JP2000239407A - 光拡散性及び色調に優れた照明カバー用樹脂シート - Google Patents

光拡散性及び色調に優れた照明カバー用樹脂シート

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JP2000239407A
JP2000239407A JP3964599A JP3964599A JP2000239407A JP 2000239407 A JP2000239407 A JP 2000239407A JP 3964599 A JP3964599 A JP 3964599A JP 3964599 A JP3964599 A JP 3964599A JP 2000239407 A JP2000239407 A JP 2000239407A
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resin
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resin sheet
sheet
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Hiroyuki Hirano
弘幸 平野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照用カバー材料において、光源が発する光を
有効に透過および拡散させ、かつ各種光源において点灯
および消灯時に、その色調を損なわずに各種光源に共通
して使用できる、色調に優れた光源保護カバー用シー
ト、およびその成形体を提供する。 【解決手段】 特定の酸化チタンと粒子状光拡散剤とを
併用し、透明樹脂にこれらが均一分散してなるシート、
およびその成形体で、全光線透過率、およびJIS−Z
8720に準じた標準光源を用いて測定した色度座標を
特定の範囲に規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明カバー部材と
それを成形した照明カバーに関し、詳しくは光透過性と
光拡散性のバランスを満足し、且つ各種色調の光源に於
いて点灯時に本来の光源の色調を損なう事無く、又消灯
時に好ましい白色で、存在感が強く無い照明用カバー用
樹脂シートとそれを成形した照明カバーに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光源からの光を充分に透過し、かつ均一
に拡散して直接光源が観察者の目に触れるのを防止する
光源保護カバーを用いた例として、家庭用及び施設用照
明カバー、各種ディスプレイ、表示用看板等が挙げられ
る。従来より、これらの部材に関しては、任意の形状に
成形する事ができ、かつ光源の光量をより透過及び拡散
させる機能が要求されており、透明樹脂中に屈折率の異
なる微粒子を分散させた高透過高拡散性材料の検討が行
われてきた。
【0003】例えば、メタクリル樹脂中にガラス等の無
機粉末を分散させた樹脂組成物(特開昭54−1552
44号公報)や、透明樹脂に特定の構造と粒径を有する
ポリシロキサン結合をなす固体状のシリコーン樹脂を含
有させた樹脂板(特開平1−172801号公報)が示
されている。又、透明性樹脂に光拡散剤及び染顔料濃度
の規定で光線透過率、光拡散性を調整する照明用樹脂板
状体(特開平6−111612号公報)、及び透過色調
を規定した白色蛍光灯用カバー用光拡散板(特開平9−
306217号公報)が示されている。
【0004】さらに、本発明者らが先に提示した光源保
護カバー用色調シート(特開平9−14989号公報)
は、各種の本来の光源の色調を損なう事がなく、且つ光
透過性と光拡散性に優れた樹脂シートである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術によ
り開示されている光拡散性樹脂部材は、光源保護カバー
として光源の光を最大限に利用し、かつ光源のイメージ
が透けずに均一な明るさを持つ面を得る事か、又は光源
保護カバー材料としての色調に関する検討が中心であ
り、両者を合わせ持つ検討は行われていない。つまり、
前述の特開昭54−155244号公報、特開平1−1
72801号公報では材料の色調はいわゆる乳白色であ
るが、光源カバーとして使用すると、光源点灯時に本来
の光源の色調が変化し、また光源を消灯すると内部の光
源の影を映し出して黒ずんでみえるなど、点灯及び消灯
時に色調が損なわれ外観上好ましくないという問題があ
った。
【0006】近年の照明器具は、エネルギーの有効活用
で低電力高輝度タイプの光源の使用が進んでいるが、同
時に快適な空間を創り出す手段として注目されており、
室内インテリアとの調和、ギャラリー施設や店舗での演
出、建造物のライトアップによる景観向上等、生活環境
を豊かにする商品として位置付けられている。特に、演
色性の高い照明に対するニーズは高く、各種色調を有す
る光源が豊富に提示されており、これらの光源の色調を
損なう事がない光源保護カバー材料が求められている。
【0007】前述の特開平6−111612号公報では
光透過性と光拡散性、特開平9−306217号公報で
は、透過色について個別には示されているが、光透過性
と光拡散性のバランスを満足し、且つ各種色調の光源の
点灯時に本来の光源の色調を損なう事無く、又消灯時に
好ましい白色で、特に室内において周りと良く調和し、
その存在感が強く無いという、そのいずれもを満足する
照明用カバー部材とそれを成形した照明カバーに関して
は開示されていない。
【0008】特開平9−14989号公報は、各種の本
来の光源の色調を損なう事がなく、且つ光透過性と光拡
散性に優れた樹脂シートであるが、特に前者に重きを置
いた技術であった。本発明は、光学特性に優れた樹脂シ
ート、及び該樹脂シートを成形した照明カバー成形体に
関し、詳しくは光透過性と光拡散性のバランスを満足
し、且つ各種色調の光源に於いて本来の光源の色調を損
なう事がなく、かつ光透過性と光拡散性に優れた照明カ
バーを提供する事にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため鋭意検討した結果、透明性樹脂に特定の顔料
と拡散剤を併用し、これらが均一に分散してなる樹脂シ
ートに於いて、全光線透過率と光拡散率、及びJIS−
Z8720で規定された2種類の標準光源(A、C)を
用いて測定した透過光の色度座標に特定の関係があり、
更にその関係に適合した場合にのみ、光透過性と光拡散
性のバランスを満足し、且つ各種色調の光源に於いて本
来の光源の色調を損なう事がない、優れた照明カバー用
シートが得られる事を見出し、本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明は透明性樹脂に、ルチル結晶
型酸化チタンと粒子状光拡散剤が均一に分散しており、
粒子状光拡散剤はシリコーン、硫酸バリウム、炭酸カル
シウム、架橋透明性樹脂から選ばれる少なくとも一種以
上であって全光線透過率と光拡散率の関係に於いて全光
線透過率をX、光拡散率をYとしたとき、X、Yが各々
下記式(1)〜(3)の範囲であり、 40<X<70 (1) Y≦−0.66X+121 (2) Y≧−0.49X+89 (3) JIS−Z8720で規定された標準光源を用いて透過
光の色度座標を測定した場合、各々の光源での測定値が
全て下記式(4)、(5)を同時に満足する照明カバー
用樹脂シートである。
【0011】|xL −xT |≦0.015 (4) |yL −yT |≦0.02 (5) (但し、xL 、yL は標準光源の色度座標、xT 、yT
は樹脂シートの透過光の色度座標を表す。) 上記発明に於いて、顔料のルチル結晶型酸化チタン、及
び粒子状光拡散剤のシリコーン、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、架橋透明性樹脂から選ばれる少なくとも一種
以上の種類、量を適宜決定する事で、JIS−Z872
0で規定された標準光源を用いて反射光の色度座標を測
定した場合、各々の光源での測定値が全て下記式
(6)、(7)を同時に満足する場合更に好ましい。
【0012】|xL −xR |≦0.03 (6) |yL −yR |≦0.035 (7) (但し、xL 、yL は標準光源の色度座標、xR 、yR
は樹脂シートの反射光の色度座標を表す。) また、本発明に於いては上記透明性樹脂としてメタクリ
ル樹脂、又はMS樹脂が好ましく、顔料のルチル結晶形
酸化チタンは平均粒径が0.1〜1μmで、且つその表
面がアルミニウム化合物、及び次のグループの亜鉛化合
物、珪素化合物から選ばれた1種以上でコートされてい
るものであり、粒子状光拡散剤としては平均粒径が0.
1〜50μmのシリコーン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、架橋透明性樹脂から選ばれる少なくとも一種以上
のものが、均一に分散して含有する事が好ましく適用さ
れる。更に、本発明は上記樹脂シートを、角形、丸形、
ドーム状等に成形してなる照明カバーに、好ましく適用
される。
【0013】本発明に用いられる透明樹脂とは、JIS
K−7105に準じて測定した曇り度が10%以下と
なる物質として定義される。具体的にはメタクリル樹
脂、MS樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹
脂等が挙げられる。特に好ましく採用されるものは、メ
タクリル樹脂、MS樹脂である。本発明で用い得るメタ
クリル樹脂は、メタクリル酸メチルを主体とする樹脂が
挙げられ、これにはメチルメタクリレートの単独重合
体、又はメチルメタクリレートとメチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニ
トリル、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシア
クリレート、無水マレイン酸、α−メチルスチレンなど
の共重合可能なモノマーのいずれか一つ以上との共重合
体などが含まれる。これらは単独で用いてもよいしブレ
ンドしてもよい。透明性を維持して耐衝撃性を同時に持
たせるためには、メタクリル系ゴム弾性体を配合した耐
衝撃性メタクリル樹脂が用いられ、そのメタクリル系ゴ
ム弾性体は特開昭53−58554号公報、同55−9
4917号公報、同61−32346号公報等に開示さ
れている。簡単に説明すると、メタクリル系重合体芯材
料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生成させる多
段階逐次重合法により製造される多段重合体である。
【0014】本発明に用い得るMS樹脂は、メチルメタ
クリレートとスチレンの共重合体を主体とする樹脂を示
すが、上記メタクリル樹脂で例示した様な共重合可能な
モノマーのいずれか一つ以上が加わった多元共重合体な
ども含まれる。MS樹脂全体を100部としたとき、メ
チルメタクリレートの割合が60部を越えるものが耐光
性が良好でより好ましい。
【0015】酸化チタンは、一般的に白色に着色する為
の顔料として、その優れた白色性と隠蔽性から各種の塗
料、プラスチックに使用されている。中でもルチル結晶
型酸化チタンは耐光性が高く、照明用途の様な耐久性を
要求される分野に於いて賞用されている。着色顔料とし
て使用する場合に、その分散性が大きな問題となり、顔
料粒子の分散が不足すると、又は粒子が二次凝集する
と、本来持っている着色機能を充分発現できないばかり
か、製品表面の光沢を悪くし、著しい場合は製品表面に
ブツ状の欠陥を生じさせるので好ましく無い。
【0016】酸化チタン粒径が0.01〜0.1μmの
範囲にある場合には、前記のブツ状表面欠陥現象は殆ど
見られないが、その粒径が0.1〜1μmの範囲の酸化
チタンの場合、その表面を適当な物質でコートして分散
性を高くする事が好ましい。本発明に使用する酸化チタ
ンはルチル結晶型酸化チタン(TiO2)で、アルミニ
ウム化合物及び次のグループ、即ち亜鉛化合物、珪素化
合物から選ばれた1種以上で表面がコートされ、TiO
2成分として90%以上のものが優れた耐光性、白色
度、及び分散性を兼ね備えているので最も好ましい。
【0017】本発明の粒子状光拡散剤であるシリコーン
は、一般にシリコーン樹脂と呼ばれるポリオルガノシル
セスキオキサン樹脂、又は一般にシリコーンゴムと呼ば
れる線状オルガノポリシロキサンブロックを有しゴム弾
性をもつシリコーン硬化物、又は当該シリコーンゴム粒
子の表面に先のシリコーン樹脂を被覆してなるもの、及
びこれらの混合物を示す。
【0018】硫酸バリウム、炭酸カルシウムは汎用の無
機系光拡散剤であり、アクリル樹脂系、MS系、スチレ
ン系等の架橋透明性樹脂も光拡散剤として良く知られて
おり、これらの粒子状光拡散剤を混合して使用しても差
し支え無い。併用する光拡散性微粒子の重量平均粒径が
0.1〜50μmの範囲にある場合、透明樹脂中にて各
粒子の界面における可視光線の屈折、反射が有効に生
じ、光透過性と光拡散性に優れた光源保護カバー用シー
トが得られる点で好ましい。
【0019】本発明に用いられるルチル結晶型酸化チタ
ン、及び粒子状光拡散剤の粒径分布は、公知の光透過式
沈降粒度分布測定法等により測定し、得られる分布から
重量平均粒径を求める事ができる。重量平均粒径が所期
の範囲に入らない場合は、粒子を分級して前記範囲に入
るようにして使用する事ができる。本発明に用いられる
粒子状光拡散性剤としては、その他に沸化カルシウム、
沸化カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、結晶形シリカ、不定形シリ
カ、ガラスフレーク、ガラス繊維、アルミナ、マイカ、
タルク、クレー等の無機物質粒子等が挙げられ、これら
を組合せで使用しても良い。
【0020】本発明に用いられるルチル結晶型酸化チタ
ン粒子は、透明樹脂100重量部に対して0.005〜
0.1重量部、粒子状光拡散性剤は、透明樹脂100重
量部に対して一種類以上の粒子状光拡散剤の合計含有量
が0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量
部である。この範囲にある時、透明樹脂中に分散させた
時の光学特性、特に全光線透過率を極端に低下させる事
なく色調の調整が可能となり、好ましい照明カバー用樹
脂シートが得られる。
【0021】本発明に於いては、公知の蛍光増白剤を透
明樹脂中に含有させると、上記白色系微粒子との併用効
果によって色調が更に安定し、各種光源にて本来の色調
を発現する点で推奨される。該蛍光増白剤の含有量は、
透明樹脂100重量部に対して0.001〜0.1重量
部の範囲にある事が好ましい。さらに公知のブルーイン
グ剤を、透明樹脂100重量部に対して0.00000
5〜0.0002重量部含有させ、色調を調整する事も
任意に可能である。
【0022】本発明に於ける光源保護カバー用シートの
構造は、透明樹脂と上記ルチル結晶型酸化チタン、粒子
状光拡散剤とから成る単層構造でも良いし、該単層シー
トを基材層(A)としてその片面もしくは両面に透明樹
脂から成る表面層(B)が構成された多層構造も好まし
く適用される。透明樹脂から成る表面層(B)で、該シ
ートの色調を微調整する事ができる点や、表面層(B)
に帯電防止性、表面艶消し性、表面光沢性、耐溶剤性、
防曇性等の機能を付与する事で、該シートの本来的な物
理的性能を大幅に変える事無く高機能化できる点で好ま
しい。
【0023】上記表面層の透明樹脂は、光源保護カバー
に使用した時の表面の質感や高級感に優れ、かつ加工性
に優れるという点で、メタクリル樹脂、又はMS樹脂が
好ましく用いられる。上記基材層(A)と表面層(B)
の厚みの比率構成は、シート全体の厚みを1とした場
合、基材層(A)の厚みは0.5以上が好ましく、0.
7以上であれば更に好ましい。全シート厚みに対する基
材層の厚みの比率がこの範囲にあれば、基材層の色調お
よび光学特性により光源保護カバー用シートの特性が決
定され、層構造にとらわれる事なく多種多様な光源保護
カバー用シートの設計が可能である。
【0024】光源保護カバーシートの厚さは、0.1〜
5mmの範囲が好ましく、0.1mm未満では該シート
の強度が低く問題となり、5mmを越えると重量が大き
くなる事から装着が困難になる事等の不都合があり好ま
しく無い。本発明に於ける光源保護カバー用シートの製
造方法は、透明樹脂中にルチル結晶型酸化チタン、粒子
状光拡散剤が均一に分散する方法が好ましく、例えば重
合性単量体もしくは部分重合した重合性単量体のシラッ
プ中に該粒子を分散させて重合する方法、又は予め重合
しておいた透明樹脂に該粒子を混合・溶融混練して押出
す方法等により得る事ができる。
【0025】平滑、波形、プリズム形等のシートを得る
には、Tダイによる押出シート成形法が代表例として挙
げられる。当該シートは、真空成形、圧空成形等の方法
により二次加工し、光源保護カバーとして使用する事が
できる。更に、異形ダイによる異形押出成形、ブロー成
形、射出成形、圧縮成形等の方法でも光源保護カバー用
シートを得る事ができる。
【0026】多層構造のシートを得るには、二種類以上
の樹脂組成物を同時に溶融し押し出す共押出成形方法、
二種類の樹脂組成物の一方を単層押出しながら予め成形
された他方をラミネートする方法、二種類の樹脂組成物
を予め成形した後プレスして熱圧着する方法、連続的に
重ねて貼り合わせる方法、真空成形、圧空成形時に積層
する方法等がある。
【0027】本発明に於ける光源保護カバー用シートに
は、その色調、光学特性、及びその他物性を損なわない
範囲において他の成分、例えば充填剤、マット化剤、離
型剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、可塑剤等の添加剤をシート原料の製造時やシートの
成形時等に、任意の過程において含有させることができ
る。
【0028】本発明に於いて、全光線透過率はJIS−
K7105法に準じ、又光拡散率はDIN−5036法
に準じて測定する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、実施例、比較例で本発明を
具体的に説明する。各実施例、比較例で用いた評価及び
試験方法は次の通りである。なお、配合量はすべて重量
部を示す。 (1)全光線透過率の評価:JIS−K7105法に準
じて、日本電色工業社製1001−DP型ヘイズメータ
ーを用いて、測定する。 (2)光拡散率の評価:DIN−5036法に準じ、光
源に対し広い範囲の拡散光量を測定する事で、照明カバ
ー適性について詳細に評価する。即ち、オプテック社製
ゴニオフォトメーターを用い、平行光束径30mmφ、受
光部光束径10mmφの条件で出射角度5度、20度、7
0度の各拡散光量を測定し、下記式により光拡散率を算
出する。 光拡散率(%)={(20度の拡散光量+70度の拡散
光量)/5度の拡散光量×2}×100 (3)色度座標の測定:JIS−Z8722法に準じ
て、東京電色工業社製TC−1800型オートマチック
カラーアナライザーを用いて、標準光源の色度座標
L 、yL と、シート試験片の透過光の色度座標xT
T 、及び反射光の色度座標xR 、yR を測定する。標
準光源にはA光源、C光源の二種類を用いて評価を実施
する。評価結果を簡略に表現するために、各々の色度座
標の差の絶対値を ΔxT =|xL −xT | ΔyT =|yL −yT | ΔxR =|xL −xR | ΔyR =|yL −yR | として示す。 (4)蛍光ランプの実装評価:JIS−C7601で規
定された一般照明用蛍光ランプ二種(電球色(L)、昼
白色(N))にシート試験片を実装し、ランプを点灯及
び消灯させた時の色調、及び蛍光ランプの輪郭が透けて
見えるイメージの強弱を目視で評価する。評価結果に於
いて、○印は点灯及び消灯時の何れも蛍光ランプの色調
を損なわない状態、及び前述のランプの輪郭があまり透
けて見えずイメージが比較的弱い状態を表す。
【0030】×印は点灯又は消灯時のどちらかで蛍光ラ
ンプの色調が変化してしまう状態、及びランプの輪郭が
透けて見えイメージが比較的強い状態を表す。二種類の
ランプ全てに問題なく使用できる状態の場合、判定を
◎、一状態でも使用上の問題がある場合、判定を×とす
る。 (5)ルチル結晶型酸化チタン、及び光拡散性微粒子の
粒径分布の測定:粒子を界面活性剤水溶液中に超音波で
分散させ、遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所社
製 CAPA−700型)を用いて、光透過式沈降粒度
分布測定法により粒径分布を測定する。得られた粒径分
布から、重量平均粒径Ddを求める。
【0031】光源保護カバー用シート原料の調整は表1
に示した通りに、透明性樹脂としてメタクリル樹脂(商
品名 デルパウダ70H、旭化成工業(株)製)、粒子
状のルチル結晶型酸化チタン、粒子状光拡散剤、及びそ
の他成分を配合し、タンブラーを用いて均質に混合後ベ
ント付き押出機30mmφ二軸押出機にて樹脂温度25
0℃で溶融混練してペレット化し、シート原料A1〜A
6を得る。
【0032】同様に、表2に示した通りに、メタクリル
樹脂(商品名 デルパウダ70H、旭化成工業(株)
製)と、その他成分を配合し、タンブラーを用いて均質
に混合後ベント付き押出機30mmφ二軸押出機にて樹
脂温度250℃で溶融混練してペレット化し、原料B1
を得る。表1で使用した酸化チタンは、富士チタン工業
(株)製でTR840は平均粒径0.37μmで、酸化
アルミニウム(Al23)、酸化亜鉛(ZnO)、及び
酸化珪素(SiO2)で表面コートされTiO2成分が9
4%、又TR900は平均粒径0.34μmで、酸化ア
ルミニウム(Al23)、と酸化亜鉛(ZnO)で表面
コートされTiO2成分が95%でありいずれもルチル
型酸化チタンである。また粒子状光拡散剤で、シリコー
ン樹脂−1は東芝シリコーン(株)製の商品名トスパー
ル2000Bで、平均粒径は6μmである。
【0033】炭カル−1は重質炭酸カルシウムで銅和鉱
業(株)製の商品名ACE35で平均粒径2μm、炭カ
ル−2は同じく重質炭酸カルシウムで同社製商品名AC
E25で平均粒径1.5μmのものである。硫酸バリウ
ムは日本化学工業(株)製の商品名AD沈降性硫酸バリ
ウムで平均粒径3μmを示す。
【0034】その他成分の、ブルーイング剤−1は三菱
化学(株)製ダイアレジンブルーN、ブルーイング剤−
2はバイエル(株)製マクロレックスバイオレットB
を、又増白剤は住友化学(株)製の蛍光増白剤商品名ホ
ワイトフローHCSを示す。表2のその他成分で、タル
ク粉は日本タルク(株)製の商品名NTX−A174
で、シリコーン樹脂−2は東芝シリコーン(株)製の商
品名トスパール120(平均粒径2μm)、増白剤は、
住友化学(株)製の蛍光増白剤商品名ホワイトフローH
CSを示す。
【0035】
【実施例1】表1に示したシート原料A1を用い、押出
機(スクリュー径50mmφ、L/D=32、単軸)と
シートダイ、及びポリッシングロール3本から成るシー
ト成形機により、幅280mmのシートを作成する。シ
ートの厚みは押出機の押し出し量とシート引き取りスピ
ード、及びポリッシングロールのクリヤランス調整によ
り2mmとする。得られたシートは表面が艶やかで、且
つ表面ブツ等欠陥の見られない良好なものである。
【0036】
【実施例2】シート原料としてA2を用いる他は実施例
1と同様にシートを作成する。
【0037】
【実施例3】実施例1で使用したシート成形ユニットの
押出機を第一押出機とし、これに第二押出機(スクリュ
ー径25mmφ、L/D=32、単軸)、及びフィード
ブロックを連結し、共押出法による2種3層シート成形
を行う。第一押出機には基材層としてシート原料A3を
用い、第二押出機には表層としてシート原料B1を用い
る。得られるシートは基材層の両面に表層が積層された
構成で、各層の厚みは第一、第二押出機の押し出し量バ
ランスで調整する。こうして、表層は各30μm、全体
の厚みは2mmのシートを得る。
【0038】
【比較例1〜3】シート原料としてA4(比較例1)、
A5(比較例2)、A6(比較例3)を用いる他は実施
例1と同様にシートを作成する。
【0039】
【比較例4】実施例1で使用した原料の内、酸化チタン
を平均粒径は同じであるが表面コートの無いものに替え
て同じくシートにした所、押し出し時にシートダイのリ
ップ部に目ヤニ状の異物が堆積し、シート表面にこの異
物が起因のライン状の欠陥が発生した。さらに、得られ
たシートの表面にはブツ状の欠陥が見られ、品質を損ね
ている。
【0040】以上により得られた実施例1〜3、比較例
1〜3のシートの光透過性と拡散性、色調、及び蛍光ラ
ンプ装着の各評価結果を表3〜表5にまとめて示す。実
施例1〜3のシートは、いずれも本発明に規定する範囲
に入っており、光学特特性と色調のバランスが非常に優
れている。すなわち表3に示す通り全光線透過率が40
%を超え70%未満で、又光拡散率は各々の全光線透過
率をXとして、式−0.66X+121から求めた数値
(表3ではYHと表記)、及び式−0.49X+89か
ら求めた数値(表3ではYLと表記)範囲にあり、且つ
標準光源と試験片の透過光の色度差は何れの光源に於い
ても表4に示す通り、ΔxT ≦0.015、ΔyT
0.02の範囲内にあり好ましい。
【0041】また、実施例3に於いては反射光の色度差
も何れの光源に於いてもΔxT ≦0.03、ΔyT
0.035の範囲内にあり非常に好ましい。また、表5
に示す様に、蛍光ランプ二種何れを用いてもその色調を
損なう事がなく各々のランプに問題なく使用でき、ラン
プイメージも弱く良好で判定は◎である。
【0042】実施例3では共押出の際表層にマット化剤
であるタルクを配合している事から、シート表面が艶消
しマット状態を呈しており、外光の表面反射による照り
返しの少ない風合いの優れた照明用光拡散シートとなっ
ている。比較例1では、全光線透過率、光拡散率は本発
名に規定する範囲に入っているが、C光源に於いて標準
光源と試験片の透過光の色度差ΔyT が≦0.02の範
囲に入らず好ましくない。さらに、反射光に於いてC光
源でΔyR が本発明に規定する範囲に入らず好ましくな
い。
【0043】また、N色蛍光ランプに設置した場合、そ
の色調が損なわれるので、判定は×となり好ましくな
い。比較例2では、光拡散率が本発明に規定の範囲に入
っておらず、ランプイメージが強い事から好ましく無
い。比較例3では、比較例2と同様に光拡散率が範囲に
入っておらず、ランプイメージが強い事、及びC光源透
過光でΔxT が範囲に入っていない為、好ましく無い。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【発明の効果】本発明によって得られる照明カバー用樹
脂シート、及びこれを成形して照明カバーとしたもの
は、光源が発する光を有効に透過及び拡散させ、かつ各
種光源に於いて点灯時及び消灯時にその色調を損なわな
ず、各種光源に共通して使用できるため極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/04 C08L 83/04 101/12 101/12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性樹脂に、ルチル結晶型酸化チタン
    と粒子状光拡散剤が均一に分散しており、粒子状光拡散
    剤はシリコーン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、架橋
    透明性樹脂から選ばれる少なくとも一種以上であって、
    全光線透過率と光拡散率の関係に於いて全光線透過率を
    X、光拡散率をYとしたとき、X、Yが各々下記式の範
    囲であり、 40<X<70 (1) Y≦−0.66X+121 (2) Y≧−0.49X+89 (3) JIS−Z8720で規定された標準光源を用いて透過
    光の色度座標を測定した場合、各々の光源での測定値が
    全て下記式(4)、(5)を同時に満足する事を特徴と
    する照明カバー用樹脂シート。 |xL −xT |≦0.015 (4) |yL −yT |≦0.02 (5) (但し、xL 、yL は標準光源の色度座標、xT 、yT
    は樹脂シートの透過光の色度座標を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂シートに於いて、
    更にJIS−Z8720で規定された標準光源を用いて
    反射光の色度座標を測定した場合、各々の光源での測定
    値が全て下記式(6)、(7)を同時に満足する事を特
    徴とする照明カバー用樹脂シート。 |xL −xR |≦0.03 (6) |yL −yR |≦0.035 (7) (但し、xL 、yL は標準光源の色度座標、xR 、yR
    は樹脂シートの反射光の色度座標を表す。)
  3. 【請求項3】 透明性樹脂がメタクリル系樹脂又はMS
    樹脂であり、ルチル結晶型酸化チタンの平均粒径が0.
    1〜1μmで、かつその表面がアルミニウム化合物及び
    次のグループの亜鉛化合物、珪素化合物から選ばれた1
    種以上でコートされており、粒子状光拡散剤の粒径が
    0.1〜50μmで、かつシリコーン、硫酸バリウム、
    炭酸カルシウム、架橋透明性樹脂から選ばれる少なくと
    も一種以上である事を特徴とする請求項1〜2に記載の
    照明カバー用樹脂シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の樹脂シートを成形
    してなる照明カバー成形体。
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