JP2000232611A - エネルギーサブトラクション画像生成方法および生成装置 - Google Patents

エネルギーサブトラクション画像生成方法および生成装置

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JP2000232611A
JP2000232611A JP11033742A JP3374299A JP2000232611A JP 2000232611 A JP2000232611 A JP 2000232611A JP 11033742 A JP11033742 A JP 11033742A JP 3374299 A JP3374299 A JP 3374299A JP 2000232611 A JP2000232611 A JP 2000232611A
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JP11033742A
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English (en)
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Hideya Takeo
英哉 武尾
Masahiko Yamada
雅彦 山田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理時間が短い簡単な処理過程でノイズ成分
が効果的に低減されたエネルギーサブトラクション画像
を生成する。 【解決手段】 高圧画像データShと低圧画像データS
lとのうち、高圧画像データShに対して粒状抑制処理
を施す高圧画像粒状抑制手段10と、高圧画像粒状抑制
手段10によりその粒状成分が抑制された後の高圧画像
データSh′と低圧画像データSlとに基づいて、被写
体中の主として骨の画像を表す骨部画像データS1およ
び主として気管支等の軟部の画像を表す軟部画像データ
S2を生成する演算手段20とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエネルギーサブトラ
クション画像生成方法および生成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】記録された放射線画像を読み取って画像
信号を得、この画像信号に適切な画像処理を施した後、
画像を再生記録することは種々の分野で行われている。
また本願出願人により、放射線(X線,α線,β線,γ
線,電子線,紫外線等)を照射するとこの放射線エネル
ギの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射す
ると蓄積されたエネルギに応じて輝尽発光を示す蓄積性
蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の
放射線画像を一旦シート状の蓄積性蛍光体に撮影記録
し、この蓄積性蛍光体シートをレーザ光等の励起光で走
査して輝尽発光光を生じせしめ、得られた輝尽発光光を
光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づ
き被写体の放射線画像を写真感光材料等の記録材料、C
RT等に可視像として出力させる放射線画像記録再生シ
ステムがすでによく知られている(特開昭55-12429号,
同56-11395号,同55-163472 号,同56-104645 号,同55
-116340 号等)。このシステムによれば、ラチチュード
が広く、観察読影適性の優れた放射線画像を得ることが
できる。
【0003】また上記のように放射線フイルムや蓄積性
蛍光体シート等を用いるシステムにおいて、記録された
複数の放射線画像を読み取って複数の画像データを得た
後、これらの画像データに基づいて上記放射線画像のサ
ブトラクション処理を施すことがある。
【0004】ここで、放射線画像のサブトラクション処
理とは、互いに異なった条件で撮影された複数の放射線
画像の差に対応する画像を得る処理をいい、具体的には
これら複数の放射線画像を所定のサンプリング間隔で読
み取って各放射線画像に対応する複数のデジタルの画像
データを得、これら複数の画像データの各対応するサン
プリング点(画素)毎に所定の減算処理を施すことによ
り、放射線画像中の特定の組織(構造物等とも称する)
を強調または抽出した放射線画像を得る処理をいう。
【0005】このサブトラクション処理の1つとして、
いわゆるエネルギーサブトラクション処理がある(特開
昭59-83486号、特開昭60-225541 号等)。このエネルギ
ーサブトラクション処理は、被写体の特定の部分が互い
に異なるエネルギーを有する放射線に対して異なる放射
線吸収率を有することを利用して、被写体を透過して得
られた、高エネルギー成分を相対的に多く含む放射線画
像信号(高圧画像信号)と、低エネルギー成分を相対的
に多く含む放射線画像信号(低圧画像信号)とに基づ
き、これら両画像信号間で画素を対応させて適当な重み
付け減算を行うことにより、被写体中の所望とする特定
の組織の画像を主として表わす画像データを得ることが
できるものであり、例えば胸部の放射線画像において、
従来は骨と重なって診断し難かった気管支等の軟部の画
像を骨部の画像から分離して抽出することができ、診断
性能の向上に寄与している。
【0006】ところで、上述したエネルギーサブトラク
ション処理後の画像は、処理前の複数の放射線画像を減
算処理することにより得られた画像であるため、処理前
の画像と比べて相対的にノイズ成分が強調されてS/N
が低下し、処理前よりも観察しにくい画像となるという
問題点がある。特に1回の放射線照射で、エネルギー分
布状態の異なる2つの放射線画像を得る、いわゆる1シ
ョット法では、銅板等のエネルギー分離板を通過した側
の放射線画像(高圧画像)は、エネルギー分離板を通過
しない側の放射線画像(低圧画像)に比べて線量が1/
5程度となるため、高圧画像を表す高圧画像信号と低圧
画像を表す低圧画像信号とについて、所望とする組織を
抽出するための重み付け減算したのでは、高圧画像側で
生じたノイズが増幅されてしまう。
【0007】そこで本願出願人は、平滑化処理とサブト
ラクション処理を繰り返し行うことにより、ノイズが低
減化された観察適正の優れた画像を生成するようにした
エネルギーサブトラクション画像生成方法を提案した
(特開平3-285475号)。この技術は、同一被写体につい
て得られたエネルギーサブトラクション処理用の複数の
画像データから、被写体中の主として第1の組織が記録
された第1の画像データを求める「第1の処理」を行
い、第1の処理の後、第1の画像データを処理すること
によりノイズ成分が低減された第1の平滑化画像を表す
第1の平滑化画像データを求めて、もとの画像データ
(原画像データまたは原画像データ同士を重ね合わせた
画像データ)から第1の平滑化画像データを減算処理す
ることにより、被写体の主として第2の組織が記録され
た第2の画像を表す第2の画像データを求める「第2の
処理」を行い、第2の処理の後、第2の画像データを処
理することによりノイズ成分が低減された第2の平滑化
画像を表す第2の平滑化画像データを求めて、もとの画
像データから第2の平滑化画像データを減算処理するこ
とにより、被写体の主として第1の組織が記録された新
たな第1の画像を表す新たな第1の画像データを求める
「第3の処理」を行い、第3の処理の後、第3の処理に
より求められた新たな第1の画像データを第2の処理に
おける第1の画像データとして再度第2の処理を行うこ
とにより、被写体の主として第2の組織が記録された新
たな第2の画像を表す新たな第2の画像データを求める
「新たな第2の処理」と、新たな第2の画像データを第
3の処理における第2の画像データとして再度第3の処
理を行うことにより、被写体の主として第1の組織が記
録された新たな第1の画像を表す新たな第1の画像デー
タを求める「新たな第3の処理」とを所定回数(1回以
上)繰り返すことにより、ノイズが低減化された観察適
正の優れた画像を生成するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平3-
285475号に開示した画像生成方法は、処理のアルゴリズ
ムが複雑であり、また平滑化等の処理と減算処理とを何
回も繰り返し行わなければ実質的な効果が得られないた
め、処理に長時間を要するという問題がある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、処理時間が比較的短い簡単な処理過程で、ノイズ
成分が効果的に低減されたエネルギーサブトラクション
画像を生成する方法および装置を提供することを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法および生成装置は、高圧画像
信号と低圧画像信号とに基づいてエネルギーサブトラク
ション画像を生成する処理に先だって、高圧画像信号に
対して粒状抑制処理を施すものである。
【0011】すなわち本発明のエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成方法は、同一被写体について取得された、
高エネルギー成分を相対的に多く含む高圧放射線に対応
する高圧画像信号と低エネルギー成分を相対的に多く含
む低圧放射線に対応する低圧画像信号とに基づいて、前
記被写体中の所望とする組織の画像を表す画像データを
生成するエネルギーサブトラクション画像生成方法であ
って、前記高圧画像信号に対して予め粒状抑制処理を施
し、該粒状抑制処理が施された後の高圧画像信号と、前
記低圧画像信号とに基づいて、前記画像データを生成す
ることを特徴とするものである。
【0012】ここで、高圧画像信号と低圧画像信号と
は、上述した1ショット法により同時に取得されたもの
に限るものではない。すなわち上述したように1ショッ
ト法のように、2枚の蓄積性蛍光体シート等の放射線記
録媒体の間に、銅板等のエネルギ分離板を配して、1回
の放射線照射により高圧画像信号と低圧画像信号とを同
時に取得してもよいし、被写体に対して異なるエネルギ
ーを有する放射線をそれぞれ1回ずつ照射して、各照射
により高圧画像信号と低圧画像信号とを各別に取得して
もよい。なお1ショット法による場合は、エネルギ分離
板を介して放射線記録媒体に記録された側の放射線画像
信号が高圧画像信号とされ、エネルギ分離板を介するこ
となく放射線記録媒体に記録された側の放射線画像信号
が低圧画像信号とされる。
【0013】なお、高エネルギー成分を相対的に多く含
む高圧放射線、および低エネルギー成分を相対的に多く
含む低圧放射線とは、2つの放射線間の相対的な高低を
表すに過ぎず、絶対的な高低を表すものではない。
【0014】高圧画像信号に対して予め施される粒状抑
制処理としては、粒状成分(ノイズ成分)を抑制する効
果のある処理であれば種々のものを適用することがで
き、例えば、単純平均化処理、メジアンフィルタを用い
た処理等を適用することができるが、より好ましくは、
画像のエッジ部は保存され粒状だけが抑制されるエッジ
保存型の粒状抑制処理であることが好ましく、例えばモ
フォロジー演算に基づくオープニング処理(濃度画像に
おいて黒いノイズを除去するトップハット変換)または
クロージング処理(濃度画像において白いノイズを除去
するトップハット変換)や、ウェーブレット変換を利用
したフィルタリング処理などが望ましい。
【0015】このようにして粒状抑制処理が施された後
の高圧画像信号と低圧画像信号とに基づいて、被写体中
の所望とする組織の画像を表す画像データを生成する演
算処理としては、これらの間で単純重み付け減算する処
理を適用するのが、処理の簡単化・処理時間の短縮化の
観点で好ましい。
【0016】なお、エネルギーサブトラクション画像と
して、被写体中の主として第1の組織(例えば骨部)の
画像を表す第1の画像データと、第1の組織とは異なる
第2の組織(例えば気管支等の軟部)の画像を主として
表す第2の画像データとの2つを生成する場合には、上
述した特開平3-285475号において開示した演算処理を適
用してもよい。すなわち、同一被写体について得られた
エネルギーサブトラクション処理用の複数の画像データ
から、被写体中の主として第1の組織が記録された第1
の画像データを求める「第1の処理」を行い、第1の処
理の後、第1の画像データを処理することによりノイズ
成分が低減された第1の平滑化画像を表す第1の平滑化
画像データを求めて、もとの画像データ(原画像データ
または原画像データ同士を重ね合わせた画像データ)か
ら第1の平滑化画像データを減算処理することにより、
被写体の主として第2の組織が記録された第2の画像を
表す第2の画像データを求める「第2の処理」を行い、
第2の処理の後、第2の画像データを処理することによ
りノイズ成分が低減された第2の平滑化画像を表す第2
の平滑化画像データを求めて、もとの画像データから第
2の平滑化画像データを減算処理することにより、被写
体の主として第1の組織が記録された新たな第1の画像
を表す新たな第1の画像データを求める「第3の処理」
を行い、第3の処理の後、第3の処理により求められた
新たな第1の画像データを第2の処理における第1の画
像データとして再度第2の処理を行うことにより、被写
体の主として第2の組織が記録された新たな第2の画像
を表す新たな第2の画像データを求める「新たな第2の
処理」と、新たな第2の画像データを第3の処理におけ
る第2の画像データとして再度第3の処理を行うことに
より、被写体の主として第1の組織が記録された新たな
第1の画像を表す新たな第1の画像データを求める「新
たな第3の処理」とを所定回数(1回以上)繰り返す演
算処理方法である。この場合、本発明のエネルギーサブ
トラクション画像生成方法においては、この演算処理方
法を実施する前に予め高圧画像信号について粒状抑制処
理を施しているため、粒状抑制処理を施していない高圧
画像信号を用いた場合と比べて同程度の粒状抑制レベル
のエネルギーサブトラクション画像を生成するための、
上記繰り返し処理の回数を大幅に低減させることがで
き、特開平3-285475号に開示された技術よりも、処理の
簡単化・処理時間の短縮化を図ることができる。この結
果、単純重み付け減算処理と同様に、略リアルタイムに
エネルギーサブトラクション画像を生成することがで
き、例えば患者や撮影部位(被写体)ごとに観察に適し
たエネルギーサブトラクション画像を得たい場合に、C
RT端末上でエネルギーサブトラクション係数を試行錯
誤的に適宜変更しても、略リアルタイムにエネルギーサ
ブトラクション画像を表示させることができ、医師や放
射線技師等の画像観察者に対して、表示時間待ちの負担
をかけることがないという効果がある。
【0017】本発明のエネルギーサブトラクション画像
生成装置は、本発明のエネルギーサブトラクション画像
生成方法を実施するための装置であって、同一被写体に
ついて取得された、高エネルギー成分を相対的に多く含
む高圧放射線に対応する高圧画像信号と低エネルギー成
分を相対的に多く含む低圧放射線に対応する低圧画像信
号とに基づいて、前記被写体中の所望とする組織の画像
を表す画像データを生成する演算手段を備えたエネルギ
ーサブトラクション画像生成装置であって、前記高圧画
像信号に対して粒状抑制処理を施す高圧画像粒状抑制処
理手段をさらに備え、前記演算手段が、前記高圧画像粒
状抑制処理手段により粒状が抑制された高圧画像信号
と、前記低圧画像信号とに基づいて、前記画像データを
生成するものであることを特徴とするものである。
【0018】ここで、高圧画像粒状抑制処理手段による
高圧画像信号に対する粒状抑制処理としては、粒状成分
を抑制する効果のある処理であれば種々のものを適用す
ることができるが、エッジ保存型の粒状抑制処理である
ことが好ましく、特に、モフォロジー演算に基づくオー
プニング処理またはクロージング処理や、ウェーブレッ
ト変換を利用したフィルタリング処理などが望ましい。
【0019】演算手段による、粒状抑制処理が施された
後の高圧画像信号と低圧画像信号とに基づく、被写体中
の所望とする組織の画像を表す画像データを生成する演
算処理としては、これらの間で単純重み付け減算する処
理を適用するのが、処理の簡単化・処理時間の短縮化の
観点で好ましい。
【0020】なお、エネルギーサブトラクション画像と
して、被写体中の主として第1の組織の画像を表す第1
の画像データと、第1の組織とは異なる第2の組織の画
像を表す第2の画像データとの2つを生成する場合に
は、演算手段による処理として、上述した特開平3-2854
75号において開示した演算処理を適用してもよく、粒状
抑制処理を施していない高圧画像信号を用いた従来の場
合と比べて同程度の粒状抑制レベルのエネルギーサブト
ラクション画像を生成するための、繰り返し処理の回数
を大幅に低減させることができ、特開平3-285475号に開
示された技術よりも、処理の簡単化・処理時間の短縮化
を図ることができる。この結果、単純重み付け減算処理
と同様に、略リアルタイムにエネルギーサブトラクショ
ン画像を生成することができ、例えば患者や撮影部位
(被写体)ごとに観察に適したエネルギーサブトラクシ
ョン画像を得たい場合に、CRT端末上でエネルギーサ
ブトラクション係数を試行錯誤的に適宜変更しても、略
リアルタイムにエネルギーサブトラクション画像を表示
させることができ、医師や放射線技師等の画像観察者に
対して、表示時間待ちの負担をかけることがないという
効果がある。
【0021】
【発明の効果】本発明のエネルギーサブトラクション画
像生成方法および装置によれば、高圧画像信号と低圧画
像信号とに基づいてエネルギーサブトラクション画像を
生成する処理に先だって、高圧画像側において発生し易
いノイズを予め粒状抑制処理により抑制するため、この
粒状が抑制された後の高圧画像信号と、低圧画像信号を
基礎として生成されるエネルギーサブトラクション画像
は、粒状が大幅に低減される。
【0022】また1ショット法においては、高圧画像側
の線量が低圧側の線量に比して大幅に小さいため、両画
像信号に基づいて所望の組織を抽出するためには、両画
像信号のレベルをある程度揃える必要があり、ノイズ成
分を多く含む高圧画像信号側の増幅度を低圧画像信号側
より大きく設定しなければならないが、この場合におい
ても、高圧画像信号は増幅される前に予め粒状が抑制さ
れるため、粒状が抑制された後の高圧画像信号と、低圧
画像信号を基礎として生成されるエネルギーサブトラク
ション画像は、この点からも粒状が大幅に低減される。
【0023】さらに特開平3-285475号において開示した
エネルギーサブトラクション画像生成方法と比較する
と、処理の簡単化・処理時間の短縮化を図ることがで
き、試行錯誤的にエネルギーサブトラクション画像を生
成させる場合にも、医師や放射線技師等の画像観察者に
対して、表示時間待ちの負担をかけることがないという
効果がある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエネルギーサブト
ラクション画像生成装置の具体的な実施の形態について
図面を用いて説明する。
【0025】図1は本発明のエネルギーサブトラクショ
ン画像生成装置の一実施形態を示す概略図である。
【0026】図示のエネルギーサブトラクション画像生
成装置は、一つの被写体について図示しない放射線画像
記録再生システムにより得られた、高エネルギー成分を
相対的に多く含む高圧放射線Lhに対応する高圧画像を
表す高圧画像データShと、低エネルギー成分を相対的
に多く含む低圧放射線Llに対応する低圧画像を表す低
圧画像データSlとのうち、高圧画像データShに対し
て粒状抑制処理を施す高圧画像粒状抑制手段10と、高
圧画像粒状抑制手段10によりその粒状成分が抑制され
た後の高圧画像データSh′と低圧画像データSlとに
基づいて、被写体中の主として骨の画像を表す骨部画像
データS1および主として気管支等の軟部の画像を表す
軟部画像データS2を生成する演算手段20とを備えた
構成である。
【0027】ここで高圧画像データShおよび低圧画像
データSlは、図2に示すように放射線源30、被写体
40、第1の蓄積性蛍光体シート51、銅板60および
第2の蓄積性蛍光体シート52が配置された放射線画像
記録再生システムによって、第1および第2の蓄積性蛍
光体シート51,52から読み取って得られた画像デー
タである。第1の蓄積性蛍光体シート51には、被写体
の透過放射線画像を担持した透過放射線(低圧放射線)
Llが入射し、被写体の透過放射線画像(低圧画像)が
蓄積記録される。第1の蓄積性蛍光体シート51に入射
した透過放射線はさらにこの第1のシート51を透過し
て銅板60に入射し、銅板60でその低エネルギー成分
が吸収され、相対的に高エネルギー成分を多く含む高圧
放射線Lhが出射する。銅板60を出射した高圧放射線
Lhは第2の蓄積性蛍光体シート52に入射し、第2の
蓄積性蛍光体シート52には高圧画像が蓄積記録され
る。したがって、第1の蓄積性蛍光体シート51からは
低圧画像データSl、第2の蓄積性蛍光体シート52か
らは高圧画像データShがそれぞれ読み取られる。な
お、第2の蓄積性蛍光体シート52に入射する放射線
(高圧放射線)の線量は、銅板60を介しているため、
第1の蓄積性蛍光体シート51に入射する放射線(低圧
放射線)の線量の1/5程度となっている。
【0028】また高圧画像粒状抑制手段10による、高
圧画像データShに対する粒状抑制処理としては、モフ
ォロジー演算に基づくクロージング処理が適用される。
【0029】モフォロジー演算に基づくクロージング処
理は、図3に示すように、除去しようとする粒状の大き
さよりも大きく設定されたマスク(モフォロジー演算処
理においては構造要素という)を用いることにより、高
圧画像データSh(実線)のうち、マスクサイズよりも
狭い範囲で、画像データ値が小さくなる方向(濃度が薄
くなる方向)に変動している部分、すなわち白いノイズ
を除去する処理(破線)である。
【0030】また、演算手段20による骨部画像データ
S1および軟部画像データS2を生成する演算処理の一
例を下記式(1),(2)に示す。
【0031】 S1=K1・Sh′−K2・Sl+K3 (1) S2=K4・Sh′−K5・Sl+K6 (2) ただし、K1,K2,K4,K5は重み付け係数、K
3,K6はバイアス成分をそれぞれ意味し、予め設定さ
れた定数である。なお、式(1)においては、骨部以外
の組織の画像データ値が、骨部画像データS1において
略ゼロとなるようにK1,K2が定められるが、上述し
たように第2の蓄積性蛍光体シート52に入射する放射
線の線量は、第1の蓄積性蛍光体シート51に入射する
放射線の線量の1/5程度となっているため、Sh′<
Slであり、したがって一般には、K1>K2である。
式(2)においても同様に一般には、K4>K5であ
る。
【0032】次に本実施形態のエネルギーサブトラクシ
ョン画像生成装置の作用について説明する。
【0033】まず、図示しない放射線画像記録再生シス
テムから、同一被写体について得られた高圧画像を表す
高圧画像データShと、低圧画像を表す低圧画像データ
Slとのうち、高圧画像データShが高圧画像粒状抑制
手段10に入射し、一方、低圧画像データSlが演算手
段20に入射する。
【0034】高圧画像粒状抑制手段10は、入射した高
圧画像データShに対して、1回だけモフォロジー演算
に基づくクロージング処理を施し、高圧画像データSh
が表す高圧画像に含まれる粒状を抑制する。そして高圧
画像粒状抑制手段10によりその粒状が抑制された高圧
画像を表す高圧画像データSh′は、演算手段20に入
力される。
【0035】演算手段20は、放射線画像記録再生シス
テムから入力された低圧画像データSlと、高圧画像粒
状抑制手段10から入力された粒状抑制後の高圧画像デ
ータSh′とについて、上記式(1)にしたがった重み
付け減算処理により骨部画像データS1を、上記式
(2)にしたがった重み付け減算処理により軟部画像デ
ータS2を生成する。
【0036】このようにして生成された骨部画像データ
S1および軟部画像データS2は、その生成の基礎とさ
れる高圧画像データShと低圧画像データSlとのう
ち、特に粒状成分を多く含む側の高圧画像データSh
が、予め粒状抑制処理された高圧画像データSh′とさ
れるため、粒状が大幅に低減される。しかも骨部画像デ
ータS1および軟部画像データS2はいずれも、上記式
(1)および(2)から解されるように、低圧画像デー
タSlよりも高圧画像データSh′への依存度が大きい
(K1>K2,K4>K5)ため、粒状抑制効果は一層
顕著なものとなる。
【0037】なお、本実施形態のエネルギーサブトラク
ション画像生成装置においては、演算手段20による骨
部画像データS1および軟部画像データS2を生成する
演算処理として、単純重み付け減算処理(式(1),
(2))を適用したが、この他に、上述した特開平3-28
5475号において開示した演算処理を適用してもよい。
【0038】すなわち、図4に示すように、低圧画像デ
ータSlと粒状抑制された高圧画像データSh′とに基
づいて、両者の単純加算平均である重ね合わせ画像デー
タSm(=(Sh′+Sl)/2)を求め、一方、式
(1)にしたがって骨部画像データS1を求める「第1
の処理」を行い、第1の処理の後、骨部画像データS1
を平滑化処理することによりノイズ成分が低減された平
滑化骨部画像を表す平滑化骨部画像データS11を求め
て、重ね合わせ画像データSmから平滑化骨部画像デー
タS11を減算処理することにより、軟部画像データS2
(=Sm−S11)を求める「第2の処理」を行い、第2
の処理の後、軟部画像データS2を平滑化処理すること
によりノイズ成分が低減された平滑化軟部画像を表す平
滑化軟部画像データS21を求めて、重ね合わせ画像デー
タSmから平滑化軟部画像データS21を減算処理するこ
とにより、骨部画像を表す新たな骨部画像データS12
(=Sm−S21)を求める「第3の処理」を行い、第3
の処理の後、第2の処理における骨部画像データS1を
第3の処理により求められた新たな骨部画像データS12
に置き換えて再度第2の処理を行うことにより、軟部画
像を表す新たな軟部画像S22を求める「新たな第2の処
理」と、第3の処理における軟部画像データS2を新た
な軟部画像データS22に置き換えて再度第3の処理を行
うことにより、骨部画像を表すさらに新たな骨部画像デ
ータ13を求める「新たな第3の処理」とを所定回数(1
回以上)繰り返す演算処理である。
【0039】ただし本実施形態のエネルギーサブトラク
ション画像生成装置においては、用いられる高圧画像デ
ータSh′が、事前に粒状抑制処理されたものであるた
め、この複雑な演算処理を従来のように多数回行なう必
要はなく、1回または2回繰り返すだけで、従来の多数
回繰り返しの場合と同等のノイズ低減効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエネルギーサブトラクション画像生成
装置の一実施形態を示す概略図
【図2】高圧画像データと低圧画像データの取得作用に
ついて説明する図
【図3】モフォロジー演算に基づくクロージング処理の
作用を説明する図
【図4】演算手段による骨部画像データおよび軟部画像
データを生成する演算処理の他の態様を説明する図
【符号の説明】
10 高圧画像粒状抑制手段 20 演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA26 CA06 CA29 EA01 EB01 EB13 EB17 FF06 FF07 FF18 FF34 5C024 AA11 AA16 CA00 CA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一被写体について取得された、高エネ
    ルギー成分を相対的に多く含む高圧放射線に対応する高
    圧画像信号と低エネルギー成分を相対的に多く含む低圧
    放射線に対応する低圧画像信号とに基づいて、前記被写
    体中の所望とする組織の画像を表す画像データを生成す
    るエネルギーサブトラクション画像生成方法であって、 前記高圧画像信号に対して予め粒状抑制処理を施し、該
    粒状抑制処理が施された後の高圧画像信号と、前記低圧
    画像信号とに基づいて、前記画像データを生成すること
    を特徴とするエネルギーサブトラクション画像生成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記粒状抑制処理が、モフォロジー演算
    に基づくオープニング処理またはクロージング処理であ
    ることを特徴とする請求項1記載のエネルギーサブトラ
    クション画像生成方法。
  3. 【請求項3】 前記粒状抑制処理が施された後の高圧画
    像信号と前記低圧画像信号とを、重み付け減算すること
    により、前記画像データを生成することを特徴とする請
    求項1または2記載のエネルギーサブトラクション画像
    生成方法。
  4. 【請求項4】 同一被写体について取得された、高エネ
    ルギー成分を相対的に多く含む高圧放射線に対応する高
    圧画像信号と低エネルギー成分を相対的に多く含む低圧
    放射線に対応する低圧画像信号とに基づいて、前記被写
    体中の所望とする組織の画像を表す画像データを生成す
    る演算手段を備えたエネルギーサブトラクション画像生
    成装置であって、 前記高圧画像信号に対して粒状抑制処理を施す高圧画像
    粒状抑制処理手段をさらに備え、 前記演算手段が、前記高圧画像粒状抑制処理手段により
    粒状が抑制された高圧画像信号と、前記低圧画像信号と
    に基づいて、前記画像データを生成するものであること
    を特徴とするエネルギーサブトラクション画像生成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記高圧画像粒状抑制処理手段による前
    記粒状抑制処理が、モフォロジー演算に基づくオープニ
    ング処理またはクロージング処理であることを特徴とす
    る請求項4記載のエネルギーサブトラクション画像生成
    装置。
  6. 【請求項6】 前記演算手段が、前記粒状抑制処理が施
    された後の高圧画像信号と前記低圧画像信号とを、重み
    付け減算することにより、前記画像データを生成するも
    のであることを特徴とする請求項4または5記載のエネ
    ルギーサブトラクション画像生成装置。
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