JP2000192390A - ラベル用紙の製造方法、抄紙機ならびにラベル用紙及びラベル - Google Patents

ラベル用紙の製造方法、抄紙機ならびにラベル用紙及びラベル

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JP2000192390A
JP2000192390A JP10369766A JP36976698A JP2000192390A JP 2000192390 A JP2000192390 A JP 2000192390A JP 10369766 A JP10369766 A JP 10369766A JP 36976698 A JP36976698 A JP 36976698A JP 2000192390 A JP2000192390 A JP 2000192390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周縁に毛羽(耳房)を有し、表面に落水模様
を有するラベルに関し、手作り民芸風の外観を有し、機
械抄きが可能で、透気度が高く自動給紙による印刷が可
能な、ラベル用紙及びその製造方法並びに抄紙機を提供
する。 【解決手段】 ベルト状の抄網1の上に連続的に供給さ
れるパルプ液ないし湿紙上に水ないしパルプ液を連続的
に滴下することによって落水模様を形成し、このベルト
状の抄網の抄紙方向下流側で格子枠22を備えた円網3
で第2原料槽4の紙繊維を多数の矩形状にして抄き合わ
せることにより紙厚が薄い耳格子を形成し、その後脱水
乾燥して得られた用紙を耳格子に沿って引き裂く。表面
に多数のクレータからなる落水模様が形成され、裏面に
薄地の紙繊維層を有する格子模様と、この格子模様で区
画された厚地の層とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字や模様を印刷
して日本酒やワイン等のビンに貼付するのに特に好適な
ラベルに関するものであり、特に外周縁に毛羽立ち(耳
房)を有し、表面に落水模様を有するラベル用紙の製造
方法及び当該方法を実施するための抄紙機ならびに当該
方法で得られるラベル用紙及びラベルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、日本酒やワイン等の嗜好品類の業
界では、従来の洋紙一辺倒から、手作りの民芸風の外観
を有するラベル(レッテルと呼ばれることもある。)が
好んで用いられるようになってきた。和紙風のラベルの
外観がこうした要求に合致し、洋紙には無い手作りの暖
かみを感じさせる。特にラベルの切り口(外周縁)に長
い毛足の毛羽立ちを備え、紙層表面にクレータ状の模様
(製紙業界では「落水模様」と呼ばれている。)を有す
るものが珍重されている。毛羽立った切り口は、1〜5
0mmの紙繊維を含む紙を引きちぎるように切ることで
得られるが、長方形や楕円形のような整った形状のラベ
ルは得られない。整った形状にするには、その形状に対
応する「耳格子」(紙を裂け易くした組織を線状に配置
することにより形成される格子ないし格子模様)を抄紙
時に形成する。耳格子を有する和紙をその格子に添って
手ちぎり動作で切り離すことにより、周縁に毛羽を有す
る整った形状のラベルが得られる。落水模様とは、抄紙
中の紙繊維に水滴を落下させると紙繊維がクレータ状に
散らばり、暖かみのある独特の外観が得られる。
【0003】こうした耳格子と落水模様を有する和紙は
手抄き和紙として生産されていた。製法の大半が手作業
である為、生産量に限界があり、大量生産を必要とする
ラベルには不向きであった。また手抄き工程は、水分の
網通過を自然落下で行う方法である為、紙繊維質を粗く
する必要があり、透気度が低い紙質のものしか得られな
い制約があった。なお、本明細書で述べる透気度とは、
JIS P−8117に規定されたガーレ試験法で10
0ccの空気が紙片を通過する秒数であり、本明細書で
は断りの無い限り、5枚重ねで測定した秒数で示す。
【0004】この為、ラベルとして広く利用されている
オフセット印刷機の吸引パット給紙機では、透気度の低
いこうした和紙は吸引工程で空気抜け現象が発生し、給
紙機での給紙ができない問題があった。従って、落水模
様の手抄き和紙の印刷方法は、手で給紙するスクリーン
印刷、手差しで給紙するオフセット印刷等の手作業であ
った。耳格子と落水模様の和紙生産の現状は、高コスト
の少量生産の状態であり、大量で低コストで生産される
汎用のラベルにも適する機械抄き和紙の生産が望まれて
いたが、困難とされていた。耳格子と落水模様は漉く方
法及び装置が全く異なるために、機械抄き法では困難と
されており、この種の和紙を機械抄き法で実用的に生産
した例はなく、また、当和紙でオフセット印刷機の自動
給紙での印刷に成功した例もなかった。
【0005】本発明は、手作り民芸風の外観を有する新
たな構造の、機械抄きによる大量生産が可能で、透気度
が高く従って自動給紙によるオフセット印刷が可能な、
ラベル用紙及びその製造方法並びに抄紙機を提供するこ
とを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の落水模様
と毛羽を備えたラベル用紙の製造方法は、ベルト状の抄
網1の上に連続的に供給される水分を含んだパルプ液な
いし湿紙上に水ないしパルプ液を連続的に滴下すること
によって落水模様を形成し、このベルト状の抄網の抄紙
方向下流側で格子枠22を備えた円網3で第2原料槽4
の紙繊維を多数の矩形状にして抄き合わせることにより
紙厚が薄い耳格子を形成し、その後脱水乾燥して得られ
た用紙を耳格子に沿って引き裂くことを特徴とするもの
である。
【0007】請求項2記載の落水模様と毛羽を備えたラ
ベル用紙の抄紙機は、ベルト状の抄網1と、このベルト
状の抄網にパルプ液を均一に展開し供給する第1原料槽
2と、ベルト状の抄網1の上方に配置されて水ないしパ
ルプ液を連続的に当該抄網上のパルプ液ないし湿紙に滴
下する落水装置13と、ベルト状の抄網の抄紙方向下流
側に配置されてベルト状の抄網から送り出された湿紙1
7に紙繊維層を抄き合わせる円網3と、この円網にパル
プ液を供給する第2原料槽4とを備え、前記円網3はそ
の外周に薄い金属ないし樹脂で形成した格子枠22を備
えていることを特徴とするものである。
【0008】請求項3記載のラベル用紙は、表面に多数
のクレータからなる落水模様が形成され、裏面に薄地の
紙繊維層を有する格子模様と、この格子模様で区画され
た厚地の層とを備え、当該厚地の層は前記薄地の紙繊維
層に抄き合わされた紙繊維で形成されていることを特徴
とするものである。このラベル用紙は、請求項1の方法
で得られ、従来の手抄きのものと区別できない外観と、
印刷機のバキュームヘッドで給紙可能な程度に低い通気
性とを備えている。
【0009】請求項4記載のラベルは、表面に多数のク
レータからなる落水模様と印刷された文字ないし模様と
を備え、周縁に薄地の紙繊維層を引き裂いて得られる毛
羽を備え、前記薄地の紙繊維層とその裏面に抄き合わさ
れた紙繊維とで形成された厚地の紙繊維層を備えている
ことを特徴とするものである。このラベルは、請求項3
のラベル用紙を薄地の耳格子に添って引き裂き、表面に
所望の文字ないし模様を印刷することによって得られ
る。
【0010】耳格子と落水模様とを別々に抄き、湿紙状
態で貼り合わせる(以降「抄き合わせ」と称する)事
で、従来困難とされた機械抄き法でも成功した。湿紙状
態での貼り合わせは特に接着剤は必要とせず、耳格子を
有する紙繊維層と落水模様を有する湿紙との間の紙繊維
の絡まりだけで貼り合わされる。従って、紙質や風合い
は保持され、インラインで連続抄造されるのでコストが
大幅に低減され、品質も一定になる。
【0011】3層抄き合わせの際に用い、各原料槽2、
4には矢印(→)方向にポンプで原液が循環されてい
る。透気度を上げる為に、途中に圧縮ロール26で加圧
又は乾燥後に加圧し、繊維密度を上昇させることもある
(カレンダー掛け効果)。ブランケット16は、必要に
より編密度を高め、抄紙を移転させてコンベアーとして
乾燥ドラムまで送る。サクションボックス9は、多量に
含水する湿紙から積極的に吸引脱水する。乾燥された用
紙は巻取装置29で連続的にロール状に巻き取られる。
【0012】紙原料は紙繊維、粘度調整・分散剤、着色
剤、体質顔料、界面活性剤、水等である。紙繊維は、楮
(コウゾ)、三又(ミツマタ)、雁皮(ガンピ)、麻、
竹、桑、パルプ等を原料とする繊維質であり、目的の紙
質と抄紙機の抄造具合(ろ水性)を勘案してビーター
(叩解機)で好ましい繊維長1〜50mmに調整する。
繊維寸法で透気度の調整もできる。さらに装飾を凝らす
為に、化学繊維、合成繊維、金箔、ピーナツの薄皮、楮
の黒皮、紙又はシートの破砕紙等を散乱させラベルの装
飾性を高める事もできる。
【0013】ろ水性と分散性を調整する粘度調整・分散
剤は、トロロアオイを原料とするトロ、澱粉糊、化学糊
(例えばスチレンブタジエンラテックス、アクリルエマ
ルジョンポリマー、部分又は完全ケン化ポリビニルアル
コール、カゼイン、ポリオキシエチレン又はポリオキシ
エチレン誘導体)等である。着色剤は渋い外観や華やか
な外観を与える目的等で茜・藍染色等の天然染料、合成
染料、着色顔料等が使用される。紙質調整の目的で、ク
レー、酸化チタン、炭酸カルシュウム、サイズ剤等も使
用できる。界面活性剤は、添加剤としてアニオン活性
剤、ノニオン活性剤、カチオン活性剤等であり、必要に
応じて消泡剤も使用する。
【0014】湿紙での紙の重量又は紙の厚みは、パルプ
液の繊維濃度及び抄紙速度、短網のパルプ液落水供給量
等で調整できる。パルプ液濃度には制限がないが、作業
性や抄紙品質等から通常約0.2%を基準に適宜に選択
される。紙繊維の分散と抄紙品質を向上する為に楮繊維
(別名カズ)の場合トロを加え、適度な粘度と紙繊維の
分散を行う。抄紙速度は抄紙機の寸法や乾燥能力や湿紙
の厚さにもよるが、毎分10〜50mの速度を基準に適
宜に選択される。抄紙上への点滴落水により、水滴落下
時の湿紙表面の落下圧力及び水分の飛散でクレータ状に
繊維が分散されて、湿紙上にクレータ模様ないし落水模
様と呼ばれる模様が現出される。
【0015】上記のようにして得られた本発明の耳格子
と落水模様とを有するラベル用紙を、手作業又は機械で
耳格子部分をちぎり取ると、図7に示すように、周縁に
楮・パルプ繊維が長い毛足で毛羽立った状態となり、ナ
イフ切断とは異なった民芸風で手作り風の暖かみのある
ラベルが得られる。
【0016】円網3と押えローラ19との間を通過する
と、サクション脱水され少量含水の紙繊維層が抄き合わ
され、従来の機械抄きでは困難であった耳格子と落水模
様を有する機械抄き和紙が得られる。さらに、必要によ
り下流側の円網から得られた紙繊維層を円網3と押えロ
ーラ19とで抄き合わせ、別の機能を付加した機械抄き
和紙を得ることもできる。例えば、透気度を上げる為に
繊維長の短い紙繊維層を抄き合わせて透気度を上げる
事、抄紙後にカレンダー掛けして紙繊維を密な状態にし
て透気度を上げる事、等でオフセット印刷などの高速印
刷可能な用紙ができる。従来の手抄き和紙では、枚葉オ
フセット印刷機に適する透気度、例えば透気度3.8ま
でに上げる事は極めて困難であった。また、透気度を印
刷に適するように一定品質に保つ事も、従来の手抄き法
では困難であった。本発明のラベル用紙の製造方法では
こうした透気度を高めたり、品質を一定に保持する事も
達成され、耳格子と落水模様を有する和紙を提供する事
もできる。
【0017】本発明のラベル用紙は適当な巾で任意の長
さの長尺ロールとして得られる。得られたロールは耳格
子を基準に、枚葉に切断され、枚葉オフセット印刷機に
適する用紙が得られる。得られた用紙に印刷し耳格子部
分を切り離す事でラベルやレッテルが得られる。印刷方
法は凸版印刷機、オフセット印刷(別名平版印刷)機、
凹版印刷機、フレキソ印刷機、等の枚葉印刷機であれば
何れでも可能である。こうした印刷機の給紙方法はゴム
製吸引パット又は金属製の吸引口で用紙を吸い上げる。
吸い上げ時に透気度が低い場合には、用紙の吸い上げが
不十分となり、用紙を移動する事が困難となり、従来の
手抄き和紙では自動給紙による印刷が不可能であった。
本発明では機械抄きで透気度が給紙機の吸引に適するよ
うに調整されているので、自動給紙が可能となる。印刷
の給紙は吸引と同時に積み上げられた用紙上部に「エア
ーブロー」と称される風を吹き付ける事で上部の用紙が
浮き上がり、「2枚重ね取り」の防止効果を発揮する。
給紙用吸引パット及びエアーブローの位置は、特別な制
限はないが、積み上げられた用紙の進行方向前方位置又
は後方位置であり、用紙が耳格子で折れ易いため、好ま
しくは進行方向の前方位置である。
【0018】印刷速度は印刷機の種類や能力や用紙の性
質にもよるが、毎時3,000〜20,000枚の速度
で印刷が可能であり、特にオフセット印刷機では一回通
しで2〜7色の多色刷りもできる。こうした速度は従来
の手作業での給紙が毎時100〜2,000枚であるの
に比べ画期的に速い速度である。また、従来の手作業の
給紙での単色色刷りを繰り返して多色にする方法に比
べ、本発明の方式は、飛躍的に高い生産性を発揮する。
特に、日本酒、ワイン、菓子その他の食品類等の嗜好品
用に多量印刷されるラベルとして、本発明のラベル用紙
は、生産性が高く高速印刷が可能でありコスト面でも有
利である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1ないし図6はこの発明の抄紙
機の一実施例を示したものである。本実施例の抄紙機は
比較的短いベルト状の抄網(洋紙の抄紙機は長いベルト
状の抄網を備えており、これを通常長網と称しているの
で、図示実施例のベルト状の抄網は、以下「短網」とい
う)及び円筒状の抄網(通常「円網」と称している)を
備えている。短網1には第1原料槽2又は落水装置から
楮又はパルプ液等の紙繊維液が供給され、円網3には第
2原料槽4からパルプ液等が供給される。短網1はブレ
ストローラ5とターニングローラ6との間に懸架されて
おり、テンションローラ7及び補助ローラ8を備えてい
る。また抄紙ラインを形成する短網の下方には、短網上
に展開されたパルプ液から強制的に水を吸い取るサクシ
ョンボックス9が配置されている。
【0020】第1原料槽2から短網1上に紙繊維液を供
給する部分の構造は図2に示されている。紙繊維液はフ
ロータンク11内を流れ、流動中に生ずる乱流によって
紙繊維相互が絡み合わされかつ用紙の幅方向に拡げられ
て、ブレストローラ5と整流ローラ12との間から短網
1上に展開されて送出される。短網上に展開されたパル
プ液は重力により脱水され、さらにサクションボックス
で強制的に水を吸引されて含水率75%程度の湿紙とな
る。
【0021】短網1の上方の適宜位置に落水装置13が
配置されている。落水装置13は図3に示すようにパイ
プ14とそれに取り付けられた多数の落水ノズル15を
備えており、パイプ14に水または紙繊維液を供給し、
それを落水ノズル15から短網上に展開された紙繊維液
ないし湿紙上に滴下することにより、湿紙上に多数のク
レータからなる落水模様を形成する。この落水装置の下
流側で湿紙上に上方からベルト状のブランケット16が
添設され、湿紙17はこのブランケットの下面に付着し
た状態で下流側に運ばれる。
【0022】第2原料槽4及び円網3は短網1のすぐ下
流側に配置される。図の実施例では第2原料槽4と円網
3とをそれぞれ2個配置しており、二つの円網は位相を
合わせて同期回転している。この部分の詳細構造は図4
に示されている。図4において第2原料槽4内のパルプ
等の紙繊維液は、フロータンク18を通って円網3の周
囲に導かれる。円網3によって抄き上げられた紙繊維層
は、押えローラ19との間で短網7から送り出された湿
紙17の下面に押し付けられて抄き合わされる。円網3
にはその抄網21の外周に薄いステンレス板又は金属又
は樹脂等で形成した格子枠22が取り付けられており、
この格子枠の部分には第2原料槽のパルプ液がわずかし
か付着しない。従って円網で抄き上げられた紙繊維層
は、多数の矩形に区切られた状態で抄き合わされ、各矩
形の間に耳格子(ラベルの耳を形成する格子)が形成さ
れる。上記のようにして上面に落水模様が形成され、下
面に矩形の紙繊維層を抄き合わされた湿紙17は、ブラ
ンケット16に付着した状態で上方へと周回していく。
【0023】ブランケット16は短網1及び円網3の上
方で複数のロール23・・・に巻回された無端ブランケ
ットである。ブランケット16の周回路には、適宜補助
ローラ24及びサクションボックス25が配置されてお
り、さらに下流側近くに圧縮ローラ26が配置されてい
る。この圧縮ローラ26はブランケット16に付着して
送られて来た湿紙を軽く圧縮し、脱水を促進するととも
に、軽いカレンダー掛けを行っている。
【0024】ブランケット16に添着して周回する間
に、相当程度脱水された湿紙は、圧縮ローラ26の下流
でブランケット16から離れ、適宜配置された移送ベル
ト27を経て乾燥ドラム28へと送られる。乾燥ドラム
28は水蒸気等によって加熱されたドラムで、湿紙は落
水模様を形成した側をドラム周面に当接した状態で乾燥
ドラム28の周面に沿って周回する間に乾燥させられ、
最後に巻取装置29で巻き取られる。
【0025】巻き取られた用紙には円網3で抄き上げら
れた紙繊維層が付着して厚地となった矩形状の領域の周
囲に格子状に薄地の部分(耳格子)が形成され、かつ表
面に多数のクレータからなる落水模様が形成されてい
る。耳格子の部分は厚さが薄いため、この耳格子の部分
に沿って用紙を容易に引き裂くことができ、引き裂かれ
た後の矩形の用紙はその周囲に毛羽を生ずる。この毛羽
の長さは第1原料槽2に供給するパルプ液に含まれる紙
繊維の長さを調整することによって調整できる。
【0026】・実施例1 機械抄きの和紙の製造 図1中で、短網1は、ブレストロールとターニングロー
ルとの間隔2000mmで巾750mmの真鍮製60メ
ッシュ網が装備され、片方が第1原料槽2に接続されて
いる(図2参照)。短網は、抄紙巾350mmとし、整
流ローラ12に直結に設置した。短網の上方に設置した
落水装置13は、ポンプ及び50本のノズルが植え込ま
れた20φ×長さ750mmの管で形成され、ポンプに
接続された管の落水ノズル15から水又は紙繊維液を短
網上の湿紙に滴下させて落水模様を現出させる。円網3
は、直径300mm(以降300φと略し、寸法単位は
mmで表す)、巾長さ750mmの真鍮製60メッシュ
の円筒形網ドラムで、第2原料槽4に約1/2浸漬され
ている。格子枠22は、線巾5mmで格子巾125mm
×長さ105mmの格子を2列×2行並べ、抄紙巾35
0mmで、円網に設置されている(図5、6参照)。ブ
ランケットは800mmとし、乾燥ドラムの前にカレン
ダープレス装置を設置した。乾燥ドラム28は、直径2
000mm、巾1000mmのステンレス製テフロン加
工ドラムで乾燥熱源である150℃蒸気が内部に入るよ
うに設計されている。
【0027】0.2%濃度で紙繊維長が約5mmの楮に
トロを加え粘度及び分散調整した純白色の楮のパルプ液
を第1原料槽及び落水装置に供給した。0.2%濃度で
紙繊維長が約2mmの淡黄色に着色したパルプとトロを
加えたパルプ液を第2原料槽に供給した。短網で平方メ
ートル当り乾燥重量約20グラムに抄紙して、落水装置
で紙繊維がクレータ状に分散された模様が形成され、サ
クションボックスで脱水され、楮繊維の落水模様層を有
する湿紙が形成される。円網で抄紙し平方メートル当り
乾燥重量約80グラムで耳格子模様の形成された紙繊維
層が脱水されてブランケット上に形成され、押えロール
19へ送られた。耳格子の紙繊維層の上に重ねられて圧
縮ローラへ送られ、圧縮ローラ26で軽くプレスされ
た。落水模様層が乾燥ドラムに接する状態で乾燥ドラム
28で乾燥され、毎分20メートルの速度で巻き取られ
た。得られた機械抄き和紙は平方メートル当りの乾燥重
量約100グラム,耳格子の厚さが0.05mmから
0.1mm、透気度4.8、淡黄色のパルプ上に純白の
楮繊維がクレータ状に分散され,巾125mmで長さ1
05mmの耳格子の和紙の外観を呈するほぼ均質な巾3
50mmの長尺ロールが得られた。同様にして耳格子が
巾150mm長さが150mmについても実施したがほ
ぼ同じ結果が得られた。
【0028】・実施例2 高速印刷製造 実施例1で得られた格子巾125mmで長さ105mm
の長尺ロールを2列2行の耳格子が中心に位置する様に
長さ250mmで巾300mmの用紙に切断し枚葉紙を
得た。市販のオフセット印刷機を改造し、給紙装置を枚
葉紙の進行前方部に20mm間隔に口径1mmのエアー
ブロー装置と用紙の吸引装置と進行後方部にもエアーブ
ロー装置を設置した。エアーブローと吸引装置を調整
し、毎時6000枚の印刷速度の3色連続印刷を実施し
た。得られた格子巾150mmで長さ150mmの長尺
ロールでも同様にして毎時4000枚の印刷速度で単色
連続印刷を実施した。
【0029】・実施例3 ラベルの作成 実施例2で得られた枚葉印刷紙で刃物を使う事なく手の
みで耳格子に沿ってちぎり取った。耳格子に沿っての切
り離し作業は容易であった。切り離された印刷物は落水
模様を有し周囲が毛羽立った外観を呈し、和紙独特の渋
みと手工芸の風合いを示す日本酒又はワイン等のラベル
に適した。
【0030】
【発明の効果】本発明は、機械抄き和紙で品質が一定で
オフセット印刷等の高速印刷で印刷できる和紙を大量に
低コストで供給する事ができる。耳格子と落水模様を有
するラベルは手抄き和紙と同等の落水模様と毛羽立った
切り端の外観を呈し、民芸調の暖かみのあるラベルが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラベル用紙の抄紙機の側面図
【図2】短網及び第1原料槽を示す斜視図
【図3】落水装置の斜視図
【図4】円網及び第2原料槽を示す斜視図
【図5】円網の拡大斜視図
【図6】円網の格子枠を示す斜視図
【図7】ラベル用紙の平面図
【符号の説明】
1 短網 2 第1原料槽 3 円網 4 第2原料槽 13 落水装置 22 格子枠

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト状の抄網(1)の上に連続的に供給
    される水分を含んだパルプ液ないし湿紙上に水ないしパ
    ルプ液を連続的に滴下することによって落水模様を形成
    し、このベルト状の抄網の抄紙方向下流側で格子枠(22)
    を備えた円網(3)で第2原料槽(4)の紙繊維を多数の矩形
    状にして抄き合わせることにより紙厚が薄い耳格子を形
    成し、その後脱水乾燥して得られた用紙を耳格子に沿っ
    て引き裂くことを特徴とする、落水模様と毛羽を備えた
    ラベル用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 ベルト状の抄網(1)と、このベルト状の
    抄網にパルプ液を均一に展開し供給する第1原料槽(2)
    と、ベルト状の抄網(1)の上方に配置されて水ないしパ
    ルプ液を連続的に当該抄網上のパルプ液ないし湿紙に滴
    下する落水装置(13)と、ベルト状の抄網の抄紙方向下流
    側に配置されてベルト状の抄網から送り出された湿紙(1
    7)に紙繊維層を抄き合わせる円網(3)と、この円網にパ
    ルプ液を供給する第2原料槽(4)とを備え、前記円網(3)
    はその外周に薄い金属ないし樹脂で形成した格子枠(22)
    を備えていることを特徴とする、落水模様と毛羽を備え
    たラベル用紙の抄紙機。
  3. 【請求項3】 表面に多数のクレータからなる落水模様
    が形成され、裏面に薄地の紙繊維層を有する格子模様と
    この格子模様で区画された厚地の紙繊維層とを備え、当
    該厚地の紙繊維層は前記薄地の紙繊維層に抄き合わされ
    た紙繊維で形成されていることを特徴とする、ラベル用
    紙。
  4. 【請求項4】 表面に多数のクレータからなる落水模様
    と印刷された文字ないし模様とを備え、周縁に薄地の紙
    繊維層を引き裂いて得られる毛羽を備え、前記薄地の紙
    繊維層とその裏面に抄き合わされた紙繊維とで形成され
    た厚地の紙繊維層を備えていることを特徴とする、ラベ
    ル。
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