JP2000218504A - 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法 - Google Patents

固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法

Info

Publication number
JP2000218504A
JP2000218504A JP2208299A JP2208299A JP2000218504A JP 2000218504 A JP2000218504 A JP 2000218504A JP 2208299 A JP2208299 A JP 2208299A JP 2208299 A JP2208299 A JP 2208299A JP 2000218504 A JP2000218504 A JP 2000218504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
abrasive grains
fixed
fixed abrasive
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2208299A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Tago
一弘 田子
Shuichi Tsukada
修一 塚田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Seimitsu Co Ltd filed Critical Tokyo Seimitsu Co Ltd
Priority to JP2208299A priority Critical patent/JP2000218504A/ja
Publication of JP2000218504A publication Critical patent/JP2000218504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/18Sawing tools of special type, e.g. wire saw strands, saw blades or saw wire equipped with diamonds or other abrasive particles in selected individual positions
    • B23D61/185Saw wires; Saw cables; Twisted saw strips

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】固定砥粒付ワイヤによる切断加工において、良
好なウェーハ切断面を得るとともに、能率良く低コスト
で加工する。 【解決手段】固定砥粒ワイヤソーに用いる固定砥粒付ワ
イヤ12に、複数の異なった粒度を持つ砥粒が混在して
固着されている、且つ/又は、複数の異なった種類の材
質で構成された砥粒が混在して固着されている固定砥粒
付ワイヤを用いたので、インゴット30の切断面精度を
良好な状態に維持しつつ固定砥粒付ワイヤの寿命を延ば
すことができ、且つ、生産能率の向上及び生産コストの
低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固定砥粒付ワイヤの
構造及び該固定砥粒付ワイヤを用いた固定砥粒ワイヤソ
ーの切断方法に係り、特にシリコン、ガラス、セラミッ
クス等の脆性材料を切断する固定砥粒付ワイヤ及び固定
砥粒ワイヤソーの切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】棒状の材料(インゴット)を切断して薄
板(ウェーハ)を製造する装置の一つにワイヤソーがあ
る。ワイヤソーは所定のピッチで張架されたワイヤ列を
高速走行させ、そのワイヤ列に被加工物を押し当てるこ
とにより多数枚のウェーハに同時に切断する装置であ
る。
【0003】このワイヤソーには従来から主に使用され
ている遊離砥粒方式による遊離砥粒ワイヤソーと、切断
加工面の精度を向上させるとともに切断加工コスト低減
の要求により近年開発されている固定砥粒方式による固
定砥粒ワイヤソーがある。固定砥粒ワイヤソーは、ワイ
ヤ全長にわたり表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
ヤを用いてワイヤ列を形成し、そのワイヤ列を高速走行
させることによりインゴットを切断する。
【0004】従来の固定砥粒付ワイヤの製造方法は、金
属ワイヤの素線に砥粒を電着する方法であった。このワ
イヤの製造方法は、従来の円盤状薄板の金属ブレードの
内周または外周に固定砥粒を電着して、該金属ブレード
を高速回転することによりインゴットをウェーハ状の薄
板に切断するスライシングマシンや、ダイシングマシン
の頃からの金属ブレードに固定砥粒を付ける電着方法と
同じであった。そのため、ワイヤに固着する砥粒は1種
類の粒度であり、材質も1種類の材質の砥粒を用いてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固定砥
粒方式によるワイヤソーに於いては、固着された砥粒間
にインゴットの切断粉が堆積し目詰まりし易い。このよ
うに砥粒間に切断粉が堆積すると切断性能が悪くなり、
切断加工面のウェーハ表面にうねりを生じていた。この
切断粉の堆積を少なくするために砥粒の集中度を下げる
と砥粒がワイヤから脱落し易くなり、ワイヤの寿命が短
くなるので切断加工コストが上昇するという不具合を生
じていた。
【0006】切断能率を向上させるには、固定砥粒付ワ
イヤの砥粒にダイヤモンドを用いると切削性が良くなる
ことは周知であるが、ダイヤモンド自体がたいへん高価
であるので、生産レベルでダイヤモンド砥粒を用いて切
断加工すると加工コストの面で不利であった。また、砥
粒にSiCやAl2 3 を用いるとワイヤの生産コスト
は低いが、切断能率が悪いうえに、ワイヤに対する砥粒
の固着力が低いことにより砥粒が脱落し易く固定砥粒付
ワイヤの寿命が短いため、切断加工コストの低減には至
らなかった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、固定砥粒付ワイヤによる切断加工において、被
加工物の切断面精度を良好な状態に維持し、且つ、生産
能率を向上するための固定砥粒付ワイヤと固定砥粒ワイ
ヤソーの切断方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒付
ワイヤを走行させながら被加工物を押し当てることによ
り該被加工物を切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、
前記固定砥粒付ワイヤは、複数の異なった粒度を持つ砥
粒が混在して固着されていること、且つ/又は、複数の
異なった種類の材質で構成された砥粒が混在して固着さ
れていることを特徴としている。
【0009】本発明によれば、固定砥粒ワイヤソーに用
いる固定砥粒付ワイヤに、複数の異なった粒度を持つ砥
粒が混在して固着されている、且つ/又は、複数の異な
った種類の材質で構成された砥粒が混在して固着されて
いる固定砥粒付ワイヤを用いたので、被加工物の切断面
精度を良好な状態に維持し、且つ、生産能率の向上及び
生産コストの低減を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの好ましい
形態について説明する。図1は、本発明に係る固定砥粒
付ワイヤ12が、被加工物であるインゴット30を切断
している状態を、固定砥粒付ワイヤ12を誇張して示し
た断面図である。
【0011】以下に、図1に示した固定砥粒付ワイヤ1
2の構造について説明する。図1に示されるように、固
定砥粒付きワイヤ12は、高張力線材等の素材によるワ
イヤ素線1と、ダイヤモンド、CBN、B4C、Si
C、WC、TiC、GC、アルミナ等の材質による比較
的大きな大砥粒2と、ダイヤモンド、CBN、B4C、
SiC、WC、TiC、GC、アルミナ等の材質による
比較的小さな小砥粒3と、ワイヤ素線1と大砥粒2及び
小砥粒3とを固着している固着材4(バインダー)とか
ら構成されている。
【0012】被加工物のインゴット30の素材は、Si
(シリコン)、GaAs、GaPに代表される半導体材
料や、磁性材、水晶、サファイヤ等である。なお、大砥
粒2及び小砥粒3の固着方法については、CoやNi、
Cu等の金属をバインダーとする電着による方法や、有
機材料または無機材料による固着(熱硬化等)の樹脂固
定等による方法を用いるが、本発明はこれらの方法に限
定されるものではない。ただし、樹脂固定の方法によれ
ば、容易に砥粒の集中度を下げることが可能である。ま
た、ワイヤ素線1の材質は、ピアノ線や高抗張力非金属
繊維線(ファイバ等を含む)でもよいし、該ワイヤ素線
1に表面処理を行ってもよい。ワイヤ素線1の断面形状
についても円形でも多角形でもよいし、構造についても
単線であっても、縒り線であっても本発明の目的は達成
される。一般にワイヤソーに於ける前記ワイヤ素線の線
径は50〜300μmの範囲の素線を用いる。更に大砥
粒2と小砥粒3の粒度についても限定されるものではな
く、図1に示したように異なる2つの粒度でもよいし、
異なる3つ以上の複数の粒度を持つ砥粒の混粒でもよ
い。例えば、大砥粒2の材質をダイヤモンドとしてその
粒度をメッシュ240番とし、小砥粒3の材質をSiC
としてその粒度をメッシュ8000番のように組み合わ
せて、固着材4を用いてワイヤ12に固着する。また、
固着材4に気孔と呼ばれる空洞を設けることによって、
切断粉5が砥粒と砥粒の間に堆積して切断能力が低下す
ることを防ぐようにすることも可能である。
【0013】図1の例では被加工物であるインゴット3
0はワークフィードテーブル28(図2参照)に固定さ
れており、固定砥粒付ワイヤ12が図1の8の方向に走
行しながらインゴット30を切断する。切断加工中はノ
ズル付きの配管6から加工液7を噴射させて、該加工液
7がインゴット30の切断部及びその近傍にかかるよう
になっている。
【0014】なお、インゴット30の切断加工に際して
切断粉5が発生する。加工液7は切断時に発生する加工
熱を吸収し、切断時に生じる固定砥粒付ワイヤとインゴ
ット30間の切断抵抗を減じるとともに、固定砥粒付ワ
イヤ12の各砥粒間に堆積した切断粉5の排出性を良く
するために用いる液体で、水溶性のものと、油性のもの
とを用いることができる。水溶性の加工液は、比熱と熱
伝導率が高いので加工熱を吸収し易いことに加えて、飛
散した加工液の清掃が容易で作業環境が良好であるとい
う特徴がある。また水溶性の加工液は、切断したウェー
ハの後工程に於いてウェーハに付着した加工液の洗浄が
容易であるとともに、洗い流した加工液の産業廃棄物処
理費用が安価であるという利点がある。
【0015】図2は、図1で示した固定砥粒付ワイヤ1
2を用いた固定砥粒ワイヤソーのワイヤ経路を示した図
である。図2に示すように、固定砥粒付ワイヤ12は、
一対のワイヤリール14A、14Bに巻回されており、
固定砥粒付ワイヤ12は、この一対のワイヤリール14
A、14B間を複数のガイドローラ16、16…に案内
されながら往復走行する。図2に示した構造例に於いて
は、ワイヤ走行路にはそれぞれトラバース装置22A、
22B、ダンサローラ24A、24Bが配置されてい
る。トラバース装置22A、22Bは、ワイヤリール1
4A、14Bから固定砥粒付ワイヤ12を一定の規則に
従って案内し、また、ダンサローラ24A、24Bは走
行する固定砥粒付ワイヤ12に一定の張力を付与する。
前記一対のワイヤリール14A、14Bには、それぞれ
モータ26A、26Bが連結されており、このモータ2
6A、26Bと、図示しないグルーブローラ18、18
…を駆動するモータとを同期して駆動することにより、
前記固定砥粒付ワイヤ12が一対のワイヤリール14
A、14B間を走行する。そして、三本のグルーブロー
ラ18、18、18に、固定砥粒付ワイヤ12が巻き掛
けられ、水平な固定砥粒付ワイヤ12のワイヤ列20が
形成される。前記ワイヤ列20の下方にはワークフィー
ドテーブル28が設置されている。このワークフィード
テーブル28は、前記ワイヤ列20に対して垂直に昇降
移動し、このワークフィードテーブル28の上部に被加
工物であるインゴット30が保持される。
【0016】以上のように構成された固定砥粒ワイヤソ
ー10に於いて、インゴット30は次のように切断され
る。まず、インゴット30をワークフィードテーブル2
8に取り付ける。次に、ワイヤリール14A、14Bに
連結されたモータ26A、26Bと、図示しないグルー
ブローラ18、18…を駆動するモータとを同期駆動し
て、固定砥粒付ワイヤ12を走行させる。そして、固定
砥粒付ワイヤ12の走行が安定したところで、ワークフ
ィードテーブル28をワイヤ列20に向けて上昇させ、
インゴット30を走行するワイヤ列20に押し当てる。
ワイヤ列20に押し当てられたインゴット30は、その
ワイヤ列20を構成する固定砥粒付ワイヤ12によって
接触部が研削され、これにより、ウェーハに切断され
る。
【0017】以下に固定砥粒付ワイヤを用いた固定砥粒
ワイヤソーに於ける被加工物の切断面精度と切断条件と
について説明する。固定砥粒ワイヤソーに於ける切断の
際に被加工物の切断面精度を良くするためには、図3に
示す切断中の固定砥粒付ワイヤ12の撓みを少なくする
とともに、この撓み量を一定に保つことが有効である。
その理由は切断中の固定砥粒付ワイヤ12の撓み量が大
きいと前記撓み量に応じて固定砥粒付ワイヤ12が蛇行
し易くなり、ワイヤ列20のワイヤ間隔が変動してウェ
ーハ一枚一枚の切断面のうねりが増大するからである。
そしてこのワイヤ12の撓み量を少なく一定に保つこと
は、図3に示す固定砥粒付ワイヤ12の走行方向に対し
て直角方向の切断抵抗FZ(g/cm)の値を小さく一
定に保つことに等しい。ウェーハ切断面精度が悪化する
原因である切断抵抗FZが増えるのは、切断に対して固
定砥粒付ワイヤ12の大砥粒2、2…間に於ける切断粉
5の排出性が悪いために切断粉排出能力が追いつかない
ことにより切断能力が低下するからである。
【0018】そこで図4及び図5に固定砥粒付ワイヤの
砥粒率である集中度C以外の切断条件を一定にして集中
度Cのみ横軸にを変化させたときのウェーハ切断面のう
ねり量FN(μm)と、切断抵抗FZ(g/cm)との
関係を調査した結果を示す。ここで、切断に使用した被
加工物は固定砥粒付ワイヤ12と被加工物との接触長を
一定に保つ目的から、図2や図3に示されているような
円筒形のインゴット30ではなく角柱状のSi単結晶イ
ンゴット(一辺200mm)を用いている。円筒状のイ
ンゴット30を切断する場合には単位時間当たりの切断
仕事量を一定にするようにワイヤ走行速度を制御した
り、切断送り速度を制御すると良い。図4、図5の計測
条件は、切断送り速度は1(mm/min)一定とし、
ワイヤ張力:35(N)、最大線速度:1800(m/
min)、双方向サイクル時間:30(sec)、加減
速時間:5(sec)、加工液:水+水溶性クーラント
3%、砥粒粒度:メッシュ#600番の単粒、ワイヤ素
線径:0.18(mm)の条件での切断に於けるウェー
ハ切断面うねり量FNと、切断抵抗FZとを示してい
る。
【0019】図4に示されるとおり、ウェーハ切断面う
ねり量FNをウェーハ切断面うねり量許容値以下に抑え
るためには固定砥粒付ワイヤの集中度Cを75以下に設
定すれば良いことがわかる。また前述したように図5に
よれば、切断抵抗FZも集中度Cが75以上で急激に増
大することから、切断抵抗FZが増大することに伴って
ウェーハ切断面うねり量FNが悪化すると言える。集中
度とは、バインダーを含む砥粒層中にダイヤモンドやC
BN等の砥粒が含まれている割合、すなわち砥粒率を示
すものである。砥粒率が容積パーセントで25%または
4.4(ct/cm3)を集中度100と定義している
(1ct=200mg)。なお、この集中度Cは、被加
工物の材質に応じて20〜200の値とすると良い。
【0020】固定砥粒ワイヤソーに於いて、ワイヤの固
定砥粒の集中度を75以下にすると被加工物であるウェ
ーハ切断面うねり量が許容値以内に収まることは前述の
とおりであるが、従来の切断条件のままであるとウェー
ハの加工変質層が深く、また、固定砥粒付ワイヤの大砥
粒2、2…が切断時の抵抗により脱落し易いため固定砥
粒付ワイヤの寿命が短いという不具合が発生する。一般
的に固定砥粒付ワイヤは高価であるので、固定砥粒付ワ
イヤの寿命を延ばすことはウェーハの製造コストを下げ
る為に必須の課題である。加工変質層とは、削り痕に脆
性モードが多く含まれている状態で、この脆性モードの
削り痕が発生した場合には切断面にマイクロクラックが
多数存在するために半導体生成用のウェーハとしては使
用できない層である。逆に良好な切断加工面ではマイク
ロクラックは浅く、削り痕は延性モードとなっている。
ウェーハの加工変質層が深いとウェーハ表面仕上げのた
めの後工程でのラップ工程で多大な加工時間を要するの
でウェーハの加工時間及び加工費が増大する。
【0021】この加工変質層を浅くするには、ウェーハ
に対する砥粒一つ一つの切り込み量を減らせばよい。そ
のためには切断送り量を減らすか、ワイヤの走行速度を
増すことが必要である。ワイヤソーでは、切断送り速度
を遅くすると切断加工能率が低下するが、ワイヤ走行速
度の向上は切断能率の面で有利である。本発明に係る固
定砥粒付ワイヤを用いて切断加工することによって、従
来の遊離砥粒ワイヤソーでは加工液の供給面で設定不可
能であったワイヤ速度の高速化を図ることができる。
【0022】図6にワイヤ走行速度V(m/min)と
加工変質層深D(μm)との関係を測定した結果を示
す。図6に示すとおり、加工変質層の深さは、ワイヤ走
行速度1200(m/min)以上で急激に減少してお
り、900(m/min)時の約半分の5(μm)程に
なる。従来の遊離砥粒ワイヤソーでは砥粒が加工液中に
含まれており、加工液中の砥粒により被加工物であるイ
ンゴットを切断していたため、加工液中の砥粒がワイヤ
に乗らず、切断部分に十分に引き込まれて行き渡らない
と切断面のソーマークが過多になり、インゴット30を
きれいに切断できなかった。そのために遊離砥粒方式に
於けるワイヤ走行速度の最大設定値は600〜800
(m/min)程度が限度であった。ところが固定砥粒
ワイヤソーに於いては、加工液は切断部を潤滑する程度
存在すればよいため、ワイヤ走行速度の上限を上げるこ
とができる。
【0023】図7にワイヤ走行速度V(m/min)を
横軸に、切断抵抗FZ(gf/cm)との関係を示す。
図7に示すとおりワイヤ走行速度Vが増加するに従って
切断抵抗FZは減少する傾向がある。切断抵抗FZが減
少するとウェーハ切断面のうねり量が減少し良好なウェ
ーハが得られる。
【0024】これらの効果により、切断加工の能率を向
上することができるとともに、切断面の加工変質層を薄
くできるため良質なウェーハを安価にて製作することが
可能となり、更に大砥粒2、2…の一つ一つに於ける切
り込み量が減少するので大砥粒2、2…が脱落する確率
が少なくなり固定砥粒付きワイヤの寿命を延ばすことが
可能となる。
【0025】更に、本発明に係る固定砥粒付ワイヤ及び
固定砥粒ワイヤソーの加工方法の実施の形態によれば、
切断に寄与する大砥粒2、2…が、小砥粒3、3…によ
って保持されながら固着材4によって固着されているの
で、従来の技術である固着材4のみによって大砥粒2、
2…を固着する方法と比較して大砥粒2、2…の固着力
が高く、大砥粒2、2…が脱落しにくい。また、切断に
寄与する大砥粒2をダイヤモンドやCBNとし、小砥粒
3をダイヤモンドやCBNに比較してはるかに安価なS
iCやAl2 3 とすることによって、切断能力が高い
固定砥粒付ワイヤを安価にて提供することが可能とな
る。従って安価で長寿命な固定砥粒付ワイヤを提供する
ことができるとともに、前記説明のとおりウェーハの切
断加工面のうねりを少なくすることができ、更に次に示
すように切断時間と切断コストの低減を図ることができ
る。
【0026】図8に横軸にワイヤ走行速度V(m/mi
n)を取り、縦軸にワイヤライフWL(mm2 /m)と
した測定結果を示す。ここでワイヤライフWLとは、単
位ワイヤ長さ(m)当たりに於ける、大砥粒2の脱落無
しに切断できたインゴットの切断面積(mm2 )を示し
ている。従ってワイヤライフFLの値が大きいほどワイ
ヤの寿命が長く、経済的であることを示している。図8
によると、ワイヤ走行速度V=1200(m/min)
以上になるとV=900(m/min)の状態に於ける
ワイヤライフと比べて2倍以上急に大きくなり、更にワ
イヤ走行速度Vを増すことによってワイヤライフWLの
値は増加する。
【0027】なお、ワイヤ走行速度を向上させるための
手段としては、図示しないグルーブローラ18、18…
の駆動モータ及びワイヤリールモータ26A、26Bの
高出力化(トルク、回転数向上)や、グルーブローラ1
8、18…の駆動減速比の変更、グルーブローラ18、
18…の大径化、ワイヤリール14A、14Bの軽量
化、切断に使用する固定砥粒付ワイヤの量を減らしてワ
イヤリールモータ26A、26Bにかかる負荷を減らす
等の対策を組み合わせて対応する。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る固定
砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法によれ
ば、固定砥粒ワイヤソーに用いる固定砥粒付ワイヤに、
複数の異なった粒度を持つ砥粒が混在して固着されてい
る、且つ/又は、複数の異なった種類の材質で構成され
た砥粒が混在して固着されている固定砥粒付ワイヤを用
いたので、切断粉の排出性が良くなるとともに固定砥粒
付ワイヤの寿命を延ばすことができる。更に、ウェーハ
の切断面のうねり量が減少するため、被加工物の切断面
精度を良好にすることができることに加えて、生産能率
の向上及び生産コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固定砥粒付ワイヤ12が、インゴ
ット30を切断している状態を固定砥粒ワイヤ12を誇
張して示した断面図。
【図2】固定砥粒ワイヤソーのワイヤ経路構成図。
【図3】固定砥粒付ワイヤ12の走行方向に対して直角
方向の切断抵抗FZ(g/cm)の値を示す図。
【図4】集中度Cを横軸に変化させたときのウェーハ切
断面のうねり量FN(μm)との関係を示す図。
【図5】集中度Cを横軸に変化させたときの切断抵抗F
Z(g/cm)との関係を示す図。
【図6】ワイヤ走行速度V(m/min)を横軸に変化
させたときの加工変質層深さD(μm)との関係を示す
図。
【図7】ワイヤ走行速度V(m/min)を横軸に変化
させたときの切断抵抗FZ(g/cm)との関係を示す
図。
【図8】ワイヤ走行速度V(m/min)を横軸に変化
させたときのワイヤライフWL(mm2/m)との関係
を示す図。
【符号の説明】
1…ワイヤ素線 2…大砥粒 3…小砥粒 4…固着材 5…切断粉 7…加工液 10…固定砥粒ワイヤソー 12…固定砥粒付ワイヤ 30…インゴット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA05 AA09 AA18 AB08 AC04 CA01 CB01 CB03 3C063 AA08 AB09 BB20 EE01 EE31 FF20 FF22 FF30 3C069 AA01 BA06 BB02 BB04 CA04 EA01 EA02 EA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒
    付ワイヤを走行させながら被加工物を押し当てることに
    より、該被加工物を切断する固定砥粒付ワイヤにおい
    て、 前記固定砥粒付ワイヤは、複数の異なった粒度を持つ砥
    粒が混在して固着されていることを特徴とする固定砥粒
    付ワイヤ。
  2. 【請求項2】 ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒
    付ワイヤを走行させながら被加工物を押し当てることに
    より、該被加工物を切断する固定砥粒付ワイヤにおい
    て、 前記固定砥粒付ワイヤは、複数の異なった種類の材質で
    構成された砥粒が混在して固着されていることを特徴と
    する固定砥粒付ワイヤ。
  3. 【請求項3】 ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒
    付ワイヤを走行させながら被加工物を押し当てることに
    より、該被加工物を切断する固定砥粒付ワイヤにおい
    て、 前記固定砥粒付ワイヤは、複数の異なった粒度と、複数
    の異なった種類の材質とで構成された砥粒が混在して固
    着されていることを特徴とする固定砥粒付ワイヤ。
  4. 【請求項4】 ワイヤ表面に砥粒が固着された固定砥粒
    付ワイヤを複数個のグルーブローラに巻き掛けてワイヤ
    列を形成し、該ワイヤ列を走行させながら被加工物を押
    し当てることにより、該被加工物を多数枚のウェーハに
    切断する固定砥粒ワイヤソーの切断方法において、 前記請求項1、または前記請求項2、または前記請求項
    3に記載の固定砥粒付ワイヤを用いるとともに、 前記被加工物の切断部分とその近傍に水溶性の加工液を
    噴射することを特徴とする固定砥粒ワイヤソーの切断方
    法。
JP2208299A 1999-01-29 1999-01-29 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法 Pending JP2000218504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2208299A JP2000218504A (ja) 1999-01-29 1999-01-29 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2208299A JP2000218504A (ja) 1999-01-29 1999-01-29 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000218504A true JP2000218504A (ja) 2000-08-08

Family

ID=12072968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2208299A Pending JP2000218504A (ja) 1999-01-29 1999-01-29 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000218504A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6837778B2 (en) 2000-11-24 2005-01-04 Neomax Co., Ltd Method for cutting rare earth alloy, method for manufacturing rare earth magnet, and wire-saw machine
US7025054B2 (en) 2002-03-01 2006-04-11 Neomax Co., Ltd. Method of cutting rare-earth alloy
JP2012152830A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Noritake Co Ltd 固定砥粒ワイヤおよびその製造方法
US8425640B2 (en) 2009-08-14 2013-04-23 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated body
CN104070614A (zh) * 2013-03-26 2014-10-01 蒙特集团(香港)有限公司 固定磨料线锯及其制备方法
US9028948B2 (en) 2009-08-14 2015-05-12 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated body, and methods of forming thereof
US9186816B2 (en) 2010-12-30 2015-11-17 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9211634B2 (en) 2011-09-29 2015-12-15 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated substrate body having a barrier layer, and methods of forming thereof
US9254552B2 (en) 2012-06-29 2016-02-09 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9278429B2 (en) 2012-06-29 2016-03-08 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article for abrading and sawing through workpieces and method of forming
US9375826B2 (en) 2011-09-16 2016-06-28 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9409243B2 (en) 2013-04-19 2016-08-09 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9533397B2 (en) 2012-06-29 2017-01-03 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9878382B2 (en) 2015-06-29 2018-01-30 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9902044B2 (en) 2012-06-29 2018-02-27 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6896595B2 (en) 2000-11-24 2005-05-24 Neomax Co., Ltd. Method for cutting rare earth alloy, method for manufacturing rare earth magnet, and wire-saw machine
US6837778B2 (en) 2000-11-24 2005-01-04 Neomax Co., Ltd Method for cutting rare earth alloy, method for manufacturing rare earth magnet, and wire-saw machine
US7025054B2 (en) 2002-03-01 2006-04-11 Neomax Co., Ltd. Method of cutting rare-earth alloy
US8425640B2 (en) 2009-08-14 2013-04-23 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated body
US9862041B2 (en) 2009-08-14 2018-01-09 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated body
US9028948B2 (en) 2009-08-14 2015-05-12 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated body, and methods of forming thereof
US9067268B2 (en) 2009-08-14 2015-06-30 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated body
US9186816B2 (en) 2010-12-30 2015-11-17 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9248583B2 (en) 2010-12-30 2016-02-02 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
JP2012152830A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Noritake Co Ltd 固定砥粒ワイヤおよびその製造方法
US9375826B2 (en) 2011-09-16 2016-06-28 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9211634B2 (en) 2011-09-29 2015-12-15 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive articles including abrasive particles bonded to an elongated substrate body having a barrier layer, and methods of forming thereof
US9533397B2 (en) 2012-06-29 2017-01-03 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9278429B2 (en) 2012-06-29 2016-03-08 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article for abrading and sawing through workpieces and method of forming
US9254552B2 (en) 2012-06-29 2016-02-09 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9687962B2 (en) 2012-06-29 2017-06-27 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9902044B2 (en) 2012-06-29 2018-02-27 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US10596681B2 (en) 2012-06-29 2020-03-24 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
CN104070614A (zh) * 2013-03-26 2014-10-01 蒙特集团(香港)有限公司 固定磨料线锯及其制备方法
US9409243B2 (en) 2013-04-19 2016-08-09 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US9878382B2 (en) 2015-06-29 2018-01-30 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US10137514B2 (en) 2015-06-29 2018-11-27 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming
US10583506B2 (en) 2015-06-29 2020-03-10 Saint-Gobain Abrasives, Inc. Abrasive article and method of forming

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100350657B1 (ko) 경질의 취성가공물에서 다수의 디스크를 절삭하는 방법 및 그 장치
JP2000218504A (ja) 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソーの切断方法
US9701043B2 (en) Dicing blade
JP3314921B2 (ja) 半導体材料の切断・加工方法
US20150099428A1 (en) Dicing Device and Dicing Method
JP2005186202A (ja) 超砥粒ワイヤソー巻き付け構造、超砥粒ワイヤソー切断装置および超砥粒ワイヤソーの巻き付け方法
JP2000288902A (ja) 固定砥粒付ワイヤ及び固定砥粒ワイヤソー
JPH09254006A (ja) ワイヤーソー用ワイヤー
JP2011031386A (ja) 電着式固定砥粒ワイヤーおよびこれを用いた結晶スライス方法
JP2000158319A (ja) ダイヤモンドワイヤーソー及び切断加工方法
JP3810170B2 (ja) ワイヤーソーによるワークの切断方法およびワイヤーソー
JP2006007387A (ja) 超砥粒ワイヤソー
US9427888B2 (en) Method for resuming a wire sawing process of a workpiece after an unplanned interruption
CN106626111B (zh) 固定磨粒丝锯以及固定磨粒丝的修整方法
JP2757086B2 (ja) ウエーハ切り離し方法及びワイヤーソー装置
US9174361B2 (en) Method for simultaneously slicing a multiplicity of wafers from a cylindrical workpiece
KR102100839B1 (ko) 워크의 절단방법
JP2003159642A (ja) ワーク切断方法およびマルチワイヤソーシステム
JPH1128654A (ja) 固定砥粒ワイヤソーのドレッシング方法及び装置
CN113226640B (zh) 工件的切断方法及线锯
JP6705399B2 (ja) ウェーハの製造方法
JP2674207B2 (ja) 脆性材料の切断加工方法
JP5537891B2 (ja) 切断ブレードのドレッシング方法
JP2001001335A (ja) ワイヤーソーを用いた単結晶シリコンインゴットのスライス方法
JP2012045682A (ja) 固定砥粒ワイヤーソー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070611

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080619