JP2000234217A - 原着ポリエステル繊維 - Google Patents

原着ポリエステル繊維

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JP2000234217A
JP2000234217A JP3271599A JP3271599A JP2000234217A JP 2000234217 A JP2000234217 A JP 2000234217A JP 3271599 A JP3271599 A JP 3271599A JP 3271599 A JP3271599 A JP 3271599A JP 2000234217 A JP2000234217 A JP 2000234217A
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吉宏 近野
Yoshitaka Aranishi
義高 荒西
Hiroshi Takahashi
洋 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な物理特性を有しながら日光に暴露しても
色褪せがなく、染織品が鮮明で、ソフト感があり、かつ
生分解性を有する原着ポリエステル繊維を提供する。 【解決手段】融点が130℃以上の脂肪族ポリエステル
を主体とするポリエステル系繊維に、1〜6重量%の着
色剤を含有させた原着ポリエステル繊維であり、着色剤
としては、カーボンブラックを代表とする顔料が好まし
く用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原着ポリエステル
繊維に関するものである。更に詳しくは、本発明は、染
色を必要としない原着ポリエステル繊維であり、特に染
色が困難な非衣料用途で有用な原着脂肪族ポリエステル
繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
る芳香族ポリエステル繊維は物理特性に優れており、衣
料用途や非衣料用途で広く使用されている。しかしなが
ら、染色した繊維は耐候性が悪く、特に日光に暴露して
使用する用途では色が褪せてしまう欠点があった。更
に、ポリエチレンテレフタレートは屈折率が高いため、
染色した繊維あるいは原着繊維は、他の屈折率の低い繊
維に比較して鮮明性が得られない欠点がある。
【0003】これらの欠点を改善すべく、ポリエチレン
テレフタレートの耐候性を改善することが、例えば特開
昭51−144488公報で提案されている。これは黒
原着の色目改善に関する提案であり、これにより耐候性
および色目改善は達成できたが、屈折率が高いために、
原着繊維の鮮明性改善には効果がなかった。
【0004】一方、鮮明性改善を目的にポリエチレンテ
レフタレート繊維にイオン染料を適用することによっ
て、鮮明性を改善する技術が、例えば、特公昭34−1
0497号公報で提案されている。この提案によって、
鮮明性の向上は認められたが、他の繊維に比較してなお
十分な鮮明性を得るには至らなかった。
【0005】更に、近年とみに地球環境保全の機運が高
まっているが、3大合繊と言われるポリエチレンテレフ
タレートに代表されるポリエステル繊維、ナイロン繊維
およびアクリル繊維は、いずれも自然界での分解性能を
有していない。従って、自然界で分解してガス化する、
いわゆる生分解性繊維の開発が近年盛んに行われるよう
になり、数多くの提案がある。例えば、特開平3−25
9029号公報には、組成をポリグリコール酸に限定し
た生分解性釣り糸が記載されている。しかしながらこの
提案によって、生分解性は達成できたものの、本発明の
目的である物理特性を維持しつつ耐候性がよく、色の鮮
明性が良好な繊維を得ることはまだ解決されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル系繊維本来の良好な物理特性を有しながら、日
光に暴露しても色褪せがなく、鮮明性が良好でソフト感
があり、しかも生分解性をも有する原着ポリエステル繊
維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、融点が
130℃以上の脂肪族ポリエステルを主体とするポリエ
ステル系繊維であって、0.5〜6重量%の着色剤を含
むことを特徴とする原着ポリエステル繊維によって達成
される。
【0008】本発明においては、原着ポリエステル繊維
の鮮明性を向上させるために、屈折率を1.50以下の
脂肪族ポリエステルを使用すること、黒発色性を向上す
るために顔料に含有するカーボンブラックの割合を30
重量%以上とすること、光沢とソフト性を向上し、軽量
性をするために非円形断面のポリエステル系繊維を用い
ることができ、また繊維長3〜150mmのような短繊
維の原着ポリエステル繊維として使用することも好まし
い態様として含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の原着ポリエステル繊維に
は、融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルを主体とす
るポリエステル系繊維が使用される。ここで脂肪族ポリ
エステルを主体とするとは、ポリエステル系繊維の80
重量%以上が脂肪族ポリエステルから形成されているこ
とを意味するものであり、脂肪族ポリエステルの割合を
80重量%以上とすることによって本発明の目的である
ソフト性、発色性と生分解性を向上することができる。
【0010】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル
は、DSC測定で得られる溶融ピークのピーク温度が13
0℃以上であれば特段の制約はなく、ポリ乳酸、ポリ−
3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシ
ブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレートバリレー
ト、およびこれらのブレンド物、変性物等を用いること
ができる。これらの脂肪族ポリエステル類は、生物分解
性或いは加水分解性が高いため、自然環境中で容易に分
解されるという利点を有している。
【0011】光沢の良好な繊維を得るためには、脂肪族
ポリエステルの屈折率は1.50以下であることが望まし
く、より好ましくは1.45以下である。
【0012】本発明において、高融点および低屈折率の
観点から最も望ましい脂肪族ポリエステルとしては、L
−乳酸を主成分とするポリエステルを挙げることができ
る。L−乳酸を主成分とするとは、構成成分の60重量
%以上がL−乳酸からなっていることを意味し、40重
量%を超えない範囲でD−乳酸を含有するポリエステル
であってもよい。
【0013】ポリ乳酸の製造方法としては、乳酸を原料
として一旦環状二量体であるラクチドを生成せしめ、そ
の後開環重合を行う二段階のラクチド法と、乳酸を原料
として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法
が知られている。本発明で用いられるポリ乳酸は、いず
れの製法によって得られた物であってもよい。ラクチド
法によって得られるポリマーの場合には、ポリマー中に
含有される環状2量体が溶融紡糸時に気化して糸斑の原
因となるため、溶融紡糸以前の段階でポリマー中に含有
される環状2量体の含有量を0.1重量%以下とすること
が望ましい。また、直接重合法の場合には、環状2量体
に起因する問題が実質的にないため、製糸性の観点から
はより好適であるといえる。
【0014】ポリ乳酸の平均分子量は高いほど好まし
く、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10万、
より好ましくは10〜30万である。平均分子量が5万より
も低い場合には繊維の強度物性が低下するため好ましく
ない。
【0015】また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳
酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の
成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重
合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ
酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6
−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類
の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分
子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの
誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブ
チルホスホニウムイソフタル酸等の分子内に複数のカル
ボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙
げられる。生分解性能を考えると、それらの共重合率は
30モル%以下が好ましい。
【0016】また、溶融粘度を低減させるため、ポリカ
プロラクトン、ポリブチレンサクシネートおよびポリエ
チレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマ
ーを内部可塑剤として、あるいは外部可塑剤として用い
ることができる。さらには、艶消し剤、消臭剤、難燃
剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤等として無機微粒子や有機
化合物を必要に応じて添加することができる。本発明で
用いられる脂肪族ポリエステルは、融点が130℃以上
であることが必要である。融点が130℃よりも低い場合に
は、製糸時、特に紡糸時に単糸間の融着が著しくなり、
更に延伸性不良が発生するなど製品の品位が著しく損な
われる。融点は好ましくは150℃以上であり、さらに好
ましくは160℃以上である。ここで融点とは、DSC測
定によって得られた融解ピークのピーク温度を意味す
る。本発明ではこのような脂肪族ポリエステルを用いる
ことによって、芳香族ポリエステル繊維とは異なり、良
好なソフト感を呈する。この良好なソフト感は、脂肪族
ポリエステル繊維のヤング率が芳香族ポリエステルのヤ
ング率に比べ明確に低いことに起因している。
【0017】本発明の原着ポリエステル繊維は、0.5
〜6重量%の着色剤を含有していることが必要である。
着色剤としては、顔料および染料が挙げられるが、耐候
性、鮮明性の点から顔料が好ましく用いられる。顔料と
しては、黒色に着色する目的でカーボンブラックを主成
分とする顔料を配合するもの、または有彩色に着色する
ことを目的に有彩色用顔料を配合するもののどちらでも
良い。中でもカーボンブラックを主成分とする黒色化が
好ましい。配合されているカーボンブラックは特に限定
はされないが、繊維中での粒子径が3μm以下のカーボ
ンブラックが好ましく、1μm以下のカーボンブラック
が特に好ましい。
【0018】また、繊維に対する着色剤の配合率は、
0.5重量%未満では十分な発色性および鮮明性を得る
ことは難しい。また、配合率が6重量%を超えると、発
色性および鮮明性は頭打ちとなり、逆に糸切れが増加す
るなど製糸性が悪化するので好ましくない。着色剤のよ
り好ましい配合率は1重量%以上5重量%以下、更に好
ましくは1.5%重量以上4重量%以下である。
【0019】本発明において、着色剤としてカーボンブ
ラックを使用する場合、カーボンブラック以外の着色助
剤成分も含まれていても良いが、着色助剤および着色剤
全体に対するカーボンブラックの含有率は30重量%以
上になっていることが好ましい。
【0020】着色助剤としては、例えば塩素原子置換数
1の銅フタロシアニンブルー、フタロシアニン系青色顔
料:Pigment Biue 15などがある。
【0021】本発明の原着ポリエステル繊維の形状は特
に限定されないが、光沢を付与する目的からは横断面形
状は多葉型等の非円形もしくはその他の異形断面が好ま
しく、また、ポリマ特性からくるソフト性に加えて、更
に繊維形状からソフト性を付与する目的で扁平断面であ
ることも好ましい。
【0022】また、横断面形状は、軽量化を目的とし中
空形状とすることも好ましい。軽量化を目的に実質的に
効果を付与するための中空率は5%以上が好ましく、特
に好ましい中空率は10%以上である。ここに中空率
は、繊維断面の外形から求められる面積に対する中空部
分の面積の比を100分率で表したものである。
【0023】本発明の原着ポリエステル繊維は、短繊維
および長繊維いずれでも目的を達成することができる
が、耐候性が要求される用途には耐光劣化が顕在化しに
くいことから短繊維が好ましい。また、短繊維の長さは
特に限定されないが、電気植毛などの場合には5mm程
度、ウールと混紡する場合には120mm以下が好まし
く、短繊維の場合の繊維長としてはは3〜150mmが
好ましい。
【0024】本発明の原着ポリエステル繊維は、芯鞘複
合、バイメタル複合、海島複合および分割複合繊維のよ
うな複合繊維であっても良い。特に、不織布用途には、
伸縮性を付与する目的からバイメタル複合繊維とするこ
とが好ましい。複合繊維の場合は、繊維全体として規定
している割合の着色剤が配合されていることが重要であ
る。複合繊維とする場合は、生分解性能の点からは、複
合される一方成分および他方成分共に脂肪族ポリエステ
ル同士の組み合わせが最も好ましいが、他方成分の複合
比率が40重量%以下の場合には、脂肪族ポリエステル
以外のポリマであってもよい。
【0025】本発明の原着ポリエステル繊維は、例え
ば、次のようにして製造することができる。カーボンブ
ラック15重量%を含むポリ乳酸ポリマを練り混みによ
って作り、マスターチップとする。別に準備したポリ乳
酸チップと前記カーボンブラック15重量%を含むポリ
乳酸チップを、それぞれ100重量部、25重量部とな
るように計量した後ブレンドし、吐出前、スタティック
ミキサーで更に混合した後口金孔から吐出し、未延伸糸
を得る。得られた未延伸糸を75万デニールに引き揃え
た後、延伸、捲縮付与後熱処理を施し、76mmに切断
して、原着原綿とする。
【0026】本発明の原着ポリエステル繊維は、使い捨
て商品用、農業・土木用等に代表される不織布、一般衣
料用途、および布団綿用途等に有用に使用することがで
きる。
【0027】
【実施例】次に、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。また、実施例で採用した物性等の測定方法、は次の
とおりである。
【0028】A.融点 パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(DSC−7)
を用いて、昇温速度15℃/分の条件で測定し、得られた
溶融ピークのピーク温度を融点とした。
【0029】B.極限粘度(η) オルソクロロフェノール10mlに対して試料0.100gを溶解
し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて測定
した。
【0030】C.溶融粘度 東洋製機(株)社製キャピログラフを用いて260℃にお
ける剪断速度と溶融粘度との関係を測定した。測定には
L/D=10/1(mm)のダイを使用し、剪断速度1000sec
-1の時の粘度をもってその試料の溶融粘度とした。
【0031】D.発色性(L値):24ゲージの筒編み
地を4重折りとし、スガ試験機(株)社製SMカラーコン
ピュータSM−3を使用して明度(L値)を求めた。
【0032】[実施例1]260℃、1000 sec-1における
溶融粘度が1200poiseであるL−ポリ乳酸チップ
((株)島津製作所製ラクティ5000、L体比率95重量
%、D体比率5重量%)(ポリマA)と、着色助剤とし
て塩素原子置換数1の銅フタロシアニンブルー15重量
%、平均粒径40mμmのカーボンブラック15重量%
含有しポリマAと同様の溶融粘度を有するL−ポリ乳酸
(ポリマB)とを、60℃に設定した真空乾燥器で、別々
に48時間乾燥した。乾燥したポリマA100重量部に
対してポリマBを25重量部チップブレンドした。プレ
ッシャーメルター型紡糸機にて、メルター温度250℃に
て溶融し、紡糸温度260℃とした溶融パックへ導入し
て、5段のスタティックミキサーを通した後、孔径0.23
mm、孔長0.30mmの細孔を36ホール有する紡糸口金から紡
出した。この紡出糸を20℃、30m/minのチムニー風によ
って冷却し、油剤を付与して収束した後、1200m/minで
引き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、液浴
の延伸温度90℃、延伸倍率3.0倍で延伸した後、ス
タッファーボックスで機械捲縮を付与した。次いで、1
30℃でリラックス熱処理を行い、油剤付与後76mm
に切断して、3デニール76mmの原綿を得た。得られ
た原綿の強度は4.8g/d、伸度は45%であった。ま
た、得られた原綿はソフトで発色性に優れたものであっ
た。結果を表1に示す。
【0033】[実施例2〜3]実施例1のポリマBのブ
レンド率を変更し、カーボンブラックの配合量を表1の
ように変更した以外、実施例1と同様に行った。実施例
2ではポリマA100重量部に対してポリマBを10重
量部、実施例3ではポリマAに対してポリマBを50重
量部ブレンドした。いずれの水準とも問題なく製糸がで
きた。ただし、実施例2は黒がやや薄く、また、実施例
3は延伸時糸切れが僅か発生し、製糸性がやや悪かっ
た。結果を表1に示す。
【0034】[実施例4、5]ポリ乳酸のD体含有率を
次のように変更した以外、実施例1と同様に行った。実
施例4は、D体を9モル%共重合したポリマを使用した
が、全く問題がなかった。実施例5は、D体を13モル
%共重合したポリマを使用したが、紡糸時に若干融着が
発生して延伸時に僅かではあったが糸切れを起こした。
結果を表1に示す。
【0035】[実施例6、7]紡糸時の吐出口金形状を
次のように変更した以外、実施例1と同様に行った。実
施例6は、3葉断面としたが、製糸性は良好であり、原
綿の黒発色性は円断面以上に光沢があり、好ましい発色
性を示した。実施例7は、中空率20%の中空断面とし
たが、製糸性は良好であった。円断面以上にソフト感が
あったが、黒発色性がやや不足した。結果を表1に示
す。
【0036】[実施例8]実施例1同様のポリマを使用
して次のように長繊維を製造した。実施例1と同様に紡
糸をした後、ホットローラを使用して延伸し、75デニ
ール36フィラメントの長繊維とした。良好な紡糸、延
伸性であり、得られた延伸糸の強度は4.8g/d、伸度は
35%であった。得られた延伸糸はソフトで発色性に優
れたものであった。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 [比較例1〜5]比較例1では、ポリマとして極限粘度
が0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)を
使用した。紡糸温度を290℃とした以外、実施例1と
同様に行った。実施例1に比較して粗硬感の強い原綿で
あった。
【0038】比較例2では、PETにイソフタール酸
(PEI)を20モル%ランダム共重合したポリマを使
用した。紡糸・延伸条件は比較例1と同様の条件とし
た。比較例1で得た原綿にほぼ近似した風合いを有する
原綿であった。
【0039】比較例3では、ポリマとしてポリカプロラ
クトンを使用した。温度範囲を変更したが、紡糸時に融
着が発生し、紡糸が出来なかった。
【0040】比較例4では、ポリマをポリブチレンテレ
フタレート(PBT)とした。紡糸及び延伸は問題なく
良好であったが、風合いが粗硬であった。
【0041】比較例5では、ポリエチレンテレフレート
とポリブチレンテレフタレート1:1のランダム共重合
ポリマとした。紡糸温度を230℃とした以外は実施例
1と同様の条件でテストを行った。製糸性は良好であっ
たが、風合いが粗硬であった。
【0042】以上の結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、融点を特定した脂肪族
ポリエステルに特定した量の顔料等の着色剤を配合する
ことによって、製糸性が良好で、ソフトな原着ポリエス
テル繊維を得ることができる。更に、この原着ポリエス
テル繊維は生分解性があるため、自然界で分解が進み地
球環境保護の点からも有用な繊維である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 AA09 BB32 BB56 BB72 BB89 BB91 CC07 CC20 DD02 DD03 DD19 EE08 EE20 JJ10 4L041 AA07 AA20 AA25 BA04 BA05 BA18 BA37 BA42 BA49 BA59 BC20 CA05 CB02 CB21 DD01 DD21 4L047 AA21 AA29 AB02 CB10 CC10 CC15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が130℃以上の脂肪族ポリエステ
    ルを主体とするポリエステル系繊維であって、0.5〜
    6重量%の着色剤を含むことを特徴とする原着ポリエス
    テル繊維。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリエステルの屈折率が1.50
    以下であることを特徴とする請求項1記載の原着ポリエ
    ステル繊維。
  3. 【請求項3】 着色剤が顔料であることを特徴とする請
    求項1または2記載の着色ポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】 顔料の30重量%以上がカーボンブラッ
    クであることを特徴とする請求項3記載の原着ポリエス
    テル繊維。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系繊維の横断面形状が非円
    形または中空であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の原着ポリエステル繊維。
  6. 【請求項6】 ポリエステル系繊維の長さが3〜150
    mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の原着ポリエステル繊維。
  7. 【請求項7】 脂肪族ポリエステルがL−乳酸を主成分
    とするポリエステルであることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか1項に記載の原着ポリエステル繊維。
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