JP2000245364A - 加工米とその製造方法及びその装置 - Google Patents

加工米とその製造方法及びその装置

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JP2000245364A
JP2000245364A JP11059456A JP5945699A JP2000245364A JP 2000245364 A JP2000245364 A JP 2000245364A JP 11059456 A JP11059456 A JP 11059456A JP 5945699 A JP5945699 A JP 5945699A JP 2000245364 A JP2000245364 A JP 2000245364A
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grains
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覺 佐竹
Takeshi Munesada
健 宗貞
Masahiro Kono
征弘 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食感がよく、しかも、低コストで得られる栄養
価の高い加工米とその製造方法及びその装置を提供す
る。 【解決手段】水洗作業を不要にして、水を注ぐだけで炊
くことのできる米粒に、カルシウム、鉄分、ビタミンな
どの栄養素を添加した白糠により米粒表面を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一般家庭での水洗
作業を不要にするとともに、水を注ぐだけで炊くことの
できる加工米とその製造方法及びその装置に関し、特
に、栄養価の高い加工米を得ることができるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、一般家庭での水洗作業を不要にし
た、いわゆる無洗米と称する米が流通している。この無
洗米と称する米の製法としては、精米機により搗精され
た精白米を極めて短時間に水中搗精した後、脱水・乾燥
処理するものや、精米機により搗精された精白米を研磨
ブラシ、ゴムロールなどで摩擦処理するものや、精米機
により搗精された精白米を澱粉、糠、糖類などの粘着性
物質を添加した後、これらを払拭するものがある。以上
のような無洗米の製法は、搗精により除去しきれなかっ
た米粒表面の凹部に残留しているアリューロン層(糊粉
層)を、水中で搗精除去したり、研磨により除去した
り、澱粉、糠又は糖類などの粘着性物質により接着して
払拭するものである。
【0003】上記水中搗精による無洗米の製法は、水が
米粒と接触してアリューロン層を軟化し、搗精作用によ
り該軟化したアリューロン層を水中除去するものであ
り、また、粘着性物質を添加する無洗米の製法は、粘着
性物質が米粒表面に接触してアリューロン層が剥離され
るものである。これら水や粘着性物質はアリューロン層
を剥離するための媒体としての働きが主であり、この媒
体自体が米粒に浸透して栄養価を高めるなどの働きをし
ているわけではない。
【0004】つまり、無洗米は、搗精により玄米から糠
層が剥離されて精白米となり、更に、精白米に付着して
いる残留アリューロン層が除去されているから、玄米又
は精白米と比較しても、糠層及び残留アリューロン層に
含まれる蛋白質、脂質、灰分、ビタミンB1、その他カ
ルシウム、マグネシウム、鉄といったミネラル成分が不
足していると考えられる(表1参照)。
【表1】
【0005】特開平5−137521号公報では、精白
した米を更に研磨し糠を完全に除去した米、あるいは精
白した米を洗米するなどして糠を完全に除去した米に対
し、ゼラチンの溶液の塗布、浸漬、あるいは噴霧等によ
り、米の表面にゼラチン水溶液の被膜を形成し、さら
に、この水分を乾燥させることにより、ゼラチン被覆精
白米を得るものである。これにより、洗米の不要な精白
米を作り、しかも、お米の持つおいしさと香りを、長期
間に亘って損なうことなく貯蔵できるものである。しか
しながら、この精白米は糠を完全に除去しているため栄
養価が格別に高いものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水を注ぐだけで炊くこ
とのできる無洗米であって、しかも、栄養価を高めたも
のとして、例えば、無洗米の米粒群に、該無洗米と近似
体積に調製したカルシウム成分粒をほぼ均一に分散混入
して包装したカルシウム強化米なども開示されているが
(特開平9−94071号公報参照)、これは、無洗米
とこれとは別のカルシウム粒材(カルシウム成分を米粒
表面に被覆したものや、カルシウム造粒物)とを混ぜ合
わせているもので、無洗米とカルシウム粒材とが異なる
舌触りとなるため食感がまずくなる虞(おそれ)があ
る。
【0007】また、特開平9−308444号公報で
は、洗米せずに炊飯して食することのできる精米と、同
精米に適合する量の炊飯用水とを、同一の包装容器内に
それぞれ独立した状態で収容し、前記炊飯用水に、カル
シウム、鉄分、ビタミン等の栄養素を添加したものが開
示されている。この炊飯用パッケージでは、精米とは別
に炊飯用水が収容されているので、コスト高になり、ま
た、梱包の際、炊飯用水の分だけ嵩張るという問題点が
ある。
【0008】本発明は上記のような問題点にかんがみ、
食感がよく、しかも、低コストで得られる栄養価の高い
水洗不要の加工米とその製造方法及びその装置を提供す
ることを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第一の発明は、水洗することなく水を注ぐだけで炊く
ことのできる米粒の表面に、カルシウム、マグネシウ
ム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養
素を添加した白糠を被覆したことを特徴とする加工米を
提供するものである。
【0010】これにより、無機質が極端に不足した米粒
の表面に、カルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミ
ンのうち、少なくとも1種類の栄養素を含有した白糠の
極薄のコーティング処理が施されるので、食感がよく、
しかも、低コストで得られる栄養価の高い加工米とな
る。この加工米は水を注ぐだけで炊くことのできるもの
である。
【0011】また、水洗することなく水を注ぐだけで炊
くことのできる搗精の過程にある米粒の表面に、カルシ
ウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なく
とも1種類の栄養素を添加した白糠を被覆したことを特
徴とする加工米を提供する。
【0012】これにより、糠層又は胚芽をある程度残し
たまま表面を美麗に仕上げた米粒に、カルシウム、マグ
ネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類
の栄養素を含有した白糠の極薄のコーティング処理が施
されるので、糠層又は胚芽に含まれる脂質や無機質に加
えて、栄養素の含有した白糠のコーティング処理により
栄養価が非常に高く、水を注ぐだけで炊くことができる
加工米となる。
【0013】さらに、精白米又は搗精の過程にある米粒
に白糠を混合し、該米粒と白糠とを攪拌研摩することに
より米粒に付着する遊離糠を除去して、水洗することな
く水を注ぐだけで炊くことのできる米粒に加工し、該米
粒にカルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのう
ち、少なくとも1種類の栄養素を含有した白糠を再度混
合するとともに、該米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米
粒表面を前記白糠で被覆するとよい。
【0014】これにより、搗精後の米粒と白糠とを混合
し、攪拌研摩することで、米粒表面に付着した遊離糠が
白糠に接着されて、水を注ぐだけで炊くことのできる米
粒が形成され、この米粒にカルシウム、マグネシウム、
鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を
含有した白糠を混合し、熱風又は蒸気を吹き付けると、
白糠がアルファ化して澱粉質となり、栄養価が高く、水
を注ぐだけで炊くことのできる加工米ができる。
【0015】また、上記製造方法とは別の製造方法とし
ては、精白米又は搗精の過程にある米粒に霧、蒸気又は
湿風を供給して攪拌研摩することにより米粒に付着する
遊離糠を除去し、水洗することなく水を注ぐだけで炊く
ことのできる米粒に加工し、該米粒にカルシウム、マグ
ネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類
の栄養素を含有した白糠を混合するとともに、該米粒に
熱風又は蒸気を吹き付けて米粒表面を前記白糠で被覆す
るとよい。
【0016】これにより、無洗米化のための白糠が十分
得られない場合でも本発明の加工米を製造できる。つま
り、精白米又は搗精の過程にある米粒に霧、蒸気又は湿
風を供給して攪拌研摩することにより、米粒表面に付着
した遊離糠が軟化し、この遊離糠が切削的に除去されて
水を注ぐだけで炊くことのできる米粒が形成される。こ
の米粒にカルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミン
のうち、少なくとも1種類の栄養素を含有した白糠を混
合し、熱風又は蒸気を吹き付けると、白糠がアルファ化
して澱粉質となり、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊く
ことのできる加工米ができる。
【0017】そして、加工米の製造方法を実施する装置
としては、精白米又は搗精の過程にある米粒に白糠を混
合する第一混合手段と、米粒と白糠とを攪拌研摩する攪
拌研磨手段と、攪拌研摩された米粒と使用済みの白糠と
を分離する分離手段と、分離された米粒にカルシウム、
マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1
種類の栄養素を含有した白糠を再度混合する第二混合手
段と、白糠を混合した米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて
米粒表面を被覆するコーティング手段と、前記分離手段
により分離した白糠を回収し、該白糠を前記第一混合手
段及び前記第二混合手段に供給して白糠を再利用するリ
サイクル手段とを備えるとよい。
【0018】これにより、第一混合手段では精白米又は
搗精の過程にある米粒に白糠が混合され、攪拌研磨手段
では米粒表面の遊離糠が白糠に接着されて、水を注ぐだ
けで炊くことのできる米粒が形成され、分離工程では米
粒と白糠とが分離され、第二混合手段では水を注ぐだけ
で炊くことのできる米粒に、新たにカルシウム、マグネ
シウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の
栄養素を含有した白糠が塗布され、コーティング手段で
は白糠が塗布された米粒に熱風又は蒸気が吹き付けら
れ、白糠がアルファ化して澱粉質となり、栄養価が高
く、水を注ぐだけで炊くことのできる加工米を製造する
ことができる。そして、リサイクル手段では分離手段で
取り分けた白糠が、第一混合手段及び第二混合手段に供
給されて、白糠の再利用が行われる。
【0019】また、上記装置とは別の装置として、精白
米又は搗精の過程にある米粒に霧、蒸気又は湿風を供給
して攪拌研摩する攪拌研摩手段と、攪拌研摩された米粒
にカルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのう
ち、少なくとも1種類の栄養素を含有した白糠を混合す
る混合手段と、白糠を混合した米粒に熱風又は蒸気を吹
き付けて米粒表面を被覆するコーティング手段と、前記
混合手段で混合した白糠を回収し、該白糠を再度前記混
合手段に供給して白糠を再利用するリサイクル手段とを
備えるとよい。
【0020】これにより、攪拌研摩手段では精白米又は
搗精の過程にある米粒に霧、蒸気又は湿風を供給して攪
拌すると、米粒表面に付着した遊離糠が軟化し、この遊
離糠が切削的に除去されて水を注ぐだけで炊くことので
きる米粒が形成され、混合手段では、水を注ぐだけで炊
くことのできる米粒に、カルシウム、マグネシウム、鉄
分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を含
有した白糠が塗布され、コーティング手段では白糠が塗
布された米粒に熱風又は蒸気が吹き付けられ、白糠がア
ルファ化して澱粉質となり、栄養価が高く、水を注ぐだ
けで炊くことのできる加工米を製造することができる。
そして、リサイクル手段では分離手段で取り分けた白糠
が、混合手段に供給されて、白糠の再利用が行われる。
【0021】そして、上記装置は、前記攪拌研摩手段及
び前記コーティング手段を、機枠内に内設した多孔壁除
糠筒を二分して一端側を攪拌研摩手段に、他端側をコー
ティング手段に形成するとともに、前記多孔壁除糠筒内
に回転可能に軸架する主軸を共有にするとよい。
【0022】これにより、市販の無洗米を使用すること
なく、精白米又は搗精の過程のある米粒から、栄養価が
高く、水を注ぐだけで炊くことのできる加工米を連続し
て生産することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加工米とその製造
方法及びその装置について図面を参照しながら説明す
る。
【0024】本発明の加工米を製造するために、まず、
搗精後の米粒表面の遊離糠を剥離したり、滑面化された
米粒表面を被覆するための白糠を生成する必要がある。
白糠は酒米の製造過程の副産物として得られるもので、
酒造用精米機により玄米を精米歩留80%以下に搗精し
て得られ、粒度が300μm以下(平均粒度は50μ
m)の粉状体となっている。一方、搗精後の米粒表面に
付着している残留アリューロン層(糊粉層)は層厚が約
25〜40μmの薄膜となっている。このため、精白米
を攪拌研磨処理するには、残留アリューロン層の層厚と
同程度の粒径の研磨剤を混入して、米粒表面の凹部に残
留するアリューロン層を掻き出すことができるものを選
択するのが好ましい。白糠はその粒径が残留アリューロ
ン層の層厚と近似しているので、米粒表面を美麗に仕上
げることができ、また、従来から米菓や糊の原料、糖化
原料など幅広く利用されているので、成分的には精白米
とほとんど変わらず(表2参照)、食べても構わないの
で米粒表面の遊離糠を剥離して無洗米化するためには好
適である。さらに、白糠は米粒白度を向上させるととも
に、脱脂作用が優れている点で好適である。
【表2】
【0025】図1は一般的な精米機で常法により歩留9
2%程度に搗精した精白米の拡大断面図であり、図2は
水洗作業を不要にした無洗米の拡大断面図である。図1
に示す精白米1は、搗精により原料玄米から糠の一部で
ある果皮、種皮、外胚乳が取り去られ、残留アリューロ
ン層2と澱粉質3とが主成分となる。
【0026】次に、本発明の加工米について説明する。
図1に示す精白米1を原料として、極めて短時間に水中
搗精した後、脱水・乾燥処理したり、研磨ブラシ、ゴム
ロールなどで摩擦処理したり、澱粉、糠、糖類などの粘
着性物質を添加した後、攪拌研磨処理するなどして無洗
米6に仕上げる(図2参照)。
【0027】好適には、精白米1に上述の白糠4を混入
し、適宜な攪拌研摩装置により攪拌研摩するとよい。こ
れを図1により説明すると、攪拌研摩処理により白糠粒
子4が残留アリューロン層2を剥離するとともに、澱粉
質表面5の凹部まで白糠粒子4が入り込み、糠分が白糠
に接着されて除去され、澱粉質3表面が美麗に仕上が
り、水を注ぐだけで炊くことのできる無洗米6に仕上が
る(図2及び図9参照)。
【0028】次に、この無洗米6の表面に、カルシウ
ム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくと
も一種類の栄養素を添加した白糠を被覆させてコーティ
ング層7を形成し、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊く
ことができる加工米8が得られる(図3及び図10参
照)。
【0029】一方、搗精の過程のある米粒(例えば、歩
留94%程度に搗精した7分搗き米)が原料の場合であ
っても、上記同様に無洗米に仕上げる(このとき、原料
が7分搗き米であって、澱粉質3に糠層11が被覆され
ていても、米粒表面の遊離糠が除去され、表面が美麗に
仕上がっているので無洗米と称することにする)。
【0030】次に、この無洗米にカルシウム、マグネシ
ウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄
養素を添加した白糠を被覆させてコーティンング層9を
形成し、栄養価が非常に高く、水を注ぐだけで炊くこと
のできる加工米10が得られる(図4参照)。
【0031】次に、図5及び図6により加工米の製造工
程を説明する。図5では、歩留92%程度に搗精した精
白米又は歩留94%程度に搗精した7分搗き米と白糠と
を混合し(ステップ100)、既存の攪拌研摩機で攪拌
研摩し(ステップ101)、所定時間攪拌研摩した後、
米粒と白糠とを分離し(ステップ102)、分離後の米
粒と栄養素を添加した白糠とを混合し(ステップ10
3)、更に、白糠を塗布した米粒に熱風又は水蒸気を吹
き付けて米粒をコーティング処理すると(ステップ10
4)、加工米が得られるのである。
【0032】図6では、歩留92%程度に搗精した精白
米又は歩留94%程度に搗精した7分搗き米に霧、蒸気
又は湿風を供給して攪拌研摩して米粒に付着する遊離糠
を除去し(ステップ110)、該米粒に栄養素を含有し
た白糠を混合し(ステップ111)、更に、白糠が塗布
された米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米粒をコーティ
ング処理すると(ステップ112)、加工米が得られる
のである。
【0033】図7は、図5の製造工程を実施するための
装置を示す概略縦断面図である。図7を参照して本装置
を説明すると、加工米製造装置12は、精白米又は搗精
の過程にある米粒に白糠を混合する第一混合手段13
と、米粒と白糠とを攪拌研摩する攪拌研摩手段14と、
攪拌研摩された米粒と使用済みの白糠とを分離する分離
手段と15と、分離された米粒にカルシウム、マグネシ
ウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄
養素を含有した白糠を再度混合する第二混合手段16
と、白糠を混合した米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米
粒表面を被覆するコーティング手段17と、前記分離手
段15により分離した白糠を回収し、該白糠を前記第一
混合手段13及び前記第二混合手段16に供給して白糠
を再利用するリサイクル手段18とを備えている。
【0034】そして、前記加工米製造装置12は、立設
した縦長の機枠19内に内設した多孔壁除糠筒20を二
分して上端側を攪拌研摩手段14に、下端側をコーティ
ング手段17にそれぞれ形成するとともに、前記多孔壁
除糠筒20内に回転可能に軸架する中空状の主軸21が
前記攪拌研摩手段14とコーティング手段17とを共有
するように設けられている。
【0035】前記第一混合手段13は、攪拌研摩手段1
4の上部に接続した供給筒22と、該供給筒22内に回
転可能に立設した供給螺旋23と、供給筒22上部に設
けて白糠の添加量を適宜調節する白糠添加装置24と、
原料白米を供給するための供給樋25とから構成され
る。また、前記攪拌研摩手段14は、機枠19内に架設
した多孔壁除糠筒20と、該多孔壁除糠筒20内で前記
主軸21内に軸着した攪拌ロール26と、前記多孔壁除
糠筒20と前記攪拌ロール26との間で形成される攪拌
研摩室27と、前記多孔壁除糠筒20と前記機枠19と
の間で形成される除糠室28と、前記攪拌研摩室27下
部に設けた米粒排出口29と、該米粒排出口29に対面
させて設けられた抵抗蓋30とから構成される。前記分
離手段は、本実施形態の場合、前記多孔壁除糠筒20と
除糠室28とで構成される。
【0036】前記第二混合手段16は、前記抵抗蓋30
から流出した米粒に白糠を塗布する混合流路31と、該
混合流路31に接続して、カルシウム、マグネシウム、
鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を
含有した白糠を供給する白糠供給筒32と、混合流路3
1からの米粒を前記コーティング手段17へ送る横送ス
クリュー33と上送スクリュー34とから構成される。
また、コーティング手段17は、機枠19内の下部に架
設した多孔壁除糠筒35と、該多孔壁除糠筒35内で前
記主軸21内に軸着した攪拌ロール36と、多孔壁除糠
筒35と前記攪拌ロール36との間で形成されるコーテ
ィング室37と、前記多孔壁除糠筒35と機枠19との
間で形成される除糠室38と、コーティング室37上部
に設けた製品排出口39と、該製品排出口39に対面さ
せて設けられた抵抗蓋40と、図示しない熱源より発生
した熱風又は水蒸気を供給する熱供給路43とから構成
される。なお、符号41は中空状の主軸21を介して前
記攪拌研摩室27及びコーティング室37へ噴風を行
い、除糠を行う噴風ファンであり、符号42は主軸21
に軸着して除糠室38底部に溜まった糠を掻き出す糠掻
き出し翼である。
【0037】リサイクル手段18は、除糠室38底部に
接続して底部に堆積した糠を回収する回収管路44と、
白糠添加装置24の余剰糠を回収する回収管路45と、
回収管路44,45の他端側に接続したバッグフィルタ
ー46と、該バッグフィルター46に接続した吸引ファ
ン47と、バッグフィルター46下部から前記白糠添加
装置24へ回収した糠を供給する供給管48とから構成
される。
【0038】次に、上記構成の製造装置の作用を説明す
る。原料となる精白米又は搗精の過程にある米粒を、供
給樋25から第一混合手段13に投入すると、白糠添加
装置24から適宜な量の白糠(例えば、米粒1重量部に
対して5%〜30%)が投入される。そして、第一混合
手段13の供給螺旋23を回転すると、米粒と白糠とが
一定流量で攪拌研摩手段14に送られる。該攪拌研摩手
段14内の多孔壁除糠筒20は上部側を盲板となし、下
方側を多孔壁となしているから、盲板側で攪拌ロール2
6が回転すると米粒の粒々摩擦が行われて米粒表面に付
着した遊離糠が白糠に接着され、多孔壁側で攪拌ロール
26が回転すると、噴風ファン41の噴風により、白糠
に接着した遊離糠が除糠室28に排出され、米粒と該米
粒に塗(まぶ)された白糠とが分離されることになる。
攪拌研摩室27に残った米粒は、図2に示すように残留
アリューロン層の除去された無洗米となる。なお、抵抗
蓋30の圧力の調整は、米粒の種類によって残留アリュ
ーロン層が払拭されるように、例えば、原料が精白米の
場合は攪拌研摩室27内の圧力を100gf/平方セン
チ以下とし、原料が搗精の過程にある米粒の場合は攪拌
研摩室27内の圧力を150gf/平方センチ以上とす
ればよい。
【0039】米粒が攪拌研摩室27下部に至ると、抵抗
蓋30に抗して混合流路31に流下される。混合流路3
1には白糠供給筒32が接続され、カルシウム、マグネ
シウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の
栄養素を含有した白糠が供給され、米粒と白糠とが混合
されることになる。そして、混合流路31下部に至った
米粒と白糠は、横送スクリュー33及び上送スクリュー
34により更に攪拌され、コーティング手段17に供給
される。
【0040】コーティング手段17では、熱供給路43
からの熱風又は水蒸気が主軸21を介してコーティング
室37に供給される。熱風又は水蒸気は、澱粉がアルフ
ァー化し、かつ食味に悪影響が及ばない温度、例えば、
55〜70℃に設定するとよい。栄養素を含有する白糠
を塗(まぶ)した米粒が前記上送スクリュー34からコ
ーティング室37に供給されると、攪拌ロール36によ
り粒々摩擦が行われるとともに、前記熱風又は水蒸気が
供給されて白糠がアルファ化して澱粉質となる。そし
て、米粒表面が図3又は図4のようにコーティングされ
た米粒は、製品排出口39から抵抗蓋40に抗して排出
され、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊くことのできる
加工米ができる。この抵抗蓋40の圧力の調整は、米粒
の種類によらず、コーティング室37内の圧力を80g
f/平方センチ以下とすればよい。
【0041】前記リサイクル手段18は、糠掻き出し翼
42により除糠室38の糠が掻き出され、回収管路44
を経てバッグフィルター46に捕集され、バッグフィル
ター46下部から前記白糠添加装置24に糠が供給され
る。これにより、研摩剤としての白糠が十分に得られ
ず、少量であっても加工米を製造することができる。
【0042】図8は、図6の製造工程を実施するための
装置を示す概略縦断面図である。図8を参照してこの装
置を説明すると、加工米製造装置12は、精白米又は搗
精の過程にある米粒に霧、蒸気又は湿風を供給して攪拌
研摩する攪拌研摩手段49と、攪拌研摩された米粒にカ
ルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少
なくとも1種類の栄養素を含有した白糠を混合する混合
手段50と、白糠を混合した米粒に熱風あるいは蒸気を
吹き付けて米粒表面を被覆するコーティング手段51
と、前記混合手段50で混合した白糠を回収し、該白糠
を再度前記混合手段50に供給して白糠を再利用するリ
サイクル手段52とを備えたものである。
【0043】そして、前記加工米製造装置12は、横設
した横長の機枠53内に架設した多孔壁除糠筒54を三
分割して一端側を攪拌研摩手段49に、他端側をコーテ
ィング手段51にそれぞれ形成するものであり、中央の
多孔壁除糠筒は盲板55に形成して混合手段50を構成
する。そして、前記多孔壁除糠筒54内で回転可能に横
架する中空状の主軸56は、前記攪拌研摩手段49、混
合手段50及びコーティング手段51とを共有するよう
に長尺状に設けられている。
【0044】前記攪拌研摩手段49の前工程では、機枠
53の上部に接続した流量調節が可能な原料供給筒57
と、該原料供給筒57内底部の前記主軸56に軸着した
供給螺旋58とが設けられる。攪拌摩擦手段49では、
前記主軸56に軸着した攪拌ロール59と、前記主軸5
6の一端から挿通して霧、蒸気又は湿風を供給するノズ
ル60と、前記主軸56に穿設した湿風供給口61と、
前記多孔壁除糠筒54とで構成される。
【0045】前記混合手段50は、前記主軸56に軸着
した攪拌ロール59と、前記盲板55と、前記主軸56
の他端から挿通してカルシウム、マグネシウム、鉄分及
びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を含有し
た白糠を添加するノズル62と、前記主軸56に穿設し
た糠供給孔63とから構成される。
【0046】さらに、コーティング手段51は、前記主
軸56に軸着した攪拌ロール59と、前記多孔壁除糠筒
54と、前記主軸56の他端から挿通して熱風又は蒸気
を吹き付けるノズル64と、前記主軸56に穿設した熱
風供給口65とから構成される。
【0047】また、前記リサイクル手段52は、前記多
孔壁除糠筒54から漏出される白糠を回収するように糠
ホッパー66と、該糠ホッパー66に接続する図7のバ
ッグフィルター46及び吸引ファン47とから構成され
る。符号67は多孔壁除糠筒54と攪拌ロール58との
間に形成される攪拌摩擦室であり、符号68は製品排出
口69に対面させて設けられた抵抗蓋であり、符号70
は多孔壁除糠筒54と攪拌ロール58との間に形成され
るコーティング室である。
【0048】次に、上記構成における作用を説明する。
原料となる精白米又は搗精の過程にある米粒を、原料供
給筒57に投入すると、原料の流量が調節されながら供
給螺旋58に供給される。そして、原料は供給螺旋58
により攪拌摩擦手段49に移送されると、ノズル60か
ら霧、蒸気又は湿風が攪拌摩擦室67に供給され、米粒
表面に付着した遊離糠が軟化し、この遊離糠が切削的に
除去されて水を注ぐだけで炊くことのできる無洗米が形
成される。このとき、遊離糠は多孔壁除糠筒54から漏
出し、糠ホッパー66Bに集められることになる。
【0049】次に、前記無洗米は混合手段50に移送さ
れ、ノズル62からカルシウム、マグネシウム、鉄分及
びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を含有し
た白糠が供給され、攪拌ロール59により米粒と白糠と
が混合されることになる。そして、次工程のコーティン
グ手段51に供給される。
【0050】コーティング手段51では、ノズル64か
ら熱風又は水蒸気が供給される。この熱風又は水蒸気
は、澱粉がアルファー化し、かつ食味に悪影響が及ばな
い温度、例えば、55〜70℃に設定され、栄養素を含
有する白糠が塗(まぶ)した米粒がコーティング室70
に供給される。そして、攪拌ロール59により粒々摩擦
が行われるとともに、白糠がアルファ化して澱粉質とな
る。そして、米粒表面は図3又は図4のようにコーティ
ングされ、製品排出口69から抵抗蓋68に抗して排出
され、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊くことのできる
加工米ができる。この抵抗蓋68の圧力の調整は、米粒
の種類によらず、コーティング室70内の圧力を80g
f/平方センチ以下とすればよい。
【0051】
【実施例】さらに、具体的な実施例により、本発明の詳
細を説明する。精白米1に対し、研摩剤として5〜20
重量%の白糠を混合し、約3分間攪拌混合し、次に、適
宜な除糠装置により白糠を除去して、澱粉層が露出した
図9に示すような無洗米を得た。そして、白糠1に対し
0.6〜1.0重量%のカルシウム粉末を混入したコー
ティング剤を生成し、前記無洗米1に対し2.3〜6.
3重量%のコーティング剤を混合し、更に、55〜70
℃の熱風又は蒸気を吹き付けて米粒表面を被覆した加工
米を得た。
【0052】この加工米100g当たりの白糠の重量は
2.3g〜6.3gであり、カルシウム粉末の重量は1
2.8mg〜23mgである。前述の表1の玄米と比較
しても、カルシウム含有量を上回ることができた。これ
により、カルシウム摂取量の不足分を補うことができ、
骨、歯などを硬組織に保ち、骨粗しょう症などの病気を
克服することができる。
【0053】また、上記実施例のカルシウム粉末ととも
に、マグネシウム粉末を混入すれば、カルシウムの吸収
を促進することができる。また、カルシウムの代わりに
鉄分を混入すれば、血液中のヘモグロビン量を増加さ
せ、貧血を解消することができる。また、ビタミンB1
を混入すれば、脚気を防止することができ、ビタミンB
2を混入すれば、細胞の成長を促進させるとともに、口
内炎などを抑制するのに効果的である。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、水洗する
ことなく水を注ぐだけで炊くことのできる米粒の表面
に、カルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのう
ち、少なくとも1種類の栄養素を添加した白糠を被覆し
たことを特徴とする加工米を提供するので、無機質が極
端に不足した米粒の表面に、カルシウム、マグネシウ
ム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養
素を含有した白糠の極薄のコーティング処理が施され
て、食感がよく、しかも、低コストで得られる栄養価の
高い加工米となる。この加工米は水を注ぐだけで炊くこ
とのできるものとなる。
【0055】また、水洗することなく水を注ぐだけで炊
くことのできる搗精の過程にある米粒の表面に、カルシ
ウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なく
とも1種類の栄養素を添加した白糠を被覆したことを特
徴とする加工米を提供するので、糠層又は胚芽をある程
度残したまま表面を美麗に仕上げた米粒に、カルシウ
ム、鉄分、ビタミンなどの栄養素を含有した白糠の極薄
のコーティング処理が施され、糠層又は胚芽に含まれる
脂質や無機質に加えて、栄養素の含有した白糠のコーテ
ィング処理により栄養価が非常に高く、水を注ぐだけで
炊くことができる加工米となる。
【0056】さらに、前記加工米の製造方法としては、
精白米又は搗精の過程にある米粒に白糠を混合し、該米
粒と白糠とを攪拌研摩することにより米粒に付着する遊
離糠を除去して、水洗作業を不要にして、水を注ぐだけ
で炊くことのできる米粒に加工し、該米粒にカルシウ
ム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくと
も1種類の栄養素を含有した白糠を再度混合するととも
に、米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米粒表面を被覆す
ると、搗精後の米粒と白糠とを混合し、攪拌研摩するこ
とで、米粒表面に付着した遊離糠が白糠に接着されて、
水を注ぐだけで炊くことのできる米粒が形成され、この
米粒にカルシウム、鉄分、ビタミンなどの栄養素を含有
した白糠を混合し、熱風又は蒸気を吹き付けると、白糠
がアルファ化して澱粉質となり、栄養価が高く、水を注
ぐだけで炊くことのできる加工米ができる。
【0057】また、上記製造方法とは別の製造方法とし
ては、精白米又は搗精の過程にある米粒に霧、蒸気又は
湿風を供給して攪拌研摩することにより米粒に付着する
遊離糠を除去して、水洗作業を不要にして、水を注ぐだ
けで炊くことのできる米粒に加工し、該米粒にカルシウ
ム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくと
も1種類の栄養素を含有した白糠を混合するとともに、
米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米粒表面を被覆する
と、無洗米化のための白糠が十分得られない場合でも本
発明の加工米を製造できる。つまり、精白米又は搗精の
過程にある米粒に霧、蒸気又は湿風を供給して攪拌研摩
することにより、米粒表面に付着した遊離糠が軟化し、
この遊離糠が切削的に除去されて水を注ぐだけで炊くこ
とのできる米粒が形成される。この米粒にカルシウム、
鉄分、ビタミンなどの栄養素を含有した白糠を混合し、
熱風又は蒸気を吹き付けると、白糠がアルファ化して澱
粉質となり、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊くことの
できる加工米ができる。
【0058】そして、加工米の製造方法を実施する装置
としては、精白米又は搗精の過程にある米粒に白糠を混
合する第一混合手段と、米粒と白糠とを攪拌研摩する攪
拌研磨手段と、攪拌研摩された米粒と使用済みの白糠と
を分離する分離手段と、分離された米粒にカルシウム、
マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1
種類の栄養素を含有した白糠を再度混合する第二混合手
段と、白糠を混合した米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて
米粒表面を被覆するコーティング手段と、前記分離手段
により分離した白糠を回収し、該白糠を前記第一混合手
段及び前記第二混合手段に供給して白糠を再利用するリ
サイクル手段とを備えると、第一混合手段では精白米又
は搗精の過程にある米粒に白糠が混合され、攪拌研磨手
段では米粒表面の遊離糠が白糠に接着されて、水を注ぐ
だけで炊くことのできる米粒が形成され、分離工程では
米粒と白糠とが分離され、第二混合手段では水を注ぐだ
けで炊くことのできる米粒に、新たにカルシウム、鉄
分、ビタミンなどの栄養素を含有した白糠が塗布され、
コーティング手段では白糠が塗布された米粒に熱風ある
いは蒸気が吹き付けられ、白糠がアルファ化して澱粉質
となり、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊くことのでき
る加工米を製造することができる。そして、リサイクル
手段では分離手段で取り分けた白糠が、第一混合手段及
び第二混合手段に供給されて、白糠の再利用が行われ
る。
【0059】また、上記装置とは別の装置として、精白
米又は搗精の過程にある米粒に霧、蒸気又は湿風を供給
して攪拌研摩する攪拌研摩手段と、攪拌研摩された米粒
にカルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのう
ち、少なくとも1種類の栄養素を含有した白糠を混合す
る混合手段と、白糠を混合した米粒に熱風又は蒸気を吹
き付けて米粒表面を被覆するコーティング手段と、前記
混合手段で混合した白糠を回収し、該白糠を再度前記混
合手段に供給して白糠を再利用するリサイクル手段とを
備えると、攪拌研摩手段では精白米又は搗精の過程にあ
る米粒に霧、蒸気又は湿風を供給して攪拌すると、米粒
表面に付着した遊離糠が軟化し、この遊離糠が切削的に
除去されて水を注ぐだけで炊くことのできる米粒が形成
され、混合手段では水を注ぐだけで炊くことのできる米
粒に、カルシウム、鉄分、ビタミンなどの栄養素を含有
した白糠が塗布され、コーティング手段では白糠が塗布
された米粒に熱風あるいは蒸気が吹き付けられ、白糠が
アルファ化して澱粉質となり、栄養価が高く、水を注ぐ
だけで炊くことのできる加工米を製造することができ
る。そして、リサイクル手段では分離手段で取り分けた
白糠が、混合手段に供給されて、白糠の再利用が行われ
る。
【0060】そして、上記装置は、前記攪拌研摩手段及
び前記コーティング手段を、機枠内に架設した多孔壁除
糠筒を二分して一端側を攪拌研摩手段に、他端側をコー
ティング手段に形成するとともに、前記多孔壁除糠筒内
に回転可能に軸架する主軸を共有にすると、市販の無洗
米を使用することなく、精白米又は搗精の過程のある米
粒から、栄養価が高く、水を注ぐだけで炊くことのでき
る加工米に連続して生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な精米機で常法により歩留92%程度に
搗精した精白米の拡大断面図である。
【図2】残留アリューロン層を取り除いた無洗米の拡大
断面図である。
【図3】本発明の栄養価が高い加工米の拡大断面図であ
る。
【図4】同上の別実施形態を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の加工米の製造方法を実施するための工
程図である。
【図6】同上の別実施形態を示す工程図である。
【図7】本発明の加工米の製造方法を実施するための装
置を示す概略図である。
【図8】同上の別実施形態を示す該略図である。
【図9】本発明の実施例を示す図面代用写真である。
【図10】本発明の実施例を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
1 精白米 2 残留アリューロン層 3 澱粉質 4 白糠粒子 5 澱粉質表面 6 無洗米 7 コーティング層 8 加工米 9 コーティング層 10 加工米 11 糠層 12 加工米製造装置 13 第一混合手段 14 攪拌研摩手段 15 分離手段 16 第二混合手段 17 コーティング手段 18 リサイクル手段 19 機枠 20 多孔壁除糠筒 21 主軸 22 供給筒 23 供給螺旋 24 白糠添加装置 25 供給樋 26 攪拌ロール 27 攪拌研摩室 28 除糠室 29 米粒排出口 30 抵抗板 31 混合流路 32 白糠供給筒 33 横送スクリュー 34 上送スクリュー 35 多孔壁除糠筒 36 攪拌ロール 37 コーティング室 38 除糠室 39 製品排出口 40 抵抗板 41 噴風ファン 42 掻き出し翼 43 熱供給路 44 回収管路 45 回収管路 46 バッグフィルター 47 吸引ファン 48 供給管 49 攪拌研摩手段 50 混合手段 51 コーティング手段 52 リサイクル手段 53 機枠 54 多孔壁除糠筒 55 盲板 56 主軸 57 原料供給筒 58 供給螺旋 59 攪拌ロール 60 ノズル 61 湿風供給口 62 ノズル 63 糠供給孔 64 ノズル 65 熱風供給口 66 糠ホッパー 67 攪拌摩擦室 68 抵抗蓋 69 製品排出口 70 コーティング室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B018 LB10 MD01 MD04 MD06 MD23 ME02 MF08 MF14 4B023 LC09 LE02 LE04 LK01 LK11 LP02 LP04 LP20 LT52 LT54 LT56 LT65 4D043 DA06 DB02 DB08 DH15 DH17 DH34 DH62 DH68 DH71 DH73 DH76 DH79

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水洗することなく水を注ぐだけで炊くこ
    とのできる米粒の表面に、カルシウム、マグネシウム、
    鉄分及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を
    添加した白糠を被覆したことを特徴とする加工米。
  2. 【請求項2】 水洗することなく水を注ぐだけで炊くこ
    とのできる搗精の過程にある米粒の表面に、カルシウ
    ム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくと
    も1種類の栄養素を添加した白糠を被覆したことを特徴
    とする加工米。
  3. 【請求項3】 精白米又は搗精の過程にある米粒に白糠
    を混合し、該米粒と白糠とを攪拌研摩することにより米
    粒に付着する遊離糠を除去して、水洗することなく水を
    注ぐだけで炊くことのできる米粒に加工し、該米粒にカ
    ルシウム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少
    なくとも1種類の栄養素を含有した白糠を再度混合する
    とともに、該米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米粒表面
    を前記白糠で被覆する請求項1又は2記載の加工米を製
    造するための製造方法。
  4. 【請求項4】 精白米又は搗精の過程にある米粒に霧、
    蒸気又は湿風を供給して攪拌研摩することにより米粒に
    付着する遊離糠を除去し、水洗することなく水を注ぐだ
    けで炊くことのできる米粒に加工し、該米粒にカルシウ
    ム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくと
    も1種類の栄養素を含有した白糠を混合するとともに、
    該米粒に熱風又は蒸気を吹き付けて米粒表面を前記白糠
    で被覆する請求項1又は2記載の加工米を製造するため
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 精白米又は搗精の過程にある米粒に白糠
    を混合する第一混合手段と、米粒と白糠とを攪拌研摩す
    る攪拌研磨手段と、攪拌研摩された米粒と使用済みの白
    糠とを分離する分離手段と、分離された米粒にカルシウ
    ム、マグネシウム、鉄分及びビタミンのうち、少なくと
    も1種類の栄養素を含有した白糠を再度混合する第二混
    合手段と、白糠を混合した米粒に熱風又は蒸気を吹き付
    けて米粒表面を被覆するコーティング手段と、前記分離
    手段により分離した白糠を回収し、該白糠を前記第一混
    合手段及び前記第二混合手段に供給して白糠を再利用す
    るリサイクル手段とを備えてなる請求項3記載の製造方
    法を実施するための装置。
  6. 【請求項6】 精白米又は搗精の過程にある米粒に霧、
    蒸気又は湿風を供給して攪拌研摩する攪拌研摩手段と、
    攪拌研摩された米粒にカルシウム、マグネシウム、鉄分
    及びビタミンのうち、少なくとも1種類の栄養素を含有
    した白糠を混合する混合手段と、白糠を混合した米粒に
    熱風あるいは蒸気を吹き付けて米粒表面を被覆するコー
    ティング手段と、前記混合手段で混合した白糠を回収
    し、該白糠を再度前記混合手段に供給して白糠を再利用
    するリサイクル手段とを備えてなる請求項4記載の製造
    方法を実施するための装置。
  7. 【請求項7】 前記攪拌研摩手段及び前記コーティング
    手段は、機枠内に内設した多孔壁除糠筒を二分して一端
    側を攪拌研摩手段に、他端側をコーティング手段に形成
    するとともに、前記多孔壁除糠筒内に回転可能に軸架す
    る主軸を共有にしてなる請求項5又は6記載の製造方法
    を実施するための装置。
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