気液接触
部F2と呼ぶ。
【0009】粗分配部C1、C2は、塔内における下降液
流の塔断面にわたる均一化を図るため下降液を粗分配す
るものである。粗分配部C1、C2としては、図3ないし
図5に示す液分散器を用いるのが好ましい。図3に示す
液分散器41は、チャンネルタイプと呼ばれるもので、
塔の径方向にわたって設けられた直方体状の一次分散用
分配箱42と、この分配箱42の下部に、分配箱42の
長さ方向にわたって間隔をおいて取り付けられた多数の
矩形型箱状(断面長方形)の二次分散箱43を備えてい
る。一次分散用分配箱42は上部開口の箱状物であり、
両端が塔内壁近傍に達するように形成され、塔内の下降
液を内部に一時貯留することができるようになってい
る。分配箱42の底部付近には、分配箱42内の液を二
次分散箱43に分配する分配孔(図示略)が設けられて
いる。二次分散箱43は、鉛直方向に沿って配置された
箱状物とされ、その両端が塔内壁近傍に達するように形
成されており、分配箱42からその底部に設けられた分
配孔を通して流出した液を、塔の全断面にわたって均一
に分散した状態で流下させることができるようになって
いる。
【0010】図4に示す液分散器51は、チムニー付き
タイプと呼ばれるもので、水平面に沿って設けられた液
受トレー部52と、このトレー部52の上面に取り付け
られた複数の円筒状のチムニー部53と、液受トレー部
52の下面側に取り付けられた多数のパイプ状の枝部5
4を備えたものである。トレー部52は、周縁部が塔内
壁に達するように形成されており、全面にわたり多数の
分配孔52aが設けられており、下降液が、液受トレー
部52上に一旦貯留された後、分配孔52a、枝部54
(上下端開放のパイプ)を経て塔の全断面にわたって均
一に分散した状態で流下するようになっている。チムニ
ー部53の上下端は開放されており、塔内を上昇するガ
スがチムニー部53内を経て液分散器51の上方に通過
することができるようになっている。
【0011】図5に示す液分散器61は、スプレータイ
プと呼ばれるもので、塔内の下降液が流入する主管部6
2と、この主管部62の長手方向に間隔をおいて取り付
けられた複数の枝管部63を有する。これら主管部62
および枝管部63は両端が塔内壁近傍に達するように形
成されている。主管部62には、塔内の下降液を主管部
62内に導く液受部(図示略)が接続されており、下降
液を主管部62内に導くことができるようになってい
る。枝管部63は、その内部空間が主管部62の内部空
間に連通するように形成され、主管部62内の液が枝管
部63内に流入するようになっている。枝管部63に
は、全長さ方向にわたって間隔をおいて多数の分配孔6
3aが設けられており、枝管部63内の液を、分配孔を
通して塔の全断面にわたって均一に分散した状態で流下
するようになっている。
【0012】気液接触装置4aの 精密分配部B1、B2
は、上記粗分配部C1、C2によって粗分配された下降液
流を、塔の全断面にわたってより精密かつ均等に分配す
るためものである。以下、精密分配部B1、B2の構造に
ついて説明する。精密分配部B1、B2としては、自己分
配促進型規則充填物を用いるのが好ましい。自己分配促
進型規則充填物は、下降液流と上昇ガス流とを、該規則
充填物の表面において気液接触させ、この際、液流とガ
ス流が該規則充填物の表面上を塔軸方向に沿う主流れ方
向に互いに対向して流れると同時に、該主流れ方向に対
し直角方向に液流とガス流のベクトルが生じ、これによ
り両者の混合が促進されつつ気液接触が行われる形状・
構造を有する充填物であり、アルミニウム、銅、アルミ
ニウムと銅の合金、ステンレススチール、各種プラスチ
ック等からなる薄板を各種規則形状に成形し、これを積
層構造のブロック状にしたもので、構造化充填物とも称
される。なお、本発明では上記薄板は10メッシュ以上
の板状金網である場合も含まれる。
【0013】次に、自己分配促進型規則充填物の具体例
を図6ないし図10に示す。図6に示す自己分配促進型
規則充填物71は、特公昭57−36009号公報に開
示されたもので、アルミニウム等からなる波型形状の複
数の薄板72を、塔軸線に平行に配置し、互いに接触す
るように積層してブロック状にしたもので、各薄板72
の波状溝73は、塔軸線に対して傾斜し、かつ隣接する
波型薄板72はそれらの波状溝73の形成方向が交差す
るように配置されている。また符号72aは薄板72に
設けられた孔を示す。
【0014】図7は、特開昭54−16761号公報に
示された自己分配促進型規則充填物81の構成単位とな
る薄板82を示すもので、この薄板82は、波状に成形
して波状溝83を形成するとともに、薄板82に、波状
溝83に対し所定の角度をなす方向に形成された微小な
波型溝(ひだ)84を更に設けた点に特徴がある。また
符号82aは薄板82に形成された孔を示す。
【0015】図8および図9は、自己分配促進型規則充
填物の他の例を示すもので、特開昭58−11001号
公報に記載されたものである。ここに示す自己分配促進
型規則充填物は、物質および熱交換のためにできるだけ
大きい液面が得られるように液体を分布させることを目
的として開発されたもので、複数の薄板格子a,b,c,・
・・から構成され、各格子a,b,c,・・・がほぼジグザグ状
に曲がりかつ格子面A,B,C,・・・へ傾斜している薄板条
片13'〜17'からなり、これらの薄板条片13’〜1
7'が曲がり個所18'で一体につながっておりかつそこ
で格子の平面状交差個所を形成する充填物であって、流
れ方向に延びている薄板条片13’〜17'が交差個所
18'で、薄板条片13’〜17'上を通って交差個所1
8'へ流下する液相23'が少なくとも一部交差個所1
8'を経て隣接の薄板条片13’〜17'へ導かれるよう
に形成されていることを特徴とする。交差個所18'に
おいて、薄板条片13’〜17'の外縁には、切欠き2
0'、21'が形成されている。切欠き20'、21'は、
薄板条片13’〜17'がジグザグ状に延びている方向
において、薄板条片13’〜17'の幅sより長くかつ
薄板条片13’〜17'に対して直角方向においてこの
幅sの半分より深く形成されている。また、薄板条片1
3’〜17'は、直接互いに積み重ねられている。
【0016】なお、薄板条片13’〜17'の交差個所
18'間には、穴および/または側方切欠きを形成する
ことができる。また、ジグザグ状に順次に続く各薄板条
片13’〜17'の薄片には、穴および/または側方切
欠を交互に形成することもできる。
【0017】図10に示すように、上記充填物は、薄板
状の金属帯28'に切れ目を入れることにより、複数の
個所29'においてつながっている複数の平行な条片3
0'を作製し、この切断部分31'に菱形穴32'を設け
た後、金属帯28'を条片30'に対し垂直な方向である
方向33'に引き延ばすことにより得られた菱形格子状
の薄板格子を複数積層し、ブロック状とする方法により
作製することができる。
【0018】この充填物は、わずかな材料費でも大きな
充填表面が得られるという利点を持っている。この利点
は、格子の薄片構造から、すなわち薄片が、材料費に比
して大きな表面を持つ薄板であることから得られる。
【0019】次に、非分配促進型規則充填物A1、A2
構造について説明する。非分配促進型規則充填物とは、
塔内を下降する液流と上昇するガス流がその表面に沿っ
て対向して流れ、かつ塔軸に垂直な断面方向の液流とガ
ス流の混合が促進されずに気液接触が行われる形状・構
造を有する充填物であり、前記液およびガスの流れ方向
を定める多数の薄板、管等を主流れ方向(塔軸方向)に
平行に配置したものを挙げることができる。上記薄板、
管の材質としては、アルミニウム、銅、アルミニウムと
銅の合金、ステンレススチール、各種プラスチック等を
用いることができる。なかでも特に、成形加工が容易な
金属を用いるのが好ましい。なお、主流れとは塔内で塔
軸方向に沿って下降する液流および上昇するガス流を示
すもので、充填材表面における液流とガス流の界面(す
なわち境界層)で生じる物質移動の流れに対する塔軸方
向の流れを指すものである。
【0020】非分配促進型規則充填物A1、A2の具体例
を図11〜図24に示す。図11ないし図13に示す非
分配促進型規則充填物91は、薄板92を複数積層した
薄板群をワイパーバンド95によって互いに固定したも
のである。薄板92は、上記金属、プラスチック等から
なる薄板を折曲加工し、互いに平行な複数の溝93を間
隔をおいて形成したものである。溝93は、深さ方向に
徐々に幅が狭くなるように形成されており、基部94に
対し傾斜した傾斜部93aと、基部94に対し平行な底
部93bからなるものである。薄板92は、基部94同
志、および溝93同志が対向するように積層されてい
る。このため、非分配促進型規則充填物91において
は、薄板92の間隙、すなわち対向する2つの溝93ま
たは2つの基部94によって区画された空間が、断面6
角形の形状を有するものとなる。この空間は、後述する
蒸留操作時において上昇ガスおよび下降液の流路96と
なる。非分配促進型規則充填物91は、薄板92が主流
れ方向である塔軸(鉛直)方向に平行となるように塔内
に設けられる。
【0021】図14に示す非分配促進型規則充填物10
1は、上記金属、プラスチック等からなる薄板を折曲加
工し三角波状に形成した複数の三角折曲板102を、金
属、プラスチック等からなる板状のスペーサ103を介
して積層した薄板群を、ワイパーバンド95によって互
いに固定したものである。ここに示す非分配促進型規則
充填物101では、三角折曲板102の最上部102a
が、隣接する三角折曲板102の最下部102bの近傍
に位置するように三角折曲板102の位置が定められて
いる。この非分配促進型規則充填物101では、三角波
状の三角折曲板102を板状のスペーサ103を介して
積層したものであるため、三角折曲板102とスペーサ
103の間隙は、これら三角折曲板102とスペーサ1
03によって区画された多数の断面三角形の流路106
となる。三角折曲板102は、流路106の断面形状が
正三角形になるように形成してもよいし、二等辺三角
形、不等辺三角形となるように形成してもよい。
【0022】図15に示す非分配促進型規則充填物11
1は、三角折曲板102の最上部102aと、隣接する
三角折曲板102の最下部102bが互いに離間するよ
うに三角折曲板102の位置が定められている点で上記
非分配促進型規則充填物101と異なる。この非分配促
進型規則充填物111においても、三角折曲板102と
スペーサ103の間隙は、これら三角折曲板102とス
ペーサ103によって区画された多数の断面三角形の流
路116となる。
【0023】図16に示す非分配促進型規則充填物12
1は、図14に示す非分配促進型規則充填物101にお
いて、スペーサ103を介在させずに三角折曲板102
を積層したものである。この非分配促進型規則充填物1
21では、充填物101と同様に、三角折曲板102の
最上部102aが、隣接する三角折曲板102の最下部
102bの近傍に位置するように三角折曲板102の位
置が定められているため、三角折曲板102間の間隙
は、上記断面三角形の流路106を二つ組み合わせた形
状である断面4角形の流路126となる。この場合、三
角折曲板102は、流路126の断面形状が正方形、長
方形、台形、菱形などの各種形状となるように形成する
ことができる。
【0024】図17に示す非分配促進型規則充填物12
1'は、三角折曲板102の最上部102aと、隣接す
る三角折曲板102の最下部102bとが互いに離間す
るように三角折曲板102の位置を定めたものである。
これら三角折曲板102間には、塔軸方向に間隔をおい
て複数のスペーサ(図示略)を介在させることができ
る。
【0025】図18に示す非分配促進型規則充填物13
1は、上記金属、プラスチック等からなる薄板を曲げ加
工し曲面からなる波状に形成した複数の波板132を積
層し、これらをワイパーバンド95によって互いに固定
したものである。波板132は、凹部分および凸部分が
断面弧状に湾曲した形状とされている。ここに示す非分
配促進型規則充填物131では、波板132の最上部1
32aが、隣接する波板132の最下部132bの近傍
に位置するように波板132の位置が定められている。
【0026】図19に示す非分配促進型規則充填物14
1は、上記非分配促進型規則充填物131において、波
板132の間にスペーサ103を配置したものである。
【0027】図20に示す非分配促進型規則充填物15
1は、波板152を、スペーサ103に対しほぼ垂直な
平板部152aと、曲板部152bを有する波状に形成
した点で非分配促進型規則充填物141と異なる。
【0028】図21に示す非分配促進型規則充填物16
1は、上記金属、プラスチック等からなる円筒状の管1
62を集合した管群をワイパーバンド95によって互い
に固定したものである。この非分配促進型規則充填物1
61では、管162内部が断面円形の流路166aとな
る。また、管162の外周面により区画される部分は流
路166bとなる。なお、管162の形状は上記のもの
に限らず、断面が楕円形や、三角形、四角形等の多角形
であるものを使用することもできる。
【0029】図22に示す非分配促進型規則充填物17
1は、図11〜図13に示す上記非分配促進型規則充填
物91と、図15に示す非分配促進型規則充填物111
を組み合わせてなるものであり、断面六角形の流路96
と、断面三角形の流路116の二種の流路を有するもの
となっている。
【0030】これら非分配促進型規則充填物91、10
1、111、121、121'、131、141、15
1、161、171を塔内に設置する際には、これらを
構成する板92、102、132、152の折り曲げ形
状が全て鉛直方向であり、スペーサ103、管162
が、全ての部分で主流れ方向である塔軸(鉛直)方向に
平行となるようにする。
【0031】図14、15、19、20、22に示す充
填物において、スペーサ103は、薄板の相対位置を定
めることができるものであれば、一つの充填物ブロック
縦断面の上端から下端にわたるものでなくてもよく、部
分的に薄板間に挿入されてスペーサとしての機能を果た
すものであればよい。スペーサ103の厚さは、0.2
〜0.5mmとすることができる。
【0032】また、これら非分配促進型規則充填物を構
成する薄板およびスペーサには、気液接触効率向上のた
め、凹凸、溝、および孔のうち少なくともいずれか1つ
を形成することもできる。具体例を図23および図24
に示す。図23(a)は、非分配促進型規則充填物91
に用いられるものと同様の薄板92に、孔92aを設け
た構成を示すものである。図23(b)は、薄板92に
凹凸92bを設けた構成を示すものである。図23
(c)は、薄板92に溝92cを設けた構成を示すもの
である。図24(a)は、非分配促進型規則充填物11
1に用いられるものと同様のスペーサ103に、孔10
3aを設けた構成を示すものである。図24(b)は、
スペーサ103に凹凸103bを設けた構成を示すもの
である。図24(c)は、スペーサ103に溝103c
を設けた構成を示すものである。また薄板およびスペー
サには、これら凹凸、溝、および孔のうち2つ以上を形
成することも可能である。
【0033】上記非分配促進型規則充填物の比表面積
は、350m2/m3以上、好ましくは500m2/m3
上とするのが望ましい。この比表面積が350m2/m3
未満であると、気液接触効率が低下し蒸留効率が低下
し、製品の純度が低下する。また、上記薄板、管の厚さ
は構造的強度を考慮して、0.1〜2.0mmとするの
が好ましい。
【0034】図2に戻り更に説明する。気液接触装置4
aの液体捕集器Dは、塔内の下降液を捕集するためのも
ので、下降液捕集用の複数の傾斜板181を備えてい
る。
【0035】高圧塔2を構成する気液接触装置2aと、
低圧塔3を構成する気液接触装置3aは、上記気液接触
装置4aと同様の構成とすることができる。また、気液
接触装置2a、3a、4aとしては、上記構成に限ら
ず、液分配器E1と規則充填物A1とからなる液分配・気
液接触部F1を用いることもできる。さらに、気液接触
装置2a、3a、4aは、液分配・気液接触部F1の下
方に、液体捕集器D、液分配器E2、および規則充填物
2からなる液捕集分配・気液接触部F2を複数設けたも
のとすることもできる。
【0036】また、気液接触装置3aの各区域6〜9と
しては、1または複数の上記液捕集分配・気液接触部F
2からなるものを用いることができる。最も塔頂部に近
い区域である区域10には、前記液体捕集器Dを設ける
必要はない。すなわち、塔頂部に最も近い区域10に
は、液分配器E1および規則充填物A1からなる液分配・
気液接触部F1を用いることができる。また、上記構成
に加えて、各塔の最下部には、上昇ガスの分配を考慮し
て、精密分配部B1を設けることもできる。
【0037】精密分配部B1、B2には、前記の如く自己
分配促進型規則充填物を用いることができる。例えば図
8〜10に示す形状の充填物を一層または複数層設ける
ことで精密液分配を行うことができる。この形式の充填
物の詳細な構造および特長、効果は、特開昭58−11
001号公報に記載されている。この充填物は上記の如
く液分配器、精密分配部に好適に用いられ得るが、通常
の気液接触装置に用いても勿論好適に使用し得る。
【0038】次に、図1および図2に示す空気液化分離
装置を用いて、窒素、酸素、およびアルゴンを含むガス
混合物である原料空気中の各成分を液化分離により他の
成分から分離する場合を例として、本発明のガス分離方
法の一実施形態について説明する。ここに示す例におい
ては、気液接触装置2a、3aとして、図2に示す気液
接触装置4aと同様に、液分配・気液接触部F1と、液
捕集分配・気液接触部F2とを備えた構造を有するもの
を用いるものとする。また、非分配促進型規則充填物A
1、A2としては非分配促進型規則充填物91、精密分配
部B1、B2としては自己分配促進型規則充填物71、粗
分配部C1、C2としては液分散器41を用いるものとす
る。
【0039】まず、原料空気を、管路1を通して高圧
塔2の下部に供給する。原料空気は、通常、約0.6
MPaに圧縮され、シリカ、アルミナゲル、モレキュラ
ーシーブなどの吸着剤を用いた前処理装置により水、二
酸化炭素などの不純物が除去され、主熱交換器により所
定温度まで冷却された後、高圧塔2に供給される。高圧
塔2内に供給された原料空気は、上昇ガスとして高圧塔
2内を上昇しつつ、気液接触装置2aにおいて後述する
下降液と接触し蒸留が行われ、これにより原料空気は、
塔頂部の窒素ガス(低沸点成分)と、塔底部の酸素富化
液体空気(高沸点成分)とに分離される。この際、高圧
塔2の内圧は、例えば非分配促進型規則充填物A1、A2
の比表面積が500m2/m3である場合、0.4〜2.
0MPaとすることができ、この場合、密度補正空塔速
度は1.0m/s(kg/m31/2以上、例えば1.0
〜1.6m/s(kg/m31/2となるように設定する
ことができる。
【0040】高圧塔2の塔頂部に分離された窒素ガス
は、管路12aを通して高圧塔2から抜き出され、主凝
縮器12内に導入され、ここで冷却され液化した後、そ
の一部が管路12b、12cを通して高圧塔2内に戻さ
れて高圧塔2内を流下する下降液(還流液)となり、残
りの他部は管路23を通して塔外に導出される。
【0041】以下、高圧塔2内において、下降液と上昇
ガスの接触により蒸留が進行する過程について説明す
る。まず、下降液は、粗分配部C1の一次分散用分配箱
42内に一旦貯留され、分配孔を通して二次分散箱43
に達し、該分散箱43内に一旦貯留され、その底部に設
けられた分配孔を通して塔の全断面にわたって均一に分
散した状態(粗分配された状態)で粗分配部C1の下方
に流下する。
【0042】次いで、下降液は精密分配部B1に達し、
ここで自己分配促進型規則充填物71の薄板72表面に
広がり、より精密かつ均等に分配された状態で自己分配
促進型規則充填物71の下方に流下する。この際、下降
液は塔内を上昇するガスと接触し、気液間で物質移動が
行われ、蒸留が進行する。
【0043】次いで、下降液は、非分配促進型規則充填
物A1(充填物91)に達し、薄板92の表面を流下す
る。この際、下降液は薄板92の表面を薄板92に沿っ
て流下し、この過程で下降液は塔内を上昇するガスと接
触する。
【0044】ここに示す気液接触装置2aでは、上述の
通り、充填物91の薄板92が主流れ方向(鉛直方向)
に沿うように配置されているため、充填物A1における
下降液の流れは全てこの方向に沿うものとなる。このた
め、下降液の流れが乱れることがなく、液流はスムーズ
かつ薄板92全面にわたり均一なものとなる。従って、
下降液流の乱れを原因として上昇ガスの流路が狭くなる
のを防ぎ、十分な上昇ガス流路を確保し、上昇ガスの流
れ抵抗増加による圧損失の増加を抑え、フラッディング
を発生させることなく蒸留を行うことが可能となる。ま
た、薄板表面を流れる下降液が薄板全体に広がった状態
となりやすくなり、広い気液接触面積が確保され、効率
的な蒸留が行われる。これに対し、自己分配促進型規則
充填物のみを用いた気液接触装置では、薄板の少なくと
も一部が主流れ方向(鉛直方向)に対し傾斜した状態と
なるため、高負荷の状態でフラッディングを起こしやす
く、しかも傾斜部分の裏面側に下降液が流れにくく気液
接触面積が不充分になり、蒸留の効率が低下することが
ある。
【0045】非分配促進型規則充填物A1を経た下降液
は、液体捕集器Dにおいて捕集され、粗分配部C2に導
入され、ここでその流れが均一化された後、自己分配促
進型規則充填物B2、非分配促進型規則充填物A2を経て
さらに下方に流れ、塔底部に達する。非分配促進型規則
充填物A2においても、下降液はスムーズかつ均一に薄
板92表面を流れるため、高圧塔2においては、フラッ
ディングが発生することなく蒸留が行われる。また蒸留
効率が高く維持される。
【0046】管路23を通して高圧塔2外に導出された
液体窒素の一部は、バルブ24、管路25を経て還流液
体窒素として低圧塔3に導入され、低圧塔3内を下降
する下降液となる。また他部は管路22を通して製品液
体窒素(LN2)として系外に導出される。
【0047】高圧塔2の塔底部に分離された酸素富化液
体空気は、管路15を通して高圧塔2から導出され、一
部は管路16を通して粗アルゴン塔凝縮器13に導入さ
れ、ここで凝縮器13内のガスまたは液と熱交換し加熱
され一部が気化した後、管路31を通して低圧塔3の中
間部(塔頂と塔底の中間)に導入され、低圧塔3内の下
降液または上昇ガスとなる。高圧塔2から導出された酸
素富化液化空気の他部は、管路17、バルブ18、管路
19を通して低圧塔3の中間部に導入され、低圧塔3内
の下降液または上昇ガスとなる。
【0048】低圧塔3内に導入された下降液および上昇
ガスは、気液接触装置3aの各区域6〜10において互
いに接触し蒸留が行われ、塔底部付近に酸素ガスと液体
酸素が分離されるとともに、塔頂部に窒素ガスに分離さ
れる。低圧塔3の内圧は、例えば低圧塔3内の非分配促
進型規則充填物A1、A2の比表面積が500m2/m3
ある場合、0.08〜2.0MPa、好ましくは0.0
8〜0.4MPaとすることができ、この場合には、密
度補正空塔速度を、1.8m/s(kg/m31/2
上、好ましくは1.8〜2.5m/s(kg/m 31/2
となるように設定することができる。
【0049】低圧塔3内の気液接触装置3aの各区域6
〜10においても、下降液はスムーズかつ均一に充填物
1、A2の薄板表面を流れるため、低圧塔3において
は、フラッディングが発生することなく蒸留が行われ
る。また蒸留効率が高く維持される。
【0050】低圧塔3の塔頂部に分離された窒素ガス
は、管路21を通して製品窒素ガス(GN2)として
系外に導出される。また、低圧塔3の塔底部に分離され
た酸素ガスは、管路32を通して製品酸素ガス(GO2
)として系外に導出される。また、低圧塔3の上部の
ガスは、管路20を通して廃窒素ガス(WG)として
系外に排出される。
【0051】上記管路31が低圧塔3に接続した位置よ
りやや下方の位置における低圧塔3内のガスは、管路2
6を通して粗アルゴン塔4の下部に供給される。粗アル
ゴン塔4内に供給されたガスは粗アルゴン塔4を構成す
る気液接触装置4aにおいて蒸留され、粗アルゴンガス
が塔頂部に分離される。この粗アルゴンガスは、管路3
3を通して粗アルゴン塔4の塔頂部から導出され、凝縮
器13に導入され、上述の管路16を通して凝縮器13
に導入された酸素富化液化空気と熱交換し冷却され液化
した後、管路34、35を通して還流液として粗アルゴ
ン塔4上部に戻される。管路34を通して凝縮器13か
ら導出された液化粗アルゴンの一部は、管路29を通し
て液化粗アルゴン(LAr)として系外に導出され
る。粗アルゴン塔4の塔底部に分離された液は、管路2
7、28を通して低圧塔3に戻される。なお、粗アルゴ
ン塔4の相当理論段数を多く設定した場合には、塔底液
を低圧塔3へ戻すために、ポンプ14を管路27、28
に設置することができる。
【0052】粗アルゴン塔4内の気液接触装置4aにお
いても、下降液はスムーズかつ均一に充填物A1、A2
薄板表面を流れるため、粗アルゴン塔4においては、フ
ラッディングが発生することなく蒸留が行われる。また
蒸留効率が高く維持される。
【0053】また粗アルゴン塔4をほぼ従来通りの相当
理論段数に設定し、さらに脱酸塔を設置して粗アルゴン
中の酸素を除去するケースが最近採用されるようになっ
てきており、この場合には、脱酸塔も図2に示すものと
同様の構成とすることによって、上記効果を得ることが
できる。
【0054】上記気液接触装置2a、3a、4aでは、
非分配促進型規則充填物A1、A2を構成する各種形状の
薄板がその形状を主流れ方向(鉛直方向)に沿うように
配置されているため、十分な上昇ガス流路が確保される
とともに、薄板(または管)表面における下降液の流れ
がスムーズかつ薄板全面にわたり均一なものとなる。こ
のため、上昇ガスの流れ抵抗増加による圧損失の増加を
抑えフラッディングの発生を防ぐとともに、傾斜部分を
有する自己分配促進型規則充填物を用いた気液接触装置
に比して、十分な気液接触面積を確保し効率的な蒸留を
行うことが可能となる。従って、フラッディングを発生
させることなく液負荷、ガス負荷を大きく設定すること
ができる。
【0055】例えば、500m2/m3の比表面積をもつ
充填物(自己分配促進型規則充填物)を用いた従来の気
液接触装置においては、密度補正空塔速度を、1.6m
/s(kg/m31/2以下(塔内圧を0.08〜0.4
MPaとした場合)、または1.0m/s(kg/
31/2以下(塔内圧を0.4MPa以上とした場合)
に設定せざるを得なかったのに対し、上記気液接触装置
2a、3a、4aでは、各塔の密度補正空塔速度を1.
8m/s(kg/m31/2以上(塔内圧0.08〜0.
4MPa)、または1.0m/s(kg/m31/2以上
(塔内圧を0.4〜2.0MPa)となるように設定す
ることができる。
【0056】このため、気液接触装置2a、3a、4a
を用いることによって、塔の高さを低く設計することが
でき、装置の製造、建設に要するコストを低く抑えるこ
とが可能となる。また、負荷の上限値が高いため製品の
生産量を大きく増減することが可能となる。
【0057】ところで、一般に、充填塔においては、塔
内圧が高いほどフラッディングが起こりやすくなる傾向
があり、複式蒸留塔を備えた空気液化分離装置の高圧塔
に充填塔を適用することは難しかった。これに対し、上
記気液接触装置2aは、高圧下でも負荷を高く設定する
ことが可能であるため、高圧塔への適用が可能となる。
従って、上記気液接触装置2aを高圧塔2に適用した空
気液化分離装置は、充填塔に対し圧力損失の点で劣る棚
段塔を高圧塔に適用した装置に比べ、動力コスト、製品
純度の点で優れるものとなる。
【0058】また、精密分配部B1、B2の機能をさらに
向上させるために、精密分配部B1、B2として、上述の
自己分配促進型規則充填物と、平行平板群とを少なくと
も1つずつ塔軸方向に積層した構造物を用いることがで
きる。図25および図26は、上記平行平板群の例を示
すものである。図25に示す平行平板群85は、互いに
平行にかつ間隔をおいて配置された複数の平板85aか
ら構成されている。これら平板85aは塔軸方向に沿っ
て配置される。各平板85aは塔軸に垂直な方向の端が
塔の内壁近くまで達するような大きさとなるよう形成さ
れており、各平板85aはそれらの間隔に等しい厚さの
スペーサ(図示略)を間に挟み込んだ状態で互いに固定
されている。平板85aの板厚は、構造上の強度を考慮
し、0.5〜5mmとするのが好ましい。また各平板8
5aの間隔は、液散布密度を考慮し、3〜10mmとす
るのが好ましい。平板85aは、金属製とするのが好ま
しいが、プラスチック製とすることもできる。スペーサ
の形状や材質は特に限定されないが、その大きさ、例え
ば水平方向長さや塔軸方向長さは、平板上の液膜の流れ
を大きく妨げないようにするため、構造上の強度を保て
る範囲内で小さい方がよい。
【0059】精密分配部B1、B2として、自己分配促進
型規則充填物の下方に上記平行平板群を設けたものを用
いた場合には、自己分配促進型規則充填物内で精密に分
配された液が、下方に設置された平行平板群に供給さ
れ、各平板表面で均一な厚さの液膜を形成しつつ流下す
るため、液の流量は、各平板に平行かつ塔軸に垂直な方
向にわたって均一になる。これにより、非分配促進型規
則充填物A1、A2には、さらに精密に分配された液が供
給されるようになる。
【0060】また、非分配促進型規則充填物A1、A2
の液散布密度をより確実に高めるため、平行平板群を構
成する各平板の下縁には、平板の幅方向にわたって複数
の突出部を形成することもできる。なお幅方向とは平板
に平行かつ塔軸に垂直な方向をいう。図26は、この突
出部を形成した平行平板群86を示すもので、ここに示
す平行平板群86を構成する平板86aの下縁部86b
には、全幅方向にわたって多数のV字状の突出部86c
が形成されている。これら突出部86cのピッチは3〜
10mmとするのが好ましい。
【0061】図26に示すように、平行平板群を構成す
る平板として、下縁部86bに複数の突出部86cが形
成されたものを用いる場合には、突出部86c付近を流
下する液が、該突出部86cの先端付近に集まり、この
先端から流下するようになる。このため、平板86a表
面を流下する液が、下縁部86bに達した後に下縁部8
6bに沿って流れるのを防ぎ、液の流量が、平板幅方向
に偏るのを防ぐことができる。従って、より精密な液分
配が可能となる。
【0062】通常、非分配促進型規則充填物は、蒸気流
の分配を積極的に行う機能を持っていない。このため、
蒸留性能を最大限に高めるには、蒸気流の分配を考慮し
て、非分配促進型規則充填物の下に、装置内を上昇する
蒸気の分配を行う蒸気分配器を少なくとも1つ設けるの
が好ましい。この蒸気分配器としては、自己分配促進型
規則充填物、例えば図6、図7に示すものを用いるのが
好適である。
【0063】自己分配促進型規則充填物を蒸気分配器と
して用いる場合には、該充填物の下部でミスト(微小な
液滴)が発生し、ミストが該充填物の薄板表面に衝突し
液流にトラップされることから、エントレイメントを防
止する効果が得られる。また、本発明の気液接触装置で
は、非分配促進型規則充填物が蒸気、液体ともに高負荷
で用いられるため、精密分配部等に用いられる自己分配
促進型規則充填物は、フラッディングを避けるため、比
表面積が非分配促進型規則充填物と同等あるいは小さい
ものを用いるのが好適である。
【0064】
【実施例】以下、実施例を示して本発明の効果を明らか
にする。 (実施例1)図1に示す空気液化分離装置を用いた蒸留
操作のコンピュータシミュレーションを行った。高圧塔
2、粗アルゴン塔4内の気液接触装置2a、4aとして
は、図2に示すように、塔頂部側から塔底部側にかけ
て、液分配器E1と、非分配促進型規則充填物A1と、液
体捕集器Dと、液分配器E2と、非分配促進型規則充填
物A2を有するものを用いることを想定した。また、低
圧塔3の気液接触装置3aの各区域6〜9には、液捕集
分配・気液接触部F2を用い、区域10には、液分配・
気液接触部F1を用いることとした。非分配促進型規則
充填物A1、A2としては規則充填物91を用い、自己分
配促進型規則充填物B1、B2としては規則充填物71を
用い、粗分配部C1、C2としては液分散器41を用いる
こととした。粗アルゴン塔4内の気液接触装置4aに用
いられた非分配促進型規則充填物A 1、A2の比表面積
は、500m2/m3と想定した。塔内圧力は約0.1M
Pa、フィードアルゴン中の酸素濃度は約90%とし
た。シミュレーションの結果、得られた充填高さと蒸気
相中の酸素濃度の関係を図27中実線で示す。なお、図
中、充填高さ0mとは塔底部を示す。
【0065】(比較例1)気液接触装置4aにおいて、
非分配促進型規則充填物A1、A2に代えて、同面積の自
己分配促進型規則充填物を用いたこと以外は図1に示す
装置と同様の構成の装置を用いて、実施例と同様の蒸留
操作を試みた場合のコンピュータシミュレーションを行
った。結果を図27中破線で示す。
【0066】図27より、気液接触装置4aにおいて、
非分配促進型規則充填物A1、A2を使用することによ
り、必要となる充填高さは、自己分配促進型規則充填物
を用いた場合に比べ6割程度となることがわかる。
【0067】次に、充填物として非分配促進型規則充填
物を用いた場合と自己分配促進型規則充填物を用いた場
合の圧力損失の比較を行うため、次に示す試験を行っ
た。 (実施例2)図28に示す気液接触装置である蒸留塔を
用いて以下の試験を行った。この蒸留塔(内径208m
m、透明塩化ビニル製)は、塔頂部から塔底部にかけ
て、粗分配部C3、精密分配部B3、非分配促進型規則充
填物A3を備えている。粗分配部C3としては、図4に示
したものと同様のものを用いた。精密分配部B3として
は、符号87で示す比表面積500m2/m3、高さ10
0mmの自己分配促進型規則充填物を2エレメントと、
図25に示すものと同様の平行平板群85(高さ50m
m)と、図26に示すものと同様の平行平板群86(高
さ50mm)とを上から順に積み重ねたものを用いた。
この際、2つの平行平板群85、86は、それぞれを構
成する平行平板85a、86aが互いに垂直となる位置
関係となるように配置した。非分配促進型規則充填物A
3としては、図15に示したものと同様のもの(比表面
積375m2/m3、高さ600mm)を用いた。精密分
配部B3と非分配促進型規則充填物A3との合計の高さ
は、900mmである。
【0068】流体として、空気と同程度の粘性をもつフ
ロン11を用い、圧力130kPa、全還流条件で密度
補正空塔速度を変化させ、粗分配部C3、精密分配部B3
および非分配促進型規則充填物A3の合計の圧力損失を
測定した。
【0069】(比較例2)比較のために、充填物として
自己分配促進型規則充填物を使用するタイプの蒸留塔、
すなわち粗分配部C3の下方に、500m2/m3、高さ
207mmの自己分配促進型規則充填物5エレメント
(全充填高さ1035mm)を設けた蒸留塔を用いて、
試験を行った。自己分配促進型規則充填物としては、図
28に示す蒸留塔の精密分配部B3で用いられたものと
同型のものを使用した。実施例2と同様に、流体とし
て、空気と同程度の粘性をもつフロン11を用い、全還
流条件で密度補正空塔速度を変化させ、各条件での圧力
損失を測定した。
【0070】図29は、密度空塔速度に対する単位高さ
あたりの圧力損失を示すグラフである。この図からわか
るように、充填物として非分配促進型規則充填物を用い
た場合(実施例2)の圧力損失は、自己分配促進型規則
充填物を用いる場合(比較例2)の圧力損失よりも明ら
かに小さい。また、比較例2では、密度補正空塔速度が
約1.8m/s(kg/m31/2以上になるときに圧力
損失が急激に上昇し始めるが、実施例2では、より大き
な密度補正空塔速度でもそのような現象は起きなかっ
た。これらの試験結果より、実施例2で用いたタイプの
蒸留塔では、比較例2で用いたタイプのものに比べ、塔
径を小さく設計でき、装置の製造、建設に要するコスト
を低く抑えることが可能となることがわかる。
【0071】次に、蒸留塔に精密分配部を設けた場合と
設けなかった場合の液分配の比較をおこなった。 (実施例3)蒸留塔に精密分配部を設けた例として、図
28に示す実施例2の蒸留塔を用いて、実施例2と同様
に、流体として、空気と同程度の粘性をもつフロン11
を用い、各条件での液の分散の具合を観察した。また、
塔内の液の流れ、液分配の様子をビデオ撮影した。 (比較例3)蒸留塔に精密分配部を設けない例として、
精密分配部を備えていないこと以外は実施例3で用いた
蒸留塔と同様のものを用いて、実施例3と同様の試験を
行った。
【0072】図30および図31は、圧力130kP
a、液負荷がガス負荷換算で2m/s(kg/m31/2
において、それぞれ実施例3および比較例3の蒸留塔の
非分配促進型規則充填物の下端から流れ落ちる流体の様
子を撮影した写真である。図30より、精密分配部があ
る場合(実施例3)には、充填物が形づくる各流路から
筋状に液滴が流れ落ちており、これら各液滴が塔の全体
にわたって均一に分配されていることが確認できる。こ
れに対し、精密分配部を設けなかった場合(比較例3)
には、図31に示すように、明らかに液滴が偏っている
ことがわかる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の気液接触
装置では、前記液およびガスの流れ方向を定める各種形
状が鉛直方向である薄板または管を鉛直方向に沿う状態
で積層あるいは配列した非分配促進型規則充填物と、少
なくとも1つの液分配器とを備え、液分配器が、液体を
粗分配する粗分配部と、液体を精密、均等に分配する精
密分配部とからなるものであるので、液分配部におい
て、まず下降液を塔断面の全体に均一に分散させ、しか
る後、流れを鉛直方向にする形状の薄板または管を鉛直
方向に沿う状態で積層あるいは配列した非分配促進型規
則充填物層において気液接触を行うことによって、十分
な上昇ガス流路が確保されるとともに、充填物表面にお
ける下降液の流れがスムーズかつ薄板の上下左右全面に
わたり均一性が維持される。即ち充填物の表面全体が有
効に使用される。このため、上昇ガスの流れ抵抗増加に
よる圧損失の増加を抑え、フラッディングの発生を防ぐ
とともに、十分な気液接触面積を確保し効率的な蒸留を
行うことが可能となる。従って、液負荷、ガス負荷を大
きく設定することができる。また、塔の高さを低く設計
することができ、装置の製造、建設に要するコストを低
く抑えることが可能となる。さらには、製品の生産量を
大きく増減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気液接触装置の一実施形態を使用し
た空気液化分離装置の概略構成図である。
【図2】 図1に示す空気液化分離装置に用いられる気
液接触装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】 図2に示す気液接触装置に用いられる粗分配
部の一例を示す斜視図である。
【図4】 図2に示す気液接触装置に用いられる粗分配
部の他の例を示す斜視図である。
【図5】 図2に示す気液接触装置に用いられる粗分配
部のさらに他の例を示す斜視図である。
【図6】 図2に示す気液接触装置に精密分配部として
用いられる自己分配促進型規則充填物の一例を示す斜視
図である。
【図7】 図2に示す気液接触装置に精密分配部として
用いられる自己分配促進型規則充填物の他の例を示す斜
視図である。
【図8】 図2に示す気液接触装置に精密分配部として
用いられる自己分配促進型規則充填物のさらに他の例を
示す正面図である。
【図9】 図8に示す自己分配促進型規則充填物の断面
図である。
【図10】 図8に示す自己分配促進型規則充填物を製
造する方法を説明するための説明図である。
【図11】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物の一例を示す斜視図である。
【図12】 図11に示す非分配促進型規則充填物を示
す断面図である。
【図13】 図11に示す非分配促進型規則充填物を構
成する薄板を示す斜視図である。
【図14】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物の他の例を示す断面図である。
【図15】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図16】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図17】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図18】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図19】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図20】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図21】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図22】 図2に示す気液接触装置に用いられる非分
配促進型規則充填物のさらに他の例を示す断面図であ
る。
【図23】 図11〜図13に示す非分配促進型規則充
填物の変形例を示す斜視図である。
【図24】 図15に示す非分配促進型規則充填物の変
形例を示す斜視図である。
【図25】 本発明の気液接触装置に用いられる平行平
板群の一例を示す斜視図である。
【図26】 本発明の気液接触装置に用いられる平行平
板群の他の例を示す斜視図である。
【図27】 図2に示す気液接触装置を用いた場合を例
として、蒸留操作をシミュレーションした結果を示すグ
ラフである。
【図28】 本発明の気液接触装置の一例の内部構造を
示す図である。
【図29】 実験結果を示すグラフであり、横軸は密度
補正空塔速度を示し、縦軸は単位高さあたりの圧力損失
を示す。
【図30】 本発明の気液接触装置の一例を用いた場合
において、充填物の下端から流れ落ちる流体の写真であ
る。
【図31】 比較例の気液接触装置を用いた場合におい
て、充填物の下端から流れ落ちる流体の写真である。
【符号の説明】
2・・・高圧塔、2a、3a、4a・・・気液接触装置、3・・
・低圧塔、4・・・アルゴン塔、41、51、61・・・液分
散器、91、101、111、121、131、14
1、151、161・・・非分配促進型規則充填物、9
2、102、132、152・・・薄板、96、106、
116、126、166a、166b・・・流路、162・
・・管、A1、A2、A3・・・非分配促進型規則充填物、
1、B2、B3・・・精密分配部、C1、C2、C3・・・粗分配
部、E1、E2・・・液分配器、85、86・・・平行平板群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 浩 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 Fターム(参考) 4D047 AA08 AB01 AB02 AB04 DA06 DA12 EA00 4G075 AA03 BB05 BB07 BD13 CA02 CA03 CA05 DA01 EB09 EE02 EE12 EE22 EE32 EE33 EE34 EE36 FB02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填物表面に沿って液を流下させ、且つ
    ガスを上昇させつつこれら液とガスを接触させる気液接
    触装置において、 前記充填物として、前記液およびガスの流れ方向を鉛直
    方向に形成させる各種形状の薄板または管を鉛直方向に
    沿う状態で積層あるいは配列した非分配促進型規則充填
    物を用いるとともに、 液体を粗分配する粗分配部と、液体を精密、均等に分配
    する精密分配部とからなる液分配器を少なくとも1個備
    えたことを特徴とする気液接触装置。
  2. 【請求項2】 非分配促進型規則充填物の比表面積が3
    50m2/m3以上であることを特徴とする請求項1記載
    の気液接触装置。
  3. 【請求項3】 前記液体を精密、均等に分配する精密分
    配部が、自己分配促進型規則充填物からなるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の気液接触装置。
  4. 【請求項4】 前記液体を精密、均等に分配する精密分
    配部が、自己分配促進型規則充填物と、平行平板群とを
    少なくとも1つずつ塔軸方向に積層したものであること
    を特徴とする請求項1記載の気液接触装置。
  5. 【請求項5】 前記非分配促進型規則充填物が、金属薄
    板群または金属管群からなるものであることを特徴とす
    る請求項1記載の気液接触装置。
  6. 【請求項6】 前記非分配促進型規則充填物の流路断面
    形状が角形であることを特徴とする請求項1記載の気液
    接触装置。
  7. 【請求項7】 前記非分配促進型規則充填物の流路断面
    形状が三角形であることを特徴とする請求項1記載の気
    液接触装置。
  8. 【請求項8】 前記非分配促進型規則充填物の流路断面
    形状が正方形、長方形、台形、菱形等の四角形であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の気液接触装置。
  9. 【請求項9】 前記非分配促進型規則充填物の流路断面
    形状が六角形であることを特徴とする請求項1記載の気
    液接触装置。
  10. 【請求項10】 前記非分配促進型規則充填物が曲面か
    らなる波状の薄板から構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の気液接触装置。
  11. 【請求項11】 前記非分配促進型規則充填物が、三角
    形、四角形、および六角形のうち2つ以上の断面形状を
    有する流路を形成するものであることを特徴とする請求
    項1記載の気液接触装置。
  12. 【請求項12】 前記非分配促進型規則充填物が、スペ
    ーサを介して配列された複数の薄板から構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の気液接触装置。
  13. 【請求項13】 前記薄板または前記スペーサに凹凸、
    溝、および孔のうち少なくともいずれか1つを設けたこ
    とを特徴とする請求項1〜12のうちいずれか1項記載
    の気液接触装置。
  14. 【請求項14】 前記非分配促進型規則充填物の下に、
    蒸気の分配を行う蒸気分配器を少なくとも1つ設けたこ
    とを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか1項記載
    の気液接触装置。
  15. 【請求項15】 前記蒸気分配器が、自己分配促進型規
    則充填物からなるものであることを特徴とする請求項1
    4記載の気液接触装置。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の気液接触装置を用いた
    ことを特徴とする空気液化分離装置。
  17. 【請求項17】 少なくとも2成分よりなるガス混合物
    の成分を、気液接触装置を用いて他の成分から分離する
    ガス分離方法において、 前記気液接触装置として、前記混合物の流れを鉛直方向
    に向ける各種形状の薄板または管からなる非分配促進型
    規則充填物を有し、この非分配促進型規則充填物の比表
    面積が350m2/m3以上であるものを用い、 0.08〜0.4MPaの圧力条件下で、前記ガス混合
    物およびその液化物を非分配促進型規則充填物内に充填
    物表面に沿って対向して流しつつこれら液とガスを接触
    させ、 この際、前記ガスおよび液の負荷を、密度補正空塔速度
    が1.8m/s(kg/m31/2以上となるように設定
    することを特徴とするガス分離方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも2成分よりなるガス混合物
    の成分を、気液接触装置を用いて他の成分から分離する
    ガス分離方法において、 前記気液接触装置として、前記混合物の流れを鉛直方向
    に向ける各種形状の薄板または管からなる非分配促進型
    規則充填物を有し、この非分配促進型規則充填物の比表
    面積が350m2/m3以上であるものを用い、 0.4〜2.0MPaの圧力条件下で、前記ガス混合物
    およびその液化物を非分配促進型規則充填物内に充填物
    表面に沿って対向して流しつつこれら液とガスを接触さ
    せ、 この際、前記ガスおよび液の負荷を、密度補正空塔速度
    が1.0m/s(kg/m31/2以上となるように設定
    することを特徴とするガス分離方法。
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