JP2000223346A - 薄膜積層体の製造方法 - Google Patents

薄膜積層体の製造方法

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JP2000223346A
JP2000223346A JP11025977A JP2597799A JP2000223346A JP 2000223346 A JP2000223346 A JP 2000223346A JP 11025977 A JP11025977 A JP 11025977A JP 2597799 A JP2597799 A JP 2597799A JP 2000223346 A JP2000223346 A JP 2000223346A
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resist
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JP11025977A
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Koichi Naito
浩一 内藤
Yoshimasa Yamada
義正 山田
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Alps Electric Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/32Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying conductive, insulating or magnetic material on a magnetic film, specially adapted for a thin magnetic film
    • H01F41/34Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying conductive, insulating or magnetic material on a magnetic film, specially adapted for a thin magnetic film in patterns, e.g. by lithography

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に形成された多層膜上に、開口部が形
成された薄膜層を形成するとき、薄膜層に開口部を形成
する多層膜上の領域をレジスト層で覆った後、多層膜お
よびレジスト層上全面に薄膜層を積層し、レジスト層上
に積層された薄膜層ごとレジスト層を除去する方法、い
わゆるリフトオフを用いることができるが、レジスト除
去液でレジストを除去する従来の方法は時間がかかると
いう欠点があった。 【解決手段】薄膜層14の下層部にあるレジスト層13
をレーザの照射によって除去することにより、レジスト
層13の除去にかかる時間を著しく短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上、あるいは
基板上に形成された単層または多層の膜上に絶縁層、磁
性層、または導電層などの薄膜層を積層する際に、薄膜
層に開口部を形成する領域をレジスト層で覆い、薄膜層
を積層した後に、レジスト層を除去する工程、いわゆる
リフトオフ工程を有する薄膜積層体の製造方法に係り、
特に、薄膜層を積層した後、薄膜層の上から光エネルギ
ーを与えることによって、レジスト層を除去する薄膜積
層体の製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】基板上、あるいは基板上に形成された単
層または多層の膜上に絶縁層、磁性層、または導電層な
どの薄膜層を積層して、薄膜磁気素子、薄膜インダク
タ、あるいは薄膜トランスを形成する過程において、電
極の取り出し穴など、薄膜層に開口部を形成する場合が
ある。
【0003】このとき、薄膜層に開口部を形成する領域
をレジスト層で覆った後、基板または膜上の全面に薄膜
層を積層し、レジスト層上に積層された薄膜層とレジス
トを除去することによって、薄膜層に開口部を形成する
方法、いわゆるリフトオフ法を用いることができる。
【0004】図15から図20は、従来のリフトオフ法
を説明する断面図である。まず、図15に示されるよう
に、基板1上に形成された単層または多層の膜2上の全
面にリフトオフ用のレジスト層3が形成される。多層の
膜2の場合、最上層は、例えば、銅などの導電性材料か
らなる導電層や軟磁性材料からなる磁性層である。膜2
の上層に、例えば絶縁層などの薄膜層が積層されるが、
その前に、図16に示すように、レジスト層3を、多層
膜2上の薄膜層に開口部を形成する領域を残してフォト
・エッチングによって除去する。
【0005】次に、図17に示されるように、多層膜2
およびレジスト層3の上に、薄膜層4が、スパッタ法な
どによって積層される。薄膜層4は、例えばAl23
SiO2からなる絶縁層などである。
【0006】薄膜層4によって表面が覆われた基板を、
N−メチル−2−ピロリドンなどのレジスト除去液に漬
浸させる。レジスト除去液を、レジスト3の角部3a上
などの薄膜層4の薄いところから浸透させて、レジスト
層3を溶解させ、図18に示すように、レジスト層3を
膜2上から剥離する。その結果、図19に示すように、
レジスト層3の上にある薄膜層4bが除去され、膜2上
に残された薄膜層4aに開口部4fが形成される。
【0007】レジスト層3上に積層されていた薄膜層4
bを剥離させた直後においては、図19のように薄膜層
4の剥離部周辺にバリ4eが生じるので、このバリ4e
をクリーンワイパーによって擦りとる。
【0008】さらにイソプロピルアルコールを用いて基
板を洗浄し、窒素ガス中で乾燥させると、図20に示さ
れるように、多層膜2上に積層された薄膜層4に開口部
4fが形成された薄膜積層体が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、薄膜層4を積
層した後に、N−メチル−2−ピロリドンなどのレジス
ト除去液を、薄膜層4に浸透させて、レジスト層3を溶
出させ、薄膜層4の下層にあるレジスト層3を剥離する
という従来のリフトオフ法では、レジスト層3およびそ
の上に積層された薄膜層4bを除去するために時間がか
かってしまうという問題があった。その理由は以下の通
りである。
【0010】通常、スパッタ法によって基板上に薄膜層
を積層するとき、基板に入射するスパッタ原子は、基板
に対して、垂直方向に入射するだけでなく、斜め方向か
らも入射する。したがって、レジスト層3の角部3a上
にも、主に斜め方向から入射するスパッタ原子によっ
て、薄膜層が積層され、多層膜2上に積層された薄膜層
4aとレジスト層3上に積層された薄膜層4bとがつな
がる。
【0011】その結果、レジスト層3は、薄膜層4によ
って完全に覆われてしまう。したがって、レジスト除去
液を、薄膜層4を浸透させてレジスト層3にまで与える
のが困難であり、レジスト層3が剥離されなかったり、
あるいは剥離されるまでにきわめて長い時間を要する。
【0012】そこで、レジスト層を除去する前に、薄膜
層4が積層された基板表面をクリーンワイパーによって
擦ることにより、薄膜層4上にキズ4c(図18参照)
を生じさせ、レジスト除去液の、薄膜層4への浸透を促
すことも行われている。それでも、液体であるレジスト
除去液が、キズ4cのような狭い通路をとおり、レジス
ト層3上に積層された薄膜層4bの下層に流出して、レ
ジスト層3を剥離させるに至るまで1時間以上かかる。
【0013】本発明は、上記従来の課題を解決するため
のものであり、リフトオフ工程を有する薄膜積層体の製
造方法において、上層に薄膜層が積層された状態のレジ
スト層を迅速に除去することにより、リフトオフ工程の
迅速化を図ることができ、薄膜積層体の製造工程全体を
効率化することのできる薄膜積層体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、あ
るいは基板上に形成された膜上に、絶縁層、磁性層、ま
たは導電層などの薄膜層を積層する際に、前記薄膜層に
開口部を形成する薄膜積層体の製造方法において、
(a)前記基板上に、あるいは基板上に形成された膜上
に、前記開口部に対応するレジスト層をパターン形成す
る工程と、(b)前記レジスト層の上および前記レジス
ト層が形成されていない領域にかけて前記薄膜層を積層
する工程と、(c)前記薄膜層上から前記レジスト層に
光エネルギーを与えて前記薄膜層の下層にある前記レジ
スト層を分解しまたは気化させ、前記薄膜層の前記レジ
スト層上に積層されている領域を除去して前記開口部を
形成する工程と、を有することを特徴とするものであ
る。
【0015】上記発明において、さらに(d)残存して
いる前記レジスト層を、溶解させる工程を加えてもよ
い。
【0016】さらに前記(d)の工程の後に、(e)前
記薄膜層の前記開口部の周縁に残されたバリを除去する
工程と、(f)前記バリを除去した基板表面を液体洗浄
する工程と、(g)前記液体洗浄された基板表面を乾燥
させる工程と、を有するようにしてもよい。
【0017】本発明の薄膜積層体の製造方法の特徴は、
前記(c)の工程、すなわち、レジスト層がパターン形
成された基板上、あるいは基板上に形成された膜上に、
薄膜層を積層した後に、薄膜層の下層にあるレジスト層
を除去する工程において、薄膜層の下層にあるレジスト
層の除去をレーザの照射などの光エネルギーによって行
う点にある。
【0018】光エネルギーを与えるためには、例えば、
KrFエキシマレーザ、XeClエキシマレーザ、Ar
Fエキシマレーザなどエキシマレーザが使用できる。エ
キシマレーザは、短波長のレーザを生成することができ
る。
【0019】前記薄膜層を積層した後、前記薄膜層上
に、エキシマレーザなどのレーザを照射すると、レーザ
は、前記薄膜層には損傷を与えず、前記薄膜層の下層に
あるレジスト層を光化学分解し、気化させる。気化した
レジスト層は膨張して、上層に接していた薄膜層を押し
上げ、剥離させる。
【0020】前記レジスト層の気化は、レジスト層の上
層にある薄膜層にレーザが照射されたときに、瞬間的に
生じる。したがって、レジスト除去液を用いて、レジス
ト層を溶出させていた従来のレジスト層を除去する方法
と比較して、レジスト層を除去するためにかかる時間を
大幅に短縮することができる。
【0021】前記(c)の工程において、レーザなどの
光エネルギーを前記薄膜層全面に与えるようにしてもよ
いし、光エネルギーを前記レジスト層と前記薄膜層が積
層している領域のみに照射して与えるようにしてもよ
い。
【0022】レーザなどの光エネルギーは、前記薄膜層
の下層にレジスト層が存在しない場合は、薄膜層には損
傷を与えない。また、前記薄膜層の下層にレジスト層が
存在する場合には、レジスト層のみを気化させる。した
がって、光エネルギーを前記薄膜層全面に与えても、前
記薄膜層自体に損傷を与えることはなく、前記薄膜層の
下層に前記レジスト層が存在しない領域で薄膜層が剥離
されることはない。
【0023】また、レーザなどの光エネルギーを前記レ
ジスト層と前記薄膜層が積層している領域のみに照射す
るようにすると、レーザのエネルギー効率を向上させる
ことができる。
【0024】レーザが、前記薄膜層に損傷を与えないよ
うにするためには、前記レーザのエネルギーが前記薄膜
層を透過し、前記レジスト層で反射または吸収される波
長を有するようにすれば良い。
【0025】さらに、レーザの波長が、600nm以下
であると、レーザの熱的効果が低く、光化学分解などの
光的効果が高くなるのでより好ましい。
【0026】また、レーザのエネルギーの強さは、前記
薄膜層を破壊せず、薄膜層の下層にあるレジスト層のみ
を分解する範囲であることが好ましい。
【0027】レーザは、前記薄膜層を損傷させないよう
な波長を選択しうるが、適切な波長のレーザを選択して
も、照射するレーザのエネルギーが大きくなりすぎる
と、前記薄膜層も破壊されるようになり、下層にレジス
ト層が存在しない領域の薄膜層、すなわち、除去されて
はならない薄膜層まで剥離してしまうことになる。
【0028】さらに、レーザのエネルギーの強さは、薄
膜層の下層にあるレジスト層を完全には分解しない範囲
であることがより好ましい。
【0029】薄膜層の下層にあるレジスト層を完全に分
解する強さのエネルギーを持つレーザを照射すると、レ
ジスト層の下層にある基板または基板上に形成された多
層膜が損傷する場合がある。
【0030】上述の条件を満たすレーザのエネルギーの
強さの範囲は例えば、1パルス当たり50〜100mJ
/cm2である。本発明では、レジスト層にレーザを1
パルスだけ与えてもよいし、数パルス与えてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】図1から図7は、本発明の薄膜積
層体の製造方法におけるリフトオフの工程を説明する断
面図である。まず、図1に示されるように、基板11上
に、導電層、絶縁層、磁性層などが積層されることによ
り形成された多層膜12上の全面にリフトオフ用のレジ
スト層13が形成される。多層膜12の最上層は、例え
ば、銅などの導電性材料からなる導電層や軟磁性材料か
らなる磁性層である。
【0032】なお、本発明では、基板11の上に直接に
レジスト層13が形成されてもよく、あるいは基板11
表面の単層膜上にレジスト層13が形成されてもよい。
【0033】多層膜12の上層に、さらに、例えば絶縁
層などの薄膜層が積層されるが、まず、図2のように、
レジスト層13を、多層膜12上の薄膜層に開口部を形
成する領域を残してフォト・エッチングによって除去す
ることによりパターン形成する。
【0034】次に、図3に示されるように、多層膜12
およびレジスト層13上に、薄膜層14が、スパッタ法
や蒸着法などによって積層される。薄膜層14は、例え
ばAl23やSiO2からなる絶縁層である。レジスト
層13の角部13a上には、主に斜め方向から入射する
スパッタ原子によって、薄膜層が積層され、多層膜12
上に積層された薄膜層14aとレジスト層13上に積層
された薄膜層14bとがつながり、レジスト層13は薄
膜層14によって完全に覆われる。
【0035】次に、薄膜層14上にレーザPを1パルス
または数パルス照射する。レーザPの波長とエネルギー
の強さは、後述するように、レーザPが、薄膜層14に
損傷を与えず、薄膜層14の下層にあるレジスト層13
のみを分解するような範囲に設定されていると、レジス
ト層13のみが光化学分解・気化する。気化したレジス
ト層13は、膨張して、図5のように、レジスト層13
上に積層されていた薄膜層14bを押し上げ、剥離させ
る。
【0036】レーザPが、薄膜層14に損傷を与えず、
薄膜層14の下層にあるレジスト層13のみを光化学分
解するための設定項目として、レーザPの波長とエネル
ギーの強さなどがある。レーザPの波長は、薄膜層14
を透過し、レジスト層13によって反射または吸収され
る範囲とすることが好ましい。さらに、レーザPの波長
が、600nm以下であると、レーザPの熱膨張作用な
どの熱的効果が低く、光化学分解などの光的効果が高く
なるのでより好ましくなる。
【0037】このような条件を満たすレーザPとして、
本実施の形態においては、波長248nmのKrFエキ
シマ・レーザを使用する。または、波長308nmのX
eClエキシマ・レーザ、波長193nmのArFエキ
シマ・レーザや、エキシマ・レーザ以外のパルス状の出
力ビームである固体レーザ、半導体レーザを使用しても
良い。
【0038】また、レーザPのエネルギーの強さが、薄
膜層14を破壊せず、薄膜層14の下層にあるレジスト
層13のみを分解する範囲に設定され、下層にレジスト
層が存在せず多層膜12上に直接積層されている薄膜層
14aが剥離しないようにされていることが好ましい。
【0039】さらに、レーザPのエネルギーの強さが、
薄膜層14の下層にあるレジスト層13を完全には分解
しない範囲に設定されているとより好ましい。薄膜層1
4の下層にあるレジスト層13を完全に分解する強さの
エネルギーを持つレーザPを照射すると、レジスト層1
3の下層にある多層膜12まで損傷する場合がある。
【0040】上述の条件を満たすレーザPのエネルギー
の強さの範囲は例えば、1パルス当たり50〜100m
J/cm2であり、本実施の形態においては、1パルス
当たり60mJ/cm2に設定している。なお、レーザ
の1パルス当たりの照射時間は、20〜25ナノ秒であ
る。このレーザを数パルスだけ照射することが好まし
い。
【0041】通常は、レジスト層13が光化学分解して
気化したときに、上に積層されていた薄膜層14bが押
し上げられて剥離する。次に、N−メチル−2−ピロリ
ドンなどのレジスト除去液によって、残存しているレジ
スト層13を溶出させる。レジスト層13が光化学分解
して気化したときの圧力だけで、薄膜層14bが完全に
剥離しないときは、この、レジスト除去液によって残存
しているレジスト層13を溶出させる工程で、薄膜層1
4bを剥離させる。
【0042】レジスト層13上に積層されていた薄膜層
14bが剥離した直後においては、図6のように多層膜
12上に直接積層されている薄膜層14bの剥離部周辺
にバリ14cが生じるので、このバリ14cをクリーン
ワイパーによって擦りとる。
【0043】さらにイソプロピルアルコールを用いて基
板を洗浄し、窒素ガス中で乾燥させると、図7に示され
るように、多層膜12上に、積層された薄膜層4に開口
部14dが形成された薄膜積層体が得られる。
【0044】なお、本実施の形態では、レーザPを、薄
膜層14上に照射するとき、照射面積が5mm四方のレ
ーザPを用いて薄膜層14上の全面を順送りに照射して
いる。レーザPは、薄膜層14には損傷を与えず、レジ
スト層13のみを気化させるので、レーザPを薄膜層1
4上全面に照射しても、レーザPが薄膜層14自体に損
傷を与えることはなく、また、薄膜層14の下層に前記
レジスト層が存在しない薄膜層14aの領域で剥離され
ることもない。なお、照射面積が5mm四方のレーザP
を用いて薄膜層14上の全面を順送りに照射する方法を
用いた場合、レジスト層の除去にかかる時間はウェハー
1枚あたり1分程度となる。従来の製造方法では、ウェ
ハー1枚あたり1時間以上かかっていたので、本発明に
よって薄膜積層体の製造効率が著しく向上することがわ
かる。
【0045】ただし、レーザPをレジスト層13と薄膜
層14が積層している薄膜層14bの領域にのみ照射す
るようにしてもよい。レーザPを薄膜層14bの領域の
みに照射すれば、レーザPのエネルギー効率を向上させ
ることができる。
【0046】本発明の薄膜積層体の製造方法は、例え
ば、絶縁層、磁性層、導電層などの薄膜層を積層して薄
膜インダクタや薄膜磁気ヘッドなどの薄膜磁気素子を形
成するときに、絶縁層によって隔てられる、絶縁層の下
層にある第1の導電層あるいは磁性層と、絶縁層の上層
にある第2の導電層あるいは磁性層を接続させるため
に、絶縁層を成膜するときに、絶縁層に開口部を形成し
ておくことが必要となるときに利用できる。
【0047】図8は、薄膜インダクタの断面図である。
この薄膜インダクタは、絶縁基板21上に、取出し電極
22が形成され、さらにその上に、絶縁層23a、磁性
層24a、絶縁層23b、コイル25、絶縁層23c、
磁性層24bが順次積層されている。磁性層24aと磁
性層24bは、端部で磁気的に接合している。
【0048】取り出し電極22とコイル25は、絶縁層
23aおよび絶縁層23bによって隔てられている。こ
の取り出し電極22とコイル25は、接続部26によっ
て接続されている。接続部26は、絶縁層23aおよび
絶縁層23bを成膜するときに、接続部26を形成する
ための開口部を開けておき、コイル25をCuなどのメ
ッキによって形成するときに、前記開口部にもCuを流
し込むことにより形成される。絶縁層23aおよび絶縁
層23bに開口部を形成するときに本発明の薄膜積層体
の製造方法を利用することができる。
【0049】なお、本発明は、薄膜トランスのコイルと
取り出し電極の接続部を形成するための、絶縁層の開口
部の形成にも用いることができる。
【0050】ここまでは、本発明の実施の形態として、
Al23やSiO2などの酸化物系絶縁材料からなる薄
膜層に開口部を形成する必要がある薄膜積層体の製造方
法について説明したが、本発明は、金属材料からなる薄
膜層に開口部を形成する必要がある薄膜積層体の製造方
法としても利用できる。
【0051】図9は、読み込み用のMR薄膜磁気ヘッド
の正面図である。このMR薄膜磁気ヘッドは、アルミナ
チタンカーバイドからなるスライダ31上に、下部シー
ルド32、下部ギャップ33、MR素子34、ハードバ
イアス35、、上部ギャップ36および、上部シールド
37が積層されて形成されている。ハードバイアス3
5,35は電極(図示せず)と導通接続されており、M
R素子34に与えられる電流の通り路にもなっている。
このハードバイアス35,35を形成するときに、本発
明の薄膜積層体の製造方法を利用することができる。
【0052】図10〜図14は、図9のMR薄膜磁気ヘ
ッドのハードバイアス35の積層過程を示す断面図であ
る。図10に示されるように、スライダ31となるウェ
ハー46に、下部シールド32、下部ギャップ33とな
る下部ギャップ層47が積層され、その上にMR素子3
4となるMR層48が積層される。さらに、MR層48
上の全面が、リフトオフ用のレジスト層49よって覆わ
れる。なお、MR磁気ヘッド部は、ウェハー上で同時に
複数個形成される。図10〜図14では、隣り合った2
個のMR磁気ヘッドの形成過程を図示している。
【0053】次に、レジスト層49をパターンニングし
て、エッチングし、図11に示されるように、1対の開
口部49a、49aが形成される。この時、MR層48
もエッチングされ、下部ギャップ層47が露出される。
下部ギャップ層47が露出された後、ハードバイアス4
5となるハードバイアス層50を積層すると、図12の
ようになる。
【0054】図12の状態でハードバイアス層50上の
全面にレーザPを照射し、レジスト層49を光化学分解
・気化させて除去する。レジスト層49が除去される
と、レジスト層49の上層に接していた領域のハードバ
イアス層50が剥離する。
【0055】残存したレジスト層をN−メチル−2−ピ
ロリドンなどのレジスト除去液で除去すると、図13の
ように、ハードバイアス35,35が形成された状態と
なる。この後、ハードバイアス35,35の間にあるM
R層48aのみを残して、残りのMR層48bがイオン
ミリングなどによって除去され、図14のようにハード
バイアス35,35の形成が完了する。
【0056】さらに、図9の上部ギャップ36、電極
(図示せず)、上部シールド37が積層されて、MR薄
膜磁気ヘッドが形成される。通常は、MR薄膜磁気ヘッ
ドの上層に、さらに、書き込み用のインダクティブヘッ
ドが形成され、MR/インダクティブ複合型磁気ヘッド
が形成される。
【0057】上述したように、本発明は、金属材料であ
るハードバイアス層に開口部を形成する必要がある薄膜
積層体の製造方法としても利用できる。また、ここで
は、図示しないが、ハードバイアス35,35の形成
後、前記電極を形成する工程において、電極層を積層
し、前記電極層に開口部を形成する必要があるときに
も、本発明を利用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、薄膜層を
積層するときに、該薄膜層に開口部を形成する工程を有
する薄膜積層体の製造方法において、上層に薄膜層が積
層された状態のレジスト層をレーザの照射によって、迅
速に除去することができるので、薄膜積層体の製造工程
を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における、基板上に形成さ
れた多層膜上に、リフトオフ用のレジスト層が積層され
た状態を示す断面図。
【図2】図1のレジスト層を、パターン形成した状態を
示す断面図。
【図3】図2の多層膜およびレジスト層上に、絶縁層な
どの薄膜層を積層した状態を示す断面図。
【図4】図2の薄膜層上にレーザを照射して、レジスト
層を光化学分解させた状態を示す断面図。
【図5】薄膜層の、レジスト層上に接していた領域が剥
離した状態を示す断面図。
【図6】図5において残存していたレジスト層をレジス
ト除去液によって除去した状態を示す断面図。
【図7】薄膜層が剥離した周辺部に生じたバリを除去
し、洗浄・乾燥させた状態を示す断面図。
【図8】本発明の薄膜積層体の製造方法を用いて形成さ
れた薄膜インダクタの断面図。
【図9】MR薄膜磁気ヘッドの正面図。
【図10】図9のMR磁気ヘッドの形成過程における、
ウェハー上に下部シールド層、下部ギャップ層、MR層
およびレジスト層が積層された状態を示す断面図。
【図11】図11のレジスト層およびMR層がエッチン
グされて、下部ギャップ層が露出された状態を示す断面
図。
【図12】図12のレジスト層および下部ギャップ層上
に、ハードバイアス層が積層された状態を示す断面図。
【図13】図12のハードバイアス層上にレーザが照射
されて、レジスト層が分解・気化し、レジスト層上に接
していた領域のハードバイアス層が剥離した状態を示す
断面図。
【図14】ハードバイアス層の形成が完了した状態を示
す断面図。
【図15】従来の薄膜積層体の製造方法における、基板
上に形成された多層膜上に、リフトオフ用のレジスト層
が積層された状態を示す断面図。
【図16】図15のレジスト層を、パターン形成した状
態を示す断面図。
【図17】図16の多層膜およびレジスト層上に、絶縁
層などの薄膜層を積層した状態を示す断面図。
【図18】図17のレジスト層をレジスト除去液によっ
て溶出させた状態を示す断面図。
【図19】薄膜層の、レジスト層上に接していた領域が
剥離した状態を示す断面図。
【図20】薄膜層が剥離した周辺部に生じたバリを除去
し、洗浄・乾燥させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
11 基板 12 多層膜 13 レジスト層 14 薄膜層 P レーザ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、あるいは基板上に形成された
    膜上に、絶縁層、磁性層、または導電層などの薄膜層を
    積層する際に、前記薄膜層に開口部を形成する薄膜積層
    体の製造方法において、 (a)前記基板上に、あるいは基板上に形成された膜上
    に、前記開口部に対応するレジスト層をパターン形成す
    る工程と、 (b)前記レジスト層の上および前記レジスト層が形成
    されていない領域にかけて前記薄膜層を積層する工程
    と、 (c)前記薄膜層上から前記レジスト層に光エネルギー
    を与えて前記薄膜層の下層にある前記レジスト層を分解
    しまたは気化させ、前記薄膜層の前記レジスト層上に積
    層されている領域を除去して前記開口部を形成する工程
    と、 を有することを特徴とする薄膜積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (d)前記(c)の工程で残存している
    前記レジスト層を除去する工程を含む請求項1記載の薄
    膜積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 (e)前記薄膜層の前記開口部の周縁に
    残されたバリを除去する工程を含む請求項1または2記
    載の薄膜積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 (f)前記バリを除去した基板表面を液
    体洗浄する工程と、 (g)前記液体洗浄された基板表面を乾燥させる工程
    と、 を有する請求項3記載の薄膜積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記(c)の工程において、前記光エネ
    ルギーを前記薄膜層全面に与える請求項1または2に記
    載の薄膜積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記(c)の工程において、前記光エネ
    ルギーを前記レジスト層と前記薄膜層が積層している領
    域のみに与える請求項1または2に記載の薄膜積層体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記光エネルギーは、前記薄膜層を透過
    し、レジスト層で反射または吸収される波長を有するレ
    ーザにより与えられる請求項1ないし6のいずれかに記
    載の薄膜積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザの波長は、600nm以下で
    ある請求項7に記載の薄膜積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記レーザにより与えられる光エネルギ
    ーの強さは、前記薄膜層を破壊せず、薄膜層の下層にあ
    るレジスト層のみを分解する範囲である請求項7または
    8記載の薄膜積層体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記レーザにより与えられる光エネル
    ギーの強さは、前記薄膜層の下層にあるレジスト層を完
    全には分解しない範囲である請求項7または8記載の薄
    膜積層体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記レーザは、エネルギーの強さが1
    パルス当たり50〜100mJ/cm2となるようにパ
    ルス照射される請求項7ないし10のいずれかに記載の
    薄膜積層体の製造方法。
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