JP2000204693A - 耐震断熱パネルおよびそれを用いた耐震断熱構造 - Google Patents

耐震断熱パネルおよびそれを用いた耐震断熱構造

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JP2000204693A
JP2000204693A JP11009922A JP992299A JP2000204693A JP 2000204693 A JP2000204693 A JP 2000204693A JP 11009922 A JP11009922 A JP 11009922A JP 992299 A JP992299 A JP 992299A JP 2000204693 A JP2000204693 A JP 2000204693A
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insulating material
plate
earthquake
seismic
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Yasunori Matsunari
成 靖 典 松
Yoshio Matsumura
村 良 夫 松
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Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁倍率を向上し、しかも圧縮変形にも抗し得
る強度が得られる耐震強度の極めて向上した耐震断熱パ
ネルおよびそれを用いた耐震断熱構造を提供するる。 【解決手段】 柱、間柱などの縦部材、ならびに土台、
梁、胴縁、桁などの横架材に四側が囲繞された方形の軸
組み空間に、略矩形状の板状断熱材の対向する側面に補
強部材が貼着された耐震断熱パネルを嵌入配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造軸組工法にお
いて、木造軸組み建築物を耐震および断熱構造とするの
に用いられる耐震断熱パネルおよびそれを用いた耐震断
熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の木造軸組工法では、柱と柱との間
を間柱、筋交、横桟などで補強して、これらの軸組み空
間にグラスウールなどの断熱材を充填した後、縦胴縁な
どを取付、外装材、内装材を施工している。
【0003】しかしながら、グラスウールは、元々断熱
性能が低く、さらに吸湿により断熱性能が一層低下する
こと、防湿層の設置が不可欠であり施工に手間がかかる
ことにより、これらの問題がほとんどない発泡合成樹脂
による断熱材を使用するケースが主流となっている。ま
た、これら発泡合成樹脂による断熱材は、施工容易性の
観点から、筋交を排除した軸組に構造用面材と組み合わ
せて取り付けることが多い。
【0004】このため、このような木造建築の断熱壁構
造、断熱屋根構造において、柱、間柱などの縦部材、な
らびに土台、梁、胴縁、桁などの横架材に四側が囲繞さ
れた方形の軸組み空間に、断熱パネル自体を嵌入する
(嵌込む)ことが行われている。
【0005】例えば、登録実用新案公報第300900
2号、特開平10−140691号公報には、筋交を不
要としつつ、耐震強度を向上するために、このような軸
組み空間に嵌入して躯体を構成する断熱構造パネルが開
示されている。
【0006】すなわち、特開平10−140691号公
報には、図13に示したように、発泡ポリスチレン、発
泡ポリウレタン等の発泡合成樹脂からなる板状断熱材2
01の室外側の面に、構造用合板、金属、樹脂、無機質
などの材料からなる構造用面材が貼着されるとともに、
室内側の面に合板や石膏ボードなどからなる内装下地面
材が貼着され、この構造用面材の少なくとも上部および
下部の左右に接続ブラケット204が固定されている構
造用パネル200が開示されている。そして、この構造
用パネル200は、例えば、柱205、206、胴差2
07及び土台208によって囲まれた軸組空間に嵌込
み、接続ブラケットを204を柱205、206、胴差
207及び土台208にネジ止めすることによって構造
用パネル200を固定するようになっている。また、登
録実用新案公報第3009002号でも、図14に示し
たように、板状断熱材301の両主面に、構造用合板、
金属、樹脂、無機質などの材料からなる構造用面材30
2が貼着された断熱パネルを、例えば、柱305、30
6、胴差307及び土台308によって囲まれた軸組空
間に嵌込み、金属プレート304で柱305、306、
胴差307及び土台308に固定して、筋交機能のみな
らず、垂直荷重に対する耐力に耐え得るようにしてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の耐震構造に用いる断熱構造パネルは、発泡合
成樹脂からなる板状断熱材の両面に構造用面材を貼着し
た構成であるので、コストも高くなり、その重量も発泡
樹脂の板状断熱材単独に比較すれば大きく、運搬及び施
工において不便である。
【0008】このため、本発明者等は、このように発泡
合成樹脂からなる板状断熱材の両面に構造用面材を貼着
することなく、発泡合成樹脂からなる板状断熱材のみ
で、耐震強度、すなわち必要な壁倍率が得られるように
するために鋭意研究した結果、以下の知見を得るに至っ
た。
【0009】従って、このような板状断熱材の構造強度
の指標である壁倍率を求めるには、板状断熱材の面内せ
ん断試験を、JIS A 1414に定められているタ
イロッド式の「面内せん断試験A法」に準じて行われ
る。
【0010】このせん断試験では、 1)せん断変形角γが、1/300ラジアン(rad.)の時
の荷重、 2)最大荷重の2/3の荷重、 3)最大せん断ひずみ量の1/2に対応する荷重、 のうちで、最小の荷重をP0として、短期許容せん断耐
力Paを求めて、壁倍率を算出する。すなわち、短期許
容せん断耐力 Pa=P0×3/4であり、 壁倍率=Pa÷L×1/130 ここで、3/4:バラツキ係数 L:試験体の長さ(m) 130:壁倍率算出の基準強度(kgf) から求められるものである。
【0011】従って、発泡合成樹脂からなる板状断熱材
のみで、耐震強度、すなわち必要な壁倍率が得られるよ
うにするには、P0を大きくすることが必須となり、一
般的にはせん断変形角γが、1/300ラジアン(ra
d)の時の荷重を大きくすることが必要となる。
【0012】このためには、嵌入した発泡合成樹脂と軸
組との間に間隙が生じないようにすることが必要とな
る。例えば、柱の間の内のりの高さが、2670mmで
あれば、せん断変形角が1/300ラジアンに相当する
のは、約9mmの柱の間隙(ずれ)に相当する。このた
め、柱の間に板状発泡断熱材を嵌入する場合、柱と板状
発泡断熱材との間には、通常3mmの間隙が存在すれ
ば、その間隙に相当する量だけ無抵抗で変位するため、
壁倍率を求める際には、6mmのずれ(せん断変形角1
/200)の荷重で壁倍率を求めることになり、その分
だけ壁倍率が低くなってしまう。
【0013】従って、このような初期のガタツキの発生
を有効に防止することによって、必要な耐震強度が発現
する。
【0014】また、図15に示したように、地震などの
横揺れの際には、水平力Pを受けて、F方向に圧縮力が
発生するが、これに対する抵抗が小さい場合には、上記
した最大変位が小さくなるために、壁倍率が低くなって
しまう。
【0015】従って、発泡合成樹脂の四隅を補強するこ
とによって、壁倍率が向上するとともに、水平方向の力
Pによって発生する圧縮力Fによる圧縮変形にも抗し得
る強度が得られることになる。
【0016】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、初期のガタツキの発生を有効に防
止するとともに、発泡合成樹脂の四隅を補強することに
よって、壁倍率を向上し、しかもせん断力による圧縮変
形にも抗し得る強度が得られる耐震強度の極めて向上し
た耐震断熱パネルおよびそれを用いた耐震断熱構造を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
および目的を達成するために発明なされたものであっ
て、本発明の耐震断熱パネルは、柱、間柱などの縦部
材、ならびに土台、梁、胴縁、桁などの横架材からなる
軸組み部材に四側が囲繞された方形の軸組み空間に嵌入
配置される耐震断熱パネルであって、略矩形状の板状断
熱材の対向する側面に補強部材が設けられていることを
特徴とする。
【0018】また、本発明の耐震断熱構造は、柱、間柱
などの縦部材、ならびに土台、梁、胴縁、桁などの横架
材に四側が囲繞された方形の軸組み空間に、略矩形状の
板状断熱材の対向する側面に補強部材が貼着された耐震
断熱パネルを嵌入配置したことを特徴とする。
【0019】また、本発明では、前記補強部材が、板状
断熱材の左右の側面に設けられていることを特徴とす
る。
【0020】さらに、本発明では、前記補強部材が、板
状断熱材の上下の側面に設けられていることを特徴とす
る。
【0021】また、本発明では、前記板状断熱材に、前
記補強部材の中間に補強部材と平行に副補強部材が配置
されていることを特徴とする。
【0022】このように、本発明の耐震断熱パネルを軸
組み空間内に嵌入して嵌込み、耐震断熱パネルの板状断
熱材の側面に設けられた補強部材に釘を斜めに打ち、
柱、などの縦部材、または土台、胴差などの横架材に固
定している。
【0023】従って、地震の際の横揺れにより柱に対し
て、水平方向の力が加わった場合にも、その間隙に相当
する量だけ無抵抗で変位することがないため、初期のガ
タツキが発生しにくく、その結果、壁倍率が大きくな
り、耐震強度が向上することになる。
【0024】しかも、補強部材が存在するので、地震の
際の横揺れにより柱に対して、水平方向の力が加わった
場合にも、その上端部および下端部において、水平方向
の力によって発生する圧縮力による圧縮変形にも抗し得
る強度が得られることになる。また、副補強部材も補助
的にこのような効果を補助することになる。
【0025】従って、本発明の耐震断熱パネルは、柱間
での水平力を受ける構造部材としての働きをし、これに
より、筋かいなどを不要にすることができ、しかも、そ
の耐震強度が大幅に向上する。
【0026】また、本発明の耐震断熱パネルは、構造部
材としての働きをする板状断熱材と、板状断熱材の左右
の側面または上下の側面に補強部材を有しているため、
柱など、土台、胴差などの横架材などに取付ける際に釘
打ちをすることが容易である。
【0027】さらに、本発明の耐震断熱パネルを、軸組
み空間に嵌入するだけで断熱壁を構成することができ、
筋かいなどの構造部材の敷設を省くことができ、工期の
短縮が図れるとともに、壁厚さが大きくなることなく、
居住空間が広くとれる。
【0028】また、本発明の耐震断熱パネルは、予め工
場にて耐震断熱パネルを一貫生産しておき、現場にて軸
組み空間の寸法に合わせて、上下または左右の側面側を
切断することにより寸法合わせを行うことができるの
で、コストの低減を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施例)について説明する。
【0030】図1は、本発明の第1の実施例に係る耐震
断熱パネルを適用した戸建住宅の斜視図、図2は、本発
明の第1の実施例に係る耐震断熱パネルを適用した外壁
の横断面図、図3は、本発明の第1の実施例に係る耐震
断熱パネルを土台−胴差間に設置した状態を示す正面
図、図4は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱パネ
ルの横断面図である。
【0031】本発明に係る耐震断熱パネル1は、例え
ば、図1〜図3に示すように、柱、間柱などの縦部材、
ならびに土台、梁、胴縁、桁などの横架材に四側が囲繞
された方形の軸組み空間に、耐震断熱パネル自体を嵌入
して(嵌込む)、耐震断熱パネル1を、壁用耐震断熱パ
ネル、床用耐震断熱パネル、ならびに天井用耐震断熱パ
ネルとして用いて、構造部材の一部として用いられるも
のである。
【0032】すなわち、図2及び図3に示したように、
耐震断熱パネル1は、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレ
タンなどの合成発泡樹脂の断熱材からなる板状断熱材2
を備えている。この場合、その発泡倍率は、任意である
が、例えば、20〜60倍とするのが望ましい。なお、
この板状断熱材2は、合成発泡樹脂に限定されるもので
はなく、グラスウールなどの繊維系の断熱材を樹脂など
で固着させたものであってもよい。また、この板状断熱
材2は、形状が略矩形であり、その大きさは、特に限定
されるものではなく、前記軸組み空間の大きさによって
設定すればよく、例えば、横810×縦2630×厚さ
70mmとすればよい。
【0033】そして、図2及び図3に示したように、こ
の板状断熱材2の左右の側面(長側面)2a、2bには
それぞれ、補強部材3、4が設けられている。この補強
部材3、4の材質は特に限定されるものではなく、木
材、合成樹脂、金属など種々の材料が使用可能である
が、後述するように、釘打ち、ネジなどによって、柱1
0、11などの縦部材に係止することを考慮すれば、木
材、合成樹脂などとするのが望ましい。
【0034】この補強部材3、4の厚さlとしては、特
に限定されるものではないが、耐震断熱パネル1全体の
重量、補強効果を考慮すれば、例えば、20〜150m
mとすればよい。
【0035】また、この補強部材3、4を、板状断熱材
2の長側面2a、2bに設ける方法としては、特に限定
されるものではなく、例えば、接着剤によって貼着した
り、板状断熱材2を成型する際に一体成形により接合し
たり、釘打ち係止などの方法が採用可能である。
【0036】さらに、板状断熱材2の中央部分には、長
側面2a、2bに平行に、すなわち、補強部材3、4に
平行に、副補強部材5が接合されている。なお、この副
補強部材5は、補強部材3、4と同様な材質とすること
ができ、その厚さも補強部材3、4と同様に適宜設定す
ることができる。
【0037】このように構成される耐震断熱パネル1
は、例えば、下記のようにして用いられる。
【0038】すなわち、図1に示した木造建築物では、
基礎8の上に土台9が設けてあり、この土台9の上に、
通し柱10、管柱11が設けてある。これらの柱10、
11に、胴差12、桁13が掛け渡してある。
【0039】本発明の耐震断熱パネル1を、土台9、胴
差12、桁13、および柱10、11などの間に形成さ
れた軸組み空間S内に耐震断熱パネル1を、嵌入して嵌
込む。そして、耐震断熱パネル1の板状断熱材2の長側
面2a、2bに設けられた補強部材3、4に釘などの係
止部材7を斜めに打ち、柱10、11などの縦部材に固
定するようになっている。
【0040】すなわち、図2及び図3に示したように、
耐震断熱パネル1の板状断熱材2の側面(長側面)に設
けられた補強部材3、4を、管柱11に釘などの係止部
材7で固定する。これにより、耐震断熱パネル1の敷設
が完了する。
【0041】さらに、図2に示すように、耐震断熱パネ
ル1の板状断熱材2の屋外側に、副補強部材5に沿っ
て、釘などの係止部材7’によって縦胴縁6を設け、そ
の屋外側に外装材15を敷設する。一方、柱10、11
の屋内側には、必要に応じて気密防湿シート16を介し
て、内装材17を敷設する。
【0042】このように、本発明の耐震断熱パネル1を
軸組み空間S内に嵌入して嵌込み、耐震断熱パネル1の
板状断熱材2の長側面2a、2bに設けられた補強部材
3、4に釘を斜めに打ち、柱10、11などの縦部材に
固定している。従って、図3に示したように、地震の際
の横揺れにより柱10、11に対して、水平方向の力P
が加わった場合にも、間隙があった場合に、それに相当
する量だけ無抵抗で変位することがないため、初期のガ
タツキが発生しにくく、その結果、壁倍率が大きくな
り、耐震強度が向上することになる。
【0043】しかも、補強部材3、4が存在するので、
地震の際の横揺れにより柱10、11に対して、水平方
向の力Pが加わった場合にも、その上端部3a、4aお
よび下端部3b、4bにおいて、水平方向の力Pによっ
て発生する圧縮力Fによる圧縮変形にも抗し得る強度が
得られることになる。なお、副補強部材5も補助的にこ
のような効果を補助することになる。
【0044】従って、本発明の耐震断熱パネル1は、柱
間での水平力を受ける構造部材としての働きをし、これ
により、筋かいなどを不要にすることができ、しかも、
その耐震強度が大幅に向上する。
【0045】また、本発明の耐震断熱パネル1は、構造
部材としての働きをする板状断熱材2と、板状断熱材2
の左右の側面(長側面)に補強部材3、4を有している
ため、柱などに取付ける際に釘打ちをすることが容易で
ある。
【0046】さらに、上記のように、この耐震断熱パネ
ル1を、軸組み空間に嵌入するだけで断熱壁を構成する
ことができ、筋かいなどの構造部材の敷設を省くことが
でき、工期の短縮が図れる。
【0047】また、本発明の耐震断熱パネル1は、予め
工場にて耐震断熱パネルを一貫生産しておき、現場にて
軸組み空間の寸法に合わせて、短辺2c、2d側を切断
することにより寸法合わせを行うことができるので、コ
ストの低減を図ることができる。
【0048】以上、本発明の第1の実施例について説明
したが、本発明は、上記実施例に限定されず、種々変形
可能である。
【0049】例えば、図5に示したように、耐震断熱パ
ネル1の板状断熱材2の側面(長側面)に設けた補強部
材3、4の上端部3a、4aおよび下端部3b、4bに
おいて、金属製の係止部材8を、土台9、胴差12、桁
13、および柱10、11などの軸組み空間Sを形成す
る隅角部分に、釘などの係止部材9によって打ち付けて
固定係止することも可能である。
【0050】このように、係止部材19にて、耐震断熱
パネル1の角部が、土台9、胴差12、桁13、および
柱10、11などの軸組み空間Sを形成する隅角部分に
係止固定されているので、地震の際の横揺れにより柱1
0、11に対して、水平方向の力Pが加わった場合にも
初期のガタツキが発生しにくく、その結果、壁倍率が大
きくなり、耐震強度が向上することになる。
【0051】また、耐震断熱パネル1と土台9、胴差1
2、桁13、および柱10、11などの軸組み空間Sと
の間にどうしても多少3mm程度の隙間が発生するが、
この隙間の存在による断熱性能を低下を防止するため
に、この隙間を現場発泡ウレタン注入で閉塞したり、気
密テープにて閉止することも可能である。
【0052】さらに、上記の実施例では、副補強部材5
を、板状断熱材2の中央部分に形成したが、図6に示し
たように、この副補強部材5を一定間隔離間して複数個
設けることも可能である。さらには、この副補強部材5
を省略することも勿論可能である。
【0053】図7は、本発明の第2の実施例に係る耐震
断熱パネルを適用した戸建住宅の斜視図、図8は、本発
明の第2の実施例に係る耐震断熱パネルを適用した外壁
の縦断面図、図9は、本発明の第2の実施例に係る耐震
断熱パネルを土台−胴差間に設置した状態を示す正面
図、図10は、本発明の第2の実施例に係る耐震断熱パ
ネルの縦断面図である。
【0054】なお、上記の第1の実施例と同じ構成部材
には、100を加えた参照番号を付してその詳細な説明
は省略する。
【0055】この実施例の耐震断熱パネル101も、上
記の第1の実施例と同様に、図7及び図8に示すよう
に、柱、間柱などの縦部材、ならびに土台、梁、胴縁、
桁などの横架材に四側が囲繞された方形の軸組み空間
に、耐震断熱パネル自体を嵌入して(嵌込む)、耐震断
熱パネル101を、壁用耐震断熱パネル、床用耐震断熱
パネル、ならびに天井用耐震断熱パネルとして用いて、
構造部材の一部として用いられるものである。
【0056】すなわち、図8および図9に示したよう
に、耐震断熱パネル101は、第1の実施例と同様に発
泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンなどの断熱材からな
る板状断熱材102を備えている。
【0057】第1の実施例の耐震断熱パネル1と相違す
るところは、第1の実施例の耐震断熱パネル1では、板
状断熱材2の左右の側面(長側面)2a、2bに補強部
材3、4設けていたが、この代わりにこの実施例では、
板状断熱材102の上下の側面(短側面)102c、1
02dにそれぞれ、補強部材103、104が設けられ
ている点が相違する。また、この実施例では、副補強部
材5が設けられていない。
【0058】さらに、図11に示したように、補強部材
103、104は、その屋外側もしくは屋内側の一方側
の厚さの方が、他方側の厚さよりも小さくなるように、
テーパ面103a、104aが形成されているのが好ま
しく、この場合には、後述するように、軸組み空間S内
に嵌入して嵌込む際に容易に嵌込むことができるように
なる。
【0059】このように構成される耐震断熱パネル10
1は、例えば、下記のようにして用いられる。
【0060】すなわち、本発明の耐震断熱パネル101
を、土台9、胴差12、桁13、および柱10、11な
どの間に形成された軸組み空間S内に耐震断熱パネル1
01を嵌入して嵌込む。そして、耐震断熱パネル101
の板状断熱材102の上下の側面(短側面)102c、
102dに設けられた補強部材103、104に釘など
の係止部材107を斜めに打ち、土台9、胴差12など
の横架材に固定するようになっている。
【0061】すなわち、図6および図8に示したよう
に、耐震断熱パネル101の板状断熱材102の側面
(短側面)102c、102dに設けられた補強部材1
03、104を、土台9、胴差12などの横架材に釘な
どの係止部材107で固定する。これにより、耐震断熱
パネル101の敷設が完了する。
【0062】さらに、図7に示すように、耐震断熱パネ
ル101の板状断熱材102の屋外側に補強部材10
3、104に、釘などの係止部材によって縦胴縁106
を設け、その屋外側に外装材115を敷設する。一方、
柱10、11の屋内側には、必要に応じて気密防湿シー
ト16を介して、内装材17を敷設する。
【0063】このように、本発明の耐震断熱パネル10
1を軸組み空間S内に嵌入して嵌込み、耐震断熱パネル
101の板状断熱材102の短側面102c、102d
に設けられた補強部材103、104に釘を斜めに打
ち、土台9、胴差12などの横架材に固定している。
【0064】従って、図8に示したように、地震の際の
横揺れにより柱10、11に対して、水平方向の力Pが
加わった場合にも、間隙があった場合に、それに相当す
る量だけ無抵抗で変位することがないため、初期のガタ
ツキが発生しにくく、その結果、壁倍率が大きくなり、
耐震強度が向上することになる。
【0065】しかも、板状断熱材102の上下の短側面
102c、102dに補強部材103、104が存在す
るので、地震の際の横揺れにより柱10、11に対し
て、水平方向の力Pが加わった場合にも、耐震断熱パネ
ル101の上端部および下端部において、水平方向の力
Pによって発生する圧縮力Fによる圧縮変形にも抗し得
る強度が得られることになる。
【0066】従って、本発明の耐震断熱パネル101
は、柱間での水平力を受ける構造部材としての働きを
し、これにより、筋かいなどを不要にすることができ、
しかも、その耐震強度が大幅に向上する。
【0067】また、本発明の耐震断熱パネル101は、
構造部材としての働きをする板状断熱材102と、板状
断熱材102の側面(短側面)に補強部材103、10
4を有しているため、土台9、胴差12などの横架材な
どに取付ける際に釘打ちをすることが容易である。
【0068】さらに、上記のように、この耐震断熱パネ
ル101を、軸組み空間に嵌入するだけで断熱壁を構成
することができ、筋かいなどの構造部材の敷設を省くこ
とができ、工期の短縮が図れる。
【0069】また、本発明の耐震断熱パネル101は、
予め工場にて耐震断熱パネルを一貫生産しておき、現場
にて軸組み空間の寸法に合わせて、長側面102a、1
02b側を切断することにより寸法合わせを行うことが
できるので、コストの低減を図ることができる。
【0070】なお、上記の実施例では、副補強部材5を
設けていないが、図12に示したように、第1の実施例
と同様に、板状断熱材102の中央部分に補強部材10
3、104と平行に一つまたは複数の副補強部材105
を設けることが可能である。
【0071】以上、本発明に係る耐震断熱パネルを壁パ
ネルとして用いる場合について説明したが、本発明は上
記の実施例に限定されず本発明の技術的思想の範囲内で
さらに種々変形可能である。
【0072】例えば、図示しないが、板状断熱材の四側
側面すべてに、補強部材を設けることも可能であり、さ
らには、本発明の耐震断熱パネルを、屋根パネルなどに
用いることも可能である。
【0073】
【発明の効果】本発明の耐震断熱パネルおよびそれを用
いた耐震断熱構造では、耐震断熱パネルを軸組み空間内
に嵌入して嵌込み、耐震断熱パネルの板状断熱材の側面
に設けられた補強部材に釘を斜めに打ち、柱、などの縦
部材、または土台、胴差などの横架材に固定している。
【0074】従って、地震の際の横揺れにより柱に対し
て、水平方向の力が加わった場合にも、間隙があった場
合に、それに相当する量だけ無抵抗で変位することがな
いため、初期のガタツキが発生しにくく、その結果、壁
倍率が大きくなり、耐震強度が向上することになる。
【0075】しかも、補強部材が存在するので、地震の
際の横揺れにより柱に対して、水平方向の力が加わった
場合にも、その上端部および下端部において、水平方向
の力によって発生する圧縮力による圧縮変形にも抗し得
る強度が得られることになる。また、副補強部材も補助
的にこのような効果を補助することになる。
【0076】従って、本発明の耐震断熱パネルは、柱間
での水平力を受ける構造部材としての働きをし、これに
より、筋かいなどを不要にすることができ、しかも、そ
の耐震強度が大幅に向上する。
【0077】また、本発明の耐震断熱パネルは、構造部
材としての働きをする板状断熱材と、板状断熱材の左右
の側面または上下の側面に補強部材を有しているため、
柱など、土台、胴差などの横架材などに取付ける際に釘
打ちをすることが容易である。
【0078】さらに、本発明の耐震断熱パネルを、軸組
み空間に嵌入するだけで断熱壁を構成することができ、
筋かいなどの構造部材の敷設を省くことができ、工期の
短縮が図れるとともに、壁厚さが大きくなることなく、
居住空間が広くとれる。
【0079】また、本発明の耐震断熱パネルは、予め工
場にて耐震断熱パネルを一貫生産しておき、現場にて軸
組み空間の寸法に合わせて、上下または左右の側面側を
切断することにより寸法合わせを行うことができるの
で、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱
パネルを適用した戸建住宅の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱
パネルを適用した外壁の横断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱
パネルを土台−胴差間に設置した状態を示す正面図であ
る。
【図4】図4は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱
パネルの横断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱
パネルの取付状態の別の実施例を示す正面図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施例に係る耐震断熱
パネルの別の実施例を示す正面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施例に係る耐震断熱
パネルを適用した戸建住宅の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施例に係る耐震断熱
パネルを適用した外壁の縦断面図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施例に係る耐震断熱
パネルを土台−胴差間に設置した状態を示す正面図であ
る。
【図10】図10は、本発明の第2の実施例に係る耐震
断熱パネルの縦断面図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施例に係る耐震
断熱パネルの取付状態を示す縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施例に係る耐震
断熱パネルの別の実施例を示す正面図である。
【図13】図13は、従来の耐震断熱パネルの取付状態
を示す正面図である。
【図14】図14は、従来の耐震断熱パネルの取付状態
を示す正面図である。
【図15】図15は、断熱パネルに水平方向の荷重がか
かった状態を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 耐震断熱パネル 2 板状断熱材 3,4 補強部材 5 副補強部材 10 柱 11 管柱 12 胴差 13 桁 15 外装材 16 気密防湿シート 17 内装材 19 係止部材 101 耐震断熱パネル 102c 短側面 102a 長側面 102 板状断熱材 103a テーパ面 103 補強部材 105 副補強部材 106 縦胴縁 107 係止部材 115 外装材 117 内装材 200 構造用パネル 201 板状断熱材 202 構造用面材 203 内装下地面材 204 接続ブラケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 2/56 632 E04B 2/56 632K E04C 2/20 E04C 2/20 J 2/30 2/30 V Fターム(参考) 2E001 DD01 DG01 EA09 FA03 FA11 FA14 GA12 GA24 GA63 GA74 GA76 HB01 HD03 HD08 KA03 KA07 LA09 LA11 LA12 2E002 EA01 FA01 FA02 FA03 FB12 GA03 HA02 HB03 JB03 KA01 LA01 LB05 MA07 MA12 MA33 2E162 BA02 BA05 BA10 BB08 CA31 CB02 CD02 CD03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱、間柱などの縦部材、ならびに土台、
    梁、胴縁、桁などの横架材からなる軸組み部材に四側が
    囲繞された方形の軸組み空間に嵌入配置される耐震断熱
    パネルであって、 略矩形状の板状断熱材の対向する側面に補強部材が設け
    られていることを特徴とする耐震断熱パネル。
  2. 【請求項2】 前記補強部材が、板状断熱材の左右の側
    面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    耐震断熱パネル。
  3. 【請求項3】 前記補強部材が、板状断熱材の上下の側
    面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    耐震断熱パネル。
  4. 【請求項4】 前記板状断熱材に、前記補強部材の中間
    に補強部材と平行に副補強部材が配置されていることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の耐震断熱
    パネル。
  5. 【請求項5】 柱、間柱などの縦部材、ならびに土台、
    梁、胴縁、桁などの横架材に四側が囲繞された方形の軸
    組み空間に、略矩形状の板状断熱材の対向する側面に補
    強部材が貼着された耐震断熱パネルを嵌入配置したこと
    を特徴とする耐震断熱構造。
  6. 【請求項6】 前記補強部材が、板状断熱材の左右の側
    面に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の
    耐震断熱構造。
  7. 【請求項7】 前記補強部材が、板状断熱材の上下の側
    面に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の
    耐震断熱構造。
  8. 【請求項8】 前記板状断熱材の側面に接合した補強部
    材と軸組み部材との間を係止部材にて係止したことを特
    徴とする請求項5から7のいずれかに記載の耐震断熱構
    造。
  9. 【請求項9】 前記板状断熱材に、前記補強部材の中間
    に補強部材と平行に副補強部材が配置されていることを
    特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の耐震断熱
    構造。
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