JP2000200673A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

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JP2000200673A
JP2000200673A JP11002363A JP236399A JP2000200673A JP 2000200673 A JP2000200673 A JP 2000200673A JP 11002363 A JP11002363 A JP 11002363A JP 236399 A JP236399 A JP 236399A JP 2000200673 A JP2000200673 A JP 2000200673A
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JP
Japan
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temperature
heating element
equilibrium
crystalline polymer
heating
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JP11002363A
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Takayuki Imai
隆之 今井
Toshifumi Nakajima
敏文 中島
Nobutada Momotake
信忠 百武
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Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Fujikura Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/20Heating elements having extended surface area substantially in a two-dimensional plane, e.g. plate-heater
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2203/00Aspects relating to Ohmic resistive heating covered by group H05B3/00
    • H05B2203/002Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements
    • H05B2203/006Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements using interdigitated electrodes

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  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱温度の上昇による熱暴走を防ぐことがで
き、さらに、面状発熱体内の発熱温度が均一で、発熱温
度の個体差が小さい面状発熱体を提供すること。 【解決手段】 一対の櫛形電極を備えた基板上に、導電
性インキ組成物からなる発熱層を形成してなる面状発熱
体であって、少なくとも面状発熱体の片面が断熱体と接
触していない状態で、 電圧印加後の平衡発熱温度TG
35〜110℃であり、 ある平衡発熱温度TGと、この
平衡発熱温度TGよりも40℃高い温度TG+40間にお
ける前記平衡発熱温度TGでの発熱層の抵抗値RGと、発
熱層の最大抵抗値Rmaxとの比Rmax/RGが5〜
106倍であり、前記櫛形電極が、電極間隔2〜40m
mのものであり、前記導電性インキ組成物が、溶媒と、
結晶性高分子と、非結晶性高分子と、 導伝性物質とを
含むものである面状発熱体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性インキ組成
物を用いた面状発熱体に関し、とくに、床暖房などの暖
房設備や鏡の結露防止などに用いられ、良好なPTC特
性(正温度係数特性)を有し、発熱温度の上昇による熱
暴走を十分に防ぐことができ、面状発熱体内における発
熱温度の差が小さく、発熱温度の個体差が発生しにくい
面状発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】面状発熱体は、基板上に、導電性インキ
組成物を印刷あるいは塗布し、任意の厚さおよび形状の
発熱層を形成することによって得られるものであり、
従来から、特殊な形状や小型の発熱体として使用されて
いるものである。この面状発熱体に使用される導電性イ
ンキ組成物として、結晶性高分子や非結晶性高分子など
のベースポリマーと、カーボンブラック、金属粉末、グ
ラファイトなどの導電性物質を溶媒に分散させてなるも
のなどが用いられている。
【0003】ベースポリマーにポリエチレンなどの結晶
性高分子を用いた導電性インキ組成物は、温度上昇によ
って、急峻なPTC特性を示す塗膜を形成することがで
きる優れたものである。このPTC特性は、温度変化に
よる結晶性高分子の体積膨張により導電性物質の連鎖が
切断され、それに伴って抵抗が上昇することによって発
現するものである。このため、急峻なPTC特性を示す
結晶性高分子を用いた導電性インキ組成物は、これを塗
布あるいは印刷して得られる面状発熱体において、例え
ば、周辺温度が上昇した場合など、急激な温度上昇によ
る熱暴走を防ぐことができ、焼損を起こりにくくするこ
とができるという利点を有している。
【0004】しかしながら、この結晶性高分子を用いた
導電性インキ組成物は、ベースポリマーが溶媒に溶解し
ないことから塗布あるいは印刷に適した性状が得られな
いため、これを用いた面状発熱体の生産性が低下する、
また、低温貯蔵時にゲル化しやすいなどの問題があっ
た。さらに、これを基板上に印刷あるいは塗布して得ら
れた塗膜は、機械的強度および柔軟性が不十分であり、
問題となっていた。
【0005】また、ベースポリマーにエチレン−プロピ
レンゴムなどの非結晶性高分子を用いた導電性インキ組
成物もある。この導電性インキ組成物は、ベースポリマ
ーが溶媒に溶解しているため、塗布あるいは印刷に適し
た性状を有するものであり、塗布あるいは印刷時の作業
性に優れたものである。
【0006】しかしながら、この非結晶性高分子を用い
た導電性インキ組成物は、温度上昇による熱膨張が緩や
かであるので、これを用いて得られる塗膜のPTC特性
も緩やかである。このため、例えば、周辺温度が上昇し
た場合や、面状発熱体が断熱条件下にさらされた場合、
発熱温度が上昇して熱暴走による焼損などを起こす恐れ
があり、問題となっていた。したがって、これを用いた
面状発熱体には、使用環境に対応する過熱防止機構など
を具備する必要があり、問題となっていた。
【0007】また、ベースポリマーとして、結晶性高分
子と非結晶性高分子の両者を用いた導電性インキ組成物
が提案されている。具体的には、天然ゴムや合成ゴムな
どの非結晶性高分子、前記非結晶性高分子と相溶性のな
いポリエチレンやポリエステルなどの結晶性高分子粒
子、導電性カーボンブラック、グラファイトおよび無機
充填材からなる導電性インキ組成物などが提案されてい
る。この導電性インキ組成物は、結晶性高分子粒子の有
する利点と、非結晶性高分子の有する利点を併せ持つも
のであり、とくに、極寒環境下においても抵抗の低下が
小さく安定した作動を示す優れたものである。
【0008】しかしながら、この導電性インキ組成物を
用いた面状発熱体では、断熱条件下にさらされた場合な
ど、 発熱温度の上昇による熱暴走を十分に防ぐことが
できず、熱暴走による焼損などを起こす恐れがあり、問
題となっていた。また、面状発熱体内の発熱温度が不均
一であることや、発熱温度の個体差が大きいことが問題
となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、前記
事情を鑑みてなされたもので、 このような問題を解決
し、発熱温度の上昇による熱暴走を防ぐことができ、さ
らに、面状発熱体内の発熱温度が均一で、発熱温度の個
体差が小さい面状発熱体を提供することを課題としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題は、一対の櫛形
電極を備えた基板上に、導電性インキ組成物からなる発
熱層を形成してなる面状発熱体であって、少なくとも面
状発熱体の片面が断熱体と接触していない状態で、 電
圧印加後の平衡発熱温度TGが35〜110℃であり、
ある平衡発熱温度TGと、 この平衡発熱温度TGよりも
40℃高い温度TG+40間における前記平衡発熱温度
Gでの発熱層の抵抗値RGと、発熱層の最大抵抗値Rm
axとの比Rmax/RGが5〜106倍であり、前記櫛
形電極が、電極間隔2〜40mmのものであり、前記導
電性インキ組成物が、溶媒と、結晶性高分子と、非結晶
性高分子と、導伝性物質とを含むものである面状発熱体
によって解決できる。
【0011】また、上記面状発熱体において、導電性イ
ンキ組成物が、溶媒と、結晶性高分子と、非結晶性高分
子と、道伝性物質とを含み、前記結晶性高分子が、平均
粒子径0.2〜100μmのものであり、前記非結晶性
高分子が、結晶化度5%以下のものであり、前記結晶性
高分子と前記非結晶性高分子の重量比を、30:70〜
95:5としたものであることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の面状発熱体の一例を示す平面図であ
り、図2は、図1に示した面状発熱体の断面図である。
図1および図2において、符号1は、基板である。この
基板1上には、一対の櫛形電極2と、導電性インキ組成
物からなる発熱層3が設けられている。前記櫛形電極2
は、基板1の長手方向と直交する方向に互いに平行とな
るように複数本形成された線状の櫛部2aと、基板1の
長手方向と平行する方向に形成され、前記櫛部2aの一
方の端部が接続された連結部2bとからなっている。そ
して、前記櫛部2a間の間隔が等しい2つの櫛形電極2
を使用し、それらを互いに対向させるとともに、所定の
電極間隔dをもって、一方の櫛形電極2の櫛部2a間に
他方の櫛形電極2の櫛部2aが位置するように配されて
いる。
【0013】図3は、面状発熱体の温度と、抵抗値の関
係を示したグラフである。図3において、符号TGは、
平衡発熱温度を示し、符号TG+40は、前記平衡発熱
温度TGよりも40℃高い温度を示している。本発明に
おいて、「平衡発熱温度TG」とは、 少なくとも面状発
熱体の片面が断熱体と接触していない状態で、交流また
は直流の所定の電圧を印加した場合において、電圧印加
後の発熱温度が平衡に達し、一定となったときの温度の
ことをいう。 また、前記平衡発熱温度TG〜平衡発熱温
度TGよりも40℃高い温度TG+40の範囲を「発熱温
度範囲TG〜TG+40」という。
【0014】また、本発明においては、図3に示すよう
に、 平衡発熱温度TGのときの発熱層3の抵抗値のこと
を「平衡抵抗値RG」という。 さらに、図3に示すよう
に、発熱温度範囲TG〜TG+40内における発熱層3の
最大の抵抗値のことを「最大抵抗値Rmax」という。
そして、 前記最大抵抗値Rmaxと前記平衡抵抗値RG
との比(最大抵抗値Rmax/平衡抵抗値RG)のこと
を「抵抗値の比Rmax/RG」と略記する。
【0015】本発明の面状発熱体においては、少なくと
も面状発熱体の片面が断熱体と接触していない状態で、
交流または直流の電圧を印加した場合、 平衡発熱温度
Gが35〜110℃の範囲であるものとされる。 前記
平衡発熱温度TGが35℃未満である場合、 一般的に面
状発熱体としての商品価値が低くなるため好ましくな
い。一方、110℃を越える温度である場合、基板1や
発熱層3自身が熱劣化しやすくなるため、好ましくな
い。
【0016】この平衡発熱温度TGは、 面状発熱体に用
いる導電性インキ組成物の種類、発熱層3の厚み、櫛形
電極2の電極間隔dなどによって異なるものであり、櫛
形電極2の電極間隔dを変化させる方法などによって、
上述の範囲となるように調整される。
【0017】また、この面状発熱体は、発熱温度範囲T
G〜TG+40において使用可能なもので、 抵抗値の比
Rmax/RGが、 5〜106倍、好ましくは、10〜
106倍、さらに好ましくは、20〜106倍であるもの
とされる。
【0018】この抵抗値の比Rmax/RGが5倍未満
となる場合、 以下のような不都合が生じて好ましくな
い。 (1)発熱温度が上昇しても抵抗値が増大しないので、
例えば、面状発熱体が断熱状態となった場合、発熱温度
の上昇による熱暴走を防ぐことができず、熱暴走による
焼損などを起こす恐れがある。 (2)面状発熱体内の高温部分と低温部分での抵抗値の
差が小さく、面状発熱体内の発熱温度の差を緩和する効
果が得られないため、面状発熱体内の発熱温度の差が大
きいものとなる。したがって、発熱温度の個体差も大き
いものとなる。一方、106倍を越えるものでは、 特性
上問題は生じないが、作業性に優れる導電性インキ組成
物を得ることができない場合が多く、好ましくない。
【0019】この抵抗値の比Rmax/RGは、 面状発
熱体に用いる導電性インキ組成物の種類、発熱層3の厚
み、 櫛形電極2の電極間隔dなどによって異なるもの
であり、櫛形電極2の電極間隔dを変化させる方法など
によって、上述の範囲となるように調整される。
【0020】この面状発熱体に使用される基板1として
は、一般に厚さが約10〜100μm程度のポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリイミド、ポリ塩化ビ
ニルなどの樹脂フィルムなどが用いられ、発熱体として
の使用を考えたとき、耐熱温度の高い材料が望ましい。
【0021】また、櫛型電極2としては、前記基板1上
に、スクリーン印刷法などにより所望の櫛形パターンを
形成するか、接着剤を介し、厚さ約10〜50μm程度
の銅箔、アルミニウム箔、銀箔などの金属箔、好ましく
は銅箔を貼り合わせ、エッチング加工を施して、所望の
櫛形パターンを形成させてなる櫛形電極2などが挙げら
れる。
【0022】ここでの櫛形電極2としては、前記櫛形電
極2の電極間隔dが2〜40mmのもの、好ましくは、
3〜30mmのものが使用される。前記櫛形電極2の電
極間隔dが2mm未満のものを用いた場合、異物による
電極間の短絡などによる不具合が起こりやすくなるため
好ましくない。一方、40mmを越えるものを用いた場
合、発熱層3内の櫛形電極2に接している部分と櫛形電
極2から最も離れている部分とで放熱状態の差が大きく
なるので、面状発熱体内の発熱温度が不均一となりやす
くなるため好ましくない。また、これにより発熱温度の
個体差が大きくなるため好ましくない。
【0023】この櫛形電極2の電極間隔dは、面状発熱
体内の発熱温度と相関があり、前記櫛形電極2の電極間
隔dを狭くするほど、発熱温度が高い面状発熱体が得ら
れ、逆に、前記櫛形電極2の電極間隔dを広くするほ
ど、発熱温度が低い面状発熱体が得られ、面状発熱体の
用途などに応じて決定されることが好ましい。さらにま
た、櫛形電極2の電極間隔dは、前記電極間隔dに伴っ
て変化する平衡発熱温度TGおよび抵抗値の比Rmax
/RGが、所望の数値範囲内となるように調節され、決
定される。
【0024】また、発熱層3は、導電性インキ組成物か
らなるものである。ここで使用される導電性インキ組成
物としては、これを用いた面状発熱体の平衡発熱温度T
Gを35〜110℃とし、 抵抗値の比Rmax/RG
5〜106倍としうるものなどが好ましく、具体的に
は、溶媒と、結晶性高分子と、非結晶性高分子と、導電
性物質とを含む導電性インキ組成物などが好ましく使用
される。
【0025】前記導電性インキ組成物に使用される結晶
性高分子としては、 平均粒子径が0.2〜100μ
m、好ましくは、1〜50μmのものが使用される。前
記平均粒子径を0.2μm未満とした場合、インキの粘
度が上昇し、塗布あるいは印刷に適さないものとなり、
これを用いた面状発熱体の生産性が低下するため、好ま
しくない。また、100μmを越える平均粒子径のもの
を使用した場合、これを用いて得られる塗膜にピンホー
ルなどの不具合を生じやすく、好ましくない。
【0026】ここでの結晶性高分子としては、例えば、
ポリアミド、ポリエステル、低分子量ポリエチレン、ポ
リプロピレン、トランスーポリブタジエン、ポリオキシ
メチレン、ポリスチレン、ポリオキシエチレン、ポリオ
キシプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが使用される。具
体的に例えば、結晶性ポリアミド(商品名:ポリアミド
S−1962、融点117℃、三洋化成製)、結晶性ポ
リエステル(商品名:アロンメルトPES−110、東
亜合成化学製)などが好ましく使用される。
【0027】また、ここで使用される非結晶性高分子と
しては、結晶化度が5%以下のものであれば任意のもの
を使用することができ、例えば、エチレンと酢酸ビニ
ル、アクリル酸、アクリル酸エステル、マレイン酸など
との共重合体、ポリエステル、天然ゴム、あるいはイソ
プレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴムな
どの各種合成ゴム、アルキルアクリレート重合体などが
用いられる。具体的に例えば、飽和型ポリエステル(商
品名:バイロン200、東洋紡製)などが好ましく使用
される。
【0028】また、導電性物質としては、導電性カーボ
ンブラック、グラファイト、金属粉末などが使用され
る。ここでの導電性カーボンブラックとしては、ストラ
クチャーが小さく、粒径が約30〜150μm程度と比
較的大きいもの、 例えば、HAF、SRF、GPF、
FEF、FTなどのタイプ名で分類されるものなどが用
いられる。また、グラファイトとしては、天然黒鉛およ
び人造黒鉛のリン片状のもの、土塊状のものなどが使用
される。
【0029】また、溶剤としては、非結晶性高分子を良
く溶解し、かつ、結晶性高分子を安定して分散させるこ
とができるものが好ましい。例えば、トルエン、キシレ
ン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、テトラリ
ンなどの炭化水素系溶剤や、ブチルセロソルブ、酢酸セ
ロソルブ、ブチルカルビトール、酢酸カルビトールなど
の多価アルコール誘導体系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸
メトキシブチル、γーブチロラクトンなどのエステル系
溶剤などが好ましく使用される。
【0030】このような導電性インキ組成物の調製は、
溶媒中に、結晶性高分子と、非結晶性高分子と、導電性
物質を添加し、分散させることによって行われる。これ
らの操作は、湿式分散装置、例えば、ダイノーミルや3
本ロールなどを用いて行われる。また、導電性インキ組
成物の分散度合いは、粒ゲージなどを用いて確認され
る。なお、結晶性高分子は、こうした分散装置を使用し
たのち、溶媒中に添加することが好ましい場合もある。
【0031】この調製に際し、溶媒中における結晶性高
分子と非結晶性高分子の重量比は、30:70〜95:
5、好ましくは、50:50〜85:15とされる。前
記重量比を30:70未満とした場合、良好なPTC特
性が得られないため好ましくない。また、95:5を越
える場合、塗布あるいは印刷に適した性状が得られない
ため、また、これを基板上に印刷あるいは塗布して得ら
れた塗膜の機械的強度および柔軟性が不十分なものとな
るため好ましくない。
【0032】また、溶媒中に添加される導電性物質の量
は、面状発熱体の用途、櫛形電極の間隔などに応じて決
定され、とくに限定されないが、結晶性高分子と非結晶
性高分子とを合わせたもの100重量部に対して5〜8
0重量部程度とするのが好ましい。さらに、ここで使用
される溶媒の量は、とくに限定されないが、結晶性高分
子と非結晶性高分子とを合わせたもの100重量部に対
して80〜400重量部程度が好ましい。
【0033】本発明の面状発熱体を製造するには、 基
板1上に、櫛形電極2を設け、これに、前記導電性イン
キ組成物を、塗布あるいは印刷して、発熱層3を形成さ
せることによって行われる。櫛形電極2の形成は、スク
リーン印刷法や、銀箔などの電極となる材料を接着剤な
どで基板1上に貼り合わせ、エッチング加工などを施し
て、所望の電極間隔dを有する櫛形パターンを形成させ
る方法などによって行われる。
【0034】また、導電性インキ組成物の塗布あるいは
印刷は、均一な厚さの塗膜が得られる任意の方法を使用
して行うことができ、例えば、スクリーン印刷、ナイフ
コータ、グラビアコータを用いる方法などを用いて好ま
しく行われる。そして、塗布あるいは印刷された導電性
インキ組成物は、ヒーターや炉を使用し、約80〜15
0℃の温度で約1〜30分間程度乾燥させることによっ
て、厚み約10〜50μm程度の発熱層3とされる。
【0035】このような面状発熱体においては、抵抗値
の比Rmax/RGが5〜106倍であるので、 平衡発
熱温度TGが、抵抗値が急激に変化する温度より少し低
いものとなる。したがって、例えば、面状発熱体が断熱
状態となった場合、発熱温度の上昇にともなって抵抗値
が大きく増大し、発熱温度を発熱温度範囲TG〜TG+4
0内の温度に維持することができるものとなる。すなわ
ち、発熱温度の上昇による熱暴走を十分に防ぐことがで
き、熱暴走による焼損などを防止することができるもの
となる。また、面状発熱体内の高温部分と低温部分での
抵抗値の差が大きいものとなることから、面状発熱体内
の発熱温度の差を緩和する効果が得られ、面状発熱体内
の発熱温度の差が小さいものとなる。したがって、発熱
温度の個体差も小さいものとなる。
【0036】さらに、櫛形電極2の電極間隔dが、2〜
40mmのものであるので、異物などによる電極間の短
絡が起こりにくく、面状発熱体内の発熱温度が均一で、
発熱温度の個体差が小さいものとなる。また、少なくと
も面状発熱体の片面が断熱体と接触していない状態での
平衡発熱温度TGが、 35〜110℃であるため、適用
可能な温度範囲が広く、多くの用途に対応することがで
きるものとなる。
【0037】さらにまた、発熱層3を形成する導電性イ
ンキ組成物を、溶媒と、結晶性高分子と、非結晶性高分
子と、道伝性物質とを含み、前記結晶性高分子が、平均
粒子径0.2〜100μmのものであり、前記非結晶性
高分子が、結晶化度5%以下のものであり、前記結晶性
高分子と前記非結晶性高分子の重量比を、30:70〜
95:5としたものとすることで、高いPTC抵抗変化
倍率が得られる面状発熱体となり、抵抗値の比Rmax
/RGが5〜106倍である面状発熱体を得ることができ
る。また、柔軟性、機械的強度に優れ、容易に製造する
ことができる面状発熱体となる。
【0038】本発明の面状発熱体においては、面状発熱
体内の発熱温度の均一性を、より一層高めるために、基
板1の裏面の少なくとも一部に、金属泊などの熱導伝導
率の高い物質を貼りつけた面状発熱体としてもよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して具体的に詳し
く説明するが、本発明は、これらの実施例にのみ限定さ
れるものではない。 (試験例1)カルビトールアセテート200重量部中
に、結晶性高分子である平均粒子径40μmの結晶性ポ
リアミド(商品名:ポリアミドS−1962、融点11
7℃、三洋化成製)60重量部、非結晶性高分子である
共重合ポリエステル(商品名:バイロン200、東洋紡
製)40重量部を分散させ、ついで、カーボンブラック
(商品名:デンカブラック、電気化学工業製)30重量
部を添加し、攪拌したのち3本ロールミルで混練して導
電性インキ組成物を調製した。
【0040】ついで、電極間隔dが10mmである一対
の銀の櫛形電極2を備えた、基板1上に、前記導電性イ
ンキ組成物を用いてスクリーン印刷し、150℃で30
分乾燥して、幅200mm、長さ400mm、厚み10
〜12μmの発熱層3を形成し、図1および図2に示
す、面状発熱体を作成した。この面状発熱体の裏面全体
に、粘着層付きアルミ泊を貼りつけ、これを試験体とし
た。
【0041】(試験例2)カーボンブラック添加量を2
5重量部とし、試験例1と同様に面状発熱体を作成し
た。 (試験例3)電極間隔dを20mmとし、試験例1と同
様に面状発熱体を作成した。 (試験例4)電極間隔dを25mmとし、試験例1と同
様に面状発熱体を作成した。 (試験例5)電極間隔dを3mmとし、試験例1と同様
に面状発熱体を作成した。 (試験例6)カーボンブラック添加量を20重量部と
し、電極間隔dを1mmとして、試験例1と同様に面状
発熱体3を作成した。 (試験例7)カーボンブラック添加量を40重量部と
し、電極間隔dを50mmとして、試験例1と同様に面
状発熱体を作成した。
【0042】このようにして得られた試験例1〜試験例
7の面状発熱体うち、試験例1〜試験例3は、本発明の
実施例であり、試験例4〜試験例7は、比較例である。
これら試験例1〜試験例7の面状発熱体をそれぞれ20
枚作成し、次の各項目の測定および評価を行った。
【0043】[TG]面状発熱体を20℃の雰囲気中に
吊るして、その温度を測定し、電圧印加前の平衡温度と
した。ついで、電極間にAC100Vの電圧を印加し、
電圧印加10分後の面状発熱体内の最低温度と最高温度
を放射温度計により測定し、その平均値を電圧印加後の
平衡発熱温度TGとした。 [面状発熱体内温度のバラツキ]平衡発熱温度TGのと
きの 一つの面状発熱体内における温度のバラツキを評
価した。 [個体差]同一試験例中の面状発熱体について、 平衡
発熱温度TGの最低値と最高値を調べ、個体間の温度差
を求めた。
【0044】[Rmax/RG]温度が、電圧印加前の
平衡温度〜平衡発熱温度TG+40℃であるときの、 発
熱層3の抵抗値を測定した。ついで、平衡発熱温度TG
での発熱層3の抵抗値RGと、発熱温度範囲TG〜TG
40内での発熱層3の最大抵抗値Rmaxとの比Rma
x(TG〜TG+40)/RG(TG)を求めた。 [断熱時10分後の発熱温度][断熱時10分後の発熱
温度] 面状発熱体の両面に、断熱体である厚さ50mmの発泡
ウレタンを密着させて断熱し、電極間にAC100Vの
電圧を印加し、電圧印加10分後および5時間後の面状
発熱体の温度を熱電対を用いて測定した。結果を表1に
示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1より、試験例1〜試験例3では、断熱
時の発熱温度が、電圧印加後の平衡発熱温度TGから4
0℃以上上昇しないという結果となった。 このことか
ら、発熱温度を、発熱温度範囲TG〜TG+40内の温度
に維持することが可能であることが確認できた。さら
に、面状発熱体内の温度のバラツキ、および、個体差
は、抵抗値の比Rmax/RGが5倍未満となった試験
例4、試験例5、 また、電極間隔を2mm未満とした
試験例6、電極間隔を40mmを越える間隔とし、抵抗
値の比Rmax/RGが5倍未満となった試験例7と比
較して、小さいことがあきらかとなった。また、試験例
5では、断熱時の発熱温度が、時間とともに上昇してお
り、熱暴走の傾向が見られた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の面状発熱
体においては、 ある平衡発熱温度TGと、この平衡発熱
温度TGよりも40℃高い温度TG+40間における前記
平衡発熱温度TGでの発熱層の抵抗値RGと、発熱層の最
大抵抗値Rmaxとの比Rmax/RGが5〜106倍で
あるので、 平衡発熱温度TGを、抵抗値が急激に変化す
る温度より少し低い温度とすることができる。したがっ
て、例えば、面状発熱体が断熱状態となった場合、発熱
温度の上昇にともなって抵抗値が大きく増大し、発熱温
度を発熱温度範囲TG〜TG+40内の温度に維持するこ
とができる。すなわち、発熱温度の上昇による熱暴走を
十分に防ぐことができ、熱暴走による焼損などを防止す
ることができる面状発熱体とすることができる。また、
面状発熱体内の高温部分と低温部分での抵抗値の差が大
きいことから、面状発熱体内の発熱温度の差を緩和する
効果が得られ、面状発熱体内の発熱温度の差を小さくす
ることができる。したがって、発熱温度の個体差も小さ
くすることができる。
【0048】また、櫛形電極の電極間隔が2〜40mm
のものであるので、異物などによる電極間の短絡が起こ
りにくく、面状発熱体内の発熱温度が均一で、発熱温度
の個体差が小さい面状発熱体とすることができる。
【0049】また、少なくとも面状発熱体の片面が断熱
体と接触していない状態で、電圧印加後の平衡発熱温度
Gが35〜110℃であるため、 適用される温度の範
囲が広く、多くの用途に対応することができ、例えば、
保温装置、暖房設備、鏡などの結露防止などの用途に使
用することができる面状発熱体とすることができる。
【0050】さらにまた、導電性インキ組成物を、溶媒
と、結晶性高分子と、非結晶性高分子と、道伝性物質と
を含み、前記結晶性高分子が、平均粒子径0.2〜10
0μmのものであり、前記非結晶性高分子が、結晶化度
5%以下のものであり、前記結晶性高分子と前記非結晶
性高分子の重量比を、30:70〜95:5としたもの
とすることで、高いPTC抵抗変化倍率が得られる面状
発熱体となり、ある平衡発熱温度TGと、 この平衡発熱
温度TGよりも40℃高い温度TG+40間における前記
平衡発熱温度TGでの発熱層の抵抗値RGと、発熱層の最
大抵抗値Rmaxとの比Rmax/RGが5〜106倍で
ある面状発熱体を得ることができる。また、柔軟性、機
械的強度に優れ、容易に製造することができる面状発熱
体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状発熱体の一例を示した平面図であ
る。
【図2】図1に示した面状発熱体の断面図である。
【図3】面状発熱体の温度と、抵抗値の関係を示したグ
ラフである。
【符号の説明】
1...基板、2・・・櫛形電極、3・・・発熱層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 敏文 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 百武 信忠 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目13番1号 藤倉化成株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 3K034 AA10 AA12 BA14 BA15 BB05 CA34 3K092 QA03 QB32 QC31 SS24 VV22 VV25 4J038 CA012 CA021 CA022 CA072 CB021 CB052 CB062 CB072 CB081 CB102 CD031 CG142 DA011 DD001 DD002 DH001 HA026 HA036 HA066 JA01 JA05 JA26 JA56 JA57 JA69 KA06 KA12 MA12 MA14 NA13 NA20 PB05 PC08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の櫛形電極を備えた基板上に、導電
    性インキ組成物からなる発熱層を形成してなる面状発熱
    体であって、 少なくとも面状発熱体の片面が断熱体と接触していない
    状態で、電圧印加後の平衡発熱温度TGが35〜110
    ℃であり、 ある平衡発熱温度TGと、 この平衡発熱温度TGよりも
    40℃高い温度TG+40間における前記平衡発熱温度
    Gでの発熱層の抵抗値RGと、発熱層の最大抵抗値Rm
    axとの比Rmax/RGが5〜106倍であり、 前記櫛形電極の電極間隔が2〜40mmのものであり、 前記導電性インキ組成物が、溶媒と、結晶性高分子と、
    非結晶性高分子と、導伝性物質とを含むものであること
    を特徴とする面状発熱体。
  2. 【請求項2】 導電性インキ組成物が、溶媒と、結晶性
    高分子と、非結晶性高分子と、導伝性物質とを含み、 前記結晶性高分子が、平均粒子径0.2〜100μmの
    ものであり、 前記非結晶性高分子が、結晶化度5%以下のものであ
    り、 前記結晶性高分子と前記非結晶性高分子の重量比を、3
    0:70〜95:5としたものであることを特徴とする
    請求項1記載の面状発熱体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7454623B2 (ja) 2018-07-27 2024-03-22 株式会社ニフコ 面状発熱体、および、車両用ウインドシールド装置

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