JP2008167950A - 放射線画像処理方法および装置ならびにプログラム - Google Patents

放射線画像処理方法および装置ならびにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像処理方法において、被写体に照射する放射線の線量を増大させることなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高める。
【解決手段】複数の同種の被写体1P毎に、被写体1Pを表す被写体画像11H、および被写体1P中の特定の部位Pxと他の部位Poとの境界Pcを表す部位特定画像11Cからなる入力用放射線画像11を用意し、被写体1Pの放射線撮影により、被写体画像11Hの特定の部位Pxを強調して表す教師用放射線画像33を各被写体1P毎に用意し、上記入力用放射線画像11を対象とし、教師用放射線画像33を教師として学習させた教師学習済フィルタ40を得る。その後、与えられた被写体3Pについて作成した入力用放射線画像11と同種の放射線画像21を教師学習済フィルタ40に入力して、画質劣化が補償され特定の部位Pxが強調されてなる放射線画像60を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体中の特定の部位を強調して表す放射線画像を得る放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムに関するものである。
従来より、医療用の放射線撮影等においては、互いにエネルギ分布が異なる放射線を用いた被写体の放射線撮影により高圧画像と低圧画像を得、上記高圧画像と低圧画像との加重減算処理により被写体中の特定の放射線吸収特性を示す部位、例えば生体組織の骨部や軟部を強調して表すエネルギサブトラクション画像を得る手法が知られている(特許文献1参照)。このエネルギサブトラクション画像は上記高圧画像と低圧画像との差に基づいて形成された画像である。
上記高圧画像と低圧画像とを得る放射線撮影としては、例えば、放射線源の管電圧を違えて発生させた2種類の互いにエネルギ分布の異なる放射線それぞれを、互に異なるタイミングで合計2度、被写体へ照射して上記高圧画像と低圧画像とを得る2ショット放射線撮影法、あるいは、被写体への1度の放射線照射によって、銅板を間に挟んで配された2枚の蓄積性蛍光体シートそれぞれに上記被写体の高圧画像と低圧画像を同時に記録する1ショット放射線撮影法等が知られている。
上記高圧画像と低圧画像とを用いて形成されるエネルギサブトラクション画像は、通常の放射線撮影法(以後、単純放射線撮影法という)によって得られる放射線画像(以後、単純放射線画像という)よりも上記特定の部位を強調できる点では優れているが、より多くのノイズを含む画像となる。なお、上記単純放射線撮影法は、互いにエネルギ分布の異なる複数種類の放射線を用いることなく、被写体に対し1種類の放射線を1度照射する放射線撮影により上記被写体の単純放射線画を取得するものである。
上記エネルギサブトラクション画像に生じるノイズは、主に、上記高圧画像や低圧画像を取得するときに照射する放射線の線量の不足に起因している。
すなわち、医療用放射線撮影等においては、放射線撮影に使用する放射線の線量を少なくして患者への負担を軽減することが望まれている。例えば、通常の放射線撮影が2回必要な放射線撮影(2ショット放射線撮影法)において2回ともに十分な線量が用いられなかったり、銅板での放射線の吸収により線量を減衰させた放射線撮影(1ショット放射線撮影法)で得られた放射線画像(高圧画像や低圧画像)を用いて作成されるエネルギサブトラクション画像は、上記単純放射線撮影法によって得られる単純放射線像画像よりも画像品質が劣化する。
上記1ショット放射線撮影法、2ショット放射線撮影法のいずれにおいても、その放射線撮影で被写体へ照射する放射線の線量を少なくすることが求められるが、上記のように放射線撮影において被写体へ照射する放射線の線量を少なくしようとするとこの放射線撮影で得られる放射線画像中に生じるノイズの量が多くなり画像品質が劣化する。
一方、単純放射線撮影で得られた1枚の放射線画像から被写体の骨部を表す成分を推定し、複数の放射線画像の加重減算処理を行うことなく被写体中の骨部を強調して表す放射線画像を形成する手法が知られている。この手法は、互いにエネルギ分布の異なる放射線を用いた放射線撮影を行うことなく、上記エネルギサブトラクション画像である骨部画像に類似した画像を得ようとするものである。
より具体的には、この手法は以下の手順によって上記骨部画像に類似した画像を得ようとするものである。
すなわち、予め、被写体となる人体胸部の放射線撮影で得られた骨部が強調された教師用の放射線画像を形成しておく。そして、上記被写体と同種の被写体である人体胸部の放射線撮影で得られた学習用の単純放射線画像が入力されたときに、上記教師用放射線画像を教師とした放射線画像、すなわち骨部が強調された放射線画像が出力されるように学習を繰り返して教師学習済フィルタ(人口ニューラルネットワーク(ANN)を利用したフィルタ)を作成する。その後、上記被写体と同種の診断対象となる人体胸部の放射線撮影で得られた単純放射線画像を上記教師学習済フィルタに入力して、骨部が強調された上記人体胸部の診断用の放射線画像を得ようとするものである(特許文献2参照)。
特開平3−285475号公報 米国特許公開第2005/0100208A1号明細書
しかしながら、上記教師学習済フィルタを利用した方式は、被写体中の特定の部位である骨部を推定する信頼性が十分とは言えず、骨部と骨部以外の部位との区別が不明確になり、上記被写体中の軟部を表す成分が上記強調して表された骨部を表す画像領域中に入り込んでしまうことがある。すなわち上記軟部成分が偽画像として骨部領域中に現われることがある。
そのため、上記偽画像を生じさせることなく被写体中の特定の部位を強調して表す放射線画像が得られるようにしたいという要請がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の放射線画像処理方法は、複数の同種の被写体毎に、該被写体の放射線撮影で得られた前記被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界を表す部位特定画像および前記被写体を表す被写体画像からなる入力用放射線画像を用意し、前記各被写体の放射線撮影により得られた該被写体中の前記特定の部位を強調して表す教師用放射線画像を各被写体毎に用意し、各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、その後、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成することを特徴とするものである。
前記教師用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられる放射線の線量は、被写体画像を作成するための放射線撮影に用いられる放射線の線量よりも大きくすることが望ましい。
前記教師用放射線画像は、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像と低圧画像を用いた加重減算処理、いわゆるエネルギサブトラクション処理により形成されたものとすることができる。
前記入力用放射線画像は、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像と低圧画像を用いた加重減算処理、いわゆるエネルギサブトラクション処理により形成されたものとすることができる。また、前記入力用放射線画像は、単純放射線撮影によって得られた単純放射線画像としてもよい。
前記被写体画像は、単純放射線撮影によって得られた単純放射線画像とすることができる。
前記特定の部位は、他の部位とは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位とすることができる。
前記被写体を生体組織とし、前記特定の部位を、骨部、肋骨、後肋骨、前肋骨、鎖骨、脊椎のうちの少なくとも1つを含むものとすることができる。
前記被写体を生体組織とし、前記特定の部位とは異なる他の部位を、肺野、縦隔膜、横隔膜、肋骨間のうちの少なくとも1つを含むものとすることができる。
前記被写体を生体組織とし、前記特定の部位を前記生体組織の骨部あるいは軟部とすることができる。
前記特定の部位は、前記高圧画像と低圧画像とにおいて被写体中の位置が変化した部位とすることができる。
前記教師学習済フィルタは、教師学習済フィルタを取得するための学習および与えられた被写体に対する放射線画像の形成を互に異なる複数の空間周波数帯域毎に行い、各空間周波数帯域毎に形成された前記放射線画像のそれぞれを合成して1つの放射線画像を得るものとすることができる。
本発明の放射線画像処理装置は、複数の同種の被写体毎の放射線撮影で得られた該被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界を表す部位特定画像および前記被写体を表す被写体画像からなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた該被写体中の前記特定の部位を強調して表す各被写体毎の教師用放射線画像とを用い、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得るフィルタ取得手段と、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する同種画像作成手段と、該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する部位強調画像形成手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明のプログラムは、複数の同種の被写体毎の放射線撮影で得られた前記被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界を表す部位特定画像および前記被写体を表す被写体画像からなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた該被写体中の前記特定の部位を強調して表す各被写体毎の教師用放射線画像とを用い、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、前記被写体中における前記特定の部位が強調されてなる該被写体の放射線画像が出力されるように、前記被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得る手順と、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する手順と、該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する手順とを実行する放射線画像処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。
前記同種の被写体とは、例えば、大きさ、形状、構造、および各部位の放射線吸収特性が略等しい被写体を意味するものである。例えば人体であれば同じ部位であり、互に異なる成人男性の胸部は同種の被写体である。また、互に異なる成人女性の腹部、あるいは互に異なる子供の頭部等も同種の被写体である。また、例えば、工業製品であれば、大きさ、形状、構造、材質等が略等しい被写体を意味するものである。さらに、例えば、同種の被写体は、互に異なる成人男性の胸部の一部分(例えば、胸部中の首に近い側の1/3の部位)等としてもよい。また、同種の被写体は、同一被写体中の互に異なる小領域とすることができる。
前記「与えられた被写体について、入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する」とは、与えられた被写体に対し、上記入力用放射線画像を得る際の処理と同様の処理を施して上記与えられた被写体の放射線画像を作成することを意味する。すなわち、例えば、入力用放射線画像を取得するときと同等の撮影条件で上記与えられた被写体の放射線撮影を行い、この放射線撮影で得られた放射線画像に対し、上記入力用放射線画像を取得するときと同様の画像処理を施して上記与えられた被写体の放射線画像を作成することができる。
前記特定の部位の強調は、特定の部位を他の部位よりも目立つように表す場合に限らず、特定の部位のみを表すようにしてもよい。
前記部位特定画像とは、例えば、放射線画像中の局所領域毎にその局所領域が主として属する所定の組織を判別した画像、あるいは互に異なる組織間の境界を判別した画像である。また、上記部位特定画像は、例えば、特定の部位とこの特定の部位とは異なる部位との判別処理によって得ることができる。
本発明の放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムは、入力用放射線画像を対象とし、被写体中における特定の部位が強調されてなる上記被写体の放射線画像が出力されるように、教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、その後、与えられた被写体について、入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、その放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる放射線画像を形成するようにしたので、被写体へ照射する放射線の線量を増大させることなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
すなわち、従来のように教師学習済フィルタへ入力する画像を単純放射線画像のみとせず、被写体中の特定の部位と他の部位との境界を表す部位特定画像と上記被写体を表す被写体画像とを教師学習済フィルタへ入力する画像としたので、上記偽画像の発生も抑制することができる。
より具体的には、単純放射線画像のみを教師学習済フィルタへ入力させる従来の方式では、被写体中の特定の部位を推定する信頼性が不十分なため偽画像が生じていた。一方、本発明では、教師学習済フィルタへ、被写体を表す被写体画像に加えて上記境界を表す部位特定画像を入力するので、上記単純放射線画像のみの入力に比して、被写体中の特定の部位と他の部位とを区別するためのより多くの情報を利用することができる。したがって、教師学習済フィルタにより上記特定の部位を推定する信頼性を高めることができ、これにより上記与えられた被写体の放射線画像中に生じた偽画像を補償することができる。
上記のことにより、与えられた被写体へ照射する放射線の線量を増大させることなく上記被写体中の特定の部位が強調された放射線画像を作成することができ、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
さらに、教師用放射線画像を、この教師用放射線画像に対応する学習用放射線画像を構成する被写体画像および部位特定画像よりもノイズ等による画質劣化が少ないものとすれば、上記教師学習済フィルタを、画質劣化を補償するように学習させることができる。そして、上記入力用放射線画像と同種の放射線画像を教師学習済フィルタへ通すことにより、上記入力用放射線画像と同種の放射線画像が作成される際にこの放射線画像に生じた画質劣化を補償した放射線画像を得ることができる。
また、教師用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられる放射線の線量を、被写体画像を作成するための放射線撮影に用いられる放射線の線量よりも大きくすれば、より確実に、上記教師用放射線画像を、入力用放射線画像を構成する被写体画像よりも画質劣化が少ない画像とすることができ、これにより、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
また、教師用放射線画像を、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像と低圧画像を用いた加重減算処理、いわゆるエネルギサブトラクション処理により形成されたエネルギサブトラクション画像とすれば、より確実に、上記教師用放射線画像を、上記特定の部位を強調して表す画像とすることができる。
ここで、特定の部位を、他の部位とは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位とすれば、より確実に、被写体中の特定の部位と他の部位との境界を定めることができ、より正確に被写体中の特定の部位を強調してなる放射線画像を形成することができる。
以下、本発明の放射線画像処理方法および装置ならびにプログラムについて説明する。本発明の第1の実施の形態による放射線画像処理方法は、入力用放射線画像として、被写体を表す単純放射線画像、およびこの単純放射線画像から作成した上記被写体中の特定の部位と他の部位との境界を表す部位特定画像の2種類の画像を採用したものである。
図1は上記第1の実施の形態による放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図、図2は上記教師学習済フィルタを用いて診断用の放射線画像を取得する手順を示す図である。なお、図中の斜線部は画像あるいは画像を表す画像データを示している。
上記放射線画像処理方法は、複数の同種の被写体である成人男性の胸部1Pα、1Pβ・・・(以後、まとめて胸部1Pともいう)毎に、各胸部1Pの単純放射線撮影10で得られた上記胸部1Pを表す単純放射線画像である学習用の被写体画像11H、および上記被写体画像11Hに対し境界抽出処理12を施して得られた胸部1P中の特定の部位である骨部Pxとこの骨部Pxとは異なる他の部位Poとの境界Pcを表す学習用の部位特定画像11Cからなる入力用放射線画像11を用意する。
なお、上記単純放射線撮影法は、互いにエネルギ分布の異なる複数種類の放射線を用いることなく、被写体に対し1種類の放射線を1度照射する放射線撮影により上記被写体の放射線画像(単純放射線画像)を取得するものである。
また、上記各胸部1Pの放射線撮影により得られた、上記各胸部1Pα、1Pβ・・・中の特定の部位である骨部Pxを強調して表す教師用放射線画像33を各胸部1P毎に用意する。
そして、上記入力用放射線画像11を対象とし、教師用放射線画像33を教師として学習させた教師学習済フィルタ40を得る。
すなわち、上記教師学習済フィルタ40は、各胸部1Pα、1Pβ・・・毎に用意された入力用放射線画像11と教師用放射線画像33の組を用い、上記各胸部1Pα、1Pβ・・・毎に作成された入力用放射線画像11それぞれが入力されたときに、上記骨部Pxを強調して表す上記胸部1Pの放射線画像50が出力されるように、各胸部1Pα、1Pβ・・・に対応する教師用放射線画像33を教師として学習させることによって得られるものである。より具体的には、上記教師学習済フィルタ40は、胸部1Pαについて用意された入力用放射線画像11および教師用放射線画像33の組を用い、上記胸部1Pαに対応する入力用放射線画像11が入力されたときに、上記骨部Pxを強調して表す上記胸部1Pαに対応する放射線画像50が出力されるように、胸部1Pαに対応する教師用放射線画像33を教師として学習させることによって得られるものである。
上記教師用放射線画像33は、各胸部1Pに対する放射線撮影30で得られた高圧画像31Hと低圧画像31Lの加重減算処理32、すなわち、エネルギサブトラクション処理により形成したエネルギサブトラクション画像である骨部画像を表すものである。
図2に示すように、上記教師学習済フィルタ40を取得した後、上記胸部1Pと同種の与えられた1つの被写体である診断対象となる胸部3Pについて単純放射線撮影20を行い、上記入力用放射線画像11と同種の放射線画像21を作成する。
すなわち、胸部3Pの単純放射線撮影20で得られた単純放射線画像であるこの胸部3Pを表す診断対象の被写体画像21H、およびその被写体画像21Hに対し境界抽出処理22を施して得られた胸部3P中の特定の部位である骨部Pxとこの骨部Pxとは異なる他の部位Poとの境界Pcを表す診断対象の部位特定画像21Cとからなる放射線画像21を作成する。
この診断対象の被写体画像21Hおよび部位特定画像21Cを上記のようにして得られた教師学習済フィルタ40に入力して、与えられた被写体である胸部3P中の骨部Pxを強調して表した診断用放射線画像を形成する。この診断用放射線画像は骨部を表す画像中への骨部以外の部位の偽画像の混入が抑制された放射線画像である。
なお、上記入力用放射線画像11と同種の放射線画像21は、与えられた胸部3Pについて、上記単純放射線撮影10と略同様の撮影条件下での単純放射線撮影20に基づいて得られたものである。すなわち、入力用放射線画像11と放射線画像21とは、略同じ放射線エネルギ分布を有する略同じ線量の放射線を被写体に照射する放射線撮影によって得られたものである。また、上記境界抽出処理22で行われる処理も境界抽出処理12で行われる処理と同等のものである。
上記入力用放射線画像11および、教師用放射線画像の作成に用いた胸部1Pα、1Pβ・・・、および診断用放射線画像60を作成する際に与えられた1つの胸部3Pは共に互に同種の被写体である。すなわち、上記各胸部1Pα、1Pβ、・・・、3Pは、互に形状、構造、大きさ、および各部位の放射線吸収特性が略等しい生体組織である。また、上記特定の部位である骨部Pxは、上記被写体となる胸部中の上記他の部位Poとは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位である。
また、上記境界抽出処理12(境界抽出処理22)は、単純放射線画像11H(単純放射線画像21H)中の小領域部分毎に、その小領域部分が主として属する組織が骨部であるか骨部以外であるかを判別し、各小領域部分における判別結果を統合して上記部位特定画像11C(部位特定画像21C)を取得するものである。
上記のように、第1の実施の形態の放射線画像処理方法によれば、診断対象となる被写体へ照射する放射線の線量を増大させることなく、被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界をより明確に表す骨部画像を生成できる。
なお、教師用放射線画像33として被写体画像11Hよりも画質劣化が少ないものを採用して教師学習済フィルタ40の学習を行うことにより、与えられた被写体を表す被写体画像21Hに生じた画質劣化が補償され、かつ、与えられた胸部3P中の骨部Pxを強調して表した診断用放射線画像を形成することもできる。
しかしながら、本発明の放射線画像処理方法は、教師用放射線画像33や被写体画像11Hの画質劣化の度合いにかかわらず適用することができる。すなわち、例えば教師用放射線画像33が被写体画像11Hと同様の画質劣化を含むものであっても本発明の放射線画像処理方法を適用することができる。
以下、本発明の第2の実施の形態による放射線画像処理方法について説明する。この放射線画像処理方法は、入力用放射線画像として、被写体を表す高圧画像、上記被写体の高圧画像と低圧画像の加重減算処理により形成した画質の劣化した骨部画像、および上記高圧画像と画質の劣化した骨部画像とを用いて形成した上記被写体中の特定の部位と他の部位との境界を表す部位特定画像の3種類の画像を採用したものである。
図3は上記第2の実施の形態による放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図、図4は上記教師学習済フィルタを用いて診断用の放射線画像を取得する放射線画像処理方法の手順を示す図である。
上記第2の実施の形態の放射線画像処理方法は、複数の同種の被写体である成人女性の胸部1Qα、1Qβ・・・(以後、まとめて胸部1Qともいう)毎に、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影14で得られた上記胸部1Qを表す高圧画像15Hと低圧画像15Lとを用いて作成した入力用放射線画像15を用意する。
上記入力用放射線画像15は、被写体画像である上記高圧画像15H、この高圧画像15Hと低圧画像15Lの加重減算処理16により形成した画質の劣化した被写体画像である骨部画像15K、および上記高圧画像15Hと上記骨部画像15Kとを用いた境界抽出処理17によって形成した上記胸部1Q中の骨部Qxとこの骨部Qxとは異なる他の部位Qoとの境界Qcを表す部位特定画像15Cとからなる3種類の学習用の放射線画像を含むものである。
また、上記放射線撮影14は、低圧画像15Lを得るときに照射する放射線の線量よりも高圧画像15Hを得るときに照射する放射線の線量を多くした放射線撮影である。したがって、高圧画像15Hはノイズの少ない画像となり低圧画像15Lは上記高圧画像よりノイズの多い画像となる。また、上記ノイズの多い低圧画像15Lを用いて作成された骨部画像15Kの画質は劣化したものとなる。
なお、上記境界抽出処理17には、従来より知られている特定の部位と他の部位との境界を定める種々の画像処理の手法等を適用することができる。
上記入力用放射線画像15を用意するとともに、上記胸部1Qの放射線撮影により得られた、上記学習用の高圧画像15Hよりも画質劣化が少なく、かつ、胸部1Q中の骨部Qxを強調して表す教師用放射線画像36を各胸部1Qα、1Qβ・・・毎に用意する。
上記骨部を表す教師用被写体画像36は、従来より知られている手法を用いて作成することができる。例えば、上記入力用放射線画像15を作成したときの各胸部Q1毎の個別の放射線撮影において使用した放射線の線量よりも大きな線量を用いた上記胸部1Qの放射線撮影35によって得られた上記胸部1Qを表す高圧画像と低圧画像との加重減算処理により形成した骨部画像とすることができる。
次に、上記入力用放射線画像15を対象とし、教師用放射線画像36を教師として学習させた教師学習済フィルタ41を得る。
すなわち、上記教師学習済フィルタ41は、上記各被写体である胸部1Q毎の学習用の高圧画像15H、骨部画像15K、および部位特定画像15Cそれぞれが入力されたときに、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である上記胸部1Q中の骨部Qxを強調して表す放射線画像51が出力されるように、上記教師用放射線画像36を教師として学習させたものである。より具体的には上記教師学習済フィルタ41は、上記用意された数種類の各被写体1Qα、1Qβ・・・それぞれに対応する入力用放射線画像15と教師用放射線画像36の組からの学習によって得ることができる。
上記教師学習済フィルタ41を取得した後、上記胸部1Qと同種の被写体である、診断対象となる与えられた成人女性の胸部3Qについて、入力用放射線画像15と同種の診断対象の放射線画像25を作成し、この放射線画像25を上記のようにして得られた教師学習済フィルタ41に入力して、画質劣化が補償され、かつ、与えられた胸部3Q中の特定の部位である骨部Qxが強調されてなる放射線画像を形成する。この放射線画像は骨部を表す画像中への骨部以外の部位の偽画像の混入が抑制された放射線画像である。
上記放射線画像25は、上記胸部3Qについて、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影24で得られたこの胸部3Qを表す高圧画像25Hと低圧画像25Lとを用いて作成したものである。
すなわち、上記放射線画像25は、上記診断対象の被写体画像である高圧画像25H、この高圧画像25Hと低圧画像25Lの加重減算処理26により形成した画質の劣化した診断対象の被写体画像である骨部画像25K、および上記高圧画像25Hと骨部画像25Kとを用いた境界抽出処理27によって形成した上記胸部3Q中の骨部Qxとこの骨部Qxとは異なる他の部位Qoとの境界Qcを表す診断対象の部位特定画像25Cの3種類の画像からなるものである。
上記のように、第2の実施の形態の放射線画像処理方法によれば、診断対象となる被写体へ照射する放射線の線量を増大することなく、上記被写体を表す放射線画像の品質を高めることができる。
ここで、上記境界抽出処理17、27を実施する手法の1例について説明する。上述のように、この境界抽出処理には従来より知られている手法を適用することができる。図5は境界抽出処理の様子を示す図である。
上記境界抽出処理では、判別すべきクラスとして骨部と骨部以外の部位の2つのクラス(例えば、値−1からなる画像領域と値+1からなる画像領域)を定める。
被写体となる胸部D1の放射線撮影により得られた高圧画像と低圧画像の加重減算処理によって得られた上記胸部D1の放射線像を表す骨部画像E、および上記高圧画像Fを入力用放射線画像とする。
また、上記胸部D1の放射線像について上記胸部中の骨部と骨部以外の部位を区別する上記2つのクラスを手入力によってラベル付けした部位特定画像Gを教師用放射線画像とする。そして、骨部画像Eと高圧画像Fが判別フィルタN1に入力されたときに、上記胸部D1中の骨部とこの骨部以外の部位との境界を表す部位特定画像Jが形成されるように、上記教師用の部位特定画像Gを教師として学習させることにより上記判別フィルタN1が得られる。
なお、部位特定画像Jは、上記教師用の部位特定画像Gの類似画像である。
また、上記判別フィルタN1の学習は、例えば、骨部画像E、高圧画像F、および部位特定画像Gそれぞれの画像中の互に対応する小領域部分にサブウィンドウSwを定め、上記サブウィンドウSw中の画素の値である特徴量とこの特徴量に対応するクラスとを定めて実施する。
上記特徴量は、骨部画像Eと高圧画像Fを多重解像度変換した互に異なる各空間周波数帯域毎の画像(骨部画像EH,EM,EL、および高圧画像FH、FM,FL)におけるサブウィンドウSw中の5×5画素の矩形領域の画素値であり、上記空間周波数帯域が3帯域なら3×5×5=75個の画素値で、8帯域なら8×5×5=200個の画素値で表されるものとなる。そして後述するサポートベクターマシン(SVM)を用いて2クラス、すなわち骨部と骨部以外の部位とを判別するための2クラスについての学習を行う。
上記のように学習した境界抽出処理用の判別フィルタN1を有する上記境界抽出処理17および境界抽出処理27は、同一被写体の骨部画像と高圧画像が入力されると、上記被写体中の骨部とこの骨部以外の部位との境界を表す部位特定画像を形成する。
以下、サポートベクターマシン(SVM)による2クラス(骨部と骨部以外の部位)の判別について説明する。図6はサポートベクターマシンによる2クラスの判別を示す図である。
なお、このサポートベクターマシン(SVM)については、以下の文献を参照することができる。
Nello Cristianini(著)、John Shawe-Taylor(著)、大北剛(訳)、題名「サポートベクターマシン入門」、共立出版、2005年3月25日発行、P.149からP.156。
n次元の特徴ベクトルxに対応する2つのクラスy={-1,1}を判別する下記関数を学習する問題について、まず判別関数が線形である場合を考える。
このとき判別面と学習サンプルとの幾何学的距離(マージン)は、
となる。
サポートベクターマシンは全ての学習サンプルが判別関数によって正しく分離されているという制約条件の元で、このマージンを最大化する判別面を学習する。
ξは正しく判別されない学習サンプルを許容する緩和変数である。またCはモデルの複雑さと制約条件の緩和との間のトレードオフを設定するパラメータである。
上記の問題は次の双対問題を解くことと等価であり、凸2次計画問題の特性から必ず大域解を求めることができる。
この双対問題を解いて得られる判別関数は次式で表現される。
この関数は線形関数であるが、非線形に拡張するには入力Xを高次の特徴空間Φ(X)に写像し、その特徴空間でのベクトルΦ(X)をこれまでの入力Xとみなせばよい(X→Φ(X))。通常、高次元空間への写像は計算量の大幅な増加を伴うが、最適化すべき式に現れる内積の項をK(x,y)=<Φ(x),Φ(y)>の関係を満たすカーネル関数で置き換えると、入力次元の計算で高次元に写像してから計算したものと同じ結果を求めることができる。カーネル関数には、RBFカーネル、多項式カーネル、シグモイドカーネルなどが利用できる。
次に、上記境界抽出処理用の判別フィルタN1について補足する。図7は境界抽出処理の対象となる上記境界を判別すべき放射線画像とこの放射線画像が対応するクラスの教師画像にサブウィンドウを設定する様子を示す図である。
判別すべき放射線画像ZaにサブウィンドウSaを設定し、サブウィンドウSa内の画素Gaの値を特徴量とする。この放射線画像Gaに対応するクラスの教師画像Zbにおいて、同じ位置に設定されたサブウィンドウSbの中央の画素Gbの位置におけるクラスラベルが教師データである。
N次元の入力(特徴量)に対する1次元の出力値がペアで一つの学習サンプルになる。判別フィルタの学習は、この学習サンプルが多数集まった集合を用いて行う。
学習された判別フィルタによる判別結果は一つの画素における結果である。そのため判別フィルタを全ての画素に走査させることによって判別画像を得る。これは後述するサポートベクター回帰の場合も同様であり、後述するように骨部画像を生成するには高空間周波帯域画像、中空間周波数帯域画像、低空間周波数帯域画像における全ての画素位置で、対応する骨部の値を求めるために非線形フィルタ処理を適用する。
次に、上記教師学習済フィルタ41の作成について詳しく説明する。
図8は与えられた被写体についての各空間周波数帯域毎の放射線画像を教師学習済フィルタへ入力して診断用の放射線画像を作成する様子を示す図、図9は各空間周波数帯域毎に教師学習済フィルタを作成する様子を示す図である。
ここでは、入力用放射線画像を、被写体の放射線撮影および境界抽出処理で得られた上記部位特定画像から作成した互に異なる解像度の複数の部位特定画像、および上記被写体を表す上記互に異なる空間周波数帯域毎の被写体画像からなるものとする。また、教師用放射線画像を、上記被写体と同種の被写体の放射線撮影により得られた、上記被写体画像よりも画質劣化が少なく、かつ、その被写体中の特定の部位と同じ部位を強調して表す上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の教師用放射線画像からなるものとする。
すなわち、1種類の解像度からなる部位特定画像から、互に異なるより低い解像度の複数の部位特定画像を得るために、上記1種類の部位特定画像に対して画素数を間引いて少なくする縮小処理を施し、少ない画素数で構成される低解像度の部位特定画像を得る。これにより、各部位特定画像の解像度を、上記被写体画像における互に異なる空間周波数帯域に合わせることができる。なお、1種類の空間周波数帯域からなる被写体画像から、互に異なるより低い空間周波数帯域の複数の被写体画像を得る多重解像度変換の手法については後述する。
また、上記教師学習済フィルタは、上記互に異なる解像度の複数の部位特定画像、および上記互に異なる空間周波数帯域毎の被写体画像からなる入力用放射線画像を対象とし、上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の教師用放射線画像を教師として学習させたものとする。
そして、上記被写体と同種の診断対象となる与えられた被写体について、入力用放射線画像と同種の上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の放射線画像を作成し、この互に異なる空間周波数帯域毎の複数の放射線画像を教師学習済フィルタに入力して、この教師学習済フィルタにより、画質劣化が補償され、かつ、前記与えられた被写体中の特定の部位が強調されてなる上記互に異なる空間周波数帯域毎の複数の放射線画像を形成し、上記複数の放射線画像を合成して1つの放射線画像を作成するものとする。
すなわち、図8に示すように、上記教師学習済フィルタ41は、診断対象となる与えられた被写体である胸部3Qの放射線画像である高圧画像25H、および骨部画像25Kのそれぞれを多重解像度変換して得られた各空間周波数帯域毎の複数の放射線画像の入力と、上記互に異なる空間周波数帯域毎の部位特定画像25Cに基づいて、診断対象となる上記空間周波数帯域毎の複数の放射線画像61H、61M、61Lを作成し、上記作成された複数の放射線画像61H、61M、61Lを合成して診断用の放射線画像61を得るように構成することができる。
ここで、上記教師学習済フィルタ41は、高周波帯域教師学習済フィルタ41H、中周波帯域教師学習済フィルタ41M、低周波帯域教師学習済フィルタ41L、および画像合成フィルタ41T等から構成されるものである。
また、図9に示すように、上記教師学習済フィルタ41を作成するために用意された上記胸部1Qを表す各空間周波数帯域毎の教師用放射線画像36H、36M、36Lは、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す放射線画像36(骨部高解像度画像)を多重解像度変換して得られたものである。
また、上記教師学習済フィルタ41を作成するために用意された上記各空間周波数帯域毎の入力用放射線画像15である上記空間周波数帯域毎の骨部画像15KH、15KM、15KL、上記空間周波数帯域毎の高圧画像15HH、15HM、15HLのそれぞれも、上記教師用放射線画像36の場合と同様に、胸部Q1を表す骨部画像15K、高圧画像15Hそれぞれを多重解像度変換して得られたものである。
また、上記空間周波数帯域毎の部位特定画像15CH、15CM、15CLは、部位特定画像Cの縮小処理によって得られたものである。
すなわち、上記教師用放射線画像36を多重解像度変換して、上記各空間周波数帯域毎の放射線画像である高周波数帯域を表す放射線画像(以後、教師用高周波帯域画像36Hという)、中周波数帯域を表す放射線画像(以後、教師用中周波帯域画像36Mという)、低周波数帯域を表す放射線画像(以後、教師用低周波帯域画像36Lという)が形成される。
また、上記学習用の骨部画像15Kを多重解像度変換して、上記各空間周波数帯域毎の放射線画像である高周波数帯域を表す放射線画像(以後、骨部高周波帯域画像15KHという)、中周波数帯域を表す放射線画像(以後、骨部中周波帯域画像15KMという)、低周波数帯域を表す放射線画像(以後、骨部低周波帯域画像15KLという)が得られる。
また、上記学習用の高圧画像15Hを多重解像度変換して、上記各空間周波数帯域毎の放射線画像である高周波数帯域を表す放射線画像(以後、高圧高周波帯域画像15HHという)、中周波数帯域を表す放射線画像(以後、高圧中周波帯域画像15HMという)、低周波数帯域を表す放射線画像(以後、高圧低周波帯域画像15HLという)が形成される。
図10は画像を多重解像度変換する様子を示す図である。
図10に示すように、例えば、高圧高周波帯域画像15HHは、上記高圧画像15H(高圧高解像度画像)とこの高圧画像15Hをダウンサンプリングして得られた高圧中解像度画像H1とのアップサンプリングによって得られたものである。
上記ダウンサンプリングは、σ=1のガウシアンローパスフィルタと上記高圧画像15H(高圧高解像度画像)の1/2間引きとを行うものである。また、上記アップサンプリングは3次Bスプライン補間を利用して実施されるものである。
上記高圧中周波帯域画像15HMは、上記高圧高周波帯域画像15HHの場合と同様に、上記高圧中解像度画像H1とこの高圧中解像度画像H1をダウンサンプリングして得られた高圧低解像度画像H2とのアップサンプリングによって得られたものである。
上記高圧低周波帯域画像15HLは、上記高圧高周波帯域画像15HHや高圧中周波帯域画像15HMを取得した場合と同様に、上記高圧低解像度画像H2とこの高圧低解像度画像H2をダウンサンプリングして得られた高圧極低解像度画像H3とのアップサンプリングによって得られたものである。
上記のようにして、骨部画像Eについても、骨部高周波帯域画KH、骨部中周波帯域画像KM、骨部低周波帯域画像KLを作成する。
また、上記学習用の部位特定画像15Cの解像度を上記各画像の解像度に合わせるために、この部位特定画像15Cに対して画素数を少なくする縮小処理を施してより低解像度の画像を得る。これにより、高解像度の上記部位特定画像15Cである(以後、境界高周波帯域画像15CHともいう)から、中解像度の放射線画像(以後、境界中周波帯域画像15CMという)、低解像度の放射線画像(以後、境界低周波帯域画像15CLという)が形成される。
なお、上記境界高周波帯域画像15CH、境界中周波帯域画像15CM、境界低周波帯域画像15CLの画像それぞれは、上記のように高解像度の画像に縮小処理を施して低解像度の画像を得る場合に限らない。例えば、互に異なる解像度毎に、特定の空間周波数帯域の画像からこの空間周波数帯域に対応する部位特定画像を作成するようにしてもよい。
また、上記教師学習済フィルタ41も上記3つの空間周波数帯域毎に作成される。すなわち、上記各空間周波数帯域毎の学習によって上記高周波帯域教師学習済フィルタ41H、中周波帯域教師学習済フィルタ41M、および低周波帯域教師学習済フィルタ41Lが得られる。
以下、上記高周波帯域教師学習済フィルタ41H等を学習によって作成する場合について説明する。
図9に示すように、学習用の骨部高周波帯域画像15KH、学習用の高圧高周波帯域画像15HH、学習用の高解像度の部位特定画像である境界高周波帯域画像15CH、および教師用高周波帯域画像36Hそれぞれについて互に対応する小領域部分である5画素×5画素(合計25画素)の矩形領域からなるサブウィンドウSwを設定する。
そして、骨部高周波帯域画像15KHと高圧高周波帯域画像15HHと境界高周波帯域画像15CHの各サブウィンドウSwを構成するそれぞれ25画素の値からなる特徴量に対し、教師用高周波帯域画像36H中のサブウィンドウSwの中心画素の値を目標値とする学習用サンプルを取り出し、サブウィンドウを移動させつつ、複数の学習用サンプルを抽出する。これにより抽出された、例えば1万種類の学習用サンプルを学習させることによって、上記高周波帯域教師学習済フィルタ41Hを得る。
なお、高周波帯域画像51H、および後述する中周波帯域画像51M、低周波帯域画像51Lそれぞれは、上記教師用高周波帯域画像36H,教師用中周波帯域画像36M,教師用低周波帯域画像36Lの類似画像である。
上記高周波帯域教師学習済フィルタ41H等は、下記のサポートベクター回帰を用いた回帰モデルを学習してなるものである。この回帰モデルは、入力された骨部高周波帯域画像15KHの特徴量(上記25画素分で表される画像)と高圧高周波帯域画像15HHの特徴量(上記25画素分で表される画像)と境界高周波帯域画像15CHの特徴量(上記25画素分で表される画像)に応じて、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す高周波帯域画像51Hを出力する高周波帯域の非線形フィルタである。
また、上記骨部中周波帯域画像15KM、高圧中周波帯域画像15HM、境界中周波帯域画像15CM、および教師用中周波帯域画像36Mを用いた上記と同様の学習により、上記中周波帯域用教師学習済フィルタ41Mが得られる。
さらに、上記骨部低周波帯域画像15KL、高圧低周波帯域画像15HL、境界中周波帯域画像15CL、および教師用低周波帯域画像36Lを用いた上記と同様の学習により、上記低周波帯域用教師学習済フィルタ41Lが得られる。
上記のように、回帰モデルの学習は各空間周波数帯域毎に実施され、上記教師学習済フィルタ41H、教師学習済フィルタ41M、教師学習済フィルタ41Lからなる教師学習済フィルタ41が得られる。
図8に示すように、上記のようにして作成された教師学習済フィルタ41には、診断対象となる与えられた成人女性の胸部3Qについて作成された、上記入力用放射線画像15と同種の診断対象の放射線画像25である骨部画像25Kと高圧画像25Hと部位特定画像25Cそれぞれについての各空間周波数帯域毎の画像が入力される。
すなわち、骨部画像25Kを多重解像度変換してなる骨部高周波帯域画像25KH、骨部中周波帯域画像25KM、および骨部低周波帯域画像25KL、高圧画像25Hを多重解像度変換してなる高圧高周波帯域画像25HH、高圧中周波帯域画像25HM、高圧低周波帯域画像25HL、および部位特定画像25Cを縮小処理してなる境界高周波帯域画像25CH、境界中周波帯域画像25CM、境界低周波帯域画像25CLを教師学習済フィルタ41に入力する。
そして、骨部画像25Kと高圧画像25Hと部位特定画像25Cそれぞれの各空間周波数帯域毎の画像が入力された上記教師学習済フィルタ41H,41M、41Lは、各空間周波数帯域毎に診断用の放射線画像61H、61M、61Lを推定し、上記推定された放射線画像61H、61M、61Lを画像合成フィルタ41Tで合成して診断用の放射線画像61を得る。
すなわち、高周波帯域用教師学習済フィルタ41Hに、骨部高周波帯域画像25KHと高圧高周波帯域画像25HHと境界高周波帯域画像25CHが入力されると、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す高周波帯域の診断用の放射線画像61Hが形成される。
また、中周波帯域用教師学習済フィルタ41Mに、骨部中周波帯域画像25KMと高圧中周波帯域画像25HMと境界中周波帯域画像25CMが入力されると、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す中周波帯域の診断用の放射線画像61Mが形成される。
さらに、低周波帯域用教師学習済フィルタ41Lに、骨部低周波帯域画像25KLと高圧低周波帯域画像25HLと境界低周波帯域画像25CLとが入力されると、画質劣化が補償され、かつ上記特定の部位である骨部を主に表す低周波帯域の診断用の放射線画像61Lが形成される。
そして、上記形成された高周波帯域の診断用放射線画像61H、中周波帯域の診断用放射線画像61M、および低周波帯域の診断用放射線画像61Lが上記画像合成フィルタ41Tによって合成され、画質劣化が補償され、かつ特定の部位である骨部を主に表す上記診断用放射線画像61が作成される。
図11は画像合成フィルタにおけるアップサンプリングと加算の処理の様子を示す図である。
図11に示すように、上記画像合成フィルタ41Tは低周波帯域の診断用放射線画像61L、中周波帯域の診断用放射線画像61M、高周波帯域の診断用放射線画像61Hの順にアップサンプリングと加算を繰り返して上記診断用放射線画像61を得るものである。
すなわち、低周波帯域の診断用放射線画像61Lをアップサンプリングして得られた画像と中周波帯域の診断用放射線画像61Mとを加算した画像を得、その画像をアップサンプリングして得られた画像と高周波帯域の診断用放射線画像61Hとを加算して上記診断用放射線画像61が得られる。
上記回帰モデルの学習において入力される特徴量について以下に具体的に説明する。図12は上記特徴量を示す領域の1例を示す図である。
上記特徴量は各空間周波数帯域毎の放射線画像における画素値そのものであってもよいし、特別なフィルタ処理を施して得られたものであっても良い。例えば、図12に示すような、特定の空間周波数帯域の放射線画像中の縦方向に互に隣り合う3画素からなる領域U1あるいは横方向に互に隣り合う3画素からなる領域U2の各画素値の平均値を新たな特徴量としてもよい。またウェーブレット変換を行い、ウェーブレット係数を特徴量に用いてもよい。また、複数の周波数帯域に渡る画素を特徴量に用いても良い。
上記回帰モデルの学習において実施するコントラスト正規化について以下に説明する。
各空間周波数帯域毎の画像中に設定されたサブウィンドウSw(図9参照)に含まれる各画素の画素値について標準偏差を計算する。上記標準偏差が所定の目標値に一致するように帯域画像の画素値に係数を掛ける。
I' = I ×(C/SD)
ここで、Iは原画像の画素値、I'はコントラスト正規化後の画素値、SDはサブウィンドウSw内の画素値についての標準偏差、Cは標準偏差の目標値(上記Cは事前に設定する定数)である。
上記各放射線画像中の全領域を網羅するようにサブウィンドウSwの走査を行ない、各画像中に設定可能な全てのサブウィンドウSwについて上記標準偏差を目標値に近づけるように上記サブウィンドウSw中の画素値に所定の係数を乗じて正規化する。
上記正規化の結果、各空間周波数帯域毎の画像成分の振幅の大きさ(コントラスト)が揃う。これにより、上記教師学習済フィルタ41へ入力される各空間周波数帯域毎の放射線画像における画像パターンのバリエーションが減るので、上記骨部の推定精度を向上させる効果が得られる。
上記非線形フィルタである教師学習済フィルタを学習するステップでは、高圧画像に上記のコントラスト正規化処理を施し、乗算した係数を劣化のない骨部画像にも乗算する。正規化した高圧画像と骨部画像のペアから学習サンプルを用意して非線形フィルタを学習する。
診断用の被写体の骨部を主に表す診断用放射線画像を推定するステップでは、入力される高圧画像をコントラスト正規化し、正規化済みの各空間周波数帯域毎の画像の画素値を教師学習済フィルタに入力する。上記教師学習済フィルタの出力値に対し、上記正規化したときに用いた係数の逆数を乗算し、骨部の推定値とする。
なお、上記のように1つの画像を互に異なる空間周波数帯域毎の複数の画像に変換し、変換された各画像毎に画像処理を施して各空間周波数帯域毎の複数の処理済画像を作成し、上記複数の処理済画像を合成して1つの処理済画像を得る手法としては、従来より知られている種々の手法を採用することができる。
次に、サポートベクター回帰(サポートベクターマシンによる回帰(SVR))について説明する。
図13はサポートベクター回帰により近似関数を求める様子を示す図である。
d次元の入力ベクトルxに対応する実数値yを近似する関数を学習する問題について、まず近似関数が線形である場合を考える。
Vapnikの提案するε-SVRアルゴリズムでは次の損失関数を最小化するfを求める。
なお、上記Vapnikの提案するε-SVRアルゴリズムについては上記文献「サポートベクターマシン入門」を参照することができる。
上記<w・w>はデータを近似するモデルの複雑さを表す項であり、Remp[f]は次のように表現される。
ここで|y-f(x)|ε=max{0,|y-f(x)|-ε}であり、εより小さい誤差は無視することを表す。ξ、ξ*はそれぞれ正方向、負方向にεを超える誤差を許容する緩和変数である。また、Cはモデルの複雑さと制約条件の緩和との間のトレードオフを設定するパラメータである。
上の主問題は次の双対問題を解くことと等価であり、凸2次計画問題の特性から必ず大域解を求めることができる。
この双対問題を解いて得られる回帰モデルは次式で表現される。
この関数は線形関数であるが、非線形に拡張するには入力Xを高次の特徴空間Φ(X)に写像し、その特徴空間でのベクトルΦ(X)をこれまでの入力Xとみなせばよい(X→Φ(X))。通常、高次元空間への写像は計算量の大幅な増加を伴うが、最適化すべき式に現れる内積の項をK(x,y)=<Φ(x),Φ(y)>の関係を満たすカーネル関数で置き換えると、入力次元の計算で高次元に写像してから計算したものと同じ結果を求めることができる。カーネル関数には、RBFカーネル、多項式カーネル、シグモイドカーネルなどが利用できる。
上記判別における学習方法は、上記サポートベクターマシン(SVM)以外にAdaBoostなどを用いても良い。
上記判別すべきクラスは、骨部と骨部以外の部位や、後肋骨、肋骨間等からなる2クラスに限らず、後肋骨、肋骨間、鎖骨からなる3クラスや、鎖骨を含む3クラス以上のものであってもよい。
図14は胸部を表す骨部画像中に生じたモーションアーチファクトを示す図である。
図14に示すように、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像および低圧画像を用いた加重減算により形成されたエネルギサブトラクション画像である成人女性の胸部を表す骨部画像FK中に心臓の鼓動に応じて生じたモーションアーチファクトMaが生じることがある。このようなモーションアーチファクトは、放射線画像中から除去することが求められるので、上記特定の部位をモーションアーチファクトとし、このモーションアーチファクトMaを強調して表す放射線画像を上記教師学習済フィルタを通して形成する。そのようにして形成された放射線画像を、例えば上記骨部画像FKから差し引くことにより、このモーションアーチファクトMaが除去された骨部画像を作成することができる。
上記のように、特定の部位は、互に異なるタイミングで得られた高圧画像と低圧画像とにおいて被写体中の表示位置が変化した部位とすることができる。また、上記のように、強調されて表される特定の部位は放射線画像中の不要な部位(欠陥部位)としてもよい。そのような場合には、この不要部位を表す放射線画像を、上記不要部位およびこの不要部位以外の必要部位の両方を含む放射線画像から差し引くことにより、不要部位が除去され必要部位のみを表す所望の放射線画像を得ることができる。
なお、教師用放射線画像を、入力用放射線画像を得る際の1回の放射線撮影に用いた放射線の線量よりも大きな線量を用いた放射線撮影に基づいて取得する場合には、1回の放射線撮影で上記被写体へ照射する放射線の線量が許容値を超える場合があるが、所定期間に上記被写体へ照射する放射線の線量の総和を制限する等のことにより上記大きな線量を用いた教師用の被写体に対する放射線撮影を実施することができる。
図1,2に示すように、本発明の放射線画像処理方法を実施する放射線画像処理装置110は、複数の同種の被写体である成人男性の胸部1P毎に取得した、この胸部1Pの単純放射線撮影10で得られた上記胸部1Pを表す単純放射線画像である学習用の被写体画像11H、およびその被写体画像11Hに対し境界抽出処理12を施して得られた胸部1P中の特定の部位である骨部Pxとこの骨部Pxとは異なる他の部位Poとの境界Pcを表す学習用の部位特定画像11Cからなる入力用放射線画像11と、上記胸部1Pの放射線撮影により得られた、上記被写体画像11Hよりも画質劣化が少なく、かつ、胸部1P中の特定の部位である骨部Pxを強調して表す教師用放射線画像33を用い、上記入力用放射線画像11を対象とし教師用放射線画像33を教師として学習させた教師学習済フィルタ40を得るフィルタ取得部Mh1(図1参照)と、与えられた被写体である上記胸部1Pと同種の被写体である診断対象となる胸部3Pについて単純放射線撮影20を行い、上記入力用放射線画像11と同種の放射線画像21を作成する同種画像作成部Mh2(図2参照)と、この診断対象の放射線画像21を上記教師学習済フィルタ40に入力して、与えられた胸部3P中の骨部Pxを強調して表した診断用放射線画像を形成する部位強調画像形成部Mh3(図2参照)とを備えたものである。
この、放射線画像処理装置110の作用は、既に説明した上記放射線画像処理方法と同様なので省略する。なお、上記フィルタ取得部Mh1、同種画像作成部Mh2、および部位強調画像形成部Mh3それぞれで扱う各画像は、画像そのものとしたり、画像を表す画像データとすることができる。
なお、上記教師学習済フィルタは小領域ごとに学習するものではなく、一つの周波数あたり1種類だけ用意し、一つのフィルタによって全ての小領域を処理するものである。フィルタの学習は、単一の(または小数の)放射線画像のさまざまな小領域から学習用サンプルを取り出し、それら多数のサンプルを同時に集合として扱い学習するものである。つまり、例えばAさんの鎖骨あたり、Aさんの鎖骨の下あたり、Aさんの肋骨の輪郭あたり、Aさんの肋骨の中心あたり・・・などからなる学習サンプルをまとめて学習するものである。また、フィルタの入力となる特徴量は25画素だが、上記25画素に対応する出力である教師は25画素ではなく小領域の中心部分の1画素である。
また、本発明の放射線画像処理装置の機能を実行するためのプログラムをパソコンにインストールし、パソコンにおいて上記実施形態と同様の作用を実行させることが可能である。すなわち、上記実施の形態の放射線画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが本発明のプログラムに該当する。
第1の実施の形態の放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図 第1の実施の形態の放射線画像処理方法の手順を示す図 第2の実施の形態の放射線画像処理方法に用いる教師学習済フィルタを取得する手順を示す図 第2の実施の形態の放射線画像処理方法の手順を示す図 境界抽出処理の様子を示す図 サポートベクターマシンによる2クラスの判別を示す図 判別すべき放射線画像と教師画像にサブウィンドウを設定する様子を示す図 与えられた被写体についての各空間周波数帯域毎の放射線画像を教師学習済フィルタへ入力して診断用の放射線画像を作成する様子を示す図 各空間周波数帯域毎に教師学習済フィルタを作成する様子を示す図 画像を多重解像度変換する様子を示す図 画像合成フィルタにおけるアップサンプリングと加算の様子を示す図 特徴量を構成する領域を示す図 サポートベクター回帰により近似関数を求める様子を示す図 胸部を表す骨部画像中に生じたモーションアーチファクト示す図である。
符号の説明
1P 被写体
3P 被写体
10 放射線撮影
11H 被写体画像
11C 部位特定画像
11 入力用放射線画像
20 放射線撮影
21 放射線画像
33 教師用放射線画像
40 教師学習済フィルタ
60 放射線画像

Claims (13)

  1. 複数の同種の被写体毎に、該被写体の放射線撮影で得られた前記被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界を表す部位特定画像および前記被写体を表す被写体画像からなる入力用放射線画像を用意し、
    前記各被写体の放射線撮影により得られた、該被写体中の前記特定の部位を強調して表す教師用放射線画像を前記各被写体毎に用意し、
    前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、該被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得、
    その後、前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成し、
    該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成することを特徴とする放射線画像処理方法。
  2. 前記教師用放射線画像を作成するための放射線撮影に用いられる放射線の線量が、前記被写体画像を作成するための放射線撮影に用いられる放射線の線量よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の放射線画像処理方法。
  3. 前記教師用放射線画像が、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像と低圧画像を用いた加重減算処理により形成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像処理方法。
  4. 前記入力用放射線画像が、互いにエネルギ分布の異なる放射線による放射線撮影で得られた高圧画像と低圧画像を用いた加重減算処理により形成されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  5. 前記被写体画像が、単純放射線撮影によって得られた単純放射線画像であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  6. 前記特定の部位が、他の部位とは異なる特定の放射線吸収特性を有する部位であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  7. 前記被写体が生体組織であり、前記特定の部位が、骨部、肋骨、後肋骨、前肋骨、鎖骨、脊椎のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  8. 前記被写体が生体組織であり、前記特定の部位とは異なる他の部位が、肺野、縦隔膜、横隔膜、肋骨間のうちの少なくとも1つを含むものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  9. 前記被写体が生体組織であり、前記特定の部位が前記生体組織の骨部あるいは軟部であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  10. 前記特定の部位が、前記高圧画像と低圧画像とにおいて被写体中の位置が変化した部位であることを特徴とする請求項4記載の放射線画像処理方法。
  11. 前記教師学習済フィルタが、前記教師学習済フィルタを取得するための学習および前記与えられた被写体に対する放射線画像の形成を互に異なる複数の空間周波数帯域毎に行い、各空間周波数帯域毎に形成された前記放射線画像のそれぞれを合成して1つの放射線画像を得るものであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の放射線画像処理方法。
  12. 複数の同種の被写体毎の放射線撮影で得られた、該被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界を表す部位特定画像および前記被写体を表す被写体画像からなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた該被写体中の前記特定の部位を強調して表す各被写体毎の教師用放射線画像とを用い、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、該被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得るフィルタ取得手段と、
    前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する同種画像作成手段と、
    該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する部位強調画像形成手段とを備えたことを特徴とする放射線画像処理装置。
  13. 複数の同種の被写体毎の放射線撮影で得られた、該被写体中の特定の部位とこの特定の部位とは異なる他の部位との境界を表す部位特定画像および前記被写体を表す被写体画像からなる入力用放射線画像と、前記各被写体の放射線撮影により得られた該被写体中の前記特定の部位を強調して表す各被写体毎の教師用放射線画像とを用い、前記各被写体を表す入力用放射線画像の入力に対し、該被写体に対応する前記教師用放射線画像を教師として学習させた教師学習済フィルタを得る手順と、
    前記被写体と同種の与えられた被写体について、前記入力用放射線画像と同種の放射線画像を作成する手順と、
    該放射線画像を前記教師学習済フィルタに入力して、前記与えられた被写体中の前記特定の部位と同じ部位が強調されてなる該被写体の放射線画像を形成する手順とを実行する放射線画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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