JP2000230150A - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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JP2000230150A
JP2000230150A JP11035243A JP3524399A JP2000230150A JP 2000230150 A JP2000230150 A JP 2000230150A JP 11035243 A JP11035243 A JP 11035243A JP 3524399 A JP3524399 A JP 3524399A JP 2000230150 A JP2000230150 A JP 2000230150A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、150℃以下の低温焼き付け処理
にて塗膜形成が可能であって、塗膜の表面硬度が高く、
ブラシ洗浄時の耐キズ付性、耐煮沸性、耐溶剤性、耐蝕
性、耐水性、耐薬品性、耐クラック性(可とう性)等に
優れ、更に、一液型で水分混入許容範囲が広く安定で長
期保存性の良い無機系コーティング用組成物を容易に且
つ安価に提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のコーティング用組成物は、一般
式(A)Rn Si(OR′)4-n (式中、Rは炭素数1
〜8の有機基、R′はメチル基又はエチル基を表し、n
は0〜2のいずれかの整数である)で表されるアルコキ
シシラン(a)、主に水酸基を有する溶剤可溶型フッ素
樹脂(b)、溶媒分散型コロイダルシリカ(c)、一般
式(B) M(OR″)m (式中、R″は炭素数が1〜
4のアルキル基、Mはチタン、ジルコニウム、又はアル
ミニウムから選ばれる金属を表し、mは3又は4の整数
である)で表される異種金属アルコキシド(d)を含有
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング用組
成物に関し、更に詳しくは、珪酸カルシウム系窯業基
材、及びSUS、アルミニウム等の金属基材等種々の製
品基材表面被覆用として好適に使用できるコーティング
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被塗物のコーティング処理費用低
減及び環境対策を目的とし、塗膜形成温度が150℃以
下の低温焼き付け処理で、塗膜の表面硬度が高く、耐候
性、耐汚染性、耐蝕性、耐溶剤性、耐沸騰水性、耐水
性、耐薬品性等に優れ、更に、塗膜に柔軟性があり厚膜
限界も高い無機系コーティング用組成物が求められてお
り、これら市場ニーズを満足するべく各種組成物が提案
されている。
【0003】水酸基含有ビニル系樹脂を組成成分とする
コーティング用組成物としては、例えば、特公平7−9
1511号公報では、アルコキシシラン加水分解縮合物
にシリコン樹脂及び/又は溶剤可溶型フッ素樹脂を配合
して厚膜限界を高くした、高耐薬品性を有する無機系塗
料が報告されている。しかし、この組成物はアルコキシ
シラン加水分解縮合物と有機樹脂間の架橋反応が起こっ
ていないためハイブリッド効果が十分に発揮されず、耐
煮沸性、耐水性等の塗膜物性が有機塗料や水ガラス等の
アルカリシリケートをバインダーとする無機系塗料に比
べ著しく弱く、且つ塗膜形成温度が180℃〜200℃
近辺であるため、焼き付け温度等の施工に制約があり、
塗装製品の生産性が悪くなるという欠点がある。
【0004】また、特許第2709281号公報では、
アルコキシシラン加水分解縮合物と、特定の水酸基価を
有する溶剤可溶型フッ素樹脂に、エポキシ基含有シラン
カップリング剤と触媒及び無機顔料等の充填材を配合し
高表面硬度で耐煮沸性等にも優れた組成物が開示されて
いるが、塗膜の耐溶剤性、耐蝕性が弱く、特に、塗膜形
成温度が150℃以下の低温焼き付け条件である場合、
所望の塗膜性能が得られにくいという問題がある。
【0005】更に、特開平5−163463号公報には
アルコキシシラン加水分解縮合物とコロイダルシリカ及
び/又はコロイダルアルミナから構成されるバインダー
中に充填材が分散された、高表面硬度で耐水性、耐薬品
性、耐汚染性等に優れ、且つ容易に着色可能で光沢のあ
る塗膜形成が可能なコーティング用組成物が提示されて
いる。しかし、この組成物は厚膜限界が低く、また、主
要構成成分を別々に合成後、使用時に混合する多液型の
為、組成物自体のポットライフの管理が必要となり制御
が煩雑となりうる。
【0006】一方、特開平4−275379号公報には
水酸基価と酸価を有する含フッ素共重合体にアルコキシ
シラン又は異種金属アルコキシドの加水分解縮合物を配
合することにより、イソシアネート化合物やメラミン樹
脂での硬化では困難な、高表面硬度で耐酸性にも優れた
塗膜が得られることが報告されている。しかし、表面活
性度が高いシリカゾル及び/又は金属アルコキシドゾル
の含有量が多い一液型組成物とした場合には保存安定性
が低下するという問題がある。
【0007】また、特開平5−25422号公報では、
無機質顔料、硬化反応性を有する含フッ素重合体等の充
填材を分散させるのに、イソシアネート基等の−OH基
との反応性の高い官能基を有するオルガノアルコキシシ
ランを配合し、顔料分散性が良好で、且つ化学的又は物
理的抵抗性の高い塗膜を得ている。しかし、イソシアネ
ート基含有シランカップリング剤は安定性の面から取り
扱い性が悪く、且つ価格も数万円/kgと高価であるた
め工業用として利用し難いのが実状である。
【0008】また、加水分解性及び/又はシリル基含有
ビニル系樹脂を組成成分とするコーティング用組成物と
しては、例えば、特開昭64−1769号公報には、ア
ルコキシシラン加水分解縮合物、ジルコニウム化合物及
びシリル基含有ビニル系樹脂からなる組成物が開示され
ている。この組成物は、ジルコニウム化合物がアルコキ
シシラン加水分解縮合物とシリル基含有ビニル系樹脂の
架橋部位に作用して共重合体を形成し高光沢を有する塗
膜が得られるが、表面硬度や密着性に優れる塗膜が得ら
れにくいという問題がある。
【0009】また、特開平10−273623号公報に
は、Siアルコキシド並びに加水分解性及び/又は水酸
基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するビニ
ル系樹脂からなるコーティング用組成物に関する発明が
開示されているが、硬度や密着性を高めるために、加水
分解率が高い条件で反応させる必要があり、溶液安定化
のためにキレート剤を相当量含有させることが記載され
ている。
【0010】しかし、アルコキシ基安定剤であるキレー
ト剤を相当量含有させるため、塗膜硬化速度が低下し、
且つ厚膜時に熱黄変しやすい。また、140℃〜150
℃以下の焼付け条件では硬化剤を使用時に添加しなけれ
ば、表面硬度、耐煮沸性、耐薬品性、耐溶剤性等に優れ
た塗膜が得られにくいため、硬化剤添加後の保存安定性
に問題がある。
【0011】また、特開平10−225404号公報に
は、シラノール基とメトキシシリル基を含有し、特定の
重量平均分子量を有するテトラメトキシシランの部分加
水分解縮合物と、フィルム形成樹脂(A)及びアルコキ
シシリル基を硬化反応基とする無機バインダー(B)の
少なくとも1種を含有し、特定の水の動的後退張力を有
する塗膜に関する発明を開示するが、テトラメトキシシ
ランの部分加水分解縮合物は主剤ポリマー合成後もしく
は塗装時において混合されるものであり、反応中に添加
されるものではなく、特に(A)/(B)として熱硬化
型のものを採用した場合には2液型のものとなるもので
ある。また、この塗膜は表面硬度が低くいものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術からの課題である、150℃以下の低温焼き付け処
理にて塗膜形成が可能であって、塗膜の表面硬度が高
く、ブラシ洗浄時の耐キズ付性、耐煮沸性、耐溶剤性、
耐蝕性、耐水性、耐薬品性、耐クラック性(可とう性)
等に優れ、更に、一液型で水分混入許容範囲が広く安定
で長期保存性の良い無機系コーティング用組成物を容易
に且つ安価に提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のコーティング用
組成物は、一般式(A) Rn Si(OR′)
4-n(式中、Rは炭素数1〜8の有機基、R′はメチル
基又はエチル基を表し、nは0〜2のいずれかの整数で
ある)で表されるアルコキシシラン(a)、主に水酸基
を有する溶剤可溶型フッ素樹脂(b)、溶媒分散型コロ
イダルシリカ(c)、一般式(B) M(OR″)m
(式中、R″は炭素数が1〜4のアルキル基、Mはチ
タン、ジルコニウム、又はアルミニウムから選ばれる金
属を表し、mは3又は4の整数である)で表される異種
金属アルコキシド(d)を含有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコーティング用組
成物について構成成分別に詳細に説明する。まず、本発
明における一般式(A) Rn Si(OR′)4-n
示されるアルコキシシラン(a)は、塗膜マトリックス
中に化学構造的にも安定なシロキサン結合を導入するた
めのものであり、主に、塗膜の表面硬度の向上及び結合
材としての役割を担うものである。
【0015】一般式(A)におけるRは、炭素数が1〜
8の有機基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル
基等のアルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−メタク
リルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ
−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチル基、γ−アミノプロピル基等を挙げること
が出来る。また、一般式(A)で示されるR′は、メチ
ル基もしくはエチル基である。
【0016】そして、一般式(A)で示されるアルコキ
シシラン(a)の具体例としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
エチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシク
ロヘキシルエチルトリメトキシシラン、β−3,4−エ
ポキシシクロヘキシルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これらの中では反応の容易さ等、取り扱い性の観点から
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン
を選択することが望ましい。また、これらアルコキシシ
ランを1種単独又は2種以上を混合して使用することも
可能である。
【0017】また、一般式(A)で表されるアルコキシ
シラン(a)のうち、塗膜の耐薬品性、耐クラック性、
撥水性、密着性等を向上させるためにテトラメトキシシ
ラン等のテトラアルコキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン等のジアルキルジアルコキシシラン、及びγ−グ
リシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチル基等の特定の架橋反応性官能基を有するオルガ
ノアルコキシシランを一定比率で混合し共加水分解反応
に供してもかまわないし、後記の如く組成物を調整後、
混合添加しても良い。その混合比率は、アルコキシシラ
ン(a)成分中の80モル%以下、好ましくは20モル
%以下である。
【0018】また、アルコキシシラン(a)は、酸性側
に調整された水を添加することで加水分解反応を行うと
同時に、重縮合反応によって加水分解縮合物(以下、ア
ルコキシシラン加水分解縮合物(a′)という)を生成
する。この際、水の量はアルコキシシラン(a)1モル
に対し0.5モル〜1.5モルの範囲で添加することが
好ましい。
【0019】次に、本発明で用いられ、主に水酸基(−
OH基)を有する溶剤可溶型フッ素樹脂(b)として
は、アルコキシシラン加水分解縮合物(a′)と架橋反
応を生起しうることが可能で、且つアルコール等の極性
溶媒等を介して相溶性を有するものが好ましい。
【0020】溶剤可溶型フッ素樹脂(b)は、その水酸
基濃度がOHV価(ポリマー値)で40mgKOH/g
〜200mgKOH/g、好ましくは80〜120mg
KOH/gの範囲であり、且つポリスチレン換算重量平
均分子量(Mw)が3000〜100000、好ましく
は10000〜50000の範囲であるものを選択する
と良い。OHV価が、40mgKOH/gより小さいと
目的とする無機成分と有機成分のハイブリッドによる効
果が得られにくく、200mgKOH/gを越えると、
組成物全体の保存安定性が悪くなる上、硬化時にクラッ
クを生じやすくなる。また、重量平均分子量(Mw)が
3000より小さいと得られる塗膜の耐水性、耐薬品
性、耐溶剤性が低下し、且つ塗膜の厚膜化が困難とな
り、100000を越えるとアルコキシシランとの相溶
性が低下し、塗膜の密着性、レベリング性が低下する。
【0021】溶剤可溶型フッ素樹脂(b)としては、例
えばテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン等のフルオロオレフィンと、ヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル等の
水酸基含有単量体とを共重合させるか、或いは、フルオ
ロオレフィンとビニルアルコールのカルボン酸エステル
等の単量体を共重合させた後、加水分解することで得ら
れるものである。市販されているものとしては、例えば
「ルミフロン」(商品名、固形分濃度65重量%、酸価
1mgKOH/g、OH価70mgKOH/g、旭硝子
(株)製)、「セフラルコート」(商品名、固形分濃度
55重量%、OH価35mgKOH/g、セントラル硝
子(株)製)、「フルオネート」(商品名、大日本イン
キ(株)製)等が挙げられる。
【0022】また、水酸基を有する溶剤可溶型フッ素樹
脂(b)は、1成分単独で使用してもかまわないが、水
酸基を含有する樹脂、例えばビニル系樹脂、シリコン樹
脂、飽和若しくは不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、エポキシシリコン樹脂及びアクリル
シリコン樹脂等と併用してもよい。
【0023】水酸基含有ビニル系樹脂は、例えば水酸基
含有ビニル系単量体と該単量体と共重合可能な、その他
のビニル系単量体とを共重合させるか、若しくは酢酸ビ
ニルの単独重合体や共重合体を加水分解することにより
得ることができる。該水酸基含有ビニル系単量体として
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル
類、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどが挙げ
られる。また、これら水酸基含有ビニル系単量体と共重
合可能な、その他のビニル系単量体としては、例えばメ
チル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル類、フマル酸、マレイン酸等の
2塩基性のモノアルキルエステルやジアルキルエステル
類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合
物、更に、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メタ)アクリロ
ニトリル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これ
ら水酸基含有ビニル系樹脂は、通常溶液ラジカル重合等
の公知の製造方法によって得られる。本発明に好適に使
用でき容易に入手可能なものとしては、以下のものを挙
げることができる。水酸基含有ビニル系樹脂としては、
例えばアクリルポリオール類である「アクリディック」
(商品名、固形分濃度50重量%、酸価3mgKOH/
g以下、OH価50mgKOH/g、大日本インキ
(株)製)、「ニッポラン」(商品名、固形分濃度10
0重量%、酸価2mgKOH/g以下、OH価45mg
KOH/g、日本ポリウレタン工業(株)製)、「オレ
スター」(商品名、三井化学(株)製)等が挙げられ
る。
【0024】また、シリコン樹脂としては、その側鎖基
がメチル基、エチル基等の直鎖状若しくは分岐状アルキ
ル基又はフェニル基等のアリール基であり、それらは互
いに同一であっても異なっていても良く、その水酸基濃
度がOHV価で30mgKOH/g〜500mgKOH
/g、好ましくは60mgKOH/g〜300mgKO
H/gの範囲であり、且つ重量平均分子量(Mw)が1
000〜50000、好ましくは3000〜15000
の範囲であるものを選択すると良い。OHV価が30m
gKOH/gより小さいと得られる塗膜の密着性、硬化
速度が低下し、また、500を越えると組成物の保存安
定性が悪く、且つ塗膜にクラックが発生する。また、重
量平均分子量(Mw)が1000より小さいと得られる
塗膜の密着性、耐湿性が低下し、厚膜化が困難となり、
50000を越えると組成物の保存安定性、塗膜の鮮明
性及び硬化速度が低下する。これらシリコン樹脂として
は、例えば信越化学工業(株)製のKR−220L、K
R−242A、KR−2610B(いずれも商品名)等
を挙げることができる。
【0025】尚、本発明に於ける組成物は、アルコキシ
シラン加水分解縮合物(a′)と、上述した溶剤可溶型
フッ素樹脂(b)単独または併用物をコールドブレンド
すると保存安定性や顔料分散性が低下し、組成物のゲル
化や塗膜光沢値の減少が起こる場合があり好ましくな
い。その為、アルコキシシラン(a)中に、溶剤可溶型
フッ素樹脂(b)単独または併用物を相溶させた状態に
てアルコキシシラン(a)を部分共加水分解して反応生
成物(以下、変性オルガノポリシロキサン(A)とい
う)を得ることが望ましい。また、アルコキシシラン
(a)と、溶剤可溶型フッ素樹脂(b)単独または併用
物の混合比率は、アルコキシシラン(a)100重量部
に対して、溶剤可溶型フッ素樹脂(b)単独または併用
物10重量部〜100重量部、好ましくは20重量部〜
80重量部である。
【0026】次に、本発明に於ける組成物中の溶媒分散
型コロイダルシリカ(c)について説明する。
【0027】溶媒分散型コロイダルシリカ(c)は、前
記変性オルガノポリシロキサン(A)の保存安定性、表
面硬度、耐溶剤性、耐蝕性の向上に必須の成分である。
また、組成物の塗膜形成温度の低温下に重要な役割を果
たすものであり、主に、変性オルガノポリシロキサン
(A)の部分共加水分解反応中に混合添加し、コロイダ
ルシリカを含有する反応生成物(以下、変性オルガノポ
リシロキサン(B)という)を得ることを目的とし使用
される。
【0028】本発明で使用される溶媒分散型コロイダル
シリカ(c)とは、ナトリウム分が0.05重量%以下
となるよう高純度に調整された無水珪酸を、水及び/又
はアルコール、グリコール等の親水性溶媒を含有する溶
液中に分散させたものであり、その平均粒径は5nm〜
50nm、好ましくは10nm〜20nmである。一般
に、これら(c)成分のシリカ固形分濃度は、10重量
%〜50重量%である。
【0029】また、通常水のみを分散溶媒とするコロイ
ダルシリカ(以下、水分散性コロイダルシリカという)
は、pHが1〜6、好ましくは2〜4の範囲であるもの
が選択される。尚、この様な溶媒分散型コロイダルシリ
カ(c)としては、例えば「スノーテックス」(商品
名、日産化学工業(株)製);「カタロイド」(商品
名、触媒化成工業(株)製);「アデライトAT」(商
品名、旭電化工業(株)製);「Ludox」(商品
名、米国デュポン社製);「Syton」(商品名、米
国モンサント社製)等を挙げることができる。
【0030】また、組成物中に於ける(c)成分の混合
比率は、アルコキシシラン(a)100重量部に対し1
5重量部〜50重量部であり、且つ変性オルガノポリシ
ロキサン(A)100重量部に対し、(c)成分中のシ
リカ固形分濃度換算で2重量部〜20重量部、好ましく
は2重量部〜10重量部である。この範囲を超えると、
組成物の保存安定性が低下したり、本発明の目的である
低温硬化時に所望の塗膜特性が得られない。尚、(c)
成分として水分散性コロイダルシリカを用いる場合、必
要に応じ酸を添加してpH調整を行い、且つ、その水の
含有量が(a)成分1モルに対し、0.5モル〜1.5
モルの範囲に調整後、混合添加することが好ましい。p
H調整用に使用される酸は、塩酸、硝酸、硫酸、安息香
酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸等の
無機酸及び有機酸等が挙げられる。
【0031】また、前記溶媒分散型コロイダルシリカ
(c)は、特に限定されるものではないが、水分散性コ
ロイダルシリカを用いて、本組成物をクリヤーコート膜
形成用に調整して使用する場合、クリヤー膜の透明性が
低下することがあり好ましくない。したがって、変性オ
ルガノポリシロキサン(B)を得る場合は、アルコール
等の極性溶媒及び/又はキシレン等の非極性溶媒を主分
散溶媒とする非水系溶媒分散型コロイダルシリカ(以
下、コロイダルシリカ(c′)という)を選択すること
が望ましい。これらコロイダルシリカ(c′)として
は、「メタノールシリカゾル:MT−ST」、「イソプ
ロパノールシリカゾル:IPA−ST」、「キシレン・
n−ブタノールシリカゾル:XBA−ST」(商品名、
日産化学工業(株)製);「オスカル」(商品名、触媒
化成工業(株)製)等を挙げることが出来る。
【0032】また、コロイダルシリカ(c′)として、
一般式(C)Si(OR’)4(式中R’は、メチル基
又はエチル基を表す)で表されるテトラアルコキシシラ
ン、及びこれら部分加水分解ゾルを、更に、水を添加し
て加水分解・重縮合反応を行い、反応生成物であるシリ
カゾルの粒子径を5〜50nmに調整し、使用すること
も可能である。
【0033】また、このように調整された変性オルガノ
ポリシロキサン(B)を単独でコーティングに供する場
合、そのエージング期間が30分間から24時間以内で
は良好な塗膜物性を有するが、その期間外では組成物の
硬化速度が遅く、特に塗膜形成温度が150℃以下の場
合には、基材との密着性、表面硬度、耐溶剤性等が有機
塗膜と比べて劣るものとなる。
【0034】次に、本発明に於ける異種金属アルコキシ
ド(d)について説明する。本組成物に於ける、一般式
(B)M(OR″)m で表される異種金属アルコキシド
(d)の役割は、組成物を長期間保存後に150℃以下
の塗膜形成温度にてコーティングに供しても塗膜硬化速
度が速く、且つ良好な塗膜物性を得ることを目的とし、
変性オルガノポリシロキサン(B)と複合化させるもの
である。
【0035】一般式(B)M(OR″)m で表される異
種金属アルコキシド(d)としては、Ti(OR″)
4 、Zr(OR″)4 、Al(OR″)3 等が挙げら
れ、式中、R″は炭素数が1〜4のアルキル基であり、
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等が挙げられる。
【0036】そして、一般式(B)で表される異種金属
アルコキシド(d)の具体例としては、チタニウムテト
ラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チ
タニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ
エトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジ
ルコニウムテトラ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ
メトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウ
ムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブト
キシド等を挙げることができる。これらの金属アルコキ
シドを1種単独又は2種以上を混合して使用する。
【0037】また、変性オルガノポリシロキサン(B)
と異種金属アルコキシドとの混合比率は、変性オルガノ
ポリシロキサン(B)100重量部に対して3重量部〜
30重量部、好ましくは5重量部〜20重量部、特に好
ましくは7重量部〜10重量部であり、3重量部より少
ないと組成物の硬化速度が遅く、30重量部より多いと
保存安定性が悪くゲル化を生じ、また、得られた組成物
をコーティングに供しても塗膜の密着性が悪い。
【0038】以上、本発明のコーティング用組成物を構
成成分別に詳細に説明したように、本発明の組成物は前
記(a)〜(d)を必須成分として含有するものであ
り、通常その塗膜形成温度は140℃〜150℃で20
分間〜30分間である。
【0039】尚、前記変性オルガノポリシロキサン
(B)及び異種金属アルコキシド(d)を複合化させた
後、該組成物の無機及び/又は有機成分中の加熱硬化時
に於ける官能基間の架橋反応を促進させるため、更に、
内部触媒(e)を添加することも可能である。
【0040】この内部触媒(e)は、(a)成分中のア
ルコキシ基、シラノール基及びγ−グリシドキシプロピ
ル基等の特定の架橋反応性官能基間、若しくは、
(a)、(b)、(c)及び(d)成分等の異種成分間
の架橋反応の促進に有効な効果を有するものであり、例
えば窒素原子を異種原子として含有する異節環状アミン
化合物及び金属アセチルアセテート化合物等が適してい
る。
【0041】好適な(e)成分の例としては、異節環状
アミン化合物としては、ピペラジン、イミダゾール類及
びこれらアミン類の三弗化硼素錯体等が挙げられ、金属
アセチルアセテート化合物としては、アルミニウムアセ
チルアセテート、クロムアセチルアセテート、チタニル
アセチルアセテート等を挙げることができる。また、そ
の混合比率については、コーティング用組成物100重
量部に対し、0.01重量部〜3重量部、好ましくは
0.05重量部〜1重量部である。この範囲外である
と、相溶性が低下して塗膜の不透明化や密着性等の塗膜
性能が低下し、更に、組成物自体の保存安定性が低下す
る。(e)成分の組成物への添加時期は、異種金属アル
コキシド(d)の複合化後が好ましい。
【0042】本発明の組成物には、ゲル化防止対策、及
び塗布(塗装)性の改善を目的としてアルコール等の溶
剤を添加することができる。これら好適な溶剤として
は、アルコール、グリコール、ケトン、エステル、セロ
ソルブ、環状エーテル、芳香族炭化水素系化合物等が挙
げられる。アルコールではメタノール、エタノール、n
−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、
i−ブタノール等の低級アルコール、グリコールではエ
チレングリコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ケトンではアセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、エステルでは酢酸エチル、酢酸
ブチル、セロソルブではメチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、環状エーテルではテトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン、芳香族炭化水素系化
合物ではトルエン、キシレン等が挙げられ、これらの内
1種単独若しくは2種以上の混合溶媒として用いること
が可能である。また、これら溶剤の中には、アルコキシ
シラン(a)成分等の部分共加水分解反応や重縮合反応
による副生成物であるアルコールも含まれる。
【0043】これら溶媒中の組成物の固形分濃度は、目
的に応じ任意に調整できるが、通常30重量%〜70重
量%のコーティング用組成物として使用するのが一般的
である。特に、組成物を無機系塗料用ワニスとして使用
する場合は、固形分濃度を30重量%〜55重量%の範
囲に調整するのが好ましい。以下、本発明組成物の調製
方法例について説明する。
【0044】還流冷却器、加温ジャケット及び撹拌装置
が備わった反応容器に、アルコキシシラン(a)/溶剤
可溶型フッ素樹脂(b)を所定の組成比で混合した後
に、1種単独又は2種以上の溶剤を用いて任意の濃度の
調整した均一溶液とする。
【0045】次に、撹拌しながら溶媒分散型コロイダル
シリカ(c)及び/又はpH2に調整された蒸留水を滴
下して部分共加水分解を開始すると同時に重縮合反応を
行い、変性オルガノポリシロキサン(B)を得た。更
に、Ti、Zr、Al等の異種金属アルコキシドを1種
単独又は2種以上添加し、反応させて組成物を得た後、
必要に応じてγ−グリシドキシプロピル基等の架橋反応
性官能基を有するオルガノアルコキシシラン、内部触媒
(e)、溶剤等を添加して調製することができる。但
し、これら組成物の部分共加水分解反応等は、通常室温
下で行われるが、合成時間の短縮や溶媒置換、及び組成
物の縮合度を高めて高粘度化することが必要な場合に
は、80℃を上限として加熱しても良い。
【0046】調整されたコーティング用組成物は、その
まま無機系クリヤーとして使用することができるが、適
当な無機・有機顔料等の充填材、塗料添加剤等を配合、
分散して無機系塗料組成物とすることができる。これら
充填材としては、例えば酸化チタン、亜鉛華、硫酸亜
鉛、鉛白、酸化アンチモン、カーボンブラック、黄鉛、
亜鉛黄、クロム酸バリウム、鉛酸カルシウム、ベンガ
ラ、酸化鉄、鉛丹、セルリアンブルー、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ、クレー、タル
ク、雲母、亜鉛末、窒化珪素、炭化珪素、アルミニウ
ム、ベントナイト、酸化ジルコニウム、消石灰、チタン
酸カリウイスカー、炭酸マグネシウム、ジルコニア、ク
ロム酸亜鉛、鉛酸カルシウム、炭酸バリウム、珪酸カル
シウム、ガラスウール、チタンイエロー、コバルトブル
ー、コバルト・アルミ・ブルー、銅・クロム系ブラック
等が挙げられる。これら充填材の混合比率は、組成物1
00重量部に対し、6重量部〜500重量部、好ましく
は30重量部〜300重量部、更に好ましくは60重量
部〜150重量部の割合で配合される。6重量部未満で
は塗膜の歪応力が大きくクラックが生じる。また、50
0重量部を越えると充填材リッチとなり、光沢、耐薬品
性、耐汚染性等が低下し本来の塗膜性能が出にくい。
【0047】また、塗料添加剤としては、顔料分散剤、
湿潤剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線遮蔽
剤、熱安定剤及び有機樹脂弾性微粒子等があり、これら
は通常の塗料に使用されるものをそれぞれ適時選択して
使用することができる。
【0048】尚、本発明に於けるコーティング用組成物
は系全体の安定性を損なわない限り、通常一液型として
使用できるものであるが、さらなる組成物の塗膜形成温
度の低温下、及び硬化時間の短縮を目的とし、使用時に
公知の硬化促進剤を併用添加することも可能である。こ
れら硬化促進剤は、例えばオクチル酸錫、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボン酸の
金属塩化合物、リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタ
ル酸、塩酸等の酸性化合物、ジブチルアミン−2−ヘキ
ソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミ
ンアセテート等のアミン類、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の
脂肪族ポリアミン類、テトラメチルアンモニウムクロラ
イド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、酢酸テ
トラメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩化合
物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性
化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤
等が挙げられる。また、一般に前記硬化促進剤の混合比
率については、組成物100重量部に対し、1重量部〜
15重量部、好ましくは3重量部〜10重量部である。
【0049】本発明のコーティング用組成物における被
塗物としては、無機質建材用ボード、金属、及びプラス
チック等の非金属系素材が選択でき、通常の塗料と同様
な塗装方法、即ち、エアースプレー、エアレススプレ
ー、ディッピング、刷毛塗り等何れの方法でも塗装が可
能である。以下、実施例にて、本発明組成物を詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0050】
【実施例】本実施例では、前述の組成物の調製方法に準
じ、実施例表1〜表3中の配合比率で製造した。表中の
数字は全て重量部で示す。また、表中(a)成分に※印
が付与されているものは、異種金属アルコキシド配合後
に添加した。尚、実施例9,10は、組成物を調整後に
サンドミルを使用して40分間分散させ、無機系エナメ
ル塗料とした。
【0051】得られた組成物を、エアースプレーにて表
1〜表3中の各種塗布基材に、表1〜表3中の塗膜形成
温度で、乾燥後膜厚が30μmとなるよう塗布し硬化さ
せた。コーティングが施された各種塗布基材を、以下の
項目により塗膜特性を評価し、その結果を表4〜表6に
示す。
【0052】(1) 塗布基材は、 プライマー処理
(焼き付け型エポキシ樹脂塗料:180℃20分間)し
たアルミニウム板A5052P(以下、基材Aとい
う)、及び 珪酸カルシウム化粧板(「グラサル」、
商品名、東レグラサル(株)製)の表面を水洗後、加熱
し水分を除去したケイカル板(以下、基材Bという)を
使用した。
【0053】(2) 塗膜形成温度は素地温度で、表中
の如く基材Aは120℃15分間若しくは150℃で2
0分間、基材Bは120℃15分間で行った。
【0054】(3) 初期密着性は、JIS−K540
0に準じて碁盤目テープ剥離テストにより評価し、10
点を○とした。
【0055】(4) 表面硬度は、JIS−K5400
に準じてキズ法により評価し、3H以上を○、2H以下
を×とした。
【0056】(5) 耐酸性は、濃度5%の硫酸を塗膜
上に2ml滴下し、シャーレで蓋をして24時間放置
後、水洗除去し観察評価した。塗膜に異常がないものを
○、痕跡があるものを△とした。
【0057】(6) 耐アルカリ性は、濃度5%の苛性
ソーダを塗膜上に2ml滴下しシャーレで蓋をして24
時間放置後、水洗除去し観察評価した。塗膜に異常がな
いものを○、痕跡があるものを△、塗膜が溶解するもの
を×とした。
【0058】(7) 耐溶剤性は、ガーゼにメチルエチ
ルケトン(MEK)を染み込ませ、1kg加重下で塗膜
を一定回数ラビング後、観察評価した。ラビング100
回後の塗膜に異常がないものを○、ラビング50回後に
塗膜の光沢減退若しくは溶解が発生するものは×とし
た。
【0059】(8) 耐煮沸性は、水道水で24時間煮
沸後、塗膜の状態を観察評価した。塗膜に異常がないも
のを○、塗膜にクラックの発生があるもの若しくは表層
が凝集破壊するものを×とした。
【0060】(9) 耐蝕性は、組成物をアセトンによ
り脱脂処理を施したアルミニウム板A1050Pに、表
中の塗膜形成温度にて、乾燥後膜厚が20μmとなるよ
う塗布した。その後、JIS−H8681に準じてCA
S(孔腐食)試験を行い、塗膜の状態を観察評価した。
試験開始後、500時間以上塗膜に異常が認められない
ものを○、200時間以上異常が認められないものを
△、16時間以内に孔腐食が発生するものを×とした。
【0061】(10) 保存安定性は、各組成物を調整
後、室温下にて3ヶ月間放置し、粘度変化率が150%
未満のものを○、150%以上若しくはゲル化を生じる
ものを×とした。
【0062】尚、実施例中の各使用原料は、メチルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシランは、多摩化
学工業(株)製、KBM−403(γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン)、KBM−303(β−
3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン)は、信越化学工業(株)製、溶剤可溶型フッ素
樹脂(「商品名:ルミフロン」、固形分濃度65重量
%、酸価1mgKOH/g、OH価70mgKOH/
g)は、旭硝子(株)製、スノーテックスO(シリカ濃
度20重量%、pH3)は、日産化学工業(株)製、I
PA−ST(シリカ濃度30重量%、i−プロパノール
70重量%)は、日産化学工業(株)製、XBA−ST
(シリカ濃度30重量%、キシレン45重量%、n−ブ
タノール25重量%)は、日産化学工業(株)製、チタ
ンアルコキシド(「商品名:A−1」)は、日本曹達
(株)製、ジルコニウムアルコキシド(商品名:HZ−
OB)は北興化学(株)製、ルチル型酸化チタン(「商
品名:JR−603」)は、テイカ(株)製、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン(「商品名:KBE−9
03」)は、信越化学工業(株)製である。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
【発明の効果】本発明は、150℃以下の低温焼き付け
処理にて塗膜形成が可能であって、塗膜の表面硬度が高
く、ブラシ洗浄時の耐キズ付性、耐煮沸性、耐溶剤性、
耐蝕性、耐水性、耐薬品性、耐クラック性(可とう性)
等に優れ、更に、一液型で水分混入許容範囲が広く安定
で長期保存性の良い無機系コーティング用組成物を容易
に且つ安価に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 一成 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 品 川白煉瓦株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CD091 CD121 CE051 GA03 HA446 JA23 JC32 PC02 PC03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A) Rn Si(OR′)
    4-n (式中、Rは炭素数1〜8の有機基、R′はメチ
    ル基又はエチル基を表し、nは0〜2のいずれかの整数
    である)で表されるアルコキシシラン(a)、 主に水酸基を有する溶剤可溶型フッ素樹脂(b)、 溶媒分散型コロイダルシリカ(c)、 一般式(B) M(OR″)m (式中、R″は炭素
    数が1〜4のアルキル基、Mはチタン、ジルコニウム、
    又はアルミニウムから選ばれる金属を表し、mは3又は
    4の整数である)で表される異種金属アルコキシド
    (d)を含有することを特徴とするコーティング用組成
    物。
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