JP2000204240A - ウエルド強度に優れたポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ウエルド強度に優れたポリアミド樹脂組成物

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JP2000204240A
JP2000204240A JP11002671A JP267199A JP2000204240A JP 2000204240 A JP2000204240 A JP 2000204240A JP 11002671 A JP11002671 A JP 11002671A JP 267199 A JP267199 A JP 267199A JP 2000204240 A JP2000204240 A JP 2000204240A
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acid
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polyamide
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Masaru Nakamura
賢 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶性ポリアミド樹脂本来の機械的特性、耐熱
性、耐薬品性を損なうことなく、高いウエルド強度を有
し、優れた成形性を兼ね備え、特殊な成形機や成形方法
にたよることなく自動車や二輪車の構造部品や電装部品
さらに電気・電子部品に使用できる成形用ポリアミド樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】芳香族系モノマー成分を1成分含む結晶性
部分芳香族共重合ポリアミド樹脂および/または結晶性
脂肪族ポリアミド樹脂95〜50重量%、キシリレンジ
アミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド樹脂
5〜50重量%からなるポリアミド樹脂100重量部に
対し、無機充填材5〜200重量部を配合したウエルド
部の強度に優れた成形用ポリアミド樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性や成形
性が優れ、かつ、ウエルド部の強度に優れるポリアミド
樹脂組成物に関する。これらの樹脂組成物は、自動車や
電気電子部品の成形用材料として使用される。
【0002】
【従来の技術】充填材強化ポリアミドは、その強度、剛
性が高いために、工業材料として広く用いられている。
しかし、樹脂として結晶性ポリアミドだけを用いる強化
ポリアミドはウエルド部における強度が低いため、成形
品にウエルド部が多数存在する部品やウエルド部に高い
安全率を必要とする部品や製品ではウエルド部分での折
れや割れの問題が発生することがあり、さらに高温、多
湿、高負荷の環境下ではウエルド部分の著しい劣化が起
こる等の問題から使用が制限されることがある。また、
非晶性ポリアミドだけからなる強化ポリアミドを用いた
場合は、ウエルド部における強度は十分であるが、成形
時間が長くかかるため、これも使用が制限されてきた。
【0003】このような問題を解決するための手段とし
て、融点の低い例えばポリアミド6/66のような共重
合体を用いることでウエルド強度が向上することは知ら
れているが、この方法では組成物の絶対強度が低く、さ
らに耐熱性や耐薬品性が低下する。また、ポリアミド等
の熱可塑性樹脂に特定の針状充填材を添加する方法が特
開平5−112672号公報で提案されているが、ウエ
ルド部の強度はある程度改善されるもののウエルド部以
外いわゆる母材強度が十分でないため高い母材強度を必
要とする構造部品に使用できない。特開平7−1499
47号公報には繊維状充填材で補強された熱可塑性樹脂
にシリコーンゴムを添加する方法が提案されているが、
ウエルド強度は改良されるものの剛性と耐熱性の低下を
引き起こす。
【0004】特開昭55−62959号公報、特開平6
−172643号公報ではそれぞれ芳香族ポリアミドを
添加する方法が提案されている。しかし、特開昭55−
62959号公報では、多量の芳香族ポリアミドを必要
とし安価な組成物を得ることができないことに加えて、
表面光沢性を改良することを目的としており、ウエルド
強度が向上する旨の記述はない。また特開平6−172
643号公報では芳香族ポリアミドには結晶性のものと
して芳香族ジカルボン酸を使用しているため、ウエルド
強度の改良レベルは不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の欠点を解消し、ハイサイクルな成形性を有
し、高温、多湿、高負荷等の環境下でも耐塩化カルシウ
ム性を持ち、かつ、高いウェルド強度をも保持する成形
用ポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの問題を解
決するために鋭意検討した結果、結晶性ポリアミドに、
キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるポ
リアミド樹脂を添加することにより目的が達成できるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、 (A−1)芳香族系モノマー成分を1成分含む結晶性部分芳香族共重合ポリアミ ド樹脂 および/または (A−2)結晶性脂肪族ポリアミド樹脂 95〜55重量%、 (B)キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド樹脂 5〜45重量%、 からなるポリアミド樹脂100重量部に対し、 (C)無機充填材 5〜200重量部 であるウエルド部の強度に優れた成形用ポリアミド樹脂
組成物に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用する(A−1)芳香族系モノマー成
分を1成分含む結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂
とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分などの芳香族系モノ
マー成分を1成分含む共重合ポリアミドである。好まし
くは、芳香族系モノマー成分を1成分含み、融点が26
0℃以上320℃未満の結晶性部分芳香族共重合ポリア
ミド樹脂であり、より好ましくは、芳香族系モノマー成
分を1成分含み、融点が290℃以上316℃未満の結
晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂である。(A−
1)芳香族系モノマー成分を1成分含む好ましい結晶性
部分芳香族共重合ポリアミド樹脂の組み合わせとして
は、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸の等モル塩、
脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸の等モル塩および
/または脂肪族ポリアミド形成モノマーからなる結晶性
共重合ポリアミドである。
【0009】ここで脂肪族ジアミンとは炭素数4〜12
の脂肪族ジアミンであり、テトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメ
チレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸と
は炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、アジ
ピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン
酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ド
デカンジカルボン酸等が挙げられる。好ましい組み合わ
せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩
である。
【0010】芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げら
れ、好ましい組み合わせは、ヘキサメチレンジアミンと
テレフタル酸の等モル塩である。
【0011】脂肪族形成モノマーとしては、炭素数6〜
12のアミノカルボン酸および炭素数6〜12のラクタ
ム類であり、6―アミノカプロン酸、7―アミノヘプタ
ン酸、11―アミノウンデカン酸、12―アミノドデカ
ン酸、α―ピロリドン、ε―カプロラクタム、ラウロラ
クタム、ε―エナントラクタム等が挙げられるが、6―
アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12―
アミノドデカン酸、ε―カプロラクタム、ラウロラクタ
ムが好ましい。脂肪族ポリアミド形成モノマーは、1成
分単独だけでなく2成分以上を混合して使用することも
できる。
【0012】これらの使用量は、ヘキサメチレンジアミ
ンとアジピン酸の等モル塩30〜70重量%、ヘキサメ
チレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩70〜30重
量%、脂肪族ポリアミド形成モノマー0〜15重量%で
あり、好ましくは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン
酸の等モル塩35〜55重量%、ヘキサメチレンジアミ
ンとテレフタル酸の等モル塩65〜45重量%、脂肪族
ポリアミド形成モノマー0〜10重量%である。
【0013】本発明で使用する(A−2)結晶性脂肪族
ポリアミド樹脂は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸
とからなるか、またはラクタムもしくはアミノカルボン
酸からなるか、またはこれらの2種以上の共重合体であ
る。
【0014】ここで脂肪族ジアミンとは炭素数4〜12
の脂肪族ジアミンであり、テトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメ
チレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸と
は炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、アジ
ピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン
酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ド
デカンジカルボン酸等が挙げられる。好ましい組み合わ
せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩
である。
【0015】ラクタムとしては、炭素数6〜12のラク
タム類であり、また、アミノカルボン酸としては炭素数
6〜12のアミノカルボン酸である。具体例としては、
6―アミノカプロン酸、7―アミノヘプタン酸、11―
アミノウンデカン酸、12―アミノドデカン酸、α―ピ
ロリドン、ε―カプロラクタム、ラウロラクタム、ε―
エナントラクタム等が挙げられるが、6―アミノカプロ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12―アミノドデカ
ン酸、ε―カプロラクタム、ラウロラクタムが好まし
い。
【0016】本発明で使用する(B)キシリレンジアミ
ンと脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド樹脂は、
メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミンなどの芳
香族系ジアミン成分を少なくとも1成分含み、炭素数が
6〜12の脂肪族ジカルボン酸との等モル塩である。脂
肪族ジカルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ヘプ
タンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカ
ルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボ
ン酸等が挙げられる。このキシリレンジアミンと脂肪族
ジカルボン酸とからなるポリアミド樹脂の好ましい組み
合わせは、メタキシレンジアミンとアジピン酸の等モル
塩である。
【0017】本発明において(A−1)芳香族系モノマ
ー成分を1成分含む結晶性部分芳香族共重合ポリアミド
樹脂および/または(A−2)結晶性脂肪族ポリアミド
樹脂と、(B)キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン
酸とからなるポリアミド樹脂の混合比率は、(A−1)
樹脂および/または(A−2)樹脂が95〜50重量
%、(B)樹脂が5〜50重量%の範囲である。好まし
くは(A−1)樹脂および/または(A−2)樹脂が9
0〜60重量%、(B)樹脂が10〜40重量%であ
り、更に好ましくは(A−1)樹脂および/または(A
−2)樹脂が90〜70重量%、(B)樹脂が10〜3
0重量%である。
【0018】(B)キシリレンジアミンと脂肪族ジカル
ボン酸とからなるポリアミド樹脂成分の使用量が上記数
値の上限より多いと、結晶化が遅れハイサイクルな成形
性を損うので好ましくない。
【0019】また、(B)キシリレンジアミンと脂肪族
ジカルボン酸とからなるポリアミド樹脂成分の使用量が
合計で5重量%より少ないとウエルド強度の向上効果が
薄く、本発明の目的を達成できない。
【0020】本発明で使用される(C)無機充填材は、
ガラス繊維やカーボン繊維、ワラストナイトやチタン酸
カリウムウィスカー等の繊維状無機材料、モンモリロナ
イト、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、クレ
ー、ガラスパウダー、ガラスビーズ等の無機充填材、各
種有機または高分子パウダー等の有機充填材などが挙げ
られるが、好ましくはガラス繊維又はタルクが用いられ
る。より好ましくはガラス繊維である。繊維状無機材料
としては、繊維径が0.01〜20μm、好ましくは
0.03〜15μmであり、繊維カット長は0.5〜1
0mm、好ましくは0.7〜5mmである。
【0021】本発明で使用される(C)無機充填材の使
用量は、得られるポリアミド樹脂100重量部に対し、
5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、よ
り好ましくは10〜100重量部である。5重量部より
少ないとポリアミド樹脂の機械的強度が充分満足されな
い。200重量部より多ければ、機械的強度は充分満足
されるが、成形性や表面状態が悪くなる傾向が生じ、好
ましくない。
【0022】また本発明の組成物にはその目的を損なわ
ない範囲で耐熱剤、耐候剤、結晶核剤、結晶化促進剤、
離型剤、帯電防止剤、難燃剤、三酸化アンチモン等の難
燃助剤、着色顔料等の機能性付与剤を用いることができ
る。
【0023】より具体的には、耐熱剤としては、ヒンダ
ードフェノール類、ホスファイト類、チオエーテル類、
ハロケン化銅などが挙げられ、単独またはこれらを組み
合わせて使用できる。耐候剤としては、ヒンダードアミ
ン類やサリシレート類が挙げられ、単独またはこれらを
組み合わせて使用できる。結晶核剤としては、タルク、
クレーなどの無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結
晶核剤などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせ
て使用できる。結晶化促進剤としては、低分子量ポリア
ミド、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類や高級脂肪
族アルコール類が挙げられ、単独またはこれらを組み合
わせて使用できる。離型剤としては、脂肪酸金属塩類、
脂肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独また
はこれらを組み合わせて使用できる。帯電防止剤として
は、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類
や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独またはこれら
を組み合わせて使用できる。難燃剤としては、水酸化マ
グネシウム等の金属水酸化物、リン、リン酸アンモニウ
ム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、
エチレンジメラミンジシアヌレート、硝酸カリウム、臭
素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート化合物、
臭素化ポリスチレン化合物、テトラブロモベンジルポリ
アクリレート、トリブロモフェノール重縮合物、ポリブ
ロモビフェニルエーテル類や塩素系難燃剤が挙げられ、
単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
【0024】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂組成物を加えること
ができる。併用される熱可塑性樹脂の例としてポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、A
S樹脂、アクリル樹脂等の汎用樹脂材料、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンサルファイド、その他高耐熱樹脂が挙げられる。特に
ポリエチレンやポリプロピレンを併用する場合には無水
マレイン酸やグリシジル基含有モノマー等で変性したも
のを使用することが望ましい。
【0025】本発明の樹脂組成物は、それぞれの樹脂ペ
レットをブレンドして、最終製品を得る段階で溶融混合
して成形しても良いし、一軸あるいは二軸押出機、バン
バリーミキサー等であらかじめ溶融混合した上で成形に
供することもできる。このように、押出成形用あるいは
射出成形用として使用することができる。
【0026】本発明の組成物は、自動車、2輪車などの
エンジン、トランスミッション、デファレンシャル機構
部品や電装部品、電気・電子部品等の成形品に使用でき
る。具体例としては、オイルストレーナー、タイミンク
チェーンカバー、ロッカーカバー、タイミングチェーン
テンショナー、スラストワッシャー、パワーステアリン
グタンク、オイルレベルゲージ、ブレーキフルードサブ
タンク、ブレーキマスターシリンダー、ブレーキピスト
ンロッド、オートマチックトランスミッションステータ
ー、ベアリングリテーナー、ガバナギヤー、センサー等
の機構部品、リレーボックス、コネクター等の電装部
品、端子台、コネクター、リレー等の電気・電子部品が
挙げられる。
【0027】(実施例)以下に実施例および比較例を示
し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。なお、実施例および比較例により
得られたポリアミド樹脂組成物の物性測定は次のように
行った。 (物性評価) (機械的特性評価)次の項目条件にて評価を行った。評
価はすべて乾燥状態で行った。 (1)引張り強さ :厚み3.2mmのAS
TM1号試験片を用い、ASTM D638に従い、引
張り速度毎分10mmで行った。試験片は、ASTM1
号試験片の一方からのみ溶融樹脂を充填し、ウエルド部
が存在しないよう射出成形した。 (2)ウェルド部引張り強さ :厚み3.2mmのAS
TM1号試験片を用い、ASTM D638に従い、引
張り速度毎分10mmで行った。試験片は、ASTM1
号試験片の両端から同一流量で溶融樹脂を充填し、ウエ
ルド部が試験片の中央に発生するように射出成形した。
【0028】(成形性評価) (3)ゲートシール時間 :ASTM1号ダンベル
を使用し、3mm幅×2mm厚のゲートのシール時間を
成形品であるASTM試験片の重量と保圧時間の関係か
ら求める。具体的には、保圧時間を徐々に長くした際、
重量の増加が無くなる時間をゲートシール時間とした。
【0029】(耐環境性評価) (4)耐塩化カルシウム性 :ASTM1号試験片を
用い、前処理として80℃の水中に24時間浸漬した。
次に、90℃95%Rh恒温恒湿漕中に1時間調湿処理し
た後、飽和塩化カルシウム水溶液をウエルド部に塗布
し、100℃オーブン中にて1時間熱処理した。調湿処
理と熱処理を1サイクルとし、5サイクル終了後のウエ
ルド部のクラックの有無をルーペで確認した。
【0030】実施例1 ポリアミド66(宇部興産(株)製2020B)95重
量部とメタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるポ
リアミド樹脂(以下PAMXD6;三菱瓦斯化学社製レ
ニー6001)5重量部とをあらかじめ均一混合したの
ち、バレル温度285℃に設定した35mmφベント付
き2軸押出機で混練した。この混練ポリアミド樹脂10
0重量部に対し、ガラス繊維(日本電気硝子社製;ガラ
ス繊維径11μ、ガラス繊維カット長3mm)を40重
量部となるように押出機の途中から供給し、目的とする
ポリアミド樹脂組成物を作成した後にペレット化した。
次に、得られたペレットを110℃10torrの減圧
下で24時間乾燥した後、シリンダー温度270℃、金
型温度80℃で射出成形し、ASTM1号引張り試験片
とASTM1号型のウエルド評価用試験片を作成し評価
した。得られた結果を表1に示した。
【0031】実施例2〜6 ポリアミド66とPAMXD6の仕込み割合を表1に示
したように変えた以外は実施例1と同様にポリアミド樹
脂組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果
は、表1に併記した。
【0032】実施例7 ポリアミド樹脂として、ポリアミド6(宇部興産(株)
製1015B)を用いた以外は実施例3と同様にポリア
ミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。混練
は、バレル温度270℃にて行い、シリンダー温度23
0℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた結果は
表1に示した。
【0033】実施例8 ポリアミド樹脂として、ポリアミド66/6T(宇部興
産(株)製8023X)を用いた以外は実施例3と同様
にポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価し
た。混練はバレル温度320℃にて行い、シリンダー温
度305℃、金型温度110℃で射出成形した。得られ
た結果は表1に示した。
【0034】実施例9 ポリアミド樹脂として、ポリアミド6/66(宇部興産
(株)製2123B)を用いた以外は実施例3と同様に
ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。
混練はバレル温度285℃にて行い、シリンダー温度2
70℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた結果
は表1に示した。
【0035】実施例10 無機充填材としてタルク(日本タルク製タルクカップ)
を用いた以外は実施例3と同様にポリアミド樹脂組成物
を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表1に
示した。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1 キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるポリ
アミド樹脂を用いず、実施例1に準じてポリアミド樹脂
組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果は
表2に示した。
【0038】比較例2 キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるポリ
アミド樹脂を用いず、実施例7に準じてポリアミド樹脂
組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果は
表2に示した。
【0039】比較例3 キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるポリ
アミド樹脂を用いず、実施例8に準じてポリアミド樹脂
組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果は
表2に示した。
【0040】比較例4 キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるポリ
アミド樹脂を用いず、実施例9に準じてポリアミド樹脂
組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果は
表2に示した。
【0041】比較例5 ポリアミド66とポリアミドMXD6とを表2に示す組
成とした以外は、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成
物を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表2
に併記した。
【0042】
【表2】
【0043】これらの結果から、(B)樹脂の比率が少
なくなるとウエルド強度の改良効果が発現されず、逆に
(B)樹脂の比率が多くなると金型内での固化が遅くな
り、成形性が低下する。
【0044】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は、結晶
性ポリアミド樹脂本来の機械的特性、耐熱性、耐薬品性
を損なうことなく、高いウエルド強度を有し、優れた成
形性を兼ね備えている。このため、特殊な成形機や成形
方法にたよることなく自動車や二輪車の構造部品や電装
部品さらに電気・電子部品の成形用材料として使用でき
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A−1)芳香族系モノマー成分を1成分含む結晶性部分芳香族共重合ポリアミ ド樹脂 および/または (A−2)結晶性脂肪族ポリアミド樹脂 95〜55重量%、 (B)キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド樹脂 5〜45重量%、 からなるポリアミド樹脂100重量部に対し、 (C)無機充填材 5〜200重量部 であるウエルド部の強度に優れた成形用ポリアミド樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】(A−1)が、芳香族系モノマー成分を1
    成分含み融点が260℃以上320℃未満の結晶性部分
    芳香族共重合ポリアミド樹脂からなる請求項1記載のウ
    エルド部の強度に優れた成形用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A−1)が、 ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩 30〜70重量%、 ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩 70〜30重量%、 脂肪族ポリアミド形成モノマー 0〜15重量%、 からなる結晶性部分芳香族共重合ポリアミドである請求
    項1または2記載のウエルド部の強度に優れた成形用ポ
    リアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(A−2)が、結晶性脂肪族ポリアミド樹
    脂として脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸からな
    る、もしくはラクタムからなる請求項1から3のいずれ
    か1項記載のウエルド部の強度に優れた成形用ポリアミ
    ド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】脂肪族ポリアミド形成モノマーとして6−
    アミノカプロン酸、ε−カプロラクタム、11−アミノ
    ウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、ラウロラクタ
    ムの内少なくとも1成分を使用する請求項3記載のウエ
    ルド部の強度に優れた成形用ポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(C)無機充填材がガラス繊維である請求
    項1から5のいずれか1項記載のウエルド部の強度に優
    れた成形用ポリアミド樹脂組成物。
JP11002671A 1999-01-08 1999-01-08 ウエルド強度に優れたポリアミド樹脂組成物 Pending JP2000204240A (ja)

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