JP2000211958A - 脱水プレス成形体およびその製造方法 - Google Patents

脱水プレス成形体およびその製造方法

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JP2000211958A
JP2000211958A JP1309399A JP1309399A JP2000211958A JP 2000211958 A JP2000211958 A JP 2000211958A JP 1309399 A JP1309399 A JP 1309399A JP 1309399 A JP1309399 A JP 1309399A JP 2000211958 A JP2000211958 A JP 2000211958A
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Masaru Kato
賢 加藤
Hiroyoshi Sato
裕喜 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築用部材として優れた靭性、品質を有する
脱水プレス成形体を提供する。 【解決手段】 水硬性無機物質(A)、平均粒径が10
μm〜2mmの結晶質無機充填材(B)、平均粒径が
0.01〜1μmの非晶質シリカを予め水に分散させた
スラリー(C)、合成繊維(D)および減水剤(E)を
含む組成物を脱水プレス成形し、養生硬化させることを
特徴とする脱水プレス成形体、およびその製造方法。 【効果】 上記方法によれば、プレス時に型枠からの漏
れを生ずることなく、容易に脱水プレス成形体を得るこ
とができる。また、得られた製品は、乾燥状態、飽水状
態において、ともに高い曲げ強度を有し、外観も優れて
いるため建築用部材として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱水プレス成形体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】床、壁、屋根などの建築用部材としてセ
メントなどの水硬性無機物質による成形体が使用されて
いる。これらの部材は、抄造法、押し出し法、脱水プレ
ス法等により成形されている。このうち、脱水プレス法
は、意匠性に優れているため表面に複雑な形状を必要と
する部材などには特に適した方法である。
【0003】ところで、これら建築用部材としては従来
から比較的強度の高い石綿セメント成形板が利用されて
いる。石綿は成形時における成形性を良くし、硬化後の
機械的強度を向上させる効果があるが、近年その発癌性
が問題視されており、現在は石綿を使用しないで高強度
を得るような成形体の製造方法が望まれている。無石綿
で強度の大きいセメント成形体の製造方法として例えば
特開昭64−64804号公報に記載されているよう
に、水溶性高分子物質と、その中の1種類が形状が球形
であり、かつ多孔性で高い比表面積を有する非晶質シリ
カ微粒子である無機充填材2種類以上と、合成繊維と、
セメントと、水とを揺動混合し、得られた混合物を開閉
可能な型内に入れ押圧賦形して製造する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭64−6480
4公報では、セメント、フライアッシュ、シリカフュー
ム、ビニロン繊維、メチルセルロースを用いて成形体を
作製している。しかしながら、このように充填材として
非晶質の物質のみを用いると、飽水状態での曲げ強度は
高くなるものの、乾燥状態では成形体内に微細な亀裂が
発生し、ヤング率が低くなり、そのため曲げ強度は低く
なってしまうという問題があった。
【0005】そこで、充填材として、二種類以上の結晶
質のシリカ分のみを用いて成形すると、今度は逆に、乾
燥状態での曲げ強度は高くなるものの、飽水状態での曲
げ強度は低下してしまうという問題があった。また、こ
の方法では、ろ布の汚れがひどく、成形後に成形体をろ
布からひきはがす時に成形体の一部がろ布に張り付い
て、成形体が変形し亀裂が入ってしまうというような問
題もあった。
【0006】そこで本発明は、上記のような従来の問題
を解決し、特に建築用部材として優れた強度、品質を持
つ製品を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
は、水硬性無機物質(A)、結晶質無機充填材(B)、
非晶質シリカスラリー(C)、合成繊維(D)及び減水
剤(E)を含む組成物を脱水成形して得られる成形体で
あって、(A)と(B)と(C)の固形分の合計100
重量部に対し、(A)が30〜80重量部、(B)が1
0〜69重量部、(C)の固形分が1〜10重量部、
(D)が0.1〜4重量部、および(E)が0.05〜
2重量部であることを特徴とする脱水プレス成形体、で
ある。
【0008】本発明の第二は、水硬性無機物質(A)、
平均粒径が10μm〜2mmの結晶質無機充填材
(B)、平均粒径が0.01〜1μmの非晶質シリカを
あらかじめ水に分散させたスラリー(C)、合成繊維
(D)及び減水剤(E)を含む組成物を脱水プレス成形
し、養生硬化させることを特徴とする脱水プレス成形体
の製造方法、である。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明において使用される水硬性無機物質(A)として
は、市販の普通ポルトランドセメント、早強ポルトラン
ドセメント、アルミナセメント、高炉セメント等が用い
られる。水硬性無機物質(A)の添加量は、水硬性無機
物質(A)、結晶質無機充填材(B)、および非晶質シ
リカスラリー(C)の固形分の合計100重量部に対し
30〜80重量部、好ましくは35〜70重量部、より
好ましくは40〜60重量部である。
【0010】本発明で用いる平均粒径が10μm〜2m
mの結晶質無機充填材(B)としては、本発明の製造方
法で使用されるあらゆる構成材料の作用を著しく阻害し
ないものならば特に限定されず、たとえば、粉砕珪石、
珪砂、川砂、ベントナイト、マイカ、炭酸カルシウムな
どがあげられ、粉砕珪石が好ましい。また、二種以上の
結晶質無機充填材を添加してもよい。無機充填材として
非晶質のものを用いると乾燥させた時に成形体内に微細
な亀裂が生じ、ヤング率が低下し、曲げ強度も低下す
る。ところで、脱水プレス成形は、プレス初期に混合物
が型枠内に充填される段階と、混合物の充填が完了して
加圧、脱水される段階とに分けられる。結晶質無機充填
材は、加圧時に十分な脱水が行われる働きもある。
【0011】結晶質無機充填材(B)の平均粒径は、1
0μm〜2mm、好ましくは12μm〜500μm、よ
り好ましくは15μm〜100μmのものが用いられ
る。ここでいう平均粒径とはレーザー回折型の粒度分布
測定装置を用いて質量中位径を測定した値のことであ
る。平均粒径が10μm未満の場合、結晶質無機充填材
粒子間に水を保持する傾向が強くなるため、加圧時の脱
水を容易にして混合物の型枠からの漏れを防ぐという結
晶質無機充填材の効果が得られなくなり、成形が困難に
なる。また、平均粒径が2mmを越える場合には、混合
物が型枠内に充填される際に型枠の隅々にまで充分に延
びず、さらに混合物からの水分の分離が生じてしまい、
型枠の転写性が悪くなる。
【0012】結晶質無機充填材(B)の添加量は、水硬
性無機物質(A)、結晶質無機充填材(B)、および非
晶質シリカスラリー(C)の固形分の合計100重量部
に対し10〜69重量部、好ましくは23〜64重量
部、より好ましくは34〜58重量部である。添加量が
10重量部未満の場合、加圧時の脱水を容易にし、混合
物の型枠からの漏れを防ぐという上記結晶質無機充填材
の効果が発現し難くなる。添加量が69重量部を越える
場合には、混合物が型枠内に充填される際に混合物が型
枠の隅々にまで充分に延びず、さらに混合物から水分が
分離する傾向を生じ、型枠の転写性が悪くなる。
【0013】本発明に用いる非晶質シリカスラリー
(C)の一次粒子の平均粒径は0.01〜1μmであ
り、好ましくは0.05〜0.8μm、更に好ましくは
0.1〜0.6μmである。平均粒径が1μmよりも大
きい場合、混合物が型枠内に充填される際に混合物の流
動性が悪くなり、さらに、非晶質シリカが水分を保持す
る効果が得られず混合物からの水分の分離を生じてしま
うため、混合物が充分に延びない。
【0014】また、結晶質のシリカを用いると、非晶質
シリカがセメントの水和の結果により生ずる水酸化カル
シウムを消費するポゾラン反応が起きないため、飽水状
態での曲げ強度が低くなる。また、非晶質シリカを水に
分散してスラリー化したものを用いることにより、ろ布
の汚れが少なくなるため、成形後に成形体をろ布からひ
きはがす時に一部がろ布に張り付いて成形体が変形し亀
裂が入ってしまう、というような問題を起こしにくい。
また、成形体の色むらも少なくなりさらに塗装剥離も起
こりにくい。また、非晶質シリカが単一粒子にまで分散
しやすくなって水硬性無機物質や結晶質無機充填材の隙
間に入り込んで充填度が上がり、強度が向上する。ま
た、スラリー化することにより、配管内で粉体が凝集し
て配管が閉塞するというトラブルも起こりにくい。ま
た、粉塵も発生しづらく、環境衛生的にも優れている。
【0015】非晶質シリカスラリーとしては、例えばシ
リカフュームスラリー、マイクロシリカスラリーなどが
用いられる。非晶質シリカスラリーの固形分濃度は、7
0%以下であればよい。非晶質シリカスラリー(C)の
固形分の添加量は、水硬性無機物質(A)、結晶質無機
充填材(B)および非晶質シリカスラリー(C)の固形
分の合計100重量部に対し1〜10重量部、好ましく
は1.5〜7重量部、より好ましくは2〜6重量部であ
る。
【0016】添加量が1重量部未満の場合には、混合物
が型枠内に充填される際に混合物が充分に延びず、型枠
の隅々にまで行き届きにくい。また、非晶質シリカがセ
メントの水和により生ずる水酸化カルシウムを消費する
ポゾラン反応の速度が遅くなるので、飽水状態での曲げ
強度が低くなる。逆に添加量が10重量部を越えると、
混合物の脱水性が低下し、加圧時に混合物が型枠から漏
れ、成形することができない。
【0017】本発明において、合成繊維(D)を添加す
るのは成形体の靭性を高めることを主目的としており、
この目的に合ったものであれば特に限定されないが、例
えばポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリエ
ステル、アラミド、ポリアミド等が使用でき、特にポリ
プロピレン、ビニロンが好ましい。合成繊維を添加する
ことにより成形体に亀裂が生じてもその進展を抑えるこ
とができるため、靭性が著しく向上する。
【0018】合成繊維(D)は、水硬性無機物質
(A)、無機充填材(B)および非晶質シリカスラリー
(C)の固形分の合計100重量部に対し0.1〜4重
量部、好ましくは0.2〜2重量部、より好ましくは
0.3〜1.5重量部である。添加量が0.1重量部よ
りも小さいと合成繊維が靭性を高める効果が発現しにく
くなる。また添加量が4重量部よりも大きいと繊維の分
散性が低下する傾向にあり、成形体の均一性も低下し、
曲げ強度も低下してくる。
【0019】本発明において、合成繊維の大きさとし
て、直径は1μm〜1mmのものが使用でき、好ましく
は5μm〜0.5mm、特に好ましくは10μm〜0.
2mmである。。また、繊維の長さは1〜50mmのも
のが使用でき、好ましくは2〜30mm、特に好ましく
は3〜20mmである。繊維の直径が1μmより小さい
か、あるいは長さが50mmより大きい場合には、繊維
がうまく分散しないために均一な成形体が得にくい。ま
た直径が1mmより大きい場合、混合物が型枠内に充填
される際に充分に延びにくい。また、長さが1mmより
小さい場合には、靭性を高める効果が発現しにくい。
【0020】本発明で用いる減水剤(E)としては、従
来公知のものを使用でき、リグニンスルホン酸塩、オキ
シカルボン酸塩、ポリアルキルアリルスルホン酸塩、メ
ラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩、芳香族多環縮合物
スルホン酸塩などが使用できる。減水剤(E)は、最適
な水の量を外さなくとも、加圧時にろ布面からの脱水速
度を抑制する働きがあり、結果として成形体の厚い部分
での表面の荒れを少なくする。減水剤を用いない場合、
ろ布面からの脱水速度が大きくなり内部の水分移動が間
に合わず、ろ布面近くのモルタルばかりが脱水されて固
形化してしまい、特に厚い部分ではろ布面と反対側の表
面が荒れてしまう。しかしながら、減水剤を添加するこ
とでろ布面からの脱水速度が抑制されるため、ろ布面近
くのモルタルが脱水されてもすぐに内部から水分が補給
され、ろ布面側、その反対側ともに均一な脱水が行わ
れ、結果として厚い部分の表面もきれいに成形されるよ
うになるのである。
【0021】減水剤(E)の添加量は、水硬性無機物質
(A)、結晶質無機充填材(B)および非晶質シリカス
ラリー(C)の固形分の合計100重量部に対し0.0
5〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部、より好ま
しくは0.2〜0.5重量部である。添加量が0.05
重量部に満たない場合、厚い部分での成形性を改善する
という減水剤の効果が発現しにくくなる。添加量が2重
量部を越えると生産性に悪い影響を及ぼすほど脱水速度
が遅くなってしまい実用的でない。
【0022】本発明において、成形水の添加量は、水硬
性無機物質(A)、結晶質無機充填材(B)及び非晶質
シリカスラリー(C)の固形分の合計100重量部に対
し、10〜50重量部が好ましく、更に20〜40重量
部の割合で混練するのが好ましい。成形水の添加量が1
0重量部未満では組成物の分散性が低下してくる。ま
た、流動性が低下するため混合物が型枠内に充填される
際に混合物が充分に伸びにくい。50重量部を越えると
混合物が型枠内に充填される際に混合物から水分が分離
しやすくなり、型枠の転写性が低下する。また、脱水し
た水には細かな粉体が分散しているので廃水処理が必要
であるが、50重量部を越えると廃水処理の負荷が非常
に多くなる。
【0023】本発明において、型枠の漏れという問題を
与えない程度のごく少量ならば、水溶性高分子を添加す
ることができる。水溶性高分子としては、例えば、メチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
ソーダ、ポリアクリルアミド等がある。ただし、添加す
る量が多量であると、混合物の脱水性が悪くなり、加圧
時に型枠から漏れ、成形することが困難になる。
【0024】このように配合した組成物を混合する混合
機としては、例えばモルタルミキサー、オムニミキサ
ー、アイリッヒミキサー等を用いることができる。本発
明においては、上記の方法により得られた混合物を脱水
プレス成形により賦形する。上記脱水プレスとは、開閉
可能な金型に混合物を入れ押圧と脱水を同時に行うもの
であり、脱水方法としては、プレス時に自然に水が絞り
出されていく方法をとってもよいし、真空で水を引きな
がらプレスする方法でもよい。この際、金型に所定の形
状を施すことによって複雑な形状の成形体を得ることが
できる。
【0025】本発明の組成物は、従来のものに比べて流
動性に優れ、混合物が型枠内に充填される際の混合物か
らの水分の分離が防がれるため、プレス前に前もって混
合物を型枠の端近くまで充填させておく必要はなく、混
合物を型枠中央付近に塊状に置くだけで、型枠の隅々に
まで行き届かせることができる。また、押圧速度が1〜
10cm/秒というような大きな速度であっても型枠か
らの漏れを生ずることなく成形することができる。
【0026】上記の方法により得られた成形体の養生は
任意の方法でよく、自然養生、蒸気養生、水中養生のい
ずれも可能である。またオートクレーブ養生も、合成繊
維が耐えうる温度まで可能である。オートクレーブ養生
の条件としては、使用する合成繊維の種類にもよるが、
温度が100℃〜180℃、時間は1〜10時間が好ま
しい。
【0027】本発明において、平均粒径が10μm〜2
mmの結晶質無機充填材を含有することにより、乾燥状
態での曲げ強度が向上する。また、結晶質無機充填材が
混合物の脱水性を改善する効果が生じるため、加圧時に
脱水を容易にし、混合物の型枠からの漏れを生じること
なく成形することが可能になる。
【0028】また、平均粒径が0.01〜1μmの非晶
質シリカを含有することにより、非晶質シリカが水分を
保持し混合物からの水分の分離を防ぐため、混合物が型
枠内に充填される際に充分に延び、型枠の隅々にまで行
き届き、容易に成形体を得ることができる。さらに、セ
メントの水和の結果により生ずる水酸化カルシウムが非
晶質シリカと反応して消費されるポゾラン反応が起きる
ため、飽水状態での曲げ強度を高めることができる。
【0029】更に、非晶質シリカを水に分散してスラリ
ー化したものを用いることにより、ろ布の汚れが少なく
なるため、成形後に成形体をろ布からひきはがす時に一
部がろ布に張り付いて成形体が変形し亀裂が入ってしま
う、というような問題が起こりにくい。また成形体の色
むらも少なくなり、さらに塗装剥離も起こりにくい。ま
た、非晶質シリカが単一粒子にまで分散しやすくなって
水硬性無機物質や結晶質無機充填材の隙間に入り込んで
充填度が上がり、強度が向上する。また、スラリー化す
ることにより、配管内で粉体が凝集して配管が閉塞する
というトラブルも起こりにくい。また、粉塵も発生しづ
らく、環境衛生的にも優れている。
【0030】さらに、合成繊維を添加することにより、
製品に靭性を持たせることができる。また、減水剤を添
加することにより、最適な水の量を外すことなくろ布面
からの脱水速度を抑制することができるため、厚い部分
での表面の荒れを少なくすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
【0032】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明を更
に具体的に説明する。なお、実施例及び比較例で用いた
原料は下記の通りである。 (A)セメント: 普通ポルトランドセメント (B)粉砕珪石1: 珪石粉砕品、平均径15μm (比較例)粉砕珪石2: 珪石粉砕品、平均径20μm (比較例)フライアッシュ: 平均径15μm (C)シリカフュームスラリー: 濃度65%、平均径
0.2μm (比較例)シリカフューム粉体: 平均径0.2μm (比較例)微粉砕珪石: 珪石微粉砕品、平均径3μm (D)合成繊維: ビニロン繊維、直径14μm、長さ
4mm (E)減水剤: βナフタリンスルホン酸ホルマリン高
縮合物
【0033】
【実施例1、2および比較例1〜5】表1に示す量のセ
メント、結晶質無機充填材、シリカフュームをオムニミ
キサーで1分間混合した。その後、水を加えて2分間混
合し、ビニロン繊維を加えて2分間混合し、混合物を作
製した。次に、この混合物を440×330mmの型枠
の中央部に直径20cm程度の塊状に置き、これを脱水
プレス成形機にて、押圧速度5cm/秒、圧力70kg
/cm2 で片面より減圧して水を抜く真空脱水プレスを
10秒間行い、最薄部厚さ8mmの成形体を得た。
【0034】この際、ろ布からのはがれについては、は
がれる様子を目視観察した。得られた成形体を60℃、
95%RHの条件で12時間養生した。得られた製品よ
り試験片を幅25mm、長さ110mmの大きさに切り
出した。清水中に24時間浸したものを飽水状態とし、
スパン90mmの三点曲げ試験にて測定を行った。載荷
方向は製品の表から裏に向ける方向とし、クロスヘッド
スピードは1mm/minとした。
【0035】表面の荒れについては、一般部の3倍の厚
さを持つ部分の表側表面の様子を目視で判断した。色む
らについては、目視での観察を行った。本発明の脱水成
形体は、表1の実施例1および2に示されるように、高
い曲げ強度を有し、ろ布からのはがれ、表面の荒れ、色
むらの全てにおいて良好であった。
【0036】それに対し、本発明外の成形体は、表1の
比較例に示されるように、本発明品に比べて成形性およ
び各種性能の面で劣っていた。まず比較例1では、結晶
質無機充填材の添加量が請求の範囲よりも多いが、型枠
の転写性が悪化し、表面の荒れが生じた。また、シリカ
フュームをスラリーとせず粉体のまま用いているため、
ろ布からのはがれ、色むらが不良となった。
【0037】比較例2では、非晶質シリカを添加してい
ないが、曲げ強度が低かった。また、減水剤を添加して
おらず、表面の荒れが生じた。比較例3では、非晶質シ
リカの添加量が請求の範囲よりも多いが、混合物の脱水
性が低下して型枠からの漏れを生じ成形することができ
なかった。比較例4では、減水剤の添加量が請求の範囲
よりも多いが、脱水速度が非常に遅くなり、事実上脱水
できずに成形することができなかった。
【0038】比較例5では、非晶質シリカの代わりに結
晶質シリカである微粉砕珪石を使用したが、曲げ強度が
低かった。また、減水剤を使用しておらず、表面の荒れ
が生じた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の製造法を用いることにより、混
合物が型枠内に充填される際に水分の分離を生ずること
なく、型枠の隅々まで流れるくらいの良好な流動性を示
し、また加圧時に型枠からの漏れを生じることなく容易
に脱水プレス成形することができる。また、耐久性に悪
影響を及ぼすような亀裂も生じにくい。
【0041】本発明により得られた製品は、乾燥状態、
飽水状態において、ともに高い曲げ強度を有し、靭性も
高い。また、厚く成形するのが難しい部分でもきれいに
成形でき、色むらも少ないため外観上も優れている。こ
のため、建築用部材として優れた性質を示す製品が製造
可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:06 16:06 111:20 24:22)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水硬性無機物質(A)、結晶質無機充填
    材(B)、非晶質シリカスラリー(C)、合成繊維
    (D)及び減水剤(E)を含む組成物を脱水成形して得
    られる成形体であって、(A)と(B)と(C)の固形
    分の合計100重量部に対し、(A)が30〜80重量
    部、(B)が10〜69重量部、(C)の固形分が1〜
    10重量部、(D)が0.1〜4重量部、および(E)
    が0.05〜2重量部であることを特徴とする脱水プレ
    ス成形体。
  2. 【請求項2】 水硬性無機物質(A)、平均粒径が10
    μm〜2mmの結晶質無機充填材(B)、平均粒径が
    0.01〜1μmの非晶質シリカを予め水に分散させた
    スラリー(C)、合成繊維(D)及び減水剤(E)を含
    む組成物を脱水プレス成形し、養生硬化させることを特
    徴とする脱水プレス成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002274913A (ja) * 2001-03-13 2002-09-25 Asahi Kasei Corp 脱水プレス成形体の製造方法
RU2713259C1 (ru) * 2019-06-20 2020-02-04 Мария Павловна Никифорова Способ получения тонкодисперсного аморфного кремнезема
CN114057440A (zh) * 2021-12-06 2022-02-18 *** 一种滤水模压混凝土板的制备方法

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