JP2000214069A - 気体透過評価装置 - Google Patents
気体透過評価装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガスバリア性が向上しているプラスチックフ
ィルム等の気体透過性能を、迅速に確実に評価できるよ
うにする。 【解決手段】 気体透過評価装置１が、試料２の測定部
位の一方の面が面する空間を囲む第１チャンバー３、第
１チャンバー３内にキャリアガスを導入するガス配管
８、試料２の測定部位の他面が面する空間を囲む第２チ
ャンバー４、第２チャンバー４内を高真空にするポンプ
１１、試料２の測定部位の周囲を、試料の第１チャンバ
ー３側及び第２チャンバー４側の両面から対称的に押圧
するシール材５、第２チャンバー内４のキャリアガス分
子を分析する分析器１２、及び試料温度を調節する温度
制御装置１３を備えている。
ィルム等の気体透過性能を、迅速に確実に評価できるよ
うにする。 【解決手段】 気体透過評価装置１が、試料２の測定部
位の一方の面が面する空間を囲む第１チャンバー３、第
１チャンバー３内にキャリアガスを導入するガス配管
８、試料２の測定部位の他面が面する空間を囲む第２チ
ャンバー４、第２チャンバー４内を高真空にするポンプ
１１、試料２の測定部位の周囲を、試料の第１チャンバ
ー３側及び第２チャンバー４側の両面から対称的に押圧
するシール材５、第２チャンバー内４のキャリアガス分
子を分析する分析器１２、及び試料温度を調節する温度
制御装置１３を備えている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックフィ
ルム等の気体透過性能を短時間で評価する気体透過評価
装置に関する。
ルム等の気体透過性能を短時間で評価する気体透過評価
装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】プラスチックフィルムに酸化珪素薄膜等
を積層し、気体透過性を大きく低減させたガスバリアフ
ィルムが、包装材料、液晶セル等の表示素子デバイスを
形成する光学材料などとして使用されている。従来、こ
のようなガスバリアフィルムの気体透過性能の評価装置
としては、ＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に基づくものが
知られている（化学と工業,Vol.61(No.12),p496〜502(1
987)）。
を積層し、気体透過性を大きく低減させたガスバリアフ
ィルムが、包装材料、液晶セル等の表示素子デバイスを
形成する光学材料などとして使用されている。従来、こ
のようなガスバリアフィルムの気体透過性能の評価装置
としては、ＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に基づくものが
知られている（化学と工業,Vol.61(No.12),p496〜502(1
987)）。
【０００３】このＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に基づく
評価装置は、キャリアガスを導入するガス配管を有する
第１チャンバーと、１０-6Torr以下の高真空に減圧され
る第２チャンバーとを有し、第２チャンバーには、その
チャンバー内のガスを分析する四重極質量分析器が接続
している。試料は、第１チャンバーと第２チャンバーと
の境界に設置され、試料の第１チャンバー側がＯリング
で押圧され、第２チャンバー側には、試料の支持材とし
てろ紙が当てられる。この評価装置では試料設置後、第
２チャンバーを高真空にして第１チャンバーにキャリア
ガスを導入し、第１チャンバーから試料を透過して第２
チャンバーに拡散してくるキャリアガス分子が定常状態
になるのを待ち、その後、第２チャンバーに接続した四
重極質量分析器でキャリアガス分子を定量することによ
り試料の気体透過性能を評価する。
評価装置は、キャリアガスを導入するガス配管を有する
第１チャンバーと、１０-6Torr以下の高真空に減圧され
る第２チャンバーとを有し、第２チャンバーには、その
チャンバー内のガスを分析する四重極質量分析器が接続
している。試料は、第１チャンバーと第２チャンバーと
の境界に設置され、試料の第１チャンバー側がＯリング
で押圧され、第２チャンバー側には、試料の支持材とし
てろ紙が当てられる。この評価装置では試料設置後、第
２チャンバーを高真空にして第１チャンバーにキャリア
ガスを導入し、第１チャンバーから試料を透過して第２
チャンバーに拡散してくるキャリアガス分子が定常状態
になるのを待ち、その後、第２チャンバーに接続した四
重極質量分析器でキャリアガス分子を定量することによ
り試料の気体透過性能を評価する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、気体透
過性能を評価するガスバリアフィルムのガスバリア性が
向上するに伴い、従来のＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に
基づく評価装置では、第１チャンバーから試料を透過し
て第２チャンバーに拡散してくるキャリアガス分子が定
常状態になるのに時間がかかり、そのため、例えば酸素
の透過性能を評価する場合には、測定に１〜２週間も要
し、評価コストが高くなるという問題がある。
過性能を評価するガスバリアフィルムのガスバリア性が
向上するに伴い、従来のＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に
基づく評価装置では、第１チャンバーから試料を透過し
て第２チャンバーに拡散してくるキャリアガス分子が定
常状態になるのに時間がかかり、そのため、例えば酸素
の透過性能を評価する場合には、測定に１〜２週間も要
し、評価コストが高くなるという問題がある。
【０００５】また、気体透過性能を評価するガスバリア
フィルムのガスバリア性が向上するのに伴い、第２チャ
ンバー内のガス分子濃度が低くなるため、四重極質量分
析器の検出限界に達するという問題も生じている。
フィルムのガスバリア性が向上するのに伴い、第２チャ
ンバー内のガス分子濃度が低くなるため、四重極質量分
析器の検出限界に達するという問題も生じている。
【０００６】さらに、従来の評価装置では、設置された
試料が、その第１チャンバー側はＯリングでシールされ
るが第２チャンバー側にはろ紙が当てられるだけなの
で、第２チャンバーを高真空にひいたときに試料に不要
な応力がかかり、試料が破損する場合があるという問題
も生じている。
試料が、その第１チャンバー側はＯリングでシールされ
るが第２チャンバー側にはろ紙が当てられるだけなの
で、第２チャンバーを高真空にひいたときに試料に不要
な応力がかかり、試料が破損する場合があるという問題
も生じている。
【０００７】本発明は以上のような従来技術の問題点を
解決しようとするものであり、ガスバリア性が向上して
いる試料についても、迅速に確実に気体透過性能を評価
できるようにすることを目的としている。
解決しようとするものであり、ガスバリア性が向上して
いる試料についても、迅速に確実に気体透過性能を評価
できるようにすることを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、試料の測定部位の一方の面が面する空間
を囲む第１チャンバー、第１チャンバー内にキャリアガ
スを導入するガス配管、試料の測定部位の他面が面する
空間を囲む第２チャンバー、第２チャンバー内を高真空
にするポンプ、試料の測定部位の周囲を、試料の第１チ
ャンバー側及び第２チャンバー側の両面から対称的に押
圧するシール材、第２チャンバー内のキャリアガス分子
を分析する分析器、及び試料温度を調節する温度制御装
置を備えた気体透過評価装置を提供する。
達成するため、試料の測定部位の一方の面が面する空間
を囲む第１チャンバー、第１チャンバー内にキャリアガ
スを導入するガス配管、試料の測定部位の他面が面する
空間を囲む第２チャンバー、第２チャンバー内を高真空
にするポンプ、試料の測定部位の周囲を、試料の第１チ
ャンバー側及び第２チャンバー側の両面から対称的に押
圧するシール材、第２チャンバー内のキャリアガス分子
を分析する分析器、及び試料温度を調節する温度制御装
置を備えた気体透過評価装置を提供する。
【０００９】また、この気体透過評価装置を用いた試料
の気体透過性能の評価方法として、この気体透過評価装
置に試料を設置し、第２チャンバー内を高真空にし、第
１チャンバー内にキャリアガスを導入すると共に第２チ
ャンバー内のキャリアガスを分析器で分析し、キャリア
ガス導入開始後の時間と第２チャンバー内に拡散してき
たキャリアガスの量との過渡応答に基づき試料の気体透
過性能を評価する方法、及びこの気体透過評価装置に試
料を設置し、第２チャンバー内を高真空にし、第１チャ
ンバー内にキャリアガスを導入すると共に第２チャンバ
ー内のキャリアガスを分析器で分析し、キャリアガス導
入開始後第２チャンバー内のキャリアガスの量が定常状
態になった後、定常状態における第２チャンバー内のキ
ャリアガスの量に基づき試料の気体透過性能を評価する
方法を提供する。
の気体透過性能の評価方法として、この気体透過評価装
置に試料を設置し、第２チャンバー内を高真空にし、第
１チャンバー内にキャリアガスを導入すると共に第２チ
ャンバー内のキャリアガスを分析器で分析し、キャリア
ガス導入開始後の時間と第２チャンバー内に拡散してき
たキャリアガスの量との過渡応答に基づき試料の気体透
過性能を評価する方法、及びこの気体透過評価装置に試
料を設置し、第２チャンバー内を高真空にし、第１チャ
ンバー内にキャリアガスを導入すると共に第２チャンバ
ー内のキャリアガスを分析器で分析し、キャリアガス導
入開始後第２チャンバー内のキャリアガスの量が定常状
態になった後、定常状態における第２チャンバー内のキ
ャリアガスの量に基づき試料の気体透過性能を評価する
方法を提供する。
【００１０】本発明の気体透過評価装置によれば、試料
の測定部位の一方の面が面する空間を囲む第１チャンバ
ーが、その第１チャンバー内にキャリアガスを導入する
ガス配管を備え、また、試料の測定部位の他面が面する
空間を囲む第２チャンバーが、その第２チャンバー内を
高真空にするポンプを備え、かつ第２チャンバー内のキ
ャリアガス分子を検出する分析器に接続しているので、
ＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に準じて試料の気体透過性
能を評価することが可能となる。
の測定部位の一方の面が面する空間を囲む第１チャンバ
ーが、その第１チャンバー内にキャリアガスを導入する
ガス配管を備え、また、試料の測定部位の他面が面する
空間を囲む第２チャンバーが、その第２チャンバー内を
高真空にするポンプを備え、かつ第２チャンバー内のキ
ャリアガス分子を検出する分析器に接続しているので、
ＡＳＴＭ１４３４Ｄの圧力法に準じて試料の気体透過性
能を評価することが可能となる。
【００１１】この場合、本発明の気体透過評価装置は、
試料温度を調節する温度制御装置を備えているので、試
料を透過するキャリアガスの拡散速度を試料温度によっ
て制御することができる。したがって、短時間に、かつ
第２チャンバーに接続した当該分析器に適した条件で試
料の気体透過性能を評価することが可能となる。例え
ば、第２チャンバーで定常状態に達したキャリアガスの
濃度を分析器で検出し、試料の気体透過性能を評価する
場合に、試料を加温することにより、常温では１〜２週
間要していた評価期間を２０〜３０分程度に短縮するこ
とができる。また、常温では第２チャンバーで定常状態
に達したキャリアガスの濃度が分析器の検出限界を下回
る場合でも、試料を加温することにより第２チャンバー
内のキャリアガス濃度を高めることができるので、分析
器で検出することが可能となる。
試料温度を調節する温度制御装置を備えているので、試
料を透過するキャリアガスの拡散速度を試料温度によっ
て制御することができる。したがって、短時間に、かつ
第２チャンバーに接続した当該分析器に適した条件で試
料の気体透過性能を評価することが可能となる。例え
ば、第２チャンバーで定常状態に達したキャリアガスの
濃度を分析器で検出し、試料の気体透過性能を評価する
場合に、試料を加温することにより、常温では１〜２週
間要していた評価期間を２０〜３０分程度に短縮するこ
とができる。また、常温では第２チャンバーで定常状態
に達したキャリアガスの濃度が分析器の検出限界を下回
る場合でも、試料を加温することにより第２チャンバー
内のキャリアガス濃度を高めることができるので、分析
器で検出することが可能となる。
【００１２】さらに、本発明の気体透過評価装置を用い
て試料の気体透過性能を評価する場合に、第２チャンバ
ー内でのキャリアガスが定常状態に達する前から第２チ
ャンバー内でのキャリアガス濃度を分析器が検出できる
場合には、第２チャンバー内でキャリアガスが定常状態
になるのを待つことなく、キャリアガス導入開始後の時
間と第２チャンバー内に拡散してきたキャリアガスの量
との過渡応答に基づいて試料の気体透過性能を評価する
ことができる。したがって、よりいっそう気体透過性能
の評価に要する時間を短縮することができる。
て試料の気体透過性能を評価する場合に、第２チャンバ
ー内でのキャリアガスが定常状態に達する前から第２チ
ャンバー内でのキャリアガス濃度を分析器が検出できる
場合には、第２チャンバー内でキャリアガスが定常状態
になるのを待つことなく、キャリアガス導入開始後の時
間と第２チャンバー内に拡散してきたキャリアガスの量
との過渡応答に基づいて試料の気体透過性能を評価する
ことができる。したがって、よりいっそう気体透過性能
の評価に要する時間を短縮することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【００１４】図１は、本発明の一態様の気体透過評価装
置１のシステム構成図、図２はその試料取付部付近のｘ
−ｘ断面図、図３は試料取付部付近のｙ−ｙ断面図であ
る。
置１のシステム構成図、図２はその試料取付部付近のｘ
−ｘ断面図、図３は試料取付部付近のｙ−ｙ断面図であ
る。
【００１５】この気体透過評価装置１は、プラスチッ
ク、セラミック、ガラス、金属等の種々のフィルム状の
試料２の気体透過性（あるいはガスバリア性）を評価す
る装置であり、試料２を設置した場合に、その測定部位
の一方の面が面する空間を囲む第１チャンバー３、試料
２の測定部位の他面が面する空間を囲む第２チャンバー
４を有している。
ク、セラミック、ガラス、金属等の種々のフィルム状の
試料２の気体透過性（あるいはガスバリア性）を評価す
る装置であり、試料２を設置した場合に、その測定部位
の一方の面が面する空間を囲む第１チャンバー３、試料
２の測定部位の他面が面する空間を囲む第２チャンバー
４を有している。
【００１６】試料２は、その載置位置において、その測
定部位の周囲が、第１チャンバー３側及び第２チャンバ
ー４側の両面から対称的にシール材５ａ、５ｂで押圧さ
れるようになっている。より具体的には、例えば、シー
ル材５ａ、５ｂとしてＯリングが、それぞれ第１チャン
バー側フランジ６ａ及び第２チャンバー側フランジ６ｂ
に取り外し可能にはめ込まれている。このように同一素
材のシール材５ａ、５ｂで試料２を対称的に押圧するこ
とにより試料２に不要な応力がかかることを防止でき
る。
定部位の周囲が、第１チャンバー３側及び第２チャンバ
ー４側の両面から対称的にシール材５ａ、５ｂで押圧さ
れるようになっている。より具体的には、例えば、シー
ル材５ａ、５ｂとしてＯリングが、それぞれ第１チャン
バー側フランジ６ａ及び第２チャンバー側フランジ６ｂ
に取り外し可能にはめ込まれている。このように同一素
材のシール材５ａ、５ｂで試料２を対称的に押圧するこ
とにより試料２に不要な応力がかかることを防止でき
る。
【００１７】また、試料２は、その載置位置において、
第１チャンバー３側及び第２チャンバー４側の両面が通
気性支持板７ａ、７ｂで挟まれるようになっており、試
料２の気体透過性能の評価時に第２チャンバー４内を高
真空にした場合においても試料２に変形やクラックが生
じることを防止している。この通気性支持板７ａ、７ｂ
としては、少なくとも１カ所にφ２ｍｍ以下の孔７ｈが
開いている、厚さ５０〜１００μｍ程度のガラスなどの
板材を使用することができる。なお、本発明の気体透過
評価装置１において、通気性支持板７ａ、７ｂは、試料
２の変形のしやすさ、第２チャンバー４を減圧した場合
の真空度等により、必要に応じて設けられるが、一般的
には、少なくとも試料２にとって低圧側となる第２チャ
ンバー４側に設けることが好ましい。
第１チャンバー３側及び第２チャンバー４側の両面が通
気性支持板７ａ、７ｂで挟まれるようになっており、試
料２の気体透過性能の評価時に第２チャンバー４内を高
真空にした場合においても試料２に変形やクラックが生
じることを防止している。この通気性支持板７ａ、７ｂ
としては、少なくとも１カ所にφ２ｍｍ以下の孔７ｈが
開いている、厚さ５０〜１００μｍ程度のガラスなどの
板材を使用することができる。なお、本発明の気体透過
評価装置１において、通気性支持板７ａ、７ｂは、試料
２の変形のしやすさ、第２チャンバー４を減圧した場合
の真空度等により、必要に応じて設けられるが、一般的
には、少なくとも試料２にとって低圧側となる第２チャ
ンバー４側に設けることが好ましい。
【００１８】第１チャンバー３にはガス配管８が設けら
れており、このガス配管８を通してボンベ９から第１チ
ャンバー３内にキャリアガスが導入される。キャリアガ
スとしては、フィルム状の試料２の透過性の点から、原
子量４０以下のものが好ましく、例えば、Ａｒ、Ｎ2、
Ｈｅ、Ｈ2等を使用することができる。これらの中で
も、取り扱いが容易な点から、不活性ガスが好ましい。
れており、このガス配管８を通してボンベ９から第１チ
ャンバー３内にキャリアガスが導入される。キャリアガ
スとしては、フィルム状の試料２の透過性の点から、原
子量４０以下のものが好ましく、例えば、Ａｒ、Ｎ2、
Ｈｅ、Ｈ2等を使用することができる。これらの中で
も、取り扱いが容易な点から、不活性ガスが好ましい。
【００１９】また、第１チャンバー３には圧力ゲージ１
０が取り付けられている。
０が取り付けられている。
【００２０】第２チャンバー４には、その内部を１０-6
Torr以下程度の高真空にするポンプとしてターボ分子ポ
ンプ１１が接続されている。また、第２チャンバー４内
のキャリアガス分子を検出する分析器として、四重極質
量分析器１２が接続されている。
Torr以下程度の高真空にするポンプとしてターボ分子ポ
ンプ１１が接続されている。また、第２チャンバー４内
のキャリアガス分子を検出する分析器として、四重極質
量分析器１２が接続されている。
【００２１】さらに、この気体透過評価装置１に特徴的
な構成として、試料２の温度を調節する温度制御装置１
３が備えられている。より具体的には、温度制御装置１
３として、試料２の測定部位に隣接してリボンヒーター
付き熱伝対が配されている。温度制御装置１３で試料温
度を制御することにより、試料２を透過するキャリアガ
スの拡散速度を試料温度によって制御することができ
る。したがって、短時間に、かつ第２チャンバー４に接
続した当該分析器１２に適した条件で、試料２の気体透
過性能を評価することが可能となる。
な構成として、試料２の温度を調節する温度制御装置１
３が備えられている。より具体的には、温度制御装置１
３として、試料２の測定部位に隣接してリボンヒーター
付き熱伝対が配されている。温度制御装置１３で試料温
度を制御することにより、試料２を透過するキャリアガ
スの拡散速度を試料温度によって制御することができ
る。したがって、短時間に、かつ第２チャンバー４に接
続した当該分析器１２に適した条件で、試料２の気体透
過性能を評価することが可能となる。
【００２２】なお、温度制御装置１３としては、ヒータ
ーだけでなく、必要に応じて冷却パイプ等を設けてもよ
い。
ーだけでなく、必要に応じて冷却パイプ等を設けてもよ
い。
【００２３】この気体透過評価装置１を用いて試料２の
気体透過性能あるいはガスバリア性を評価する方法とし
ては、まず、第１チャンバー３と第２チャンバー４との
間に試料２を設置し、第２チャンバー４内をターボ分子
ポンプ１１で排気し、１０-6Torr以下、より好ましくは
１０-8Torr程度の高真空にする。次に、必要に応じて温
度制御装置１３で試料２を加熱することにより、第１チ
ャンバー３の容器内温度と試料２とを同一温度にする。
次に、ガス配管８のバルブを開けてキャリアガスを第１
チャンバー３に導入し、それと同時に四重極質量分析器
１２で第２チャンバー４内のキャリアガスを測定する。
そしてこの測定を、第２チャンバー４内でのキャリアガ
スの分圧が定常状態になるまで行う。こうして測定した
定常状態における第２チャンバー４内のキャリアガスの
量に基づき、試料２の気体透過性能を評価する。あるい
は、キャリアガス導入開始後の時間と第２チャンバー４
内に拡散してきたキャリアガスの量との過渡応答を四重
極質量分析器１２で検出し、一定の値になるまでの時間
を測定し、その過渡応答に基づき、試料の気体透過性能
を評価する。
気体透過性能あるいはガスバリア性を評価する方法とし
ては、まず、第１チャンバー３と第２チャンバー４との
間に試料２を設置し、第２チャンバー４内をターボ分子
ポンプ１１で排気し、１０-6Torr以下、より好ましくは
１０-8Torr程度の高真空にする。次に、必要に応じて温
度制御装置１３で試料２を加熱することにより、第１チ
ャンバー３の容器内温度と試料２とを同一温度にする。
次に、ガス配管８のバルブを開けてキャリアガスを第１
チャンバー３に導入し、それと同時に四重極質量分析器
１２で第２チャンバー４内のキャリアガスを測定する。
そしてこの測定を、第２チャンバー４内でのキャリアガ
スの分圧が定常状態になるまで行う。こうして測定した
定常状態における第２チャンバー４内のキャリアガスの
量に基づき、試料２の気体透過性能を評価する。あるい
は、キャリアガス導入開始後の時間と第２チャンバー４
内に拡散してきたキャリアガスの量との過渡応答を四重
極質量分析器１２で検出し、一定の値になるまでの時間
を測定し、その過渡応答に基づき、試料の気体透過性能
を評価する。
【００２４】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリア性が向上し
ているプラスチックフィルムを試料とする場合でも、迅
速に確実に気体透過性能を評価することが可能となる。
ているプラスチックフィルムを試料とする場合でも、迅
速に確実に気体透過性能を評価することが可能となる。
【図１】 気体透過評価装置のシステム構成図である。
【図２】 気体透過評価装置の試料取付部付近のｘ−ｘ
断面図である。
断面図である。
【図３】 気体透過評価措置の試料取付部付近のｙ−ｙ
断面図である。
断面図である。
１…気体透過評価装置、 ２…試料、 ３…第１チャン
バー、 ４…第２チャンバー、 ５ａ、５ｂ…シール
材、 ６ａ…第１チャンバー側フランジ、 ６ｂ…第２
チャンバー側フランジ、 ７ａ、７ｂ…通気性支持板、
８…ガス配管、９…ボンベ、 １０…圧力ゲージ、
１１…ターボ分子ポンプ、 １２…四重極質量分析器、
１３…温度制御装置
バー、 ４…第２チャンバー、 ５ａ、５ｂ…シール
材、 ６ａ…第１チャンバー側フランジ、 ６ｂ…第２
チャンバー側フランジ、 ７ａ、７ｂ…通気性支持板、
８…ガス配管、９…ボンベ、 １０…圧力ゲージ、
１１…ターボ分子ポンプ、 １２…四重極質量分析器、
１３…温度制御装置
Claims (5)
- 【請求項１】 試料の測定部位の一方の面が面する空間
を囲む第１チャンバー、第１チャンバー内にキャリアガ
スを導入するガス配管、試料の測定部位の他面が面する
空間を囲む第２チャンバー、第２チャンバー内を高真空
にするポンプ、試料の測定部位の周囲を、試料の第１チ
ャンバー側及び第２チャンバー側の両面から対称的に押
圧するシール材、第２チャンバー内のキャリアガス分子
を分析する分析器、及び試料温度を調節する温度制御装
置を備えた気体透過評価装置。 - 【請求項２】 試料の変形を防止する通気性支持板が、
少なくとも試料の第２チャンバー側に設けられている請
求項１記載の気体透過評価装置。 - 【請求項３】 温度制御装置が、試料の測定部位に隣接
して配置されたヒーター付き熱伝対からなる請求項１又
は２記載の気体透過評価装置。 - 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載の気体透
過評価装置に試料を設置し、第２チャンバー内を高真空
にし、第１チャンバー内にキャリアガスを導入すると共
に第２チャンバー内のキャリアガスを分析器で分析し、
キャリアガス導入開始後の時間と第２チャンバー内に拡
散してきたキャリアガスの量との過渡応答に基づき試料
の気体透過性能を評価する方法。 - 【請求項５】 請求項１〜３のいずれかに記載の気体透
過評価装置に試料を設置し、第２チャンバー内を高真空
にし、第１チャンバー内にキャリアガスを導入すると共
に第２チャンバー内のキャリアガスを分析器で分析し、
キャリアガス導入開始後第２チャンバー内のキャリアガ
スの量が定常状態になった後、定常状態における第２チ
ャンバー内のキャリアガスの量に基づき試料の気体透過
性能を評価する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1596099A JP2000214069A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 気体透過評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1596099A JP2000214069A (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 気体透過評価装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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