JP2000209836A - ステッピングモ―タ - Google Patents

ステッピングモ―タ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステッピングモータの回転子の製造を、
回転軸の長さの違いに影響されないようにする。 【解決手段】 回転軸に、円筒状で軸方向に着磁された
マグネット３を嵌挿し、その両面を、環状で表面を電気
的に絶縁した磁性板を積層して形成したロータスタック
４，５で挟持して回転子を形成し、回転子の外周に、ス
テータコイルを巻回したステータコアを配設したステッ
ピングモータにおいて、マグネット３ならびにロータス
タック４，５と回転軸との間に非磁性材のスリーブ１５
を圧入により介装した。製造過程で行う外径研削作業
を、スリーブ１５の両端を保持して行い、その後に回転
軸を挿入することにより、製造が回転軸の長さに関わり
なく、行えるので、容易になると共に、金型の数を減ら
すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タ、とくにハイブリッド型と称されるステッピングモー
タの回転子の改良に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】この種のステッピングモータ１の構造を
図３で説明する。回転軸２には、円筒状で軸方向に着磁
されたマグネット３が孔３ａで嵌挿により取付けられて
おり、その両面は、環状で表面を電気的に絶縁した磁性
板（珪素鋼板）を積層して形成したロータスタック４，
５で挟持して回転子６が形成されている。ロータスタッ
ク４，５も中央に設けられた孔４ａ，５ａで回転軸２に
挿通されている。
【０００３】回転子６の回転軸２は、軸受７，８でケー
シング９，１０に対して回転自在に支持されている。そ
して回転子６の外周側にはステータコイル１１を巻回し
たステータコア１２が配設され、このステータコア１２
はケーシング９，１０で挟持されている。
【０００４】図４はステータコア１２に回転子６が入っ
たところを示す平面図であり、図５はステータコア１２
の斜視図である。ステータコア１２は外形がおおよそ方
形をしており、中央に中心に向けた突極１２ａを設けた
ものである。突極１２ａにはステータコイル１１が巻回
される。このステータコア１２は多数枚の磁性板を積層
して形成されている。積層された磁性板は、その四隅に
設けられた孔１２ｂに図示しないボルトを挿通すること
により、結合している。
【０００５】図４に示すように、ステータコア１２の突
極１２ａには小さな極歯１２ｃが多数設けられており、
回転子６のロータスタック４，５にも、これに対向する
ように多数の極歯３ａが形成されている。これら極歯１
２ｃと極歯３ａとの間は、３０μｍ以下の微小間隔であ
る。この微小間隔で回転子６が回転するので、通常は、
回転子６の組立後に外径を研削加工する必要があった。
すなわち、従来の回転子６の製作工程では、電気的に絶
縁した磁性板（珪素鋼板）を積層してロータスタック
４，５とし、これとマグネット３の回転子構成部品を回
転軸２に同時に圧入、接着する工程で図６のように回転
子６を組立ていた。
【０００６】回転軸２の両端には、図示しないが軸方向
にセンター孔が設けられており、このセンター孔に、図
７に示すように外径研削機のセンター孔保持装置１３を
挿入して同心度を出し、外径研削用砥石１４を回転子６
の外周に当て、外径研削を行っていた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転子の製作
は、回転軸にロータスタックとマグネットの各構成部品
を同時に圧入し、接着して行っていた。しかしながら、
回転軸の長さがステッピングモータの用途によって異な
るので、ロータスタックおよびマグネットが共通であっ
ても、回転子として製造ロットの集約ができず、多品種
少ロットで生産を行っていた。
【０００８】ロータスタック、マグネットおよび回転軸
をモールドで一体成形する場合、回転軸の長さが異なる
ため、多種類の金型が必要となり、製造面ならびに金型
の管理等で実施が容易でなかった。また、回転軸に磁性
材を使用すると、ロータスタックを回転軸に直接嵌合し
た場合、マグネットからの磁束がマグネットのＮ極、一
方のロータスタックから回転軸、他方のロータスタッ
ク、マグネットのＳ極という系路で漏洩するので、回転
軸としては非磁性材のものを使用せざるを得なかった。
このために、回転精度、耐久性などに多少の懸念があっ
た。
【０００９】本発明は、従来のステッピングモータが有
するこのような問題を解決したステッピングモータを提
供しようとするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として、請求項１に記載された発明に
おいては、回転軸に、円筒状で軸方向に着磁されたマグ
ネットを嵌挿し、その両面を、環状で表面を電気的に絶
縁した磁性板を積層して形成したロータスタックで挟持
して回転子を形成し、該回転子の外周に、ステータコイ
ルを巻回したステータコアを配設したステッピングモー
タにおいて、前記マグネットならびにロータスタックと
回転軸との間に非磁性材のスリーブを圧入により介装し
たことを特徴とする。
【００１１】また、請求項２に記載された発明において
は、請求項１に記載されたものにおいて、前記スリーブ
の長さをマグネットの両側のロータスタックより、軸方
向に突出させたことを特徴とする。
【００１２】さらに、請求項３に記載された発明におい
ては、請求項１に記載されたものにおいて、前記スリー
ブと、その外周に設けられたマグネットならびにロータ
スタックを、合成樹脂で一体に固めたことを特徴とす
る。
【００１３】このような構成とすれば、回転軸を取付け
ない状態の回転子（回転子アッセンブル）の外径研削作
業を行うことが可能になる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
について説明する。本発明のものにあっては、回転子６
を構成するマグネット３と、ロータスタック４，５の中
心に設けられる孔３ｂ、孔４ｂ、孔５ｂは、前述したも
のの孔３ａ、孔４ａ、孔５ａより直径寸法が大きくなっ
ており、ここに、ロータスタック４，５より、軸方向に
突出する長さの非磁性材のスリーブ１５が圧入により介
装してある。
【００１５】回転子６の回転軸２を除く部分は、このよ
うにスリーブ１５を圧入した後、これを合成樹脂で一体
に固めて形成されている。スリーブ１５を圧入するた
め、スリーブ１５の外径寸法は上記孔３ａ、孔４ａ、孔
５ａと略同径になっており、孔１５ａの寸法は回転軸２
の外径寸法と略同径になっている。そして孔１５ａは、
外径と高精度に同心度を保っている。
【００１６】図２に示すように、上記構成のものの孔１
５ａに外径研削機のセンター孔保持装置１３を挿入して
高精度に同心度を持つようにセットし、外径研削用砥石
１４を回転子６の外周に当て、外径を所定の寸法になる
ように研削加工をする。加工が完了したら、用途に応じ
た長さの回転軸２をスリーブ１５の孔１５ａに圧入、接
着して回転子６を製作する。このように、この構造によ
れば、回転軸２の長さには関係なく、外径の研削加工を
行うことができる。
【００１７】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
たステッピングモータであるから、請求項１に記載した
発明によれば、回転軸を取付けない状態の回転子の外径
切削加工ができるので、製造ロットの集約ができ、工程
管理上、大きな効果を得ることができる。そして回転軸
の長さには関係なしに外径切削加工ができるので、回転
子を製作する金型の種類を減らすことができ、管理面と
コスト面が改善される。非磁性材のスリーブが磁束の漏
洩を防止するので、回転軸の材質は、非磁性体に限ら
ず、磁性体の使用も可能になる。
【００１８】また、請求項２に記載された発明によれ
ば、スリーブの長さをマグネットの両側のロータスタッ
クより、軸方向に突出させたことにより、スリーブの長
さを可能な限り長くすることによって、モータの小型化
に伴う回転軸の機械的な強度低下を補うことができる。
【００１９】さらに、請求項３に記載された発明によれ
ば、スリーブと、その外周に設けられたマグネットなら
びにロータスタックを、合成樹脂で一体に固めたことに
より、外径切削加工時にロータスタックとマグネットが
位置ずれを生ずることがないので、加工が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の回転子を示す断面図であ
る。
【図２】図１のものの外径研削時を示す断面図である。
【図３】本発明を適用するステッピングモータの断面図
である。
【図４】図３のもののステータコアを示す平面図であ
る。
【図５】図４のものの斜視図である。
【図６】従来のステッピングモータの回転子を示す断面
図である。
【図７】従来のステッピングモータの回転子の外径研削
時を示す断面図である。
【符号の説明】
１ ステッピングモータ ２ 回転軸 ３ マグネット ４ ロータスタック ５ ロータスタック ６ 回転子 １１ ステータコイル １２ ステータコア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 回転軸に、円筒状で軸方向に着磁された
    マグネットを嵌挿し、その両面を、環状で表面を電気的
    に絶縁した磁性板を積層して形成したロータスタックで
    挟持して回転子を形成し、該回転子の外周に、ステータ
    コイルを巻回したステータコアを配設したステッピング
    モータにおいて、前記マグネットならびにロータスタッ
    クと回転軸との間に非磁性材のスリーブを圧入により介
    装したことを特徴とするステッピングモータ。
  2. 【請求項２】 前記スリーブの長さをマグネットの両側
    のロータスタックより、軸方向に突出させたことを特徴
    とする請求項１に記載のステッピングモータ。
  3. 【請求項３】 前記スリーブと、その外周に設けられた
    マグネットならびにロータスタックを、合成樹脂で一体
    に固めたことを特徴とする請求項１に記載のステッピン
    グモータ。
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