JP2000186371A

JP2000186371A - 柱・梁とブレース材との接合構造

Info

Publication number: JP2000186371A
Application number: JP10364037A
Authority: JP
Inventors: Toshiyuki Fukumoto; 敏之福元; Takashi Okayasu; 隆史岡安; Tetsushi Kanda; 徹志閑田; Yukio Hayashi; 幸雄林; Kenichi Kono; 賢一河野; Nobuaki Yoshioka; 伸明吉岡
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1998-12-22
Filing date: 1998-12-22
Publication date: 2000-07-04

Abstract

(57)【要約】【課題】柱と梁にブレース材を接合する場合に、柱に
梁を直接接合でき、柱に梁の一部となる接合部を設ける
必要がなく、柱の工場から現場への運搬効率を向上で
き、接合箇所も削減できてコストを削減でき、さらに、
柱がコンクリート充填鋼管柱の場合には内ダイヤフラム
も削減でき、コンクリート充填の作業性を向上できる柱
・梁とブレース材の接合構造を得る。【解決手段】柱１・梁２の接合部にガセットプレート
を介してブレース材３を接合する接合構造において、柱
１と梁２のそれぞれにブレース材３との接合用のガセッ
トプレートを別個に設けるとともに、これら柱側ガセッ
トプレート10と梁側ガセットプレート11とをブレース材
３に設けたガセットプレート12に接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブレース付きラー
メン架構のブレース材と柱・梁との接合構造に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】ブレース付きラーメン架構では、図４、
図５に示すように柱１と梁２の接合部にトラス構造材で
あるブレース材３の端部も接合することになるが、柱１
と梁２の接合箇所の角部位置で柱１および梁２の側に予
め接合してある正面五角形のガセットプレート４の角部
にブレース材３が接合される。

【０００３】図４に示す例は、管通しガセット５を介し
てブレース材３を前記ガセットプレート４に接合する形
式のもので、中空鋼管やコンクリート充填鋼管（ＣＦ
Ｔ）などによるブレース材３の接合端部の上下左右の４
か所にスリットを設け、プレートを十字状にクロスさせ
た管通しガセット５のプレートをブレース材３のスリッ
トに挿入して溶接するとともに、プレートのブレース材
３からの突出端をガセットプレート４と突き合わせ、こ
の突き合わせ部にスプライスプレート６を当てがい、該
スプライスプレート６を介してボルト７を使用して管通
しガセット５をガセットプレート４に接合する。

【０００４】図５に示す例は、エンドプレート８を介し
てブレース材３をガセットプレート４に接合する方式の
もので、中空鋼管などによるブレース材３の端部開口を
閉塞するようにしてここにエンドプレート８を接合し、
このエンドプレート８をスプライスプレート６を介して
ボルト７でガセットプレート４に固定する。

【０００５】このような接合構造において、前記ガセッ
トプレート４は前記のように柱１と梁２との接合箇所の
コーナー部分にプレートの隣接する辺が取り付けられる
ものであるが、柱１の側に工場で予め一方の辺を溶接し
ておき、このガセットプレート４付きの鋼管などによる
柱１を現場に搬入し、現場では、この柱１とガセットプ
レート４にＨ鋼などによる梁２を結合している。

【０００６】この場合、柱１へのガセットプレート４の
接合は、柱１から梁２の一部となるＨ鋼などによる接合
部２ａを予め接合しておき、この柱１と接合部２ａとに
接合用のプレート４ａ，４ｂを接合し、該接合用のプレ
ート４ａ，４ｂにガセットプレート４を介して結合して
いる。

【０００７】また、柱１にはブレース材３からの力が伝
達されるため、柱１を補強する必要があり、そのための
構造として従来は例えば、図４、図５に示すように柱１
が中空鋼管柱やコンクリート充填鋼管（ＣＦＴ）柱の場
合、ガセットプレート４との接合箇所および梁２との接
合箇所の２箇所で柱１の内部に略プレート状の内ダイヤ
フラム９を柱１の軸線方向と直交する方向に設けてい
る。なお、前記コンクリート充填鋼管柱は、鋼管の中空
内部にコンクリートやモルタルを密に充填してこれを硬
化させたもので、内部に充填したコンクリートなども圧
縮力を負担するために、圧縮耐力、座屈強度を向上でき
るものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このように従来は、ブ
レース材３をガセットプレート４を介して柱１と梁２の
接合箇所に接合する場合、ガセットプレート４が一枚も
ので構成されているため、施工の便宜性を図るにはこの
ガセットプレート４を柱１と梁２の接合部に予め接合し
ておく必要があり、そのためには、柱１に梁２の一部を
ガセットプレート４の接合部２ａとして接合し、前記の
ようにこの接合部２ａと柱１とにガセットプレート４を
接合している。

【０００９】このように、現場に搬入する柱１は梁２の
一部である接合部２ａやガセットプレート４が接合され
た状態になっているため、柱１から突出部が生じ、これ
が嵩張って工場から現場への運搬効率がよくないものに
なっている。

【００１０】また、現場では梁２の柱１への接合は、柱
１に予め固定してある接合部２ａへの接合となり、しか
も、接合部２ａへの梁２の接合は、Ｈ鋼とＨ鋼との接合
となるため、端部を突き合わせての接合となり、ブラケ
ットを用いてボルトなどで両者を結合する。このため、
接合箇所も多く、コスト高となる。

【００１１】さらに、柱１を補強する手段として、梁２
との接合箇所とブレース材３が接合されるガセットプレ
ート４との接合箇所とで、合計３か所に内ダイヤフラム
20を設けることになり、この内ダイヤフラム９の設置枚
数はブレース材３の形状が異なったりすると、さらに多
くなることが予想される。

【００１２】このような内ダイヤフラム９の配設は、通
常はエレクトロスラグ溶接によって鋼管による柱１の内
部に溶接しているが、このエレクトロスラグ溶接は、溶
けたスラグの中に電極ワイヤーを送り込んで、スラグの
抵抗による熱を利用してワイヤーと母材とを溶接する方
法であるため、作業性がよくない。しかも、かかる溶接
方法により多数枚の内ダイヤフラム９を溶接することに
なるため、施工性がよいものとはいえない。

【００１３】また、柱１の内部に多数枚の内ダイヤフラ
ム９が配設されることになると、コンクリート充填鋼管
柱の場合、鋼管内部へのコンクリート充填作業の施工性
もよくない。

【００１４】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、柱と梁にブレース材を接合する場合に、柱に梁を直
接接合でき、柱に梁の一部となる接合部を設ける必要が
なく、柱の工場から現場への運搬効率を向上でき、接合
箇所も削減できてコストを削減でき、さらに、柱がコン
クリート充填鋼管柱の場合には内ダイヤフラムも削減で
き、コンクリート充填の作業性を向上できる柱・梁とブ
レース材の接合構造を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決しするための手段】本発明は、前記目的を
達成するため、第１に、柱・梁の接合部にガセットプレ
ートを介してブレース材を接合する接合構造において、
柱と梁のそれぞれにブレース材との接合用のガセットプ
レートを別個に設けるとともに、これら柱側ガセットプ
レートと梁側ガセットプレートとをブレース材に設けた
ガセットプレートに接合することを要旨とするものであ
る。

【００１６】第２に、梁は柱に溶接により接合されるこ
とを要旨とするものである。

【００１７】第３に、柱に設ける柱側ガセットプレート
は、柱が鋼管柱の場合に、鋼管ウェブ部からそれぞれ突
出する２枚もので構成し、ブレース材側にも前記柱に設
けた２枚の柱側ガセットプレートにそれぞれ接合する２
枚のガセットプレートを設けたことを要旨とするもので
ある。

【００１８】第４に、柱はコンクリート充填鋼管柱であ
ることを要旨とするものである。

【００１９】請求項１記載の本発明によれば、柱・梁側
のガセットプレートを分割して、柱側と梁側とに別個に
設けたから、従来のように柱に梁の一部となる接合部を
突設して、これに一枚もののガセットプレートを取り付
ける必要がなく、柱の工場から現場への運搬が容易にな
る。

【００２０】請求項２記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、従来のように柱に梁の一部となる接合部を突
設する必要がなくなり、柱に梁を直接接合できるから、
現場溶接が可能となり、接合箇所も削減してコストダウ
ンが図れる。

【００２１】請求項３記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、柱が鋼管柱の場合に、ブレース材はガセット
プレートを介して柱の鋼管ウェブに接合するから、剛性
の高い箇所への接合となり、鋼管ウェブの箇所にブレー
ス材からの力を伝達することで鋼管柱の内部に配設する
内ダイヤフラムの数を削減でき、施工性がよくなる。

【００２２】請求項４記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、柱がコンクリート充填鋼管柱の場合は、鋼管
ウェブの箇所にブレース材からの力を伝達することで、
鋼管柱の内部に配設する内ダイヤフラムの数を削減でき
るから、鋼管の中空内部へのコンクリート充填の作業性
が向上する。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図１は本発明の柱・梁とブレ
ース材との接合構造の実施形態を示す正面図、図２は同
上要部の平面図、図３は同上側面図で、図中、図４、図
５に示した従来例と同一の構成要素には同一の参照符号
を付してある。

【００２４】本発明の接合構造の基本構成は、従来と同
様、例えば、ブレース付きラーメン架構では、鋼管によ
る柱１とＨ鋼による梁２の接合箇所の角部位置にガセッ
トプレートを介してブレース材３を接合するもので、こ
の接合箇所で、柱１と梁２のそれぞれにブレース材３と
の接合用の柱側ガセットプレート10と梁側ガセットプレ
ート11を別個に設ける。

【００２５】この柱側ガセットプレート10と梁側ガセッ
トプレート11の形状は、例えば図１に示すように正面細
長の長方形に形成した。そして、柱側ガセットプレート
10は、柱が鋼管柱の場合、鋼管ウェブ１ａの対向する２
箇所から、先端が狭まるようにしてブレース材３の方向
に向けて合計２枚を突出させ、また、梁側ガセットプレ
ート11は梁２を構成するＨ鋼の上部中心から垂直に殖設
した。

【００２６】ブレース材３の側には、エンドプレート８
を備えたガセットプレート12を接合する。このガセット
プレート12は図２に示すようにエンドプレート８の両側
から先端が開くようにして柱１の方向に向かう合計２枚
を突設させるとともに、下方には梁２の方向に向かう１
枚を垂直に突設した。

【００２７】次に、柱１と梁２の接合部にブレース材３
を接合する方法について説明する。柱１と梁２を現場に
搬入し、柱１に梁２を接合する。この場合、柱１には従
来のような梁２との接合部は突設していないから、梁２
の接合端部を柱１の側面に直接当て、現場で溶接により
接合する。

【００２８】そして、柱１と梁２の接合箇所にブレース
材３に取り付けてあるガセットプレート12を配置し、ガ
セットプレート12を柱側ガセットプレート10と梁側ガセ
ットプレート11とにそれぞれ突き合わせ、突き合わせ箇
所にスプライスプレート６を両側からあてがい、両者を
ボルト７で結合する。

【００２９】これにより、ブレース材３と柱１との接合
部は、ブレース材３の側のガセットプレート12が柱１の
鋼管ウェブ１ａに結合することになり、ブレース材３か
らの力がガセットプレート12、柱側ガセットプレート10
を介して剛性の高い鋼管ウェブ１ａに伝達されることに
なる。よって、図１にも示すように鋼管による柱１の内
部に設ける内ダイヤフラム９は、柱側ガセットプレート
10の取り付箇所では省略できる。

【００３０】

【発明の効果】以上述べたように本発明の柱・梁とブレ
ース材との接合構造は、柱と梁にブレース材を接合する
場合に、柱に梁を直接接合できるから、接合方式を現場
での溶接によるものとすることができ、従来のように柱
に梁の一部を構成する接合部を予め設けて置く必要がな
く、接合箇所も削減できてコストを削減でき、工場製作
の柱に突出部がないから、工場から現場への運搬効率を
向上できる。

【００３１】さらに、ブレース材からの力を柱の鋼管ウ
ェブの部分に伝達できるから、柱がコンクリート充填鋼
管柱の場合には内ダイヤフラムも削減でき、コンクリー
ト充填の作業性を向上できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の柱・梁とブレース材の接合構造の実施
形態を示す正面図である。

【図２】本発明の柱・梁とブレース材の接合構造の実施
形態を示す要部の平面図である。

【図３】本発明の柱・梁とブレース材の接合構造の実施
形態を示す側面図である。

【図４】従来の柱・梁とブレース材との通しガセット方
式による接合構造の正面図である。

【図５】従来の柱・梁とブレース材とのエンドプレート
方式による接合構造の正面図である。

【符号の説明】

１…柱１ａ…鋼管ウェブ２…梁２ａ…接合部３…ブレース材４…ガセットプレー
ト４ａ，４ｂ…プレート５…管通しガセット６…スプライスプレート７…ボルト８…エンドプレート９…内ダイヤフラム 10…柱側ガセットプレート 11…梁側ガセットプ
レート 12…ガセットプレート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者閑田徹志東京都調布市飛田給二丁目19番１号鹿島建設株式会社技術研究所内 (72)発明者林幸雄東京都港区元赤坂一丁目２番７号鹿島建設株式会社内 (72)発明者河野賢一東京都港区元赤坂一丁目２番７号鹿島建設株式会社内 (72)発明者吉岡伸明東京都港区元赤坂一丁目３番８号鹿島建設株式会社東京支店内Ｆターム(参考） 2E125 AA04 AA14 AA33 AB01 AB16 AB17 AC15 AC16 AG03 AG04 AG45 AG57 BB02 BB22 BD01 BE05 BF04 CA05 CA06 CA14 EA01 EA33

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】柱・梁の接合部にガセットプレートを介
してブレース材を接合する接合構造において、柱と梁の
それぞれにブレース材との接合用のガセットプレートを
別個に設けるとともに、これら柱側ガセットプレートと
梁側ガセットプレートとをブレース材に設けたガセット
プレートに接合することを特徴とする柱・梁とブレース
材との接合構造。
【請求項２】梁は柱に溶接により接合される請求項１
記載の柱・梁とブレース材との接合構造。
【請求項３】柱に設ける柱側ガセットプレートは、柱
が鋼管柱の場合に、鋼管ウェブ部からそれぞれ突出する
２枚もので構成し、ブレース材側にも前記柱に設けた２
枚の柱側ガセットプレートにそれぞれ接合する２枚のガ
セットプレートを設けた請求項１または請求項２に記載
の柱・梁とブレース材との接合構造。
【請求項４】柱はコンクリート充填鋼管柱である請求
項１から請求項３のいずれかに記載の柱・梁とブレース
材との接合構造。