JP2000210760A - ベルト式連続鋳造装置およびベルト式連続鋳造方法 - Google Patents

ベルト式連続鋳造装置およびベルト式連続鋳造方法

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JP2000210760A JP11016821A JP1682199A JP2000210760A JP 2000210760 A JP2000210760 A JP 2000210760A JP 11016821 A JP11016821 A JP 11016821A JP 1682199 A JP1682199 A JP 1682199A JP 2000210760 A JP2000210760 A JP 2000210760A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の上ベルトと下ベルトを用いたベルト式
連続鋳造装置において、タンデッシュの背を高くするこ
となく、金属溶湯の静圧を大きくして上ベルトと金属溶
揚との接触性を改善することにより、鋳片の上面の冷却
速度を速くして鋳片の上面の酸化膜厚さを薄くすると共
に、鋳片の上面と下面との間の冷却速度の差を小さくし
て鋳片の上下面での品質差を小さくすることが可能なベ
ルト式連続鋳造装置およびベルト式連続鋳造方法を提供
する。 【解決手段】一対の上ベルトと下ベルトにより形成され
た鋳型と、金属溶湯を貯留する容器と、この容器内の金
属溶湯を大気と隔離した状態で前記鋳型に供給する注湯
ノズルとからなるベルト式連続鋳造装置において、前記
容器が密閉型容器からなり、この容器内を加圧するため
にN2 ガス又は不活性ガスを供給するガス供給手段を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の上ベルトと
下ベルトを用いたベルト式連続鋳造装置およびベルト式
連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一対の上ベルトと下ベルトを用いたベル
ト式連続鋳造装置は、Al、Cu等の非鉄金属又は非鉄
金属合金の鋳片の製造に用いられている。このベルト式
連続鋳造装置は冷却水圧によりベルトが常に鋳片に押し
付けられるため、エアーギャップによる冷却の低下が少
ないことが特徴である。
【0003】上述した従来のベルト式連続鋳造装置を図
2により説明する。このベルト式連続鋳造装置21は、
上プーリ2a、2bにより支持された上ベルト3aと、
下プーリ2c、2dにより支持された下ベルト3bとか
ら構成されている。これら上ベルト3a、下ベルト3b
は、それぞれ、2aの上プーリ、2cの下プーリの上を
相反する方向(上プーリ:反時計周りに回転、下プー
リ:時計周りに回転)に回転して、6の領域で、これら
一対の上ベルト3a、下ベルト3bと、この下ベルト3
b上の一対のサイドダム4により鋳型を形成する。そし
て、この一対のサイドダム4は下ベルト3bに同期して
移動する構成となっている。
【0004】樋7から開放型タンディッシュ22に供給
された金属溶湯7aは、注湯ノズル11を介して鋳型領
域の開口部6aに供給される。この注湯ノズル11は前
記開放型タンディッシュ22と鋳型領域の開口部6aと
の間を大気と隔離した状態で、金属溶湯7aを鋳型領域
の開口部6aに供給できる構成となっている。鋳型領域
の開口部6aに供給された金属溶湯は、一対の上下ベル
ト3a、3bが鋳型領域の出口部6bに移動する間に、
6の鋳型領域内で凝固、冷却され鋳片5となる。この鋳
型領域の出口部6bより連続して排出された鋳片5は、
その後、所定の形状に圧延されて金属板が製造される。
この連続鋳造時、スリットノズル18aから供給される
冷却水の水圧により上ベルト3a、下ベルト3bが常に
鋳片5を押し付けており、エアーギャップによる冷却効
果の低下を防止している。
【0005】しかしながら、鋳片の上面の冷却速度(凝
固速度を含む)は、上ベルトと金属溶湯との接触性が十
分でなく(理由は後述する)、鋳片の下面の冷却速度よ
り減少する傾向がある。特に、酸化しやすい金属溶湯
(例えば、アルミニウム合金溶湯)の場合、鋳片の上面
の冷却速度の減少により、鋳片の上面の表面酸化膜が厚
くなる傾向が大きい。鋳片の上面の表面酸化膜が厚くな
ると、圧延後の金属板の上面(鋳片の上面側)に色むら
が生じやすくなり、さらに、塗装性が悪化する問題が生
じる。さらに、鋳片の上面と下面との間で冷却速度が生
じることにより、鋳片の上面と下面との間で品質差が生
じる問題がある。すなわち、鋳片の上下面で、晶出物や
デンドライトの寸法等が異なることとなる。この結果、
圧延された金属板の上下面での金属組織(晶出物の粒径
や結晶粒径等)が異なることとなり、金属板の上下面に
おいて、強度、伸び等の材料特性にばらつきを生じるこ
ととなる。
【0006】上述の鋳片の上面の冷却速度が、鋳片の下
面の冷却速度より減少する原因は、従来のベルト連続鋳
造装置では、下ベルトと金属溶湯との接触性が、上ベル
トの場合に比べて良好となり、下ベルト−金属溶湯間の
熱伝達係数が高くなるからである。すなわち、下ベルト
には金属溶湯の自重による押し付け効果が生じ、下ベル
トと金属溶湯との接触性が向上するからである。一方、
上ベルトには、スリットノズルからの冷却水の水圧と金
属溶湯の静圧による押し付け効果があるが、しかし、こ
れらの押し付け効果では、上ベルトと金属溶湯との接触
性が十分でなく、この結果、鋳片の上面での冷却速度の
減少が生じるものである。
【0007】上ベルトと金属溶湯との接触性を改善する
ために、(イ)スリットノズルからの冷却水の水圧を高
める方法や、(ロ)金属溶湯の静圧を高める方法が有効
となる。しかしながら、(イ)のスリットノズルからの
冷却水の水圧を高める方法は、現状の冷却水の水圧が約
0.2MPa(約1kgfG/cm2 )であり、これ以
上に冷却水の水圧を高めるために、冷却水の加圧装置を
新たに設けると共に、スリットノズルも取替る必要があ
る。さらに、上ベルトへの溶湯の押し付け効果の大きい
位置は、図2に示すように、2aの上プーリと20aの
フィンロールのとの間であり、この間の空間17は狭
く、スリットノズルを設けることは、ベルト式連続鋳造
装置の構造上困難である。
【0008】一方、(ロ)の金属溶湯の静圧を高める方
法は、金属溶湯の静圧を大きくするために、タンデッシ
ュ内の湯面を高くする必要があり、タンデッシュの背が
高くなる。このため、背の高いタンデッシュは、設置ス
ペースに制約が生じ、タンデッシュ製作費が高価になる
問題がある。さらに、タンデッシュ内の溶湯量が多量に
なるので、溶湯もれを発生したときの溶湯流出量が多
く、装置の破損や操業者の火傷等の危険性が著しく高く
なる問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、一対
の上ベルトと下ベルトを用いたベルト式連続鋳造装置に
おいて、タンデッシュの背を高くすることなく、金属溶
湯の静圧を大きくして上ベルトと金属溶湯との接触性を
改善することにより、鋳片の上面の冷却速度を速くして
鋳片の上面の酸化膜厚さを薄くすると共に、鋳片の上面
と下面との間の冷却速度の差を小さくして鋳片の上下面
での品質差を小さくすることが可能なベルト式連続鋳造
装置およびベルト式連続鋳造方法を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のベルト式連続鋳造装置(請求項1に記
載の発明)は、一対の上ベルトと下ベルトにより形成さ
れた鋳型と、金属溶湯を貯留する容器と、この容器内の
金属溶湯を大気と隔離した状態で前記鋳型に供給する注
湯ノズルとからなるベルト式連続鋳造装置において、前
記容器が密閉型容器からなり、この容器内を加圧するた
めにN2 ガス又は不活性ガスを供給するガス供給手段を
有することを特徴とするものである。密閉型の金属溶湯
を貯留する容器(以下、「密閉型タンディシュ」とい
う。)内をN2 ガス又は不活性ガスを供給するガス供給
手段により加圧することによって、ベルト式連続鋳造装
置の鋳型内の金属溶湯の静圧を高くすることができ、金
属溶湯の上および下ベルトへの押し付け力を高めて、上
および下ベルトと、金属溶湯との押し付けによる接触性
を改善して、上下ベルト−金属溶湯間の熱伝達係数を高
くすることができる。このとき、熱伝達係数を高くする
効果は、上ベルトと金属溶湯との間で大きくなる。なぜ
なら、N2 ガス又は不活性ガスにより加圧された金属溶
湯の静圧によって、上ベルトと金属溶湯との接触性が著
しく改善されるためである。一方、下ベルトと金属溶湯
との間は、すでに、金属溶湯の自重による押し付け効果
があり、下ベルトと金属溶湯との接触性の改善は少ない
ものとなる。
【0011】この結果、鋳片の上面の冷却速度を速くす
ることができ、例えば、酸化しやすい金属(アルミニウ
ム合金等)において、鋳片の上面の酸化膜の厚さを薄く
なり、色むらが生じにくく、塗装性に優れた圧延金属板
を製造することができる。さらに、鋳片の上面の冷却速
度を速くなることにより、鋳片の上下面での冷却速度の
差を小さくすることができ、鋳片の上下面で品質差を小
さくすることができる。すなわち、鋳片の上下面で、晶
出物やデンドライト等の寸法差を小さくでき、この結
果、圧延された金属板の上下面での金属組織(晶出物の
粒径や結晶粒径等)をほぼ同じにでき、金属板の上下面
において、強度、伸び等の材料特性を小さくすることが
できる。
【0012】さらにまた、密閉型タンデッシュ内の雰囲
気をN2 ガス又は不活性ガス雲囲気にすることにより、
密閉型タンデッシュ内での金属溶湯の酸化を防止でき、
さらに、鋳片の表面の酸化膜の厚さを薄くすることがで
きる。
【0013】そして、本発明のベルト式連続鋳造装置の
ガス供給手段が密閉型タンディシュ内の金属溶湯中に設
けられると共に、このガス供給手段が金属溶湯内にN2
ガス又は不活性ガスの微細気泡を吹き込む構造(例え
ば、微細気泡吹込管)からなることが好ましい(請求項
2に記載の発明)。この微細気泡と共に金属溶湯中に溶
解しているガス量を浮上させることにより、金属溶湯中
のガス量を低減でき、鋳片の内部欠陥の減少することが
できる。微細気泡吹込管として、ポーラスセラミックス
管、ポーラス黒鉛管等を用いることができる。
【0014】また、本発明のベルト式連続鋳造方法(請
求項3に記載の発明)は、一対の上ベルトと下ベルトに
より鋳型を形成し、この鋳型に金属溶湯を供給して、前
記金型内で金属溶湯を凝固、冷却して鋳片を製造するベ
ルト式連続鋳造方法において、N2 ガス又は不活性ガス
により加圧した金属溶湯を前記金型に注湯することを特
徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、図示例ととも
に説明する。図1は、本発明のベルト式連続鋳造装置の
概略図であり、図2は、従来のベルト式連続鋳造装置の
概略図である。本実施例に用いた本発明のベルト式連続
鋳造装置は、前述の従来のベルト式連続鋳造装置(図2
参照)において、金属溶湯の供給機構を改善したもので
ある。本発明のベルト式連続鋳造装置について、従来の
ベルト式連続鋳造装置と異なる点を、図1により説明す
る。
【0016】本発明のベルト式連続鋳造装置1の金属溶
湯の供給機構1aは、樋8と、密閉型タンディシュ10
と、注湯ノズル11とから構成されている。密閉型タン
ディシュ10は、図2の従来の開放型タンディシュ22
の上部に密閉可能な蓋10aを設け、この蓋10aに圧
力調整弁12が設けると共に、密閉型タンディシュ10
内の金属溶湯7a中に微細気泡吹込管13を配設したも
のである。このため、タンデッシュの背を高くすること
なく、前述の金属溶湯の供給機構1aを設置することが
できる。
【0017】そして、前記微細気泡吹込管13にはN2
ガス又は不活性ガスが供給され、この微細気泡吹込管1
3から金属溶湯7a中に、N2 ガス又は不活性ガスの微
細気泡14が吹き込まれ、密閉型タンディシュ10内が
加圧される。このとき、この微細気泡14により金属溶
湯7a中に溶解しているガス量を低減すると共に、介在
物を浮上させる。そして、本発明のベルト式連続鋳造装
置1では、密閉型タンディシュ10内に堰15を設け
て、浮上した介在物を除去した。
【0018】密閉型タンディシュ10内のN2 ガス又は
不活性ガスの圧力調整は圧力調整弁12により行った。
なお、N2 ガス又は不活性ガスの加圧力を高くする場合
に、必要に応じて、樋8に並設したストッパ9により、
樋8から密閉型タンディシュ10に供給する金属溶湯の
供給口9aを遮断して行うことができる。
【0019】(実施例1)本発明の実施例1は、図1の
本発明のベルト式連続鋳造装置1を用いて、アルミニウ
ム合金(JIS 1050合金)溶湯7を樋8より密閉
型タンディシュ10に供給し、図示しないArガス供給
装置より微細気泡吹込管13にArガスを供給し、密閉
型タンディシュ10内の前記溶湯7aにArガスを吹き
込んで、微細気泡14を発生させて、密閉型タンデッシ
ュ10内をArガス雰囲気にして、Arガス圧を0.2
3MPa(1.3kgfG/cm2 )した。この時の圧
力調整は12の圧力調整弁(リリーフ弁)により行っ
た。このとき、前記微細気泡14により、アルミニウム
合金溶湯のガス量を低減と共に、この微細気泡14によ
り浮上した介在物を、耐火物製(材質:アルミナ質)の
堰15により捕集した。
【0020】本実施例では、密閉型タンデッシュ10内
の前記アルミニウム合金溶湯7aを、11の注湯ノズル
により、大気と隔離した状態で鋳型領域の開口部6aに
供給して、幅1200mm×厚さ25mm×長さ10m
の連続鋳造鋳片を製造した。このときの鋳造条件を表1
に示す。さらに、この鋳片を板厚4mmまで熱間圧延
後、冷間圧延で板厚0.3mmまで加工して、アルミニ
ウム合金板を製造した。
【0021】
【表1】
【0022】一方、比較例として、図2の従来のベルト
式連続鋳造装置21を用いて、アルミニウム合金(JI
S 1050合金)溶湯7を用いて、幅1200mm×
厚さ25mm×長さ10mの連続鋳造鋳片を表1の鋳造
条件で製造し、さらに、この鋳片を板厚4mmまで熱間
圧延後、冷間圧延で板厚0.3mmまで加工して、アル
ミニウム合金板を製造した。このとき、比較例の鋳造条
件は、Arガス雰囲気による加圧と堰を設けていないこ
とを除いて、本発明例と同じである。
【0023】上記連続鋳造鋳片について、冷却速度、酸
化膜厚さ、密度を測定すると共に、上記圧延板の上面
(鋳片の上面側)について、色むらについて調査した。
これらの結果を表1に示す。ここで、冷却速度は、鋳片
の上面および下面から2mmの位置について測定した。
冷却速度の測定は、前記位置での採取して試験材につい
て顕微鏡観察を行い、2次デンドライトアーム間隔の測
定結果から算出した。表面の酸化膜厚さは、鋳片の上面
および下面について、それぞれ3点測定し、3点の平均
値を酸化膜厚さとした。酸化膜厚さの測定方法は、オー
ジェ電子分光分析である。密度は、連続鋳造が定常状
態になった部分の鋳片の中央部を採取して、アルキメデ
ス法により密度(g/cm3 )を測定を行った。さらに
気孔率(%)をこの測定密度(g/cm3 )と供試材の
真密度(2.70g/cm3 )から下式により計算し
た。気孔率(%)=((真密度−測定密度)/真密度)
×100)圧延板の色むら調査は、目視により圧延板の
上面を観察し、標準サンプルと比較して1〜5段階に評
点づけ、評点が2点以下を不良とした。さらに、この圧
延板の上面を塗装して塗装膜の均一性を確認した。
【0024】本実施例の結果を表1により説明する。本
発明例の鋳片の上下面の冷却速度は、比較例の鋳片の上
下面の冷却速度より速くなり、特に、鋳片の上面の冷却
速度の改善が著しいことが確認できた。そして、上下面
の冷却速度の差は、比較例の1.5℃/秒から本発明例
の0.5℃/秒と小さくできることが判明した。本発明
例では、鋳片の上面の冷却速度を著しく改善できること
により、鋳片の上面の酸化膜を薄くできた。このとき、
鋳片の上下面の酸化膜の厚さの差を小さくなっているこ
とも確認した。さらに、圧延板の上面(鋳片の上面)の
色むら発生率が、比較例では1.0%であったのが、本
発明例では0.2%と向上できることが判明した。そし
て、本発明例の圧延板の上面は、塗装性が改善されるこ
とを確認した。これに加えて、本発明例では、鋳片の密
度を真密度化できることが判明した。すなわち、Arガ
スによるアルミニウム合金溶湯の加圧と、Arガスの微
細気泡を吹き込むによる前記合金溶湯中に溶解している
ガス量を低減でき、鋳片の内部欠陥(気孔)の発生防止
できることが判明した。
【0025】(実施例2)本発明の実施例2は、前述の
実施例1と異なる点は、アルミニウム合金(JIS 6
031合金)溶湯(鋳造温度:720℃)を用い、Ar
ガス雰囲気の加圧ガス圧を0.21MPa(1.1kg
fG/cm2 )にして、幅1200mm×厚さ25mm
×長さ30mの連続鋳造鋳片を製造したことであり、他
の条件は実施例1と同じである。このときの鋳造条件を
表1に示す。一方、比較例は、図2の従来のベルト式連
続鋳造装置21を用いて、アルミニウム合金(JIS
6031合金)溶湯を用いて、幅1200mm×厚さ2
5mm×長さ30mの連続鋳造鋳片を表1の鋳造条件で
製造した。
【0026】上記連続鋳造鋳片について、冷却速度、酸
化膜厚さ、密度を測定すると共に、鋳片の上下面の晶出
物を測定した。これらの結果を表1に示す。なお、鋳片
の上下面の晶出物の寸法は、鋳片の冷却速度と同様に、
鋳片の表面から2mmの部分の晶出物について、顕微鏡
観察を行い、画像解析により前記晶出物の面積径(円相
当径)をを計算した。
【0027】本実施例の結果を表1により説明する。本
実施例の本発明例も実施例1と同様に、本発明例の鋳片
の上面の冷却速度も改善でき、鋳片の上面の酸化膜を薄
くでき、そして、鋳片の密度を真密度化できることを確
認した。このとき、鋳片の上下面の酸化膜の厚さの差を
小さくなっていることも確認した。さらに、実施例1と
同様に、本発明例の鋳片の上下面の冷却速度の差を0.
5℃/秒と小さくすることができ、本発明例の鋳片の上
下面の晶出物寸法はほぼ同一となり、強度、伸び等の材
料特性のばらつきを減少できることが判明した。
【0028】以上、本発明のベルト式連続鋳造装置およ
びベルト式連続鋳造方法は、金属溶湯の供給機構に、密
閉型タンディシュを用い、この密閉型タンディシュ内の
金属溶湯をN2 ガス又は不活性ガスにより加圧すること
により、連続鋳造鋳片の上面の冷却速度を改善すると共
に、この鋳片の上下面の冷却速度の差を小さくするとい
う特有の効果を奏するものである。前述の実施例より、
本発明を適用しても鋳片の上下面の冷却速度の差が0.
5℃/秒となるが、本実施例に示したように、本発明例
の鋳片の上下面の酸化膜の厚さの差は小さく、そして、
実施例2に示したように、本発明例の鋳片の上下面の晶
出物寸法はほぼ同一となり、この程度の冷却速度の差で
あれば、圧延板の上下面の金属組織はほぼ同一となる。
【0029】鋳片の上下面の冷却速度の差をさらに小さ
くするためには、N2 ガス又は不活性ガスによる金属溶
湯の加圧力を高めることにより可能である。しかし、本
発明のベルト式連続鋳造装置およびベルト式連続鋳造方
法においては、金属溶湯の加圧力を0.20〜0.25
MPa(1.0〜1.5kgfG/cm2 )の範囲にす
ることにより、鋳片の上下面の冷却速度の差を十分に小
さくでき、鋳片の上下面の晶出物寸法はほぼ同一するこ
とができ、圧延板の上下面の金属組織はほぼ同一にする
ことが可能となる。
【0030】本実施例では、金属溶湯としてアルミニウ
ム合金溶湯を用い、この溶湯の加圧にArガスを使用し
たが、本実施例に限定されることなく、他の金属溶湯
(例えば、銅および銅合金、鉄鋼等)を用いることがで
き、金属溶湯の加圧にN2 ガスを使用してもよい。さら
に、金属溶湯の加圧に微細気泡吹込管を金属溶湯中に配
設して用いたが、密閉型タンディシュ内へN2 ガス又は
不活性ガスを供給して、密閉型タンディシュ内を加圧で
きる、N2 ガス又は不活性ガス供給手段であればよい。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のベルト
式連続鋳造装置(請求項1)およびベルト式連続鋳造装
置方法(請求項3)は、タンデッシュの背を高くするこ
となく、金属溶湯の静圧を大きくして上ベルトと金属溶
湯との接触性を改善することにより、鋳片の上面の冷却
速度を速くして鋳片の上面の酸化膜厚さを薄くすること
を可能とするものである。そして、鋳片の上面の冷却速
度を改善することにより、鋳片の上下面との間の冷却速
度の差を小さくして鋳片の上下面での品質差を小さくす
ることを可能とするものである。さらに、本発明のベル
ト式連続鋳造装置のガス供給手段に微細気泡吹込管を用
いることにより(請求項2)、鋳片の内部欠陥(気孔)
を低減することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベルト式連続鋳造装置の概略図であ
る。
【図2】従来のベルト式連続鋳造装置の概略図である。
【符号の説明】
1:本発明のベルト式連続鋳造装置 1a:金属溶湯の供給機構 2a、2b:上プーリ 2c、2d:下プーリ 3a:上ベルト 3b:下ベルト 4:サイドダム 5:鋳片 6:鋳型領域 6a:鋳型領域の開口部 6b:鋳型領域の出口部 7:金属溶湯 8:樋 9:ストッパー 9a:金属溶湯の供給口 10:密閉型タンディシュ 10a:密閉型タンディシュの蓋 11:溶湯ノズル 12:圧力調節弁 13:微細気泡吹込管 14:微細気泡 15:堰 16:ヘッダー 17:空間 18a:スリットノズル 18b:パイプノズル 19:コレクター 20:フィンローラ 20a:フィンローラ(2aの上プーリに近接) 21:従来のベルト式連続鋳造装置 21a:金属溶湯の供給機構(従来例) 22:開放型タンディシュ(従来例)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の上ベルトと下ベルトにより形成さ
    れた鋳型と、金属溶湯を貯留する容器と、この容器内の
    金属溶湯を大気と隔離した状態で前記鋳型に供給する注
    湯ノズルとからなるベルト式連続鋳造装置において、 前記容器が密閉型容器からなり、この容器内を加圧する
    ためにN2 ガス又は不活性ガスを供給するガス供給手段
    を有することを特徴とするベルト式連続鋳造装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス供給手段が前記容器内の金属溶
    湯中に設けられると共に、このガス供給手段が前記金属
    溶湯内にN2 ガス又は不活性ガスの微細気泡を吹き込む
    構造からなる請求項1に記載のベルト式連続鋳造装置。
  3. 【請求項3】 一対の上ベルトと下ベルトにより鋳型を
    形成し、この鋳型に金属溶湯を供給して、前記金型内で
    金属溶湯を凝固、冷却して鋳片を製造するベルト式連続
    鋳造方法において、 N2 ガス又は不活性ガスにより加圧した金属溶湯を前記
    金型に注湯することを特徴とするベルト式連続鋳造方
    法。
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