JP2000204189A - ミクロ多孔質体及びミクロセル含浸複合体の製造方法 - Google Patents

ミクロ多孔質体及びミクロセル含浸複合体の製造方法

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JP2000204189A
JP2000204189A JP11005720A JP572099A JP2000204189A JP 2000204189 A JP2000204189 A JP 2000204189A JP 11005720 A JP11005720 A JP 11005720A JP 572099 A JP572099 A JP 572099A JP 2000204189 A JP2000204189 A JP 2000204189A
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solvent
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JP11005720A
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English (en)
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Shiyuuzou Iyoshi
就三 伊吉
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミクロ多孔質体およびミクロセル含浸複合体
を容易に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単
位を主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化
合物に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック
(A2)からなるブロック共重合体をエポキシ化したエ
ポキシ変性ブロック共重合体(A)20〜100重量
部、エポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以
上有する架橋剤(B)0〜50重量部、無機充填材
(D)0〜50重量部および低分子材料(E)を混合し
て得られるエポキシ変性ブロック共重合体組成物(F)
を溶剤に溶解または分散した状態で均一に混合せしめ、
エポキシ変性ブロック共重合体(A)単独またはエポキ
シ変性ブロック共重合体(A)と架橋剤(B)との硬化
反応を促進する硬化触媒または硬化促進剤(C)0.1
〜10重量部を加えて溶剤中で架橋反応させた後に、溶
剤および低分子材料(E)を除去する三次元連続網状骨
格構造を有するミクロ多孔質体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミクロの三次元連
続骨格構造を有し、高機能性多孔質体や機能性分離膜等
として幅広い分野に有効に利用しうるミクロ多孔質体の
製造方法及び、インキ、接着剤、芳香剤、薬効成分等の
機能性材料をミクロで均一な三次元連続網状骨格内に内
蔵させて、これらの物質の滲みだしや徐放性を利用する
ミクロセル含浸複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、多孔質材料としては、例え
ば、ポリウレタンフォームやプラスチックフォームおよ
びにスポンジ等が挙げられ、反応によるガスの生成、発
泡剤の加熱分解、窒素ガスや炭酸ガスの注入または機械
的撹拌によって材料を発泡させることによって製造され
ている。しかしながら、このような方法により得られる
セル(気泡)はかなり大きくかつ不均一であるため、例
えばインキ、薬効成分等の機能性材料を従来の多孔質材
料に含浸させて、これらの機能性材料を徐々に滲みだし
や放散させようとする場合には保持性が不十分である。
【0003】一方、ミクロな多孔質構造を有する機能性
分離膜としては、延伸により得られるもの、エッチング
による穿孔等の物理的方法により得られるものがあり、
また、予め可溶性物質を混合した後この可溶性物質を溶
出させて得られるもの、更に不織布などが挙げられる。
しかしながら、このような方法で得られるものは、セル
の大きさが一定でなく、更に機械的強度が十分でないた
め、用途範囲が限定されるという問題があった。
【0004】これに対して、近年、特開平10−158
429号公報等に示されているように、三次元連続網状
骨格構造を有する高分子有機材料と低分子材料との高分
子ブレンド材料が知られており、この高分子ブレンド材
料から低分子材料を有機溶剤などで除去すると、三次元
連続網状骨格が残ることが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報で例に挙げられた三次元連続網状骨格は、シンジオタ
クチックポリスチレンとゴム状エラストマーブロックと
からなる共重合体で形成されたものであるが、骨格構造
の強度が十分でなく、さらに熱可塑性材料で構成されて
いるため、耐薬品性に欠け、ミクロセルに含有させ得る
物質が限定される。
【0006】さらに、高分子材料と低分子材料では、一
般的に粘度の差が大きく、両者を均一に混合するのは非
常に困難である。特に、低密度の多孔質体を得るには、
低分子材料を大量に混合する必要があり、高分子材料に
低温で徐々に低分子材料を添加する等、製造するのに多
くの手間と時間を必要とするという問題が生じる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単
位を主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化
合物に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック
(A2)からなるブロック共重合体をエポキシ化したエ
ポキシ変性ブロック共重合体(A)20〜100重量
%、エポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも2個以
上を有する架橋剤またはエポキシ基を少なくとも1個以
上有するエポキシ化合物からなる架橋剤(B)0〜50
重量%、および無機充填材(D)0〜50重量%からな
る組成物に低分子材料(E)を混合して得られるエポキ
シ変性ブロック共重合体組成物(F)を溶剤に溶解また
は分散した状態で均一に混合せしめ、硬化触媒または硬
化促進剤(C)0.1〜10重量部を加えて溶剤中で架
橋反応させた後、低分子材料(E)及び溶剤を除去する
ことによって、三次元連続網状骨格のミクロ多孔質体が
容易に得られることを見い出した。又、こうして得られ
た三次元連続網状骨格のミクロ多孔質体に機能性材料
(G)を含浸することを特徴とする三次元連続網状骨格
構造を有するミクロセル含浸複合体の製造方法も見出し
た。更に、低分子材料(E)の代わりに低分子の機能材
料(H)を使い、溶剤のみ除去することによって、ミク
ロセル含浸複合体を容易に製造する方法をも見い出し、
本発明をなすに至った。
【0008】従って、本発明は、ビニル芳香族化合物に
基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック(A
1)と共役ジエン化合物に基づくモノマー単位を主体と
する重合体ブロック(A2)からなるブロック共重合体
をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共重合体(A)
20〜100重量部、エポキシ基と反応可能な官能基を
少なくとも1個以上有する架橋剤(B)0〜50重量
部、無機充填材(D)0〜50重量部および低分子材料
(E)を混合して得られるエポキシ変性ブロック共重合
体組成物(F)を溶剤に溶解または分散した状態で均一
に混合せしめ、エポキシ変性ブロック共重合体(A)単
独またはエポキシ変性ブロック共重合体(A)と架橋剤
(B)との硬化反応を促進する硬化触媒または硬化促進
剤(C)0.1〜10重量部を加えて溶剤中で架橋反応
させた後に、溶剤および低分子材料(E)を除去する三
次元連続網状骨格構造を有するミクロ多孔質体の製造方
法。及び、ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位を
主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化合物
に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック(A
2)からなるブロック共重合体をエポキシ化したエポキ
シ変性ブロック共重合体(A)20〜100重量部、エ
ポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以上有す
る架橋剤(B)0〜50重量部、無機充填材(D)0〜
50重量部および低分子の機能性材料(H)を混合して
得られるエポキシ変性ブロック共重合体組成物 (F)
を溶剤に溶解または分散した状態で均一に混合せしめ、
エポキシ変性ブロック共重合体(A)単独またはエポキ
シ変性ブロック共重合体(A)と架橋剤 (B)との硬
化反応を促進する硬化触媒または硬化促進剤(C)0.
1〜10重量部を加えて溶剤中で架橋反応させた後に、
溶剤を除去することを特徴とする三次元連続網状骨格構
造を有するミクロセル含浸複合体の製造方法。及び、ビ
ニル芳香族化合物に基づくモノマー単位を主体とする重
合体ブロック(A1)と共役ジエン化合物に基づくモノ
マー単位を主体とする重合体ブロック(A2)からなる
ブロック共重合体をエポキシ化したエポキシ変性ブロッ
ク共重合体(A)20〜100重量部、エポキシ基と反
応可能な官能基を少なくとも1個以上有する架橋剤
(B)0〜50重量部、無機充填材(D)0〜50重量
部からなる組成物に低分子材料(E)を混合して得られ
るエポキシ変性ブロック共重合体組成物(F)を溶剤に
溶解または分散した状態で均一に混合せしめ、エポキシ
変性ブロック共重合体(A)単独またはエポキシ変性ブ
ロック共重合体(A)と架橋剤(B)との硬化反応を促
進する硬化触媒または硬化促進剤(C)0.1〜10重
量部を加えて溶剤中で架橋反応させた後に、溶剤および
低分子材料(E)を除去して得られる三次元連続網状骨
格構造を有するミクロ多孔質体に機能性材料(G)を含
浸することを特徴とする三次元連続網状骨格構造を有す
るミクロセル含浸複合体の製造方法を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明のエポキシ変性ブロック共重合体
(A)は、ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位を
主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化合物
に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック(A
2)とのブロック共重合体またはその部分水添物の共役
ジエンに由来する炭素−炭素二重結合をエポキシ化して
得られる。ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位を
主体とするブロック共重合体(A1)を構成するビニル
芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレン、
ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフ
ェニルスチレン等が例示でき、これらの中でもスチレ
ン、α−メチルスチレンおよびp−メチルスチレンが好
ましい。本発明では、これらの1種または2種以上を併
用することができる。
【0011】また、共役ジエン化合物に基づくモノマー
単位を主体とする重合体ブロック(A2)を構成する共
役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オ
クタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等が例示で
き、これらの中でもブタジエン、イソプレンが好まし
い。本発明では、これらの1種、または2種以上を併用
することができる。
【0012】ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位
を主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化合
物に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック
(A2)との重量比(ブロック共重合体の重量比)は、
好ましくは10/90〜80/20であり、さらに好ま
しくは15/90〜70/30である。また、エポキシ
変性ブロック共重合体(A)の重量平均分子量は、好ま
しくは5〜60万であり、さらに好ましくは8〜50万
の範囲である。分子量分布[重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、10
以下であることが好ましい。また、ブロック共重合体の
分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの
任意の組み合わせのいずれであってもよく、例えば、A
−B−A、B−A−B−A、(A−B−)4 Si、A−
B−A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物ブ
ロック(A)−共役ジエン化合物ブロック(B)共重合
体が例示できる。なお、ジエン系ブロック共重合体の共
役ジエン化合物の不飽和結合は部分的に水素添加したも
のであってもよい。
【0013】本発明に供するブロック重合体の製造方法
としては、上記の構造を有するものであればどのような
製造方法もとることもできる。例えば、特公昭40−2
3798号、特公昭47−3252号、特公昭48−2
423号、特公昭46−32415号、特公昭49−3
6957号、特公昭43−17979号、特公昭46−
32415号、特公昭56−28925号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中
でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重
合体を合成することができる。さらに特公昭42−87
04号公報、特公昭43−6636号公報、あるいは特
開昭59−133203号公報に記載された方法によ
り、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加し
て、部分的に水素添加したブロック共重合体を合成する
ことができる。
【0014】本発明で使用するエポキシ変性ブロック共
重合体(A)は、上記ブロック重合体をエポキシ化して
製造することができる。エポキシ化は,上記のブロック
共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、
過酸類等のエポキシ化剤と反応させて行うことができ
る。
【0015】過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香
酸を例示することができる。ハイドロパーオキサイド類
の場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化
水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリ
ブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパ
ーオキサイドと併用して触媒効果を得ることができる。
エポキシ化剤の量には厳密な制限はなく、それぞれの場
合における最適量は、使用する個々のエポキシ化剤や所
望されるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合
体等の性質に応じて選択することができる。
【0016】不活性溶媒としては、原料粘度の低下、エ
ポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用するこ
とができ、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテ
ル類、エステル類などを用いることができる。特に好ま
しい溶剤は、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベ
ンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロホルムであ
る。
【0017】エポキシ化反応条件に厳密な制限はなく、
用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反応温
度領域を適宣選択することができる。例えば、過酢酸を
使用する場合は、0〜70℃が好ましい。0℃以下では
反応が遅く、70℃を越えると過酢酸の分解がおこる。
またハイドロパーオキサイドの1例であるターシャルハ
イドロパーオキサイド/モリブデン二酸化物ジアセチル
アセテート系では、同じ理由で20〜150℃が好まし
い。反応化合物の特別な操作は必要なく、例えば混合物
を2〜10時間攪拌すればよい。得られたエポキシ変性
ブロック共重合体の単離は、適当な方法、例えば、不活
性溶媒で沈殿させる方法、重合体を熱水中に攪拌下に投
入し、溶剤を蒸留除去する方法、直接脱溶剤法で行うこ
とができる。
【0018】本発明におけるエポキシ変性ブロック共重
合体(A)のエポキシ当量(エポキシ基1g当りの化合
物のg数)は、0.1規定の臭化水素酸で滴定し、エポ
キシ当量=(1,000×エポキシ変性ブロック共重合
体の重量(g)/(臭化水素酸の滴定量(ml)×臭化
水素酸のファクター)により算出する。
【0019】本発明におけるエポキシ変性ブロック共重
合体のエポキシ当量は200〜5,000、特には25
0〜1,500であることが好ましい。エポキシ当量が
200未満であると分子内のエポキシ基の密度が高くな
り、エポキシ基同士が反応しやすくなり保存安定性に欠
ける。また、エポキシ当量が5,000を越えると架橋
密度が低くなり十分な骨格強度および耐熱性が得られず
好ましくない。
【0020】なお、本発明におけるエポキシ変性ブロッ
ク共重合体(A)の構成割合は20〜100重量部、好
ましくは30〜100重量部、さらに好ましくは40〜
100重量部である。20重量部未満では得られるミク
ロセル構造体の弾性が低下し、構造体が固くなり、後加
工が難しくなったり、場合によっては脆くなることがあ
り、さらに用途範囲が限られる等の問題を生じることが
あるため好ましくない。
【0021】本発明では、エポキシ基と反応可能な官能
基を少なくとも1個以上有する架橋剤(B)として、多
価アルコール類、フェノール類、アミン類、カルボン酸
類、酸無水物、イソシアネート化合物およびエポキシ化
合物の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用す
ることができる。
【0022】ここで、多価アルコール類としては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、1,4−ブテンジオール、ポリブタジエンジオー
ル、イソプレングリコール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,9−ノナンジオール、ポリカプロ
ラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエ
ーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプ
レンジオールの他、ジイソシアネート類のイソシアネー
ト基にジオールを付加したプレポリマーのジオール、ま
た、ソルビトール、グリセリン、ポリカプロラクトント
リオール(ダイセル化学工業社製、商品名プラクセル3
03、)ポリグリセリン(同社製、商品名PGL)、ポ
リ(エーテル−エステル)ポリオール(ダイセル化学工
業社製、商品名プラクセルP3403)挙げられる。
【0023】アミン類としては、例えば、エチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、プロバンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、フェニレ
ンジアミン、ジアミノジフェニールメタン等が挙げられ
る。
【0024】カルボン酸類としては、例えば、シュウ
酸、琥珀酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、ス
べリン酸、アゼライン酸、リノレイン酸、セバシン酸お
よびダイマー酸等の脂肪族ポリカルボン酸、テトラヒド
ロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、4−メチルテトラ
ヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸およ
びシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環状ポリカルボン
酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸等の芳
香族ポリカルボン酸等が挙げられる。さらに、酸無水物
として、上記ポリカルボン酸の無水物、2量体または3
量体が挙げられる。
【0025】エポキシ化合物としては、主鎖または側鎖
にエポキシ基を有する脂族系、脂環族系又は芳香族系化
合物のいずれでもよいが、例えば、芳香族エポキシ化合
物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェ
ノール化合物と、エピクロルヒドリンとからなるグリシ
ジルエーテル類;ビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフ
ェノール化合物のエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド
付加体と、エピクロルヒドリンとからなるグリシジルエ
ーテル類;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポ
キシ樹脂;トリスフェノールメタントリグリシジルエー
テル等の少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノ
ール又はそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシ
ジルエーテル;上記芳香族エポキシ樹脂の水添化物;上
記芳香族エポキシ樹脂の臭素化物等が挙げられる。脂環
族エポキシ化合物としては、例えば、シクロヘキセンオ
キサイド基、トリシクロデセンオキサイド基、シクロペ
ンテンオキサイド基が例示でき、2個のエポキシ基を有
する脂環族系化合物としては、4−(1,2−エポキシ
−1−メチルエチル)−1−メチル−7−オキサビシク
ロ−〔4.1.0〕ヘプタン、3,4−エポキシ−3−
メチル−エポキシシクロヘキシル−1−メチルエポキシ
ド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,
4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイ
セル化学工業社製、商品名セロキサイド2021;ユニ
オンカーバイド社製、商品名ERL4221)及び該カ
ルボキシレートとカプロラクトンの2量体(ダイセル化
学工業社製、商品名セロキサイド2081)、3量体
(同社製、商品名セロキサイド2083)、4量体(同
社製、商品名セロキサイド2085)、5量体、6量体
の付加物、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサ
ンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3
−メチルエポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシ−3−メチル−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン
−メタ−ジオキサン(ユニオンカーバイド社製、商品名
ERL4234)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペート(ユニオンカーバイド
社製、商品名ERL4299)、ビス(2,3−エポキ
シシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ビメレー
ト、ビニルシクロヘキセンジオキサイド(ユニオンカー
バイド社製、商品名ERL4206)等を挙げることが
できる。
【0026】脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば1,
4ブタンジオールのジグリシジルエーテル;1,6−ヘ
キサンジオールのジグリシジルエーテル;グリセリンの
トリグリシジルエーテル;トリメチロールプロパンのト
リグリシジルエーテル;ポリエチレングリコールのジグ
リシジルエーテル;ポリプロピレングリコールのジグリ
シジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールにエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキキシエチル等が挙げられ
る。さらに、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂
肪酸−2−エチルヘキシル、エポキシ化アマニ油、エポ
キシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチ
ル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒ
ドロフタル酸ジオクチル等のエポキシ系可塑剤等が挙げ
られる。
【0027】本発明に用いる硬化触媒または硬化促進剤
(C)は、例えば、酸性触媒、塩基性触媒、加熱分解型
カチオン硬化触媒および紫外線はたは電子線分解型カチ
オン触媒が挙げられ、さらに詳しくは、酸性触媒とし
て、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸類が挙げら
れる。塩基性触媒としては、例えば、ピリジン、イソキ
ノリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、α−
ピコリン、トリ−n−ブチルアミン、トリエチルアミ
ン、N−エチルホルモリン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N−(β−ヒドロキシエチル)アミン、N−エチル
−3,5−ジエチルホルモリン等のアミン類;炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウム等のアルカ
リ金属塩;リチウム、マグネシウム、亜鉛、カドニウム
およびアルミ等の有機金属塩;水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム等の無機金属水酸化物等が
挙げられる。加熱分解型カチオン硬化触媒および紫外線
はたは電子線分解型カチオン触媒として、例えば、アリ
ルジアゾニウム塩(例えば旭電化社製、P−33)、ア
リルヨードニウム塩(例えばサートマー社製、CD−1
012)、アリルスルフォニウム塩(例えば3M社製、
FC−512、FC−509;サートマー社製、CD−
1011;ダイセル化学社製、DAICAT11;GE
社製、UVE1014;ユニオンカーバイド社製、UV
I−6974、UVI−6970、UVI−6990、
UVI−6950;旭電化社製、SP−170、SP−
150)、アレン−イオン錯体(例えばチバガイギー社
製CG−24−61)等が挙げられる。さらに、トリフ
ェニルホスフィン、トリシクロホスフィン、トリブチル
ホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリベンジ
ルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン類
が挙げられる。本発明における、硬化触媒または硬化促
進剤(C)の使用量は0.1〜10重量部が好ましく、
0.5〜5重量部がさらに好ましい。硬化触媒または硬
化促進剤(C)の使用量が、0.1重量部を下回ると硬
化の促進効果が得られず、硬化に多大な時間を要し好ま
しくない。また、10重量部を越えると硬化の促進効果
が飽和に達し、さらに、コスト上昇の要因となるため好
ましくない。
【0028】本発明において、エポキシ変性ブロック共
重合体組成物(F)を溶解または分散するのに用いる溶
剤として、脂肪族化合物、脂環族化合物、芳香族化合
物、エーテル類、エステル類などを挙げることができ
る。好ましい溶剤はヘキサン、シクロヘキサン、トルエ
ン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロホルム
である、これらのうち、溶解性、作業性、コスト、作業
環境への影響の観点からトルエン、酢酸エチル、シクロ
ヘキサン、n−ヘキサンが特に好ましい。溶剤の使用量
は50〜2000重量部、好ましくは100〜1500
重量部、特に好ましくは150〜1000重量部であ
る。溶剤の使用量が50重量部に満たないと、粘度が高
くなりすぎて作業性が悪くなり、また得られる多孔質の
密度が高くなりすぎるため好ましくない。また、200
0重量部を越えると、エポキシ変性ブロック共重合体組
成物(F)の濃度が低くなりすぎて架橋反応を完了する
までに多大な時間を要するため、作業効率の点から好ま
しくない。
【0029】本発明に用いる無機充填材(D)として、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タル
ク、カーボンブラック、ベントナイト、粘度、クレー、
マイカ、セリサイト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス
粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、雲母、石英粉
末、珪素土、珪石灰、金属粉末、アルミナ、シリカ、コ
ロイダルシリカ、ホワイトカーボン、珪酸塩鉱物(珪酸
カルシウム、ゼオライト、軽石粉、スレート粉)、ベン
トン、無水珪酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、二硫化
モリブデン等があげられる。これらは、表面処理を施し
たものであってもよい。
【0030】本発明で、エポキシ変性ブロック共重合体
組成物(F)に含有される低分子材料(E)は、固体で
も液体でもよく、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤、オリゴ
マー及び滑剤から選ばれる。低分子材料(E)の重量平
均分子量は50〜20,000、好ましくは100〜1
0,000、特に好ましくは150〜5,000であ
る。重量平均分子量が50に満たないと揮発性が高く製
造時に添加量を制御することが難しく好ましくない。分
子量が20,000を越えると、例えば、溶剤を使用し
てエポキシ変性ブロック共重合体組成物(F)から低分
子材料(E)を除去するのに長時間かかる場合があり好
ましくない。
【0031】本発明の低分子材料(E)に使用できる軟
化剤には、例えば、鉱物油系、植物油系、合成系などの
各種ゴム用、或いは樹脂用軟化剤が挙げられる。鉱物油
系としては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィ
ン系等のプロセス油などが用いられ、またシリコーンオ
イルも好適に用いられる。植物油としては、ひまし油、
綿実油、あまに油、菜種油、大豆油、パーム油、やし
油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油など
が用いられる。
【0032】本発明の低分子材料(E)に使用できる可
塑剤には、例えば、フタル酸エステル、フタル酸混基エ
ステル、脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエステ
ル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ステアリン酸エ
ステル等の各種エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、
その他プラスチック用可塑剤、又はフタレート系、アジ
ペート系、セバケート系、フォスフェート系、ポリエー
テル系、ポリエステル系などのNBR用可塑剤が挙げら
れる。
【0033】本発明の低分子材料(E)に使用できる粘
着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系
樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、クマロン系樹脂、
スチレン系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。
ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン、重
合ロジン、およびこれらの誘導体、例えば、不均化ロジ
ン、水素添加ロジン、脱水素ロジン、ロジン−グリセリ
ンエステル、ロジン−ペンタエリスリトールエステル等
のロジンエステル、マレイン酸変性ロジン、ロジン金属
塩、フェノール変性ロジンなどがある。テルペン系樹脂
としては、β−ピネン重合体、α−ピネン重合体、変性
ピネン重合体、混合ピネン重合体、ジペンテル、リモネ
ン、ミルセン、ボルニレン、カンフェンなどのテルペン
重合体や、テルペン変性フェノール樹脂などがある。石
油樹脂には、例えば、C5〜C10の石油留分から得ら
れる不飽和結合を有する脂肪族石油樹脂、脂環族石油樹
脂または芳香族石油樹脂、さらにこれらを水素添加した
水素添加石油樹脂やシクロペンタジエンの単独または共
重合体および水素添加シクロペンタジエンなどが挙げら
れる。クマロン系樹脂としては、例えば、クマロン樹
脂、クマロン−インデン樹脂、クマロン−インデン−ス
チレン共重合樹脂などが挙げられる。スチレン系樹脂と
しては、例えば、スチレンを主成分とする低分子量重合
体であって、単独重合体の他、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、ブタジエンゴムなどとの共重
合体などが挙げられる。フェノール系樹脂としては、例
えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾル
シノール、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフ
ェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類との反
応生成物、ロジン変性フェノール樹脂などが挙げられ
る。
【0034】本発明の低分子材料(E)に使用できるオ
リゴマーには、例えば、クラウンエーテル、含フッ素オ
リゴマー、ポリブテン、キシレン樹脂、塩化ゴム、ポリ
エチレンワックス、石油樹脂、ロジンエステルゴム、ポ
リアルキレングリコールジアクリレート、液状ゴム(ポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン
−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプレン等)、シリ
コーン系オリゴマー、ポリ−α−オレフィン等の各種オ
リゴマーが挙げられる。
【0035】本発明の低分子材料(E)に使用できる滑
剤には、例えば、パラフィン、ワックス等の炭化水素系
滑剤、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂
肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等の脂肪酸ア
ミド系滑剤、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多
価アルコールエステル、脂肪アルコール、多価アルコー
ル、ポリグリコール、ポリグリセロール等のアルコール
系滑剤、金属石鹸、混合系滑剤等の各種滑剤が挙げられ
る。
【0036】本発明に使用する低分子材料(E)には、
その他、ラテックス、エマルジョン、液晶、歴青組成
物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機系のシリコン
オイル、フォスファゼン等も使用することができる。更
に、牛油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、炭化水素系、
ハロゲン化炭化水素系、アルコール系、フェノール系、
エーテル系、アセタール系、ケトン系脂肪酸系、エステ
ル系、窒素化合物系、硫黄化合物系等の有機溶剤、ある
いは種々の薬効成分、土壌改良剤、肥料類、石油類、
水、水溶液なども使用することが出来る。
【0037】本発明に好適な低分子材料(E)として、
特にアロマティック系オイル、ナフテン系オイルおよび
パラフィン系オイル等のプロセスオイルまたはシリコー
ンオイル、フタル酸エステル、グリコールエステル、脂
肪酸エステル、ステアリン酸エステル等のエステル系可
塑剤、脂肪族石油樹脂、脂環族石油樹脂、ロジンエステ
ル、テルペンフェノール等の粘着付与剤が用いられる。
【0038】上記ブロック共重合体組成物(F)に含ま
れる低分子材料(E)の割合は、ブロック共重合体10
0重量部の内、低分子材料(E)を25〜90重量部、
より好ましくは30〜85重量部の配合量とすることが
好適である。低分子材料が少なすぎると組成物中に三次
元連続網状骨格が得られないおそれがある。多すぎると
均一な三次元連続網状骨格が得られないおそれがある。
【0039】本発明のブロック共重合体組成物(F)
は、上述したようにブロック共重合体に低分子材料
(E)が保持されているものであるが、この場合、でき
る限り少量の共重合体によって低分子材料(E)を保持
することが望ましい。
【0040】本発明の上記低分子材料(E)を含有する
ブロック共重合体組成物(F)の製造方法は、特に制限
されない。一例を上げると、まず、エポキシ変性ブロッ
ク共重合体(A)、架橋剤(B)、無機充填剤(D)、
および低分子材料(E)を、10〜100rpmの低速
で溶剤中に溶解または分散し、上記ブロック共重合体組
成物(F)の均一混合溶液を得る。低分子材料(E)が
固体である場合は、さらに、固形分を均一に分散させる
ために高剪断型混合機などの高速撹拌機を用いる。撹拌
速度は300rpm以上、好ましくは500rpm以
上、更に好ましくは1,000rpm以上の高速攪拌が
推奨される。混合温度は溶剤の沸点以下の温度が好まし
いが、還流装置を設けた混合装置を使用し、溶剤の沸点
以上の温度で混合することができる。一般的には20〜
150℃、好ましくは25〜120℃の範囲が望まし
い。
【0041】こうして得られたブロック共重合体組成物
(F)を溶剤に溶解または分散した溶液は、硬化触媒ま
たは硬化促進剤(C)を加えて、必要な形状、例えば、
シート、フィルムまたはその他の用途に応じた形状の密
閉した容器に入れ、室温または加熱、紫外線および電子
線を照射により架橋反応させることにより、ゲル化した
ブロック共重合体成型体を得る。紫外線または電子線を
使用する場合は、密閉容器として、たとえば、ガラス等
の光透過性の材料で作られたものを用いる。
【0042】上記ゲル化したブロック共重合体成型体
は、容器を開放状態にし、室温または加熱下で、更に必
要に応じて減圧下で、溶剤を除去し、乾燥した成型体を
得る。
【0043】このようにして得られた成型体は、エポキ
シ変性ブロック共重合体(A)とエポキシ基と反応可能
な官能基を少なくとも1個以上有する架橋剤(B)と無
機充填材(D)からなり、エポキシ変性ブロック共重合
体(A)のエポキシ基と架橋剤(B)の官能基が架橋し
てできた強固な三次元連続網状骨格の中に低分子材料
(E)が保持された構造を有する。この成型体は、除去
された溶剤により既にミクロなセルを有しているが、保
持された低分子材料(E)を除去することにより、さら
に低密度の多孔質体とすることができる。
【0044】低分子材料(E)を除去する方法としては
特に制限はないが、例えば適当な溶媒を用いて低分子材
料(E)を溶解抽出させた後、残留する溶媒を揮発乾燥
等で除去する方法が適当である。
【0045】低分子材料(E)を除去するために使用す
る溶媒としては、上記架橋したブロック共重合成型体が
不溶又は難溶性で、低分子材料(E)の成分が易溶性の
ものであればいずれのものも使用可能であり、例えばキ
シレン、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香
族炭化水素類、ヘキセン、ペンテン等の不飽和脂肪族炭
化水素類、n−ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ミネラ
ルスピリット等の飽和脂肪族炭化水素類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、セロソルブ等のアルコール類、塩化メチレン、クロ
ロホルム等の塩化脂肪族炭化水素類、シクロヘキサノン
等の脂環式炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテ
ート等のエステル類、更に水、アルカリ水溶液、酸水溶
液等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を
混合して1回乃至複数回の抽出操作で用いることができ
る。また、これらの溶媒により低分子材料(E)を溶解
抽出する場合、ブロック共重合体成型体を上記溶媒中に
浸漬して抽出を行うことが好適である。
【0046】本発明では、低分子材料(E)を有効に回
収するために、溶媒による溶解抽出の前段階として、組
成物をロールやプレスなどで圧縮したり、吸引機、真空
機、遠心分離機、超音波装置などで物理的な力を加えて
低分子材料の大部分を取り出し、その後溶媒による溶解
抽出を行うことが推奨される。
【0047】このようにして得られるミクロ多孔質体
は、上記低分子材料(E)が除去されることにより空隙
を生じ、上記エポキシ変性ブロック共重合体(A)、エ
ポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以上有す
る架橋剤(B)および無機充填材(D)により構成され
る三次元連続網状骨格を有する。骨格の平均径は10μ
m以下、好ましくは1〜7μmの範囲、またセルの平均
径は80μm以下、好ましくは2〜50μmの範囲であ
るものが望ましい。更に、空孔率は50〜99%、好ま
しくは60〜98%の範囲であり、非常に空孔率が高い
ものである。
【0048】本発明のミクロセル含浸複合体の製造方法
の1つは、上記のようにして得られたミクロ多孔質体の
空孔に常温で液体又は固体の機能性材料を充容させる方
法である。
【0049】本発明において、ミクロ多孔質体の空孔に
機能性材料(G)を充容する方法を以下に述べる。
【0050】該機能性材料(G)が液状の場合は、ミク
ロ多孔質体を圧縮し、内部の空気を追い出した状態で、
上記液状の機能性材料(G)に浸積し、圧縮を開放する
ことにより、容易に機能性材料(G)を含浸することが
できる。機能性材料(G)の粘度が高く、上記操作でも
含浸が困難な場合は、機能性材料(G)を適宜な溶剤で
希釈し粘度を低下させて上記の操作を行うことができ
る。または、機能性材料(G)を加熱することにより粘
度を低下させて含浸を容易に行う方法をとることができ
る。又、2つの部屋またはチャンバーを金網等の気体透
過可能な材料で補強したミクロ多孔質体により遮り、片
方の部屋またはチャンバー内に液状の機能性材料(G)
を噴霧することにより浮遊させ、もう一方の部屋または
チャンバーより吸引することにより、ミクロ多孔質体の
内部に強制的に機能性材料(G)を充容することができ
る。
【0051】該機能性材料(G)が常温で固体の場合
は、これを加熱溶融又は適宜な溶剤で溶解させた後に、
上記圧縮したミクロ多孔質体を浸積し、圧縮を開放させ
ることにより容易に機能性材料(G)を含浸することが
できる。更に、該固体を微細に粉砕した後、該粉体およ
び/またはミクロ多孔質体に静電気を帯びさせ、機能性
材料(G)の微細粉体をミクロ多孔質体の内部に吸着さ
せて充容することができる。また、機能性材料(G)の
微細粉体をミクロ多孔質体の上にのせ、超音波による振
動を与えることにより、機能性材料(G)の微細粉体を
ミクロ多孔質体の内部に浸透させ充容することができ
る。さらに、2つの部屋またはチャンバーを金網等の気
体透過可能な材料で補強したミクロ多孔質体により遮
り、片方の部屋またはチャンバー内に微細に粉砕された
粉体の機能性材料(G)を空気と共に攪拌することによ
り浮遊させ、もう一方の部屋またはチャンバーより吸引
することにより、ミクロ多孔質体の内部に強制的に機能
性材料(G)を充容することができる。
【0052】本特許におけるミクロセル含浸複合体のも
う一つの製造方法は、低分子材料(E)の代わりに低分
子の機能性材料(H)を使用し、溶剤のみを除去する方
法である。以下、この方法を詳細に述べる。
【0053】まず、ブロック共重合体組成物(F)に含
まれる低分子の機能性材料(H)の割合であるが、ブロ
ック共重合体100重量部の内、低分子材料(E)を2
5〜90重量部、より好ましくは30〜85重量部の配
合量とすることが好適である。低分子材料が少なすぎる
と組成物中に三次元連続網状骨格が得られないおそれが
ある。多すぎると均一な三次元連続網状骨格が得られな
いおそれがある。
【0054】本発明のブロック共重合体組成物(F)
は、上述したように三次元連続網状骨格に機能性材料が
保持されているものであるが、この場合、できる限り少
量の三次元連続網状骨格で低分子の機能性材料(H)が
保持されることが望ましい。
【0055】本発明の低分子の機能性材料(H)を使用
した、ミクロセル含浸複合体の製造方法は、特に制限さ
れない。一例を上げると、まず、エポキシ変性ブロック
共重合体(A)、架橋剤(B)、無機充填剤(D)、お
よび低分子の機能性材料(H)を、10〜100rpm
の低速で溶剤中に溶解または分散し、ブロック共重合体
組成物(F)の均一混合溶液を得る。低分子の機能性材
料(H)が固体である場合は、さらに、固形分を均一に
分散させるために高剪断型混合機などの高速撹拌機を用
いる。撹拌速度は300rpm以上、好ましくは500
rpm以上、更に好ましくは1,000rpm以上の高
速攪拌が推奨される。混合温度は溶剤の沸点以下の温度
が好ましいが、還流装置を設けた混合装置を使用し、溶
剤の沸点以上の温度で混合することができる。一般的に
は20〜150℃、好ましくは25〜120℃の範囲が
望ましい。
【0056】こうして得られたブロック共重合体組成物
(F)を溶剤に溶解または分散した溶液は、硬化触媒ま
たは硬化促進剤(C)を加えて、必要な形状、例えば、
シート、フィルムまたはその他の用途に応じた形状の密
閉した容器に入れ、室温または加熱、紫外線および電子
線を照射により架橋反応させることにより、ゲル化した
ブロック共重合体成型体を得る。紫外線または電子線を
使用する場合は、密閉容器として、たとえば、ガラス等
の光透過性の材料で作られたものを用いる。
【0057】上記ゲル化したブロック共重合体成型体
は、容器を開放状態にし、室温または加熱下で、更に必
要に応じて減圧下で、溶剤を除去し、ミクロセル含浸複
合体を得る。この時の溶剤の除去条件は、ミクロ多孔質
体の内の低分子の機能性材料(H)は除去されずに、溶
剤のみ除去される温度および圧力の条件を選ぶ必要があ
る。
【0058】このようにして得られるミクロセル含浸複
合体は、エポキシ変性ブロック共重合体(A)とエポキ
シ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以上有する架
橋剤(B)と無機充填材(D)により構成される三次元
連続網状骨格に低分子の機能性材料(H)が保持された
構造を有する。さらに、このものは、除去された溶剤に
より既にミクロなセルを有しているが、保持された低分
子の機能性材料(H)が液状の場合は、適度の圧縮を加
えることにより、除去された溶剤により充容されるミク
ロセルの部分にも低分子の機能性材料(H)を均一に保
持させることができる。このように、本発明によれば、
低分子材料(E)の代わりに低分子の機能性材料(H)
を使用した場合は、低分子材料(E)を除去する作業お
よび機能性材料(G)を充容する工程を省くことがで
き、安価にミクロセル含侵複合体を製造することができ
る。
【0059】本発明により得られるミクロセル含侵複合
体は、空孔率が極めて高く、機械的強度および耐熱性に
優れ、さらに、分子間を架橋しているので耐薬品性に優
れるため、充容に使用する機能性材料の種類に制限を受
けることがない。以下本発明における機能性材料の種類
とその用途について説明する。なお、本発明により得ら
れるミクロセル含浸複合体に用いることの出来る機能性
材料と用途は下記に限られるものではない。
【0060】まず、機能性材料が有機、無機の電解液の
場合、これをミクロセル含浸複合体に用いることで半固
体電解質が得られ、ペーパー電池、エレクトロクロミッ
クデバイス等の製品に利用可能である。メッキ液をミク
ロセル含浸複合体に機能性材料として用いた場合、メッ
キ材と被メッキ材との間に挟み込むことにより、ドライ
メッキが可能となる。液晶の場合、ミクロセル含浸複合
体に機能性材料として用いることで調光素子とすること
ができ、液晶ディスプレー、可変透過性ブラインド等の
製品に応用が可能である。また、磁性流体をミクロセル
含浸複合体に機能性材料として用いることで、フレキシ
ブル磁石、クリーンシーリング等、電気粘性流体の場合
には、各種の振動防止デバイス等に応用可能である。更
に、互いに反応する有機材料それぞれを別々のミクロセ
ル含浸複合体に機能性材料として用いることで、これら
を密着させて反応させることにより、これらの有機材料
の反応物が上記ブロック共重合体の三次元連続網状骨格
で補強されたものが得られ、例えば反応性2液型接着剤
のドライ接着、2液反応型塗料などに応用可能である。
その他、機能性材料として着色成分を用いることによ
り、優れた印字部材が得られる。即ち、各種の軟化剤、
可塑剤、粘着付与剤、オリゴマー、滑剤等に着色成分で
あるミクロセル含浸複合体を混合させて用いることがで
きる。
【0061】また、ラテックス、エマルジョン、歴青組
成物、粘土、天然のデンプン、糖、更に無機系のシリコ
ーンオイル、フォスファゼン等もミクロセル含浸複合体
に機能性材料として用いることができる。その他、牛
油、豚油、馬油等の動物油、鳥油、魚油、蜂蜜、果汁、
チョコレート、ヨーグルト等の乳製品、炭化水素系、ハ
ロゲン化炭化水素系、アルコール系、フェノール系、エ
ーテル系、アセタール系、ケトン系、脂肪酸系、エステ
ル系、窒素含有物系、硫黄化合物系などの有機溶剤、あ
るいは種々の薬効成分、土壌改良剤、肥料類、石油類、
水、水溶液などもミクロセル含浸複合体に機能性材料と
して用いることができる。
【0062】また、ミクロセル含浸複合体に機能性材料
として、薬剤成分を用いることにより、優れた薬用被覆
剤(湿布剤)とすることができる。この場合、薬効成分
としては、外皮投与可能な薬物であれば特に制限はな
い。例えば、局所作用を目的とする薬物であれば深部ま
で薬物を浸透させることができ、一方、全身作用が目的
の場合は、速やかに薬物を血中へ移行させることができ
る。薬剤成分の分子量としては、1000以下、好まし
くは700以下、更に好ましくは500以下であるもの
がよい。
【0063】更に、ミクロセル含浸複合体に機能性材料
として、芳香成分を用いることにより、優れた芳香剤を
得ることができる。この場合、芳香成分としては、例え
ばレモン油、ライム油、スペアミント油、ジャスミン
油、オレンジ油、パイン油、はっか油、ユーカリ油、ラ
ベンダー油、ムスク油等の天然香料、或いはこれらの香
料を原料とした合成香料、例えばリモネン、リナモー
ル、オイゲノール、シトラネロール、バニリン、カルボ
ン、ヨノン、ムスコン、ローズオキサイド、インドー
ル、酢酸ゲラニル、安息香酸エチルなどが挙げられる。
これらの一種を単独で又は2種以上を併用して用いるこ
とができる。
【0064】室温で固体の機能性材料としては、高分子
材料をまず挙げることができる。例えば、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマ
ー、フタルシアニン系材料からなる光電変換ポリマー、
キチン、キトサンやアクリル酸系ポリマー、PVA(ポ
リビニルアルコール)などの吸水性ポリマーを機能性材
料とすることができる。また、圧電性を示すチタン酸バ
リウム、ジルコン酸亜鉛、光吸収性のある酸化チタンな
どのセラミックや導電性や磁性を示す金属、及び導電性
や気体吸着、脱臭性のあるカーボンなどの粉体も有効で
ある。更に、機能性材料として一般の熱可塑性、熱硬化
性の高分子材料や有機材料を用いた場合、これらの熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂の耐衝撃性や強度、伸びなどが
改良された複合材を得ることができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0066】(エポキシ変性ブロック共重合体の調整)
攪拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ンのブロック共重合体[スチレン/ブタジエン重量比=
40/60]300g、酢酸エチル1500gを仕込み
溶解した。ついで過酢酸の30wt%酢酸エチル溶液1
65gを連続滴下させ、攪拌下40℃で3時間エポキシ
化反応をおこなった。反応液を常温にもどして反応器よ
り取り出し、多量のメタノ−ルを加えて重合体を析出さ
せ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ変性重合体を得
た。得られたエポキシ変性ブロック共重合体のエポキシ
当量は490であった。
【0067】(実施例1)エポキシ変性ブロック共重合
体の調整により得られたエポキシ変性ブロック共重合体
100g、架橋剤(B)として3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサン
カルボキシレート(ダイセル化学工業社製、商品名セロ
キサイド2021)を30g加え、さらに充填材(D)
として炭酸カルシウムを10g、低分子の機能性材料
(H)としてナフテン系オイル(ダイナプロセスNR−
26、密度0.914g/cm3、アニリン点72.6
℃、動粘度25.6nm2/s(40℃)、出光石油化
学社製)400gをセパラブルフラスコに入れ、さらに
トルエン260gを加えて、回転数約150rpmで約
120分間攪拌した。上記組成物が溶剤に溶解および分
散して均一な溶液になった時、硬化促進剤(C)として
六フッ化アンチモン系芳香族スルホニウム塩(SI−1
00L、三新化学社製)2gを添加し、さらに約10分
間攪拌した。
【0068】こうして得られたエポキシ変性ブロック共
重合体組成物(F)が均一に分散している溶液を、あら
かじめ離型剤を塗布した、密閉可能な蓋を設けた幅65
cm×長さ65cmのバットに流し込み、60℃のオー
ブンに入れて約1時間かけて架橋反応をさせることによ
り、厚み約1mm×幅65cm×長さ65cmのブロッ
ク共重合体成型物のシートを得た。次いで、バットの蓋
をとり除き、60℃のオーブンに入れて約1時間かけて
溶剤を除去した後、さらに、真空に減圧することにより
強制的に溶剤を除去してミクロセル含浸複合体を得た。
【0069】上記の操作により得られたミクロセル含浸
複合体の薄片を切り取り、光学顕微鏡により観察したと
ころ、ミクロセル含浸複合体の骨格の平均径は2〜10
μm、セルの平均径は20〜60μmであった。また、
このミクロセル含浸複合体は強度的に優れ、弾性を有
し、例えば、ダンピング材として好適に使用できる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、容易に三次元の架橋し
た連続網状骨格構造体であるミクロ多孔質体およびミク
ロセル含浸複合体を製造することが出来る。このミクロ
多孔質体およびミクロセル含浸複合体は、非常にミクロ
で均一な気孔を有し、ゴム弾性を有し、機械的強度、耐
溶剤性に優れていると共に、液体および固体の機能性材
料を保持させることができるため広い用途展開が可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA16 AA64 AA90 AC02 AC18 AC19 AC20 AC21 AC24 AC29 AC32 AC34 AD04 AD09 AD10 AD11 AD12 AD13 CB31 CC06X CC22X CC32Y CC34Y 4J002 AE053 AF024 BA014 BK004 CD012 CD022 CD042 CD062 CD112 CD181 CH042 DA038 DA068 DE078 DE108 DE148 DE227 DE237 DE238 DG028 DJ008 DJ038 DJ048 DJ058 DL008 EB107 EC046 ED026 EF066 EH039 EH049 EH099 EH149 EN027 EN036 EN046 EN076 EP029 EU047 EU057 EU237 EW049 EW147 FA048 FD018 FD023 FD029 FD142 FD146 FD157 FD344

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位
    を主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化合
    物に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック
    (A2)からなるブロック共重合体をエポキシ化したエ
    ポキシ変性ブロック共重合体(A)20〜100重量
    部、エポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以
    上有する架橋剤(B)0〜50重量部、無機充填材
    (D)0〜50重量部および低分子材料(E)を混合し
    て得られるエポキシ変性ブロック共重合体組成物(F)
    を溶剤に溶解または分散した状態で均一に混合せしめ、
    エポキシ変性ブロック共重合体(A)単独またはエポキ
    シ変性ブロック共重合体(A)と架橋剤(B)との硬化
    反応を促進する硬化触媒または硬化促進剤(C)0.1
    〜10重量部を加えて溶剤中で架橋反応させた後に、溶
    剤および低分子材料(E)を除去する三次元連続網状骨
    格構造を有するミクロ多孔質体の製造方法。
  2. 【請求項2】ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位
    を主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化合
    物に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック
    (A2)からなるブロック共重合体をエポキシ化したエ
    ポキシ変性ブロック共重合体(A)20〜100重量
    部、エポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以
    上有する架橋剤(B)0〜50重量部、無機充填材
    (D)0〜50重量部および低分子の機能性材料(H)
    を混合して得られるエポキシ変性ブロック共重合体組成
    物 (F)を溶剤に溶解または分散した状態で均一に混
    合せしめ、エポキシ変性ブロック共重合体(A)単独ま
    たはエポキシ変性ブロック共重合体(A)と架橋剤
    (B)との硬化反応を促進する硬化触媒または硬化促進
    剤(C)0.1〜10重量部を加えて溶剤中で架橋反応
    させた後に、溶剤を除去することを特徴とする三次元連
    続網状骨格構造を有するミクロセル含浸複合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位
    を主体とする重合体ブロック(A1)と共役ジエン化合
    物に基づくモノマー単位を主体とする重合体ブロック
    (A2)からなるブロック共重合体をエポキシ化したエ
    ポキシ変性ブロック共重合体(A)20〜100重量
    部、エポキシ基と反応可能な官能基を少なくとも1個以
    上有する架橋剤(B)0〜50重量部、無機充填材
    (D)0〜50重量部からなる組成物に低分子材料
    (E)を混合して得られるエポキシ変性ブロック共重合
    体組成物(F)を溶剤に溶解または分散した状態で均一
    に混合せしめ、エポキシ変性ブロック共重合体(A)単
    独またはエポキシ変性ブロック共重合体(A)と架橋剤
    (B)との硬化反応を促進する硬化触媒または硬化促
    進剤(C)0.1〜10重量部を加えて溶剤中で架橋反
    応させた後に、溶剤および低分子材料(E)を除去して
    得られる三次元連続網状骨格構造を有するミクロ多孔質
    体に機能性材料(G)を含浸することを特徴とする三次
    元連続網状骨格構造を有するミクロセル含浸複合体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】ビニル芳香族化合物に基づくモノマー単位
    を主体とする重合体ブロック(A1)が、スチレン、α
    −メチルスチレン、p−メチルスチレン又はこれらの混
    合物からなるスチレン系重合体化合物からなる請求項1
    〜3記載のミクロ多孔質体およびミクロセル含浸複合体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】共役ジエン化合物に基づくモノマー単位を
    主体とする重合体ブロック(A2)が、ブタジエン、イ
    ソプレン、又はこれらの混合物からなる共役ジエン化合
    物重合体からなる請求項1〜4記載のミクロ多孔質体お
    よびミクロセル含浸複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】共役ジエン化合物に基づくモノマー単位を
    主体とする重合体ブロック(A2)が、部分的に水素添
    加されており、不飽和結合の含有量が10重量%以下で
    あることを特徴とする請求項1〜5記載のミクロ多孔質
    体およびミクロセル含浸複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】エポキシ基と反応可能な官能基を少なくと
    も1個以上有する架橋剤(B)が多価アルコール類、フ
    ェノール類、アミン類、カルボン酸類、酸無水物、イソ
    シアネート化合物、エポキシ化合物の中から選ばれる少
    なくとも1種の化合物からなることを特徴とする請求項
    1〜6記載のミクロ多孔質体およびミクロセル含浸複合
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】硬化触媒または硬化促進剤(C)が酸性物
    質、塩基性物質、加熱分解型カチオン硬化触媒および紫
    外線はたは電子線分解型カチオン触媒の中から選ばれる
    少なくとも1種の化合物からなることを特徴とする請求
    項1〜7記載のミクロ多孔質体およびミクロセル多孔質
    含浸複合体の製造方法。
  9. 【請求項9】低分子材料(E)が、軟化剤、可塑剤、粘
    着付与剤、オリゴマー及び滑剤から選ばれる数平均分子
    量が20,000未満のものであることを特徴とする請
    求項1および請求項3〜8記載のミクロ多孔質体および
    ミクロセル多孔質含浸複合体の製造方法。
  10. 【請求項10】エポキシ変性ブロック共重合体組成物
    (F)100重量部の内、低分子材料(E)が25〜9
    0重量部含まれることを特徴とする請求項1〜9記載の
    ミクロ多孔質体およびミクロセル含浸複合体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】エポキシ変性ブロック共重合体(A)を
    構成する重合体ブロック(A1)と重合体ブロック(A
    2)との重量比が10/90〜80/20の範囲にあ
    り、重量平均分子量が5〜60万であり、エポキシ当量
    が200〜5,000であることを特徴とする請求項1
    〜10記載のミクロ多孔質体およびミクロセル含浸複合
    体の製造方法。
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